JP2821630B2 - Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法 - Google Patents

Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法

Info

Publication number
JP2821630B2
JP2821630B2 JP31001389A JP31001389A JP2821630B2 JP 2821630 B2 JP2821630 B2 JP 2821630B2 JP 31001389 A JP31001389 A JP 31001389A JP 31001389 A JP31001389 A JP 31001389A JP 2821630 B2 JP2821630 B2 JP 2821630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
ethyl
ethylhexyloxycarbonyl
alkoxycarbonyl
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31001389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03169886A (ja
Inventor
スチャーツ・リリッカンタークン
正郎 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP31001389A priority Critical patent/JP2821630B2/ja
Publication of JPH03169886A publication Critical patent/JPH03169886A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2821630B2 publication Critical patent/JP2821630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2−(アルコオキシカルボニル)エチルホス
フィン酸エステルの製造法に関する。
本発明に係るホスフィン酸エステルは新規化合物であ
り、例えば農薬の中間体として有効なものである。
〔従来の技術〕
本発明に係る前記化合物と類似した2−(メトキシカ
ルボニル)エチルホスフィン酸メチルは、次亜リン酸メ
チルとアクリル酸メチルとの反応により合成されること
が知られている(CA.vol83.147545頁)。
また、本発明に係る化合物と基本構造は異なるけれど
も、下記の一般式で表されるホスフィン酸エステルにお
いてR′およびR″が下表に示すアルキル基又はフェニ
ル基である化合物も例えば下表の文献に記載されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかして、前記のような次亜リン酸メチルとアクリル
酸メチルの反応にて2−(アルコキシカルボニル)エチ
ルホスフィン酸エステルを合成する方法は、本発明者ら
の実験によれば、次亜リン酸アルキルが不安定な化合物
で容易に不均化反応を起してホスフィン(PH3)を発生
することが認められ、また文献的にも指摘がある(Vest
n.Mosk.Univer.Khim.,13(3),361(1972)。従って、
この反応は操作上、格別の安全対策を必要とするのみな
らず収率も低いため、工業的に実施するには問題があ
る。
又、他の上記したホスフィン酸エステルはいわゆる脱
水処理によるエステル化反応とは異なる方法で合成され
ており、また、基本構造も本発明に係る化合物とは異な
るものである。
一般にエステル化反応は、副生する水の除去、いわゆ
る脱水処理によって行われるが、ホスフィン酸とアルコ
ールとの脱水反応によるエステルの合成に成功した例は
文献的には皆無である。
本発明者らは、従来知られている各種の製法でホスフ
ィン酸エステルの合成を試みたが、余り期待できるもの
は得られなかった。
ところが、意外にも2−カルボニルエチルホスホン酸
とアルコールとを不活性溶媒の存在下で還流脱水反応さ
せると容易にエステル化することを知見し、本発明を完
成した。
〔課題を解決するための手段作用〕
すなわち、本発明により提供される前記〔1〕式で示
すホスフィン酸エステルの製造法は、次の一般式: 〔式中R3は水素又はC2〜C20のアルキル基又はフェニル
基を表わす〕で示される2−カルボニルエチルホスフィ
ン酸と一般式:R1OH〔式中R1はC2〜C20のアルキル基又
はフェニル基を示す。〕で示されるアルコールとを不活
性溶媒の存在下で還流脱水反応を行わせることを構成上
の特徴とするものである。
本発明に係るホスフィン酸エステルは、文献上未知の
新規化合物であり、この化合物は種々のホスフィン酸誘
導体の中間原料、特に農薬の中間体として工業的に有用
なものである。
かかるホスフィン酸エステルは、上記のようにホスフ
ィン酸とアルコールとを次式の還流脱水反応を経て製造
される。
本反応は〔II〕式で示す原料のホスフィン酸に対し、
アルコールを過剰に使用し、多くの場合1.1〜3.0倍モル
が適当である。尤も、〔III〕式の化合物が2−カルボ
ニルエチルホスフィン酸(R3=H)の場合には前記割合
の2倍量が適当である。
本反応に使用される不活性溶媒とは、反応に係るいず
れの原料とも反応せず、また脱水反応を阻害しない有機
溶媒を意味し、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロホルム等が挙げられる。
なお、原料において、アルコール(R1OH)のR1は前述
のように原料ホスフィン酸(II)のR3と同種又は異種の
アルキル基であるが、異種の場合は、反応中にR1とR3
のエステル交換反応が部分的に起きることもあるので注
意を要する。
また、本発明の反応温度は、当然ながら使用した溶媒
と水との共沸点によって定まり、大体40〜130℃の範囲
にある。
本反応は触媒がなくても進行するが、塩化アルミニウ
ム、パラトルエンスルホン酸、硫酸の如き公知のルイス
酸を触媒として少量添加してもよい。一般的に触媒を添
加した方が反応速度は速やまる傾向がある 反応の進行度合は、副生する水の発生量によって観測
し、水の留出がなくなる時点をもって反応終了とする。
従って、原料の種類や触媒の存在の如何によってその
度合いは異なるが、触媒を用いない場合には反応時間と
しては8〜20時間の範囲にあり、ルイス酸を存在させる
と前記反応時間が実質的に半減できるので工業的にはル
イス酸の存在下で反応させることが好ましい。尤も、こ
の場合は反応終了後の水洗および乾燥が必要となる。す
なわち、反応終了後は常法による分離、水洗および乾燥
等の必要な単位操作を行って生成物を回収し、製品とし
て仕上げる。
なお、生成物の構造は、1H NMR、IR、MS、GC、LC等常
法の機器分析によって確認される。
〔実施例〕
本発明について、さらに実施例をもって具体的に説明
する。
実施例1 <2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸2−エチルヘキシルの合成> 還流管、攪拌器及び温度計を付設した4つ口フラスコ
に2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸31.2g(0.125M)、2−エチルヘキシルア
