JP2845020B2 - アズロール型超高張力電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

アズロール型超高張力電縫鋼管の製造方法

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JP2845020B2 JP8032192A JP8032192A JP2845020B2 JP 2845020 B2 JP2845020 B2 JP 2845020B2 JP 8032192 A JP8032192 A JP 8032192A JP 8032192 A JP8032192 A JP 8032192A JP 2845020 B2 JP2845020 B2 JP 2845020B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアズロール型超高張力電
縫鋼管の製造方法に係り、自動車用ドア内部などにおけ
るインパクトバー用その他として好ましい高強度を有す
ると共に形状ないし品質的に優れた電縫鋼管を安定且つ
低コストに製造することのできる方法を提供しようとす
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車輌用ドアに関し、側面衝
突時などにおける安全性を図り、しかも軽量性を得るた
めに鋼管などによるドアインパクトバーと称される補強
材を内部に設けることが行われている。即ち、このよう
なインパクトバーとして従来70〜80キロ級のものが
一般的に用いられているが、近時公開されたものに特開
平2−197525号公報があり、C、Mn、SiおよびNb
を特定範囲とすると共にCr、Moの1種以上を含有した素
材鋼スラブを用い、造管まま、もしくは低温の歪取焼鈍
後にて引張強さが60〜100kgf /mm2 の鋼管とする
ことを特徴とするものとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し上記のような従来
の技術によるものにおいては上記したインパクトバー用
とした場合において必ずしも好ましいものでない。即ち
引張強度において前記の程度では前記したような目的に
おいてなお不充分であり、必然的にそれなりに厚肉とな
り、軽量化・安全性強化が充分に図られない。
【0004】このような不利を避けるために素材成分を
特定し又所要の元素を添加したものとして準備し得られ
た冷延板を用いて溶接造管してから別ラインにおいて均
熱焼入れ、焼戻し等の処理をなすことが考えられるが、
造管して定寸に切断された鋼管に対する処理となるから
その工程は煩雑で多くの工数を必要とし、必然的に高価
とならざるを得ない。しかも品質的に表面粗度が劣る不
利がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
実情に鑑み、検討を重ね、素材の成分を特定すると共に
熱延鋼板のマルテンサイト相比を高めた特定範囲とする
ことにより引張強度を有効に高め、又電縫溶接部におけ
る品質を向上して120kgf /mm2 以上のような優れた
強度を有するインパクトバー用電縫鋼管を簡易且つ低コ
ストに得ることに成功したものであって、以下の如くで
ある。
【0006】C:0.10〜0.30wt%、Mn:
0.6〜2.0wt%、Si:0.03〜1.20wt
%、Cr:0.3wt%を超え1.5wt%以下を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物から成りマルテン
サイト相比が45〜100%である超高張力鋼帯を電縫
鋼管製造設備において、電縫溶接すると共に該溶接シー
ム部を溶接直後650〜850℃に局部熱処理すること
を特徴とする車輌ドアインパクトバー用アズロール型超
高張力電縫鋼管の製造方法。
【0007】
【作用】上記したような本発明について、その仔細を述
べると、先ず鋼成分範囲限定理由をwt%(以下単に%と
いう)により説明すると、以下の如くである。
【0008】C:0.10〜0.30%。 Cは、マルテンサイト生成元素であり、かつマルテンサ
イトの硬さを高める元素であるから120kgf /mm2
上のような本発明の目的とした強度を得る最低限量とし
て0.10%は必要である。一方0.30%を超えると鋼ス
ラブに割れが生じ易くなり、又耐衝撃性や炭酸ガスアー
ク溶接などの組付時の如きにおける溶接性が低下するの
でこれを上限とする。
【0009】Mn:0.6〜2.0%。 Mnは、オーステナイトの焼入性を向上させる元素であっ
て、マルテンサイト量をコントロールし、所定強度を安
定して得るための最低限としては0.6%以上が必要であ
る。又その上限は電縫管の耐衝撃性劣化を避けるため2.
