JP2845558B2 - メチオニンアミノペプチダーゼのdna配列 - Google Patents

メチオニンアミノペプチダーゼのdna配列

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、遺伝子組変え技術を利用して、N−末端の
メチオニンを欠失する蛋白質やペプチドを得る上で有用
なメチオニンアミノペプチダーゼをコードするDNAに関
する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 細胞内での蛋白質の生合成において、そのアミノ末端
は、開始コドンに対応するメチオニンから始まってい
る。このメチオニンは、その後のプロセシングにより除
去されるので、完成された成熟型蛋白質には、通常、メ
チオニンが存在しない。
一方、遺伝子組換え技術を利用して蛋白質、ペプチド
を生体内に生産する場合には、開始コドンATGなどに由
来するメチオニンがアミノ末端に付加した蛋白質(以
下、前駆体蛋白質という)が産生される例が見いだされ
ている。このアミノ末端にメチオニンが付加した前駆体
蛋白質は、蛋白質の高次構造などの相違に基づいて、メ
チオニンが付加していない蛋白質である成熟型蛋白質に
比較して抗原性の増加が指摘されている。従って、遺伝
子組換え技術を利用して産生した前駆体蛋白質を医薬品
などに利用するためには、アミノ末端に付加したメチオ
ニンを選択的に除去し、成熟型蛋白質を得る必要があ
る。
成熟型蛋白質を前駆体蛋白質から製造する方法とし
て、メチオニンがアミノ末端に付加した前駆体蛋白質
に、メチオニンアミノペプチダーゼを作用させてメチオ
ニンを選択的に除去し、成熟型蛋白質を得る方法が提案
されている。この方法に利用できるメチオニンアミノペ
プチダーゼとして、大腸菌(Escherichia coli)由来の
メチオニンアミノペプチダーゼ[特開昭62−115281号公
報、J.Bacteriol.,169,2,751−757(1987)]、および
サルモネラティフィムリウム(Salmonella typhimuriu
m)[WO 8805993,Eur.J.Biochem.,180,23−32(198
9)]由来のメチオニンアミノペプチダーゼが提案され
ている。これらのメチオニンアミノペプチダーゼは、蛋
白質として単離され、その遺伝子も明らかにされてい
る。
また、ラット肝臓膜結合型メチオニンアミノペプチダ
ーゼも、単離には至っていないものの高度に精製され、
その性質が部分的に明らかにされている[Biochem.,J.,
234,469−473(1986)]が、その遺伝子は未知である。
また、エキソペプチダーゼやエンドペプチダーゼの基
質特異性を利用して成熟型蛋白質のアミノ末端に適当な
アミノ酸配列を付加し、適当なペプチダーゼにより付加
アミノ酸を除去することにより成熟蛋白質型を得る方法
も提案されている[特開昭62−171699号公報、Biotechn
ology,5,824−827(1987)、特表昭62−500003号公
報]。
さらに、複数種のアミノペプチダーゼを組み合わせる
方法(特表昭60−500043号公報)、ジペプチジルアミノ
ペプチダーゼ(dipeptidyl aminopeptidase)IVのみに
よる方法(特開昭60−256396号公報)も提案されてい
る。また同様の方法は、特表昭62−501609号公報、特開
平1−181796号公報にも開示されている。
これらの方法は、全て、アミノ末端に特定のアミノ酸
配列を有する蛋白質のみに適用可能であり、汎用性に欠
ける。また開始コドンに由来するMet以外にいくつかの
アミノ酸を挿入したり、複数のペプチダーゼを組み合わ
せて用いる必要があるので、実用的でない。
このような点から、前駆体蛋白質から、開始コドンに
由来するMetのみを選択的に除去するには、生体内で本
来この役割を担っているメチオニンアミノペプチダーゼ
を用いるのが好ましい。
従って、本発明の目的は、既知の2種類のメチオニン
アミノペプチダーゼとは異なる新規なメチオニンアミノ
ペプチダーゼをコードするDNAを提供することにある。
[発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明は、枯草菌のメチオ
