JP2837728B2 - エチレン・α‐オレフィン共重合体 - Google Patents

エチレン・α‐オレフィン共重合体

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JP2837728B2 JP4661290A JP4661290A JP2837728B2 JP 2837728 B2 JP2837728 B2 JP 2837728B2 JP 4661290 A JP4661290 A JP 4661290A JP 4661290 A JP4661290 A JP 4661290A JP 2837728 B2 JP2837728 B2 JP 2837728B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、エチレン・α−オレフィン共重合体に関
し、さらに詳しくは、特定要件を充足することによりフ
ィルムに成形した場合に耐衝撃性に優れ、また透明性に
優れるとともに熱処理前後における透明性の変化が著し
く少なく、さらにフィルム間の耐ブロッキング性にも優
れた新規なエチレン・α−オレフィン共重合体に関す
る。
発明の技術的背景 エチレンとα−オレフィンとの共重合体である直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)は、高圧法低密度ポリエ
チレン(LDPE)と比較してフィルムに成形した場合に衝
撃強度に優れるため、フィルム成形用原料として広く用
いられている。しかしながら、特に密度の低い共重合体
フィルムを得ようとした場合、耐ブロッキング性が少な
からず低下し、さらに、熱処理によりフィルムの透明性
が著しく低下するという問題を併発することがあった。
特にラミネーションフィルムにおいては、寸法安定精度
を上げることを目的に、フィルムを成膜した後、40℃前
後の温度でエージング操作を施すことが一般にとられる
が、その際、フィルム表面が白化し、フィルムの透明性
が低下することがあった。
本発明者らは、上記のようなエチレン・α−オレフィ
ン共重合体フィルムにともなう問題点を解決すべく鋭意
検討したところ、エチレンと炭素数3〜4のα−オレフ
ィンとを特定の触媒の存在下に共重合させて得られる特
定の要件を充足するエチレン・α−オレフィン共重合体
をフィルムに成形した場合に、得られるフィルムは耐ブ
ロッキング性に優れるとともに、熱処理による透明性の
低下を大巾に抑制できることを見いだして本発明を完成
するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたも
のであって、フィルムに成形した場合に透明性に優れる
とともに熱処理前後における透明性の変化が著しく少な
く、さらにフィルム間の耐ブロッキング性にも優れると
いう特長を示す新規なエチレン・α−オレフィン共重合
体を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとからなる共
重合体であって、かつ下記(A)〜(D)の要件を充足
することを特徴としている。
(A)ASTM D 1238Eによって測定されるメルトフローレ
ートが0.01〜100g/10分であり、 (B)ASTM D 1505によって測定される密度が0.88〜0.9
4g/cm3であり、 (C)炭素数3〜4のα−オレフィンから導かれる構成
単位が1〜20重量%であり、 (D)該共重合体を200℃で溶融した後、降温速度0.31
℃/分で50℃まで徐冷し、結晶化させた0.5mm厚のシー
トをサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇
温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC溶解ピー
クパターンが二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピー
ク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比Hh/Hlと該共重
合体の密度とが下記式を満たす。
0<Hh/Hl<15d−13.2 (式中、Hhは高温側ピーク高さを、Hlは低温側ピーク高
さを、dは共重合体の密度を表す。) 本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
上記の諸特性を満たすので、フィルムに成形した場合に
耐衝撃性に優れ、また透明性に優れるとともに熱処理前
後における透明性の変化が著しく少なく、さらにフィル
ム間の耐ブロッキング性にも優れる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体
について具体的に説明する。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体はエ
チレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとを特定の触媒
の存在下に共重合して得られるランダム共重合体であ
る。この本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合
体には、エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとに
加えて、少量の他のα−オレフィンあるいはポリエンな
どが共重合されていてもよい。ここで他のα−オレフィ
ンとしては、たとえば、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセ
ン−1などが挙げられる。また上記ポリエンとしては、
ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシク
ロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンな
どを例示することができる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
ASTM D 1238Eによって測定されるメルトフローレート
