JP2828604B2 - 複屈折測定装置 - Google Patents

複屈折測定装置

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JP2828604B2 JP5904895A JP5904895A JP2828604B2 JP 2828604 B2 JP2828604 B2 JP 2828604B2 JP 5904895 A JP5904895 A JP 5904895A JP 5904895 A JP5904895 A JP 5904895A JP 2828604 B2 JP2828604 B2 JP 2828604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複屈折測定装置に係
り、特に試料の複屈折位相差及びその主軸方位を高速で
測定する複屈折測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光エロクトロニクス機器の発達に
伴い、光学素子、LCD、MO等の光デバイスの高精度
化が要求されるようになってきた。特に、この光デバイ
スの品質を評価する上で光学的均一性が重要とされてい
るため、光デバイスに残留する応力に起因した複屈折を
高精度に測定する必要性が高まっている。
【0003】このように複屈折を高精度に測定する複屈
折測定装置としては、例えば光源に直交偏光2周波レー
ザを採用した光ヘテロダイン複屈折測定法(例えば、特
公昭59−50927)により複屈折位相差を測定する
ものが知られている。更に、この複屈折位相差だけでな
くその主軸方位も同時に測定する複屈折測定装置とし
て、光源に周波数安定化横ゼーマンレーザ(「Stabiliz
ed Transverse ZeemanLaser」、略して「STZL」と
も呼ぶ)を用いた方法も知られている(例えば、特公平
6−12333)。
【0004】しかしながら、周波数安定化横ゼーマンレ
ーザを用いた上述の複屈折測定装置は、複屈折主軸方位
を同時に測定する目的で2分の1波長板等の光学系を回
転させる構成であったため、測定時間がやや遅くなると
いった不都合があった。
【0005】そこで、測定時間の短縮化を図る複屈折測
定装置として、周波数安定化横ゼーマンレーザとロック
インアンプを組み合わせたものが提案されている(例え
ば、特開平5−249031)。この複屈折測定装置に
よると、1点あたりの測定時間が2(ms)と高速化が
図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記測
定時間の短縮化を図った複屈折測定装置にあっては、検
出対象のレーザ光の光路を2つに分けて、その2つの光
路の夫々に複数の偏光素子や検出器、ロックインアンプ
等を割り当てて配置する構成であったため、光学系だけ
でなく装置全体の構成も複雑になるといった問題があっ
た。
【0007】本発明は、上述の従来技術の問題を考慮し
てなされたものであり、測定時間の短縮化を図ると共
に、装置全体の構成を簡素に構築できる複屈折測定装置
を提供することを、目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係る複屈折測定装置は、レー
ザ光により測定対象の試料の複屈折状態に関する情報を
測定する構成とし、2つの互いに異なる周波数成分を有
し且つその2つの周波数成分が互いに反対向きの円偏光
となるレーザ光を発振する光源と、この光源による当該
レーザ光を上記試料に向けて発振させることにより当該
試料の上記複屈折状態を反映したレーザ光の光信号を検
出する検出手段と、この検出手段により検出された当該
光信号に基づいて上記試料の少なくとも複屈折位相差及
び複屈折主軸方位を同時に計測する計測手段とを備えて
いる。
【0009】また請求項2記載の発明では、前記光源は
2つの互いに異なる周波数成分を有し且つその2つの周
波数成分が互いに直交した直線偏光となるレーザ光を発
振するレーザと4分の1波長板とを組み合わせて成って
いる。
【0010】また請求項3記載の発明では、前記レーザ
は周波数安定化横ゼーマンレーザである。
【0011】また請求項4記載の発明では、前記検出手
段は、前記光源により発振された上記レーザ光の当該2
つの周波数成分を前記試料を介して光学的に相互に干渉
