JP2838435B2 - 舶用減速逆転機の切替装置 - Google Patents

舶用減速逆転機の切替装置

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JP2838435B2
JP2838435B2 JP28535690A JP28535690A JP2838435B2 JP 2838435 B2 JP2838435 B2 JP 2838435B2 JP 28535690 A JP28535690 A JP 28535690A JP 28535690 A JP28535690 A JP 28535690A JP 2838435 B2 JP2838435 B2 JP 2838435B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、漁船のように通常の航走以外に各種の作
業も行う作業用船舶に適した減速逆転機の切替装置に関
するものである。
<従来の技術> 舶用減速逆転機の減速比の切り替えは一般には手動で
行われているが、減速比変更のためのしきい値を設定し
て検出される機関回転数に応じて自動的に切り替えるよ
うにしたものも知られている(例えば特開平2−51623
号公報参照)。これは前進側の減速段を2段にし、漁労
作業のように大きな出力トルクが欲しい時には減速比の
大きい大減速に自動的に切り替わり、また航走時には減
速比の小さい小減速に自動的に切り替わるようにして、
操船性を向上したものである。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、実際の漁船における作業では、作業内
容や潮流、あるいは網に入っている魚の量などに応じて
減速比の切り替えが必要な場合が多い。このため、上述
のような機関回転数による自動切り替えだけでは不十分
で、熟練したオペレータの勘や経験に頼って機関の実負
荷に応じた手動操作での切り替えが行われており、操作
が煩雑であった。
この発明はこのような問題点に注目し、減速比の切り
替えをより適切に実施できるようにして作業を単純化す
ることを目的としてなされたものである。
<課題を解決するための手段> 上記の目的を達成するために、この発明の装置では、
機関の回転を所定の減速比でプロペラに伝達する減速逆
転機と、この減速逆転機の減速比を切り替える切替手段
と、機関の回転数を検出する回転数検出手段と、機関の
負荷を検出する負荷検出手段と、減速比を切り替える時
の機関の回転数と負荷の関係を定めた減速比切替マップ
を記憶した記憶手段と、検出された機関の回転数と負荷
に応じて上記記憶手段に記憶された減速比切替マップに
基づいて上記切替手段に対して制御信号を出力する制御
手段、とを備えている。
また、減速比の小さい小減速から減速比の大きい大減
速に切り替える時の負荷のしきい値として上記減速比切
替マップに設定されている値を、小減速時の航走時負荷
特性より大きい値に設定している。
また、小減速から大減速に切り替える時の機関回転数
のしきい値として上記減速比切替マップに設定されてい
る値を、大減速から小減速に切り替える時の回転数のし
きい値より小さい値に設定している。
更に、減速比の切り替えを行った後あらかじめ設定さ
れた所定時間が経過するまで制御手段からの制御信号の
出力を自動的に停止するようにしている。
更に、あらかじめ設定された回転数以下の領域では機
関の負荷に関係なく常に大減速を選択するようにしてい
る。
また、航操のみか各種作業を伴うかという運転条件に
応じた複数の減速比切替マップが記憶手段に記憶されて
おり、使用する減速比切替マップをマニュアル操作によ
って選択するための選択手段が設けられている。
更に、上述の各発明あるいは他の適宜の制御によって
減速逆転機の減速比を自動的に切り替える切替手段を備
えた舶用減速逆転機の切替装置において、マニュアル操
作によって現状の減速比に維持するための減速比維持指
令手段を備えている。
第1図はこの発明の構成を示す図であり、Aは機関、
Bはプロペラ、Cは減速逆転機、Dは減速比の切替手
段、Eは回転数検出手段、Fは負荷検出手段、Gは記憶
手段、Hは制御手段である。
<作 用> 減速比の切り替えの判断に機関の回転数だけでなく負
荷も用いられるので状況に適合した切り替えが自動的に
行われ、作業が単純化され、また作業能率も向上され
る。
また、小減速時の航操時負荷特性以上の負荷がかかる
と自動的に大減速に切り替わるので、常に機関のトルク
