JP2819524B2 - 土壌改良材の製造方法 - Google Patents

土壌改良材の製造方法

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JP2819524B2
JP2819524B2 JP5341851A JP34185193A JP2819524B2 JP 2819524 B2 JP2819524 B2 JP 2819524B2 JP 5341851 A JP5341851 A JP 5341851A JP 34185193 A JP34185193 A JP 34185193A JP 2819524 B2 JP2819524 B2 JP 2819524B2
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博人 安岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥地等を植生緑化す
るために用いるに好適な土壌改良材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、砂漠化した土壌や砂地等の乾燥地
等においては、水の蒸発や地下への浸透による逸水が激
しいために、天然の降雨に頼っているのみでは、植物が
その成育に十分な吸水や栄養分を得ることが出来ない。
そこでこういった乾燥地では、スプリンクラーや点滴灌
漑等による人工的な灌水を行ったり、或いはこういった
乾燥土壌の保水力を高めるために、ポリアクリル酸塩及
びその共重合体や、無水マレイン酸とα-オレフィン等
との共重合体等の塩による吸水ポリマーを、粉末状態で
混合する等の処置を施して、植物の成育及び定着を乾燥
地に図ろうとする試みがある。しかし、このような人工
的な灌水を行うには、清浄な水を継続的に大量供給出来
るような水源が必要であり、これを乾燥地の近くに得る
ことは極めて難しい。また、表層土壌中の水分蒸発が激
しいと、土壌の表層に灌水中の塩類が集積してしまっ
て、場合によっては1〜2年という短期間のうちに、こ
こに植生を施すことが出来なくなってしまい、そのメン
テナンスのためには多量の洗浄水と排水設備が必要とさ
れる。また、吸水ポリマーは、塩類を含む水に対しては
その吸水量が格段に低下する。さらに、該吸水ポリマー
を土壌中に0.3%以上混入した場合には、土壌の通気性
が低下して植生不良を起こすことが知られており、その
上、ポリマー自体が非常に高価であることに加えて、太
陽光による分解が早く、分解生成物の環境への安全性が
いまだ不明である、等の観点から、その適正且つ安全な
使用基準が未だもって確立されるに至って居ない。そこ
で、天然の産物であり、既にその土壌改良効果、保水保
肥効果及び安全性に関しては公に認められているピート
(即ち、泥炭、ピートモス、草炭等と呼称される腐植土
であり、以下本明細書においてはピートと呼称)を、こ
ういった乾燥土壌中に混入して、植物の成育に適した土
壌を造成してこれを長期間維持せんとする試みがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ピートはその
嵩比重(バルクデンシティー)が小さいことによって、
砂漠化した土壌や砂地等の乾燥土壌とは混ざり難く、ま
た、仮に混ざったとしても一時的な水、風等を受けるこ
とによって、該乾燥土壌からピートが浮き上がり、飛散
してしまう、という欠点がある。また、ピートは優れた
保水保肥効果を保有している有機物ではあるものの、該
ピート自体が植物の成育に十分なる栄養源を含有してい
るわけではない。即ち、ピート自体は、窒素、リン、カ
リウム等の栄養源や各種ミネラルに乏しいために、単に
該ピートを乾燥土壌に混入しただけでは、高等植物の成
育は困難である。ところが、ピートは、先に述べたよう
に嵩比重が小さいために固形状肥料とは混ざりにくく、
また、該ピートが保有している乾燥した植物繊維特有の
撥水性によって、液体状肥料ともなかなか馴染まない。
従って、こういった乾燥土壌にピートを使用するには、
該ピートの撥水性を取り除いたり、嵩比重を上げたり、
肥料分を混入したり、という様々な前処理を施さなけれ
ば、該ピートを乾燥土壌中に混入してもあまり有効な土
壌改良効果を得られない、という問題点を抱えており、
しかも、こういった乾燥地において土壌造成作業中にそ
のような前処理を十分に施すことは、実質上極めて困難
であった。そこで本発明は、上記事情に鑑み、乾燥地に
おいても植生に適した土壌を土壌造成作業上の負担とな
ること無く簡単に造成することが出来、長期に亘って有
効で且つ安全な、ピートを用いた土壌改良材の製造方法
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩を含有する溶液中に肥料分を溶解す
ることによってピート処理剤を生成し、ピートに前記ピ
ート処理剤を吸収させることによって、該ピートの撥水