ニンアミノペプチダーゼをコードするDNAを提供する。
本発明のメチオニンアミノペプチダーゼをコードする
DNAは、枯草菌に由来する。枯草菌の菌株は、map遺伝子
を含む限り特に制限されない。枯草菌の菌株としては、
例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)A
TCC33234株[アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ション(American Type Culture Correction)から入手
可能である]、バチルス・ズブチリスIFO14412株、バチ
ルス・ズブチリスIFO14415株、バチルス・ズブチリスIF
O14419株(これらはいずれも財団法人醗酵研究所から入
手可能である)などが挙げられる。
枯草菌由来のメチオニンアミノペプチダーゼをコード
するDNAは、アミノ酸ベースで、大腸菌のmap遺伝子との
相同性が46.2%、サルモネラのmap遺伝子との相同性が4
6.6%であり、相同性が高い。従って、枯草菌のmap遺伝
子により発現したメチオニンアミノペプチダーゼは、前
記既知の2種類のメチオニンアミノペプチダーゼと同様
に、開始コドンに由来するアミノ末端に付加したメチオ
ニンを特異的に切断する。
また、表に示されるように、大腸菌やサルモネラのメ
チオニンアミノペプチダーゼのmap遺伝子は264のアミノ
酸からなり、7つのCys残基が存在するのに対して、枯
草菌のメチオニンアミノペプチダーゼをコードするDNA
は248のアミノ酸からなり、3つのCys残基しか存在しな
い。従って、大腸菌やサルモネラのメチオニンアミノペ
プチダーゼのmap遺伝子では、高発現した場合に誤って
ジスルフィド結合が形成する可能性が高く、活性が発現
しない虞がある。特に、サルモネラでは、すべてのCys
がフリーな状態で存在しているので、その可能性が高
い。一方、枯草菌のメチオニンアミノペプチダーゼをコ
ードするDNAは、Cys残基が有意に少ないため、誤ってジ
スルフィド結合する可能性が小さく、不活性化の危険が
少なく有用である。
メチオニンアミノペプチダーゼをコードするDNA配列
は、枯草菌のmap遺伝子を含む限り制限されないが、一
例として下記式で表されるDNA配列が挙げられる。
なお、本発明のDNA配列により発現したメチオニンア
ミノペプチダーゼには、アミノ末端のメチオニンを特異
的に切断する機能上、実質的に等しいメチオニンアミノ
ペプチダーゼも含まれる。例えば、メチオニンアミノペ
プチダーゼには、中性形や塩形、並びに非蛋白質成分、
例えば、グリコシル残基、アセチル残基、脂質残基を含
む形も含まれる。
枯草菌由来のメチオニンアミノペプチダーゼをコード
するDNA、メチオニンアミノペプチダーゼおよび成熟蛋
白質の製造において、DNAの調製、ベクターの調製、組
換えベクターDNAの調製、形質転換方法、および形質転
換株の選択などには“Molecullar Cloning:A Laborator
y Manual"(T.Maniatis,et al.(1982) Cold Spring H
arbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)を参照で
きる。
枯草菌由来のメチオニンアミノペプチダーゼをコード
するDNAは、次のようにして調製できる。
枯草菌の染色体DNAに、制限酵素を作用させ、慣用の
分離方法、例えば、ポリアクリルアミドゲルやアガロー
スゲル電気泳動法により、メチオニンペプチダーゼをコ
ードするmap遺伝子を含むDNA断片を抽出する。制限酵素
によるDNAの切断は、一般的な条件や制限酵素の製造業
者によるマニュアルに記載された条件で行なうことがで
きる。map遺伝子を含むDNA断片は、既知のメチオニンア
ミノペプチダーゼをコードするDNA断片、例えば、大腸
菌のsecY遺伝子を含むDNA断片をプローブとして、ハイ
ブリタイゼーション法により検出できる。
なお、メチオニンアミノペプチダーゼをコードするDN
Aは、公知の化学的合成法、例えば、コーエンらのトリ
エステル法[J.Am.Chem.Soc.(1981)103,3185]、自動
オリゴヌクレオチド合成機を利用して化学的に合成する
こともできる。
