JP2821791B2 - 部分的に脱水素した脂肪酸及び脂肪酸誘導体の製造法 - Google Patents

部分的に脱水素した脂肪酸及び脂肪酸誘導体の製造法

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JP2821791B2 JP8377290A JP8377290A JP2821791B2 JP 2821791 B2 JP2821791 B2 JP 2821791B2 JP 8377290 A JP8377290 A JP 8377290A JP 8377290 A JP8377290 A JP 8377290A JP 2821791 B2 JP2821791 B2 JP 2821791B2
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真美 川成
寛昭 小西
均 佐藤
栄 日向野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ゴム、樹脂用をはじめ、医薬品、洗剤、界
面活性剤等の脂質製品の原材料として広範に利用される
脂肪酸及び脂肪酸誘導体(ただし、食用油脂を除く)を
部分的に脱水素する脂肪酸及び脂肪酸誘導体(ただし、
食用油脂を除く)の製造法に関する。
技術的背景 油脂を加水分解して得られる脂肪酸は一般に直鎖状
で、カルボキシル基1個をその端に持ち、総炭素数は偶
数である。これらの脂肪酸は大別して飽和酸と不飽和酸
に分類される。
それぞれの脂肪酸は吸着法や蒸留法などによって精製
され、石鹸、界面活性剤、医薬品、化粧品、ワックス類
など極めて広い分野に原料として供給されている。例え
ば、脂肪酸の1種であるステアリン酸は、天然ゴムや合
成ゴム、化粧品などへ、また、パルミチン酸は化粧用ク
リーム、口紅、軟膏基剤などへ用いられている。さら
に、脂肪酸誘導体である低級脂肪酸メチルエステルは香
料や溶剤などに、また、ミリスチン酸のイソプロピルエ
ステルはクリーム類、髪油などの化粧品に用いられてい
る。
従来、バクテリアや植物による不飽和脂肪酸の生産
は、一般に飽和脂肪酸の生合成に続きその炭素鎖上にあ
る特定な点で二重結合の挿入によて進行することが知ら
れている。このようなバクテリアなどによる脱飽和(す
なわち、脱水素)は、しばしば電子担体とイオンを含む
複雑なミクロゾームの複合オキシダーゼシステムにより
引き起こされ、例えばサッカロミセス・セレビシアによ
るパルミチン酸からパルミトレイン酸への転換が報告さ
れている〔サイエンス テクニカル サーベイス「CIEN
SE & TECHNICAL SURVEYS」No.12〕。
ところで、近年、水素貯蔵合金が開発され、形状記憶
合金と共にその応用が注目されてきている。水素貯蔵合
金は、現在、自動車、ヒートポンプ及び室内の冷暖房等
の分野で利用されているが、水素貯蔵合金にはたとえば
LaNi5、Mg2Ni等多くの種類があって、合金の水素ガス貯
蔵量、排出圧力および排出温度等の機能は、その構成金
属によって異なるため、その利用にあたっては合金の選
択が重要となる。
しかし、脂肪酸及び脂肪酸誘導体(ただし、食用油脂
を除く)を部分的に脱水素反応する際に、水素貯蔵合金
を利用する技術については従来全くおこなわれておら
ず、報告もみられない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、微生物などによる脱飽和と異なり、水素貯
蔵合金を用いて脂肪酸及び脂肪酸誘導体(ただし、食用
油脂を除く)(以下、同様である)を部分的に脱水素反
応(脱飽和)させることにより、不飽和度を高くした
(例えば、オレイン酸、リノール酸やそれらの誘導体
(メチルエステルなど)をリノール酸、リノレン酸やそ
れらの誘導体へ不飽和度を上げた)脂肪酸、脂肪酸誘導
体(ただし、食用油脂を除く)を製造するための方法を
提供することを課題とする。
課題を解決するための手段 本発明の特徴は、脂肪酸及び、食用油脂を除く脂肪酸
誘導体を部分的に脱水素反応するに際し、予め活性化さ
せたR(Yを含む希土類元素もしくはカルシウム元素)