性を抑止して、該ピートに肥料分を添加するようにし
て、構成される。また、本発明は、アルキルアリルスル
ホン酸塩を含有する溶液中に肥料分を溶解することによ
ってピート処理剤を生成し、ピートに前記ピート処理剤
を吸収させることによって、該ピートの撥水性を抑止し
て、該ピートに肥料分を添加するようにして、構成され
る。さらに、本発明において、前記肥料分は腐植酸物質
や石炭風化物であるようにして、構成される。さらに、
上述したように製造した土壌改良材に粘結材を添加する
ことによって、粘結性土壌改良材を生成し、該粘結性土
壌改良材を粒状に成型するようにして、構成される。ま
た、本発明は、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有する
溶液によってビート処理剤を生成し、ピートに前記ピー
ト処理剤を吸収させることによって、該ピートの撥水性
を抑止し、該撥水性が抑止されたピートに水溶性腐植酸
物質及び/又は石炭風化物を添加するようにして、構成
される。また、本発明は、アルキルアリルスルホン酸塩
を含有する溶液によってピート処理剤を生成し、ピート
に前記ピート処理剤を吸収させることによって、該ピー
トの撥水性を抑止し、該撥水性が抑止されたピートに水
溶性腐植酸物質及び/又は石炭風化物を添加するように
して、構成される。なお、( )内の番号等は、図面に
おける対応する要素を示す、便宜的なものであり、従っ
て、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではな
い。以下の作用の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、土壌改良材の
製造時に、撥水性が抑止された状態のピートが、肥料分
を有効に吸収するように作用する。さらに、本発明にお
いて、ピートは、肥料分として、腐植酸物質や石炭風化
物を吸収するように作用する。さらに、本発明は、粘結
材によってピートが粘結して所定粒径に纏まる形で粘結
性土壌改良材が粒状に成型されるように作用する。ま
た、本発明は、土壌改良材の製造時に、撥水性を抑止さ
れた状態のピートと水溶性腐植酸物質及び/又は石炭風
化物が均質に混合されるように作用する。
【0006】
【実施例】表1は本発明による土壌改良材の製造方法に
おいてピートの撥水性を抑止するために用いる撥水抑止
剤の例を示す表、表2は撥水抑止剤の別の例を示す表、
表3は本発明による土壌改良材の製造方法においてピー
トに添加する栄養源(多量元素)の例を示す表、表4は
本発明による土壌改良材の製造方法においてピートに添
加するミネラル(微量元素)の例を示す表、表5は本発
明による土壌改良材の製造方法においてピートの造粒に
用いる粘結材の例を示す表、図1は本発明により製造し
た土壌改良材を用いた乾燥傾斜地の土壌改良の一例を示
す図、図2は本発明により製造した土壌改良材の袋詰め
状態を示す図である。
【0007】本発明により製造される土壌改良材は、ピ
ートモス或いは草炭等と呼称される腐植土、即ち腐植化
途上にある植物繊維からなるピート(以下本明細書にお
いてはピートと呼称)を原料として構成されており、土
壌改良材の原料としてのピートは、その製品流通単位と
して、ある程度乾燥、圧縮成型等が施された形で、即ち
微粉状、粗粉状、顆粒状、ペレット状、紐状、ネット
状、或いはシート状、マット状等の適宜な形状に形成さ
れて、バラ積み状態或いは袋詰めされた形で供給される
公知のものである。本発明を用いて製造された土壌改良
材の一例である土壌改良材3は、実施例においては、図
2に示すように、土壌改良材パック30として布製の袋
31に袋詰め梱包されており、実施例における土壌改良
材パック30中には、該土壌改良材パック30の必須構
成成分である土壌改良材3と共に、バーク堆肥、バーミ
キュライト等の有機質乃至無機質土壌改良材や砂、土等
が、該土壌改良材3の粒子と均質に混練された形で、こ
こに含有されている。
【0008】土壌改良材3を構成しているピートは、該
ピートが腐植化途上にある植物繊維として本来的に保有
している撥水性を抑えて親水性を増すと共に、該ピート
に欠落している肥料分を補給するために、撥水抑止補肥
処理剤によって表面及び浸透処理されており、撥水抑止
補肥処理剤には、そのうちの撥水抑止剤として、ヘキシ
ル、オクチル、シクロヘキシル、イソブチル、デシル、
アミル等から選択されるアルキル基と、ナトリウム、カ
リウム等から選択される塩類からなるジアルキルスルホ
コハク酸塩が用いられている。さらに具体的には、ジア
ルキルスルホコハク酸塩として、以下の表1に示すよう
に、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ビストリデシルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、又は
