JP2838012B2 - メカニカルシール装置 - Google Patents

メカニカルシール装置

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JP2838012B2
JP2838012B2 JP5062738A JP6273893A JP2838012B2 JP 2838012 B2 JP2838012 B2 JP 2838012B2 JP 5062738 A JP5062738 A JP 5062738A JP 6273893 A JP6273893 A JP 6273893A JP 2838012 B2 JP2838012 B2 JP 2838012B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/34Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member
    • F16J15/3404Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal
    • F16J15/3408Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal at least one ring having an uneven slipping surface
    • F16J15/3412Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal at least one ring having an uneven slipping surface with cavities

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方が静止、他方が回
転状態にあって互いに作用しあっている面状の密封端面
間に、密封された流体が用いられることで、流体静力学
的(ハイドロスタティック)−流体動力学的(ハイドロ
ダイナミック)な力、或いはエアロスタティック−エア
ロダイナミックな力を発生させる回転シャフト用のメカ
ニカルシール装置に関する。上記の力は上記密封端面間
に僅かな間隙を提供し、また非接触の作用を提供するこ
とで、密封端面の磨耗と摩擦によるエネルギー損失を低
減し、また流体のリークを低く抑えることができる。
【0002】
【従来の技術】回転流体膜面シールは、非接触式面シー
ルとも呼ばれ、一般に高速で高圧の回転装置に適用され
る。そのような高速で高圧の回転装置では、通常の面接
触を伴うメカニカル面シールを用いたのでは、過度の熱
や磨耗をもたらすからである。この望ましからざる面接
触は、シャフトが或るミニマムスピードを越えて回転し
ている時に、非接触作用が発生することで回避される。
上記非接触作用を達成する方法は種々あるが、その中
で、最も成功した1つは密封端面の一方に浅いスパイラ
ル溝のパターンを適用することである。この溝を設けた
密封端面と対向する密封端面は相対的に平坦で且つ滑ら
かとする。これら2つの密封端面がシーリング間隙を確
定する密封領域はシーリングインターフェイスと呼ばれ
ている。
【0003】上記した密封端面の一方に設けられたスパ
イラル溝は、通常は外周縁から内向きに延設され、溝直
径と呼ばれるある特定の直径の位置で終わる。スパイラ
ル溝パターンが密封領域(シーリングインターフェイ
ス)の内直径よりも大きい溝直径の位置で終了すること
は重要なことである。溝直径と密封領域の内直径との間
に存在する、溝のない領域は流体の漏出に対する抑止部
として役に立つ。スパイラル溝パターンから運ばれた流
体がこの抑止部を通り抜けるのは、一対の密封端面が開
いたときだけであり、そしてこれは圧力が上昇すること
によってなされる。密封端面が接触状態に保たれると、
流体は前記抑止部の直前で圧縮され、圧力上昇する。こ
の圧力は分離力を発生させ、そしてその分離力は最後に
は2つの密封端面の接触状態維持力を上回る。そしてそ
の時点で密封状態の2つの密封端面が分離し、流体の漏
出を許す。密封動作中は、スパイラル溝のポンプ作用に
よる流体の流入と密封端面の分離による漏出との平衡が
確立している。それゆえ、密封端面の分離は密封動作を
行っている限り、即ち一方の密封端面がそれに対向する
密封端面に対して回転している限り存在する。しかしな
がらスパイラル溝によるポンプ作用は密封端面間の分離
程度を決定する唯一のファクターではない。丁度スパイ
ラル溝が、流体を溝直径を越えて密封領域の溝のない領
域に送り込むことができるのと同様に、圧力差も又その
様な効果を発揮する。若し密封領域における溝の終端部
と溝なし部の端部との間に十分な圧力差があれば、流体
はやはり溝から密封領域の溝なし部へ押し入れられ、そ
れによって対向面が分離され、間隙が形成される。
【0004】密封端面間に間隙が形成され得る2つのケ
ースとして、1つは回転スピードによるものであり、も
う一つは圧力差によるものであるが、それらは、密封動
作中は2つの効果が組み合わされて出現するものの、互
いに別ものである。もし圧力差がなく、密封端面間の分
離が厳密に回転によってのみ生じるなら、その流体によ
る力は、密封流体が液体ならば水力学的(ハイドロダイ
ナミック)力として知られ、また密封流体が気体であれ
ば空気力学的(エアロダイナミック)力として知られて
いる。
【0005】他方、もし2つの密封端面間に相対的な回
転がなく、密封端面の分離が厳密に密封領域における前
記溝の終端部と溝なし部の端部との間の2つの終端部間
の圧力差の結果による場合には、その流体による力は、
密封流体が液体なら静水力学的(ハイドロスタティッ
ク)力と呼ばれ、また密封流体が気体なら静空気力学的
(エアロスタティック)力と呼ばれている。以下におい
ては、ハイドロスタティックとハイドロダイナミックと
言う用語を液体の場合も気体の場合にも使うものとし、
流体静力学的、流体動力学的と言う語を使用する。
【0006】スパイラル溝を用いた流体密封に要求され
ることは、それが漏出に関して満足すべき性能を示すこ
と及び密封作用の全動作中において密封端面間の接触が
ないことである。このことは回転速度及び圧力が最高の
ときだけでなく、静止時、起動時、加速時、装置の慣ら
し運転期間や装置の停止期間においても達成されなけれ
ばならない。正常な運転コンデションにおいては、圧力
と回転速度は一定の割合で変化し、その結果、運転中の
密封端面間隙はコンスタントに調節される。これらの調
節は自動的に行われる。即ち、スパイラル溝による流体
密封の重要な特性はそれらの自己調節能力であり、回転
