JP2821373B2 - エンジンの吸気制御方法および吸気制御装置 - Google Patents

エンジンの吸気制御方法および吸気制御装置

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JP2821373B2
JP2821373B2 JP6170267A JP17026794A JP2821373B2 JP 2821373 B2 JP2821373 B2 JP 2821373B2 JP 6170267 A JP6170267 A JP 6170267A JP 17026794 A JP17026794 A JP 17026794A JP 2821373 B2 JP2821373 B2 JP 2821373B2
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洋司 深見
尚 山下
晨一 丹波
哲秋 白井
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Kawasaki Jukogyo KK
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、吸気弁と排
気弁とをそれぞれ1つずつ備えた2バルブタイプの小型
エンジンに適用できる吸気制御方法および吸気制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、理論空燃比よりも希薄な燃料を高
い燃焼効率で燃焼させて高出力を得るとともに低燃費を
実現するエンジンの吸気系構造が知られている(たとえ
ば特開平5−99101号公報)。このエンジンの吸気
系構造は、3つの吸気弁と2つの排気弁を有する5バル
ブタイプのエンジンにおいて、3つの吸気弁に連通する
各吸入ポートを、燃焼室内に吸入された吸気が縦方向に
層状に流れる縦渦層状流になるような形状に各々独立し
て形成し、点火プラグに近い中央部の吸入ポートから混
合気を吸入し、かつ両側の吸入ポートから空気を吸入す
る構成となっている。したがって、燃焼室内において、
両側の空気の縦渦流が混合気の縦渦流を挟んで3層状の
縦渦流を形成して流れるため、中央の混合気は高い混合
比の状態のままで圧縮されて点火される。これにより、
両側の吸入ポートから吸入される空気を含む全体の混合
気が希薄であるにもかかわらず、燃焼効率がよく、ま
た、この希薄な混合気を用いることによって燃料消費率
が低くてすむ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のエンジ
ンの吸気系構造は、燃焼室内において3層状に流れる縦
渦層状流を形成することを目的としているため、3つの
吸気弁を有する比較的大型のエンジンには採用できる
が、たとえば吸気弁と排気弁をそれぞれ1つ備えたよう
な小型のエンジンには不向きであり、適用しても所期の
効果を得ることは期待できない。また、混合気および空
気の縦渦流を形成するために、各吸気弁に連通する吸気
ポートを、それぞれ断面逆三角形状に形成するとともに
傾斜させて取り付けており、構成が複雑化している。
【0004】そこで本発明は、たとえば吸気弁と排気弁
とを1つずつ備えたような小型エンジンにおいても、希
薄な混合気を高い燃焼効率で燃焼させて排気ガスの有害
成分の低減と低燃費性とが得られるエンジンの吸気制御
方法および吸気制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決しようとするための手段】上記目的を達成
するために、本発明の請求項1に係るエンジンの吸気制
装置は、シリンダ内の燃焼室に吸気をシリンダの中心
回りに一定の旋回方向に旋回させながら導入する吸気通
路を備え、ピストンの頂部に突起が形成されて、その突
起における前記旋回方向後側に位置する後面が、ピスト
ンの上死点近傍において燃焼室内の吸気を押し出して前
記旋回方向と逆方向の逆スキッシュ流を生成し、シリン
ダヘッドに、前記突起の後面に対向して、前記逆スキッ
シュ流を妨げない斜面が形成されている。
【0006】請求項2に係るエンジンの吸気制御装置
は、請求項1の構成に加えて、さらにシリンダヘッド
に、前記突起における前記旋回方向前側に位置する前面
に対向して、この前面により押し出される前記旋回方向
と同一方向のスキッシュ流を抑制する抑制部が形成され
ている。
【0007】請求項3に係るエンジンの吸気制御方法
は、請求項1の吸気制御装置の吸気通路を、シリンダの
