JP2839337B2 - 可視光半導体レーザ - Google Patents

可視光半導体レーザ

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JP2839337B2
JP2839337B2 JP16365090A JP16365090A JP2839337B2 JP 2839337 B2 JP2839337 B2 JP 2839337B2 JP 16365090 A JP16365090 A JP 16365090A JP 16365090 A JP16365090 A JP 16365090A JP 2839337 B2 JP2839337 B2 JP 2839337B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は可視光半導体レーザに関し、特に、AlGaIn
P系材料からなる活性層及びクラッド層を有するレーザ
構造において、電流ブロック層成長時のクラッド層,活
性層からのリンの蒸発を防止でき、長寿命化を実現でき
る可視光半導体レーザに関するものである。
〔従来の技術〕
第9図は従来の可視光半導体レーザの構造を示す断面
図であり、図において、1はn形(以下n−と記す)Ga
As基板、2はn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下クラッド
層、3はアンドープGa0.5In0.5P活性層、4はp形(以
下p−と記す)(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上クラッド
層、5はp−Ga0.5In0.5Pバッファ層、6はn−GaAs電
流ブロック層、7a,7bはp−GaAsコンタクト層、8はn
側電極、9はp側電極、10はリッジである。各層の典型
的な層厚は、下クラッド層2が1.0μm、活性層3が0.0
8μm、上クラッド層4のリッジ以外の部分、すなわ
ち、活性層3と電流ブロック層6にはさまれた部分は0.
3μm、上クラッド層4のリッジ部分は1.0μm、バッフ
ァ層5は0.1μm、電流ブロック層6は1.1μm、コンタ
クト層は7aが0.3μm、7bが3.0μmである。またリッジ
10の幅は4μmである。
次に動作について説明する。P側電極9とn側電極8
の間に順方向電圧を印加すると、電流ブロック層6があ
るために電流はリッジ部10のみを流れる。下側クラッド
層2、活性層3、上クラッド層4はダブルヘテロ構造を
なしているので、リッジ10から注入された電流によって
活性層3のリッジ付近の部分が発光し、レーザ発振す
る。
このレーザでは、レーザ光の横モードを安定させるた
めに次に示すような工夫がなされている。活性層3は0.
08μmと薄いので、活性層で発光した光は上下のクラッ
ド層内へ0.5μm程度しみ出す。ところが、リッジ外の
部分では、上クラッド層4は0.3μmしかないので、活
性層3で発光した光は電流ブロック層6にまで達する。
電流ブロック層はGaAsであり、活性層Ga0.5In0.5Pより
バンドギャンブが小さい為に光を吸収する。一方、リッ
ジ部10では、上クラッド層4が1.0μmと厚いので、活
性層3で発光した光はすべて上クラッド層内にとどま
り、吸収されない。つまり、リッジ部では光の吸収が生
じないが、リッジ外部では光の吸収が生じる。従って、
リッジ部とリッジ外部とで実効的な屈折率差が生じて横
方向にも光の閉じこめが生じ、いわゆるロスガイド(損
失を利用した光導波機構)が形成される。リッジ幅を4
μm程度に狭くすることによって安定した基本横モード
でレーザ発振させることが可能となる。
次に、この可視光半導体レーザの製造工程について説
明する。第10図は工程フローを示す断面図である。図に
おいて、第9図と同一符号は同一又は相当部分であり、
11はSiN膜である。
まず、第10図(a)に示すように、n−GaAs基板1上
