JP2840605B2 - スチレン系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系共重合体及びその製造方法

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JP2840605B2 JP2059871A JP5987190A JP2840605B2 JP 2840605 B2 JP2840605 B2 JP 2840605B2 JP 2059871 A JP2059871 A JP 2059871A JP 5987190 A JP5987190 A JP 5987190A JP 2840605 B2 JP2840605 B2 JP 2840605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系共重合体及びその製造方法に関
し、詳しくはスチレン系モノマーとオレフィン系モノマ
ーとからなる特定の立体構造を有する共重合体及びその
効率の良い製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来からラジカル重合法等により製造されるスチレン
系重合体は、その立体構造がアタクチック構造を有して
おり、種々の成形法、例えば射出成形,押出成形,中空
成形,真空成形,注入成形などの方法によって、様々な
形状のものに成形され、家庭電気器具,事務機器,家庭
用品,包装容器,玩具,家具,合成紙その他産業資材な
どとして幅広く用いられている。
しかしながら、このようなアタクチック構造のスチレ
ン系重合体は、耐熱性,耐薬品性に劣るという欠点があ
った。
ところで、本発明者らのグループは、先般、シンジオ
タクティシティーの高いスチレン系重合体を開発するこ
とに成功し、さらにこのスチレンモノマーと他の成分を
共重合したスチレン系重合体を開発した(特開昭62−10
4818号公報,同63−241009号公報)。これらのシンジオ
タクチック構造の重合体あるいは共重合体は、耐熱性,
耐薬品性及び電気的特性に優れ、多方面にわたる応用が
期待されている。
しかしながら、上記重合体、特にシンジオタクチック
ポリスチレンは、ガラス転移温度が高く、射出成形温度
を高く設定しないと、その特性を充分に発揮できないと
いう問題がある。また、高温金型で成形した成形品は、
耐衝撃性に改善の余地を残している。さらに、上記重合
体は、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン類との相溶性に乏しいという欠点がある。
柔軟性を特徴とするオレフィン系重合体からみると、
耐溶剤性,耐熱性,耐衝撃強度に改善の余地を残して
る。
そこで本発明者らは、シンジオタクチックポリスチレ
ンのガラス転移温度を低下させ、これによって低温射出
成形を可能にするとともに、耐衝撃性を向上させ、さら
にポリオレフィンとの相溶性を改善すべく、鋭意研究を
重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、特定の触媒の存在下でスチレン系モノマー
とオレフィン系モノマーを共重合すると、シンジオタク
チック構造のスチレン系繰返し単位連鎖にオレフィン成
分を共重合させた構造の共重合体が生成し、この共重合
体がガラス転移温度が低く、しかもポリオレフィンとの
相溶性が良好であり、目的とする改質を達成しうるもの
であることを見出した。本発明はかかる知見に基いて完
成したものである。
すなわち、本発明は、一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素数20
個以下の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。
nが複数のときは、各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされるスチレン系繰返し単位及び 一般式〔II〕 〔式中、R2は水素原子あるいは炭素数20個以下の飽和炭
化水素基を示す。〕 で表わされるオレフィン系繰返し単位からなり、オレフ
ィン系繰返し単位を0.1〜99.9重量%含有するととも
に、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン中で測定した極
限粘度が0.07〜20dl/gであり、かつスチレン系繰返し単
位連鎖の立体規則性が高度なシンジオタクチック構造で
あることを特徴とするスチレン系共重合体を提供すると
ともに 一般式〔I′〕 〔式中、R1及びnは前記と同じ。〕 で表わされるスチレン系モノマー及び 一般式〔II′〕 〔式中、R2は前記と同じ。〕 で表わされるオレフィン系モノマーを、遷移金属化合物
とアルキルアルミノキサンからなる触媒の存在下で共重
合させることを特徴とする上記のスチレン系共重合体の
製造方法を提供するものである。
本発明のスチレン系共重合体は、上記の如く一般式
〔I〕で表わされる繰返し単位と一般式〔II〕で表わさ
れる繰返し単位からなるが、ここで一般式〔I〕で表わ
される繰返し単位は、上記の一般式〔I′〕で表わされ
るスチレン系モノマーから誘導される。式中、R1は水素
原子,ハロゲン原子(例えば塩素,臭素,フッ素,沃
素)あるいは炭素数20個以下、好ましくは炭素数10〜1
個の炭化水素基(例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基などの飽和炭化
水素基(特にアルキル基)あるいはビニル基などの不飽
和炭化水素基)である。一般式〔I〕で表わされる繰返