中心寄りに開口部を有する第1吸気路と、この第1吸気
路よりもシリンダの外周寄りに開口部を有する第2吸気
路とに分割し、前記第1吸気路に燃料を供給するととも
に、前記第2吸気路と前記第1吸気路の開度を、前記第
2吸気路と第1吸気路の空気流量比がエンジンの低負荷
のときに高負荷のときよりも大きくなるように前記第2
吸気路の開度を制御するようにした。
【0008】請求項4に係るエンジンの吸気制御装置
は、請求項1における吸気通路が第1吸気路と第2吸気
路とに分割され、前記第1と第2の吸気路の燃焼室への
各開口部を開閉する単一の吸気弁を備え、前記第1吸気
路の開口部は前記第2吸気路の開口部よりもシリンダの
中心寄りに位置しており、さらに、前記第1吸気路に燃
料を供給する燃料供給手段と、前記第1吸気路を絞る第
1絞り弁と、前記第2吸気路を絞る第2絞り弁と、前記
第2吸気路と第1吸気路の空気流量比がエンジンの低負
荷のときに高負荷のときよりも大きくなるように前記第
2絞り弁の開度を制御する弁開度制御手段とを備えてい
る。
【0009】請求項5に係るエンジンの吸気制御装置
は、請求項4における第1絞り弁と第2絞り弁がリンク
機構で連結されている。
【0010】請求項6に係るエンジンの吸気制御装置
は、請求項4における弁開度制御手段が、前記第2絞り
弁を駆動する弁駆動機と、エンジンの負荷に基づいて前
記弁駆動機を制御する駆動機制御手段とを備えている。
【0011】
【作用および効果】請求項1の発明によれば、エンジン
の吸入行程において、吸気は、シリンダの中心回りの一
定の旋回方向に旋回するよう吸気通路からシリンダの燃
焼室内に導入される。つぎに、エンジンの圧縮行程にお
いてピストンが上死点近傍まで上昇したときに、一定の
旋回方向に旋回する吸気(スワール流)は、ピストンの
頂部に形成された突起に当たって押し出され、旋回方向
と逆方向のスキッシュ流が生成される。その結果、吸
気の微小な渦流が多数発生して、着火および火炎伝播に
有利な状態となる。その直後に点火プラグにより着火さ
れ、その着火による火炎は、多数の微小な渦流の存在に
より瞬時に燃焼室全体に広がり、燃焼効率が向上する。
【0012】請求項2の発明によれば、ピストンの突起
における吸気の旋回方向の前側に位置する前面に対向し
てシリンダヘッドに形成された抑制部は、吸気が突起の
前面に押し出されて吸気の旋回方向と同一方向のスキッ
シュ流が発生しようとするのを抑制して、前記逆方向の
スキッシュ流の強度を高く維持し、微小な渦流の発生
を促進する。したがって、燃焼効率が一層向上する。
【0013】請求項3または請求項4の発明によれば、
エンジンの吸入行程において、燃焼室内に、燃料供給手
段により第1吸気路を通じて燃料の混合気が供給される
とともに第2吸気路を通じて空気が供給される。ここ
で、第1吸気路がシリンダの中心寄りに開口部を有し、
第2吸気路が第1吸気路の外側寄りに開口部を有してい
るとともに、第1吸気路と第2吸気路の各々の空気流量
に差があるため、燃焼室内において、混合気と空気とが
2層状となって横方向に旋回しながら下方に向かう螺旋
状のスワール流が発生する。
【0014】第1吸気路の開度は、スロットルレバーの
操作に連動する第1絞り弁の作動により制御され、第2
吸気路の開度を制御する第2絞り弁は、第2吸気路と第
1吸気路の空気流量比がエンジンの低負荷のときに高負
荷のときよりも大きくなるよう弁開度制御手段により作
動される。たとえば、エンジンが高負荷のときに両吸気
路の空気流量がほぼ同一になり、低負荷のときに第2吸
気路の空気流量が第1吸気路の空気流量よりも大きくな
るよう制御される。したがって、エンジンの低負荷とき
には、第2吸気路からの空気の流速が第1吸気路からの
混合気の流速よりも大きくなってスワール流が強化され
る。
【0015】混合気を燃焼室に導入する第1吸気路はシ
リンダにおける点火プラグが位置する中心寄りに開口部
が設けられているから、燃焼室に吸入された混合気は、
前述の2層状のスワール流の発生によってシリンダの中
心付近に閉じ込められる状態で旋回し、エンジンの圧縮
行程において、外側の空気のスワール流に比べて燃料が
濃い状態を保持しながら圧縮される。この状態の混合気
に着火されるから、つまり、理論空燃比に近い状態で着
火されるから、高い燃焼効率が得られる。また、第2吸
気路から導入される空気と合わせて、全体として理論空
燃比よりも希薄な混合気を用いることになり、低燃費を
実現できる。
【0016】しかも、燃焼効率が低下し易いエンジンの
