JP2814633B2 - 複合硬質合金材 - Google Patents

複合硬質合金材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、切削工具等の材料として用いられる複合
硬質合金材に関するものである。
[従来の技術] 切削工具等の材料として最も一般的には高速度工具鋼
または超硬合金が用いられている。
高速度工具鋼は、主としてCr、Mo、W、V、Coおよび
Cを合金成分として含有し、Feをマトリックスとする合
金鋼である。高速工具鋼においては、各合金成分を調整
することにより、工具材料に適した特性を調整すると同
時に、熱処理によってもその特性を変化させることがで
きる。一般的に高速度工具鋼は優れた靭性を有するた
め、高い信頼性が要求される切削工具の材料として用い
られている。高速度工具鋼の製造方法としては、溶解鋳
造法や、アトマイズ粉を熱間静水圧プレス処理(HIP,Ho
t isostatic pressing)等によって固める粉末冶金法が
広く用いられている。
また、上記のように靭性に優れた高速度工具鋼に耐摩
耗性を付加するために、炭化物や窒化物の量を増加させ
る方法が提案されている。たとえば、特開昭55−58350
号公報、特開昭58−181848号公報には、高速度工具鋼粉
末と炭化物、窒化物等の粉末とを混合して焼結する方法
が、マトリックス中に炭化物や窒化物の量を増加させる
方法として提案されている。さらに、特公昭60−18742
号公報には、高速度工具鋼のマトリックス中に極めて微
細なTiN粒子を分散させた材料が提案されている。特開
昭60−2648号公報、特開昭61−179845号公報には、マト
リックス中に極めて微細なTiN粒子が分散させられた高
速度工具鋼と、高速度工具鋼等の合金鋼とが複合された
工具材料が提案されている。
一方、超硬合金は、WC、TiC、TaC、NbC等の炭化物をC
oやNiをベースとして焼結した合金である。この超硬合
金は、靭性という面では高速度工具鋼に劣るが、高摩耗
性に優れているため、高速切削においてその特徴を発揮
する工具材料となる。超硬合金も、その組成によって工
具材料として適した特性を調整することができるが、さ
らにその硬質相の粒径を適宜変えることによってもその
特性を調整することができる。なお、超硬合金は、原材
料としての粉末を混合、プレス、焼結する一連の工程か
らなる粉末冶金的な手法によって製造され得る。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように、高速度工具鋼は靭性に優れるものの、
耐摩耗性が不十分であるため、高速切削に適した工具用
材料として用いることは困難である。高速度工具鋼の耐
摩耗性を向上させるためには、合金成分を増し、マトリ
ックス中の炭化物の量を増加させることが通常の手法と
して用いられる。しかしながら、高速度工具鋼の特徴で
ある優れた靭性を維持したままで、耐摩耗性の向上を達
成することは容易ではない。
すなわち、合金成分を増加させることにより高速度工
具鋼中の炭化物の量は増加し、耐摩耗性は上昇する反
面、靭性の急速な低下が起こる。特に、溶解鋳造法によ
って製造される場合には、高速度工具鋼中における炭化
物の体積はたかだか15体積%程度であり、これを越える
量の炭化物をマトリックス中に含有させると、工具とし
て実用可能な靭性を得ることができない。また、粉末冶
金法によって炭化物の量を多少増加させることができる
が、それでも増加させ得る炭化物の量はたかだか30体積
%程度までである。
高速度工具鋼粉末に炭化物、窒化物等の粉末を混合
し、焼結する方法によれば、理論上は任意の量の炭化
物、窒化物を含有させることは可能となる。ところが、
この場合においても硬質相を増加させるにつれて靭性の
低下が起きることは不可避である。一般的に、粒径が数
μの粉末を用いて混合し、圧縮成形後、焼結すると、こ
れらの炭化物、窒化物等の硬質セラミックスの量が増え
るにつれて高速度工具鋼の粉末の粒界に炭化物、窒化物
が網目状に集合してしまう。このように、炭化物、窒化
物が集合してしまうと、靭性の低下は許容できない程度
になる。この対策として、炭化物、窒化物をサブミクロ
ンオーダの超微粒にすることも考えられる。しかしなが
ら、このような超微粒子は凝集しやすく、均一に分散さ
せることは容易ではない。そのため、所望の特性を有す
るように、炭化物、窒化物が分散させられた高速度工具
鋼の組織を得ることはできないのが現状である。
さらに高速度工具鋼においては、弾性係数が後述の超
硬合金より小さいため、切削加工時の変形が大きくな
り、高い精度が要求される工具等の用途には使用するこ
とができないという問題点があった。
一方、超硬合金は、高速度工具鋼とは異なり、耐摩耗