し単位の具体例をあげれば、スチレン単位;p−メチルス
チレン単位;m−メチルスチレン単位;o−メチルスチレン
単位;2,4−ジメチルスチレン単位;2,5−ジメチルスチレ
ン単位;3,4−ジメチルスチレン単位;3,5−ジメチルスチ
レン単位;p−エチルスチレン単位;m−エチルスチレン単
位;p−ターシャリーブチルスチレン単位などのアルキル
スチレン単位、p−ジビニルベンゼン単位;m−ジビニル
ベンゼン単位;トリビニルベンゼン単位;p−クロロスチ
レン単位;m−クロロスチレン単位;o−クロロスチレン単
位;p−ブロモスチレン単位;m−ブロモスチレン単位;o−
ブロモスチレン単位;p−フルオロスチレン単位;m−フル
オロスチレン単位;o−フルオロスチレン単位;o−メチル
−p−フルオロスチレン単位などのハロゲン化スチレン
単位等、あるいはこれら二種以上を混合したものがあげ
られる。
一方、一般式〔II〕で表わされる繰返し単位は、上記
の一般式〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマーか
ら誘導される。式中R2は水素原子あるいは炭素数20個以
下、好ましくは水素原子あるいは炭素数10〜1個のオレ
フィン類からなるものであり、具体的には、エチレン;
プロピレン;1−ブテン;1−ペンテン;3−メチル−ブテン
−1;1−ヘキセン;3−メチル−ペンテン−1;4−メチル−
ペンテン−1;1−オクテン;1−デセンなどのオレフィン
が用いられるが、これらのうちエチレン,プロピレン,1
−ブテン,1−ヘキセン又はこれらの混合物が好ましい。
さらに好ましくはエチレン,プロピレン又はこれらの混
合物である。本発明の共重合体においては、繰返し単位
〔I〕は二種類以上の成分から構成されていてもよく、
この点においては繰返し単位〔II〕についても同様であ
る。したがって、二元,三元あるいは四元共重合体の合
成が可能となる。また、上記の繰返し単位〔II〕の含有
割合は、通常、共重合体全体の0.1〜99.9重量%、好ま
しくは1〜99重量%、更に好ましくは5〜95重量%の範
囲である。この繰返し単位〔II〕の含有割合が0.1重量
%未満であると、ガラス転移温度の低下や耐衝撃性の改
良などの本発明の目的とする改善効果が充分に達成され
ない。また、99.9重量%を超えると、シンジオタクチッ
ク構造のスチレン系重合体の特徴である耐熱性が発現し
ない。
この共重合体の分子量は、一般に1,2,4−トリクロロ
ベンゼン溶液(温度135℃)で測定した極限粘度が0.07
〜20dl/gのものであり、好ましくは0.3〜10dl/gのもの
である。極限粘度が0.07dl/g未満では、力学的物性が低
く、実用に供しえない。また、極限粘度が20dl/gを超え
ると、通常の溶融成形に適さない。
本発明においては、得られる共重合体の性質あるいは
繰返し単位〔I〕の連鎖におけるシンジオタクチック構
造を著しく損なわない範囲で第三成分を添加することも
できる。このような化合物としては、例えばジエン類,
ビニルシロキサン類,不飽和カルボン酸エステル類,ア
クリロニトリル等があげられる。
本発明のスチレン系共重合体は、繰返し単位〔I〕、
即ちスチレン系繰返し単位の連鎖が高度なシンジオタク
チック構造を有するものである。ここで、スチレン系重
合体における高度なシンジオタクチック構造とは、立体
化学構造が高度なシンジオタクチック構造、即ち炭素−
炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニ
ル基や置換フニル基が交互に反対方向に位置する立体構
造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体
炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量され
る。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、
連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場
合はダイアッド,3個の場合はトリアッド,5個の場合はペ
ンタッドによって示すことができるが、本発明に言う高
度なシンジオタクチック構造を有するスチレン系共重合
体とは、スチレン系繰返し単位の連鎖において、通常は
ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若
しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以
上のシンジオタクティシティーを有するものを示す。し
かしながら、置換基の種類や繰り返し単位〔II〕の含有
割合によってシンジオタクティシティーの度合いは若干
変動する。
以上の如き本発明の共重合体は、繰返し単位〔I〕,
〔II〕に相応するモノマーの共重合により、また得られ
た共重合体を原料として、分別,ブレンド若しくは有機
合成的手法を適用することにより、所望の立体規則性及
び反応性置換基を有する態様のものを製造することがで
きる。
そのうち、上述した本発明の製造方法によれば、一層
効率よくかつ高品質のスチレン系共重合体を得ることが
できる。
本発明の製造方法に用いる原料モノマーは、前記一般
式〔I′〕で表わされるスチレン系モノマー及び一般式
〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマーである。こ
のスチレン系モノマーとオレフィン系モノマーが、共重