ルコール20.8g(0.16M)及びベンゼン60mlを仕込んだ
後、加温した。浴温が135℃を越えると脱水反応が始ま
った。
反応進行をNMR、IRおよびMS等でチェックしながら追
跡し、反応系内を94℃に保って18時間後に終了させた。
次いで溶媒および過剰のアルコールを分離したのち、
約42gの残留生成物を得た。これを60MHz 1H−NMR、IRお
よびMSで構造分析したところ2−(2−エチルヘキシル
オキシカルボニル)エチルホスフィン酸2−エチルヘキ
シルであることが確認された。なお、この化合物の粗収
率は93%でGCによる測定で99%以上の純度であった。
実施例2 <2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸2エチルヘキシルの合成> 実施例1において、塩化アルミニウムを0.17g添加し
た以外は同様の操作条件にて10時間反応を行って、残留
混合液40gを得た。
次いで、混合液を水40mlで洗浄した後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。ついで混合液を過した後、溶媒およ
び過剰のアルコールを分離して残留生成物を得た。この
化合物につき同様の構造分析をしたところ実施例1と同
じ化合物であることが確認された。なお、この化合物の
粗収率は88%であった。
実施例3 <2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸エチルの合成> 実施例1と同じ反応容器に2−(2−エチルヘキシル
オキシカルボニル)エチルホスフィン酸31.2g(0.125
M)、エチルアルコール7.4g(0.16M)及びベンゼン60ml
を仕込んだ後、加熱して浴温85℃、反応系内82℃に至っ
て脱水反応が開始した。
更に、この温度で18時間脱水反応を続けた後、終了さ
せた。以下、同様の操作で後処理を行って、生成物25g
を得た。
これをGC−MSで分析したところ、標記の2−(2−エ
チルヘキシルオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エ
チルと他に2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニ
ル)エチルホスフィン酸2−エチルヘキシルがほぼ同量
で得られた。
還流管、攪拌器及び温度計を付設した2つ口フラスコ
に前記の残生成物をいれ、ベンゼン50ml、エチルアルコ
ール50mlを仕込んだ後、加熱還流を行った。混合溶液を
GC等でチェックしながら追跡し、反応系内80℃に保って
36時間後にはエチル体対2−エチルヘキシル体が4対1
になった。
実施例4 <2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸n−ブチルの合成> 実施例1と同じ反応容器に2−(2−エチルヘキシル
オキシカルボニル)エチルホスフィン酸31.2g(0.125
M)、n−ブチルアルコール11.8g(0.16M)及びベンゼ
ン60mlを仕込んだ後、加温して浴温が100℃を越えると
脱水反応が開始した。反応系内を88℃に保って8時間後
に終了させた。次いで溶媒および過剰のアルコールを分
離したのち、約30gの残留生成物を得た。
これを実施例1と同様の構造分析をしたところ、主生
成物は2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エ
チルホスフィン酸n−ブチルであることが確認された。
実施例5 <2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル
ホスフィン酸フェニルの合成> 実施例1と同じ反応容器に2−(2−エチルヘキシル
オキシカルボニル)エチルホスフィン酸31.2g(0.125
M)、フェノール15.0g(0.16M)及びベンゼン60mlを仕
込んだ後、加熱した。浴温130℃、反応系内温度87℃に
至って脱水反応が開始した。更に、この温度で20時間脱
水反応を続けた後、終了させた。以下同様の操作で後処
理を行って生成物37gを得た。
これを同様の操作で構造分析したところ主生成物は2
−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチルホス
フィン酸フェニルであることが確認された。
実施例6 <2−(ブチルオキシカルボニル)エチルホスフィン酸
ブチルの合成> 実施例1と同じ反応容器に2−オキシカルボニルエチ
ルホスフィン酸17.3g(0.125M)、n−ブチルアルコー
ル24.0g(0.325M)、ベンゼン60mlを仕込んだ後、加熱
して浴温100℃反応系内温度85℃に至って脱水反応が開
始した。2時間後、約2.5mlの水が留出したが、この量
はカルボニル基のエステル化が優先的に進行したものと
考えられ約1当量分に相当する。
更に、14時間脱水反応を続けて終了させた後、以下同
様の後処理を行なって生成物35gを得た。
これを同様の操作で構造分析したところ、2−(ブチ
ルオキシカルボニル)エチルホスフィン酸ブチルである
ことが確認された。なお、この化合物の粗収率は96%で
あった。
以上の各実施例で得られた化合物につき物性値を確認
した。そのデーターを一覧表にして表1に示した。
〔発明の効果〕 本発明に係る2−(アルコキシカルボニル)エチルホ
スフィン酸エステルは新規化合物であり、例えば農薬中
間体まで工業的に有用なものである。
かかるホスフィン酸エステル化合物は、本発明に係る
方法でエステル化反応を行わせることにより、工業的に
有利に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/32 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式: 〔式中、R3は水素原子又はC2〜C20のアルキル基又はフ
    ェニル基を示す〕で示される2−カルボニルエチルホス
    フィン酸と一般式:R1OH(式中R1はC2〜C20のアルキル
    基又はフェニル基を示す)で示されるアルコールとを不
    活性溶媒の存在下で還流脱水反応を行わせることを特徴
    とする2−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィ
    ン酸エステルの製造法。
JP31001389A 1989-11-28 1989-11-28 Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法 Expired - Fee Related JP2821630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31001389A JP2821630B2 (ja) 1989-11-28 1989-11-28 Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31001389A JP2821630B2 (ja) 1989-11-28 1989-11-28 Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03169886A JPH03169886A (ja) 1991-07-23
JP2821630B2 true JP2821630B2 (ja) 1998-11-05