を十分に引き出しながら作業を続けることができる。
また、大減速に切り替える時の回転数のしきい値が小
減速に切り替える時の値より小さいので、両しきい値の
間が不感帯となってヒステリシス特性を持った制御が行
われることになり、ハンチングのない円滑な制御が可能
となる。
更に、減速比の切り替え後の一定時間は制御信号の出
力が停止されるので、この点からもハンチングが防止さ
れて円滑な制御が可能となる。
更に、あらかじめ設定された回転数以下の領域では常
に大減速を選択することにより、特に船速を落として微
速で航行することが必要なトローリングのような作業の
際には自動的に大減速の状態となり、無用な切り替えが
なくなって安定した作業を続けることができる。
また、条件に応じた複数の減速比切替マップをマニュ
アル操作によって選択することにより、それぞれの航走
や各種の作業に適合した切り替えが行われるので、運転
や作業が容易になると共に作業能率が向上する。
更に、減速比の自動切り替え機能を備えた装置に減速
比維持指令手段を備えることにより、必要に応じて自動
切り替えを停止することができ、減速比の切り替えが不
要な作業にも容易に対応できる。
<実施例> 次にこの発明の実施例を説明する。
第2図はブロック図であり、1は機関、2はプロペ
ラ、3は減速逆転機、4は電子ガバナ41を内蔵した燃料
噴射ポンプ、5は船舶の操縦席に設けられたリモコンハ
ンドル装置、6は同じく操作パネル、7は制御装置であ
る。
この実施例の減速逆転機3は減速比が前進2段になっ
たもので、減速比の切替手段としての電磁切替弁31と、
前進・後進・中立の切り替えを行うための切替装置32を
備えており、出力軸33にプロペラ軸21が連結されてい
る。電磁切替弁31は操作パネル6あるいは制御装置7か
らの制御信号によって操作されるようになっており、ま
た切替装置32はリモコンハンドル装置5のクラッチ切替
ハンドル51にプッシュプルワイヤ52を介して接続され、
ハンドル51によって操作されるようになっている。な
お、切替装置32としては例えば前掲の公報に記載されて
いるものが使用される。リモコンハンドル装置5のレギ
ュレータハンドル53はプッシュプルワイヤ54を介してア
クセルセンサ55に接続され、アクセルセンサ55の信号が
制御装置7に入力されるように構成されている。
燃料噴射ポンプ4の電子ガバナ41は制御装置7からの
制御信号によって制御されるものであり、負荷検出手段
としてのラック位置センサ42が設けられ、回転センサ43
と共にその出力信号が制御装置7に入力されるように構
成されている。その他、機関1の冷却水温センサなどこ
の発明に直接関係のない各種センサ(図示せず)の出力
信号も適宜制御装置7に入力されて各種の制御に利用さ
れるようになっている。
操作パネル6には、制御モードを選択するモードスイ
ッチ61a,61b,61c、減速比を切り替えるマニュアルスイ
ッチ62a,62b、機関1の実負荷と作業負荷の表示を選択
する表示選択スイッチ63a,63b、航走時負荷特性計測用
のいずれもランプ付の準備スイッチ64aとトリガスイッ
チ64b、減速比の自動切り替えを一時停止してその時の
減速比を維持するためのホールドスイッチ65などの各種
スイッチが設けられており、また機関の負荷を表示する
ための負荷モニタ68も設けられている。これらのスイッ
チの状態は制御装置7に入力され、また制御装置7の出
力信号が負荷モニタ68に送られる。なお、速度計などこ
の発明に直接関係のない表示装置やスイッチ類(図示せ
ず)も適宜設けられている。
制御装置7は主要部がマイクロコンピュータで構成さ
れており、制御の中心となるCPU71や制御に必要な各種
プログラムやデータを記憶したメモリ72のほか、必要な
入出力装置などを備えている。
メモリ72には、減速比を切り替える時の機関の回転数
と負荷の関係を定めた減速比切替マップ(以下、単に減
速比切替マップという)が記憶されている。第3図はこ
のマップを例示したものであり、(a)はこれをグラフ
化して、また(b)は表の形でそれぞれ示してある(請
求項(1)の基本発明に対応)。
(a)図の横軸は機関回転数、縦軸は機関の負荷に対
応するトルクであり、Nactは回転センサ43で検出される
機関回転数、Rdownは減速比の小さい小減速から減速比
の大きい大減速に切り替える時の負荷のしきい値、dは
その特性線、Rupは逆に大減速から小減速に切り替える
時の負荷のしきい値、uはその特性線を示す。また航走
時における機関回転数と機関負荷との関係を示す航走時