合してそれぞれ繰返し単位〔I〕,〔II〕を構成する。
したがって、このスチレン系モノマー及びオレフィン系
モノマーの具体例としては、前述の繰り返し単位
〔I〕,〔II〕の具体例に対応したものをあげることが
できる。
本発明の方法では、これらのスチレン系モノマー及び
オレフィン系モノマーを原料として、(A)遷移金属化
合物および(B)アルミノキサンを主成分とする触媒の
存在下で共重合させるわけである。
ここで触媒の(A)成分である遷移金属化合物として
は様々なものがあるが、好ましくは 一般式 〔式中、R3〜R14は、それぞれ水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコ
キシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のア
リールアルキル基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,
炭素数1〜20のアシルオキシ基,アセチルアセトニル
基,シクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニ
ル基あるいはインデニル基を示す。また、a,b,cは、そ
れぞれ0≦a+b+c≦4を満たす0以上の整数を示
し、d,eはそれぞれ0≦d+e≦3を満たす0以上の整
数を示し、fは0≦f≦2を満たす整数を示し、h,kは
それぞれ0≦h+k≦3を満たす0以上の整数を示す。
更に、M1,M2はチタン,ジルコニウム,ハフニウムある
いはバナジウムを示し、M3,M4はバナジウムを示す。〕 で表わされる遷移金属化合物から選ばれた少なくとも一
種の化合物である。これらの遷移金属化合物の中でも、
前記一般式(α)中のM1が、チタンあるいはジルコニウ
ムであるものを用いるのが好ましい。
ここで、前記式中のR3〜R14で示されるもののうち、
ハロゲン原子として、具体的には塩素,臭素,沃素ある
いは弗素がある。また、置換シクロペンタジエニル基
は、例えば炭素数1〜6のアルキル基で1個以上置換さ
れたシクロペンタジエニル基、具体的には、メチルシク
ロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,3,4−ト
リメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基等である。
また、前記式中のR3〜R14はそれぞれ独立に水素原
子,炭素数1〜20のアルキル基(具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,オクチル基,2−エチルヘ
キシル基)、炭素数1〜20のアルコキシ基(具体的に
は、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ
基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2−エチルヘ
キシルオキシ基等)、炭素数6〜20のアリール基(具体
的には、フェニル基,ナフチル基等)、炭素数7〜20の
アリールアルキル基(具体的には、ベンジル基,フェネ
チル基,9−アントリルメチル基等)、炭素数1〜20のア
シルオキシ基(具体的には、アセチルオキシ基,ステア
ロイルオキシ基等)であってもよい。これらR3〜R14
上記条件を具備する限り、同一のものであっても、異な
るものであってもよい。また、単座配位子のみならず、
配位子間で結合して二座以上の多座配位子となるもので
あってもよい。
更に好適なものとして一般式 TiRXYZ ……(ζ) 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
れぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基,炭
素数1〜12のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール
基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20の
アリールアルキル基又はハロゲン原子を示す。〕 で表わされるチタン化合物である。この式中のRで示さ
れる置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数1〜
6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエ
ニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル基;1,2
−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル基;1,3,4−トリメチルシクロペンタジ
エニル基;ペンタメチルシクロペンタジエニル基等であ
る。また、X,Y及びZはそれぞれ独立に水素原子,炭素
数1〜12のアルキル基(具体的にはメチル基,エチル
基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル
基,イソアミル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基
等),炭素数1〜12のアルコキシ基(具体的にはメトキ
シ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,アミル
オキシ基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2−エ