性に優れているが、十分な靭性を有しない。そのため、
超硬合金は信頼性が要求される工具の材料には適用され
ていない。超硬合金の靭性を向上させる方法として、硬
質相の炭化物を微細にする方法が採用されている。しか
しながら、この方法にも限界があり、得られる靭性は高
速度工具鋼の靭性にははるかに及ばない。通常、超硬合
金中に含まれる炭化物の量は80〜90体積%程度である。
用途によって靭性を高めるために、この炭化物の量を60
体積%程度まで低下させた組成の超硬合金が製造される
が、耐摩耗性が急激に低下し、切削工具の材料として実
用に耐えない。
以上のように、従来の切削工具用材料として用いられ
る高速度工具鋼および超硬合金は、それぞれ欠点を有
し、実用上、それらの欠点を生じさせない条件下でしか
使用することができない。そのため、高速度工具鋼また
は超硬合金の特性を十分発揮することができないという
問題点があった。
そこで、この発明の目的は、高速度工具鋼の特徴であ
る優れた靭性を維持すると同時に、耐摩耗性を大幅に向
上させた複合硬質合金材を提供することである。
[課題を解決するための手段] この発明に従った複合硬質合金材は、焼結硬質合金か
らなる中心部分と、その中心部分を被覆し、焼結合金鋼
からなる外周部分とを備える。焼結硬質合金は、周期律
表IV a、V a、VI a族元素の炭化物、窒化物および炭窒
化物の一種以上を、その中心部分において50体積%以上
95体積%以下含有し、その残部が鉄族金属および不可避
不純物からなる。外周部分を構成する焼結合金鋼は、第
1の硬質相と、第2の硬質相と、結合相とからなる。第
1の硬質相は、外周部分において15体積%以上60体積%
以下含有し、粒径が0.3μm以下のTiN粒子からなる。第
2の硬質相は、外周部分において1体積%以上10体積%
以下含有し、粒径が1μm以上3μm以下のTiN粒子か
らなる。結合相は、外周部分において30体積%以上84体
積%以下含有し、第1の硬質相および第2の硬質相をそ
の中に分散し、結合するための合金鋼からなる。その合
金鋼は、Crを2.5重量%以上4.5重量%以下、Moを1.5重
量%以上5.0重量%以下、Wを2.0重量%以上6.0重量%
以下、Cを0.3重量%以上1.2重量%以下、Coを1.5重量
%以上15重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量
%以下含有し、その残部がFeおよび不可避不純物からな
る。
中心部分と外周部分との間の中間部分は、中心部分の
組成から外周部分の組成へと連続的または段階的に変化
する組成を有する。この中間部分は、100μm以上5mm以
下の厚みを有するのが好ましい。
好ましくは、TiN中におけるTiの50原子%以下は、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、AlおよびSiよりなる
群から選ばれた一種以上の元素で置換されていればよ
い。
また、好ましくは、TiN中におけるNの50原子%以下
は、B、CおよびOよりなる群から選ばれた一種以上の
元素で置換されていればよい。さらに、焼結合金鋼から
なる外周部分の厚みは、0.08mm以上で、かつ複合硬質合
金材の全体の厚みの0.3以下であればよい。
[作用] この発明に従った複合硬質合金材によれば、外周部分
を構成する焼結合金鋼中に分散させられる硬質相として
のTiN粒子は、高速度工具鋼のみでは不足する耐摩耗性
を高める。TiNは、ビッカース硬さでHv2000kg/mm2程度
であり、一般的な高速度工具鋼のHv800〜1000kg/mm2
2倍以上の硬さを有する。この硬質のTiNを分散させる
ことにより、高速度工具鋼の硬さはHv1000kg/mm2以上に
なり、耐摩耗性の著しい向上が達成される。また、TiN
は、鋼との反応性が少なく、切削時の凝着摩耗を抑制
し、切削面の面粗度を向上させる。
この硬質相としてのTiNを高速度工具鋼中に分散させ
るのに、従来の技術によれば、TiN粒子が大きいため、T
iNの量が増えると強度の急激な低下が生じていた。これ
に対し、本発明によれば、TiN粒子の粒径を0.3μm以下
に抑えることにより、TiN粒子は均一かつ微細に分散し
強度低下の軽減が可能となる。
基本となる硬質相としてのTiN粒子は、上記のように
微細に分散することが必要である。しかしながら、一部
の硬質相としてのTiN粒子を、1μm以上の一定の粒径
を有するように分散させることにより、マトリックス中
に発生した亀裂が進展するのを抑えることが可能にな
り、その結果、破壊靭性値が向上する。また、このよう
な1μm以上の粒径を有するTiN粒子の存在により、す
き取り摩耗が抑えられる。このような粗粒のTiN粒子の
粒径は、1μm未満では上記の効果が十分でなく、3μ