速度または圧力の変化により、面間隙は新しい条件に対
応するよう自動的に調節される。そしてこの調節は流体
静力学的な力と流体動力学的な力とによりなされる。
【0007】回転速度と圧力に関する運転条件の範囲は
通常非常に広く、流体密封の設計は必然的に妥協が要求
される。回転速度ないし圧力がゼロに近い状態で許容さ
れる性能は、通常運転時の回転速度と圧力における最適
状態よりも低下する。このことは、要するに回転と圧力
の両方に関して言えば、流体密封が速度と圧力差がゼロ
の状態から運転中までカバーされなければならないとい
うことである。流体密封の作用において特に問題となる
のは運転開始時である。遠心式気体圧縮器での流体密封
の場合、気体吸引の全圧力差が、シャフト回転開始前に
おいて、密封機構にそのままに加わることが多い。この
ため対向する密封端面が摩擦のために互いにロックされ
るという危険性が生じる。この密封端面のロックは、流
体静力学的な力が対向する密封端面を接触させんとする
圧力に十分対抗し得ない時に生じる。密封端面のロック
は流体密封の破壊をまねくことがあり、その場合には接
触した密封端面がひどい磨耗を引き起こし、或いは内部
の密封流体の漏出をもたらすことがある。
【0008】そこで先ず、スパイラル溝は、全速非接触
運転を保証すべく、流体動力学的に密封端面間を分離さ
せ得るものであることが要求される。このためには、通
常、かなり短くて且つ比較的深いスパイラル溝が必要と
なる。次に、スパイラル溝は、運転の開始時と停止時に
おいて密封端面がロックされないように、密封端面にか
かる負荷を流体静力学的に解除し得るものであることが
要求される。このためには、スパイラル溝は長く延びて
いなければならない。しかし長く延びたスパイラル溝
は、全速運転中において密封端面の分離及びそれによる
漏出を助長する。
【0009】現行のスパイラル溝のデザインを導く先行
技術は、バレット等に与えられた米国特許第31096
58号に遡る。その技術は対立する2つのスパイラル溝
が互いにオイルを供給し、これよって気体を密封するこ
とのできる液体バリアーを作り出すものである。しかし
そのような構成では、気体の密封に液体の力を使用して
いるため、回転速度や圧力に制限があった。次に重要な
先行技術は、ガーナーに与えられた米国特許第3499
653号に見られる。ガーナーは、現在広く行われてい
る、部分的なスパイラル溝を持った密封端面の構造を採
用する一方で、流体静力学的な効果を期待して、スパイ
ラル溝の幅を溝なし端部側へ向けて狭くしたテーパ状と
している。しかしながらこの場合には、広い溝部を越え
てのポンピング作用はその能力が低下するので、流体動
力学的な力は低下する。このことは密封の安定性に影響
を及ぼし、また最高圧力と回転速度にも制限を与える。
以上に次ぐ主要な先行技術は、セディに対する米国特許
4212475号である。この技術では、スパイラル溝
それ自体が流体動力学的に有効なパターンとしてだけで
はなく、流体静力学的にも有効なパターンとしても作用
するという事実を利用し、溝の幅をテーパ状にする必要
をなくし、これによりスパイラル溝の流体動力学的な力
のかなりの部分を密封端面に自己整列性を付与するのに
用いることができるようにしている。この自己整列性
は、運転中に密封端面の平行性が半径方向や接線方向に
ずれても、その密封端面を平行な位置に戻すもので、そ
の結果、密封作用の安定性を全面的に改善すると共に圧
力と回転速度に対する制限を大幅に改善することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上で
説明した従来におけるスパイラル溝を用いたメカニカル
シール装置においては、未だ圧力と回転速度における制
限が大きく、即ち運転開始時や運転停止時における密封
作用と高速運転中での密封作用とを共に安定して満足さ
せることが不十分であった。
【0011】そこで本発明は上記従来のメカニカルシー
ル装置における欠点を解消し、従来のスパイラル溝を用
いたメカニカルシール装置における圧力と回転速度にお
ける適用範囲をより増大せしめることができると共にス
パイラル溝を用いた密封性能を向上させ、密封領域、密
封端面のロックや被密封流体の漏出をより広範囲の運転
条件下において確実に防止することができ、安定した密
封状態での高速、高圧運転ができるメカニカルシール装
置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のメカニカルシール装置は、ハウジング10
と回転シャフト12との間に被密封流体をシールするた
め、前記回転シャフト12に取り付けられ、平坦な第1
の密封端面21を持つ第1のシールリング20と、前記
ハウジング10側にあって、前記第1のシールリング2
0と同軸に配置され、前記第1の密封端面21に対して
軸方向に対向して隣接配置される平坦な第2の密封端面
19を持つ第2のシールリング18とを有し、前記第1
のシールリング20又は第2のシールリング18のいず
れか一方を軸方向に可動とし、この可動なシールリング
を弾性付与手段30で他方のシールリングに向けて付勢
するようにしており、前記互いに向き合った第1、第2
の密封端面21、19により該密封端面21、19の外
周縁と内周縁の間に環状の密封領域を形成するようにし
たメカニカルシール装置であって、前記第1と第2の密
封端面21、19のいずれか一方21に、前記被密封流
体と接触する側の外周縁から内方へスパイラル状に延設
され且つ円周方向に相互に間隔をおいて複数個形成され
た第1の溝22と、同じ第1の密封端面21に複数個形
成された複数の第2の溝24、25とを設けており、前
記第1の溝22と第2の溝24、25とは、前記被密封
流体と接触する外周縁から開始される第1の溝22に対
してその終端に第2の溝24、25を接続して開始させ
ると共に更に内方へ前記内周縁に到ることなく延設する
ことで、前記被密封流体が接触する外周縁から内方へ向
かう1本の溝パターンを形成するようにし、且つ第1の
溝22と第2の溝24、25とは段部26を介して接続
させ、またこの段部26によって第1の溝22を流体動
力学的な流体軸受けを形成するのに十分な深い溝とする
と共に第2の溝24、25を流体静力学的な流体軸受け
を形成するのに十分な浅い溝としたことを第1の特徴と
している。また本発明のメカニカルシール装置は、上記
第1の特徴に加えて、第1の溝22の深さは、0.02
54mmを越えないことを第2の特徴としている。また
本発明のメカニカルシール装置は、上記第1または第2
の特徴に加えて、第1の溝22の深さは、0.0025
4mm〜0.00762mmの範囲とすることを第3の
特徴としている。また本発明のメカニカルシール装置
は、上記第1〜3のいずれかの特徴に加えて、第2の溝
24、25の深さは、0.000254mm〜0.00
1778mmの範囲とすることを第4の特徴としてい
る。また本発明のメカニカルシール装置は、上記第1〜
4のいずれかの特徴に加えて、第2の溝24、25と第
1の溝22との深さの比は0.05〜0.25の範囲と
することを第5の特徴としている。また本発明のメカニ
カルシール装置は、上記第1〜5のいずれかの特徴に加
えて、第2の溝24は、第1の溝22に連続して内方へ
スパイラル状に延設されていることを第6の特徴として
いる。また本発明のメカニカルシール装置は、上記第1
〜5のいずれかの特徴に加えて、第2の溝25は、内周
縁に向けて半径方向に延設されていることを第7の特徴
としている。また本発明のメカニカルシール装置は、上
記第1〜7のいずれかの特徴に加えて、第1の溝22と
第2の溝24、25はそれぞれを一定の深さとしたこと
を第8の特徴としている。また本発明のメカニカルシー
ル装置は、上記第1〜7のいずれかの特徴に加えて、第
1の溝22と第2の溝24、25の少なくとも1つはそ
の深さを外周縁側から内方へ徐々に浅くなるようにテー
パ状としていることを第9の特徴としている。
【0013】
【作用】上記本発明の第1の特徴によれば、第1の溝2
2と第2の溝24、25を1つの溝パターンとして組み
合わせることで、過大な流体動力学的効果に起因する過
大間隙とそれによる被密封流体の漏出の増大といった不
利益を防止し、且つ安全な運転開始と停止のための流体
静力学的な密封端面の開口力を得ることができる。深さ
が深い第1の溝22は、流体動力学的な作用が期待さ
れ、シャフト12の回転時に、密封流体を密封端面2
1、19間にポンピングし、密封端面21、19間に好
適な小さな間隙をもたらし、密封端面21、19間の接
触、ロック、磨耗等を防止する。また深さが浅い第2の
溝24、25は、流体静力学的な作用が期待され、シャ
フト12が回転を停止している時或いは停止に近い状態
にあるときに、密封端面21、19間に被密封流体を供
給することで、シャフト12の回転開始或いは回転停止
時における密封端面21、19間の接触、ロック、磨耗
等を防止し、また密封端面21、19間の接触圧を最低
に減少して起動時等におけるトルクを十分に低減するの
に役立つ。このように本発明の第1の特徴によれば、ス
パイラル溝からなる深い第1の溝22と浅い第2の溝2
4、25との組み合わせにより、単純な従来の1つのス
パイラル溝では不十分であった、運転開始・停止時及び
定常運転時(全速回転時)での両条件における密封作用
を改善し、運転停止ないし低速から高速に至る広範囲に
おいて、密封端面のロックを防止すると共に被密封流体
の多量の漏出を防止し、安定した流体密封性能を得るこ
とができる。特に、第1の特徴においては、深い第1の
溝22の終端に浅い第2の溝24、25を接続させる構
成としたことで、種類の異なる2つの溝を、即ち第1の
溝22と第2の溝24、25とを、外周縁から内方へ向
かう1本の単一パターンとして構成しているので、構造
上において非常にシンプルな構成となり、種類の異なる
複数の溝を円周方向に寄せ集めたような複パターンのも
のに比較して、密封端面での溝の形成ないし作製が非常
に容易となり、またそれだけ不良率を減らすことができ
る。加えて、第1の特徴においては、種類の異なる第1
の溝22と第2の溝24、25とを、外周縁から内方へ
向かう1本の単一パターンとして構成しているので、種
類の異なる複数の溝を円周方向に寄せ集めたような複パ
ターンのものに比較して、密封端面の円周方向により多
数の溝パターンを構成することができ、円周方向の均一
性を向上させることができる。また第1の溝22と第2
の溝24、25とは溝の深さによって異なる種類の溝と
しているので、溝幅によって溝の種類を異ならしめるた
めに広い幅の溝を用いたりする必要がなく、よって円周
方向での各パターンの専有面積を小さくすることがで
き、それだけ円周方向に多数の溝パターンを構成するこ
とができ、前記と同様な円周方向の均一性を向上させる
ことができる。また第1の特徴において、外周縁から内
方へ延びる深い第1の溝22の終端が段部26を介して
第2の溝24、25に接続しているので、回転中におい
て前記段部26が一種のダムの役割を果たし、密封流体
が深い第1の溝22から浅い第2の溝24、25側に行
くのを十分に抑制し、その結果、深い第1の溝22内に
十分に効果的な流体動力学的な圧力を効率よく発生させ
ることができる。また前記段部26によって第1の溝2
2を流体動力学的な流体軸受けを形成するのに十分な深
さの溝とし、また第2の溝24、25を流体静力学的な
流体軸受けを形成するのに十分な浅い溝とに区分するこ
とができたので、十分に深い第1の溝22による高速回
転時での十分なる流体動力学的密封作用と、十分に浅い
第2の溝24、25による運転停止時や起動時等での効
果的な流体静力学的密封作用とを、且つ相互の溝(22
と24、25)によって互いに悪影響を与えることな
く、行うことができる。上記第2の特徴によれば、上記
第1の特徴による作用に加えて、第1の溝22の深さ
0.0254mmを越えないようにしているので、第1
の溝22による流体動力学的な密封効果を大きな副作用
なく行うことができる。上記第3の特徴によれば、上記
第1または第2の特徴による作用に加えて、第1の溝2
2の深さを0.00254mm〜0.00762mmの
範囲とすることで、全速回転時において、密封端面2
1、19間のロックや高摩擦、磨耗を十分に防止して安
定した高速回転を保証すると共に被密封流体の漏出をも
十分に抑制することができる範囲の間隙を密封端面2
、19間に確実に導入できる流体動力学的な圧力を、
第1の溝22に発生させることができる。上記第4の特
徴によれば、上記第1〜3のいずれかの特徴による作用
に加えて、第2の溝24、25の深さを0.00025
4mm〜0.001778mmの範囲とすることで、運
転停止中や運転開始・停止時の低速回転時において、密
封端面21、19間のロックや高摩擦、磨耗を十分に防
止すると共に被密封流体の漏出をも十分に抑制すること
ができる範囲の間隙を密封端面21、19間に確実に導
入できる流体動力学的な圧力を、第2の溝24、25に
発生させることかできる。上記第5の特徴によれば、上
記第1〜4のいずれかの特徴による作用に加えて、第2
の溝24、25と第1の溝22との深さの比を0.05
〜0.25の範囲とすることで、第2の溝24、25を
第1の溝22に比べて十分に浅く、第1の溝22を第2
の溝24、25に比べて十分に深く、またその間に十分
深い段部26が構成されることが可能となり、これによ