枯草菌由来のメチオニンアミノペプチダーゼは、次の
ようにして得ることができる。
map遺伝子を含むDNA断片を、ベクターDNAに連結し、
組換えベクターDNAを調製する。DNA断片の連結は、慣用
の方法、例えば、制限酵素を用いて切断したDNA断片と
ベクターDNA断片とをリガーゼを用いて連結する制限酵
素法、リンカー法などにより行なうことができる。得ら
れた組換えベクターDNAを宿主微生物に移入して形質転
換する。
ベクターは、宿主に応じて、慣用のベクター、例え
ば、ColE1、pBR322、pSC101、Tiプラスミド、pTUB4[Ta
keich,Y.et al.Agric.Biol.Chem.,47,159(1983);Yama
zaki,H.et al.J.Bacterial.156(1),327(1983)]な
どのプラスミド、バクテリオファージλ、SV40ウィルス
などから選択できる。好ましいベクターはプラスミドで
ある。
またメチオニンアミノペプチダーゼを高発現させるた
め、組換えベクターDNAにおいて、前記map遺伝子を含む
DNA断片の開始コドンATGの上流には、それら自身のプロ
モータ、または付加したトリプトファン(trp)プロモ
ーター、β−ラクタマーゼ及びラクトース(lac)プロ
モータなどのプロモータ、リボソーム結合部位などが存
在する。
組換えベクターDNAの宿主微生物への移入は、慣用の
方法、例えばカルシウムイオンの存在下で処理する方法
[Proc.Natl.Acad.Sci.(1972)69,2110]、プロトプラ
スト化法などを利用して行なうことができる。
宿主微生物は、例えば、酵母、カビなどであってもよ
いが、大腸菌又は枯草菌であるのが好ましい。宿主は、
形質転換体を選別するためのマーカーとなるアンピシリ
ン(Amp)、テトラサイクリン(Tc)、カナマイシン(K
m)などの抗生物質に対して耐性を示す遺伝子を含んで
いる。
形質転換した宿主を培養し、マーカーを利用する慣用
のスクリーニング法により、map遺伝子を高発現する形
質転換株を選別する。得られた高発現性形質転換株を適
当な培地で培養し、培養液から菌体を集菌し、単離する
ことにより、メチオニンアミノペプチダーゼが得られ
る。
成熟蛋白質は、(1)菌体内(in vivo)でMetが除去
された成熟型蛋白質を産生させる方法、(2)菌体外
(in vitro)でMetが付加した前駆体蛋白質に、メチオ
ニンアミノペプチダーゼを作用させる方法などにより得
ることができる。
前記(1)の方法においては、次のような方法が採用
できる。
(1−1)ベクターDNA断片に、map遺伝子を含むDNA断
片と、成熟蛋白質をコードするDNA断片とを連結して組
換えベクターDNAを調製する。得られた組換えベクターD
NAを宿主に移入して形質転換し、スクリーニングするこ
とにより、map遺伝子および蛋白質を高発現する形質転
換株を得る。この形質転換株を適当な培地で培養するこ
とにより、菌体内で、前駆体蛋白質のMetがメチオニン
アミノペプチダーゼで切断された成熟型蛋白質が産生す
る。
(1−2)map遺伝子を含む組換えベクターDNAと、成熟
蛋白質をコードするDNA断片を含む組換えベクターDNAの
二種の組換えベクターDNAで宿主を同時に形質転換する
ことにより、上記と同様にして成熟型蛋白質を得る。す
なわちmap遺伝子を含むDNA断片とベクターDNA断片とを
連結した組換えベクターDNAと、成熟蛋白質をコードす
るDNA断片とベクターDNA断片とを連結した組換えベクタ
ーDNAとを宿主に同時に移入して形質転換し、map遺伝子
および蛋白質を高発現する形質転換株を選別する。得ら
れた形質転換株を培養することにより成熟型蛋白質が得
られる。
前記(2)の方法では、成熟蛋白質をコードするDNA
断片とベクターDNA断片とを連結した組換えベクターDNA
を宿主に移入して形質転換し、形質転換体を培養し、Me
tが付加した前駆体蛋白質を得る。次いで、前記のよう
にして調製された酵素メチオニンアミノペプチダーゼ
を、前記体蛋白質に作用させ、アミノ末端のMetを特異
的に切断して、成熟型蛋白質を得る。
なお、前記(1)(2)の組換えベクターDNAにおい
て、蛋白質を高発現させるため、成熟型蛋白質をコード
するDNA断片の開始コドンの上流には、map遺伝子を含む