ジアミルスルホコハク酸ナトリウム等が用いられる。ピ
ートを処理する撥水抑止剤の他の例としては、前記ジア
ルキルスルホコハク酸塩を構成しているものと同様のア
ルキル基と、フェニル、ナフタレン等から選択されるア
リル基からなるアルキルアリルスルホン酸塩が用いら
れ、さらに具体的には、アルキルアリルスルホン酸塩と
して、以下の表2に示すように、ジイソプロピルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム等が用いられる。これらの撥
水抑止剤は安全性が確認されており、即ち表1及び表2
に示す処理剤のすべては、米国食品医薬品局(FDA)
によりその使用が認可されているものであることから、
ピートの撥水性を抑止するために用いられる撥水抑止剤
の安全性は確保されている。
【表1】
【表2】
【0009】さらに、前記撥水抑止補肥処理剤には、ピ
ートに不足している肥料分を該ピートに補給するため
に、水溶性の栄養源と微量元素即ちミネラルが、前記撥
水抑止剤の溶液中に溶解された形で、これに混入されて
いる。栄養源としては、以下の表3に示すように、リン
酸カリウム、硝酸カルシウム、リン酸水素二アンモニウ
ム、リン酸水素二カリウム等が用いられる。また、ミネ
ラルとしては、以下の表4に示すように、硫酸銅二水
塩、硫酸マグネシウム七水塩、塩化マンガン四水塩、硫
酸亜鉛七水塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム鉄錯
塩、モリブデン酸ナトリウム、ホウ酸等が用いられる。
【表3】
【表4】 また、本発明により製造される土壌改良材3には、ピー
トのpHを調整するための苦土石灰、消石灰等が所定の割
合だけ添加混練される。即ち、pHを調整するための何等
かの処理、添加等を施していないピートは通常、例えば
pH3〜5程度の酸性であることが公知であるが、土壌改良
材3は改良すべき土壌に混入される以前に、こういった
石灰の類が添加混練されることにより例えばそのpHが6
〜8になるように、pH調整されている。
【0010】さらに、土壌改良材3には、ピートの粘着
性を補うための粘結材が添加されており、粘結材として
は、以下の表5に示すように、ベントナイト、ソディウ
ムカルボキシルメチル セルローズ(CMC)、ポリビ
ニールアルコール(PVA)等が用いられる。従って、
公知の何等処理がほどこされていないピートは、通常バ
ルキーな性質を保有しているが、土壌改良材3を構成し
ているピートは、上記粘結材によって粘結性を与えら
れ、該粘結性を介して該バルキー状のピートが粘着した
形で、粘結性土壌改良材である土壌改良材3が粒状に成
型されている。
【表5】
【0011】土壌改良材3を製造するに際しては、前述
したようにジアルキルスルホコハク酸やアルキルアリル
スルホン酸塩等による撥水抑止剤、及び該撥水抑止剤に
溶解混練された栄養源及び/又はミネラル等によって構
成される撥水抑止補肥処理剤を用いて、ピートに撥水抑
止補肥処理を施すことによって、ピートの性状を改良す
る。これには、土壌改良材用の製品として乾燥状態にあ
るピートを、該撥水抑止補肥処理剤の水溶液中を通過さ
せる形で、ピートに表面及び浸透処理を施すことによっ
て、撥水抑止補肥処理剤中の有効成分を該ピートに吸収
させ、これによって該ピートの撥水性を抑止すると共
に、栄養源及び/又はミネラル等の肥料分を添加する。
即ち、乾燥状態で未処理のピートは、撥水抑止補肥処理
剤中の撥水抑止剤によって、該ピートが保有していた撥
水性を抑止されて、親水性が増した状態になり、当該親
水性状態のピートが、該撥水抑止補肥処理剤中の栄養源
やミネラル分を良好に吸収することが出来る。
【0012】そこでまず、例えば、その濃度が0.01〜10
%程度をなす形の水溶液状態にした、表1又は表2に示
すような撥水抑止剤中に、表3に示したような栄養源及
び/又は表4に示したようなミネラルを、適切な組合せ
と比率で溶解混入することによって、撥水抑止処理補肥
剤を生成する。そして、当該水溶液状態をなす撥水抑止
処理補肥剤中にピートを浸漬するか、或いは処理剤溶液
をピートに吹き付ける等して、処理剤溶液中を通過させ
る。なお、実施例においては、まず混合造粒ミキサに乾
燥状態のピートを投入して、これを空練りしつつ該混合
造粒ミキサ中に所定量の撥水抑止処理補肥剤を投入し
て、撥水抑止処理剤をピートに吸収させた。これによっ
て、ピートは、該ピートが保有していた撥水性を、撥水
抑止剤を介して抑止された状態で、撥水抑止処理補肥剤
中の栄養源及び/又はミネラル等を有効に吸収すること
が出来る。すると、撥水抑止処理前のピートは、これが
腐植化途中にある植物繊維であるが故にその性質上撥水
性が高く、特に天日等により乾燥された状態のピート
は、その撥水性が極めて強いことが知られているが、上
述した撥水抑止補肥剤中の撥水抑止剤によって、ピート
が元来保有している撥水性は抑止されて、親水性を呈し
た状態で、該撥水抑止剤中の栄養源及び/又はミネラル
による肥料分を有効に吸収含有した状態になる。
【0013】なお、こうしてピートに撥水抑止補肥処理
を施す時期は、該ピートが原料として乾燥状態でも湿潤
な状態でも良く、或いはピート製品として流通するに適
した前述したような適宜な形状(顆粒状、ペレット状、
紐状、シート状等)に成型する加工前或いは加工後のい
ずれであっても良いが、少なくとも改良すべき基礎土壌
に混入される以前に当該撥水抑止補肥処理は完了されて
いる。また、撥水抑止処理を施したピートの撥水抑止効
果としては、該処理済みピートが、撥水抑止処理を何等
施さないピートに比して、吸水開始時間までの経過時間
及び最大給水量の両面で優れていることが試験で確かめ
られており、即ち原料としての乾燥状態のピートに撥水
抑止処理を施すことにより得られる土壌改良材3は格段
の親水性を呈することが出来る。
【0014】こうしてピートに撥水抑止補肥処理を施し
たところで、該ピートに表5に示した粘結材を添加する
ことによって、粘結性土壌改良材として土壌改良材3を
生成し、該土壌改良材3を粒状に成型する。なお、実施
例においては、先に述べたように撥水抑止補肥処理を混
合造粒ミキサ中において行うために、当該粘結材添加及
び粒状化作業は、該撥水抑止補肥処理に引き続き、該混
合造粒ミキサ中に粘結材を所定量添加して、撥水抑止補
肥処理剤を吸収したピートと該粘結材を混合する形で行
う。すると、先に乾燥状態にあったピートは、該ピート
の本質としてバルキーな状態を呈する形で、小さな嵩比
重(バルクデンシティー)を呈しているが、当該粘結材
の添加によって、該ピートは粘結性を付与される形にな
る。すると、それまでバルキーな状態であったピート
が、粘結材の粘結性を介して、適宜な粒径に纏まる形
で、粒状の土壌改良材3が得られる。なお、こうした造
粒化は、例えばペレタイザ等を使用して、混合動作と造
粒動作を別々に行っても構わない。
【0015】こうして、混合造粒ミキサ中において、粒
状の土壌改良材3を製造したところで、該混合造粒ミキ
サ中にバーク堆肥、バーミキュライト等の有機質乃至無
機質土壌改良材や砂、土等を所定量投入する。すると、
土壌改良材3は既に、該土壌改良材の原料であったピー
トの性質である撥水性を抑止されて、粘結材を介して所
定粒径に纏められた形で、その嵩比重が大きくなった状
態で粒状を呈しているところから、該粒状の土壌改良材
と、これ等有機質乃至無機質土壌改良材や砂、土等とが
均質に混合される。そこで、こうして得られた土壌改良
材3及びその他の材料の混合物を、所定量づつ適宜な布
製の袋31に詰めることによって、図2に示すような土
壌改良材パック30が製造される。
【0016】そこで、本発明により製造した土壌改良材
3を用いて、例えば、砂地等の乾燥傾斜地を植生に適し
たように土壌改良するには、図1に示すように、該乾燥
傾斜地1の基礎土壌2における表層部分2aに土壌改良
材3を設置する。これには、図2に示すように、土壌改
良材3がその他の材料と共に布製の袋31に袋詰めされ
た土壌改良材パック30を、傾斜乾燥地1に輸送し、該
土壌改良材パック30を、基礎土壌2上に並べて敷設す
る。或いは、該表層部分2aにおいて該基礎土壌2を構
成している砂地盤に土壌改良材3を直接混合する。この
際、土壌改良材3は、粘結材を介して粒状に形成され
て、その嵩比重が大きな状態になっているため、その取
扱が容易で、基礎土壌2を構成している砂地盤と混ざり
易く、また、土壌造成作業中、或いはその後に風等によ
って飛散する懸念がない。こうして、表層部分2aに土
壌改良材3を配置させることによって、改良土壌20を
造成する。すると、改良土壌20には、その撥水性が抑
止されて、十分な肥料分を含有した状態のピートからな
る土壌改良材3が配置されることによって、該改良土壌
20が、親水性に富み、保水性を備え、且つ十分なる肥
料分を含有した状態で、植物の成育基盤として、基礎地
盤20を覆うように造成される。
【0017】こうしておいて、傾斜乾燥地1の基礎土壌
2に公知の点滴灌漑を適用して、有孔管5を介して表層
部分2aに灌水用の水6を供給すると、該水6は有孔管
5の孔5aから表層部分2a中に滴下する。すると、表
層部分2aの改良地盤20には、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩やアルキルアリルスルホン酸塩等により撥水抑止
処理を施されることによりピートの撥水性が抑止されて
格段の親水性を呈した形の土壌改良材3が混入されてい
るところから、水6は、基礎土壌2を構成している砂粒
子間の間隙を介して図2下部に示す表層部分2aより地
下側に浸透したり或いは天日により蒸発して逸水してし
まうことなく、土壌改良材3を構成している撥水抑止処
理を施されたピートと良好に馴染んで、ここに水6が保
留される。これにより基礎土壌2の表層部分2aは、土