Family

ID=18000103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31001389A Expired - Fee Related JP2821630B2 (ja) 1989-11-28 1989-11-28 Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2821630B2 (ja)

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHEMICAL ABSTRACTS Vol.83,147545

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03169886A (ja) 1991-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0749421B2 (ja) アクリル又はメタクリル酸エステルの製法
JP2006206590A (ja) (メタ)アクリレートエステルモノマーを製造するためのエステル交換方法
EP0645365B1 (en) Process for producing 2-fluoroisobutyric acid or ester thereof
JP2821630B2 (ja) Z−(アルコオキシカルボニル)エチルホスフィン酸エステルの製造法
JP3777408B2 (ja) カルボン酸誘導体の製造法
JP2001521498A (ja) O−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−ヒドロキシミック酸ハロゲン化物の製造方法
JPH0142254B2 (ja)
JP2001302658A (ja) 3−イソクロマノン類の製造方法
JP2743198B2 (ja) シクロペンタン類
JPH08245508A (ja) 不飽和カルボン酸エステルおよび不飽和カルボン酸エステルの製造方法
JP3944876B2 (ja) クエン酸エステル類の製造方法
JP4163113B2 (ja) 新規化合物及びその製造方法
JP2759087B2 (ja) 1,4―ジヒドロキシ―2―ナフトエ酸アリールエステルの精製方法
JPH0142253B2 (ja)
JP3254746B2 (ja) 末端アセチレン化合物およびその製造法
SU1205756A3 (ru) Способ получени 1,1-дихлор-4-метилпентадиенов
JP3371009B2 (ja) カルボン酸誘導体の製造方法
JP3526606B2 (ja) N−置換ピラジンカルボキシアミドの製造方法
JP3052431B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
SU429052A1 (ru) СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ КЕТАЛЕЙ СЛОЖНЫХ ЭФИРОВ а-КЕТОКИСЛОТ
JP2880203B2 (ja) フラノン誘導体の製法
WO1998016495A1 (fr) Processus de preparation de monoesters d'acide dicarboxylique
JP3013022B2 (ja) 3−フタリジリデン酢酸アルキルエステルの製造方法
JP2861122B2 (ja) ピラゾールカルボン酸エステル類の製造方法
JPS59206333A (ja) タルトロン酸エステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees