JP2828775B2 - 1,1―ジクロロ―1―フルオロエタンの製造法 - Google Patents

1,1―ジクロロ―1―フルオロエタンの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一種以上の触媒の不在下で高温で液体媒体
中のフッ化水素との反応による、塩化ビニリデン(V
C2)とも称される1,1−ジクロロエチレンからの1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタンの製造法に関する。
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンは、その分子中
に、塩素原子、フッ素原子及び炭素原子の他に、水素原
子を有する合成生成物である。この化合物の沸点は大気
圧で32℃である。それは特に発泡剤として単独で、また
はその他のクロロフッ素化された水素を含む化合物また
は水素を含まない化合物との混合物中で使用し得る。
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを得るための既
知の工業法は、この生成物が塩化ビニリデンのフッ素水
素処理(hydrofluorination)により得ることができる
ことが長年にわたって知られていたにもかかわらず、全
て1,1,1−トリクロロエタンで開始する。
こうして、Journal of Am.Chem.Soc.1943,65,1272頁
は65℃で3時間にわたって行われる1モルの塩化ビニリ
デンと4モルのフッ化水素の反応が特に50%の1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、5%の1,1,1−トリクロ
ロエタン及び15%のタールを得ることを可能にすること
を既に記載している。
更に、英国特許第627,773号明細書は10℃〜35℃の温
度で塩化スズの存在下で1時間45分にわたる8モルの塩
化ビニリデンと約8.7モルのフッ化水素の反応を特に開
示しており、その結果、1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタンが使用される塩化ビニリデンに対して計算して3
2.7%の転化率で得られる。
しかしながら、この種の収率および純度は、塩化ビニ
リデンのフッ素水素処理による1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタンの製造の工業上の開発、または研究の継続
を正当化するのには充分に高くなく、従ってこの経路は
1,1,1−トリクロロエタンで開始する経路(これは明ら
かに同欠点を有しなかった)を支持して放棄された。
本出願人は、上記の方法の欠点を最早有しない塩化ビ
ニリデンのフッ化水素処理による1,1−ジクロロ−1−
フルオロエタンの製造法を見出した。
それ故、本発明は、フッ化水素と塩化ビニリデンの反
応(その反応は70℃以上の温度で触媒の不在下で液体媒
体中で行われる)による1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタンの製造法に関する。
フッ化水素は必ず無水形態で95容量%より大きい純度、
好ましくは99容量%より大きい純度で本法に使用される
必要がある。それはガス形態または液体形態で反応器に
導入し得る。
使用される変化ビニリデンは、フッ化水素に関して上
記された規格を同じ規格を満足する必要があり、即ち、
それはか無水かつ純粋である必要がある。
フッ化水素及び塩化ビニリデン(これらは反応器に導
入される)の量は夫々それ自体大して重要ではない。対
照的に、これらの二種の反応体が反応器に導入されるモ
ル比は、本発明の方法により得られる有利な結果が観察
されるには、塩化ビニリデン1モル当たり1.5〜3モル
のHFであることが絶対に必要である。
フッ化水素処理反応器の内部の反応混合物は本発明の方
法の有利な進行のために液体状態に保たれる必要があ
る。これはあらゆる既知の方法を使用することにより行
い得る。良好な結果を与えた実用的な方法は、加圧下に
保たれる反応器中で操作することからなる。
反応温度は一般に75℃〜130℃、好ましくは80℃〜125
℃である。これらの条件下で、反応器の圧力は一般に2
〜30バール、好ましくは5〜25バールである。
本発明の方法で得られる1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンの選択率は非常に高く、そして100℃の操作条
件下で、1/2のVC2HFモル比に関して、85%程度に大きい
値(VC2の転化率が98.7%程度に高い場合)に達する。
本発明の方法に従って操作する場合、生成されるオリ
ゴマー及びタール(これらは初期の既知の方法の工業上
の開発にとって障害である)の量は非常に少なく、しか