って相対的に深い第1の溝22による流体動力学的な作
用と相対的に浅い第2の溝24、25による流体静力学
的な作用とを、相互に悪影響を及ぼすことなくそれぞれ
十分効果的に行うことができる。その他、第1の溝22
の終端に接続して内方へ延設される第2の溝24、25
は、上記第6の特徴のように第1の溝22の終端に第2
の溝24をスパイラル状に延設してもよく、また第7の
特徴のように第1の溝22の終端に第2の溝25を内周
縁へ向けて半径方向に延設してもよい。第2の溝をスパ
イラル状に設ける場合は第1の溝22と非常にスムーズ
な連続がなされる。また、第1の溝22や第2の溝2
4、25については、第8の特徴のように、それぞれ
一定の深さにしてもよく、また第9の特徴のように、第
1の溝22と第2の溝24、25のいずれか一方、又は
両方の深さを外周縁から内方へ徐々に浅くなるようにテ
ーパ状としてもよい。
【0014】
【実施例】図1は本発明に基づいて作製されたメカニカ
ルシール装置の縦断方向の構成を示す一部断面構成図
で、シャフト回転時の各部の相対的位置を示している。
図2は図1の2−2断面図、 図3は図2における3−
3断面図である。図4は比較例を示す図で、密封領域と
シールリング及びそれに働く軸方向力を表した模式的側
面図である。図5は圧力−間隙図で、4つの異なるスパ
イラル溝パターンに対する流体静力学的にもたらされる
間隙と流体動力学的にもたらされる間隙を示す。図6は
接触する2つの平坦面の例を示す拡大図である。図7は
図2と同様な他の実施例を示す図である。図8は図3と
同様な他の実施例を示す図である。図9は図8と同様な
更に他の実施例を示す図である。
【0015】先ず図1〜図3を参照して、本発明のメカ
ニカルシール装置の第1の実施例を説明する。図1に
は、本発明部分とその付属部分が示されている。この付
属部分にはハウジング10と、そのハウジング10を貫
通する回転シャフト12が含まれる。この発明は環状の
空間14内部に液体からなる被密封流体をシールし、そ
の被密封流体が周囲環境部16に漏出するのを防止する
のに適用される。発明の基本的構成要素は軸方向に可動
な環状の第2のシールリング18を含み、該第2のシー
ルリング18は半径方向への延長された平坦な第2の密
封端面19を持ち、該第2の密封端面19と、回転可能
な環状の第1のシールリング20の半径方向への延長さ
れた平坦な第1の密封端面21とで、その間に外周縁か
ら内周縁に至るまでの環状の密封領域を構成している。
第2のシールリング18はハウジング10のキャビティ
15内に位置し、前記回転可能な第1のシールリング2
と同芯に保持されている。ハウジング10と軸方向に
可動な第2のシールリング18との間に複数のスプリン
グ30が弾性付与手段として設けられており、該複数の
スプリング30はハウジング10のキャビティ15の回
りに等間隔で配置されている。スプリング30は第2の
シールリング18を第1のシールリング20に向けて接
触させるように付勢する。Oリング38は第2のシール
リング18とハウジング10との間をシールする。第1
のシールリング20はスリーブ32によって軸方向の一
定位置に保持される。スリーブ32はシャフト12に同
芯的にロックナット34で固定されている。ロックナッ
ト34はシャフト12上に螺合されている。Oリングシ
ール36は第1のシールリング20とシャフト12との
間の漏出を防止する。
【0016】前記第1の密封端面21と第2の密封端面
19とは、その作用として被密封流体の密封作用を行う
ために、非常に狭い間隙を密封領域として構成する。そ
して前記非常に狭い間隙は、前記第1の密封端面21と
第2の密封端面19との何れか一方として選択された第
1の密封端面21に形成された2種類の溝22、24、
即ち第1の溝22と第2の溝24との組み合わせによっ
てもたらされる。第1の溝22は被密封流体と接触する
側の外周縁から内方へスパイラル状に延設されて形成さ
れ、その第1の溝22が円周方向に一定の間隔で複数形
成されている。また第2の溝24も本実施例ではスパイ
ラル状の溝とされている。前記第1の溝22と第2の溝
24とは、第1の溝22の終端に第2の溝24が接続さ
れて開始すると共にそこから第2の溝24がさらに内方
へ向けて延設されて構成されている。これにより第1の
溝22と第2の溝24との2つの異なる種類の溝が1本
の単一パターンとして構成される。前記第2の溝24の
終端はやはり段部28を形成して内周縁に至ることな
く、途中で終端となる。これにより第2の溝24は外周
縁と内周縁との間の中央付近に位置することになってい
る。前記各段部26、及び各段部28はそれぞれ同芯円
周の一部を構成している。前記第1の溝22の終端は段
部26として形成され、この段部26を介して第2の溝
24が接続せられている。前記段部26により、第1の
溝22は流体動力学的な流体軸受けを形成するのに十分
な深い溝とされ、第2の溝24は流体静力学的な流体軸
受けを形成するのに十分な浅い溝とされている。この実
施例では、図3に示すように第1の溝22も第2の溝2
4もそれぞれが一定の深さの底、即ちそれぞれが平坦と
されている。なおこの実施例では、第1の溝22と第2
の溝24とが共にスパイラル溝に構成されることで非常
にスムーズなカーブを持って連続している。前記スパイ
ラルに形成された第1、第2の溝22、24はシャフト
12のある特定の回転方向に対しては反時計方向で且つ
内向きに向いており、シャフト12の前記とは反対の回
転方向に対しては時計方向で且つ内向きである。前記第
1の溝22と第2の溝24は第1のシールリング20の
第1の密封端面21に化学的エッチングによってそのパ
ターンを描くことができる。前記第1の溝22と第2の
溝24のパターンは第2のシールリング18の第2の密
封端面19に施してもよい。
【0017】前記深く形成された第1の溝22は、回転
中において、流体動力学的な圧力をもたらし、これによ
って密封端面21、19間に僅かな間隙を導入し、流体
軸受けを構成すると共に被密封流体の密封を維持する。
即ち、回転中においては、被密封流体側に接触している
外周縁から第1の溝22内へ密封流体が流入せられるこ
とで、該第1の溝22内に流体動力学的な圧力が生じ、
この圧力が密封端面21、19間を閉止しようとする圧
力を越えることで、密封端面21、19間に流体による
間隙が導入される。前記両方の圧力が均衡するところで
前記間隙の大きさが決まる。前記第1の溝22による流
体動力学的な圧力により導入された間隙は流体軸受けを
構成し、密封端面21、19間のロックや大きな摩擦、
磨耗を防止することになるが、その一方、前記間隙が
きくなればなるほど被密封流体の漏出が大となる。よっ