壌改良される以前に比して格段の保水性を得られる。従
って、有孔管5aを介して供給される灌水用の水6以外
の天然の降雨が傾斜乾燥地1にあった場合にも、該降雨
による水6は、表層部分2aの改良地盤20中に保留さ
れる。
【0018】また、こうして水6を与えられた土壌改良
材3は、該土壌改良材3の製造時に撥水抑止補肥処理剤
中に溶解含有されていた栄養源及び/又はミネラルを、
ピートの組織中に十分吸収していることによって、表3
及び表4に示した栄養源及び/又はミネラル等の分解に
よって改良地盤20中に、窒素(N)、リン(P)、カ
リウム(K)等の栄養源、及び/又は、マグネシウム
(Mg)、硫黄(S)、鉄(Fe)、ホウ素(B)、亜
鉛(Zn)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、
カルシウム(Ca)等のミネラル即ち微量元素を供出す
る。これによって、改良地盤20は、ここに植物が成育
するに適格な土壌になる。特に、これ等の栄養源及び/
又は微量元素がその成育に必須であるような、野菜、果
物等の高等植物の成育も可能になる。これにより傾斜乾
燥地1は、ピートが元来保有している保水性及び保肥性
に加えて、十分親水性に富んで且つ十分なる栄養分を供
出し得る形で、その表層部分2aに改良地盤20が植物
成育基盤として造成される。そして、該傾斜乾燥地1
は、人工的な材料に頼ることなく、天然の産物であるピ
ートによって地盤自体が改良された形で、植生に有効な
土壌条件を長期に亙って維持することが出来る。
【0019】このように、基礎土壌2を植生に適したよ
うに地盤改良するためには、単にその表層部分2aに土
壌改良材3を混合するだけで良く、従ってこれを予め傾
斜乾燥地1においてピートを所定の時間浸水する等の煩
雑な増水処理を行う必要がないので、土壌造成作業上効
率的な土壌改良を行うことが出来る。なお、一旦基礎土
壌2の表層部分2aと混合されて水6の供給を受けた土
壌改良材3は、ピートが元来保有していた撥水性が既に
予め取り除かれていることによって、表層部分2aに敷
設された直後から常時若干の水分を保持して、即ち湧水
性を帯びて、植物の成育及び維持定着に十分な水を該改
良材3が補給することが出来ると共に、ピートが元来保
有している腐植土成分を植物に肥料として有効に供給す
る形で、長期に亙って保肥効果をもたらすことも出来
る。さらに、改良地盤20は、天然の産物であるピート
を原料とする土壌改良材3によって構成されていること
によって、基礎土壌2と馴染みが良く、また、土壌改良
材3を構成しているピートは嵩比重が大きくなるよう調
整されていることによって風雨によって飛散することが
ないので、該改良地盤20の表層部分をシートやエマル
ジョン樹脂等によって被覆しておく必要がない。従っ
て、該改良地盤20の造成後に、追肥の必要が生じたと
きには、任意のときに、必要な種類の栄養源及び/又は
ミネラルを、必要な量だけ、単独又は予め灌水液に溶解
させて、改良地盤20に直接散布或いは混合する形で追
加したり、或いは、該改良地盤20をこれより深層の基
礎土壌2と混合することによって、改良地盤20の層厚
さを増大させることも可能である。
【0020】なお、上述した実施例においては、表1又
は表2に示すような撥水抑止剤中に表3に示す栄養源及
び/又は表4に示すミネラルを溶解混入することによっ
て、撥水抑止処理補肥剤を生成し、該撥水抑止処理補肥
剤をピートに吸収させることによって、ピートに撥水抑
止処理と栄養源及び/又はミネラルの添加を施し、土壌
改良材3を生成するようにした例を述べたが、撥水抑止
処理補肥剤に溶解する栄養源及び/又はミネラルは、腐
植酸物質や石炭風化物であっても良い。
【0021】即ち、腐植酸物質は、亜炭、褐炭、ピート
を硝酸や二酸化窒素で酸化した物質及びその塩(例え
ば、アンモニウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等)
であり、腐植酸含有量が40%以上のものである。する
と、こうした腐植酸物質は、易水溶性であるところか
ら、簡単に撥水抑止剤に溶解される。よって撥水抑止補
肥処理剤の生成が簡単である。且つ腐植酸物質は、堆肥
の10倍以上の肥効があるところから、該腐植酸物質が
溶解混入された撥水抑止処理補肥剤を単にピートに吸収
させるだけで、該ピートに栄養源及び/又はミネラルを
有効に添加補給することが出来る。このようにして、簡
単に栄養分に富んだ土壌改良材3を生成することが出
来、これに必要な腐植酸物質は少量ですむ。
【0022】また、石炭風化物は、亜炭、瀝青炭等が自
然環境下において風化することによって、腐植酸含有量
が40%以上になったものであり、極めて水に溶けやす
く、また、上記腐植酸物質と同等の肥効がある。従っ
て、該石炭風化物を撥水抑止剤中に溶解混入して、撥水
抑止補肥処理材を生成し、これをピートに吸収させれ