低負荷時に、前述のようにスワール流の強化によって燃
焼速度が高まり、燃焼効率の低下が防止される。このよ
うに、全体として希薄な混合気をエンジンの低負荷のと
きにも高い燃焼効率で燃焼させることができるので、排
気ガス中の有害成分を低減できる。また、両吸気路の開
度をエンジンの負荷に応じて差動させて両吸気路の空気
流量比を変えるよう制御するので、混合気の空燃比を幅
広く制御することもできる利点がある。
【0017】また、シリンダ内の燃焼室に吸気を導入す
る吸気通路を分割して第1吸気路と第2吸気路とを設け
る構成となっているため、吸気弁は対をなす第1,第2
吸気路に対し1つ設けるだけでよい。したがって、例え
ば吸気弁と排気弁を1つずつ備えた小型のエンジンに適
用して、高い燃焼効率、低燃費性および排気ガス中の有
害成分の低減といった効果が得られる。
【0018】請求項5の発明によれば、第1絞り弁はス
ロットルレバーにより開度を制御され、この第1絞り弁
にリンク機構で機械的に連結されている第2絞り弁は、
第2吸気路と第1吸気路の空気流量比が、エンジンの低
負荷のときに高負荷のときよりも大きくなるように、第
1吸気路に連動して開度が制御される。したがって、キ
ャブレターを備える小型のエンジンにおいて容易に実用
化できる。
【0019】請求項6の発明によれば、駆動機制御手段
は、エアフローメータなどにより感知した第1吸気路の
空気流量に基づきエンジンの負荷を検知して、この検知
した空気流量に基づきモータのような弁駆動機を介して
第2絞り弁の開度を制御する。したがって、駆動機制御
手段に、エンジンの低負荷のときに第2絞り弁の開度を
第1絞り弁の開度よりも大きくなるよう設定することに
より、電子燃料制御方式の小型のエンジンにおいても容
易に実用化できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例の一部
を破断して示した概略平面図、図2はその一部を破断し
て示した側面図である。なお、本実施例では、後述する
ようにピストン19に突起29が形成されているが(図
7)、図2においては、突起を省略して図示している。
【0021】この実施例では、1つの吸気管2と一つの
排気管3がシリンダ1に接続された小型のエンジンを例
示している。シリンダ1内の燃焼室1a内に吸気を導入
する吸気通路2は、図1に示すように、隔壁2Cにより
第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとに分割されている。
両吸気路2A,2Bの通路面積(横断面積)は、この実
施例ではほぼ同一に設定されているが、異なるように設
定してもよい。
【0022】両吸気路2A,2Bの燃焼室1aへの開口
部2a,2bは、図2に示すように、単一の吸気弁4に
より開閉される。前記隔壁2Cは後述するキャブレタ7
から前記開口部2a,2bまで形成されており、吸気弁
4の弁ステム4aは隔壁2Cを貫通して設定されてい
る。排気管3の燃焼室1aへの開口部3aも単一の排気
弁5により開閉される。吸気管2の第1吸気路2Aの開
口部2aは、図1に示すように、第2吸気路2Bの開口
部2bよりもシリンダ1における点火プラグ6が設けら
れている中心寄りに位置している。
【0023】吸気管2にはエアクリーナA/Cを介して
空気が導入される。第1吸気路2Aにはキャブレター7
が設けられている。このキャブレター7において、燃料
供給手段の一例として示した燃料噴射ノズル8から、吸
気流の圧力差によって、第1吸気路2Aに燃料が供給さ
れ、理論空燃比に近い比率で空気と混合される。第2吸
気路2Bには、エアクリーナA/Cを介して空気のみが
供給される。この第1吸気路2Aから燃焼室1aに供給
される混合気の流量は、第1吸気路2Aに設けた第1絞
り弁9の開度により制御され、第2吸気路2Bから燃焼
室1aに供給される空気の流量は、第2吸気路2Bに設
けた第2絞り弁10の開度により制御される。第1絞り
弁9は、たとえばスロットルレバー(図示せず)の作動
に連動して開度が制御される。一方、第2絞り弁10
は、後述の弁開度制御手段により第1絞り弁9の開度に
対応した所定の開度に制御される。
【0024】第1絞り弁9と第2絞り弁10は、上記弁
開度制御手段の一例として図3に示したリンク機構11
により、相互に連結されている。第1絞り弁9を一体に
回転するよう支持する支軸12にカム13が固着されて
いる。一方、第2絞り弁10を一体に回転するよう支持
する支軸14にピニオン15が固定されている。ピニオ
ン14に噛み合わされたラック16は、スプリング17