に、n−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下クラッド層2,アン
ドープGa0.5In0.5P活性層3,p−(Al0.5Ga0.30.5In
0.5P上クラッド層4,p−Ga0.5In0.5Pバッファ層5,及び
p−GaAsコンタクト層7aを順次成長する。成長方法は、
有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いる。典型的な成
長温度は650〜700℃である。GaAs基板1を昇温中は基板
の熱分解を防ぐために反応管中にAsH3ガスを流す。成長
開始とともに、AsH3ガスを切り、AlGaInP系半導体の原
料ガスであるPH3,トルメチルアルミニウム,トリメチル
ガリウム,トリメチルインジウム等を流す。2〜5の各
層を成長した後、第10図(b)に示すように、コンタク
ト層7a上に8μm幅のSiN膜11を形成する。次に、このS
iN膜11をエッチンクマスクとしてコンタクト層7a,バッ
ファ層5,上クラッド層4をエッチングし、第10図(c)
に示すようにリッジ10を形成する。次に、SiN膜11をマ
スクとして、第10図(d)に示すようにn−GaAs電流ブ
ロック層6を選択成長する。この時、リッジを形成した
基板を昇温中は、(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上クラッド
層4が分解しないようにPH3を流す。n−GaAs電流をブ
ロック層の成長開始とともにPH3を切り、GaAsの材料と
なりAsH3,トリメチルガリウム及びn型ドーパントガス
となるSiH4あるいはH2Seを流す。n−GaAs電流ブロック
層を成長後、SiN膜11を除去し、第10図(e)に示すよ
うにP−GaAsコンタクト層7bを成長する。最後にp及び
n側電極を蒸着により第10図(f)に示すように形成し
て、第9図に示した半導体レーザが完成する。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の可視半導体レーザは以上のように構成され、そ
の電流ブロック層としては、上述のようにn−GaAs層が
用いられている。
電流ブロック層成長工程においては、上述のように、
リッジ形成済基板を電流ブロック層の成長温度にまで昇
温中は、成長装置内をPH3雰囲気にして基板にリン圧を
かけ、クラッド層及び活性層からリンが蒸発してこれら
の層に結晶欠陥が入るのを防いでいるが、n−GaAs層成
長開始と同時に装置内雰囲気をPH3からAsH3に切りかえ
ねばならない。このため、GaAs層成長中、特に、成長初
期過程でGaAs層が薄い時に、リン圧がないために(Al
0.7Ga0.30.5In0.5P上クラッド層から、Pが蒸発して
結晶欠陥が入り易く、またリッジ外部のGa0.5In0.5P活
性層は表面から0.3μmしか離れていないので(Al0.7Ga
0.30.5In0.5P上クラッド層だけでなくGa0.5In0.5
活性層にも結晶欠陥がはいる。活性層はレーザ発振に直
接寄与する層であり、欠陥に敏感である。その結果、レ
ーザの寿命が悪くなるという問題点があった。
ここで、GaAs電流ブロック層6成長中にもリン圧をか
けるためにPH3を流すとGaAs1-xPx(0<x<1)という
組成の結晶が析出するが、GaAs1-xPxは(Al0.7Ga0.3
0.5In0.5Pクラッド層と格子整合しないので、単結晶層
を得ることは困難である。
また、GaAs電流ブロック層のかわりに、(AlxGa1-x
0.5In0.5P(0<x≦1)電流ブロック層を用いると、
成長中にリン圧をかけることはできるが、バンドギャプ
が活性層よりも大きい為に、活性層で発光した光を吸収
しない。従ってロスガイドによる横モード安定はできな
い。(AlxGa1-x0.5In0.5P電流ブロック層のAl組成が
クラッドのAl組成よりも大きい場合(本例ではx>0.