ば、簡単且つ有効に、栄養分に富んだ土壌改良材3を生
成することが出来る。そして、このような石炭風化物
は、自然界中に現存する天然資源であるところから、安
全である。なお、こうした石炭風化物は従来、これを単
独に利用する用途が特になかったが、このように撥水抑
止処理補肥剤の生成(即ち栄養源及び/又はミネラルの
添加)を行うに用いることによって、該石炭風化物の保
有している栄養分を有効に利用することが出来る。ま
た、石炭風化物の利用目的は、土壌改良であるところか
ら、該石炭風化物を土壌改良材3の製造に用いることに
よって、結果的には、該石炭風化物を地盤中に還元する
形になる。よって、石炭風化物の利用が天然資源の乱獲
に繋がることはない。
【0023】このように、腐植酸物質や石炭風化物を用
いれば、簡単且つ有効にピートに栄養源及び/又はミネ
ラルを添加することが出来る。また、腐植酸物質や石炭
風化物自体が親水性に富んでいるので、土壌改良材の保
水力及び該保水力に起因する保肥力が高まる。さらに、
こうした腐植酸物質や石炭風化物は、安価である。ま
た、腐植酸物質や石炭風化物の原料は、上述したよう
に、植物が腐植化途上にあるものによって構成されてい
るために、ピートの産地に共存している場合が多い。こ
の際には、土壌改良材3を製造するための原料を同一地
区で調達することが出来るので、原料輸送費が安価です
む。
【0024】さらに、こうした腐植酸物質や石炭風化物
は、上述したように植物が炭化する途中の物質であるた
め、土壌改良材3の原材料であるピートと馴染みが良
い。よって、該腐植酸物質や石炭風化物は、必ずしも撥
水抑止処理補肥剤中に溶解混入された溶液成分状態で用
いられなくても構わない。即ち、表1に示すようなジア
ルキルスルホコハク酸塩や表2に示すようなアルキルア
リルスルホン塩を単に水溶液状にした撥水抑止剤を、ピ
ート処理剤として用いる。そして、該ピート処理剤をま
ずピートに吸収させて、該ピートの撥水性を抑止してお
く。ここに、水溶性腐植酸物質及び/又は石炭風化物
を、粉体状態のまま添加することによって、土壌改良材
3を製造する。すると、腐植酸物質や石炭風化物は、ピ
ートと馴染みが良いことによって、該撥水性を抑止され
たピートと腐植酸物質及び/又は石炭風化物は容易に均
質に混合される。従って、こうした腐植酸物質や石炭風
化物がピートと混ざり合わずに、浮き上がったり、沈み
込んだりする懸念なく、均質で且つ肥料分に富み、ま
た、保肥力、保水力も備えた土壌改良材3が製造され
る。このように、水溶性腐植酸物質や石炭風化物を、水
溶液状にして撥水抑止補肥処理剤中に溶解混入された形
で用いることなく、粉体のままの添加材として用いるこ
とによって、土壌改良材3の製造手間が簡略になる。ま
た、粉体の水溶性腐植酸物質や石炭風化物は輸送及び保
管時のハンドリングが容易であり、さらに栄養源及び/
又はミネラルの混入量を、溶液濃度や容量等に頼らず水
溶性腐植酸物質や石炭風化物の添加重量で管理すること
が出来る、という利点も生じる。
【0025】なお上述した実施例においては、本発明に
より製造した土壌改良材3を、バーク堆肥、バーミキュ
ライト等の有機質或いは無機質土壌改良材や砂、土等と
共に袋詰めした土壌改良材パック30として、用いた例
を述べたが、土壌改良材3は、微粉状、粗粉状、顆粒状
にした該土壌改良材3を表層部分2aを構成している砂
地盤と混合するか、或いは、ペレット状の土壌改良材3
を播置きしたり、さらには、基礎土壌2上を覆う形で、
紐状、ネット状に成型した土壌改良材3を展開固定した
り、シート状、マット状に成型した土壌改良材3を敷設
したり、その他適宜な形状に成型したものを適宜な方法
により用いて差し支えない。また、土壌改良材パック3
0に、粉状の土壌改良材3を使用しても良い。なお、基
礎土壌2を土壌改良して改良土壌20を得る際には、土
壌改良材パック30として袋詰めされていない土壌改良
材3と、バーミキュライト、パーライト、ベントナイ
ト、ゼオライト、木炭等の公知の土壌改良材を、該表層
部分2aの造成時に該表層部分2aに混ぜる形で、これ
を構成している砂地盤中に添加混入しても良く、これら
の公知の土壌改良材の土壌改良材3への添加混練方法は
任意である。勿論、基礎土壌2中に、公知の無機乃至有
機肥料や、吸水ポリマー等を必要に応じて任意の時期に
適宜添加しても構わない。また、実施例においては、土
壌改良材3は、若土石灰、消石灰等を添加混練すること
によりpH調整してこれを用いる例を述べたが、酸性を嫌
わない植物への適用や、アルカリ性土壌では、pH調整せ
ずに利用しても良いことは勿論である。また、本発明に
よる土壌改良材を用いて乾燥傾斜地1の基礎土壌2等を
土壌改良するにあたっては、必ずしも上述した点滴灌漑
を併用する必要はなく、例えば天然の降雨のみに頼って
も、或いは他の人工的な灌水方法を用いても何等差し支
えない。さらに、本発明により製造される土壌改良材
は、その適用が乾燥傾斜地の砂地盤に限定されるもので