0%とした。
【0010】Si:0.03〜1.20%。 Siは、脱酸元素であり、鋼板の機械的特性に寄与し、延
性などを向上する元素として0.03%以上を必要とす
る。しかしこのSiが1.20%を超えると電縫溶接時のス
パッタリングが多くなり、電縫溶接部の機械的性質が劣
化するので、これを上限とする。
【0011】Cr:0.3%を超え1.5%以下 Crは、焼入れ性を高める元素であり、本発明電縫管の
素材である熱延鋼板のマルテンサイト比を45〜10
0%にするための最低限量として0.3%を超えている
ことが必要である。また、1.5%を超えると、Cr
酸化物が電縫溶接部に残存することになって電縫部
の機械的性質が劣化することから、この1.5%を上限
とした。
【0012】本発明によるものは、前記したようなC、
Mn、Si、Crを所定範囲内で含有し、残部についてはFeお
よび不可避的不純物であって、このようにすることによ
り電縫溶接部の品質を向上することができる。
【0013】更に、本発明のものは、素材熱延鋼板のマ
ルテンサイト相比を45%以上と限定し、所望の強度を
もった電縫管とする。即ちこのマルテンサイト相比が4
5%未満のものにおいては電縫管の強度が急激に低下
し、成程本発明による成分組成を有し、電縫溶接を同じ
に実施しても120kgf /mm2 以上の高強度を得ること
ができない。
【0014】上記のような成分組成、マルテンサイト相
比をもった連続鋳造後の熱延鋼板は、適宜に酸洗し、電
縫溶接設備に送られ、図1に概要を示したような成形及
び電縫溶接すると共に該溶接シーム部を650°〜85
0℃に局部熱処理し、即ちこのような局部加熱によって
電縫溶接時の急速加熱、急冷により硬化した組織を適切
に改善して強靱性を高め、偏平化その他の加工時におい
て溶接部における割れ発生などを回避せしめる。またこ
のような局部熱処理後は順次に所定寸法に切断され、目
的のインパクトバーが高能力に製造される。
【0015】前記電縫造管設備の溶接以後の概要は図2
の如くであって、鋼板Pは溶接ロール1で溶接されたも
のが空冷ゾーン3、水冷ゾーン4を経てサイジングロー
ル5で矯正され、切断機6切断されるが、前記溶接ロー
ルの直後にシーム熱処理機構2により加熱処理される。
【0016】上記のように電縫溶接して送られる電縫鋼
管に対する前記熱処理機構2は電縫溶接シーム部に対し
幅が10mm前後で長さが3〜10m、好ましくは4〜6
m程度の高周波誘導加熱機構が設けられ、走行する電縫
鋼管の溶接部を局部加熱する。即ちこのような局部加熱
によって電縫溶接時の急速加熱、急冷により硬化した組
織を適切に改善し、偏平化その他の加工時において溶接
部における割れ発生などを回避せしめる。
【0017】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施例について説明すると、本発明者等は、次の表1に
示すような成分組成とマルテンサイト相比をもった、厚
さが3.2mmであ本発明No.1〜No.11 と比較例No.12 〜N
o.18 のる熱延鋼帯を準備した。
【0018】
【表1】
【0019】熱延鋼帯の製造は前記表1による組成をも
ったスラブを1100〜1250℃に均熱した後、仕上
温度890〜920℃で熱間圧延し、続いて急水冷を行
ってから、100〜300℃で巻取り熱延コイルとし
た。
【0020】前記のようにして得られた熱延コイルによ
る鋼板は、スリットされた後、電縫溶接設備に順次送ら
れて、40m/min の速度で成形ロールおよびスクイズ
ロールを経しめ電縫溶接した。
【0021】得られた溶接鋼管は、次いで長さ5mの前
記熱処理機構2により溶接シームを630〜870℃の
温度で連続熱処理せしめ、外径34.0mmφの製品とし
た。上記のようにして得られた各電縫鋼管における機械
的特性を試験測定した結果は次の表2の通りである。
【0022】
【表2】
【0023】即ち本発明例であるNo.1〜No.11 のもの
は、引張強さにおいて、1275N/mm2 以上の高い値
を示し、三点曲げ時の最大荷重は、1711kgf 以上で
あり、660〜850℃のシーム熱処理を適用している
ため最大曲がり部の割れは発生しなかった。これに対
し、比較例のNo.15 〜No.18 のものは熱延鋼板のマルテ
ンサイト相比が表1のように41%以下であり、得られ
た電縫管の引張強さは、1079N/mm2 以下であっ
て、三点曲げ時の最大荷重は1100kgf に達しないも
のであった。