及びNiを必須元素とした六方晶のCaCu5型の結晶構造を
有する化合物を主相として含む水素貯蔵合金を用い、該
脂肪酸及び脂肪酸誘導体を部分的に脱水素することによ
って、該脂肪酸及び脂肪酸誘導体より不飽和度が高ま
り、部分的に脱水素されてなる脂肪酸及び脂肪酸誘導体
(ただし、食用油脂を除く)を製造することにある。
本発明においては、脂肪酸及び脂肪酸誘導体と予め活
性化処理を施した水素貯蔵合金を反応槽に入れ、脱気後
100℃における圧力を0〜10kg/cm2になるように水素を
吸蔵させ、必要であれば、アルゴン等の不活性ガスを0
〜3kg/cm2封入し、撹拌しながら脂肪酸及び脂肪酸誘導
体を30〜200℃程度の温度に、1〜90分保持するか、ジ
ャケット式により水素貯蔵合金を冷却しうるようにした
棚段式カラムに水素貯蔵合金を封入し、30〜200℃程度
に保持された脂肪酸及び脂肪酸誘導体を、1〜90分循環
させることにより脱水素反応を行う。このように部分的
に脱水素されて不飽和度の高まった脂肪酸及び脂肪酸誘
導体は反応終了後、ただちに冷却し、回収する。
脂肪酸及び脂肪酸誘導体には、オレイン酸やリノール
酸などの各種脂肪酸、オレイン酸メチルなどの各種脂肪
酸誘導体を例示しうる。
本発明で用いられる水素貯蔵合金は、R(Yを含む希
土類元素もしくはCa元素)およびNiを必須元素とした六
方晶のCaCu5型の結晶構造を有する化合物を主相として
おり、具体的には、水素貯蔵合金の内に含まれるCaCu5
型の結晶相が、50重量%以上含まれ、残部は主相以外の
金属間化合物、不純物、添加元素などが第2相もしくは
混合相として存在することである。
本発明で用いられる水素貯蔵合金は、大気圧を示す分
解平衡圧力の温度が200℃以下の範囲で水素を吸蔵する
合金であり、該合金の金属水素化物を使用し反応温度30
〜200℃に保持された脂肪酸及び脂肪酸誘導体の脱水素
反応を、部分的に行うものである。
また、本発明で用いられる水素貯蔵合金は、平均粉末
粒径が0.5〜100μmのものが好ましく、該粉末で部分的
な脱水素反応を実施する。因みに、平均粉末粒径が0.5
μm以下のものは、工業的に生産するのが困難であり、
またコスト高になる欠点を有するほか、操業上で脂肪酸
及び脂肪酸誘導体と粉末を分離する工程が複雑となる問
題もある。一方、粉末粒径が100μm以上の場合は、脂
肪酸及び脂肪酸誘導体と粉末の均一なる混合撹拌が困難
であり、その結果粉末の触媒能が低くなるため脱水素程
度の低下を招くことになる。
本発明は脂肪酸及び脂肪酸誘導体に対する水素貯蔵合
金の割合を5〜85重量%で部分的に脱水素反応を実施す
る。水素貯蔵合金の割合が5重量%より少ない場合、脱
水素反応に寄与する触媒としての有効面積が不足し、均
一かつ効率的な反応が進まない欠点を有する。一方上記
割合が85重量%を越える場合は、1回の脱水素反応操作
に対して得られる脂肪酸及び脂肪酸誘導体の量が少な
く、操業上の効率が低いこと、脂肪酸及び脂肪酸誘導体
と粉末の混合液の濃度が高くかつ比重が大となるため、
混合液の撹拌および輸送などの装置面が、複雑となる欠
点を有するようになる。
また、水素貯蔵合金は、触媒能力、耐食性や熱伝導性
などの向上を意図し表面改質されたメッキ粉末、表面処
理粉末なども本発明に使用可能である。
発明の効果 従来、脂肪酸及び脂肪酸誘導体の改質技術として、水
素添加反応、エステル化反応や酸化反応などがあるが、
本発明の方法は脂肪酸及び脂肪酸誘導体が有する二重結
合を飽和させる水素添加反応とはまったく逆の改質方法
であり、新しく脂肪酸及び脂肪酸誘導体の改質技術とし
て提供できる。また、本発明の方法の部分的脱水素反応
は、水素貯蔵合金を用いているので、従来の水素添加反
応やエステル化反応に必要であった水素や試薬を基本的
には使用せずに済み、製品や作業上の安全性に優れてい
る。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例1 容量が1のデッドエンド式の反応槽に予め活性化処
理した水素貯蔵合金CaNi5(平均粉末粒径23μm)400g
を入れ、100℃における圧力を1kg/cm2になるように水素