7)には、ロスガイドではなく実屈折率差による光導波
が可能であるが、Al組成が大きいと結晶成長が困難であ
るという問題がある。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、電流ブロック層成長中にクラッド層及び活
性層からのリンの蒸発により結晶欠陥がはいることを防
ぐことができ、かつ電流ブロック層に光吸収の効果をも
たせて、ロスガイドによる横モード安定と長寿命をとも
に実現できる可視光半導体レーザを得ることを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る可視光半導体レーザは、電流ブロック
層としてInGaPを除きGaAsと格子整合しPを含むInGaAsP
系材料を用いたものである。
また、上クラッド層が、所定の厚さで活性層を覆う第
1の上クラッド層とこの第1の上クラッド層の一部の表
面上にリッジ状に配設された第2の上クラッド層とを含
んで構成されるとともに、第1の上クラッド層の表面上
にエッチングストッパ層が配設され、このエッチングス
トッパ層を介して電流ブロック層が配設されたものであ
る。
〔作用〕
この発明においては、電流ブロック層としてInGaPを
除きGaAsと格子整合しPを含むInGaAsP系材料を用いた
ので、電流ブロック層成長中にもリン圧をかけることが
でき、AlGaInP系材料からなる活性層及び上クラッド層
に結晶欠陥がはいることを防げる。
また、InxGa1-xAs1-yPyは(Al0.7Ga0.30.5In0.5
層と格子整合するので、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラ
ッド上へ良質の単結晶を成長できるうえ、バンドギャプ
がGa0.5In0.5P活性層よりも小さいので、活性層で発光
した光を吸収してロスガイドによる横モード安定化が実
現できる。
また、上クラッド層が、第1の上クラッド層とこの第
1の上クラッド層の表面上にリッジ状に配設された第2
の上クラッド層とを含んで構成され、InGaPを除きGaAs
と格子整合しPを含むInGaAsP系材料の電流ブロック層
がエッチングストッパ層を介して第1の上クラッド層の
表面上に配設されたので、結晶性の高い電流ブロック層
となる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図について説明する。
第1図は本発明の第1の実施例による可視光半導体レ
ーザを示す断面図である。
本実施例の構造は、従来例と比較して電流ブロック層
の材料が異なるだけで他は同じである。図において、1
はn−GaAs基板、2はn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下
クラッド層、3はアンドープGa0.5In0.5P活性層、4は
p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上クラッド層、5はp−
Ga0.5In0.5Pバッファ層、7a,7bはp−GaAsコンタクト
層、8はn側電極、9はp側電極、10はリッジ、12はn
−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層である。尚、In1-xGa
xAs1-yPyは(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pと格子整合する範
囲、即ち、GaAsと格子整合する範囲のx,y組成におい
て、必ずGa0.5In0.5P活性層よりバンドギャップが小さ
くなる。
第2図に、In1-xGaxAs1-yPyのx,yの組成と、バンドギ
ャップ,格子定数との関係を示す。図中に、GaAsと格子
整合するx,yの組み合わせを破線で示している。このx,y
においてバンドギャップは常にGa0.5In0.5Pより小さ
い。
次に本実施例の製造工程について説明する。第3図は
第1図の半導体レーザの製造工程を示す断面図である。
図において、第1図と同一符号は同一又は相当部分であ
り、11はSiN膜である。
まず、第3図(a)に示すように、n−GaAs基板1上
にn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下クラッド層2,アンド
ープGa0.5In0.5P活性層3,p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5
P上クラッド層4,p−Ga0.5In0.5Pバッファ層5,p−GaAs
コンタクト層7aを順次成長する。これらの層の典型的な
成長温度は650〜700℃であり、GaAs基板1を昇温中は基
板の熱分解を防ぐために反応管中にAsH3ガスを流す。成
長開始とともにAsH3ガスを切り、AlGaInP系半導体の原
料ガスであるPH3,トリメチルアルミニウム,トリメチル
ガリウム,トリメチルインジウム等を流す。上記各層を
成長した後、コンタクト層7a上に第3図(b)に示すよ
うに8μm幅のSiN膜11を形成する。SiN膜の形成温度は
200℃である。次に該SiN膜11をマスクとして、コンタク