させる光学系と、この光学系からの干渉後の光ビート成
分を含むレーザ光の光信号を電気信号に変換して検出す
る光電検出器とを備えている。
【0012】また請求項5記載の発明では、前記光学系
は、前記光源から入射されたレーザ光の2つの周波数成
分の夫々における偏光状態の位相を90度変換する4分
の1波長板と、この4分の1波長板を介して入射される
レーザ光の上記2つの周波数成分を相互に干渉させ且つ
その干渉させて得られる光ビート成分を含むレーザ光を
出射する直線偏光子とを備え、上記光源及び4分の1波
長板間の光路上に前記試料を配置するように形成してい
る。
【0013】また請求項6記載の発明は、前記4分の1
波長板を前記レーザ光の光軸に直交する面内の光軸を中
心として予め設定された基準方位に対して進相軸方位が
45度となる位置に配置する一方、前記直線偏光子を上
記基準方位に対して偏光透過軸方位が0度となる位置に
配置している。
【0014】また請求項7記載の発明では、前記光電検
出器はフォトダイオードである。
【0015】また請求項8記載の発明では、前記計測手
段は、前記光電検出器が検出した電気信号から直流成分
を抽出するローパスフィルタと、上記光電検出器が検出
した電気信号から前記光ビート成分に相当する交流成分
を抽出するロックインアンプと、上記ローパスフィルタ
により抽出された直流成分及び上記ロックインアンプに
より抽出された交流成分に基づいて前記試料の複屈折位
相差及び複屈折主軸方位を同時に演算する演算部とを備
えている。
【0016】また請求項9記載の発明では、前記演算部
は、前記交流成分に相当する2つの直交成分をIx及び
Iyとし、前記直流成分をIDCとし、前記試料の複屈折
位相差をΔとし、その複屈折主軸方位をψとしたとき、
この複屈折位相差Δ及び複屈折主軸方位ψを、
【数3】 の計算式で演算するアルゴリズムを実行するように予め
設定された演算器を備えている。
【0017】また請求項10記載の発明は、前記演算部
により同時に演算された前記試料の複屈折位相差及び複
屈折主軸方位を出力する出力デバイスを、前記計測手段
が更に備えている。
【0018】さらに、請求項11記載の発明に係る複屈
折測定装置は、レーザ光により測定対象の試料の複屈折
状態に関する情報を測定する構成とし、2つの互いに異
なる周波数成分を有し且つその2つの周波数成分が互い
に反対向きの円偏光となるレーザ光を発振する光源と、
この光源から上記試料を介して入射されたレーザ光の2
つの周波数成分の夫々における偏光状態の位相を90度
変換する4分の1波長板と、この4分の1波長板を介し
て入射されたレーザ光の上記2つの周波数成分を相互に
干渉させ且つその干渉させて得られる光ビート成分を含
むレーザ光を出射する直線偏光子と、この直線偏光子を
介して入射されたレーザ光の光信号を電気信号に変換し
て検出する光電検出器と、この光電検出器が検出した電
気信号から直流成分を抽出するローパスフィルタと、上
記光電検出器が検出した電気信号から上記光ビート成分
に相当する交流成分を抽出するロックインアンプと、上
記ローパスフィルタにより抽出された直流成分及び上記
ロックインアンプにより抽出された交流成分に基づいて
上記試料の複屈折位相差及び複屈折主軸方位を同時に演
算する演算部とを備えると共に、上記演算部は、上記直
流成分をIDCとし、上記交流成分に相当する2つの直交
成分をIx及びIyとし、上記試料の複屈折位相差をΔ
とし、その複屈折主軸方位をψとしたとき、その複屈折
位相差Δ及び複屈折主軸方位ψを、
【数4】 の計算式で演算するように設定されている。
【0019】さらに請求項12記載の発明では、前記光
源は軸ゼーマンレーザから成っている。
【0020】
【作用】請求項1〜12記載の発明に係る複屈折測定装
置は、光源により2つの互いに異なる周波数成分を有し
且つその2つの周波数成分が互いに反対向きの円偏光と
なるレーザ光が発振される。そして、検出手段により試
料の複屈折状態を反映したレーザ光の光信号が検出され
ると、計測手段により光信号に基づいて試料の少なくと
も複屈折位相差及び複屈折主軸方位が同時に計測され
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図8に基づ
き説明する図1に示す複屈折測定装置は、光ビート成分
を担う光信号に基づいて複屈折情報を測定する光ヘテロ
ダイン複屈折測定法を適用したもので、左右円偏光2周
波レーザ光(以下、単に「2周波円偏光」と呼ぶ)Lを
発振する光源1と、この光源1で発振される2周波円偏
光Lにより、測定対象である試料Saの複屈折状態に関
する情報を取得するための検出測定部2とを備えてい
る。
【0022】光源1は、直交直線偏光2周波レーザであ
る周波数安定化横ゼーマンレーザ(以下、「STZL」
と略称する)1aと4分の1波長板1bとを組み合わせ
た構成で、STZL1aが生成する2周波直交直線偏光
を4分の1波長板1bを介して、2つの異なる周波数成
分(f1、f2)が互いに反対向きの円偏光(右回り及
び左回り)となる2周波円偏光Lに変換して発振させる
ようになっている。従って、この光源1は、2つの異な
る周波数成分の夫々が光軸を中心として互いに反対向き
に回転する2周波円偏光Lを、検出測定部2に向けて発
振するようになっている。
【0023】検出測定部2は、試料Saの複屈折状態を
反映する光ビート成分(周波数をωとしたとき、周波数
ωは2つの周波数成分の差(ω=f1−f2)で表され
る)を担う光信号を検出するための検出部3(本発明の
検出手段を成す)と、この検出部3により検出された光
信号に基づいて試料Saの複屈折を計測するための計測
部4(本発明の計測手段を成す)とを備えている。
【0024】検出部3は、光源1の出射側の共通光路上
に配置される試料搭載用の試料ステージ5、偏光素子か
ら成る光学系6、及び光電検出器7を備えている。
【0025】試料ステージ5は、例えばXYステージか
ら成り、試料Saの測定位置を光軸方向に直交する面内
での互いに直交する2方向の夫々に沿って自動又は手動
で可変設定できるようになっている。ここで、光源1か
らの2周波円偏光Lが試料Saを透過する場合を考える
と、2つの周波数成分の夫々は、試料Saが有する2つ
の主軸間の屈折率差に起因して生じる位相ずれにより楕
円偏光化する。従って、この楕円偏光化した2周波偏光
成分を担うレーザ光L1は、試料Saの持つ複屈折位相
差(複屈折の大きさ)及びその主軸方位(複屈折の方
向)の情報を反映した光信号として次段の光学系6に出
射される。
【0026】光学系6は、光軸方向に直交する面内の光
軸を中心として予め設定された基準方位(例えば、光源
1のSTZL1aが生成する互いに直交する直線偏光の
偏波面の2方向(x方向及びy方向)の内の一方)に対
して進相軸方位が45度となるように配置される4分の
1波長板6aと、その4分の1波長板6aの出射側に上
記基準方位に対して偏光透過軸方位が0度となるように
配置される直線偏光子6bとを備えている。
【0027】これら構成により、この光学系6は、試料
Saからのレーザ光L1の2周波偏光成分間の位相差を
保った状態で、その2周波偏光成分の夫々における偏光
状態の位相を4分の1波長板6aにて90度変換させる
と共に、その変換後のレーザ光L2の2周波偏光成分を
直線偏光子6bにて相互に干渉させて光ビート成分を生
成させる。この光ビート成分は、2つの周波数成分の差
の周波数ωで振動する「うなり成分」であると共に、上
記基準方位に基づいた試料Saの複屈折位相差及びその
主軸方位に関する位相ずれ及び振幅変化を含む光信号と
なっている。要するに、光ビート成分の振幅と位相の情
報に試料Saの複屈折位相差及び主軸方位が含まれてい
る。
【0028】従って、直線偏光子6bからのレーザ光L
3は、干渉により生じた光ビート成分に試料Saの複屈
折位相差及びその主軸方位を含む光信号として次段の光
電検出器7に出射される。
【0029】光電検出器7は、フォトダイオード等のフ
ォトディテクタ(PD)から成り、直線偏光子6bから
のレーザ光L3の光信号を検出し、その光信号の光強度
に相当する検出信号(光電流)S10をプリアンプ(図
示しない)等を介して計測部4にリアルタイムに出力す
る。
【0030】計測部4は、光源1から供給される光ビー
ト成分(試料入射前のそれと同じ)の周波数ω及び基準
位相を担う参照ビート信号S20を受けて、光電検出器
7からの検出信号S10の内の光ビート成分に相当する
交流成分Ix及びIy(後述)を抽出するロックインア
ンプ8と、検出信号S10の内の直流成分IDC(後述)
を抽出するローパスフィルタ9と、交流成分Ix、Iy
及び直流成分IDCに基づいて試料Saの複屈折を演算す
る演算部10とを備えている。
【0031】この内、演算部10は、演算装置(演算
器)としてのCPU11を要部とするコンピュータ(図
示しない)を搭載して成り、そのCPU11が予め設定
された演算アルゴリズムを実行することにより、複屈折
位相差Δ及びその主軸方位ψ(後述)を演算するように
なっている。この演算部10には、演算結果の表示等を
行うモニタ、プリンタ等の出力デバイス14が接続され
ている。
【0032】ここで、本発明に係る複屈折測定原理を説
明する。まず、本実施例に係る複屈折測定装置におい
て、光電検出器7からの検出信号S10の信号特性を求
めるため、ストークスパラメータとミューラー行列とに
よる偏光の計算(例えば、応用物理学会・光学懇話会編
「結晶光学 第5章」 森北出版)を行った。
【0033】ストークスパラメータは、光の2方向(x
及びy)の電界成分Ex、Eyに基づいた4つの成分を
1組として偏光特性を記述するものである。一般に、光
軸に直交する面内の2方向の電界成分Ex及びEyの2
方向の振幅、周波数、位相の夫々をax及びay、fx
及びfy、φx及びφyとし、位相差をΦとしたとき、
ストークスパラメータの4つの成分(光強度成分をS
0、水平垂直直線偏光成分をS1、±45度直線偏光成
分をS2、及び左右円偏光成分をS3とする)は、次式
で表現される。
【0034】
【数5】 この(1)〜(4)式で表されるストークスパラメータ
の4つの成分は、理論値としてだけでなく実測値として
実験的にも確認できるものである。
【0035】ミューラー行列は、4分の1波長板等の各
種の偏光素子を入射光から出射光への偏光特性の変換を
行う素子、即ち上記4つの成分(以下、「1行×4列
(S0…S3)」の行例[S]で表す)の内の少なくと
も1つを変換させる素子と見做した際の、偏光素子の偏
光特性及び光学的配置状態で定まる[4行×4列]の行
列(以下、便宜上[M]と表す)である。
【0036】そこで、本実施例に係る複屈折測定装置で
の光学的構成(光源1、試料Sa、光学系6)におい
て、最終的に光電検出器7で検出されるレーザ光L3の
ストークスパラメータを[S]とし、光源1(STZL
1a及び4分の1波長板1b)の2周波円偏光Lにより
表現されるストークスパラメータを[S1]とし、試料
Saのミューラー行列を[M1]とし、光学系3の4分
の1波長板6a及び直線偏光子6bのミューラー行列を
夫々[M2]及び[M3]としたとき、ストークスパラ
メータ[S]は次のベクトル計算式により求まる。
【0037】
【数6】 この(5)式によるストークスパラメータ[S]の内の
光強度成分、即ち検出信号S10に相当する成分S0
は、ベクトル計算結果(便宜上、途中計算式を省略)に
より、試料Saの複屈折位相差Δ及びその主軸方位ψ
と、光源1の2周波円偏光Lのx、y方向の振幅ax、
ay及びその周波数差ωとから、
【数7】 の演算式で求まることが確認された。
【0038】そこで、上記(6)式で算出される光強度
成分S0に相当する検出信号S10の内のローパスフィ
ルタ9で抽出される直流成分をIDCとし、ロックインア
ンプ8で抽出される交流成分の内の直交成分をIx、I
yとしたとき、直流成分IDC及び交流成分Ix、Iyは
次のようになる。
【0039】
【数8】
【0040】従って、試料Saの複屈折位相差Δ及びそ
の主軸方位ψは、ax=ayとしたとき、(7)〜
(9)式から、次の算出式で求めることができる。
【0041】
【数9】
【0042】ここで、実施例に戻り、演算部10の処理
を説明すると、演算部10は、検出信号S10中の直流
成分IDC及び交流成分Ix、IyをA/D変換器等のイ
ンタフェース(図示しない)を介してデジタル量として
取り込むと、予め上記(10)及び(11)式に基づい
て設定された演算アルゴリズムを実行することにより、
試料Saの複屈折位相差Δ及び複屈折主軸方位ψを演算
する。
【0043】次に、上記のように演算される複屈折位相
差及びその主軸方位の有効性に関する検証実験を試み
た。この検証実験の結果を図2〜図5に基づいて説明す
る。ここで、この検証実験にはバビネソレイユ補償器
(以下、「BSC」と略称する)を試料として採用し
た。
【0044】図2は、複屈折位相差の有効性に関する検
証実験の結果を説明するものである。同図に示す検証実
験は、BSCの主軸方位を一定にした状態で、そのBS
Cの複屈折位相差を変えたとき、即ちBSCのマイクロ
メータの送りを変化させたときに得られる測定値を校正
値と比較するものである。この比較結果から、同図に示
す如く、実線で示した校正値の変化直線と○印で示した
測定値とがほぼ一致していることが確認された。
【0045】図3は、複屈折位相差の最小検出限界に関
する検証実験の結果を説明するものである。同図に示す
検証実験は、試料を配置しない状態で連続して10回の
複屈折位相差を測定したものである。この測定結果によ
り、同図に示す如く、最小検出限界の平均値が約0.0
54度(deg )であることが確認された。
【0046】図4は、複屈折主軸方位の有効性に関する
検証実験の結果を説明するものである。同図に示す検証
実験は、BSCの複屈折位相差を一定にした状態で、B
SCの主軸方位を変えたときの測定値を理想値と比較す
るものである。この比較結果から、同図に示す如く、B
SCの変化させた複屈折主軸方位の理想値直線と測定値
とがほぼ一致しており、その測定誤差が約±1.2度
(deg )であることが確認された。
【0047】図5は、有効な測定速度に関する検証実験
の結果を説明するものである。同図に示す検証実験は、
データ取り込み間隔を1msと一定にして、100回の
測定を行うことにより、ロックインアンプ(LIA)の
時定数と測定値のばらつきの関係を調べるものである。
この実験結果により、同図に示すように、有効な測定速
度が約100μs以上であることが確認された。
【0048】以上により、本実施例に係る複屈折装置
は、偏光素子や試料を回転させる必要がない分、測定時
間の高速化(例えば、約100μs)を図ることができ
ると共に、従来の装置に比べ光学系を簡素化したにもか
かわらず、高精度の複屈折位相差(例えば、最小検出限
界の平均値が約0.054度)及び複屈折主軸方位(例
えば、測定誤差が約±1.2度)を同時に測定できる。
【0049】このように、高精度の複屈折測定を高速に
実行できる利点を生かして、時間的に変化する変動的な
複屈折の測定に関する実験を更に試みた。この実験に使
用した試料搭載装置を図6に示す。同図の如く、この試
料搭載装置は、アクリル試料に変動的な複屈折量を与え
るもので、アクリル試料の上部から変動的に等分布荷重
を加えるためのモータ及びコイルバネを備える。従っ
て、この試料搭載装置は、モータの回転に応じてコイル
バネが伸縮し、アクリル試料の上部から等分布荷重の負
荷及び除荷を繰り返すようになっている。
【0050】図7は、アクリル試料に加える荷重に対す
る複屈折位相差の応答に関する実験結果を説明するもの
である。同図に示す実験は、アクリル試料に加える荷重
を一定量毎に変化させたときの複屈折位相差の応答を測
定するものである。この測定結果により、同図に示すご
とく、一定の荷重変化に対し複屈折位相差がほぼ直線的
に変化していることが確認された。
【0051】図8は、変動的な複屈折量を与えたときの
複屈折位相差の応答に関する実験結果を説明するもので
ある。この実験は、図6に示す試料搭載装置のモータを
回転させて、アクリル試料に変動的な複屈折量を与えた
ときの測定値を、図7の実験結果から得られた理想値と
比較したものである。この比較結果から、理想値及び測
定値の夫々の振幅及び周期がほぼ一致していることが確
認された。
【0052】以上により、本実施例に係る複屈折測定装
置は、特に時間的に変化する変動的な複屈折の測定にお
いて、上記高速化の効果を最大限に発揮できる。
【0053】なお、本実施例に係る複屈折測定装置は、
光源にSTZLと4分の1波長板とを組み合わせた構成
としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例
えば、軸ゼーマンレーザを単独に配置した光源でもよ
く、この場合は上記効果に加え、光源の構成を簡素に構
築できる利点もある。また、1つの周波数成分から成る
直線偏光レーザと偏光素子等を組み合わせた光源を適用
してもよい。要するに、光源は2周波円偏光を生成する
構成であればよい。
【0054】また、本実施例に係る複屈折測定装置は、
検出部(試料ステージ、光学系、光電検出器)を試料の
透過光を利用する共通光路上に設定したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例えば、検出部を試料の
反射光を利用する共通光路上に設定してもよい。また、
試料の透過光及び反射光の内の少なくとも一方を利用す
る構成であってもよい。
【0055】さらに、本実施例に係る複屈折測定装置
は、試料の複屈折位相差Δを上記(10)で代表される
一般式で求めたが、特定の制約条件を満足する特定の試
料を測定対象とする場合においては近似式を用いて求め
てもよい。例えば、複屈折位相差Δが微小である、即ち
Δ<<1の条件を満たす試料を測定対象としたとき、複
屈折位相差Δを、
【数10】 の近似式で求めてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜12記
載の発明に係る複屈折測定装置は、光源により2つの互
いに異なる周波数成分を有し且つその2つの周波数成分
が互いに反対向きの円偏光となるレーザ光を発振し、そ
のレーザ光の光信号を試料を介して検出し、その検出し
た光信号に基づいて試料の少なくとも複屈折位相差及び
複屈折主軸方位を同時に計測する構成としたため、装置
全体の構成を簡素に構築することができると共に、偏光
素子や試料を回転させる必要がない分、測定時間の高速
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る複屈折測定装置の全体構成を示す
概略ブロック図。
【図2】複屈折位相差の有効性に関する検証実験の結果
を説明する図。
【図3】複屈折位相差の最小検出限界に関する検証実験
の結果を説明する図。
【図4】複屈折主軸方位の有効性に関する検証実験の結
果を説明する図。
【図5】有効な測定速度に関する検証実験の結果を説明
する図。
【図6】変動的複屈折測定に使用した試料搭載装置の概
要図。
【図7】荷重に対する複屈折位相差の応答に関する実験
結果を説明する図。
【図8】変動的複屈折量に対する複屈折位相差の応答に
関する実験結果を説明する図。
【符号の説明】
1 光源 2 検出測定部 3 検出部(本発明の検出手段を成す) 4 計測部(本発明の計測手段を成す) 5 試料ステージ Sa 試料 6 光学系 6a 4分の1波長板 6b 直線偏光子 7 光電検出器 8 ロックインアンプ 9 ローパスフィルタ 10 演算部 11 CPU(演算器) 12 出力デバイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−249031(JP,A) 特開 平5−45278(JP,A) 特開 平8−128946(JP,A) 特公 昭59−50927(JP,B2) 特公 平6−12333(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/23 G01N 21/21 G01N 21/19

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光により測定対象の試料の複屈折
    状態に関する情報を測定する複屈折測定装置において、
    2つの互いに異なる周波数成分を有し且つその2つの周
    波数成分が互いに反対向きの円偏光となるレーザ光を発
    振する光源と、この光源による当該レーザ光を上記試料
    に向けて発振させることにより当該試料の上記複屈折状
    態を反映したレーザ光の光信号を検出する検出手段と、
    この検出手段により検出された当該光信号に基づいて上
    記試料の少なくとも複屈折位相差及び複屈折主軸方位を
    同時に計測する計測手段とを備えたことを特徴とする複
    屈折測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光源は、2つの互いに異なる周波数
    成分を有し且つその2つの周波数成分が互いに直交した
    直線偏光となるレーザ光を発振するレーザと4分の1波
    長板とを組み合わせて成る請求項1記載の複屈折測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記レーザは、周波数安定化横ゼーマン
    レーザである請求項2記載の複屈折測定装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記光源により発振さ
    れた上記レーザ光の当該2つの周波数成分を前記試料を
    介して光学的に相互に干渉させる光学系と、この光学系
    からの干渉後の光ビート成分を含むレーザ光の光信号を
    電気信号に変換して検出する光電検出器とを備えた請求
    項1又は2記載の複屈折測定装置。
  5. 【請求項5】 前記光学系は、前記光源から入射された
    レーザ光の2つの周波数成分の夫々における偏光状態の
    位相を90度変換する4分の1波長板と、この4分の1
    波長板を介して入射されるレーザ光の上記2つの周波数
    成分を相互に干渉させ且つその干渉させて得られる光ビ
    ート成分を含むレーザ光を出射する直線偏光子とを備
    え、上記光源及び4分の1波長板間の光路上に前記試料
    を配置するように形成した請求項4記載の複屈折測定装
    置。
  6. 【請求項6】 前記4分の1波長板を前記レーザ光の光
    軸に直交する面内の光軸を中心として予め設定された基
    準方位に対して進相軸方位が45度となる位置に配置す
    る一方、前記直線偏光子を上記基準方位に対して偏光透
    過軸方位が0度となる位置に配置した請求項5記載の複
    屈折測定装置。
  7. 【請求項7】 前記光電検出器はフォトダイオードであ
    る請求項4記載の複屈折測定装置。
  8. 【請求項8】 前記計測手段は、前記光電検出器が検出
    した電気信号から直流成分を抽出するローパスフィルタ
    と、上記光電検出器が検出した電気信号から前記光ビー
    ト成分に相当する交流成分を抽出するロックインアンプ
    と、上記ローパスフィルタにより抽出された直流成分及
    び上記ロックインアンプにより抽出された交流成分に基
    づいて前記試料の複屈折位相差及び複屈折主軸方位を同
    時に演算する演算部とを備えた請求項4記載の複屈折測
    定装置。
  9. 【請求項9】 前記演算部は、前記交流成分に相当する
    2つの直交成分をIx及びIyとし、前記直流成分をI
    DCとし、前記試料の複屈折位相差をΔとし、その複屈折
    主軸方位をψとしたとき、この複屈折位相差Δ及び複屈
    折主軸方位ψを、 【数1】 の計算式で演算するアルゴリズムを実行するように設定
    された演算器を備えた請求項8記載の複屈折測定装置。
  10. 【請求項10】 前記演算部により同時に演算された前
    記試料の複屈折位相差及び複屈折主軸方位を出力する出
    力デバイスを、前記計測手段が更に備えた請求項8記載
    の複屈折測定装置。
  11. 【請求項11】 レーザ光により測定対象の試料の複屈
    折状態に関する情報を測定する複屈折測定装置におい
    て、2つの互いに異なる周波数成分を有し且つその2つ
    の周波数成分が互いに反対向きの円偏光となるレーザ光
    を発振する光源と、この光源から上記試料を介して入射
    されたレーザ光の2つの周波数成分の夫々における偏光
    状態の位相を90度変換する4分の1波長板と、この4
    分の1波長板を介して入射されたレーザ光の上記2つの
    周波数成分を相互に干渉させ且つその干渉させて得られ
    る光ビート成分を含むレーザ光を出射する直線偏光子
    と、この直線偏光子を介して入射されたレーザ光の光信
    号を電気信号に変換して検出する光電検出器と、この光
    電検出器が検出した電気信号から直流成分を抽出するロ
    ーパスフィルタと、上記光電検出器が検出した電気信号
    から上記光ビート成分に相当する交流成分を抽出するロ
    ックインアンプと、上記ローパスフィルタにより抽出さ
    れた直流成分及び上記ロックインアンプにより抽出され
    た交流成分に基づいて上記試料の複屈折位相差及び複屈
    折主軸方位を同時に演算する演算部とを備えると共に、
    上記演算部は、上記直流成分をIDCとし、上記交流成分
    に相当する2つの直交成分をIx及びIyとし、上記試
    料の複屈折位相差をΔとし、その複屈折主軸方位をψと
    したとき、その複屈折位相差Δ及び複屈折主軸方位ψ
    を、 【数2】 の計算式で演算するように設定されたことを特徴とする
    複屈折測定装置。
  12. 【請求項12】 前記光源は軸ゼーマンレーザから成る
    請求項1記載の複屈折測定装置。
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