も1,1,1−トリクロロエタンで開始して行われる方法で
観察された量と競争し得る。
こうして、その反応が70℃以上の温度で行われる場
合、観察されるオリゴマーの量は使用される塩化ビニリ
デンの合計量の5モル%未満である。使用される塩化ビ
ニリデンの量の1モル%未満、実際には0.2モル%であ
るオリゴマーの量を得ることが反応パラメーターを変え
ることにより可能である。
本発明の方法は触媒の不在下で上記の如き反応体及び
反応生成物の量でもって純然たる熱方式で行われるが、
熱的方法が使用されるが、塩化ビニリデン、フッ化水素
の如き過剰の反応体、または塩化水素もしくは1,1−ジ
フルオロ−1−クロロエタンの如き反応に由来する過剰
の生成物が上で特定された量より多い量または少ない量
で一時的または連続的に導入される別法が同様に本発明
の一部であることが明らかである。
本発明の方法に使用される反応器は、鋼、ステンレス
鋼の如き種々の材料またはモネル、インコネル及びハス
テロイの如き種々の合金からつくることができる。内壁
が不活性ライニング、例えば、反応条件下で不活性であ
る樹脂層、例えば、フッ素化樹脂でライニングされてい
る反応器を使用することが同様に可能である。
反応器は、反応体間の接触が改良し得る技術装置を装
備していることが有利である。こうして、反応器は撹拌
機を備えることができ、または反応体を導入するための
装置を備えることができ、こうして反応混合物内の反応
体の有効な分散を得ることができる。
反応器の入口に於ける反応体の導入の手段並びに流量
は、反応体の所望の割合が液体反応媒体内で維持される
ような方法で調節される。従って、それらは特に温度、
反応器の充填レベル、滞留時間および適用される排出速
度の関数である。
上記の条件下で、反応はバッチ式または連続式で操作
し得る。それがバッチ式で操作される場合、その反応は
通常撹拌され、シールされたオートクレーブ中で行わ
れ、またそれが連続式で操作される場合、それは反応体
の連続の導入および生成物の排出のための系を装備した
ミキサー型の反応器中で行われることが好ましい。
本発明の方法の反応の運転操作がバッチ式または連続
式のどちらであっても、排出手段は、本発明の方法によ
り製造される全ての塩化水素が気相中で実質的に除去さ
れ、一方、反応に由来するその他の生成物または沸点が
塩化水素の沸点より上である残留生成物が液相中で排出
されるような方法で調節されることが必須である。
所望により、反応体の一種またはその両方が反応器の
まわりの一箇所または隔置された数箇所で導入し得る。
こうして、反応器への塩化ビニリデンの導入のための手
段を装備した数箇所を用意することができるが、その間
に導入される反応体のモル比を観察する必要がある。
反応は単一の反応器または直列に連結された数個の反
応器中で行い得る。この場合、反応体の導入のための種
々の手段を用意することが同様に可能である。二種の反
応体が同じ反応器に導入でき、または反応体の一種の導
入が反応器の夫々の間で分けることができる。反応体を
夫々を供給される数個の反応器を夫々使用することが同
様に可能であり、この場合、反応器の夫々中で生成され
た混合物が同じ方向または向流で循環される。
反応により生成された塩化水素の気相除去の方法は、
この目的に知られているあらゆる手段により行い得る。
良好な結果を与えた手段は、反応器に還流カラムを装備
することからなる。適用される還流の効率に応じて、塩
化水素は副生物として軽質有機化合物に更に含み、これ
らは所望により分別蒸留の如き通常の手段により除去し
得る。
また、反応器は液相の一部を回収するための手段を装
備していることが有利である。液相回収を有利にするた
めに、反応は約10〜20バールの圧力下に保たれた反応媒
体を用いて行われることが好ましい。
最後に、反応器から得られる液体混合物は、その後、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを回収するための
一つ以上の工程で分離操作にかけることができる。
副生物及び不純物の一部は蒸留により容易に排除し得
る。これは例えば1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン
及び1,1,1−トリフルオロエタンの場合、並びに反応中
に生成されたオリゴマーの場合である。しかしながら、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンは少量の望ましく
ない不飽和の塩素化された化合物またはクロロフッ素化
された化合物(これらは蒸留によりかろうじて分離し得
る、何となれば、それらの沸点は1,1−ジクロロ−1−
フルオロエタンの沸点に近似しているからである)の如
き不純物を通常含む。実際に、未反応の塩化ビニリデン