ト層7a,バッファ層5,上クラッド層4を第3図(c)に
示すようにエッチングしてリッジ10を形成する。ここま
では従来例と同一である。
次にSiN膜11をマスクとして、第3図(d)に示すよ
うに、n−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層12を選択成
長する。このIn1-xGaxAs1-yPyは他の層と同様に有機金
属気相成長法(MOCVD法)で成長する。典型的な成長温
度は600℃である。リッジを形成した基板を600℃まで昇
温する際は、PH3(水素ベース10%希釈)を300cc/分流
してリン圧をかけ、上クラッド層及び活性層に結晶欠陥
が入ることを防いでいる。n−In1-xGaxAs1-yPy成長開
始と同時に材料となるトリメチルインジウム,トリメチ
ルガリウム、AsH3,PH3及びn型ドーパントとなるH2Seあ
るいはSiH4を流す。このように電流ブロック層12成長中
にもPH3が流れてリン圧がかかるので、p−(Al0.7Ga
0.30.5In0.5P上クラッド層4からリンが蒸発しにく
く結晶欠陥が入りにくい。また活性層3はリッジ外では
再成長表面から0.3μmしか離れていないが、リン圧が
かかっているので、やはり結晶欠陥が入りにくい。従っ
てこのように製造工程において上クラッド層及び活性層
い結晶欠陥が入りにくいことにより、本実施例ではレー
ザの長寿命化を実現できる。
この後SiN膜11を除去し、第3図(e)に示すように
p−GaAsコンタクト層7bを成長し、第3図(f)に示す
ように基板1裏面にn側電極8を、コンタクト層7b上に
p側電極9を形成してレーザ素子が完成する。
本実施例においては以上述べたように、電流ブロック
層成長中にもリン圧をかけることができるため上クラッ
ド層及び活性層に結晶欠陥が入りにくくできるという効
果の他に、本実施例では該電流ブロック層をGaAsの電流
ブロック層より低温で成長することが可能であることに
より、さらに上クラッド層及び活性層に結晶欠陥が入り
にくくできるという効果がある。すなわちGaAsは良好な
結晶成長が可能な最低成長温度は650℃程度であるが、
本実施例の電流ブロック層に用いるIn1-xGaxAs1-yPyは6
00℃程度で良好な結晶成長が可能であり、電流ブロック
層成長工程の温度を約50℃低くすることができ、これに
よりリンは上クラッド層及び活性層中からさらに蒸発し
にくくなり、結晶欠陥は入りにくくなるものである。
次に上述した製造工程で作製された本実施例レーザの
動作について説明する。
p側電極9とn側電極8の間に順方向電圧を印加する
と、n−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層12があるため
に電流はリッジ部10のみを流れる。下側クラッド層2,活
性層3,上クラッド層4はダブルヘテロ構造をなしている
ので、リッジ10から注入された電流によって活性層3の
リッジ付近の部分が発光し、レーザ発振する。
このレーザでは、レーザ光の横モードを安定させるた
めに次に示すような工夫がなされている。活性層3は0.
08μmと薄いので、活性層で発光した光は上下のクラッ
ド層内へ0.5μm程度しみ出す。ところが、リッジ外の
部分では、上クラッド層4は0.3μmしかないので、活
性層3で発光した光はIn1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層1
2にまで達する。In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層12のバ
ンドギャップは第2図からもわかるようにGa0.5In0.5
活性層のバンドギャップよりも小さいため、活性層3で
発生した光は電流ブロック層12において吸収される。一
方、リッジ部10では、上クラッド層4が1.0μmと厚い
ので、活性層3で発光した光はすべて上クラッド層内に
とどまり、吸収されない。つまり、リッジ部では光の吸
収が生じないが、リッジ外部では光の吸収が生じる。従
って、リッジ部とリッジ外部とで実効的な屈折率差が生
じて横方向にも光の閉じこめが生じ、いわゆるロスガイ
ド(損失を利用した光導波機構)が形成される。このよ
うな構造においてリッジ幅を4μm程度に狭くすること
によって安定した基本横モードでレーザ発振させること
が可能となる。
第4図は本発明の第2の実施例による可視光半導体レ
ーザの構造を示す断面図である。図において、第1図と
同一符号は同一又は相当部分であり、15はp−GaInPま
たはp−AlGaInPからなるエッチングストッパ層であ
る。
本実施例では、活性層3と電流ブロック層12との距離
を再現性よく制御するために、第1の上クラッド層4aと
第2の上クラッド層4bとの間にこれらクラッド層と選択
エッチングが可能な材料からなるエッチングストッパ層
15を挿入した構成を有している。
第5図は本発明の第3の実施例による可視光半導体レ
ーザの構造を示す断面図である。図において、第1図と
同一符号は同一又は相当部分であり、15はp−GaInPま
たはp−AlGaInPからなるエッチングストッパ層、10′
は順メサ型のリッジである。
