JP2827325B2 - 液晶樹脂複合体の製造法及びそれを用いた液晶光学素子 - Google Patents

液晶樹脂複合体の製造法及びそれを用いた液晶光学素子

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は液晶と樹脂の硬化物との相分離を固定する液
晶樹脂複合体の製造法及びそれを用いた透過散乱型の液
晶光学素子に関するものである。
[従来の技術] 近年、液晶を多孔体に含浸させたり、液晶をマイクロ
カプセル中に封入して、液晶が樹脂マトリクス中に分散
保持された液晶樹脂複合体を用いて液晶光学素子とし、
電界印加の有無により液晶の屈折率を変化させ、樹脂マ
トリクスの屈折率との関係を調節することにより、透過
と散乱とを制御する液晶光学素子が注目されてきてい
る。
具体的には、J.L.Fergasonらがポリビニルアルコール
を使ってマイクロカプセル化したネマチック液晶により
(特表昭58−501631号)、またK.N.Pearlmanらは種々の
ラテックス取り込み液晶により(特開昭60−252687
号)、またJ.W.Doaneらは、エポキシ樹脂中に液晶を分
散硬化させる方法(特表昭61−502128号)で作成してい
る。
[発明の解決しようとする課題] 液晶樹脂複合体を液晶光学素子として用いる場合、液
晶が樹脂マトリクス中に分散保持される構造が、用いら
れる用途に応じて必要となる。しかしながら、従来の液
晶樹脂複合体の製造法では、自由に系の構造を制御する
ことが困難であり、光学素子として充分な機能を発揮し
えないといった問題点を有していた。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、液晶と未硬化の光硬化性樹脂との混合物を光硬化す
ることにより、液晶と樹脂の硬化物との相分離を固定し
て、液晶が樹脂マトリクス中に分散保持された液晶樹脂
複合体を製造する液晶樹脂複合体の製造法において、混
合物における液晶の体積分率CLCが混合物の相図上の相
溶−非相溶線と相溶−液晶析出線との交点Qにおける液
晶の体積分率CQと下記式(1)を満足し、 CQ−0.05<CLC<0.75 (1) 混合物を光硬化させる温度To(℃)が、相溶−非相溶線
または相溶−液晶析出線よりも0.2〜1℃低い温度であ
ることを特徴とする液晶樹脂複合体の製造法、及び、そ
の製造法において、液晶が正の誘電異方性を有するネマ
チック液晶であり、液晶の常光屈折率(no)と得られる
樹脂マトリクスの屈折率が一致するように選ばれた光硬
化性樹脂を使用することを特徴とする液晶樹脂複合体の
製造法、及び、それらの製造法において、光硬化性樹脂
のモノマーとオリゴマーとの比を15:85〜90:10の範囲内
で調整して溶解物とすることを特徴とする液晶樹脂複合
体の製造法、及び、それらの製造法で得られた液晶樹脂
複合体を一対の電極付基板間に挟持したことを特徴とす
る液晶光学素子を提供するものである。
本発明では、液晶と未硬化の光硬化性樹脂との混合物
に光照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させ、同
時に生じる溶解性の低下により、液晶を樹脂中から析出
させ、その相分離構造を固定化することにより、液晶が
樹脂マトリクス中に分散保持された液晶樹脂複合体を得
ることができる。
本発明では、電圧を印加していない状態で、光照射に
より硬化させられた光硬化性樹脂による樹脂マトリクス
の屈折率が、液晶の常光屈折率(no)と一致するように
される。
これにより、本発明の液晶樹脂複合体を一対の電極付
基板間に挟持した素子では、電界が印加されていない場
合は、配列していない液晶の屈折率と、樹脂マトリクス
の屈折率との違いにより、散乱状態(つまり白濁状態)
を示し、また電界を印加した場合は、液晶が配列し、液
晶の常光屈折率(no)と光硬化により得られた樹脂マト
リクスの屈折率とが一致することにより透過状態を示す
ものであり、可逆的な透過−散乱特性機能をもつ。
なお、本発明ではこの樹脂マトリクスの屈折率と、使
用する液晶の常光屈折率(no)とを一致させるものであ
り、この一致とは完全に一致させることが好ましいもの
であるが、透過状態に悪影響を与えない程度に、ほぼ一
致するようにしておけば良い。
本発明で使用される光硬化樹脂としては、硬化後は液
晶と相溶性を有さない光硬化性樹脂が使用できる。この
光硬化性樹脂としては、それ自身が光反応性をもつも
の、光照射によって生成した物質により硬化が誘起され
るもの、具体的には、光照射によって分解硬化するも
の、重合硬化するもの等公知の種々のものが使用でき
る。
中でも、光硬化性ビニル系樹脂が好ましい。特に、そ
れらのモノマーとオリゴマーとを組み合わせて用い、相
図の所望の形状に設定すれば良い。
この光硬化性樹脂は、単独もしくは複数混合して用い
てもよく、光硬化開始剤、その他液晶樹脂複合体作成に
必要な改質剤、作成した液晶樹脂複合体の改質剤などを
含んでいてもよい。具体的には、架橋剤、界面活性剤、
希釈剤、増粘剤、消泡剤、接着性付与剤、安定剤、重合
促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤などを含んでいてよ
い。
また、光硬化開始剤は、ベンゾインエーテル系、ベン
ゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系な
どが例示される。
本発明で使用される液晶は、ネマチック液晶、スメク
チック液晶等があり、単独で用いても組成物を用いても
良いが、動作温度範囲、動作電圧など種々の要求性能を
満たすには組成物を用いた方が有利といえる。特に、ネ
マチック液晶の使用が好ましい。
また、使用される液晶物質は、光照射後の樹脂マトリ
クスとは溶解しない、もしくは溶解困難なものが必要で
あり、組成物を用いる場合は、個々の液晶の溶解度がで
きるだけ近いものが望ましい。
本発明の液晶樹脂複合体を製造する際、未硬化の光硬
化性樹脂と液晶とは、その混合物の液晶の体積分率CLC
が、相図上の相溶−非相溶線と相溶−液晶析出線との交
点Qにおける液晶の体積分率CQと下記の式(1) CQ−0.05<CLC<0.75 (1) の関係を満足すればよい。
これは、液晶樹脂複合体では、サブミクロン〜ミクロ
ンオーダーの液晶粒が樹脂マトリクス中に分散保持され
ていることが必要であり、その粒径がより均一であるこ
とがコントラスト比、低電圧駆動特性等の電気光学特性
の向上において必要なためである。
本発明においては、未硬化状態の樹脂と液晶との混合
物は、一般に高温において均一溶解状態(透明)、低温
においては白濁状態か液晶相となるが、その温度はその
組成により異なり、一般に第1図に示すような相図とな
る。
第1図において、は相溶領域(均一溶解状態)、
は非相溶領域または液晶相の領域であり、Aの線は相溶
−非相溶線であり、均一溶解状態(透明溶液状態)から
白濁状態となる点、Bの線は相溶−液晶析出線であり、
均一溶解状態から液晶が析出してきて液晶と等方性液体
が混在し始める点を示している。なお、点Qはこの相溶
−非相溶線Aと相溶−液晶析出線Bとの交点である。
この線A、Bの位置関係は、液晶のネマチック−等方
性転移点TNI、液晶と未硬化の光硬化性樹脂との相溶
性、液晶及び未硬化の光硬化性樹脂の分子量等により変
化する。
液晶体積分率CLCは点Qにおける体積分率CQとCQ−0.0
5<CLC<0.75を満足するようにされる。CLC≦CQ−0.05
とすると、動作液晶量が少ないので、液晶光学素子を低
電圧で駆動しにくくなる。0.75≦CLCとすると液晶光学
素子としての散乱能が小さくなるため好ましくない。
また、光硬化の際の温度も重要な要因である。具体的
には、この溶解物を光硬化させる温度To(℃)が、相溶
−非相溶線Aまたは相溶−液晶析出線Bよりも0.2〜1
℃低い温度とされる。この領域で光硬化させることによ
り、硬化後、比較的大きな液晶粒径の液晶樹脂複合体が
形成でき、低電圧で駆動が可能になる。
このため、相図において液晶体積分率と硬化温度を上
記範囲に設定すれば、樹脂マトリクス中に比較的に大き
な液晶粒が分散していて、散乱−透過の電気光学特性の
よい液晶樹脂複合体を得ることができる。
さらには、液晶の組成、未硬化の光硬化性樹脂の組
成、それら混合割合、硬化時の温度、照射光量等を、さ
らに細かく設定することにより、液晶の粒径及び液晶粒