により一端部からカム13への方向に付勢されて、この
ラック17の他端部から突出されたカムフォロワピン1
8がカム13のカム面13aに押し付けられている。
【0025】上記リンク機構において、たとえば、スロ
ットルレバーの開度はエンジンの負荷に比例するから、
このスロットルレバーに連動して作動する第1絞り弁9
は、図4にAで示す特性曲線のように、エンジンの負荷
が大きくなるのに比例して開度が大きくなるよう制御さ
れる。燃料噴射ノズル8から噴射する燃料の量は、第1
絞り弁9の開度に基づいて自動的に決定される。第1絞
り弁9と一体に回転するカム13のカム面13aにカム
フォロワピン18が摺接して、ラック16が図3の矢印
方向に移動され、このラック16に噛み合ったピニオン
ギャ15を介して第2絞り弁10の開度が制御される。
【0026】すなわち、第2絞り弁10は、図4のBで
示す特性曲線のように、エンジンが全負荷(4/4)よ
りも低い1/4〜3/4の負荷にあるときに第1の絞り
弁9に対しほぼ一定量だけ大きい開度(+20%)に制
御される。この実施例では、両吸気路2A,2Bの通路
面積がほぼ同一に設定されているから、開度の比B/A
は、第2吸気路2Bと第1吸気路2Aの空気流量比にほ
ぼ等しい。この第1絞り弁9に連動した第2絞り弁10
の開度Bの制御は、カム13のカム面13aのカムプロ
フィールにより設定されている。なお、エンジンの負荷
がゼロ付近においては、燃料の量が少ないことから着火
性が悪いため、第2絞り弁10の開度Bはほぼゼロに設
定して燃料の希薄化を抑制しており、負荷が0〜1/4
の範囲では、ほぼ直線的に弁開度を大きくしている。
【0027】つぎに、上記実施例の吸気通路2、リンク
機構(弁開度制御手段)11等の動作について説明す
る。エンジンの吸入行程において、図1の第1吸気路2
Aを通じて燃料の混合気が燃焼室1a内に供給されると
ともに、第2吸気路2Bを通じて空気が燃焼室1a内に
供給される。燃焼室1a内において、前記混合気と空気
は燃焼室1aの内周面に沿って流れる結果、図1および
図2に示すように、混合気の流れS1の外側に空気の流
れS2が存在する2層状で、シリンダ1の内壁に沿って
一定の横方向に旋回しながら下方に向かう螺旋状のスワ
ール流Sが発生する。
【0028】混合気を導入する第1吸気路2Aの開口部
2aはシリンダ1における点火プラグ6が位置する中心
寄りに設けられているから、燃焼室1a内の混合気の流
れS1は、外側の空気の流れS2に包囲されて燃焼室1
aの中心付近に閉じ込められる状態で旋回し、エンジン
の圧縮行程において、外側の空気の流れS2に比べて燃
料が濃い目の状態を保持しながら、上昇するピストン1
9により圧縮される。この混合気は、点火プラグ6によ
る着火により瞬時に燃焼してその火炎が燃焼室1a全体
に広がる。そのため、混合気としては、理論空燃比より
も希薄なものを用いても、瞬時に燃焼して高い燃焼効率
を得られる。
【0029】ここで、エンジンの負荷が3/4以下の低
負荷のとき、図4で示したように、第2吸気路2Bの開
度Bの方が大きくて、空気流量が多いから、第2吸気路
2B内の空気の流速が第1吸気路2A内の混合気の流速
よりも大きいため、前記外側の空気の流れS2の方が、
内側の混合気の流れS1よりも強くなる。その結果、混
合気の流れS1が内側に閉じ込められる形となって、両
方の流れS1,S2が混ざり合いにくい状態で、強いス
ワール流Sが生成される。これにより、燃焼効率が低下
し易いエンジンの低負荷のときでも燃焼速度が高まり、
高い燃焼効率を維持できる。
【0030】したがって、理論空燃比よりも希薄な混合
気を用いられることにより低燃費を実現できるととも
に、燃焼効率が低下し易いエンジンの低負荷ときにスワ
ール流を強化することにより常に高い燃焼効率を維持で
きる。このように希薄な混合気を常に高い燃焼効率で燃
焼させることが可能であるから、排気ガス中の有害成分
を格段に低減できる。また、両吸気路2A,2Bの開度
をエンジンの負荷に応じて差動させて第2吸気路2Bと
第1吸気路2Aの空気流量比(≒B/A)を変えるよう
制御するので、図3のカム13のカムプロフィールの変
更により混合気の空燃比を幅広く制御することもでき
る。
【0031】また、シリンダ1の燃焼室1a内に吸気を
導入する吸気管2を二分割して第1吸気路2Aと第2吸
気路2Bとを設ける構成になっているため、吸気弁4は
対をなす第1,第2吸気路2A,2Bに対し1つ設ける
だけでよい。したがって、スペース的に弁を多数設ける
ことが困難な、例えば吸気弁4と排気弁5を1つずつ備
えた小型のエンジンに適用して、高い燃焼効率、低燃費
および排気ガス中の有害成分の低減といった効果が得ら
れる。なお、本発明は、吸気弁および排気弁をそれぞれ
2つ以上備えたエンジンにも適用できる。
【0032】図5は本発明の他の実施例の吸気通路2、
弁駆動機22および駆動機制御手段20(両者で弁開度
制御手段となる)等を示す概略平面図である。前記実施
例ではキャブレタ7により燃料と空気との混合気の供給
を制御するタイプのエンジンに適用した場合を例示した
のに対し、この実施例では電子燃料制御方式により混合
気の供給を制御するタイプのエンジンに適用した場合を
示す。
【0033】運転状況に応じてスロットルレバーの操作
により第1絞り弁9の開度が変更されると、その変更に
よる第1吸気路2Aへの吸入空気量を、エアフローメー
タ21により検知する。第1吸気路2Aの空気量は燃料
供給量にほぼ比例するので、この吸入空気量の検知信号
を受けた中央処理装置20は、図6に示すような吸入空
気流量、つまりエンジンの負荷に対し、最適な供給燃料
量を演算し、その演算値に対応するデューティパルス
を、燃料インジェクタ24に対し送出する。燃料インジ
ェクタ24は、燃料タンク(図示せず)から供給される
燃料Fの噴出時間が、中央処理装置20から受けたデュ
ーティパルスに基づいて制御され、燃料インジエクタ2
4から噴出する燃料の量が、ほぼ理論空燃比になるよう
に制御される。
【0034】他方、中央処理装置20は、第2絞り弁1
0を駆動する弁駆動機の一例として示したモータ22を
作動させて、第2絞り弁10の開度を、図4に示したよ
うにエンジンの負荷に対応して制御する。したがって、
中央処理装置20は、弁駆動機としてのモータ22を制
御する駆動機制御手段としても機能する。
【0035】図7は、前記最初の実施例(第1実施例)
と他の実施例(第2実施例)に共通のシリンダ1および
ピストン19の一部を破断して示した斜視図である。ピ
ストン19の頂部に、これの中心に対し対向する二箇所
にほぼ三角形状の突起29,29が形成されている。シ
リンダ1の燃焼室1a内には、ピストン19の平面を示
す図8(a)のように、エンジンの吸入行程において吸
気通路(図示せず)を通じて吸気25がシリンダ1の中
心回りに一定の旋回方向に旋回するよう、スワール流と
なって導入される。圧縮行程においてピストン19が上
死点近傍まで上昇したときに、上記旋回する吸気25
は、突起29,29における吸気25の旋回方向後側に
位置する後面29aにより押し出されて、旋回方向とは
逆方向の逆スキッシュ流31が生成される。それによ
り、吸気25は、上死点近傍、つまり着火の直前に、一
定方向への流れを乱されて多数の微小な渦流26に変換
され、乱流燃焼によって、燃焼効率が向上する。
【0036】一方、シリンダ1のシリンダヘッド1bに
は、図8(a)のB−B線断面図を示す同図(b)のよ
うに、突起29の後面29aに対しては、緩やかに傾斜
した斜面28が対向して、前記逆スキッシュ流31を妨
げないようにしている。これに対し、突起29の前面2
9bに対しては、この前面29bに所定の間隙を存し
て、シリンダヘッド1bの下面から下方に突出する抑制
部33が形成されている。この抑制部33は、突起29
の前面29bにより吸気25と同一方向に旋回するスキ
ッシュ流35が発生しようとするのを抑制して、微小な
渦流26の発生を促進する。したがって、燃焼効率が一
層向上する。
【0037】さらに、図7,8のシリンダ1およびピス
トン19からなる吸気制御装置に、図1ないし図4で示
した第1実施例の吸気制御機構または図5および図6で
示した第2実施例の吸気制御機構を組み合わせれば、吸
気がシリンダ1の中心回りの一定の旋回方向に旋回する
強いスワール流を利用することができるから、より効果
的に微小な渦流26を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部を破断して示した概略
平面図である。
【図2】同上実施例の一部を破断して示した側面図であ
る。
【図3】同上実施例における弁開度制御手段を示す斜視
図である。
【図4】同上の弁開度制御手段による制御を示す特性図
である。
【図5】本発明の他の実施例の部を破断して示す平面
図である。
【図6】同上実施例におけるエンジンの負荷に対する燃
料供給量の関係を示す特性図である。
【図7】前記第1および第2実施例に共通の要部の一部
を破断して示した斜視図である。