本実施例も第1の上クラッド層4aの厚み、即ち活性層
3と電流ブロック層12との距離を再現性よく制御するた
めに、エッチングストッパ層15を挿入した構成を有して
いる。また第1図,第4図のレーザのリッジ形状が逆メ
サであるのに対し、本実施例では順メサとなっている。
次に本実施例の製造工程について説明する。第6図は
第5図の半導体レーザの製造工程を示す断面図であり、
図において、第3図と同一符号は同一又は相当部分であ
る。
まず、第6図(a)に示すように、n−GaAs基板1上
にn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下クラッド層2,アンド
ープGa0.5In0.5P活性層3,p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5
P第1上クラッド層4a,p−AlGaInPエッチングストッパ
層15,p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第2上クラッド層4
b,p−Ga0.5In0.5Pバッファ層5,p−GaAsコンタクト層7a
を順次成長する。ここでエッチングストッパ層15のAl組
成比はクラッド層との選択エッチングを可能とするため
にクラッド層のAl組成比よりかなり少ないものとなって
おり、またその厚みは40Å〜200Åと非常に薄いもので
ある。次にコンタクト層7a上に第6図(b)に示すよう
にSiN膜11を形成する。次に該SiN膜11をマスクとして、
コンタクト層7a,バッファ層5,第2上クラッド層4bを第
6図(c)に示すように、エッチングストッパ層15を用
いた選択エッチングによりエッチングしてリッジ10を形
成する。この後SiN膜11をマスクとして、第6図(d)
に示すように、n−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層12
をMOCVD法により選択成長する。ここで、エッチングス
トッパ層は上述のようにクラッド層よりもAlがかなり少
ない組成よりなるが、AlGaInPにおいてはAlが少ないほ
ど熱分解されやすく、その後の結晶成長のために基板温
度を上昇することにより表面荒れが生じ、結晶性のよい
電流ブロック層を形成することが困難なものであるが、
n−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロック層12の成長温度は約6
00℃と比較的低温であるため、エッチングストッパ層に
表面荒れは生じず、結晶性の高い電流ブロック層の形成
が可能である。この後SiN膜11を除去し、第6図(e)
に示すようにp−GaAsコンタクト層7bを成長し、最後に
第6図(f)に示すように基板1裏面にn側電極8を、
コンタクト層7b上にp側電極9を形成してレーザ素子が
完成する。
なお、第4図に示す本発明の第2の実施例による半導
体レーザの製造工程もリッジの形状が異なるのみで、本
第3の実施例による半導体レーザの製造工程と全く同様
である。
第7図は本発明の第4の実施例による可視光半導体レ
ーザの構造を示す断面図である。図において、第1図と
同一符号は同一又は相当部分であり、13は電流ブロック
層12に設けられた電流パスを形成するストライプ状溝、
14aはp−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第1上クラッド
層、14bはp−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第2上クラッ
ド層である。なおp−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第1上
クラッド層14aの厚みは約0.3μm、溝13の幅は4μm程
度である。次に、このレーザダイオードの動作について
説明する。電極8、9間に電圧を印加すると電流は溝13
内を通って流れ、活性層3の溝下の部分が発光し、レー
ザ発振する。n−InxGa1-xAs1-yPy電流ブロック層は光
の吸収層としても働き、上記実施例と同様の原理で横モ
ードが安定する。
次に本実施例の製造工程を第8図について説明する。
まず、第8図(a)に示すように、n−GaAs基板1上
にn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下クラッド層2,アンド
ープGa0.5In0.5P活性層3,p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5
P第1上クラッド層4a,n−In1-xGaxAs1-yPy電流ブロッ
ク層12を順次成長する。ここで、電流ブロック層として
n−GaAsを成長させることを考えると、p−(Al0.7GA
0.30.5In0.5P第1上クラッド層4aの成長までは成長
装置内にPH3を流してリン圧をかけているが、n−GaAs
の成長開始とともにPH3を切って、かわりにAsH3を流す
ため、ブロック層の成長初期の段階で電流ブロック層が
数十Åと薄い時にはこのGaAsでクラッド層,及び活性層
を保護しきれず、クラッド層,活性層中からリンが蒸発