の他に、精製すべき1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン中に存在し得る主な不飽和不純物は、ジクロロアセチ
レン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエチレン(シス異
性体及びトランス異性体)、トランス1,2−ジクロロエ
チレン及び痕跡量の1−クロロ−1−フルオロエチレン
である。
塩化ビニリデンの如き不飽和の塩素化された化合物
(これらは依然として反応媒体中に存在し得る)は、こ
のために知られているあらゆる化学的方法または物理的
方法により除去し得る。塩ビニリデンの特別な場合に、
良好な結果を与えた方法は、この化合物の臭素化または
塩素化、続いて蒸留による得られた飽和化合物の分離か
らなる。
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンを99容量%より
高い純度で回収することが所望される場合、良好な結果
を与えた操作は、 ・最初に、沸点が1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
の沸点より低い生成物を気相中で除去するように、即
ち、実質的には痕跡量の1−クロロ−1,1−ジフルオロ
エタン及び1,1,1−トリフルオロエタンを排除するため
に、フッ化水素処理反応器から得られ、無機物質、即
ち、実質的にはフッ化水素を含む液相から前もって分離
された有機液相を蒸留にかけ、 ・媒体中に残存する塩化ビニリデンの如き不飽和生成物
を塩素化するように、先の蒸留から得られる液相を塩素
化操作にかけ、そして最後に、 ・先の工程で生成された塩素化生成物を蒸留により除去
することからなる。
しかしながら、塩化ビニリデン及びジクロロアセチレ
ンを好適な方法により排除することが容易である場合、
これは不飽和の塩素化された化合物、特にかなり反応性
ではないシス及びトランス1,2−ジクロロ−1−フルオ
ロエタンの場合には必要ではない。塩素化処理がこれら
のそれ程反応性ではない塩素化された化合物をも塩素化
するために更に過酷な条件下で行われる場合、かなりの
量の1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンがまた反応し
て、1,1,2−トリクロロ−1−フルオロエタンの生成を
誘導する。1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの生産
量のこの損失は、ルイス酸の存在下のような光化学塩素
化により更に過酷な条件下で行われた全ての試験で認め
られた。
更に、シス及びトランス1,1−ジクロロ−1−フルオ
ロエチレンの排除は更に困難であることが明らかであ
る。何となれば、或る場合には、塩素化処理が延長され
る場合に、最小値を通り過ぎた後に、それらの濃度が増
すからである。
この現象の可能な説明は、1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタンを消費して製造された1,2,2−トリクロロ−
1−フルオロエタンの脱塩化水素化によるそれらの生成
であるようである。しかしながら、本件出願人はこの説
明により束縛されることを意図していない。
一方、塩素化が約10ppm以上の量のルイス酸の存在下
で行われる場合、または塩素化反応器後に、約10ppm以
上の量のルイス酸、特にFeCl3が存在する場合、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタンは不飽和不純物の塩素化段
階の下流で、即ちその後の蒸留段階で重大な分解を受け
得ることが更に観察された。それ故、塩素化反応器、並
びに下流の全ての装置はモネル、インコネル及びハステ
ロイの如き耐腐食性の材料(これらは塩素化段階と精製
の終了の間で媒体中に10ppm以上の量のFeCl3を導入しそ
うもない)でつくられることが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施態様では、これらの欠点
は、その後、蒸留により容易に分離されるように、1,1
−ジクロロ−1−フルオロエタンの沸点とは充分に異な
る沸点を有する生成物を得るために、これらの不純物を
塩素化することにより、全ての不飽和の塩素化またはク
ロロフッ素化された不純物のほぼ完全な変換を可能にす
るとともに解消し得る。
これを行うために、塩化化は、処理される液体媒体
を、数時間を越えない妥当な時間の経過で不純物のほぼ
完全な排除を可能にするのに充分に高いが、1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタンの一部の塩素化を避けるのに
充分に低い温度(FeCl3の量の関数として調節される)
で非常に少量のルイス酸、好ましくはFeCl3の存在下で
過剰の塩素と反応させることにより行い得る。
最も好ましい実施態様では、塩素化段階の前に、1,1
−ジクロロ−1−フルオロエタンは、1,1−ジクロロ−
1−フルオロエタンの沸点より高い沸点を有する生成
物、即ち、実質的にはオリゴマー及びタールが除かれ
る。この分離は通常の蒸留により行い得る。
本発明のこの好ましい実施態様の塩素化に使用される
FeCl3の量は必ず10ppmより少ない。この量は約6ppm以下
であることが好ましい。FeCl3は少量で使用されるが、
その存在は全ての不飽和不純物の塩素化を行うのに絶対
に必要とされる。妥当な時間で不飽和不純物の塩素化を
可能にするFeCl3の最小量は約0.05ppmである。FeCl3
量は1ppm以上であることが好ましい。それは約3ppm以上
であることが最も好ましい。
使用されるFeCl3の少量のために、本発明の方法は、
その後の処理に先立ってアルカリ洗浄または錯生成によ
る媒体からのFeCl3の排除の面倒でむずかしい段階を避
けるという利点を更に有し、その段階は、塩素化がかな
り多い量のFeCl3の存在下で行われる場合に1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタンの純度を変えることを避けるの
に絶対に必要である。
実際に、FeCl3は種々の手段により塩素化装置中に導
入し得る。良好な結果を与えた手段は、精製される1,1
−ジクロロ−1−フルオロエタンの流れの一部をFeCl3
により飽和することからなる。例えば、室温に於ける1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン中のFeCl3の溶解度は
約7ppmである。充分な量のFeCl3を溶解し得るその他の
溶媒(これらは塩素化条件で不活性であり、しかもその
後の分離段階で容易に回収される)は、反応媒体中に存
在するFeCl3の合計量が前記の値を越えないような量で
それらが使用されることが理解される限り、また使用し
得る。これらの基準に合致する溶媒は例えばテトラクロ
ロメタン、トリクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタ
ンである。
媒体中の前記のFeCl3の量で、約75℃の温度は工業上
の適用を可能にするのに充分な速度で不飽和不純物の塩
素化を既に可能にする。温度が約80℃以上である場合
に、好適な塩素化速度が得られる。しかしながら、約12
0℃より高い温度では、1,1,2−トリクロロ−フルオロエ
タン中の1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの変換は
かなりの量に達する。塩素化は約110℃以下の温度で行
われることが好ましい。
塩素は、塩素化される不純物に対し過剰の量で導入さ
れる。塩素と、塩素化される不純物の合計のモル比は、
大きな比の範囲内で変化し得る。約10以上の比が許容で
きる反応速度に達することを可能にする。それ故、この
比は1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンの分解を生じ
ないでそれより大きくてもよい。この比は一般に100を
越えない。
塩素化は大気圧またはそれより高い圧力で行い得る。
この圧力は自然発生圧力であってもよく、また不活性ガ
ス、例えば、窒素の導入により誘導される高圧であって
もよい。通常、塩素化処理は約4バール〜約15バールの
圧力で行われる。
上記の条件下で、不飽和の塩素化された化合物及びク
ロロフッ素化された化合物のほぼ完全な塩素化が、数分
から約2時間まで変化する塩素化装置中で精製される1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタンの処理時間で得られ
る。工業上の基準では、塩素化装置中の1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタンの滞留時間は勿論必要とされる純
度の関数として調節される。慣例によれば、10〜60分の
滞留時間で満足な純度が得られる。
例1〜4は本発明を説明するために示される。例5は
比較として示される。
例1 最初に塩化ビニリデンを、−30℃に冷却され、15ミリ
バールの減圧下に置かれた0.5リットルの円筒形のステ
ンレス鋼316反応器(オートクレーブ)(これは撹拌機
を装備している)中に撹拌しながら導入し、そしてオー
トクレーブ中の圧力の低下を得るように数分間にわたっ
て反応器のその温度になるようにする。
次いでステンレス鋼316シリンダー中で周囲温度に保
たれるフッ化水素を吸引により反応器に導入する。
次いで反応器を所望の温度に予熱されたサーモスタッ
ト中に浸漬し、塩化水素と有機生成物(これらは1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンよりも軽質である)、即
ち、実質的には1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン及
びおそらく1,1,1−トリフルオロエタンのみが反応器か
ら逃げられるような方法で、その圧力を所望の値(これ
は実験温度の関数である)に調節する。
反応器が予熱されたサーモスタット中に浸漬される瞬
間が反応の開始を決定する。
反応の前進行中に、反応器中の圧力の発生を監視し、
その間温度を一定に保つ。
ガス流出物に回収し、希薄なNaOH溶液を含むスクラバ
ー中の排出された塩酸及びフッ化水素酸の中和及び分解
後に水量計中で測定する。
所望の反応時間後に、最終的に反応器を冷却浴により
0℃に急冷し、液相及び気相を反応器から除去し(ガス
量計に連結されたNaOHガス洗浄びんを経由して)、分析
する。
上記の全般の条件下で、三つのバッチ式実験を夫々75
℃(実験1)、100℃(実験2)及び125℃(実験3)の
温度で行い、そのパラメータ及び結果を以下に列記す
る。
*=これらの結果は、反応器の液相及び気相中に存在す
る全ての有機化合物を回収することによりGPC(気相グ
ラマトグラフィー)分析により得られる。
こうして、一種以上の触媒を使用しない高温における
VC2のフッ化水素処理はVC2の高転化率が得られることを
可能にし、これらは100%近く、一方、観察された1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンの選択率はほぼ80%、ま
たはちょうど90%であることがバッチ式の結果からわか
る。
例2 反応器の入口でHF52g/時間及びVC2138g/時間、即ち1.
7モル/モルのHF/VC2モル比をステンレス鋼316の撹拌さ
れた二重ジャケット付きの200cm3の反応器(これは反応
器と同じ温度に保たれた排出管中への油及びオーバーフ
ローの循環により120℃に加熱されている)に連続的に
導入する。
この反応器の圧力を、液体反応媒体を120℃に保つよ
うに18バールに調節する。
4時間操作した後、オートクレーブからオーバーフロ
ーする気相及び液相の試料を採取する。
大気圧に下げた後、流出物を希薄な苛性アルカリ(1/
10モル)を含むスクラバー中で中和し、次いでガスが処
理量を測定するために二つの100cm3のパイレックスアン
プルを含むサンプリング系を経由して水量計に流入す
る。また、反応器中に存在し、生成された全ての有機化
合物の完全な分析を得るために、四塩化炭素によるスク
ラバーからの水相の抽出が行われる。
次いで有機生成物を気相クロマトグラフィーにより例
1のようにして分析し、消費されていないHFをF-イオン
に感受性の特別な電極によるイオノメトリーにより測定
し、そして生成されたHFを、硝酸銀を使用する電位差測
定により測定する。
操作条件及びこれらの条件下で得られた結果を転下記
の表に列記する。
VC2のフッ化水素処理反応が連続的に行われるこの例
2の結果から、収率及び選択率が例1(この場合、バッ
チ式操作で行われる実験が再現される)で既に観察され
た優れた結果と比較して更に改良し得ることが演繹し得
る。
例3 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンより揮発性で、
かつ重質である副生物が蒸留により除かれた1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(97重量%の1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン)の製造ユニットの有機相を連続
的に操作するモネル製の反応器に導入する。同時に、Fe
Cl3を、塩素化装置中で、有機相が有機相1リットル当
たり0.6ppmのFeCl3及び80gの塩素を含むような比で反応
器に導入する。塩素化反応器を100℃±3℃の温度に保
つ。圧力を窒素により9バールに保つ。反応器中の有機
相の滞留時間は1時間である。表2は不飽和の塩素化さ
れた化合物及びフロロフッ素化された化合物の初期の含
量及び最終含量を示す。
例4 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンより揮発性で、
かつ重質である副生物が蒸留により除かれた1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(97重量%の1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン)の製造ユニットの有機相を連続
的に操作するモネル製の反応器に導入する。また、FeCl
3を、塩素化装置中で、有機相が有機相1リットル当た
り3ppmのFeCl3及び80gの塩素を含むような比で反応器に
導入する。
塩素化反応器を80℃±3℃の温度に保つ。
圧力を窒素により9バールに保つ。反応器中の有機相