(MFR)が0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分
である。このMFRが0.01g/10分未満であると、該共重合
体の成形性が低下するとともに、得られるフィルムなど
の透明性が低下する傾向を生じ、またMFRが100g/10分を
超えると機械的強度が低下する傾向を生じる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
密度が0.88〜0.94g/cm3、好ましくは0.89〜0.93g/cm3
ある。なおここで密度はASTM D 1505によって測定され
た値である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体で
は、α−オレフィンから導かれる構成単位は1〜25重量
%、好ましくは4〜23重量%、特に好ましくは6〜20重
量%の量で存在し、エチレンから導かれる構成単位は75
〜99重量%、好ましくは77〜96重量%、特に好ましくは
80〜94重量%の量で存在している。
なおこのエチレン・α−オレフィン共重合体では、上
述のように、エチレンおよび炭素数3〜4のα−オレフ
ィン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位を10重
量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2
重量%以下の量で含むことができる。
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を200℃
まで昇温し融解した後、10℃/min降温速度で冷却し結晶
化させて得られる厚さ0.5mmのシートをサンプルとし
て、DSCを用いて10℃から10℃/minの昇温速度にて200℃
まで昇温した際に得られるDSC融解ピークパターンは3
個のピークを示す。これに対して、本発明に係るエチレ
ン・α−オレフィン共重合体を200℃まで昇温し融解し
た後、50℃まで0.31℃/minの降温速度で超徐冷し結晶化
させて得られる厚さ0.5mmのシート(以下、このように
して得られたサンプルを「超徐冷サンプル」と呼ぶ)を
サンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇温速
度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC融解ピークパ
ターンは二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピーク高
さHhと、低温側ピーク高さHlとの比Hh/Hlと該共重合体
の密度dとが下記式を満たす。
0<Hh/Hl<15d−13.2 …[I] 好ましくは 0<Hh/Hl<15d−13.3 …[I′] 特に好ましくは 0<Hh/Hl<15d−13.4 …[I″] (式中、Hhは高温側ピーク高さを、Hlは低温側ピーク高
さを、dは共重合体の密度を表す。) なおここで超徐冷サンプルのDSC融解ピークパターン
の解析は高温側融解ピークの高温側のすそに対し、30℃
における融解カーブ上の点を起点に接線を引き、これを
ベースラインとする。ピーク最高点よりこのベースライ
ンに垂線をおろし、この交点とピーク最高点との距離を
ピーク高さとした。
次に本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体
の製造方法について説明する。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとを、たとえ
ば下記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に共重合
させることによって製造することができる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体を製
造する際に用いられるオレフィン重合用触媒は、例えば [A]ハロゲン含有マグネシウム化合物、オレイルアル
コールおよびチタン化合物からなる液状状態のチタン触
媒成分、および [B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合物から形成さ
れている。
ハロゲン含有マグネシウムとしては、塩化マグネシウ
ム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マ
グネシウムが用いられるが、このうち特に塩化マグネシ
ウムが好ましく用いられる。
チタン化合物としては、Ti(OR)gX4-g (式中Rは炭化水素基であり、Xはハロゲンであり、g
は0〜4である)で示される4価のチタン化合物が用い
られる。
このようなチタン化合物としては、具体的には、 TiCl4、TiBr4、TiI4などのテトラハロゲン化チタン; Ti(OCH3)Cl3、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(O−iC3H7)Cl3、 Ti(O−nC4H9)Cl3、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(O−iC3H7)Br3、 Ti(O−iC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチ
タン; Ti(OCH32Cl2、 Ti(OC2H52Cl2、 Ti(O−iC3H72Cl2、 Ti(O−nC4H92Cl2、 Ti(OC2H52Br2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH33Cl、 Ti(OC2H53Cl、 Ti(O−iC3H73Cl、 Ti(O−nC4H93Cl、 Ti(OC2H53Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシチ
タン;Ti(OCH3、 Ti(OC2H5、 Ti(O−nC3H7、 Ti(O−iC3H7、 Ti(O−nC4H9、 Ti(OC6H13、Ti(OC6H11、 Ti(OC8H17、 Ti[OCH2(C2H5)CHC4H9、 Ti(OC9H19、 Ti[OC6H3(CH3、 Ti(OC18H35、 Ti(OCH3(OC4H9、 Ti(OC3H7(OC4H9)、 Ti(OC2H5(OC4H9、 Ti(OC2H5(O−iC3H7、 Ti(OC2H5)(OC18H35、 Ti(OC2H5(OC18H35、 Ti(OC2H5(OC18H35)などのテトラアルコキシチタ
ンなどを例示することができる。これらの中では、1≦
g≦4が好ましく、2≦g≦4がより好ましく、特にテ
トラアルコキシチタンが好ましく用いられる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体を製
造する際に用いられる[A]液状状態のチタン触媒成分
は、上記のようなハロゲン含有マグネシウム、オレイル
アルコールおよび上記のようなチタン化合物からなる実
質的に均一な溶液である。
このような[A]液状状態のチタン触媒成分は、たと
えばハロゲン含有マグネシウムとオレイルアルコールと
からなる混合物を調製し、次いでこの混合物とチタン化
合物とを接触させることが好ましい。ハロゲン含有マグ
ネシウムとオレイルアルコールとからなる混合物は、溶
液状態であっても懸濁状態であってもよいが、溶液状態
であることが好ましい。また、三者を混合させながら溶
液状態に変えてゆく方法も好ましい方法として挙げられ
る。
[A]液状状態のチタン触媒成分を調製する際には、
40℃以上好ましくは40〜200℃さらには好ましくは50〜1
50℃で、ハロゲン含有マグネシウムとオレイルアルコー
ルとからなる混合物と、チタン化合物とを1分以上好ま
しくは15分〜24時間特に好ましくは30分〜15時間接触さ
せて、反応させることが望ましい。
また[A]液状状態のチタン触媒成分は、ハロゲン含
有マグネシウムと、オレイルアルコールとチタン化合物
とを、同時に40℃以上好ましくは40〜200℃さらに好ま
しくは50〜150℃で、1分以上、好ましくは15分〜24時
間、特に好ましくは30分〜15時間接触させて反応させる
ことにより調製することもできる。
ハロゲン含有マグネシウム、チタン化合物およびオレ
イルアルコールからなる液状状態のチタン触媒成分を調
製するに際して、炭化水素溶媒を用いることもできる。
すなわち炭化水素溶媒にハロゲン含有マグネシウムと
オレイルアルコールを溶解し、次いでチタン化合物と接
触させてもよく、また炭化水素溶媒にハロゲン含有マグ
ネシウム化合物とオレイルアルコールとチタン化合物と
を溶解して接触させてもよい。
このような炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデ
カン、灯油等の脂肪族炭化水素類; シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロ
ヘキセン等の脂環族炭化水素類; ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ク
メン、シメン等の芳香族炭化水素類; ジクロルエタン、ジクロルプロパン、トリクロルエチ
レン、四塩化炭素、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素類などが用いられる。
ハロゲン含有マグネシウム、チタン化合物およびオレ
イルアルコールは、下記のような量で用いられることが
好ましい。
オレイルアルコール/MgCl2は、通常モル比で2〜4好
ましくは2〜3である。
チタン化合物/MgCl2は、通常モル比で0.04〜0.30好ま
しくは0.05〜0.20である。
オレイルアルコール/チタン化合物はモル比で5〜10
0好ましくは10〜80である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体を製
造する際に用いられる[B]ハロゲン含有有機アルミニ
ウムとしては、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ドなどのジアルキルアルミニウムハライド; エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニ
ウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミ
ドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド; エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウ
ムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのア
ルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン
化されたアルキルアルミニウム; エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミ
ニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシ
ブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化
されたアルキルアルミニウムを挙げることができる。
またこれらハロゲン含有有機Al化合物以外に、ハロゲ
ン不含有の有機Al化合物も用いることができ、たとえ
ば、 トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム; トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニル
アルミニウム; ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニ
ウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキ
シド; エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミ
ニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセ
スキアルコキシド、 R1 2.5Al(OR20.5などで表わされる平均組成を有する
部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム; ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウ
ムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド; エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウ
ムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなど
その他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム等
を挙げることができ、 さらにこれらに類似する化合物として、酸素原子や窒
素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機ア
ルミニウム化合物を挙げることができる。このような化
合物としては、例えば、 メチルアルミノオキサンなどを挙げることができる。
さらにハロゲン不含有の有機Al化合物としては、第I
族金属とアルミニウムとの錯化物も用いることができ、
このような化合物としては、 LiAl(C2H5、LiAl(C7H15などを挙げることが
できる。
これらの中ではとくにトリアルキルアルミニウムある
いは上記した2種以上のアルミニウム化合物が結合した
アルキルアルミニウムを用いることが好ましい。これら
のハロゲン不含有の有機Al化合物は70モル%以下、好ま
しくは40モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の量
でハロゲン含有有機アルミニウム化合物と併用すること
もできる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
前記触媒成分を用いて炭化水素溶媒中で重合反応を行な
って得られる。炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油な
どの脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体; シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシク
ロヘキサンなどの脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘
導体; ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
およびクロロベンゼンなどのハロゲン誘導体を例示する
ことができる。また重合に用いるオレフィン自体を液媒
として使用することもできる。
重合反応を行なうに際して、反応容積1当り、チタ
ン原子は0.0005〜約1ミリモル、より好ましくは約0.00
1〜約0.5ミリモル、また有機アルミニウム化合物を、ア
ルミニウム/チタン(原子比)が約1〜約2000、好まし
くは約5〜約100となるように使用するのがよい。オレ
フィンの重合温度は、約20〜約300℃、好ましくは約65
〜約250℃である。また重合圧力としては大気圧〜3000k
g/cm2−G好ましくは約2〜約100kg/cm2−G、特には約
5〜約50kg/cm2−Gとするのが好ましい。
オレフィン重合において、分子量を調節するためには
水素を共存させるのがよい。
重合は回分式、あるいは連続式で行なうことができ
る。また条件の異なる2以上の段階に分けて行なうこと
もできる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
透明性、耐衝撃性、耐引裂性、耐ブロッキング性、低温
ヒートシール性、耐熱性および耐ストレスクラック性に
優れ、またこれら優れた性質をバランスよく具備してい
るので、特に包装用フィルムとして好適であるが、フィ
ルムとしての用途に限らず、T−ダイ成形、インフレー
ションフィルム成形、中空成形、射出成形、押出成形な
どによって容器、日用品、パイプ、チューブなどの各種
成形品に加工することができる。また他のフィルムに押
出被覆あるいは共押出成形することにより各種複合フィ
ルムとすることもできるし、鋼管被覆材、電線被覆材あ
るいは発泡成形品などの用途にも用いられる。あるい
は、他の熱可塑性樹脂、たとえば高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、低結晶性あるいは
非晶質のエチレンとプロピレンもしくは1−ブテンとの
共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのポリ
オレフィンとブレンドして使用することもできる。
上記のようにして得られたエチレン・α−オレフィン
共重合体には、必要に応じて耐熱安定剤、耐候安定剤、
帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、顔
料、染料、無機あるいは有機充填剤などを配合すること
もできる。
発明の効果 本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、
前述したような特定要件を満たすので、フィルムに成形
した場合に、透明性に優れるとともに熱処理前後におけ
る透明性の変化が著しく少なく、さらにフィルム間の耐
ブロッキング性にも優れる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 [チタン触媒成分(A)の調製] 市販の無水塩化マグネシウム476gを窒素雰囲気下でn
−デカン10に懸濁させ、オレイルアルコール4.0kgを
添加し、撹拌しながら135℃で5時間反応させた。その
結果、無色透明な液体が得られた。
この溶液を110℃に降温した後、Ti(OC2H5を0.45
モル添加し、110℃で5時間反応を続けた。
得られた溶液を室温で保存した。
[重 合] 内容積200の連続重合反応器を用い、脱水精製した
ヘキサンを100/Hr、エチルアルミニウムセスキクロラ
イド21.5mmol/Hr、上記で得られた触媒をTi原子に換算
して0.54mmol/Hrの割合で連続的に供給した。また同時
に、エチレン13kg/Hr、1−ブテン3.4kg/Hr、水素を7.3
/Hrの割合で連続的に供給し、重合温度170℃、全圧31
kg/cm2G、滞留時間1時間、溶媒ヘキサンに対する共重
合体温度を105g/Lとなる条件にて共重合を行った。触媒
活性は20100g−共重合体/mmol−Tiに相当した。重合条
件および重合結果を表1に、得られた共重合体のフィル
ム物性を表2に示す。
実施例2および比較例1,2 実施例1において表1に示すように一部の重合条件を
変えて重合を行った。重合条件を表1に、フィルム物性
を表2に示す。
比較例3 [チタン触媒成分(A)の調製] 窒素雰囲気下、市販の無水塩化マグネシウム1モルを
脱水精製したヘキサン2に懸濁させ、撹拌しながらエ
タノール6モルを1時間かけて滴下後、室温にて1時間
反応した。これに2.6モルのジエチルアルミニウムクロ
リドを室温で滴下し、2時間撹拌を続けた。つぎに四塩
化チタン6モルを加えた後、系を80℃に昇温して3時間
撹拌しながら反応を行った。反応後の固体部を分離し、
精製ヘキサンによりくり返し洗浄し触媒を得た。
表1に示す条件にて重合を行った。フィルム物性評価
結果を表2に示す。
[造 粒] 得られた共重合体にチバガイギー社製Irganox1076
(0.20重量%)、ステアリン酸カルシウム(0.10重量
%)およびシリカ(0.10重量%)を添加し、造粒を行っ
た。
[フィルムの作成および評価方法] 65mmφ押出機をそなえた市販のTダイフィルム成形機
にて、幅420mm、厚み0.04mmのフィルムを成形した。
なお、成形時の樹脂温度は235℃、押出機のスクリュ
ー回転数40rpm、チルロール温度35℃、製膜速度20m/mi
n、ドラフト比0.057で成形した。
測定法 フィルム物性の測定については以下の方法を用いた。
(1)Haze:ASTM D 1003に準じた。
(2)Gloss:ASTM D 523に準じた。
(3)Blocking:ASTM D 1893に準じ、50℃オーブン中10
kg、荷重7日間静置したフィルムの測定を行った。
(4)引裂強度:JIS Z 1702に準じた。
(5)衝撃強度:JIS P 8134に準じた。
(6)ヒートシール:東洋精機製ヒートシーラーを用い
て、100℃,105℃,110℃,115℃,120℃,125℃,130℃の上
部シールバー温度にてシールを行った。各温度でのヒー
トシールをn=5で行ない、インストロン型万能試験機
でチャック間30mm、クロスヘッド速度300mm/分で、シー
ルサンプルの剥離を行った。剥離形態が、伸び剥離では
なく、ヒートシール部切れもしくは原反切れとなるもの
が、n=5の内n=3以上である最低温度を最低完全ヒ
ートシール温度とした。尚ヒートシール条件の詳細は以
下に示した。
i シール圧力:2kg/cm2 ii シール時間:1秒 iii 上部シールバー温度:100℃,105℃,110℃,115℃,12
0℃,125℃,130℃ iV 下部シールバー温度:70℃ V 試験片:120×15mm Vi シール巾:10mm
【図面の簡単な説明】
第1図はエチレン・ブテン−1共重合体の「超徐冷サン
プル」を通常の測定条件にて測定して得られたDSC融解
ピークパターンの解析法を示す図であり、第2図はエチ
レン・ブテン−1共重合体を通常の冷却条件にて冷却し
て得られたサンプルのDSC融解ピークパターンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 雅也 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (72)発明者 池山 清一 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 赤名 義徳 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−292010(JP,A) 特開 昭62−57407(JP,A) 特開 昭62−57406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 10/00 - 10/14 C08F 210/00 - 210/18 C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィン
    とが共重合してなるエチレン・α−オレフィン共重合体
    であって、かつ下記(A)〜(D)の要件を充足するこ
    とを特徴とするエチレン・α−オレフィン共重合体; (A)ASTM D 1238Eによって測定されるメルトフローレ
    ートが0.01〜100g/10分であり、 (B)ASTM D 1505によって測定される密度が0.88〜0.9
    4g/cm3であり、 (C)α−オレフィンから導かれる構成単位が1〜25重
    量%であり、 (D)該共重合体を200℃で溶融した後、降温速度0.31
    ℃/分で50℃まで徐冷し、結晶化させた0.5mm厚のシー
    トをサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇
    温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC融解ピー
    クパターンが二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピー
    ク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比Hh/Hlと該共重
    合体の密度とが下記式を満たす。 0<Hh/Hl<15d−13.2 (式中、Hhは高温側ピーク高さを、Hlは低温側ピーク高
    さを、dは共重合体の密度を表す。)
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載のエチレン・α−オレ
    フィン共重合体からなるフィルム。
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