DNA断片と同様に、プロモータ、リボソーム結合部位な
どが存在する。
前記蛋白質の種類は、特に制限されず、例えば、α−
インターフェロン、γ−インターフェロン;ヒトインタ
ーロイキン−1、ヒトインターロイキン−2などのリン
ホカイン;ヒト成長ホルモン、ウマ成長ホルモンなどの
成長ホルモン、インシュリンなどのホルモン;腫瘍壊死
因子;ウロキナーゼ、プラスミノーゲン活性化因子、ア
ルコールデヒドロゲナーゼ、β−ラクタマーゼ、アミラ
ーゼ、イソメラーゼなどのタンパク酵素;ジフテリア、
コレラ毒素、ヒト血漿アルブミンなどの蛋白質成分など
であってもよい。これらの蛋白質をコードするDNAは、
公知の方法により調製できる。
前記(2)の方法において、メチオニンアミノペプチ
ダーゼを繰返し使用できるようにするため、メチオニン
アミノペプチダーゼは担体に固定化されていてもよい。
担体は、メチオニンアミノペプチダーゼを固定化するも
のであればよいが、好ましくは水に不溶でかつ親和性の
高いポリマーである。ポリマーとしては、例えば、アガ
ロースとその誘導体、セルロースとその誘導体、架橋デ
キストランとその誘導体、ポリスチレン、ポリアクリル
アミドなどのホモポリマー、およびアガロースとポリア
クリルアミドとのコポリマーなどが挙げられる。メチオ
ニンアミノペプチダーゼは、慣用の方法、例えば、包括
性、吸着性、共有結合法により、担体に固定できる。共
有結合法では、臭化シアンなどのハロゲン化シアンによ
り担体を活性化して酵素を直接結合させてもよく、ジア
ミンやアミノカルボン酸をスペーサとして間接的に結合
させてもよい。
前記(2)の方法において、メチオニンアミノペプチ
ダーゼの量は、通常、前駆体蛋白質1モルに対して、0.
001〜1モル、好ましくは0.01〜0.25モル程度である。
前駆体蛋白質とメチオニンアミノペプチダーゼとの反応
は、通常、酵素反応を阻害しない緩衝液、例えば、リン
酸、塩酸などの無機酸または酢酸などの有機酸と、ナト
リウム、カリウム、アンモニウムなどの無機塩基との塩
を含む緩衝溶液の存在下で行なうことができる。反応条
件は、酵素反応を阻害しない範囲を選択でき、例えば、
反応系のpHは、通常、6〜9程度、反応温度は、通常15
〜70℃、好ましくは30〜50℃程度である。反応生成物
を、抽出、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどの分
離精製手段に供することにより、アミノ末端のメチオニ
ンが除去された成熟型蛋白質が得られる。
なお、メチオニンアミノペプチダーゼをコードする遺
伝子は、前記メチオニンアミオンペプチダーゼ、および
成熟型蛋白質の産生に限らず、map遺伝子をプローブと
して、他のBacillus属などの細菌や酵母、カビ、高等動
物などのメチオニンアミノペプチダーゼ遺伝子を探索す
るためにクローニングすることにも利用できる。
本発明のメチオニンアミノペプチダーゼをコードする
DNA配列は、Metをアミノ末端に有さず、天然の生理活性
ペプチドと同一のアミノ酸配列及び活性を有し、低毒性
で安全性の高い医薬品や診断用薬剤を製造するために好
適に使用される。
なお、本明細書は、下記のプラスミドおよび微生物を
も開示する。
(A)少なくとも前記枯草菌由来のメチオニンアミノペ
プチダーゼをコードするDNAが、プロモータ、リボソー
ム結合部位の下流に連結されているプラスミド。
(B)上記(A)のプラスミドにより形質転換された微
生物、好ましくは大腸菌および枯草菌。
本明細書において、アミノ酸を略号で表示する場合、
アミノ酸の略号は次の通りである。また、アミノ酸は、
特に断わりのない限りL−体を示す。
Gly:グリシン Ala:アラニン Val:バリン Leu:ロイシン Ile:イソロイシン Ser:セリン Thr:スレオニン Pro:プロリン Asp:アスパラギン酸 Glu:グルタミン酸 Lys:リジン Arg:アルギニン Asn:アスパラギン Gln:グルタミン Cys:シスチン Met:メチオニン Trp:トリプトファン Phe:フェニルアラニン Tyr:チロシン His:ヒスチジン [発明の効果] 以上のように、本発明によれば、開始コドンに由来す
るアミノ末端のメチオニンを特異的に除去できる新規な
メチオニンアミノペプチダーゼをコードするDNA配列が
