JP2817784B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は例えば磁気ディスクカー
トリッジ、光ディスクカートリッジ、光−磁気ディスク
カートリッジなどのディスクカートリッジに係り、特に
ヘッドアクセス口の開閉を行なうシャッタを備えたディ
スクカートリッジに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】図８は従来の磁気ディスクカートリッジ
の分解斜視図、図９はその磁気ディスクカートリッジの
一部拡大断面図である。 【０００３】磁気ディスクカートリッジは、硬質合成樹
脂で成形されたカートリッジケース５１と、その中に回
転自在に収納された磁気ディスク５２と、前記カートリ
ッジケース５１に摺動可能に支持されたシャッタ５３と
から主に構成されている。 【０００４】カートリッジケース５１のほぼ中央には円
形の開口５４が形成され、それの近くにヘッド挿入口５
５が設けられている。ヘッド挿入口５５の上を前記シャ
ッタ５３の摺動範囲を規制するためにヘッド挿入口５５
付近の上面が若干低くなって凹部５６が形成され、さら
にこの凹部５６の前面近くにはシャッタ５３の摺動方向
に沿って延びたガイド溝５７が設けられている。 【０００５】シャッタ５３は例えばステンレス鋼板など
の金属板からなり、側面形状がコ字形をして、ヘッド挿
入口５５とほぼ同じ大きさの開口部５８と、それの隣に
ヘッド挿入口５５を閉塞する閉塞部６１が形成され、ま
た切り起こしによって２つの突部５９が下方に向いて突
設されている。 【０００６】この突部５９は図９に示すようにカートリ
ッジケース５１の前記ガイド溝５７内に嵌入される訳で
あるが、シャッタ５３が金属板から作られ、しかも突部
５９の突出寸法が短いことから、カートリッジケース５
１へシャッタ５３を組込む際に突部５９の方を弾性変形
させることが難しい。そのためカートリッジケース５１
におけるガイド溝５７の前方に前記突部５９に対応させ
て薄肉部６０を２個所設け、カートリッジケース５１へ
シャッタ５３を組込む際、突部５９で薄肉部６０を弾性
変形させながら薄肉部６０上を乗り越えてガイド溝５７
に嵌入させる方法を採用していた。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】収納した磁気ディスク
５２が外力によってわん曲したりしないように保護する
ために、カートリッジケース５１は硬質合成樹脂で成形
されている。そのため前述のように薄肉部６０を形成し
ても、材質的に弾性に富んでいないから、薄肉部６０の
弾性による撓み量を余り大きくとれない。その結果、前
記突部５９の突出寸法を長くすると、カートリッジケー
ス５１へのシャッタ５３の組込みが困難となり、一方、
突部５９の突出寸法を短くするとカートリッジケース５
１への組込みは容易になるが、シャッタ５３がカートリ
ッジケース５１から外れ易くなるなどの問題があり、突
部５９の寸法管理を厳密に行なう必要がある。 【０００８】このような金属製シャッタの欠点を解消す
るため、シャッタを合成樹脂で成形する試みがなされて
いる。合成樹脂製シャッタは金属製のものに比較してカ
ートリッジケースへの組込みは容易であるが、次のよう
な欠点を有している。 【０００９】すなわち、成形時のひけに伴ってヘッド挿
入口を開閉する２つの対向した面板部の自由端部側が互
いに接触して、側面形状がコ字形にならず２等片三角形
となる。そのためシャッタをカートリッジケースへ組込
む際に、治具を用いて接触している２つの面板部の自由
端部側を開きながらカートリッジケースへ組込まなけれ
ばならず、そのために組込作業が煩雑になる。 【００１０】また、ヘッド挿入口を開閉する前記面板部
の機械的強度が弱いため、それの側辺部がカートリッジ
ケースの凹部の側端面と繰り返して衝突している間に若
干めくれたように変形する。そうなるとシャッタの面板
部が凹部を乗り超えて移動することがあり、シャッタに
よるヘッド挿入口の開閉が不確実となるなどの欠点を有
している。 【００１１】本発明の目的はこのような従来技術の欠点
を解消し、カートリッジケースへのシャッタの組込みが
容易で、しかも動作信頼性の高いディスクカートリッジ
を提供することにある。 【００１２】 【課題を解決するための手段】本発明は前述の目的を達
成するため、デイスクを回転可能に収納し、ヘッドアク
セス口とハブ挿入用開口を有する合成樹脂製のカートリ
ツジケースと、そのカートリツジケースの少なくともヘ
ツドアクセス口を開閉するためのシヤツタとを備え、前
記カートリツジケースにシヤツタの摺動を案内するため
のガイド溝が形成され、一方、シヤツタにそのガイド溝
と係合する突部が設けられたものにおいて、前記シヤツ
タが、金属製のシヤツタ本体と、合成樹脂製の突部部材
とから構成され、前記シヤツタ本体が、前記ヘツドアク
セス口を開閉する第１面板部と、その第１面板部と対向
するように配置されて前記ヘツドアクセス口を開閉する
第２面板部と、第１面板部ならびに第２面板部の端部ど
うしを連結する連結板部とからなり、側面形状がコ字形
をして、面板部と連結板部の接合部近傍に突部部材取付
部が設けられ、前記第１面板部ならびに第２面板部のう
ちの少なくともいずれか一方の面板部が前記カートリツ
ジケースのハブ挿入用開口を開閉するようになってお
り、前記突部部材に前記突部が形成されて、その突部が
シヤツタの摺動方向に沿って間隔をおいて２個設けら
れ、突部部材がシヤツタ本体の突部部材取付部に一体に
取付けられていることを特徴とするものである。 【００１３】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図１ないし図７とともに説明する。図１は実施の形態に
係る磁気ディスクカートリッジの分解斜視図、図２はカ
ートリッジケースの一部平面図、図３は図２ニ−ニ線上
の拡大断面図、図４は図２ホ−ホ線上の拡大断面図、図
５はシャッタの分解斜視図、図６はシャッタの斜視図、
図７は図６ヘ−ヘ線上の断面図である。 【００１４】磁気ディスクカートリッジは、カートリッ
ジケース１と、その中に回転自在に収納された磁気ディ
スク２と、カートリッジケース１に摺動可能に支持され
たシャッタ３とから主に構成されている。 【００１５】カートリッジケース１は第１ハーフケース
１ａと第２ハーフケース１ｂとから構成され、これらは
例えばＡＢＳ樹脂などの硬質合成樹脂で成形されてい
る。 【００１６】カートリッジケース１のほぼ中央には回転
駆動軸挿入用の開口４が形成され、それの近くに長方形
のヘッド挿入口５が設けられている。第１ハーフケース
１ａならびに第２ハーフケース１ｂの前面付近には、前
記シャッタ３の摺動範囲を規制するために若干低くなっ
た凹部６がそれぞれ形成され、それの中間位置に前記ヘ
ッド挿入口５が開設されている。第１ハーフケース１ａ
の前面近くには、シャッタ３の摺動方向に沿って延びた
ガイド溝７が形成されている。 【００１７】なお、第１ハーフケース１ａのガイド溝７
を形成する前方端部には図１に示すように弾性変形する
薄肉部２１が形成され、シャッタ３の組み込み時に弾性
的に変形してシャッタ３の組み込みを容易にする。 【００１８】図１に示す如く磁気ディスク２の中央部に
は金属製のハブ８が連結されて、上ハーフケース１ａの
開口４内に配置されている。 【００１９】シャッタ３は、図５に示すようにシャッタ
本体１５と、２つの突部部材２４とから構成されてい
る。 【００２０】前記シャッタ本体１５は例えばステンレス
鋼板などの金属板から構成され、第１面板部３ａと、そ
れと対向するように配置された第２面板部３ｂと、両面
板部３ａ、３ｂの前面側端部を連結する連結板部３ｃと
から構成され、側面形状がコ字形をしている。 【００２１】第１面板部３ａならびに第２面板部３ｂに
は、前記ヘッド挿入口５とほぼ同じ大きさを有する長方
形の開口部９と、ヘッド挿入口５を閉塞する閉塞部１０
とが並設されている。 【００２２】また第１面板部３ａの連結板部３ｃとの接
合部近傍には長方形の突部部材取付開口部２３が、シャ
ッタ３の摺動方向に沿って２つ所定の間隔をおいて開設
されている。 【００２３】この開口部２３にそれぞれ嵌入される突部
部材２４は例えばポリアセタール樹脂やポリアミド樹脂
など若干弾性を有する合成樹脂で成形され、図に示すよ
うにシャッタ３の摺動方向に沿って長く延びた長方形を
しており、左右方向にそれぞれ嵌入溝２５が形成される
とともに、下面に突部２６が一体に形成されている。前
記嵌入溝２５に開口部２３の端縁が嵌入することによ
り、図６ならびに図７に示すように突部部材２４が第１
面板部３ａにしっかりと固定される。図示していない
が、シャッタ３をカートリッジケース１内に押し込む
と、前記突部２６がカートリッジケース１のガイド溝７
（図１参照）に嵌入される。なお、図中の２７は、バネ
掛部である。 【００２４】前記実施例ではカートリッジケース１の前
面側に薄肉部２１と傾斜面２２とを設けたが、これは必
ずしも必要ではない。 【００２５】前記実施例ではシャッタ３はヘッド挿入口
５のみの開閉を行なう場合について説明したが、ヘッド
挿入口５とハブ８が挿入される開口４の両方をともに開
閉するようなシャッタにすることもできる。 【００２６】また前記実施例では磁気ディスクカートリ
ッジの実施例について説明したが、本発明はこれに限定
されることなく、例えば光ディスク、光−磁気ディスク
など他のカートリッジケースにも適用可能である。 【００２７】 【発明の効果】本発明は前述のように、シャッタ本体が
金属からなり、第１面板部と、その第１面板部と対向す
るように配置された第２面板部と、第１面板部ならびに
第２面板部の端部どうしを連結する連結板部とからな
り、側面形状がコ字形をしている。そのため従来の合成
樹脂製のシャッタのように、面板部の自由端部側が互い
に接触して、側面形状が二等辺三角形となり、シャッタ
をカートリッジケースへ組込む際に接触している２つの
面板部の自由端部側を開きながらカートリッジケースへ
組込むという、煩雑な作業が必要でなくなる。 【００２８】また、ヘツドアクセス口を開閉する面板部
の機械的強度が強いため、それの側辺部がカートリツジ
ケースの凹部の側端面と繰り返して衝突しても変形する
ことがなく、シャッタによるヘツドアクセス口の開閉が
確実である。さらに第１面板部ならびに第２面板部のう
ちの少なくともいずれか一方の面板部はカートリツジケ
ースのハブ挿入用開口も開閉するようになっているか
ら、ハブ挿入用開口における防塵効果が得られ、より信
頼性の高いディスクカートリッジが提供できる。 【００２９】一方、カートリッジケースのガイド溝に挿
入される突部は合成樹脂製の突部部材に形成されている
ため、カートリッジケースへの突部の挿入が容易とな
り、ガイド溝と突部がともに合成樹脂であるから、シャ
ッタの摺動がスムーズでしかも磨耗粉の発生が少ない。 【００３０】また面板部と連結板部の接合部近傍はＬ字
状に折れ曲がって機械的に補強されているから、そこに
固定された突部部材はぐらつきがなく、そのためシャッ
タの摺動動作がスムーズである。 【００３１】さらに突部部材の突部をシャッタの摺動方
向に沿って長く連続的に設けることもできるが、そうす
るとカートリッジケースとの接触面積が増え、突部部材
の重量も重くなり、シャッタの摺動性が悪くなる。その
点本発明のように突部部材の突部をシャッタの摺動方向
に沿って間隔をおいて設ければ、カートリッジケースと
の接触面積が減少し、突部部材の重量も軽くなるから、
シャッタの摺動性が良好であるなどの特長を有してい
る。 【００３２】特に前記実施の形態のように突部部材がシ
ャッタの摺動方向に長く延びた長方形のものであれば、
摺動の突部部材の動きが安定する。また、突部部材がポ
リアセタール樹脂やポリアミド樹脂などの滑性のある合
成樹脂で成形すれば、特にシャッタの摺動性が良好であ
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施の形態に係る磁気ディスクカート
リッジの分解斜視図である。 【図２】そのディスクカートリッジに用いるカートリッ
ジケースの一部平面図である。 【図３】図２ニ−ニ線上の拡大断面図である。 【図４】図２ホ−ホ線上の拡大断面図である。 【図５】そのディスクカートリッジに用いるシャッタの
分解斜視図である。 【図６】そのシャッタの斜視図である。 【図７】図６ヘ−ヘ線上の断面図である。 【図８】従来の磁気ディスクカートリッジの分解斜視図
である。 【図９】そのディスクカートリッジの一部拡大断面図で
ある。 【符号の説明】 １ カートリッジケース ２ 磁気ディスク ３ シャッタ ５ ヘッド挿入口 ７ ガイド溝 １１ 突部 １２ 透孔部 １５ シャッタ本体 ２３ 突部部材取付開口部 ２４ 突部部材 ２６ 突部

フロントページの続き (72)発明者 丸山 浩史 大阪府茨木市丑寅一丁目１番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−104382（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−192184（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−63879（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 （１）デイスクを回転可能に収納し、ヘッドアクセス口
   とハブ挿入用開口を有する合成樹脂製のカートリツジケ
   ースと、そのカートリツジケースの少なくともヘツドア
   クセス口を開閉するためのシヤツタとを備え、前記カー
   トリツジケースにシヤツタの摺動を案内するためのガイ
   ド溝が形成され、一方、シヤツタにそのガイド溝と係合
   する突部が設けられたものにおいて、 前記シヤツタが、金属製のシヤツタ本体と、合成樹脂製
   の突部部材とから構成され、 前記シヤツタ本体が、前記ヘツドアクセス口を開閉する
   第１面板部と、その第１面板部と対向するように配置さ
   れて前記ヘツドアクセス口を開閉する第２面板部と、第
   １面板部ならびに第２面板部の端部どうしを連結する連
   結板部とからなり、側面形状がコ字形をして、面板部と
   連結板部の接合部近傍に突部部材取付部が設けられ、前
   記第１面板部ならびに第２面板部のうちの少なくともい
   ずれか一方の面板部が前記カートリツジケースのハブ挿
   入用開口を開閉するようになっており、 前記突部部材に前記突部が形成されて、その突部がシヤ
   ツタの摺動方向に沿って間隔をおいて２個設けられ、突
   部部材がシヤツタ本体の突部部材取付部に一体に取付け
   られていることを特徴とするデイスクカートリツジ。 （２）特許請求の範囲第（１）項記載において、前記突
   部部材がシヤツタの摺動方向に沿って延びていることを
   特徴とするデイスクカートリツジ。 （３）特許請求の範囲第（１）項記載において、前記突
   部部材が活性のある合成樹脂で成形されていることを特
   徴とするデイスクカートリツジ。