て、前記間隙の大きさは密封端面21、19間にロック
や大きな摩擦等が生じない最低の大きさを必要とすると
共に大きすぎる間隙であってもならない。このため、密
封端面21、19間に間隙を生じせしめる流体動力学的
な圧力をもたらす第1の溝22の深さが問題となる。前
記第1の溝22の深さとしては、0.00254mm
(0.0001インチ)〜0.00762mm(0.0
003インチ)が最も望ましい。この範囲に第1の溝2
2の深さを構成することで、全速回転時において、密封
端面21、19間のロックや高摩擦、磨耗を十分に防止
して安定した高速回転を保証すると共に被密封流体の漏
出をも十分に抑制することができる範囲の間隙を密封端
面21、19間に確実に導入することができる。また、
1の溝22の深さは0.0254mm(0.001イ
ンチ)を越えることがないようにする。第1の溝22を
0.0254mmを越える深さとする場合には種々の悪
影響が生じる。
【0018】前記浅く形成された第2の溝24は、回転
停止中や回転起動時や回転停止時における低回転中にお
いて、流体静力学的な圧力をもたらし、これによって密
封端面21、19間に僅かな間隙を導入し、流体軸受け
を構成すると共に被密封流体の密封を維持する。即ち、
回転停止中或いは運転開始・停止時の低回転時において
は、被密封流体側に接触している外周縁に続く第2の溝
24内に存在する被密封流体により流体静力学的な圧力
が生じ、この圧力が密封端面21、19間を閉止しよう
とする圧力を越えることで、密封端面21、19間に流
体による間隙が導入される。前記両方の圧力が均衡する
ところで前記間隙の大きさが決まる。前記第2の溝24
による流体静力学的な圧力により導入された間隙は流体
軸受けを構成し、特に回転起動時や回転が停止されんと
する際における密封端面21、19間のロックや大きな
摩擦、磨耗を防止することになるが、その一方、前記間
隙が大きくなればなるほど被密封流体の漏出が大とな
る。よって、前記間隙の大きさは密封端面21、19間
にロックや大きな摩擦等が生じない最低の大きさを必要
とすると共に大きすぎる間隙であってもならない。この
ため、密封端面21、19間に間隙を生じせしめる流体
静力学的な圧力をもたらす第2の溝24の深さも問題と
なる。前記第2の溝24の深さとしては、0.0002
54mm(0.00001インチ)〜0.001778
mm(0.00007インチ)が最も望ましい。この範
囲に第2の溝24の深さを構成することで、回転停止時
や起動時や回転が停止されんとする低回転時において、
密封端面21、19間のロックや高摩擦、磨耗を十分に
防止すると共に被密封流体の漏出をも十分に抑制するこ
とができる範囲の間隙を密封端面21、19間に確実に
導入することができる。さらに、前記第2の溝24と第
1の溝22との深さの比は0.05〜0.25の範囲と
するのが好ましい。この範囲の深さの比にすることで、
第1の溝22により適切な間隙を密封端面21、19間
に流体動力学的に導入することができ且つ第2の溝24
により適切な間隙を密封端面21、19間に流体静力学
的に導入することが可能となる。また第1の溝22と第
2の溝24との段部26を十分に大きくすることがで
き、第1の溝22による流体動力学作用が行われる際
における第2の溝24による悪影響をなくし、また第2
の溝24による流体静力学的作用が行われる際における
第1の溝22による悪影響をなくすことができる。尚、
図2に示す例では、第2の溝24を第1の溝22と同じ
くスパイラル溝としたが、スパイラル溝に限定されるも
のではない。第2の溝24は第1の溝22の終端の段部
26から内方に延設されたものであればよい。図7に示
す例では、第2の溝25を第1の溝22の終端である段
部26から開始すると共に内周縁に向けて半径方向に延
設して構成している。そして第2の溝25も内周縁に至
る手前の途中位置で段部28からなる終端とされること
で、この第2の溝25も外周縁と内周縁の間の中央付近
に位置することになる。また段部26で接続される第1
の溝22と第2の溝24とは、第3図に示す例では、第
1の溝22も第2の溝24も、それぞれが一定の深さを
持つ底に構成しているが、これに限定されるものではな
。段部26を介した第1の溝22と、第2の溝24と
は、それらの一方、若しくは両方かそれぞれ、外周縁側
から内方に向けて深さが徐々に浅くなるようにテーパ状
として構成してもよい。図8に示す例では、第1の溝2
2の深さが一定で、第2の溝24の深さをテーパ状とし
ている。また図9に示す例では、第1の溝22、第2の
溝24ともに深さをテーパ状としている。これらの点は
第2の溝24が図7に示す第2の溝25の場合も同様で
ある。
【0019】図4は軸方向に可動のシールリングと、そ
れに対向したもう一つの現行の単純なスパイラル溝を持
つシールリングを示し、両シールリングは間隙Cをもっ
て隔てられている。そこに示されたスパイラル溝は寸法
がAとBである。軸方向に可動な両シールリングの両側
に、平衡状態にある軸方向の力が描かれている。この軸
方向の力は、示されたシールリングの前後方向の圧力分
布の範囲内で、多数の矢で示されている。これらの圧力
分布が変化すれば、力のバランスも変化し、その結果生
じる力の差が面間隔を再調整するようにシールリングを
動かし、これにより力の平衡状態が再び回復する。シー
ル作用が行われる広範な時点の中で、最も重要な時点は
シャフトが回転し始める時点である。通常はその時点に
おいて、シールは既に圧力差を保持している。そしてシ
ャフトの回転を開始させるために必要なことは、正に密
封端面間が開かんとする時に、間隙を閉止しようとする
力と開こうとする力とがほぼ等しくなるという条件にお
いて、僅かな間隙C若しくはゼロ間隙を有することであ
る。一方、避けなければならないことは、多量の漏出を
伴う大きな密封端面間隙である。また開こうとする力よ
りも格段に大きい閉止力を伴ったゼロ間隙である。この
場合には密封端面が摩擦によって互いにロックされ、シ
ャフトが回転されるとシールが損傷することになる。
【0020】密封端面間が正に開口しようとするときに
ゼロ間隙になるというコンデションは好ましいコンデシ
ョンであり、本発明によれば広い範囲のシール圧に対し
てこれを達成することが可能である。このコンデション
において、装置は、完全に圧力のかかった状態で、殆ど
漏出もなく、また生産ロスも無く、いつでも運転を開始
することができる状態で、待機することができるのであ
る。スタートアップコンデション、即ち起動時での状態
は、シャフトが未だ回転していないことから流体静力学
的な原理に支配される。そしてスパイラル溝は密封端面
間に間隙を導入する導入手段として働く。図4によれ
ば、この間隙は溝領域でより大きく、溝のない領域でよ
り狭くなり、また溝によって内側の間隙に対する外側の
間隙の比が決まる。ここで流体静力学的原理が教えるこ
とは、スパイラル溝がより深く或いはより浅くされるこ
と、即ち図4の寸法Bが変更されることで前記内側の間
隙に対する外側の間隙の比が変更されると、その結果と
して間隙Cが変化するということである。その変化は、
寸法Bが増加すれば間隙Cが増加し、反対の場合には縮
小するという変化である。同様なことは、スパイラル溝
の深さが外周縁から内側への途中で減少する場合に起こ
る。即ち、外周縁での溝の深さが深い程、また溝の深さ
が内に向けて急に減少する程、平衡間隙Cは大きくな
る。反対の場合は平衡間隙Cが狭くなる。
【0021】図4における相対的に大きい寸法のAと相
対的に小さい寸法のBからなるスパイラル溝のパターン
はユニークな流体静力学的な性質をシールに対して与え
る。即ち、流体静力学的な状況での間隙Cが非常に狭く
なり、2つの密封端面における粗さの凹凸にもとずく平
均間隙に近づくということである。この状況は図6に寸
法Sによって拡大して示している。いかに平滑であると
言えども、完全に平滑な面などは存在しえない。密封端
面には必ず小さな凹凸を伴ったある程度の粗さがあり、
その様な2つの接触面は、粗さの凸部間を通って僅かな
流体の流れを生じさせる道を常に残す。寸法Sは粗面効
果による平均間隙を示している。
【0022】本発明の目的は、できるだけ広範な圧力範
囲において、密封端面間を開き過ぎることなく、流体静
力学的な状況での間隙Cが前記の寸法Sに近づくように
設計することである。即ち、密封端面間は閉じられる
が、開方向の力と閉方向の力がほぼ均衡し、密封端面に
摩擦によるロックが生じない状態での閉止である。上記
のことは図5に実証表示されている。図5には、本発明
による新しい組み合わせの溝パターンのみならず個々の
スパイラル溝パターンに関して、圧力変化による密封領
域の間隙の変化が示されている。図は8個のカーブを示
しており、そのうち2つはそれぞれ3つの単独パターン
の溝に対するものであり、あとの2つはコンビネーショ
ンパターンの溝に対するものである。これらのカーブの
内、1つは縦軸と一致し、他の2つは互いに一致する。
よって図5には6個のカーブが描かれているだけであ
る。これらのカーブに対応して、スパイラル溝のパター
ンが寸法情報と共に図5の上側に断面図で示されてい
る。
【0023】先ず、スパイラル溝パターンAは、76.
2mm(3インチ)の溝直径と0.000254mm
(0.00001インチ)の溝深さで、流体静力学的な
分離力をが得られる様に設計されている。このパターン
Aが持つゼロ回転スピードでの間隙−圧力特性は線A1
に示されている。これの特性は、2.8122784k
g・cm−2(40psig)の圧力において、既に密
封端面間に僅かな間隙が存在していることである。間隙
は計算によるものであり、また実際の密封端面はある程
度の表面粗さを持つであろうが、上記の僅かな間隙は必
ずしも面接触を排除する程大きくはないが、間隙閉止力
と間隙開放力とをほぼ均衡状態とするには十分であり、
密封端面のロックとシールの破損の危険性を排除するの
に十分であろう。事実、スパイラル溝パターンAにおけ
る流体静力学的な分離力は軽い面接触の理想的な条件を
もたらし、それゆえ、密封端面粗さ間のほんのごく僅か
な流体漏出、それも面接触の程度の大小によっても余り
変化しない流体漏出で済ますことができる。密封端面
は、広範な圧力範囲において、正に開こうとする状態に
あり、そしてシャフトはこれらのどのような圧力におい
ても、シールの破損の危険なしに回転を開始することが
できる。溝パターンAにおける深さの増加は、密封端面
を大きく分離させ、大きな漏出を招き、また長期間にわ
たって圧力下に待機せられるであろう装置にとって望ま
しくない状況とをもたらす。
【0024】明記すべきことは、パターンAは、その効
果を出すためにはスパイラル形状にする必要がないこと
である。図2と同様な図7に示すように、深い外側の第
1の溝22に接続する浅い半径方向の溝25のパターン
もまた流体静力学的に効果的である。図7の半径方向の
溝25は、図2における溝24のスパイラル角を増加す
ることで得られる。勿論これら2つの溝24、25の中
間的な溝形状もまた効果的である。上記溝パターンAに
対する全速回転特性を線A2に示す。高速シャフト回転
の力学によれば、非接触シール作用を起こすためにはあ
る最小の間隙が要求され、A2に示す間隙では不十分で
ある。よって溝パターンAそのものは不適格である。
【0025】溝パターンBは86.868mm(3.4
2インチ)の溝直径で、0.00508mm(0.00
02インチ)の溝深さを持ち、このパターンBは全速回
転で最適になるよう設計されている。この為、溝は相対
的に深くされて、全速回転時に密封端面間を十分に分離
できるよう十分な量の流体を密封領域に供給するように
なされている。また溝は相対的に寸法が短くされ、これ
によって可能性として組み合わされるであろう他のいか
なる溝パターンによる干渉をも排除する最小限度可能な
流体静力学的効果を与えるようにしている。溝パターン
Bは流体静力学的には密封端面間を分離しない。それゆ
え、線B1は縦軸に一致し、すべての圧力においてゼロ
間隙である。このような溝パターンBは殆どの圧力にお
いて密封端面のロックを引き起こす。よって溝パターン
Bもまたそれ自体では不適格である。なお、線B2に示
す全速回転特性は流体動力学的なシールの非接触作用に
対する十分な密封端面間隙を示している。
【0026】溝パターンはABはパターンAにパターン
Bを組み合わせたものである。流体静力学的な分離特性
を示す線AB1は前記線A1よりも右側によっている。
これは溝パターンのBパターンによる効果が少し残って
いることによるものである。一方、流体動力学的な分離
特性を示す線AB2はほとんど前記線B2と一致し、A
B2の間隙はB2の間隙よりも5%未満の小さな差だけ
大きい程度である。それ故、この溝パターンAB2は、
密封端面のロックを起こさないための流体静力学的な分
離の基準と、及び漏出の少ない満足のゆく流体動力学的
な間隙の基準の両方の基準を満たしており、現行のもの
を越えた改善が成されていることを示している。
【0027】比較として、現行の単純な溝パターンCを
示す。この溝パターンCは80.9752mm(3.1
88インチ)の溝直径と0.00508mm(0.00
02インチ)の溝深さを有し、その流体静力学的な分離
特性を示す線をC1で、また流体動力学的な分離特性を
示す線をC2で、それぞれ破線で図に示す。溝パターン
