JP2830743B2 - シールドループアンテナ - Google Patents

シールドループアンテナ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無線機の送受信用の
ループアンテナに関し、特にシールドループアンテナの
構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は通常のループアンテナを示す構成
図であり、1はループアンテナ、2はインピーダンス整
合用コンデンサ、3は給電用同軸ケーブル、4はこのル
ープアンテナ1による受信信号である。通常のループア
ンテナは、地板あるいは金属物5間に電界成分Eが発生
してしまい、磁界成分のみに感度を有するアンテナが必
要な場合は弊害となっていた。これは、電界成分Eが発
生すると、通常のループアンテナは特性上、磁界成分に
電界成分Eを合成したものを受信してしまい、純粋に磁
界成分だけを受信できないためである。
【0003】そこで、電界成分Eをシールドするために
電界成分シールド部を設けたアンテナとして、シールド
ループアンテナがあり、図6は従来のシールドループア
ンテナの構成図である。図6において、6はシールドル
ープアンテナ、7は電界成分シールド部としてのセミリ
ジッド同軸ケーブル、8はセミリジッド同軸ケーブル7
と太さが等しい銅線、9はシールドループアンテナ6に
よる受信信号、10は接続部分である。
【0004】このようなシールドループアンテナ6を製
造するときは、同軸ケーブル7と銅線8との接続部分1
0での接続や整合用コンデンサ2の接続に際し、特別な
治具等を使って半田付けして製造している。なお、この
シールドループアンテナ、つまり磁界アンテナは、人体
に近接しても(正確には直交した場合)、受信利得が減
衰しない特性を有するため、携帯用無線装置によく用い
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のシールドループ
アンテナは以上のように構成されているので、セミリジ
ッド同軸ケーブル7の製品コストが高いという問題があ
った。また、特別な治具等を使って半田付けしているの
で製造コストが高い等の問題があった。
【0006】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、安価で、かつ従来のシールドループ
アンテナと同等性能のシールドループアンテナを得るこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係るシールド
ループアンテナは、ループ状導体を両面プリント基板の
一方の面にループ状銅箔パターンとして形成すると共
に、電界成分シールド部を前記ループ状銅箔パターンと
これに対向させて設けた他方の面の銅箔パターンとによ
り形成される平行平板線路として構成し、かつループ状
銅箔パターンと対向させて他方の面に銅箔パターンによ
り電極を形成してインピーダンス整合用コンデンサを構
成したものである。
【0008】また、ループ状導体をフレキシブルプリン
ト配線板の一方の面にループ状銅箔パターンとして形成
すると共に、電界成分シールド部をループ状銅箔パター
ンとこれに対向させて設けた他方の面の銅箔パターンと
により形成される平行平板線路として構成し、かつ、ル
ープ状銅箔パターンと対向させて他方の面に銅箔パター
ンにより電極を形成してインピーダンス整合用コンデン
サを構成し、シールドループアンテナへの給電線を、フ
レキシブルプリント配線板、ループ状銅箔パターンおよ
び他方の面の銅箔パターンにより形成される平行平板構
成としたものである。
【0009】
【作用】この発明においては、ループ状導体を両面プリ
ント基板の一方の面にループ状銅箔パターンとして形成
すると共に、電界成分シールド部をループ状銅箔パター
ンとこれに対向させて設けた他方の面の銅箔パターンと
により形成される平行平板線路として構成し、かつイン
ピーダンス整合用コンデンサが両面プリント基板の誘電
体と銅箔パターンとで構成されているから、セミリジッ
ド同軸ケーブルを使用した場合よりも部品単価が安く、
かつ部品としてのコンデンサが削除できるので、製造コ
ストを安くできる。また、量産性が向上し、半田付けに
よる作業コストも削減できる。
【0010】また、シールドループアンテナへの給電線
を、フレキシブルプリント配線板,ループ状銅箔パター
ンおよび他方の面の銅箔パターンより形成される平行平
板構成としたことにより、給電部とアンテナ部の接続部
の不連続性を解消できる。
【0011】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の基本となるシールドループアンテナの
外形図であり、(a)は表面を、(b)は裏面を示して
いる。11はシールドループアンテナ、12は平行平板
線路部の表面銅箔パターン、13はインピーダンス整合
用チップコンデンサ、14は平行平板線路部の表面銅箔
パターン12と共にループ状導体を構成する銅箔パター
ンである。15は給電用同軸ケーブル、16は平行平板
線路部の裏面銅箔パターンである。17は裏面スルーホ
ール、18は表面スルーホールで、裏面スルーホール1
7と表面スルーホール18は接続されている。19は同
軸ケーブル15の心線で、銅箔パターン12に半田付け
されている。20は同軸ケーブル15の外被導体で、表
面スルーホール18に半田付けされている。
【0012】平行平板線路部を構成する銅箔パターン1
2,16および銅箔パターン12と共にループ状導体を
形成する銅箔パターン14は両面プリント基板により形
成されている。図2は平行平板線路部の断面図で、21
は両面プリント基板の誘電体基板である。
【0013】上記構成によれば、図6に示す従来のシー
ルドループアンテナ6のセミリジッド同軸ケーブル7に
当る部分、つまり電界成分シールド部を、表面及び裏面
銅箔パターン12,16によって形成される平行平板線
路部で構成し、銅線8に当る部分を片面の銅箔パターン
14で構成することによって、従来のシールドループア
ンテナ6と同等の性能を有するようにできる。また、イ
ンピーダンス整合用コンデンサ2をチップコンデンサ1
3とすることにより、アンテナ組立の時にコンデンサ1
3を自動挿入することができる。ここでセミリジッド同
軸ケーブル7の特性インピーダンスが50Ωであるとす
る。また、平行平板線路部のインピーダンスをZ0 とす
ると両面プリント基板の厚さをh、銅箔パターン12及
び16のパターン幅をW、基板の誘電率をεr とする
と、
【0014】
【数1】
【0015】で近似できる。そこで、この計算に合うよ
うに各定数を決めることにより、平行平板線路の特性イ
ンピーダンス50Ωの伝送路が実現できる。この平行平
板線路の表面の銅箔パターン12と中心線22に関して
線対称の片面銅箔パターン14を形成し、銅箔パターン
12,14によりループ状導体を構成する。上記構成に
よるシールドループアンテナ11は、ループ状導体と電
界成分シールド部としての平行平板線路とを両面プリン
ト基板により形成し、整合用コンデンサとしてチップコ
ンデンサ13を用い、自動挿入できるようにし、また、
給電線も基板21に半田付けするだけでよいので、量産
性に優れている。このようにして、図6に示すシールド
ループアンテナ6と同等特性で、なおかつコストの安い
シールドループアンテナ11を製作することができる。
なお、図1の裏面を示す図(b)では、給電用同軸ケー
ブル15の図示を省略してある。
【0016】図3はこの発明の実施例1のシールドルー
プアンテナの外形図であり、(a)は表面、(b)は裏
面を示している。図3において、図1と同一符号を付し
た部分は同一部分を示し、31は容量成分を持たせるた
めの裏面の銅箔パターンである。裏面の銅箔パターン3
1は表面の銅箔パターン14との構造が基板の厚み分を
介して平行に位置しており、その間に容量成分を持つよ
うになるので、チップコンデンサ13を取り付けたのと
同等の効果が得られる。従って、この実施例1によれ
ば、部品としての整合用コンデンサが不要となるから、
さらに低価格でシールドループアンテナ11が製作でき
る。
【0017】コンデンサの電極としての銅箔パターン3
1は、その外形の長さを換えることにより容量成分が変
化するから、銅箔パターン31の外形の長さを調整する
ことにより、アンテナ整合のための適切な容量値を見つ
けることができる。従って、例えば、試作の時に、上記
のようにして銅箔パターン31の長さを調整して、適切
な容量値に見合った長さを決め、この長さのパターンで
量産をすることができる。
【0018】この実施例1では、給電用同軸ケーブル1
5の接続を次のようにしている。すなわち、心線19の
半田付けは、基板21に設けた穴23に心線19を裏面
から絶縁体25と共に通して、表面銅箔パターン12に
半田付けしている。外被導体20の半田付けは、裏面銅
箔パターン16に半田付けしている。なお、図2,図3
において、銅箔パターン12と銅箔パターン14とは、
中心線22を境にして左側が12で、右側が14であ
る。また、銅箔パターン16と銅箔パターン31とは、
一点鎖線24を境にして左側が31で、右側が16であ
る。
【0019】実施例2. 図4はこの発明の実施例2のシールドループアンテナの