チルヘキシルオキシ基等),炭素数6〜20のアリール基
(具体的にはフェニル基,ナフチル基等),炭素数6〜
20のアリールオキシ基(具体的にはフェノキシ基等),
炭素数6〜20のアリールアルキル基(具体的にはベンジ
ル基)又はハロゲン原子(具体的には塩素,臭素,沃素
あるいは弗素)を示す。
このような一般式(ζ)で表わされるチタン化合物の
具体例としては、シクロペンタジエニルトリメチルチタ
ン,シクロペンタジエニルトリエチルチタン,シクロペ
ンタジエニルトリプロピルチタン,シクロペンタジエニ
ルトリブチルチタン,メチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,1,2−ジメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
エチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
プロピルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルト
リブチルチタン,シクロペンタジエニルメチルチタンジ
クロリド,シクロペンタジエニルエチルチタンジクロリ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルチタンジ
クロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルエチルチ
タンジクロリド,シクロペンタジエニルジメチルチタン
モノクロリド,シクロペンタジエニルジエチルチタンモ
ノクロリド,シクロペンタジエニルチタントリメトキシ
ド,シクロペンタジエニルチタントリエトキシド,シク
ロペンタジエニルチタントリプロポキシド,シクロペン
タジエニルチタントリフェノキシド,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタントリメトキシド,ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリエトキシド,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタントリプロポキシド,ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタントリブトキシ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリフェ
ノキシド,シクロペンタジエニルチタントリクロリド,
ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロリ
ド,シクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリド,
シクロペンタジエニルジメトキシチタンクロリド,ペン
タメチルシクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリ
ド,シクロペンタジエニルトリベンジルチタン,ペンタ
メチルシクロペンタジエニルメチルジエトキシチタン,
インデニルチタントリクロリド,インデニルチタントリ
メトキシド,インデニルチタントリエトキシド,インデ
ニルトリメチルチタン,インデニルトリベンジルチタン
等があげられる。
一方、上記(A)遷移金属化合物成分とともに、触媒
の主成分を構成する(B)成分としては、アルミノキサ
ンが用いられるが、具体的には一般式 〔式中、R15は炭素数1〜8のアルキル基を示し、rは
2〜50を示す。〕 で表わされるアルキルアルミノキサンがあげられる。こ
のアルキルアルミノキサンは種々の方法により調製する
ことができ、例えば、アルキルアルミニウムを有機溶
剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、重合
時に当初アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を
添加する方法、さらには金属塩などに含有されている
結晶水、無機物や有機物への吸着水をアルキルアルミニ
ウムと反応させるなどの方法がある。なお、上記の水に
はアンモニア,エチルアミン等のアミン,硫化水素等の
硫黄化合物,亜燐酸エステル等の燐化合物などが20%程
度まで含有されていてもよい。
(B)成分として用いるアルキルアルミノキサンの好
適な例は、プロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアル
ミニウム−メチル基(Al−CH3)結合に基くメチルプロ
トンシグナル領域における高磁場成分が50%以下のもの
である。つまり、上記の接触生成物を、室温下、トルエ
ン溶媒中でそのプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペク
トルを観測すると、Al−CH3に基くメチルプロトンシグ
ナルは、テトラメチルシラン(TMS)基準において1.0〜
−0.5ppmの範囲に見られる。TMSのプロトンシグナル(0
ppm)がAl−CH3に基くメチルプロトン観測領域にあるた
め、このAl−CH3に基くメチルプロトンジグナルを、TMS
基準におけるトルエンのメチルプロトンシグナル2.35pp
mを基準にして測定し、高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.
5ppm)と他の磁場成分(即ち、1.0〜−0.1ppm)とに分
けたときに、該高磁場成分が全体の50%以下、好ましく