Cは、全圧が加わった状態で運転開始が確実に行えるよ
うに、流体静力学的に十分に密封端面を分離できるよう
設計されたものである。漏出を少なくするためにこの溝
パターンCをさらに短くしようとすると、流体静力学的
な密封端面のロックを引き起こすことになる。明記すべ
きことは、流体動力学的な作用のための深い溝が、如何
に流体静力学的な分離には不適当かということである。
線C1に示すように、密封端面は高圧のときのみ開く傾
向にあるが、間隙の開放は急激になされる。密封端面の
ロックを十分に防止するために溝パターンCの長さを増
す必要性は、同時に流体動力学的な作用を不利にし、線
C2を線B2やAB2より著しく右に偏らせてしまう。
漏出量は間隙の約3乗に従って変化するので、70.3
0696kg・cm−2(1000psig)において
線B2(AB2)から線C2への間隙の増加は、ほぼ1
70%の漏出の増加を意味する。
【0028】明らかなように、本発明による溝パターン
ABは、現行の溝パターンCと比較した場合、大幅な漏
出の抑制を行うことができる。また流体動力学的側面か
らの分離特性において、溝パターンABの線AB2に近
い線B2を持つ前記単純溝パターンBは使用できない。
なぜなら溝パターンBは十分な流体静力学的な密封端面
の分離をもたらさず、回転停止状態において密封端面の
ロックをもたらすからである。また単純な溝パターンA
も使用できない。なぜなら溝パターンAは流体静力学的
に密封端面のロックを防止する(線A1参照)だけで、
全圧、全回転スピードにおける流体動力学的な非接触作
用を確保することができないからである。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載のメカニカルシール装置によれば、スパイ
ラル溝からなる深い第1の溝22と浅い第2の溝24、
25とを組み合わせることで、回転停止時や運転開始・
停止時における低回転時には浅い第2の溝24、25に
よる流体静力学的作用により、また全速回転時には深い
第1の溝22による流体動力学的作用により、それぞれ
密封端面21、19間のロック、磨耗等を防止すると共
に被密封流体の多量の漏出を防止することができる。よ
って運転停止状態から全速回転に至る広範囲の運転条件
下で安定した流体密封性能を得ることができる。特に、
請求項1に記載の構成によれば、深い第1の溝22の終
端に浅い第2の溝24、25を接続させる構成としたこ
とで、種類の異なる2つの溝を、即ち第1の溝22と第
2の溝24、25とを、外周縁から内方へ向かう1本の
単一パターンとして構成しているので、構造上において
非常にシンプルな構成となり、種類の異なる複数の溝を
円周方向に寄せ集めたような複パターンのものに比較し
て、密封端面での溝の形成ないし作製が非常に容易とな
り、またそれだけ不良率を減らすことができる。加え
て、請求項1に記載の構成によれば、種類の異なる第1
の溝22と第2の溝24、25とを、外周縁から内方へ
向かう1本の単一パターンとして構成しているので、種
類の異なる複数の溝を円周方向に寄せ集めたような複パ
ターンのものに比較して、密封端面の円周方向にそれだ
け多数の溝パターンを構成することができ、円周方向に
おける流体軸受け作用の均一性を向上させることができ
る。更に第1の溝22と第2の溝24、25とは溝の深
さによって異なる種類の溝としているので、溝幅によっ
て溝の種類を異ならしめるために広い幅の溝を用いたり
する必要がなく、よって円周方向での各パターンの専有
面積を小さくすることができ、それだけ円周方向に多数
の溝パターンを構成することができ、前記と同様な円周
方向の均一性を一層向上させることができる。また請求
項1に記載の構成によれば、外周縁から内方へ延びる深
い第1の溝22と第2の溝24、25とを段部26を介
して接続しているので、回転中において、密封流体が深
い第1の溝22から浅い第2の溝24、25側に行くの
を十分に抑制することができ、その結果、深い第1の溝
22内に十分に効果的な流体動力学的な圧力を効率よく
発生させることができる。更に前記段部26によって第
1の溝22を流体動力学的な流体軸受けを形成するのに
十分な深さの溝とし、また第2の溝24、25を流体静
力学的な流体軸受けを形成するのに十分な浅い溝とに区
分することができるので、十分に深い第1の溝22によ
る高速回転時での効果的な流体動力学的密封作用と、十
分に浅い第2の溝24、25による運転停止時や起動時
等での効果的な流体静力学的密封作用とを、且つ相互の
溝(22と24、25)によって互いに悪影響を与える
ことなく、正確に行うことができる。また請求項2に記
載の構成によれば、上記請求項1に記載の構成による効
果に加えて、第1の溝22の深さを0.0254mmを
越えないようにしているので、第1の溝22による流体
動力学的な密封効果を大きな副作用なく行うことができ
る。また請求項3に記載の構成によれば、上記請求項1
または2に記載の構成による効果に加えて、第1の溝2
2の深さを0.00254mm〜0.00762mm
範囲とすることで、全速回転時において、密封端面2
1、19間のロックや高摩擦、磨耗を十分に防止して安
定した高速回転を保証すると共に被密封流体の漏出をも
十分に抑制することができる範囲の間隙を密封端面2
、19間に確実に導入できる流体動力学的な圧力を、
第1の溝22に発生させることができる。また請求項4
に記載の構成によれば、上記請求項1〜3のいずれかに
記載の構成による効果に加えて、第2の溝24、25の
深さを0.000254mm〜0.001778mmの
範囲とすることで、運転停止中や運転開始・停止時の低
速回転時において、密封端面21、19間のロックや高
摩擦、磨耗を十分に防止すると共に被密封流体の漏出を
も十分に抑制することができる範囲の間隙を密封端面2
、19間に確実に導入できる流体動力学的な圧力を、
第2の溝22に発生させることができる。また請求項5
に記載の構成によれば、上記請求項1〜4のいずれかに
記載の構成による効果に加えて、第2の溝24、25と
第1の溝22との深さの比を0.05〜0.25の範囲
とすることで、第2の溝24、25を第1の溝22に比
べて十分に浅く、第1の溝22を第2の溝24、25に
比べて十分に深く、またその間に十分深い段部26を構
成することが可能となり、これによって相対的に深い第
1の溝22による流体動力学的な作用と相対的に浅い第
2の溝24、25による流体静力学的な作用とを、相互
に悪影響を及ぼすことなくそれぞれ十分効果的に行うこ
とができる。その他、請求項6に記載の構成によれば、
上記請求項1〜5のいずれかに記載の構成による効果に