【図8】(a)は同上要部の作用を示す平面図、(b)
は(a)のB−B線に沿って切断した断面図、(c)は
(a)のC−C線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、1a…燃焼室、1b…シリンダヘッド、
2…吸気管(吸気通路)、2A…第1吸気路、2a…第
1吸気路の開口部、2B…第2吸気路、2b…第2吸気
路の開口部、4…吸気弁、8…燃料噴射ノズル(燃料供
給手段)、9…第1絞り弁、10…第2絞り弁、11…
リンク機構(弁開度制御手段)、19…ピストン、20
…中央処理装置(駆動機制御手段)、22モータ(弁
駆動機)、25…吸気、28…斜面、29…突起、29
a…突起の後面、29b…突起の前面、31…逆スキッ
シュ流、33…抑制部、35…スキッシュ流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 哲秋 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社明石工場内 (56)参考文献 特開 昭62−63128(JP,A) 実開 昭56−59929(JP,U) 実開 平4−24627(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 23/08 F02B 17/00 F02M 69/00 360

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内の燃焼室に吸気をシリンダの
    中心回りに一定の旋回方向に旋回させながら導入する吸
    気通路を備え、 ピストンの頂部に突起が形成されて、その突起における
    前記旋回方向後側に位置する後面が、ピストンの上死点
    近傍において燃焼室内の吸気を押し出して前記旋回方向
    と逆方向の逆スキッシュ流を生成し、 シリンダヘッドに、前記突起の後面に対向して、前記逆
    スキッシュ流を妨げない斜面が形成されているエンジン
    の吸気制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらにシリンダヘッ
    ドに、前記突起における前記旋回方向前側に位置する前
    面に対向して、この前面により押し出される前記旋回方
    向と同一方向のスキッシュ流を抑制する抑制部が形成さ
    れているエンジンの吸気制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のエンジンの吸気制御装
    置の吸気通路を、シリンダの中心寄りに開口部を有する
    第1吸気路と、この第1吸気路よりもシリンダの外周寄
    りに開口部を有する第2吸気路とに分割し、 前記第1吸気路に燃料を供給するとともに、 前記第2吸気路と前記第1吸気路の開度を、前記第2吸
    気路と第1吸気路の空気流量比がエンジンの低負荷のと
    きに高負荷のときよりも大きくなるように前記第2吸気
    路の開度を制御するエンジンの吸気制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記吸気通路は第1
    吸気路と第2吸気路とに分割され、 前記第1と第2の吸気路の燃焼室への各開口部を開閉す
    る単一の吸気弁を備え、 前記第1吸気路の開口部は前記第2吸気路の開口部より
    もシリンダの中心寄りに位置しており、 さらに、前記第1吸気路に燃料を供給する燃料供給手段
    と、 前記第1吸気路を絞る第1絞り弁と、 前記第2吸気路を絞る第2絞り弁と、 前記第2吸気路と第1吸気路の空気流量比がエンジンの
    低負荷のときに高負荷のときよりも大きくなるように前
    記第2絞り弁の開度を制御する弁開度制御手段とを備え
    たエンジンの吸気制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記第1絞り弁と第
    2絞り弁はリンク機構で連結されているエンジンの吸気
    制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記弁開度制御手段
    は、前記第2絞り弁を駆動する弁駆動機と、エンジンの
    負荷に基づいて前記弁駆動機を制御する駆動機制御手段
    とを備えたエンジンの吸気制御装置。
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