外形図であり、(a)は表面、(b)は裏面を示してい
る。図4において、図1と同一または相当部分には同一
符号を付し、説明を省略する。32は図1の誘電体基板
21の代わりに用いたフレキシブルプリント配線板(以
下、FPCと記載)、33はFPC32上に構成した平
行平板線路の給電線であり、同軸ケーブル15を用いる
代わりに、FPC32の形状において図面の下方向に長
方形状部分を新たに設け、その部分の表面には表面銅箔
パターン12のパターン面を延長して設け、裏面には裏
面銅箔パターン16のパターン面を延長して設けること
により形成している。さらに、受信信号9は、接続部分
の一方を表面銅箔パターン12に設け、もう一方を裏面
銅箔パターン16に設けることにより得られる。
【0020】以上より、給電用線路も平行平板線路とな
り、そのままループアンテナ部に接続していることにな
り、給電部とアンテナ部の接続部の不連続性による信号
の損失を少なくでき、また、組立における半田付けの作
業コストを削減できる。
【0021】
【発明の効果】この発明は以上説明したとおり、ループ
状導体を両面プリント基板の一方の面にループ状銅箔パ
ターンとして形成すると共に、電界成分シールド部をル
ープ状銅箔パターンとこれに対向させて設けた他方の面
の銅箔パターンとにより形成される平行平板線路として
構成し、かつインピーダンス整合用コンデンサが両面プ
リント基板の誘電体と銅箔パターンとで構成されている
から、部品としてのコンデンサが不要となり、また半田
付けによる作業コストも削減できるので、構成部品の単
価及び製造コストを安価にでき、なおかつ、従来のシー
ルドループアンテナと同等の性能が得られるという効果
がある。
【0022】また、シールドループアンテナの給電線
を、フレキシブルプリント配線板,ループ状銅箔パター
ン及び他方の面の銅箔パターンにより形成される平行平
板構成したことにより、給電部とアンテナ部の接続部の
不連続性による信号の損失の削減や、組立作業コストの
低減を行える効果というがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本となるよるシールドループアン
テナを示す外形図である。
【図2】平行平板線路部の断面図である。
【図3】この発明の実施例1によるシールドループアン
テナを示す外形図である。
【図4】この発明の実施例2によるシールドループアン
テナを示す外形図である。
【図5】通常のループアンテナを示す構成図である。
【図6】従来のシールドループアンテナを示す構成図で
ある。
【符号の説明】
11 シールドループアンテナ 12 銅箔パターン 13 チップコンデンサ 14 銅箔パターン 15 同軸ケーブル 16 銅箔パターン 21 導電体基板 31 銅箔パターン 32 フレキシブルプリント配線板 33 給電線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ループ状導体がシールドされた電界成分
    シールド部を有するシールドループアンテナにおいて、
    前記ループ状導体を両面プリント基板の一方の面にルー
    プ状銅箔パターンとして形成すると共に、前記電界成分
    シールド部を前記ループ状銅箔パターンとこれに対向さ
    せて設けた他方の面の銅箔パターンとにより形成される
    平行平板線路として構成し、かつ前記ループ状銅箔パタ
    ーンと対向させて他方の面に銅箔パターンにより電極を
    形成してインピーダンス整合用コンデンサを構成したこ
    とを特徴とするシールドループアンテナ。
  2. 【請求項2】 ループ状導体がシールドされた電界成分
    シールド部を有するシールドループアンテナにおいて、
    前記ループ状導体をフレキシブルプリント配線板の一方
    の面にループ状銅箔パターンとして形成すると共に、前
    記電界成分シールド部を前記ループ状銅箔パターンとこ
    れに対向させて設けた他方の面の銅箔パターンとにより
    形成される平行平板線路として構成し、かつ、前記ルー
    プ状銅箔パターンと対向させて他方の面に銅箔パターン
    により電極を形成してインピーダンス整合用コンデンサ
    を構成し、かつ、前記シールドループアンテナへの給電
    線を、前記フレキシブルプリント配線板、前記ループ状
    銅箔パターンおよび前記他方の面の銅箔パターンにより
    形成される平行平板構成としたことを特徴とするシール
    ドループアンテナ。
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