JP2819410B2 - 透湿防水素材用熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

透湿防水素材用熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる、すぐれた透湿性と防水
性とを有する透湿防水素材用熱可塑性ポリウレタン樹脂
の製造方法に関し、さらに詳細には、特定のソフトセグ
メントとハードセグメントとから構成された、衣料用を
はじめとして、各種産業資材用または医療資材用などを
対象とした透湿防水加工素材に適する熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 ところで、衣料用基材には透湿性、耐光性、耐NOX
(耐オキシダント性)、表面滑性、撥水性、柔軟性、耐
加水分解性または耐洗濯性などの如き数多くの物性が要
求されていることは良く知られている。中でも、スポー
ツ用衣料の一般化に伴つて高い透湿性と、すぐれた防水
性とを併せ有することは不可欠となつている。 従来、高透湿皮膜を得るためには、それがポリウレタ
ン皮膜であれ、その他の合成樹脂皮膜であれ、皮膜を多
孔化せしめるという方法によるか、あるいは多孔化せず
に樹脂を親水化せしめるという方法によるかしていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、皮膜を多孔化せしめるという方法による場
合には、高い透湿度が得られるものの、そうした反面
で、かかる加工法自体が比較的複雑であるし、しかも得
られる皮膜の強度の向上化が期し難く、漏水も起こり易
く、ひいては洗濯のさいに耐水度が低下するという欠点
がある。 他方、樹脂を親水化せしめるという方法による場合に
は、かかる加工法自体に手間がかからず、しかも強い皮
膜強度をもつたものが得られるという反面、高い透湿度
が得られ難く、しかも樹脂を親水化せしめることによつ
て皮膜それ自体の耐水性や耐加水分解性の劣化が起こり
易いという欠点がある。 このように、従来より採られている方法に従う限り
は、必ずしも満足すべき高透湿皮膜を得ることができな
くなつた。 〔問題点を解決するための手段〕 しかるに、本発明者らは加工法それ自体が簡単で、か
つ漏水の心配のない非多孔質であつて、しかも高い透湿
性を有すると同時に撥水性にも富んだ、表面滑性、耐光
性、耐NOX性、耐水性ならびに耐加水分解性などにバラ
ンスのとれたウレタン樹脂の製造方法を提供するべく鋭
意検討を重ねた結果、ポリシロキサンジオールという特
定のソフトセグメントの存在が上述した如き目的に合致
するものであることを見い出して、本発明を完成させる
に到つた。 すなわち、本発明は熱可塑性ポリウレタン樹脂固形分
を基準として、ジオール成分として平均分子量が600〜3
000なる範囲のポリシロキサンジオール3〜50重量%
と、このポリシロキサンジオールの含有量の0.6〜5倍
量の平均分子量が800〜2200なる範囲のポリオキシテト
ラメチレングリコールと、該シロキサンジオール及び該
ポリオキシテトラメチレングリコール以外の他のジオー
ルを該ポリシロキサンジオールと該ポリオキシテトラメ
チレングリコールとの合計量の0.3〜0.7倍量と脂肪族ジ
イソシアネートとを反応させ、次いで脂肪族アミンを反
応させることを特徴とする、透湿防水素材用熱可塑性ポ
リウレタン樹脂の製造方法であり、該ポリウレタン樹脂
がハードセグメントが脂肪族ジイソシアネートと脂肪族
ジアミンとから構成されている、高い透湿性と防水性と
を有する透湿防水素材用の熱可塑性ポリウレタン樹脂の
製造方法を提供しようとするものである。 ここにおいて、上記したポリシロキサンジオールと
は、 一般式 で示されるような化合物を指称するものである。 そして、当該ポリシロキサンジオールの本発明ポリウ
レタン樹脂中における含有率としては、この本発明ポリ