【0024】また比較例No.12 〜No.14 においては本発
明の鋼帯を用いて電縫鋼管としているが、シーム熱処理
温度を630℃、870℃とし、あるいはシーム熱処理
を実施しない例である。No.12 およびNo.14 は最大曲が
り部で割れが発生しており、No13は割れ発生はないが、
引張強さが極端に低下し、1275N/mm2 に達しない
ものであった。
【0025】なお前記のようにして得られた製品につい
て図3に示すような偏平化して溶接部に割れが発生した
時の高さH、即ち、偏平高さを求めた結果は次の表3に
示す如くであり、本発明により割れの発生する偏平高さ
は、1/2 以下に縮減され、著しく改善されていることが
確認された。参考として図4に溶接のままおよびシーム
熱処理の電縫溶接部近傍の硬さ測定結果を示した。
【0026】
【表3】
【0027】即ち、シーム熱処理を適用することにより
硬度が均一化され、3点曲げ試験での割れ発生が改善さ
れて扁平割れ高さの改善が明らかである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
引張強度が高く、しかも偏平化試験特性においても優れ
たドアインパクトバー用鋼管を高性能且つ低コストに均
一な特性をもった製品として製造することができるもの
であるから工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるものの製造工程をブロック図とし
て示した説明図である。
【図2】本発明についての装置概要を示した説明図であ
る。
【図3】本発明において割れ発生の偏平高さを求める要
領の説明図である。
【図4】本発明によって得られた電縫鋼管の溶接部近傍
についての硬さ分布の測定例を示した図表である。
【符号の説明】
1 溶接ロール 2 シーム熱処理装置 3 空冷ゾーン 4 水冷ゾーン 5 サイジングロール 6 カットオフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 龍男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉田 道昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−205032(JP,A) 特開 平4−6219(JP,A) 特開 平4−52254(JP,A) 特開 平1−168813(JP,A) 特開 昭53−97964(JP,A) 特開 平4−224655(JP,A) 特開 平4−276018(JP,A) 特開 平5−59493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/10 B23K 11/36 330 C21D 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.10〜0.30wt%、Mn:
    0.6〜2.0wt%、Si:0.03〜1.20wt
    %、Cr:0.3wt%を超え1.5wt%以下を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物から成りマルテン
    サイト相比が45〜100%である超高張力鋼帯を電縫
    鋼管製造設備において、電縫溶接すると共に該溶接シー
    ム部を溶接直後650〜850℃に局部熱処理すること
    を特徴とする車輌ドアインパクトバー用アズロール型超
    高張力電縫鋼管の製造方法。
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MX2021014596A (es) * 2019-05-28 2022-01-11 Jfe Steel Corp Soldadura por puntos de resistencia, metodo de soldadura por puntos de resistencia, junta soldada por puntos de resistencia y metodo para fabricar la junta soldada por puntos de resistencia.
CN111180553B (zh) * 2020-01-07 2021-10-12 韩华新能源(启东)有限公司 一种新型叠焊组件的制备方法、叠焊组件及加工设备

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