の密度を制御することもできる。
光硬化性樹脂のモノマー、オリゴマーの比によても、
この相図を大きく変化させることができるため、モノマ
ー、オリゴマーの比を15:85〜90:10程度に変化させて所
望の電気光学特性を得るようにできる。
これは、モノマーとオリゴマーとは異なった分子量を
持ち、液晶との相溶性も異なるため、それらを併用する
ことにより、容易に相図を変化させることができるため
である。
換言すれば、未硬化状態で、混合物の相溶性を制御す
ることができるということであり、さらには硬化後に得
られる液晶樹脂複合体の液晶−樹脂マトリクスの分離構
造をも制御しうることになる。
オリゴマーの分子量は通常モノマーの分子量の数倍以
上あるので、液晶との相溶性は、オリゴマーの方がモノ
マーよりも低い。このため、オリゴマー/モノマー比を
増加させると、相図の相溶−非相溶線のピーク点である
臨界点Pは、図中左側(CLCの低い側)に移動する。な
お、臨界点Pは、Aの線とBの線との相対的関係によ
り、明確に観察されないこともある。
また、上記の説明では、液晶が完全に球形の液泡を形
成しているかの如く説明したが、これは完全に球形でな
くてもよいし、個々の液泡が独立していなく、連通して
いるものであってもよい。この液晶の粒径は、液晶がほ
ぼ球状の液泡を形成している場合には、その直径をあら
わし、液晶が多孔質の連通構造を有する場合には、液晶
のディレクタが互いに相関を持つ領域の直径をあらわ
す。
本発明の液晶樹脂複合体は、例えば、In2O3−SnO2(I
TO)、SnO2等の透明電極付のガラス、プラスチック等の
基板間に挟持させて液晶光学素子とされる。この液晶光
学素子の製法としては、一対の電極付基板を相対向する
ように配して周辺をシールして空セルを形成し、注入口
から液晶と未硬化の光硬化性樹脂の混合物を注入し、注
入口を封止して、光照射して光硬化性樹脂を硬化させて
相分離してもよいし、一方の電極付基板上に混合物を供
給し、他方の電極付基板を重ねて、光照射して光硬化性
樹脂を硬化させて相分離してもよい。
この基板間ギャップは、5〜100μmにて動作するこ
とができるが、印加電圧、オン・オフ時のコントラスト
を配慮すれば、7〜40μmに設定することが適当であ
る。
樹脂マトリクスの屈折率を液晶の常光屈折率noと一致
させているので、光照射後は配列していない液晶と樹脂
マトリクスによる屈折率散乱のため白濁状態となる。こ
うして作成した本発明の液晶光学素子は、電圧印加する
ことにより、液晶が配列し、樹脂マトリクスと屈折率が
一致するため透過状態となる。
本発明では、さらに溶解物中に顔料や色素、ガラス粒
子、プラスチック粒子、セラミック粒子等の間隙制御用
のスペーサーを添加したり、基板に着色基板を使用した
り、カラーフィルターを積層したりすることもできる。
本発明では、液晶物質と未硬化の光硬化性樹脂の混合
物を使用し、光照射により光硬化性樹脂を硬化させるた
め、硬化時に不要となる溶媒や水を蒸発させる必要がな
い。このため、密閉系で硬化できるため、信頼性が高
く、かつ、光硬化性樹脂で2枚の基板を接着する効果も
有するため、シール材を不要にすることもできる。
このような液晶樹脂複合体を使用することにより、大
面積にしても、上下の透明電極が短絡する危険性が低
く、かつ、通常のツイストネマチック型の表示素子のよ
うに配向や基板間隙を厳密に制御する必要もなく、大面
積を有する液晶光学素子も極めて生産性良く製造でき
る。
このような液晶光学素子は、表示素子としても使用可
能であるし、大面積化が容易であること及び後で切断し
て所望のサイズにできること等から調光体としても好適
である。
この場合、電極の一部に低抵抗化するための金属リー
ド部を併設したりしてもよいし、調光鏡として使用する
場合には、一方の電極を反射電極としてもよい。
この液晶光学素子は、基板がプラスチックや薄いガラ
スの場合にさらに保護のためにプラスチックやガラス等
の補強板を積層したり、基板を強化ガラス、合せガラ
ス、線入ガラス等にしてもよい等種々の応用が可能であ
る。
この液晶光学素子を用い、駆動手段を付加した調光体
の用途としては窓、天窓、間仕切り、扉等の建築材料、
窓、ムーンルーフ等の車両用材料、各種電気製品用のケ
ース、ドア、蓋等の材料がある。
また、この調光体を使用して、種々の物体を配置する
配置手段と組み合せることにより、各種商品を展示する
ショーウインドウ、ショーケース等の物体展示体に使用
することもできる。これには、ショーケースに使用して
通常は白濁して中が見えないが、電圧を印加して透明に
すれば中が見えるというような応用もある。
また、液晶光学素子を文字や図形を表示するという表
示装置にも使用できる。例えば、大型の公衆表示にも好
適であるし、基板の一方をTFT等の能動素子を画素毎に
形成したアクティブマトリクス基板とした高密度表示素
子にも使用できる。
本発明の液晶光学素子は、電圧を印加する時には、液
晶の配列が変化するような交流電圧を印加すればよい。
具体的には、5〜100Vで10〜1000Hz程度の交流電圧を印
加すればよい。
また、電圧を印加しない時には、電極間をオープンに
するか短絡すればよい。もちろん、液晶樹脂複合体が散
乱状態に保たれる程度の低電圧が印加されていてもよ
い。さらには、電圧−透過率曲線が緩やかであるので、
中位の電圧を印加して階調表示もできる。
[作用] 未硬化状態の樹脂と、液晶との混合物に光を照射する
ことにより、樹脂が硬化し、分子量が大きくなるため、
液晶との相溶性が低下し、液晶が独立に析出して、液晶
が樹脂マトリクス中に分散された液晶樹脂複合体とな
る。
この際に、相図上のどの点から光硬化−相分離を生じ
させるかにより、得られた液晶光学素子の特性が変化す
る。このため、本発明では、混合物における液晶の体積
分率CLCが、混合物の相図上の相溶−非相溶線Aと相溶
−液晶析出線Bとの交点Qにおける液晶の体積分率CQ
CQ−0.05<CLC<0.75なる関係を満足し、混合物を光硬
化させる温度To(℃)が、相溶−非相溶線または相溶−
液晶析出線よりも0.2〜1℃低い温度で硬化されるよう
にされる。これにより、粒径が比較的に大きい液晶樹脂
複合体が得られ、低電圧で駆動可能な液晶光学素子が得
られる。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1〜3、比較例1、2 一対のITO付ガラス基板を14μmの間隙で注入口を除
いて周辺でシールし、空セル形成した。
液晶としてBDH社製「E−8」、未硬化の光硬化製樹
脂としてアクリル系モノマーとウレタン系オリゴマー
(モノマー:オリゴマー=50:50)、光硬化開始剤とし
てメルク社製「ダロキュアー1116」を用いた混合物を、
液晶体積分率CLCを変えて、5種類製造した。(CLC
0.35)、(CLC=0.55)、(CLC=0.60)、(CLC
=0.65)、(CLC=0.80)した。なお、この光硬化前
の混合物の点Qにおける液晶体積分率CQは約0.55であっ
た。
これら5種類の液晶混合物を前記空セルに注入して、
注入口を封止した。次いで、相溶−非相溶線または相溶
−液晶析出線よりも0.5℃低い温度で60秒間紫外線を照
射して、光硬化性樹脂を硬化させるとともに、樹脂と液
晶の相分離を起こさせ、液晶樹脂複合体を電極付基板間
に挟持した液晶光学素子を製造した。
この液晶光学素子の内、の3個は本発明の実施
例にあたり、いずれも光硬化した時点で、散乱状態(白
濁状態)であり、この電極間に交流電圧(AC30V,50Hz)
を印加したところ透明な状態になり、電圧印加を止めた
ところ散乱状態にもどり、充分な散乱−透過特性が得ら
れた。
これに対し、はCLC=0.35であり、CQ(0.55)より
も0.20も低いものであり、硬化直後はほとんど透明であ
り、数日後に球晶状物が現われるというような不安定な
ものであった。
また、はCLC=0.80であり、硬化後に散乱状態にな
ったが、散乱度(白濁度)が低く不充分なものであっ
た。
比較例3、4 実施例1の(CLC=0.55)を用い、よりも約35℃
高い温度(比較例3)、または、よりも約10℃高い温
度(比較例4)で硬化させた。
比較例3の液晶光学素子は、光硬化後、電圧を印加し
ない状態でほとんど透明となり、電圧による散乱−透過
の制御がほとんどできないものであった。
比較例4の液晶光学素子は、光硬化後、散乱状態とな
り、電圧により散乱−透過の制御ができるものであった
が、実施例2()のものに比して、低電圧駆動特性が
劣るものであった。
比較例5 実施例1の(CLC=0.60)を用い、よりも約7℃
低い温度で硬化させた。
この液晶光学素子は、光硬化後、おおむね散乱状態で
あったが、均一性が悪く、あちこちに数百μm径程度の
透明な部分が散在しているものであった。
このように、本発明の範囲外で製造したものは、散乱
性が不充分であったり、低電圧での駆動特性が劣るもの
であった。
[発明の効果] 以上の如く、本発明液晶樹脂複合体の製造法を提供す
るものであり、液晶と未硬化の光硬化性樹脂との混合物
を光硬化することにより、液晶と樹脂の硬化物との相分
離を固定して、液晶が樹脂マトリクス中に分散保持され
た液晶樹脂複合体を製造する液晶樹脂複合体の製造法に
おいて、混合物における液晶の体積分率CLCが混合物の
相図上の相溶−非相溶線と相溶−液晶析出線との交点Q
における液晶の体積分率CQと下記式(1)を満足し、 CQ−0.05<CLC<0.75 (1) 混合物を光硬化させる温度To(℃)が、相溶−非相溶線
または相溶−液晶析出線よりも0.2〜1℃低い温度であ
ることを特徴とする液晶樹脂複合体の製造法である。
これにより、液晶と未硬化の光硬化性樹脂とが、この
特定の温度範囲で、硬化させられるため、液晶粒径が比
較的大きく、低電圧で駆動可能な散乱−透過の電気光学
特性のよい液晶樹脂複合体を得ることができる。
また、この相図を変化させることにより、所望の液晶
粒径、密度の液晶樹脂複合体を容易に製造できる。特
に、オリゴマーとモノマーとの比率を変えることによ
り、容易にこれに対応できる。
この液晶樹脂複合体を、電極付基板間に挟持すること
により、透過−散乱制御型の液晶光学素子を容易に得ら
れる。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で
種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一般的な未硬化状態の樹脂と液晶との混合物
の相図。 A:相溶−非相溶線 B:相溶−液晶析出線 P:臨界点 Q:線Aと線Bとの交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1333

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶と未硬化の光硬化性樹脂との混合物を
    光硬化することにより、液晶と樹脂の硬化物との相分離
    を固定して、液晶が樹脂マトリクス中に分散保持された
    液晶樹脂複合体を製造する液晶樹脂複合体の製造法にお
    いて、混合物における液晶の体積分率CLCが混合物の相
    図上の相溶−非相溶線と相溶−液晶析出線との交点Qに
    おける液晶の体積分率CQと下記式(1)を満足し、 CQ−0.05<CLC<0.75 (1) 混合物を光硬化させる温度To(℃)が、相溶−非相溶線
    または相溶−液晶析出線よりも0.2〜1℃低い温度であ
    ることを特徴とする液晶樹脂複合体の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液晶樹脂複合体の製造法に
    おいて、液晶が正の誘電異方性を有するネマチック液晶
    であり、液晶の常光屈折率(no)と得られる樹脂マトリ
    クスの屈折率が一致するように選ばれた光硬化性樹脂を
    使用することを特徴とする液晶樹脂複合体の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の液晶樹脂複合体の
    製造法において、光硬化性樹脂のモノマーとオリゴマー
    との比を15:85〜90:10の範囲内で調整して溶解物とする
    ことを特徴とする液晶樹脂複合体の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の液晶樹脂複
    合合体の製造法で得られた液晶樹脂複合体を一対の電極
    付基板間に挟持したことを特徴とする液晶光学素子。
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