提供される。従って、遺伝子組換え技術を利用して、N
−末端のメチオニンを欠失し、天然の活性を有する蛋白
質やペプチドを得ることができる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
なお、DNAの調製方法および大腸菌の形質転換方法
は、Molecullar Cloning:A Laboratry Manual(T.Mania
tis,et al.(1982)Cold Spring Harbor Laboratory Co
ld Spring Harbor,N.Y.)に記載の方法に従って行っ
た。
枯草菌のmap遺伝子をクローニングするため、サザン
ハイブリダイゼーション法(E.M.Southern(1975)J.Mo
l.Biol.98,503−517)を利用した。
先ず、バチルス・ズブチリスATCC33234株より染色体D
NAを調製し、染色体DNAを制限酵素Hind IIIで消化し
た。得られた試料を0.8%アガロースゲル電気泳動に供
し、泳動終了後、DAN断片を、アガロースゲルからジー
ンスクリーニングプラスハイブリダイゼーショントラン
スファーメンブレン(NEM Research Products社製)へ
移した。次いで、プラスミドpKY3(K.Shiba,et al.(19
84)EMBO J.3,631−635)に挿入されている大腸菌のsac
Y遺伝子を含む1.1KbのHind III DNA断片を[α−32P]d
CTPを用いて標識し[A.P.Feinberg,et al.(1983)Ana
l.Biochem.132,6−13]、それをプローブとしてハイブ
リダイゼーションを行った。その結果、3.5KbのDNA断片
が検出された。
そこで、バチルス・ズブチリスATCC33234株の染色体D
NAをHind IIIで完全消化し、0.8%アガロースゲル電気
泳動に供し、アガロースゲルより3.5Kb付近のDAN断片を
抽出した。次に、DNA断片をプラスミドpUC13のHind III
部位と連結し、大腸菌JM109株を形質転換した。得られ
た1000個のアンピシリン耐性株についてプラスミドを調
製し、サザンハイブリダイゼーション法により同様の解
析を行ったところ、3個のクローンが得られた。得られ
た3つのクローンを、それぞれpTUB801、802および803
と命名した。制限酵素による解析から、得られたプラス
ミドには、いずれも3.5KbのHind III DNA断片が同一方
向で挿入されていた。
これらの中からプラスミドpTUB801中に挿入されたDNA
断片について、ジデオキシ法[F.Sanger,et al.(197
7)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.74,5463−5467]を利用
してDNA塩基配列の解析を行った。その結果、5つのオ
ープンリーディングフレームが存在しており、その1つ
は下記DNA塩基配列を有していた。なお、DNA塩基配列か
ら予想されるアミノ酸配列を併せて示す。
このDNA塩基配列とそれから予想されるアミノ酸配列
について、大腸菌のmap遺伝子と比較したところ、DNAレ
ベルで55.3%、アミノ酸レベルで46.2%の相同性が認め
られ、このDNA塩基配列は枯草菌のmap遺伝子であると同
定した。
なお、相同性はSDC−GENETYX解析ソフトを利用して求
めた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表され、その一部が欠失、置換、もしくは付加されて
    いてもよいアミノ酸配列からなり、アミノ末端に付加し
    たメチオニンを選択的に除去し得るメチオニンアミノペ
    プチダーゼをコードするDNA。
  2. 【請求項2】式 で表され、その一部が欠失、置換、もしくは付加されて
    いてもよい塩基配列からなり、アミノ末端に付加したメ
    チオニンを選択的に除去し得るメチオニンアミノペプチ
    ダーゼをコードするDNA。
  3. 【請求項3】枯草菌のバチルス属に由来する請求項1ま
    たは2記載のDNA。
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