負荷特性は、舶用三乗負荷特性として知られているもの
が一般的であり、図の実線aは小減速時の舶用三乗負荷
特性を、bは大減速時の舶用三乗負荷特性をそれぞれ示
している。Pは定格負荷点である。
ここで、しきい値Rdownは図に示すように三乗負荷特
性aよりも大きい値に設定されている(請求項(2)の
発明に対応)。機関負荷は、船舶が航走することによっ
て生ずる航走負荷に綱を引くなどの作業によって生ずる
作業負荷がプラスされたものになるから、減速引を小減
速にして機関回転数Nactで航走中の航走負荷トルクはa1
であり、作業中はこれに作業負荷トルクLがプラスされ
て機関の実負荷トルクはd1となる。そこでこの実負荷ト
ルクd1がd線に達した時に減速比が大減速に切り替われ
ば、実負荷は大減速時の航走負荷トルクb1に減速比が大
きくなった分だけ小さい作業負荷トルクL′がプラスさ
れた状態となり、機関は切り替え前より小さい負荷トル
クで同一回転数で運転を継続できる。従って、しきい値
Rdownは特性aより作業負荷分だけ大きく設定するのが
望ましく、差が大き過ぎると切り替えのタイミングが遅
れて過大な負荷がかかり、回転数が低下することになる
し、差が小さいとまだトルクに余裕があるのに早めに切
り替えが行われることになる。また、大減速から小減速
に切り替える時は一般に作業が終了して作業負荷が0に
なるか、あるいは作業負荷が極めて小さくなる場合であ
るから、しきい値Rupは特性bとほぼ同程度の値で特性
bの若干上(または下)の範囲内に設定されることにな
る。なお、しきい値dより上は大減速域、しきい値uよ
り下は小減速域、その間は不感帯である。
なお一般に作業負荷は作業の種類で異なるので、この
減速比切替マップは1種類とは限らず作業内容などに応
じて設定されるのが普通であり、例えば航走時に適用さ
れるもののほかに、何種類かの異なる作業ごとに適用さ
れる複数のマップが準備される。これは以下に述べるマ
ップについても同様である(請求項(6)の発明に対
応)。
第4図は第3図に対応したもので、機関回転数と燃料
噴射ポンプ4のラック位置との関係を示した図であり、
制御用の基本マップとしてメモリ72に記憶されている。
Rmaxは最大ラック位置、Rsoku1は小減速時の舶用三乗負
荷に相当するラック位置、Rsoku2は大減速時の舶用三乗
負荷に相当するラック位置、Ridlは無負荷相当ラック位
置をそれぞれ示している。
第5図は第2の減速比切替マップの例であり、機関負
荷に関係なく機関回転数のみで切り替えを行う場合に用
いられるものである。このマップでは小減速から大減速
に切り替える時の機関回転数のしきい値Ndownと、逆に
大減速から小減速に切り替える時のしきい値Nupが設定
されており、しきい値Ndownはしきい値Nupより小さい値
に設定されている(請求項(3)の発明に対応)。
第6図は更に別の第3の減速比切替マップの例であ
り、RdownのNdown以下及びRupのNup以下の部分をそれぞ
れカットした形状になっている(請求項(5)の発明に
対応)。なお、この第6図のNdownとNupは第5図のもの
と同一の値とは限らない。
以上の各減速比切替マップを利用した制御の手順につ
いては、第8図以下のフローチャートによって後述す
る。
第7図はラック位置センサ42で検出される実負荷を航
走負荷と作業負荷に区別し、機関負荷を正確に知るため
に必要となる作業負荷率の算出方法の説明図である。す
なわち、ある回転数Nactにおける作業負荷は、検出され
た実際のラック位置Ractから航走負荷である舶用三乗負
荷に相当するラック位置Rsoku1またはRsoku2を引いた値
であり、小減速時及び大減速時の作業負荷率と機関の実
負荷率はそれぞれ次のようになる。
次に、第8図以下のフローチャートにより実施例の装
置の動作を説明する。第8図(a)及び第8図(b)は
メインルーチン、第9図は負荷演算サブルーチン、第10
図は舶用三乗負荷計測サブルーチン、第11図は減速比切
替サブルーチンである。
第8図のメインルーチンにおいて、ステップS0は機関
回転数と燃料噴射ポンプのラック位置との関係を示した
制御用の基本マップに基いて燃料噴射量を算出し、燃料
噴射ポンプ4のラックを駆動するアクチュエータへの制
御信号Qoutを演算して出力するステップである。この制
御のサブルーチンは周知であるので詳細な説明は省略す
るが、必要であれば例えば特開昭63−259139号公報等を
参照されたい。
次のステップS1はラック位置センサ42の異常検出のス
テップであり、正常であればステップS2に進み、異常で
あればステップS5′に進んで操作パネル6の負荷モニタ
68の表示を0とする。この異常判定は、例えばラック位
置センサ42の出力Ractと燃料噴射制御信号Qoutを比較す
ることによって行われる。一例を挙げると、Ractが4V以
上でQoutが1%以下であるとか、Ractが1.5V以下でQout
が99%以上であるというように、正常な場合にはあり得
ないような状態が0.5秒以上継続した場合に故障と判断
するのである。
舶用三乗負荷は船体とプロペラとのマッチングや積荷
の量などによって変わり、同じ機関であっても減速比の
変更タイミングの最適値が変化するので、減速比の切り
替え制御にとっては重要な特性である。そこで実際に船
を走らせてその特性を計測して記憶させておくことがで
きれば好都合である。ステップS2では、この計測をする
か否かを操作パネル6の準備ステップ64aのオンオフに
よって判定するのであり、スイッチ64aがオンであれば
ステップS4を経由してステップS3に、オフであればすぐ
にステップS3に進む。
ステップS5はステップS3で求められた結果を操作パネ
ル6の負荷モニタ68に表示するステップであり、表示選
択スイッチ63a,63bの操作に応じたフラグSmoniを判定
し、0であれば作業負荷を、1であれば機関の実負荷を
それぞれ表示する。
ステップS6は減速比の切り替えを行うサブルーチンで
あり、次にステップS3,S4及びこのステップS6について
述べる。
第9図はステップS3の負荷演算サブルーチンであり、
まず実際の機関回転数Nactとラック位置Ractを認識し
(ステップS31)、その回転数における最大ラック位置R
maxと無負荷相当ラック位置Ridlを意識する(ステップS
32)。続いて現在の減速比を認識し(ステップS33)、
更にその減速比における舶用三乗負荷相当ラック位置Rs
oku1またはRsoku2を認識する(ステップS34)。そして
第7図に関して述べた式により機関の実負荷率と
作業負荷率とをそれぞれ演算するのである(ステップS3
5)。
第10図はステップS4の舶用三乗負荷計測サブルーチン
であり、船を航走させながら実行される。まず準備スイ
ッチ64aのオンによりカウンタIが0となり、スイッチ6
4aの計測ランプが点灯する(ステップS41)。トリガス
イッチ64bをオンするとそのトリガランプが点灯して計
測が開始され(ステップS42)、機関回転数Nactとラッ
ク位置Ractを認識してその値が一旦記憶され(ステップ
S43)、カウンタがカウントアップされてトリガランプ
が消灯し、ステップS42に戻る(ステップS44)。この例
ではこの手順を機関の低速回転から高速回転までの8点
について行うようになっており、8回目が終了するとス
テップS45に進んで現在の減速比が認識され、その減速
比における舶用三乗負荷相当ラック位置Rsoku1またはRs
oku2として結果がメモリ72に記憶され、計測ランプが消
灯してこのサブルーチンが終了する(ステップS46)。
次に第11図の減速比切替サブルーチンについて説明す
る。
最初のステップS61は減速比の切り替えを自動でなく
マニュアル操作で行うか否かの判定ステップであり、操
作パネル6のマニュアルスイッチ62a,62bのいずれかが
オンされると、自動モードが解除されて選択された減速
比に減速逆転機3が切り替えられる。これにより例えば
制御系の故障時でも減速比を切り替えることが可能とな
る。ステップS62は、自動モードの時に操作パネル6の
ホールドスイッチ65のオンによって減速比の切り替えを
一時停止し(請求項(7)の発明に対応)、その時の減
速比を維持するか否かの判定ステップであり、スイッチ
65がオフの場合に次のステップS63に進む。ステップS63
は第8図のステップS1と同様なラック位置センサ42の異
常検出のステップであり、正常であればステップS64に
進み、異常であればステップS71に進む。
ステップS64では操作パネル6のモードスイッチ61a〜
61cの状態が判定され、スイッチ61aまたは61bがオンで
モード1または2が選択されていればステップS65に、
スイッチ61cがオンでモード3が選択されていればステ
ップS71に進む。この実施例では第3図の減速比切替マ
ップとして作業内容に応じて2種類のものが備えられて
おり、モード1及び2では選択されたマップを用いて機
関回転数と機関負荷に応じた切り替え制御が行われる。
また、モード3は第5図の減速比切替マップを用いて機
関回転数のみに応じて制御するモードである。
モード1及び2の場合には、ステップS65で現在の減
速比が判定される。小減速であれば検出されたラック位
置Ractがしきい値Rdown以上であるか否かが判定され、
以上であれば大減速に切り替える制御信号が制御装置7
から電磁切替弁31に対して出力されて減速比が大減速側
に切り替えられ、以上でなければ切り替えは行われない
(ステップS66)。また小減速でなければ、検出された
ラック位置Ractがしきい値Rup未満であるか否かが判定
され、未満であれば小減速に切り替える制御信号が制御
装置7から電磁切替弁31に対して出力されて減速比が小
減速側に切り替えられ、未満でなければ切り替えは行わ
れない(ステップS67)。
切り替えが行われた場合はステップS68で完了が確認
され、更にステップS69であらかじめ設定された時間が
経過するまで時間待ちが行われて、必要以上の頻度で切
り替えが行われることを防止して制御の円滑化が図られ
る(請求項(4)の発明に対応)。
ステップS71以下は第5図の減速比切替マップを用い
る制御であり、ラック位置センサ42が故障して機関負荷
を検出できないが制御系の他の部分は正常な場合と、モ
ード3が選択された場合とに行われる。ここでは、ステ
ップS71で現在の減速比が判定され、小減速であれば検
出された機関回転数Nactがしきい値Ndown未満であるか
否かが判定され、未満であれば大減速に切り替える制御
信号が電磁切替弁31に対して出力されて大減速側に切り
替えられ、以上でなければ切り替えは行われない(ステ
ップS72)。また小減速でなければ、機関回転数Nactが
しきい値Nup以上であるか否かが判定され、以上であれ
ば小減速に切り替える制御信号が制御装置7から電磁切
替弁31に対して出力されて小減速側に切り替えられ、以
上でなければ切り替えは行われない(ステップS73)。
切り替え完了の確認と時間待ちはモード1または2の場
合と同様である(ステップS74,75)。
なお、以上の実施例は減速比が前進2段の例である
が、3段以上の多段逆転機の場合でもこの発明は適用で
きる。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように、この発明は、機関回
転数と機関負荷を検出し、減速比を切り替える時の機関
の回転数と負荷の関係を定めた減速比切替マップに基づ
いて減速逆転機の減速比を自動的に切り替えるようにし
たものである。従って、機関の回転数だけでなく負荷も
用いて運転状況に最も適合した自動切り替えが行われる
ため作業が単純化され、また常に機関負荷の適正な領域
で機関を運転でき、作業能率も向上される。
また、小減速から大減速に切り替える時の負荷のしき
い値を小減速時の航走時負荷特性より大きい値に設定す
ることにより、小減速時に航走時負荷以上の負荷がかか
ると自動的に大減速に切り替えることができる。
また、小減速から大減速に切り替える時の機関回転数
のしきい値を大減速から小減速に切り替える時の回転数
のしきい値より小さい値に設定することにより、両しき
い値の間が不感帯となってハンチングのない円滑な制御
が可能となり、特に航走時の制御を安定させることがで
きる。
更に、減速比の切り替えを行った後は所定時間が経過
するまで制御信号の出力を停止するようにしたもので
は、切り替えが必要以上の頻度で行われることがないの
で円滑な制御が可能となる。
更に、あらかじめ設定された回転数以下の領域では機
関の負荷に関係なく常に大減速を選択するようにしたも
のでは、例えば船速を落して微速で航行することが必要
なトローリングのような作業の際には自動的に大減速の
状態となるので、無用な切り替えがなくなって作業を能
率よく安定して続けることが可能となる。
また、複数の減速比切替マップをマニュアル操作によ
って選択するようにしたものでは、条件に適合した切り
替えが行われるので、運転や作業が容易になると共に作
業能率を向上することができる。
更に、上述の各発明あるいは他の制御によって減速逆
転機の減速比を自動的に切り替えるようにしたものにお
いて、マニュアル操作によって現状の減速比に維持する
減速比維持指令手段を備えたものでは、必要に応じて自
動切り替えを停止することができ、切り替えが不要な場
合の作業を安定して続けることが可能となる。特に、漁
船において潮の流れが急激に変化するような条件下で底
引き網漁などを行う場合には、潮の流の方向により機関
負荷が大きく変動することがあり、この変動でその都度
減速比が切り替えられると作業が困難となるが、この発
明によれば切り替えを一時停止できるので悪条件下での
作業が容易となるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成を示す図、第2図は一実施例の
ブロック図、第3図の(a)は減速比切替マップの例を
グラフ化して示した図、(b)は表の形で示した図、第
4図の(a)は機関回転数と燃料噴射ポンプのラック位
置との関係をグラフ化して示した図、(b)は表の形で
示した図、第5図及び第6図はそれぞれ他の減速比切替
マップの例をグラフ化して示した図、第7図は作業負荷
率の算出方法の説明図、第8図以下は制御のフローチャ
ートを示したもので、第8図はメインルーチン、第9図
は負荷演算サブルーチン、第10図は舶用三乗負荷計測サ
ブルーチン、第11図(a)(b)は減速比切替サブルー
チンである。 1……機関、2……プロペラ、3……減速逆転機、4…
…燃料噴射ポンプ、5……リモコンハンドル装置、6…
…操作パネル、7……制御装置、31……電磁切替弁、41
……電子ガバナ、42……ラック位置センサ、43……回転
センサ、61a,61b,61c……モードスイッチ、62a,62b……
マニュアルスイッチ、63a,63b……表示選択スイッチ、6
4a……計測準備スイッチ、64b……計測トリガスイッ
チ、65……減速比維持用ホールドスイッチ、68……負荷
モニタ、71……CPU、72……メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−52453(JP,A) 特開 平2−203070(JP,A) 特開 昭59−62755(JP,A) 特開 昭51−98889(JP,A) 特開 平4−8690(JP,A) 実公 昭61−9838(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 21/21 F16H 61/10 F02D 45/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の回転を所定の減速比でプロペラに伝
    達する減速逆転機と、 この減速逆転機の減速比を切り替える切替手段と、 機関の回転数を検出する回転数検出手段と、 機関の負荷を検出する負荷検出手段と、 減速比を切り替える時の機関の回転数と負荷の関係を定
    めた減速比切替マップを記憶した記憶手段と、 検出された機関の回転数と負荷に応じて上記記憶手段に
    記憶された減速比切替マップに基づいて上記切替手段に
    対して制御信号を出力する制御手段、 とを備えたことを特徴とする舶用減速逆転機の切替装
    置。
  2. 【請求項2】減速比の小さい小減速から減速比の大きい
    大減速に切り替える時の負荷のしきい値として上記減速
    比切替マップに設定されている値を、小減速時の舶用三
    乗負荷より大きい値に設定した請求項1記載の舶用減速
    逆転機の切替装置。
  3. 【請求項3】小減速から大減速に切り替える時の機関回
    転数のしきい値として上記減速比切替マップに設定され
    ている値を、大減速から小減速に切り替える時の回転数
    のしきい値より小さい値に設定した請求項1記載の舶用
    減速逆転機の切替装置。
  4. 【請求項4】減速比の切り替えを行った後あらかじめ設
    定された所定時間が経過するまで制御手段からの制御信
    号の出力を自動的に停止するようにした請求項1記載の
    舶用減速逆転機の切替装置。
  5. 【請求項5】あらかじめ設定された回転数以下の領域で
    は機関の負荷に関係なく常に大減速を選択するようにし
    た請求項1記載の舶用減速逆転機の切替装置。
  6. 【請求項6】航走のみか各種作業を伴うかという運転条
    件に応じた複数の減速比切替マップが記憶手段に記憶さ
    れており、使用する減速比切替マップをマニュアル操作
    によって選択するための選択手段が設けられている請求
    項1記載の舶用減速逆転機の切替装置。
  7. 【請求項7】減速逆転機の減速比を自動的に切り替える
    切替手段を備えた舶用減速逆転機の切替装置において、
    マニュアル操作によって現状の減速比に維持するための
    減速比維持指令手段を備えたことを特徴とする舶用減速
    逆転機の切替装置。
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