し、結晶欠陥が入る。しかしながら本実施例において
は、電流ブロック層としてn−In1-xGaxAs1-yPyを用い
ているため、この電流ブロック層12の成長初期において
もリン圧をかけており、これによりクラッド層,活性層
中からリンの蒸発により結晶欠陥を防止できる。次に第
8図(b)に示すようにマスクパターン11を形成し、エ
ッチングにより電流ブロック層12に第8図(c)に示す
ように電流パス用のストライプ状溝13を形成する。この
後、p−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第2上クラッド層4
b,p−Ga0.5In0.5Pバッファ層5,及びp−GaAsコンタク
ト層7を順次結晶成長し、最後に第8図(e)に示すよ
うに基板1裏面にn側電極8を、コンタクト層7上にp
側電極9を形成してレーザ素子が完成する。
なお、上記実施例では活性層をGa0.5In0.5Pとした
が、(AlzGa1-z0.5In0.5Pでも同様の効果を奏する。
また、クラッド層を(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pとして
説明したが、(AlwGa1-w0.5In0.5P(但し、Z<W)
でも同様の効果を奏する。
また、上記実施例ではすべて、電流ブロック層をIn
1-xGaxAs1-yPy単層で構成したが、電流ブロック層を多
層にしても良い。例えばn−In1-x2Gax2As1-y2Py2とn
−In1-x1Gax1As1-y1Py1の2層構造としてもよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、電流ブロック層として
InGaPを除きGaAsと格子整合しPを含むInGaAsP系材料を
用いたので、電流ブロック層成長中にもリン圧をかける
ことができ、AlGaInP系材料からなる活性層及び上クラ
ッド層に格子欠陥が少なくなり、レーザの長寿命化が可
能となる効果がある。
また、上クラッド層が、第1の上クラッド層とこの第
1の上クラッド層の表面上にリッジ状に配設された第2
の上クラッド層とを含んで構成され、InGaPを除きGaAs
と格子整合しPを含むInGaAsP系材料の電流ブロック層
がエッチングストッパ層を介して第1の上クラッド層の
表面上に配設されたので、結晶性の高い電流ブロック層
となり、電流の漏れが少なくなるから、高効率化が可能
となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例による可視光半導体レ
ーザを示す断面図、第2図はGaAs格子整合するIn1-xGax
As1-yPyの(x,y)の範囲とそれに対応したバンドギャッ
プを示す図、第3図は第1図の可視光半導体レーザの製
造工程を示す断面図、第4図は本発明の第2の実施例に
よる可視光半導体レーザを示す断面図、第5図は本発明
の第3の実施例による可視光半導体レーザを示す断面
図、第6図は第5図の可視光半導体レーザの製造工程を
示す断面図、第7図は本発明の第4の実施例による可視
光半導体レーザを示す断面図、第8図は第7図の可視光
半導体レーザの製造工程を示す断面図、第9図は従来の
可視光半導体レーザを示す断面図、第10図は従来の可視
光半導体レーザの製造工程を示す断面図である。 図において1はn−GaAs基板、2はn−(Al0.7Ga0.3
0.5In0.5P下クラッド層、3はアンドープGa0.5In0.5
活性層、4はP−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上クラッド
層、4a,14aはP−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第1上クラ
ッド層、4b,14bはP−(Al0.7Ga0.30.5In0.5P第2上
クラッド層、5はP−Ga0.5In0.5Pバッファ層、7及び
7a,7bはP−GaAsコンタクト層、8はn側電極、9はP
側電極、10はリッジ、12はn−InxGa1-xAsyP1-y電流ブ
ロック層、13は溝、15はエッチングストッパ層である。 なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AlGaInP系材料からなる活性層、上及び下
    クラッド層と、電流ブロック層とを有するロスガイド型
    の可視光半導体レーザにおいて、 上記電流ブロック層が、InGaPを除きGaAsと格子整合し
    Pを含むInGaAsP系材料からなることを特徴とする可視
    光半導体レーザ。
  2. 【請求項2】上クラッド層が、所定の厚さで活性層を覆
    う第1の上クラッド層とこの第1の上クラッド層の一部
    の表面上にリッジ状に配設された第2の上クラッド層と
    を含んで構成されるとともに、上記第1の上クラッド層
    の表面上にエッチングストッパ層が配設され、このエッ
    チングストッパ層を介して電流ブロック層が配設された
    ことを特徴とする請求項1記載の可視光半導体レーザ。
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