は45〜5%のものが本発明の方法の触媒の(B)成分と
して使用できる。
本発明の方法に用いる触媒は、前記(A),(B)成
分を主成分とするものであり、前記の他にさらに所望に
より他の触媒成分、一般式 AlR16 3 〔式中、R16は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕 で表わされるトリアルキルアルミニウムや他の有機金属
化合物を加えることができ、また、立体規則性を損なわ
ない範囲において 一般式 W−R17−(Q)−R18−W′ ……(θ) 〔式中、R17,R18は炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数
7〜30の置換芳香族炭化水素基あるいは酸素,窒素,硫
黄等のヘテロ原子を含む置換基を有する炭素数6〜40の
置換芳香族炭化水素基を示し、Qは炭素数1〜20の炭化
水素基,−O−,−S−,−S−S−, (R19は炭素数1〜6の炭化水素基である。)を示し、
W,W′は水酸基,アルデヒド基,カルボキシル基を示
し、mは0〜5の整数を示す。〕 で表わされる有機化合物を加えることができる。
上記一般式(θ)で表わされる有機化合物の具体例と
しては、例えば2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−
ブチル−5,5′−ジメチルジフェニルスルフィド;2,2′
−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメ
チルジフェニルエーテル等があげられる。
この触媒を使用するにあたっては、触媒中の(A)成
分と(B)成分との割合は、各成分の種類,原料である
一般式〔I′〕で表わされるスチレン系モノマー及び一
般式〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマーの種類
やその他の条件により異なる一義的に定められないが、
通常は(B)成分中のアルミニウムと(A)成分中のチ
タンとの比、すなわちアルミニウム/チタン(モル比)
として、1〜106、好ましくは10〜104である。
本発明の方法では、上述の(A)及び(B)成分を主
成分とする触媒の存在下で、上記の一般式〔I′〕で表
わされるスチレン系モノマーと一般式〔II′〕で表わさ
れるオレフィン系モノマーを共重合するが、この共重合
は塊状重合、溶液重合あるいは懸濁重合など、様々の方
法で行うことができる。共重合にあたって使用しうる溶
媒としては、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,デカンな
どの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化
水素あるいはベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香
族炭化水素などがある。また、重合温度は、特に制限は
ないが、通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃とする。
重合時間は5分〜24時間であり、好ましくは1時間以上
である。
さらに、得られるスチレン系共重合体の分子量を調節
するには、水素の存在下で共重合反応を行うことが効果
的である。
本発明の方法によって得られるスチレン系共重合体
は、スチレン系繰返し単位連鎖のシンジオタクティシテ
ィーが高いものであるが、重合後、必要に応じて塩酸等
を含む洗浄液で脱灰処理し、さらに洗浄,減圧乾燥を経
てメチルエチルケトン等の溶媒で洗浄して可溶分を除去
し、極めてシンジオタクティシティーの大きな高純度の
スチレン系共重合体を入手することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1 (1)(B)アルミノキサンの調製 アルゴン置換した内容積500mlのガラス製容器に、ト
ルエン200ml,硫酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミ
リモル)およびトリメチルアルミニウム24ml(250ミリ
モル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後固体成
分を除去して得られた溶液から更にトルエンを減圧留去
して接触生成物(メチルアルミノキサン)6.7gを得た。
このものの凝固点降下法により測定した分子量は610で
あった。また前述の1H−NMR測定による高磁場成分、即
ち室温下トルエン溶液中でそのプロトン核磁気共鳴スペ
クトルを観測すると、(Al−CH3)結合に基くメチルプ
ロトンシグナルはテトラメチルシラン基準において1.0
〜−0.5ppmの範囲に見られる。テトラメチルシランのプ
ロトンシグナル(0ppm)がAl−CH3結合に基くメチルプ
ロトンに基く観測領域にあるため、このAl−CH3結合に
基くメチルプロトンシグナルをテトラメチルシラン基準
におけるトルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを
基準にして測定し、高磁場成分(即ち−0.1〜−0.5pp
m)と他の磁場成分(即ち1.0〜−0.1ppm)とに分けた時
に、該高磁場成分が全体の43%であった。
(2)スチレン−エチレン共重合体の製造 内容積1.0の撹拌機付き反応容器に、トルエン20ml,
スチレン180mlと上記(1)で得られたメチルアルミノ
キサンをアルミニウム原子として10.0ミリモル加え、重
合温度70℃で30分撹拌した。次いでペンタメチルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリメトキシドをチタン原子
として0.05ミリモル添加した。さらに、エチレンモノマ
ーを専用ラインより反応容器内に導入し、反応容器内の
圧力を8.0kg/cm2・Gまで上昇させた。その後、撹拌下
に70℃で4時間重合を行った。重合終了後、未反応ガス
を脱圧し、メタノールを注入して反応を停止した。さら
に、メタノールと塩酸の混合液を加えて触媒成分を分解
した。ここで得られたスチレン−エチレン共重合体の収
量は、12.2gであった。また、1,2,4−トリクロロベンゼ
ン溶液中135℃で測定した極限粘度は1.30dl/gであっ
た。
このスチレン−エチレン共重合体のスチレン連鎖部が
シンジオタクチック構造であることを、示差走査熱量計
(DSC)及び同位体炭素の核磁気共鳴スペクトル(13−N
MR)の結果から証明する。
(a)DSCによる測定 実施例1で得られたスチレン系共重合体を充分に乾燥
した後、DSC用サンプル入れに10mg入れ、50℃から300℃
に20℃/分の速度で昇温した後、300℃で5分間保持
し、300℃から50℃に20℃/分で降温した。このサンプ
ルを再度50℃から300℃に20℃/分の速度で昇温した際
の吸発熱パターンを観察した。なお、用いた装置は、パ
ーキンエルマー社製DSC−IIである。
その結果、この共重合体はガラス転移温度80℃,融解
温度262℃であった。
従来のアタクチックポリスチレンは、融解温度がな
く、またアイソタクチックポリスチレンの融解温度が23
0℃であること、共重合体の融解温度がそれぞれの単独
重合体の融解温度のうち高い値以上になることはなく、
この共重合体のスチレン連鎖部はシンジオタクチック構
造であり、共重合体は結晶性であることが判る。
一方、参考として測定したエチレン単独重合体のガラ
ス転移温度は−90℃,融解温度は126℃であった。また
シンジオタクチックポリスチレンのガラス転移温度は96
℃である。
したがって、得られた共重合体のガラス転移温度は、
それぞれの単独重合体の中間にあり、共重合体と予想さ
れる。
(b)13C−NMRによる測定 上記スチレン系共重合体を1,2,4−トリクロロベンゼ
ン溶液中135℃で測定した結果、芳香族シグナルが145.1
ppm,145.9ppmに観察された。このことからスチレン連鎖
はシンジオタクチック構造であることが確認された。ま
た29.5ppmにエチレン鎖に起因するシグナルを持ち、共
重合体中のエチレン連鎖の含有率は4.0重量%であっ
た。なお、用いた装置は日本電子社製FX−200である。
(c)成形品のモルホロジー この共重合体を溶融温度300℃,金型温度100℃で射出
成形した。この射出成形品の断面を観察したところ、通
常の非相溶系混合物では観察できないような非常に良好
な分散状態で微小なドメインが分散していた。この成形
品のアイゾット衝撃強度をJIS−K7110に準じて測定し
た。
なお、上記で得られた共重合体の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真を第1図に示す。この第1図によれば、ス
チレンとエチレンの両構造単位が高度に分散しているこ
とが明示されている。
以上のことから、この共重合体がシンジオタクチック
構造のスチレン連鎖を含む結晶性スチレン−エチレン共
重合体であることが判った。
実施例2〜6及び比較例1,2 下記の第1表に示す原料,触媒及び重合条件を用いて
実施例1と同様に操作し、スチレン−エチレン共重合体
を得た。得られた共重合体の特性を実施例1の結果とと
もに第1表に示す。
なお、実施例3〜5で得られた共重合体サンプル、及
び比較としてシンジオタクチックポリスチレン(SPS)
サンプル、ポリエチレン(HDPE)サンプル、ならびにシ
ンジオタクチックポリスチレン20重量%とポリエチレン
80重量%とを1,2,4−トリクロロベンゼン中,180℃で完
全に溶解させた後、メタノール中に沈澱(緊密な相互ブ
レンド状態)させたブレンド物のサンプルそれぞれを、
動的粘弾性測定用試験片としてプレス成形によって作成
した。次に、これら4種類,6片の試験片についてオリエ
ンテック社製レオバイブロン DDV−II−EA型装置(周
波数110Hz,Linear Rise 2.0)で動的粘弾性を測定し
た。結果を第2図に示す。図中横軸は測定温度領域
(℃),縦軸は貯蔵弾性率〔E〕(dyne/cm2)を示す。
実施例3〜5によるサンプルを測定した結果、低温から
シンジオタクチックポリスチレンのガラス転移温度に相
当する95〜96℃の範囲において、シンジオタクチックポ
リスチレンとポリエチレンを人為的に緊密な相互ブレン
ドしたものと比較して、〔E〕値が低下しており、結果
として上記共重合体は、柔軟性が付与さたものと考えら
れる。
本来、シンジオタクチックポリスチレンとポリエチレ
ンは非相溶性であるため、緊密な相互ブレンド状態を誘
起する操作を行っても、ブレンド物であるかぎり相分離
を起こしやすく、したがって射出成形時において層状剥
離を起こしやすい。しかるに、本発明の共重合体は、第
1図に示されるような高度な分散構造を有し、成形時に
おいても、層状剥離が抑制され、かつ動的粘弾性の測定
により明らかなように、シンジオタクチックポリスチレ
ンに比べて柔軟性が付与された成形体が容易に得られる
ことになる。
実施例7及び8 上記実施例1におけるスチレン−エチレン共重合体の
製造手法と同じ手順で、p−メチルスチレン−エチレン
共重合体の製造を行った。結果を第1表に示す。
得られたp−メチルスチレン−エチレン共重合物は、
メチルエチルケトン等で抽出操作を行い、抽出残渣につ
いて実施例1と同様な条件でDSCの測定を行ったとこ
ろ、エチレン骨格に由来する融点(121〜122℃)のみが
観察された。しかしながら、この抽出残渣を1,2,4−ト
リクロロベンゼンを溶媒として13C−NMRの測定を行った
ところ142.3〜142.5ppmに鋭い単峰性ピークが出現し
た。これは特開昭62−187708号公報で既述した結果と同
一であり、p−メチルスチレン単位がシンジオタクチッ
ク構造であることを示唆している。又実施例1と同様に
29.4〜29.6ppmにエチレン骨格によるピークが認めら
れ、このものが共重合体であることを示している。
以上のことから、この共重合体がシンジオタクチック
構造のp−メチルスチレン連鎖を含む結晶性p−メチル
スチレン−エチレン共重合体であることがわかった。
実施例9 アルゴン置換した内容積1.0の撹拌機付き反応容器
に、トルエン400mlとトリイソブチルアルミニウム2.5ml
(5.0ミリモル)と上記実施例1で得られたメチルアル
ミノキサンをアルミニウム原子として5.0ミリモルとペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキ
シドをチタン原子として50.0マイクロモルを加え、50℃
に保った。
次いで、プロピレンモノマーを専用ラインより反応容
器内に導入し、充分容器内をプロピレンモノマーで置換
した後、反応容器内の圧力を4.5kg/cm2Gまで上昇させ
た。
次いで、容器内の圧力を4.5kg/cm2Gに保ったままプロ
ピレンモノマー専用ラインを遮断し、エチレンモノマー
を専用ラインより反応容器内に導入し、9.0kg/cm2Gまで
加圧した。
重合温度50℃で20分間撹拌した後、スチレンモノマー
70mlを専用ラインより反応容器内に導入した。その後、
撹拌下に50℃で4時間重合を行った。重合終了後、未反
応ガスを脱圧しメタノールと塩酸の混合液を加えて触媒
成分を分解した。
ここで得られたスチレン系重合体の収量は4.32gであ
った。得られたスチレン系重合体からアタクチックポリ
スチレンを除去するために、この重合体をソックスレー
抽出装置を用い、メチルエチルケトンを溶媒して8時間
洗浄を行った。
次いで、単独にエチレン−プロピレン共重合体を除去
するためにn−ヘプタンを溶媒として8時間洗浄を行っ
た。ここで抽出されたエチレン−プロピレン共重合体の
1H−NMRスペクトルより算出した組成は、エチレン単位5
3.7モル%,プロピレン単位46.3モル%であった。ま
た、融点は100℃であった。
さらにこのメチルエチルケトン及びn−ヘプタンに不
溶の重合体から単独のポリエチレンを除くために、塩化
メチレンを溶媒として8時間抽出を行ったところ、目的
とするスチレン系重合体、すなわち塩化メチレンに可溶
な重合体は、25.4重量%であった。
このようにして得られたアタクチックポリスチレン,
エチレン−プロピレン共重合体,ポリエチレンを取り除
いた塩化メチレン可溶のスチレン系重合体の収量は0.55
gであり、又、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中,135℃
で測定した極限粘度は2.06dl/gであった。
また赤外線吸収スペクトル測定の結果からエチレン,
プロピレン構造に起因する720,1150,1378cm-1に吸収が
認められ、1H−NMRスペクトルから算出した組成は、ス
チレン単位67.8モル%,エチレン単位16.7モル%,プロ
ピレン単位15.4モル%であった。
ここに含まれるエチレン−プロピレン成分の組成は、
n−ヘプタンで可溶する単独エチレン−プロピレン共重
合体の組成領域に入っており、この重合体中に単独のエ
チレン−プロピレン共重合体が存在しないことが確認で
きた。
さらに、13C−NMRスペクトルによる分析(溶媒1,2,4
−トリクロロベンゼン)からスチレン連鎖のシンジオタ
クチック構造に基因する145.15ppmに吸収が認められ、
そのピーク面積から算出しラセミペンタッドでのシンジ
オタクティシティーは85%であった。また、DSCによる
測定結果から融点は233.9℃にのみ存在することがわか
った。
また、このスチレン系重合体を溶融温度300℃,金型
温度100℃で射出成形を行い、この射出成形品の断面を
電子顕微鏡により観察したところ、通常の非相溶系混合
物では観測できないような非常に良好な分散状態で、微
小なドメイン構造が観察された。
以上の結果は、この塩化メチレン可溶のスチレン系重
合体がシンジオタクチック構造のスチレン連鎖とエチレ
ン−プロピレン構造とからなる結晶性重合体であること
を示している。
実施例10 アルゴン置換した内容積1.0の撹拌付き反応容器に
トルエン400ml,スチレンモノマー700mlとトリイソブチ
ルアルミニウム2.5ml(5.0ミリモル)と上記実施例1で
得られたメチルアルミノキサンをアルミニウム原子とし
て5.0ミリモルを加え、重合温度50℃で30分間撹拌し
た。次いで、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリメトキシドをチタン原子として50.0マイクロモ
ル添加した。更に、プロピレンモノマーを専用ラインよ
り反応容器内に導入し、充分容器内をプロピレンモノマ
ーで置換した後、反応容器内の圧力を4.5kg/cm2Gまで上
昇させた。次いで、プロピレンモノマー専用ラインを遮
断した後、エチレンモノマーを専用ラインより反応容器
内に導入し、9.0kg/cm2Gまで加圧した。その後、撹拌下
に50℃で4時間重合を行った。
他の操作は実施例9と同様にし、スチレン系重合体を
得た。得られたスチレン系重合体の収量は1.01gであ
り、実施例9と同様の処理を行ったところ、塩化メチレ
ンに可溶な成分の収量は0.03gであった。
この塩化メチレンに可溶なスチレン系重合体の1,2,4
−トリクロロベンゼン溶液中,135℃で測定した極限粘度
は0.95dl/gであった。又、DSCによる測定から融点は24
6.0℃であり、1H−NMRスペクトルから算出した組成は、
スチレン単位10.8モル%,エチレン単位47.6モル%,プ
ロピレン単位41.6モル%であった。
実施例11 触媒としてペンタメチルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリメトキシドの代わりにシクロペンタジエニルチ
タニウムトリクロリドを用いたこと以外は、実施例9と
同様にしてスチレン系重合体を得た。得られたスチレン
系重合体の収量は5.50gであり、以下実施例9と同様の
処理を行ったところ、塩化メチレンに可溶な成分の収量
は0.16gであった。
この塩化メチレンに可溶なスチレン系重合体の融点は
232.8℃であった。又、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液
中,135℃で測定した極限粘度は1.08dl/gであった。又、
1H−NMRスペクトルから算出した組成は、スチレン単位3
8.7モル%,エチレン単位33.9モル%,プロピレン単位2
7.4モル%であった。
〔発明の効果〕 本発明のスチレン系共重合体は、シンジオタクチック
ポリスチレンに比べてガラス転移温度が低く、低温での
射出成形が可能であり、また、耐衝撃性が向上している
とともに、ポリオレフィンに対する相溶性に優れてい
る。
したがって、本発明のスチレン系共重合体は、各種の
構造資材やポリオレフィンに対する相溶化剤として有用
である。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1で得られたスチレン系共重合体の走査
型電子顕微鏡写真である。第2図は実施例3〜5で得ら
れたスチレン系共重合体のサンプル及び比較用サンプル
の動的粘弾性を測定した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 212/04 - 212/14 C08F 12/04 - 12/30 C08F 210/00 - 210/14 C08F 10/00 - 10/14 C08F 4/64 - 4/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子あるいは炭素数20
    個以下の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。
    なお、nが複数のときは、各R1は同じでも異なってもよ
    い。〕 で表わされるスチレン系繰返し単位及び 一般式 〔式中、R2は水素原子あるいは炭素数20個以下の飽和炭
    化水素基を示す。〕 で表わされるオレフィン系繰返し単位からなり、オレフ
    ィン系繰返し単位を0.1〜99.9重量%含有するととも
    に、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン中で測定した極
    限粘度が0.07〜20dl/gであり、かつスチレン系繰返し単
    位連鎖の立体規則性が高度なシンジオタクチック構造で
    あることを特徴とするスチレン系共重合体。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1,nは前記と同じである。〕 で表わされるスチレン系モノマー及び 一般式 〔式中、R2は前記と同じである。〕 で表わされるオレフィン系モノマーを、一般式 TiRXYZ 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
    タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
    れぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基,炭
    素数1〜12のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール
    基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20の
    アリールアルキル基又はハロゲン原子を示す。〕 で表されるチタン化合物とアルキルアミノキサンからな
    る触媒の存在下で共重合させることを特徴とする請求項
    1記載のスチレン系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】アルキルアルミノキサンが、プロトン核磁
    気共鳴吸収法で観測されるアルミニウム−メチル基(Al
    −CH3)結合に基くメチルプロトンシグナル領域におけ
    る高磁場成分(トルエン溶媒測定条件でトルエンのメチ
    ルプロトン2.35ppmを基準として−0.1〜−0.5ppm)が50
    %以下のメチルアルミノキサンである請求項2記載のス
    チレン系共重合体の製造方法。
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