加えて、第1の溝22の終端に第2の溝24をスパイラ
ル状に延設することで、スムーズに連続する一本の溝パ
ターンを得ることができる。また請求項7に記載の構成
によれば、上記請求項1〜5のいずれかに記載の構成に
よる効果を、第1の溝22の終端に第2の溝25を内周
縁に向けて半径方向に延設することによっても得ること
ができる。また請求項8に記載の構成によれば、上記請
求項1〜7のいずれかに記載の構成による効果を、第1
の溝22や第2の溝24、25の深さをそれぞれ一定
しても得ることができる。また請求項9に記載の構成に
よれば、上記請求項1〜7のいずれかに記載の構成によ
る効果を、第1の溝22と第2の溝24、25の少なく
とも一方の溝の深さを外周縁側から内方へ徐々に浅くな
るようにテーパ状としても得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づいて作製されたメカニカルシール
装置の縦断方向の構成を示す一部断面構成図で、シャフ
ト回転時の各部の相対的位置を示している。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図2における3−3断面図である。
【図4】比較例を示す図で、密封領域とシールリング及
びそれに働く軸方向力を表した模式的側面図である。
【図5】圧力−間隙図で、4つの異なるスパイラル溝パ
ターンに対する流体静力学的にもたらされる間隙と流体
動力学的にもたらされる間隙を示す。
【図6】接触する2つの平坦面の例を示す拡大図であ
る。
【図7】図2と同様な他の実施例を示す図である。
【図8】図3と同様な他の実施例を示す図である。
【図9】図8と同様な更に他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 12 シャフト 14 環状の空間 16 周囲環境部 18 第2のシールリング 19 第2の密封端面 20 第1のシールリング 21 第1の密封端面 22 第1の溝 24 第2の溝 25 第2の溝 26 段部 28 段部 30 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−236067(JP,A) 特開 平4−54382(JP,A) 実開 平4−54366(JP,U) 実開 平2−74664(JP,U) 特公 昭47−48808(JP,B1) 特公 昭36−6305(JP,B1) 欧州特許出願公開369295(EP,A) ***国特許出願公開369295(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/34

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング10と回転シャフト12との
    間に被密封流体をシールするため、 前記回転シャフト12に取り付けられ、平坦な第1の密
    封端面21を持つ第1のシールリング20と、 前記ハウジング10側にあって、前記第1のシールリン
    グ20と同軸に配置され、前記第1の密封端面21に対
    して軸方向に対向して隣接配置される平坦な第2の密封
    端面19を持つ第2のシールリング18とを有し、 前記第1のシールリング20又は第2のシールリング1
    8のいずれか一方を軸方向に可動とし、この可動なシー
    ルリングを弾性付与手段30で他方のシールリングに向
    けて付勢するようにしており、 前記互いに向き合った第1、第2の密封端面21、19
    により該密封端面21、19の外周縁と内周縁の間に環
    状の密封領域を形成するようにしたメカニカルシール装
    置であって、 前記第1と第2の密封端面21、19のいずれか一方2
    1に、前記被密封流体と接触する側の外周縁から内方へ
    スパイラル状に延設され且つ円周方向に相互に間隔をお
    いて複数個形成された第1の溝22と、同じ第1の密封
    端面21に複数個形成された複数の第2の溝24、25
    とを設けており、 前記第1の溝22と第2の溝24、25とは、前記被密
    封流体と接触する外周縁から開始される第1の溝22
    対してその終端に第2の溝24、25を接続して開始さ
    せると共に更に内方へ前記内周縁に到ることなく延設す
    ることで、前記被密封流体が接触する外周縁から内方へ
    向かう1本の溝パターンを形成するようにし、且つ第1
    の溝22と第2の溝24、25とは段部26を介して接
    続させ、またこの段部26によって第1の溝22を流体
    動力学的な流体軸受けを形成するのに十分な深い溝とす
    ると共に第2の溝24、25を流体静力学的な流体軸受
    けを形成するのに十分な浅い溝としたことを特徴とする
    メカニカルシール装置。
  2. 【請求項2】 第1の溝22の深さは、0.0254m
    mを越えない請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 【請求項3】 第1の溝22の深さは、0.00254
    mm〜0.00762mmの範囲とする請求項1または
    2に記載のメカニカルシール装置。
  4. 【請求項4】 第2の溝24、25の深さは、0.00
    0254mm〜0.001778mmの範囲とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のメカニカルシール装置。
  5. 【請求項5】 第2の溝24、25と第1の溝22との
    深さの比は0.05〜0.25の範囲とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のメカニカルシール装置。
  6. 【請求項6】 第2の溝24は、第1の溝22に連続し
    て内方へスパイラル状に延設されている請求項1〜5の
    いずれかに記載のメカニカルシール装置。
  7. 【請求項7】 第2の溝25は、内周縁に向けて半径方
    向に延設されている請求項1〜5のいずれかに記載のメ
    カニカルシール装置。
  8. 【請求項8】 第1の溝22と第2の溝24、25はそ
    れぞれを一定の深さとした請求項1〜7のいずれかに記
    載のメカニカルシール装置。
  9. 【請求項9】 第1の溝22と第2の溝24、25の少
    なくとも1つはその深さを外周縁側から内方へ徐々に浅
    くなるようにテーパ状としている請求項1〜7のいずれ
    に記載のメカニカルシール装置。
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