JP2822592B2 - 楽音再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、楽音情報及び歌詞情報を格納した記憶媒体
を備えるカラオケ再生装置、特にカラオケ曲毎の楽音再
生及び歌詞表示における改良を行ったカラオケ再生装置
に関する。

［従来の技術］ 近年、多数の楽曲の楽音情報をデジタルデータとして
装置本体内に設けられら楽音情報記憶媒体（ハードディ
スクなど）に予め格納しておき、この格納された楽音情
報を選択的に読み出し、この読出し情報を楽音再生機構
によって再生する楽音再生装置が開発されている。そし
て、このような楽音再生装置は、カラオケ装置の分野に
応用され、その利用度が高まってきている。

上記のような楽音情報記憶媒体に格納されるデータと
したMIDI（Musical Instrument Digital Interface
（「MIDI」は登録商標）情報を用いたものも出願されて
いる。これは、国際的に規格化された情報で、着色，音
程，音量などを示す情報である。すなわち、このMIDI情
報を読み出し、MIDIインタフェースを介してシンセサイ
ザーなどの楽音再生手段によって所定の伴奏音楽を再生
するようにしている。

このような楽音情報記憶媒体を用いたカラオケ装置に
おいては、例えば歌い手が希望する曲を選択すると、通
常その曲をフルコーラス（一般に１番から３番まで）歌
えるようにその伴奏音が再生される仕組となっている。

また、近年のカラオケ装置では、カラオケ伴奏の他に
背景映像を画像表示する機構も備えられており、その表
示画像には、上記楽音情報記憶媒体に楽曲毎に格納され
た歌詞情報に基づき、これを画像信号に変換して背景映
像と共に表示画面上に映し出すことが行われている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記カラオケ装置などの楽音再生装置
では、歌い手などの使用者は、希望する楽曲を選択する
ことができるのみであり、再生される伴奏音や画像表示
される歌詞は、楽音情報として格納された順序、すなわ
ち前奏部から始まり、各コーラス部（歌の各番）各コー
ラス毎の間奏部、さらに後奏部などの順で再生される。

従って、歌い手が、歌うコーラスの順番を任意に変え
て歌うことは、表示される歌詞などが適合しなくなるた
めに困難であった。

しかしながら、カラオケでは、流行曲などは短時間で
何度も再生され、聞き手側にとっては、飽きてしまうこ
とが多く、また歌い手側にとっても歌う順番を変えて歌
いたいなどの変化を希望する場合がある。

このような状況において、歌い手の希望するコーラス
順で、各コーラス部の伴奏並びに間奏音楽を再生し、か
つ歌詞表示もその順番に適合させたいという課題が生じ
ていた。

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あり、その目的は、一曲のカラオケ曲の再生において、
変更されたコーラス順に従って流れを悪化させることな
く伴奏音の再生し、変更されたコーラス順で対応する歌
詞を表示できる楽音再生装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明に係るカラオケ再
生装置は、楽曲記憶手段、入力手段、制御データ記憶手
段、制御手段、楽音再生手段、映像変換手段からなるカ
ラオケ再生装置であって、楽曲記憶手段は、前奏部、複
数のコーラス部、１以上の間奏部、後奏部に区分された
楽音情報と、各コーラス部に対応する歌詞情報と、区分
の再生順序を指定する制御データを記憶し、入力手段、
コーラス部の再生順序を指定し、制御データ記憶手段
は、指定されたコーラス部の再生順序に基づいて、コー
ラス部の再生順序のみを変更した制御データを記憶し、
制御手段は、制御データ記憶手段の記憶する制御データ
の再生順序に基づいて楽音情報、歌詞情報を順次読み出
し、楽音再生手段は、読み出される楽音情報を再生し、
映像変換手段は、読み出される歌詞情報を歌詞表示手段
に出力するように変換を行うことを特徴とする構成とな
っている。

［作 用］ 上記構成のカラオケ再生装置では、楽曲記憶手段に、
前奏部、複数のコーラス部、１以上の間奏部、後奏部に
区分された楽音情報と、各コーラス部に対応する歌詞情
報と、区分の再生順序を指定する制御データとが記憶さ
れ、使用者が、入力手段によりコーラス部の再生順序を
指定すると、制御データ記憶手段は、指定されたコーラ
ス部の再生順序に基づいて、コーラス部の再生順序のみ
を変更した制御データを記憶し、制御手段は、制御デー
タ記憶手段の記憶する制御データの再生順序に基づいて
楽音情報、歌詞情報を順次読み出し、楽音再生手段は、
読み出される楽音情報を再生し、映像変換手段は、読み
出される歌詞情報を歌詞表示手段に出力するように変換
を行う。

従って、１つの楽曲について、通常のコーラス順では
なく、所望により変更したコーラス順で、かつ、コーラ
ス順の変更にもかかわらず前奏部、間奏部、後奏部は所
定通り再生することができるので、再生音楽の悪化を伴
うことなく所望の変更を行うことができる。

これにより、カラオケ装置などにおいて、上記区分情
報を前奏部、各コーラス部、各間奏部及び後奏部にそれ
ぞれ区切って構成すれば、使用者は任意にコーラス部の
再生順を変更して楽音再生させることが可能となる。

また、各コーラス部の情報と共に歌詞情報を格納して
おけば、使用者の歌いたい順番で対応するコーラスの歌
詞の画像表示を行うこともできる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本発明に係るカラオケ再生装置
の実施例を具体的に説明する。

第１図は、本発明のカラオケ情報記憶媒体に格納され
る一部分のカラオケ情報のデータ構成の一例を示してい
る。

この格納された情報は、カラオケ情報部10と制御デー
タ部12とからなっている。カラオケ情報部10は、本実施
例の場合、前奏部14、第１コーラス部16、第１間奏部1
8、第２コーラス部20、更に第２間奏部及び第３コーラ
ス部（図示省略）及び後奏部22とからなっている。

また、制御データ部12は、曲番を示すデータD01及び
当該楽曲の前奏部14の先頭指示データのアドレスを示す
D02、その終了指示データのアドレスを示すD03、第１コ
ーラス16の先頭指示データのアドレスを示すデータD04
及びその終了指示データのアドレスを示すD05、第１間
奏部18の先頭指示データのアドレスを示すデータD06及
びその終了指示データのアドレスを示すデータ07、第２
コーラス20の先頭指示データのアドレスを示すデータD0
8及びその終了指示データのアドレスを示すD09のように
順次区分情報毎の指示データのアドレスを示すデータが
格納され、最後の後奏部22の先頭指示データのアドレス
を示すD14及び楽曲の終了指示データのアドレスを示すD
15までのデータが格納されている。

なお、カラオケ情報部10の各区分情報にそれぞれ格納
されたデータD20は、それぞれの情報の先頭指示デー
タ、データD30はそれぞれの情報の終了指示データ、デ
ータD40は音符データ、そして、データD50は歌詞データ
についての情報である。

このように、全ての楽曲のカラオケ情報は、曲番号デ
ータD01で始まり、選曲の際、中央処理部はこのデータ
に基づいて検索を行う。そして、各区分情報は、それぞ
れの先頭指示データD20及び終了指示データD30によって
識別されるようになっている。

第２図は、本発明装置を応用したカラオケ装置の一例
を示す概略ブロック図であり、多数の楽曲のカラオケ情
報は、カラオケ情報記憶媒体としての楽曲記憶手段26に
格納されている。この楽曲記憶手段26は、例えばカラオ
ケ装置本体内に組み込まれるハードディスクなどによっ
て構成されている。そして格納される各楽曲のカラオケ
情報は、上記第１図に示したようなカラオケ情報データ
である。

楽曲記憶手段26には中央制御部28が接続されており、
更にこの中央制御部28には入力手段30が接続されてい
る。入力手段30は、コーラス再生順序入力手段として機
能し、所望の曲番を指定する操作キー及び歌い手が希望
するコーラスの順序を指定するキーなどを有している。

この入力手段30によって選択指定された曲番並びにコ
ーラスの再生順序は、中央制御部28に送出される。この
中央制御部28は、中央処理部並びに制御部としての機能
を有する。

中央制御部28は、RAMなどにて構成され、位置記憶手
段32が接続され、中央制御部28から送られる制御データ
（D01〜D15）を記憶する。

また、中央制御部28には楽音再生手段34及び映像回路
36が接続されている。楽音再生手段34は、楽音情報を受
けこれをアナログの音声信号34aに変換するものであ
り、映像回路36は歌詞情報などを映像信号36aに変換す
るものである。楽音再生手段34は、オーディオアンプ38
を介してスピーカ40に接続されている。また、映像回路
36は表示手段42に接続されている。そして、オーディオ
アンプ38には歌い手の声を入力するためのマイクロホン
44が接続され、また表示手段42には背景映像を表示する
ための背景映像発生手段（図示せず）が接続されてい
る。

上記構成のカラオケ装置による本発明の特徴的動作に
ついて、第３図に示したフローチャートに基づき説明す
る。

まず、入力手段30にて、歌いたい曲の曲番指定が行わ
れる（S1）。

そして、この時歌う楽曲のコーラス順を変更するか否
かが判断される（S2）。すなわち、入力手段のコーラス
順変更指示キーが操作されたか否かが判断され、操作さ
れた場合（S2がYes）、その後のキー操作に基づいて再
生する順序が登録される（S3）。すなわち、キー操作に
より変更順が指示され、更にその登録キーが押されると
入力手段30内に設けられる入力バッファ（図示せず）に
一旦格納されるものである。