はなく、水の蒸発や地下への浸透による逸水が激しい、
砂漠化した貧土壌や、或いは急傾斜地、硬質土壌、その
他の、天然の降雨に頼っているのみでは、植物がその成
育に十分な吸水を得ることが出来ない地域に適用して
も、前述したと同様の効果、即ち、長期に亘って植生に
有効で且つ安全な土壌が、造成作業上の負担となること
なく容易に得られる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ジ
アルキルスルホコハク酸塩を含有する溶液中に水溶性栄
養源及び/又は微量元素(ミネラル)などの肥料分を溶
解することによってピート処理剤を生成し、ピートに前
記ピート処理剤を吸収させることによって、該ピートの
撥水性を抑止して、該ピートに肥料分を添加するように
して構成したので、土壌改良材の製造時に、撥水性が抑
止された状態のピートが、肥料分を有効に吸収すること
が出来る。従って、本発明により製造された土壌改良材
は、ピートの撥水性が抑止されたことによって、親水性
を保有した状態に調整されることに加えて、肥料分を十
分に含有した状態を呈する。従って、該製造された土壌
改良材を、傾斜乾燥地1等の植生困難な乾燥地におい
て、改良すべき土壌である基礎土壌2の表層部分2a等
に混入するだけで、こういった乾燥地においても植生に
適した土壌を土壌造成作業上の負担となること無く簡単
に造成することが出来る。そして、土壌改良材は、既に
その撥水性が抑止されると共に、その内部に肥料分を十
分に含有した状態で、改良すべき地盤中に配置されると
ころから、地盤造成後直ちにその効果を発揮出来る。ま
た、後日、灌水中に栄養源や微量元素を適時、適量追加
して、該土壌改良材に有効に添加吸収させることが出来
る。また、ピートは公知のように天然の産物であるが故
に腐植によって劣化して環境破壊を起こす懸念なく、む
しろ、該ピートが保有している腐植土としての肥料分を
改良すべき土壌に与えて、これを栄養分に富んだ良質な
土壌にすることが出来る。よって、本発明により製造さ
れた土壌改良材は、長期に亙って有効で且つ安全な土壌
改良効果を発現することが出来るので、その結果、土壌
自体が保水力と保肥力、並びにピートの特性である通気
性の向上等の地盤改良効果を蓄える形で、栄養分に富ん
だ良質な土壌が植生困難地域に維持されて、ここが緑化
されることが可能となる。
【0027】また、本発明は、アルキルアリルスルホン
酸塩を含有する溶液中に水溶性栄養源及び/又は微量元
などの肥料分を溶解することによってピート処理剤を
生成し、ピートに前記ピート処理剤を吸収させることに
よって、該ピートの撥水性を抑止して、該ピートに肥料
を添加するようにして構成しても、土壌改良材の製造
時に、撥水性が抑止された状態のピートが、肥料分を有
効に吸収することが出来る。従って、前述したようにジ
アルキルスルホコハク酸塩を含有する溶液中に肥料分
溶解することによってピート処理剤を生成した場合と、
全く同様の効果を得ることが出来る。
【0028】さらに、本発明において、前記肥料分は腐
植酸物質や石炭風化物であると、土壌改良材の製造時
に、ピートは、肥料分として、腐植酸物質や石炭風化物
を吸収することが出来る。すると、こうした腐植酸物質
や石炭風化物は、腐植酸含有量が多量であるところか
ら、肥効が極めて高く、少量でも有効な肥料分になり得
る。また、腐植酸物質や石炭風化物は、水に溶け易いの
で、先に述べたジアルキルスルホコハク酸塩やアルキル
アリルスルホン酸塩を含有する溶液に容易に溶解され
る。従って、肥料分を含有するピート処理剤を簡単に生
成することが出来る。この結果、先に述べたように栄養
分に富んだ土壌改良材を、より一層簡単に製造すること
が可能となる。
【0029】さらに、本発明は、上述したように製造し
た土壌改良材に粘結材を添加することによって、粘結性
土壌改良材を生成し、該粘結性土壌改良材を粒状に成型
するようにして構成すると、粘結材によってピートが粘
結して所定粒径に纏まる形で、粘結性土壌改良材が粒状
に成型されることが出来る。すると、粘結材を介して粒
状に纏められたピートは、その嵩比重が増大するので、
砂等の土壌に混入し易く、風によって飛散したり、他の
部材と混合したとき浮き上がることがなくなる。従っ
て、土壌造成作業中に土壌改良材の取扱が容易になっ
て、作業が楽になる。また、基礎土壌2等の改良すべき
土壌や、本発明により製造される上記土壌改良材以外の
他の土壌改良材料との馴染が一層良好になる。
【0030】また、本発明を、ジアルキルスルホコハク
酸塩を含有する溶液によってピート処理剤を生成し、ピ
ートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、該
ピートの撥水性を抑止し、該撥水性が抑止されたピート
に水溶性腐植酸物質及び/又は石炭風化物を添加するよ
うにして構成すると、土壌改良材の製造時に、撥水性を
抑止された状態のピートと水溶性腐植酸物質及び/又は
石炭風化物が均質に混合されることが出来る。即ち、水
溶性腐植酸物質とは、亜炭、褐炭、ピート等を硝酸や二
酸化窒素で酸化した物質及びその塩(アンモニウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩等)であり、また、石炭風
化物とは、亜炭、瀝青炭等が自然環境下において風化し
た天然資源であるところから、該腐植酸物質や石炭風化
物は、腐植化途上にある植物繊維から構成されているピ
ートと非常に馴染み易い。従って、ピートにピート処理
剤を吸収させることによって単に撥水性を抑止したピー
トと、粉体状の水溶性腐植酸物質や石炭風化物が、容易
に混合され得る。すると、先に述べたように、有効な栄
養分を保有している腐植酸物質や石炭風化物を、粉体状
態でピートに添加することが出来、このような粉体の水
溶性腐植酸物質や石炭風化物は輸送及び保管時のハンド
リングが容易である。またピートへの混入量を、溶液濃
度や容量等に頼らず水溶性腐植酸物質や石炭風化物の添
加重量で管理することが出来る、という利点も生じる。
この結果、長期に亙って有効で且つ安全な土壌改良材
を、一層簡単に製造することが可能となる。なお、水溶
性腐植酸物質の原料(即ち亜炭、褐炭、ピート等)や石
炭風化物は、ピートの産地に共存していることが多いの
で、輸送費も安価で済む。よって、土壌改良材を経済的
に製造出来る。
【0031】また、本発明を、アルキルアリルスルホン
酸塩を含有する溶液によってピート処理剤を生成し、ピ
ートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、該
ピートの撥水性を抑止し、該撥水性が抑止されたピート
に水溶性腐植酸物質及び/又は石炭風化物を添加するよ
うにして構成すると、前述したようにジアルキルスルホ
コハク酸塩を含有する溶液によってピート処理剤を生成
した場合と、全く同様の効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造した土壌改良材を用いた乾燥
傾斜地の土壌改良の一例を示す図である。
【図2】本発明により製造した土壌改良材の袋詰め状態
を示す図である。
【符号の説明】
1……傾斜乾燥地 2……基礎土壌 3……土壌改良材

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアルキルスルホコハク酸塩を含有する溶
    液中に肥料分を溶解することによってピート処理剤を生
    成し、 ピートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、
    該ピートの撥水性を抑止して、該ピートに肥料分を添加
    するようにした、土壌改良材の製造方法。
  2. 【請求項2】アルキルアリルスルホン酸塩を含有する溶
    液中に肥料分を溶解することによってピート処理剤を生
    成し、 ピートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、
    該ピートの撥水性を抑止して、該ピートに肥料分を添加
    するようにした、土壌改良材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記肥料分は腐植酸物質である、請求項1
    又は請求項2記載の土壌改良材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記肥料分は石炭風化物である、請求項1
    又は請求項2記載の土壌改良材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2によって製造した土
    壌改良材に粘結材を添加することによって、粘結性土壌
    改良材を生成し、 該粘結性土壌改良材を粒状に成型するようにした、土壌
    改良材の製造方法。
  6. 【請求項6】ジアルキルスルホコハク酸塩を含有する溶
    液によってピート処理剤を生成し、 ピートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、
    該ピートの撥水性を抑止し、 該撥水性が抑止されたピートに水溶性腐植酸物質及び/
    又は石炭風化物を添加するようにした、土壌改良材の製
    造方法。
  7. 【請求項7】アルキルアリルスルホン酸塩を含有する溶
    液によってピート処理剤を生成し、 ピートに前記ピート処理剤を吸収させることによって、
    該ピートの撥水性を抑止し、 該撥水性が抑止されたピートに水溶性腐植酸物質及び/
    又は石炭風化物を添加するようにした、土壌改良材の製
    造方法。
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