ウレタン樹脂の固形分重量を基準として3〜50重量%な
る範囲内が適当である。3重量%未満である場合には、
十分な耐水性や表面滑性が得られ難くなるし、逆に50重
量%を超える場合には、コストが高くなるために好まし
くない。 また、当該ポリシロキサンジオールの平均分子量が60
0未満となる場合には、シリコーン特有の撥水性や滑性
が期待できなくなるし、逆に3,000を超える場合には、
他のウレタン樹脂原料、すなわちポリオキシテトラメチ
レングリコール、これら当該ポリシロキサンジオールお
よびポリオキシテトラメチレングリコール以外のジオー
ル類、脂肪族ジイソシアネートならびに脂肪族ジアミン
との相溶性が低下するために安定なポリウレタン樹脂溶
液が得られ難くなるし、ひいては皮膜も均一性に欠ける
ものとなる処から、いずれも好ましくない。 前記ポリオキシメチレングリコールの本発明ポリウレ
タン樹脂中における含有率としては、前掲した如きポリ
シロキサンジオールの0.6〜5倍量の範囲内であること
が必要である。 当該ポリオキシテトラメチレングリコールの含有率が
前掲のポリシロキサンジオールの含有率の0.6倍未満と
なる場合には、かかるポリシロキサンジオールとの相溶
性が著しく低下することとなり、その結果、均一なポリ
ウレタン樹脂皮膜が得られ難くなる。 そして、当該ポリオキシテトラメチレングリコールの
平均分子量としては800〜2,200なる範囲内が適当であ
る。800未満である場合にも、逆に2,200を超える場合に
も共に、前掲のポリシロキサンジオールとの相溶性が著
しく低下するようになり、したがつて安定な樹脂溶液が
得られ難くなるので、いずれも好ましくない。 他方、前記した脂肪族ジイソシアネートとは、分子中
に2個のイソシアネート基を有する化合物を指称するも
ののうち、それぞれのイソシアネート基が直接、芳香環
に結合していない化合物を広く包含するものである。そ
のうちでも代表的な化合物を挙げればイソホロンジイソ
シアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′
−ジイソシアネート(水素化MDI)、ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)または水素化キシリレンジイソ
シアネート(HXDI)などである。これらは1種または2
種以上で用いられる。 また、前記脂肪族ジアミンとは分子中に2個のアミノ
基を有する化合物を指称するもののうち、それぞれのア
ミノ基が直接、芳香環に結合していない化合物を広く包
含するものである。そのうちでも代表的なものを挙げれ
ばジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン(水素化M
DA)、エチレンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)
またはヘキサメチレンジアミンなどである。 さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂を調製す
るに当つて用いられる、前掲したそれぞれポリシロキサ
ンジオールおよびポリオキシテトラメチレングリコール
以外のジオールとしては、一般にポリウレタン樹脂の製
造に用いられているジオール類であれば、いずれでもよ
いが、そのうちでも代表的なものを挙げれば、ポリオキ
シエチレングリコールもしくはポリオキシプロピレング
リコールの如きポリオキシアルキレングリコール(ポリ
オキシアルカンジオール);エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルまたはシクロヘキサンジメタノール(シクロヘキサン
ジメチロール)の如き分子内に2個のアルコール性水酸
基を有する化合物;これらの各種グリコール類(ジオー
ル類)とこはく酸、アジピン酸、アゼライン酸もしくは
セバチン酸またはフタル酸、イソフタル酸もしくはテレ
フタル酸の如き二塩基酸あるいは炭酸などとのエステル
ジオール類;さらにはγ−カプロラクトンを開環重合さ
せて得られるジオール類などである。 本発明は、ポリシロキサンジオール及びポリオキシテ
トラメチレングリコール以外の他のジオールを該ポリシ
ロキサンジオールと該ポリオキシテトラメチレングリコ
ールとの合計量の0.3〜0.7倍量使用することを特徴とす
るものである。 以上に掲げられたような各種のウレタン樹脂原料を用
いて本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂を調製するに当
つて、その調製方法は何ら限定されるものではないが、
ソフトセグメントたる長鎖ジオール類のヒドロキシル基
と脂肪族ジイソシアネートのイソシアネート基との比率
としては1/1.3〜1/4.5程度が適当であつて、まず、かか
る比率でイソシアネート・プレポリマーを調製し、次い
でこのプレポリマーを脂肪族ジアミンで鎖伸長せしめる
という、いわゆるプレポリマー法に従うことを推奨する
ものである。 こうした一連の反応は溶液中で行なわれるのが一般的
であるが、そのさい、前掲のウレタン樹脂原料中のポリ
シロキサンジオールをはじめとする各種ジオール類(グ
リコール類)との相溶性や、得られる熱可塑性ポリウレ
タン樹脂との相溶性などの面から、溶剤としてはジメチ
ルホルムアミドをそれ単独で、または他の溶剤との混合
状態で、あるいはトルエンとイソプロパノールの如きア
ルコール類との混合溶剤、またはトルエンとエチルセロ
ソルブの如きグリコールエーテル類との混合溶剤を任意
の割合で用いるのが好ましい。 また必要に応じて、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹
脂には公知慣用の反応触媒を用いることは一向に差し支
えがないし、さらに本発明の目的および効果が損われな
い限りにおいて公知慣用の顔料、充填剤、光安定剤また
は酸化防止剤などの各種添加剤を配合することも一向に
差し支えがない。 〔発明の効果〕 かくして得られる本発明の透湿防水素材用熱可塑ポリ
ウレタン樹脂は分子中にポリシロキサン結合を含むもの
であるために、本発明ポリウレタン樹脂より得られる皮
膜は表面滑性が良好であることはもとより、撥水性にも
すぐれるし、しかも高い透湿性をも有すると同時に耐光
性、耐NOX性、耐加水分解性ならびに耐洗濯性も良好で
ある処から、とりわけ透湿防水加工用素材として最適の
ものである。 〔実施例〕 次に、本発明を実施例および比較例により具体的に説
明するが、以下において部および%は特に断りのない限
り、すべて重量基準であるものとする。 なお、得られた樹脂についての諸物性の評価は次のよ
うな要領で行なつたものである。 まず、100%モジユラス、破断強度および破断時伸び
からなる強伸度は幅が5mmで、かつ標線間距離が20mmな
る短冊型フイルムを試料とし、この試料を20℃、65%R.
H.なる室内において3日間熟成させたのち、同室内にお
いて引張速度が300mm/minなる条件で測定したものであ
る。 次に、透湿度はJIS Z−0208に従つて、半径が30mmな
る円形フイルムを試料とし、この試料について40℃、90
%R.H.なる雰囲気中で測定したものである。 また、表面滑性はガラス基板上に膜厚が20μmなるフ
イルムを作成してこれを試料とし、この試料を20℃、65
%R.H.なる室内において3日間熟成させたのち、「HEID
ON−14」(西ドイツ国ヘイドン社製の表面性測定機)に
て荷重を20gとして摩擦係数を測定して評価したもので
ある。 さらに、耐水性はフイルム上に水滴を落としてその水
滴の接触角をゴニオメーターで測定し、他方、5cm×5cm
なるサイズのフイルムを水に10分間浸漬させたのち面積
膨潤率を求めて、それぞれ接触角および水膨潤率により
評価したものである。 さらにまた、耐加水分解性はフイルムを70℃、95%R.
H.なる雰囲気中に4日間保持させたのち、前述した如き
要領でフイルムの強伸度を測定し、この強伸度の値から
破断強度保持率を算出して評価したものである。 また、耐光性は「島津フエード・テスター CF−20S」
〔(株)島津製作所製のフエード・メーター〕を用い、
63℃、40%R.H.なる雰囲気中で100時間に亘つて光照射
を行ない、次いで20℃、65%R.H.に保持された室内で3
日間熟成させたのち強伸度および黄変度(ΔN)を測定
して評価したものである。 さらに、耐NOX性はJIS L−0855(旧法)に従い、2倍
濃度でNOXガス(オキシダント・ガス)を6時間に亘つ
てフイルムに曝露せしめたのち、一昼夜に亘つて乾燥せ
しめてから黄変度(ΔN)を測定して評価したものであ
る。 実施例1 攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた反応容器中
に、平均分子量が2,000なるポリシロキサンジオール
〔信越シリコーン(株)製品を使用〕の45部、平均分子
量が2,000なるポリオキシテトラメチレングリコール(P
TMG)の45部、平均分子量が2,000なるポリ(1,4−ブタ
ンジオールアジペート)(PBA)の60部およびトルエン
の50部を仕込んでこれらを溶解させたのち、IPDIの50部
と反応触媒としてのジブチル錫ジラウレートの0.05部と
を加えて80℃で4時間反応させ、次いで、トルエンの80
部を加えて、50℃以下に冷却し、イソシアネート当量が
1,100なるイソシアネート・プレポリマーの溶液を得
た。 別に、撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた反応
容器中に、H12MDAの25部、トルエンの190部、イソプロ
パノール(IPA)の300部、メチルセロソルブの140部お
よび反応停止剤としてのジ−n−ブチルアミン(D−nB
A)の0.15部を仕込んで、さらにここにイソシアネート
・プレポリマー溶液の270部を加えて35℃で2時間反応
させ、不揮発分(N.V.)が20%で、かつ25℃における粘
度(以後も同様)が14,000cpsなる無色透明のポリウレ
タン樹脂溶液を得た。 実施例2 出発原料として、平均分子量が2,000なるポリシロキ
サンジオールの18部、平均分子量が2,000なるPTMGの90
部、平均分子量が2,000なるポリ(1,3−プロピレングリ
コール)(PPG)の42部およびトルエンの50部を用いて
これらを溶解させるように変更した以外は、実施例1と
同様にしてイソシアネート当量が1,100なるイソシアネ
ート・プレポリマーの溶液を得た。 以後も、このイソシアネート・プレポリマー溶液を用
いるように変更した以外は、実施例1と同様にしてN.V.
が20%で、かつ粘度が9,600cpsなる無色透明のポリウレ
タン樹脂溶液を得た。 実施例3 出発原料として、平均分子量が2,000なるポリシロキ
サンジオールの45部、平均分子量が2,000なるPTMGの45
部、平均分子量が2,000なるポリエチレングリコール(P
EG)の45部およびトルエンの50部を用いてこれらを溶解
させるように変更した以外は、実施例1と同様にしてイ
ソシアネート当量が1,100なるイソシアネート・プレポ
リマーの溶液を得た。 以後も、このイソシアネート・プレポリマー溶液を用
いるように変更した以外は、実施例1と同様にしてN.V.
が20%で、かつ粘度が9,100cpsなるポリウレタン樹脂溶
液を得た。 実施例4 出発原料として、平均分子量が1,000なるポリシロキ
サンジオールの45部、平均分子量が1,000なるPTMGの60
部、平均分子量が2,000なるPEGの45部およびトルエンの
55部を用いて溶解させるように変更させ、次いでこれに
加えるべきIPDIの使用量を60部に、なおかつ加えるべき
トルエンの使用量を85部に変更させるように変更させた
以外は、実施例1と同様にしてイソシアネート当量が1,
225なるイソシアネート・プレポリマーの溶液を得た。 以後も、H12MDA、トルエン、IPA、メチルセロソルブ
およびD−nBAの使用量をそれぞれ20部、130部、225
部、110部および0.12部に変更すると共に、加えるべき
イソシアネート・プレポリマー溶液の使用量をも242部
に変更した以外は、実施例1と同様にしてN.V.が20%
で、かつ粘度が15,000cpsなる無色透明のポリウレタン
樹脂溶液を得た。 比較例1 出発原料として、平均分子量が2,000なるPTMGの105
部、平均分子量が2,000なるPBAの45部およびトルエンの
50部を用いてこれらを溶解させるように変更した以外
は、実施例1と同様にして対照用の、イソシアネート当
量が1,100なるイソシアネート・プレポリマー溶液を得
た。 以後も、この対照用イソシアネート・プレポリマー溶
液を用いるように、変更した以外は、実施例1と同様に
して対照用のポリウレタン樹脂溶液を得た。このものは
N.V.が20%で、かつ粘度が12,100cpsなる無色透明な溶
液であつた。 比較例2 出発原料として、平均分子量が2,000なるPTMGの60
部、平均分子量が2,000なるPEGの45部,平均分子量が2,
000なるPBAの45部およびトルエンの50部を用いてこれら
を溶解させるように変更した以外は、実施例1と同様に
して対照用の、イソシアネート当量が1,100なるイソシ
アネート・プレポリマー溶液を得た。 以後も、この対照用イソシアネート・プレポリー溶液
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にして
対照用のポリウレタン樹脂溶液を得た。このものはN.V.
が20%で、かつ粘度が12,700cpsなる無色透明な溶液で
あつた。 比較例3 出発原料として、平均分子量が2,000なるポリシロキ
サンジオールの45部、平均分子量が2,000なるPTMGの18
部、平均分子量が2,000なるPBAの87部およびトルエンの
50部を用いてこれらを溶解させるように変更した以外
は、実施例1と同様にして対照用の、イソシアネート当
量が1,100なるイソシアネート・プレポリマー溶液を得
た。 以後も、この対照用イソシアネート・プレポリマー溶
液を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て対照用のポリウレタン樹脂溶液を得た。このものはN.
V.が20%で、かつ粘度が10,500cpsなる、やや白濁した
溶液であつた。 しかも、この樹脂溶液から常法により得られたフイル
ムもまた白濁しており、他方、この樹脂溶液自体も3日
後には分離を起こした。 以上の各実施例および比較例で得られたそれぞれの樹
脂について皮膜の物性を比較検討した。それらの結果は
第1表にまとめて示す。 実施例1〜5に示されている如く、本発明の熱可塑性
ポリウレタン樹脂は強靱であつて、すぐれた透湿性を有
する、しかも水との接触角が90度を超える疎水性のもの
であることが知れる。 たとえば実施例4および5のように、親水性のPEGを
共重合せしめた場合には、一層、透湿度が向上し、しか
も水膨潤せずに接触角が90度を大きく超え、依然として
疎水性を保持しているということは注目に値しよう。 また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂は表面滑
性、耐加水分解性、耐候性ならびに耐NOX性などにもす
ぐれているものであることは言うまでもない。 これに対し、比較例1に示されている如く、ポリシロ
キサンジオールの使用を一切欠如したポリウレタン樹脂
は透湿性に劣るし、表面滑性も悪く、しかも耐加水分解
性や耐候性にも劣るものであることが知れるし、他方、
比較例2に示されている如く、ポリシロキサンジオール
の使用を一切欠如するが、親水性のPEGを共重合せしめ
た場合には、透湿性こそ向上するものの、かかる親水化
のために水膨潤率や接触角などによる疎水性が一層低下
し、しかも耐加水分解性も極めて悪いものであることが
知れる。 また、比較例3に示されている如く、PTMGの含有率が
ポリシロキサンジオールの含有率の0.6倍未満であるよ
うなポリウレタン樹脂はそれ自体、白濁する上に、樹脂
溶液の保存安定性もまた悪いものであることが知れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/00 - 18/87

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.熱可塑性ポリウレタン樹脂固形分を基準として、ジ
    オール成分として平均分子量が600〜3000なる範囲のポ
    リシロキサンジオール3〜50重量%と、このポリシロキ
    サンジオールの含有量の0.6〜5倍量の平均分子量が800
    〜2200なる範囲のポリオキシテトラメチレングリコール
    と、該シロキサンジオール及び該ポリオキシテトラメチ
    レングリコール以外の他のジオールを該ポリシロキサン
    ジオールと該ポリオキシテトラメチレングリコールとの
    合計量の0.3〜0.7倍量と脂肪族ジイソシアネートとを反
    応させ、次いで脂肪族アミンを反応させることを特徴と
    する、透湿防水素材用熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造
    方法。
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