を吸着させ、該反応槽に、脱気、脱水素処理済みのオレ
イン酸500gを混入した。
この混合液を70℃まで昇温後この温度に保持し、脱水
素反応を行った。70℃での脱水素反応時間を40分、水素
雰囲気圧力は−0.33kg/cm2で実施した。この後、冷却し
速やかに混合液中の水素貯蔵合金粉末と部分的に脱水素
したオレイン酸を濾過、分離した。
この部分的に脱水素したオレイン酸を常法に従い活性
白土を添加し、フィルタープレスにより精製脂肪酸とし
た。この方法によりオレイン酸減少率(オレイン酸か
らリノール酸への転換率)5.7%のオレイン酸が約460g
得られた。 オレイン酸減少率% =(脱水素反応前のオレイン酸含量−反応後のオレ イン酸含量)/(脱水素反応前のオレイン酸含量)×10
0 実施例2 容量が1のデッドエンド式の反応槽に予め活性化処
理した水素貯蔵合金CaNi5(平均粉末粒径25μm)500g
を入れ、100℃における圧力を2kg/cm2になるように水素
を吸着させ、該反応槽に、脱気脱水処理済みのオレイン
酸メチルエステル500gを混入した。
この混合液を90℃まで昇温後この温度に保持し、脱水
素反応を行った。90℃での脱水素反応時間は18分、水素
雰囲気圧力は0.65kg/cm2で実施した。この後、冷却し速
やかに混合液中の水素貯蔵合金粉末とオレイン酸メチル
エステルを濾過、分離した。
部分的に脱水素したオレイン酸メチルエステルを常法
に従い活性白土を添加し、フィルタープレスにより精製
脂肪酸誘導体とした。この方法により、オレイン酸減少
率5.0%のオレイン酸メチルエステルが約460g得られ
た。
実施例3 容量が1のデッドエンド式の反応槽にあらかじめ活
性化処理した水素貯蔵合金CaNi5(平均粉末粒径25μ
m)500gを入れ、該反応槽に、脱気、脱水処理済みのオ
レイン酸エチルエステル500gを混入した。
この混合液を50℃まで昇温後この温度に保持し、脱水
素反応を行った。50℃での脱水素反応時間は20分、水素
雰囲気圧力は−0.4kg/cm2で実施した。この後、冷却し
速やかに混合液中の水素貯蔵合金粉末と部分的に脱水素
したオレイン酸エチルエステルを濾過、分離した。
この部分的に脱水素したオレイン酸エチルエステルを
常法に従い活性白土を添加し、フィルタープレスにより
精製脂肪酸誘導体とした。この方法によりオレイン酸減
少率2.9%のオレイン酸エチルエステルが460g得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日向野 栄 東京都江東区東雲1丁目9番31号 三菱 製鋼株式会社技術開発センター (56)参考文献 特開 平2−182791(JP,A) 特許66990(JP,C1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11C 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪酸及び、食用油脂を除く脂肪酸誘導体
    を部分的に脱水素反応に付するに際し、予め活性化させ
    たR(Yを含む希土類元素もしくはCa元素)及びNiを必
    須元素とした六方晶のCaCu5型の結晶構造を有する化合
    物を主相として含む水素貯蔵合金を用い、該脂肪酸及び
    脂肪酸誘導体を部分的に脱水素することを特徴とする、
    該脂肪酸及び脂肪酸誘導体より不飽和度が高まり、部分
    的に脱水素されてなる脂肪酸及び脂肪酸誘導体(ただ
    し、食用油脂を除く)の製造法。
  2. 【請求項2】水素貯蔵合金の平均粉末粒径が0.5〜100μ
    mである、予め活性化させた水素貯蔵合金を用いて脂肪
    酸及び脂肪酸誘導体(ただし、食用油脂を除く)を部分
    的に脱水素反応する請求項(1)に記載の製造法。
  3. 【請求項3】水素貯蔵合金の割合を脂肪酸及び脂肪酸誘
    導体(ただし、食用油脂を除く)に対して5〜85重量%
    の割合で用いる請求項(1)又は(2)のいずれかに記
    載の製造法。
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