そして、次にこの入力バッファに一旦格納された曲番
並びに区分情報の再生順序の情報が中央制御部28にて読
み出され（S4）、中央制御部28はその再生順に対応し
て、それぞれの区分情報の先頭指示データD20及び終了
指示データD30のアドレスデータであるD02〜D15、を指
定された順序に従って位置記憶手段32に記録する（S
5）。

例えば、１つの楽曲を第２コーラス、第３コーラス、
第１コーラスの順で再生することが登録されている場合
には、位置記憶手段32には制御データが、曲番を示すD0
1から始まり、前奏部14の指示データのアドレスを示す
制御データD02、D03→第２コーラス20の指示データのア
ドレスを示す制御データD08、D09→第１間奏部18の指示
データのアドレスを示す制御データD06、D07…のような
順序で記録される。これによって、指定されたコーラス
順で一曲分が前奏から後奏まで連続して再生されるよう
に制御データが入力されるものである。

そして、使用者の再生スタート指示等を受け、中央制
御部28は、位置記憶手段32に一旦記憶した制御データの
順番にその示されたアドレスを指標として各区分情報
（前奏部14や第１コーラス16など）を楽曲記憶手段26か
ら順次連続的に読み出し楽音再生手段34に送出する（S
6）。

また、このとき歌詞データD50については映像回路36
にその指定されたコーラスの順序に従って送出される
（S6）。そして、楽音再生手段34にて変換されて音声信
号34aはオーディオアンプ34、更にスピーカ40に送ら
れ、マイクロホン44からの歌い手の歌と共に再生音とし
て発せられる（S7）。また、再生される各コーラスの伴
奏に同期して歌詞が表示手段42に表示される。

なお、S2においてコーラス順の変更がない場合（S2が
No）、中央制御部28は通常の順序で制御データ部12から
各制御データを読み出し（S8）、これを順次位置記憶手
段32に記録する（S9）。そして、上記S6及びS7と同様の
動作によって再生が行われる。

以上のように本実施例に係るカラオケ装置によれば、
歌い手などの使用者は、１つの楽曲について、通常のコ
ーラス順ではなく、所望により変更したコーラス順で一
曲を歌うことができる。そして、このコーラス順の変更
にかかわらず前奏部、間奏部、更に後奏部は所定通り再
生することができるので、再生音楽の悪化を伴うことな
く所望の変更を行うことができる。

なお、一曲のカラオケ情報を区切る範囲は、更に細分
化し、各コーラスを再分割することも可能であり、その
ような場合には分割した各情報毎の前後に指示データが
記録されることとなる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係るカラオケ再生装置
によれば、各楽曲の楽音情報を前奏部、複数のコーラス
部、１以上の間奏部、後奏部に区切り、その区切られた
区分情報の内、コーラス部の区分情報を任意の順序に変
更し、前奏部、間奏部、後奏部は所定通りに再生するこ
とができる。従って、前奏部から後奏部までを連続して
カラオケ再生することができるので、再生音楽の悪化を
伴うことがない。従って、一曲の楽曲再生において変化
を得ることができ、使用者において同一の曲に対して異
なった感覚を得ることができ、カラオケ再生装置の娯楽
性が高められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は記憶媒体に格納される一曲分のカラオケ情報の
データ構成の一実施例を示す説明図、第２図は本発明装
置を応用したカラオケ装置の一例を示す概略ブロック
図、第３図は第２図のカラオケ装置の動作を示すフロー
チャート図である。 10……楽音情報部、12……制御データ部、 14……前奏部、16……第１コーラス、 18……第１間奏部、20……第２コーラス、 22……後奏部、 D01〜D05……制御データ、 26……楽曲記憶手段、28……中央制御部、 30……入力手段、32……位置記憶手段、 34……楽音再生手段、36……映像回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】楽曲記憶手段（26）、入力手段（30）、制
   御データ記憶手段（32）、制御手段（28）、楽音再生手
   段（34）、映像変換手段（36）からなるカラオケ再生装
   置であって、 楽曲記憶手段（26）は、前奏部、複数のコーラス部、１
   以上の間奏部、後奏部に区分された楽音情報と、各コー
   ラス部に対応する歌詞情報と、区分の再生順序を指定す
   る制御データを記憶し、 入力手段（30）は、コーラス部の再生順序を指定し、 制御データ記憶手段（32）は、指定されたコーラス部の
   再生順序に基づいて、コーラス部の再生順序のみを変更
   した制御データを記憶し、 制御手段（28）は、制御データ記憶手段（32）の記憶す
   る制御データの再生順序に基づいて楽音情報、歌詞情報
   を順次読み出し、 楽音再生手段（34）は、読み出される楽音情報を再生
   し、 映像変換手段（36）は、読み出される歌詞情報を歌詞表
   示手段（42）に出力するように変換を行う カラオケ再生装置。