の滞留時間は45分である。表3は主な不飽和の塩素化さ
れた化合物及びクロロフッ素化された化合物の初期の含
量及び最終含量を示す。
例5(比較例) 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンより揮発性で、
かつ重質である副生物が蒸留により除かれた1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(97重量%の1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン)の製造ユニットの有機相を連続
的に操作するモネル製の反応器に導入する。また、FeCl
3を、塩素化装置中で、有機相が有機相1リットル当た
り40ppmのFeCl3及び80gの塩素を含むような比で反応器
に導入する。
塩素反応器を80℃±3℃の温度に保つ。圧力を窒素に
より9バールに保つ。反応器中の有機相の滞留時間は45
分である。表4は主な不飽和の塩素化された化合物及び
クロロフッ素化された化合物の初期の含量及び最終含量
を示す。
表3及び表4に記載された結果の比較は、シス型及び
トランス型の1,2−ジクロロ−フルオロエチレンの不純
物の排除、ひいては最終的に得られる1,1−ジクロロ−
1−フルオロエタンの純度に及ぼす少量のFeCl3の極め
て重大な影響(表3)を立証することを可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−231439(JP,A) 特開 平3−258735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 19/12,17/087

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応を触媒の不在下で70℃以上の温度で液
    体媒体中で行うことを特徴とする塩化ビニリデンのフッ
    化水素処理による1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
    の製造法。
  2. 【請求項2】液体媒体の温度が75℃〜130℃であること
    を特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】温度が85℃〜125℃であることを特徴とす
    る請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】反応を自然発生圧力のもとに行うことを特
    徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか一項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】圧力が2〜30バールであることを特徴とす
    る請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】使用されるフッ化水素と塩化ビニリデンの
    モル比が1.5〜3モル/モルであることを特徴とする請
    求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】残留塩化ビニリデンを臭素化または塩素化
    することを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいず
    れか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】フッ化水素と塩化ビニリデンを触媒の不在
    下で70℃以上の温度で反応させ、得られた有機相を蒸留
    操作にかけ、この蒸留操作から得られる液相を塩素化操
    作にかけ、そしてこの塩素化操作後に得られた塩素化生
    成物を別の蒸留操作により除去することを特徴とする99
    容量%より高い純度を有する1,1−ジクロロ−1−フル
    オロエタンの製造法。
  9. 【請求項9】塩素化処理を過剰の塩素の存在下で75〜12
    0℃の温度で0.05〜6ppmのFeCl3の存在下で行う請求の範
    囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】塩素化処理に先立って、有機相を2回の
    蒸留処理にかけ、最初の蒸留処理は1,1−ジクロロ−1
    −フルオロエタンの沸点より低い沸点を有する生成物を
    排除するためであり、そして他の蒸留処理は1,1−ジク
    ロロ−1−フルオロエタンの沸点より高い沸点を有する
    生成物を排除するためである請求の範囲第8項または第
    9項に記載の方法。
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