mを越えると強度の低下が生ずる。また、粗粒のTiN粒
子の量が1体積%未満では上記の効果が発揮できず、10
体積%を越えると上述のように強度が急激に低下する。
なお、粒径が0.3μm以下のTiN粒子の量は15体積%以上
60体積%以下であることが適切である。15体積%未満で
は、TiNを硬質相として分散させることによる耐摩耗性
の向上という効果が小さく、60体積%を越えると靭性が
やや低下する。
一方、上記の硬質相をその中に分散し、結合するため
の結合相は、高速度工具鋼の焼入時におけるマトリック
ス組成に近いものである。基本的には、焼入処理によっ
て一次炭化物を析出させない組成にすることが最も重要
である。高速度工具鋼によってもたらされる靭性は、こ
のマトリックス組成によって得られるものである。本発
明においても、このマトリックス組成を採用することに
より、最大の効果を得ることができる。Fe以外の合金成
分が、規定される下限値未満では十分な強度を得ること
ができず、上限値を越えると靭性が低下する。
マトリックス中に分散させられる硬質相は、TiNを主
成分とし、これに結合相マトリックスの成分がある程度
固溶したものでもよい。また、TiN中のTiの50原子%ま
でをZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、AlおよびSiの群
から選ばれた一種以上の元素で置換することが可能であ
る。同様に、TiN中のNの50原子%までをB、Cおよび
Oよりなる群から選ばれた一種以上の元素を置換するこ
とも可能である。これらの置換は、合金の耐熱性、耐摩
耗性、靭性等の向上に効果がある。しかしながら、50原
子%を越える置換は、TiNの特性を損なうことになるの
で好ましくない。
上述のように構成される焼結合金鋼は、それ自体でも
切削工具等の工具材料として満足する特性を発揮し得
る。しかし、上記の焼結合金鋼を外周部分として用いる
複合化の手法を導入することにより、一層の性能向上を
図ることができる。
まず、芯材として焼結硬質合金、いわゆる超硬合金を
採用することにより、工具材料全体としての剛性を大幅
に改善することが可能となる。その結果、工具の加工精
度が向上するとともに、その工具によって加工された面
の面粗度が良好になる。
外周部分は、上述の焼結合金鋼によって構成されるの
で、高速度工具鋼の有する靭性を維持したまま、耐摩耗
性が向上した切削工具用の刃先が得られる。なお、焼結
合金鋼の表面に硬質セラミックスの被膜をコーティング
すると、さらに性能を向上させる上で良い結果をもたら
す。この皮膜の材料としては、TiNが好ましいが、TiCあ
るいはTi(CN)を用いてもよく、さらにその上にAl2O3
を被覆してもよい。
芯材を構成する超硬合金と、外周部分を構成する焼結
合金鋼は、熱膨脹係数に代表される特性値がかなり異な
っているため、両者を接合した場合、その界面に歪みが
生じ、亀裂や割れなどの欠陥が発生することがある。こ
の両者の特性値の差を低くするように組成を適宜選択す
ることにより、この問題はある程度解決され得る。しか
しながら、そうすれば、逆に両者の最良の性能が発揮さ
れ得る組成を選択することができなくなる。この発明に
よれば、両者の組成と特性とを連続的または段階的に変
化させた中間相を介在させることにより、上記の問題が
解決されている。好ましくは、この中間相の厚みが、10
0μm以上5mm以下の範囲で適宜選択され得る。中間相の
厚みが100μm未満では、上記のような中間相を介在さ
せる効果が認められず、5mmを越えると中間相の存在の
意義が薄れる。
[実施例] 第1図は、この発明にしたがった複合硬質合金材を概
念的に示す断面図である。この図によれば、焼結合金鋼
からなる外周部分1は、焼結硬質合金からなる中心部分
2を被覆している。外周部分1と中心部分2との間に
は、組成が連続的または段階的に変化させられた中間部
分3が介在している。
実施例1 超硬合金からなる棒の外周に、後述の超硬合金の組成
から合金鋼の組成まで連続的に組成を変化させた合金相
が溶射被覆された。超硬合金の組成は、WCが75体積%、
TiCが7.5体積%、TaCが4.0体積%、Coが13.5体積%であ
った。また、超硬合金の棒の直径は4mm、長さは200mmで
あった。溶射被覆処理は、供給される粉末の組成を順次
変えていくことにより、所望の組成になるように調整し
て行われた。このようにして溶射被覆された超硬合金か
らなる棒の外周に、所定の組成を有する合金鋼粉末が被
覆させられた後、冷間静水圧成形(CIP,cold isostatic
pressing)により成形された。合金鋼粉末の組成は、
硬質相として平均粒径0.2μmのTiN粒子が35体積%、平
均粒径0.18μmのVC粒子が10体積%、平均粒径2.5μm
のTiN粒子が5体積%、結合相としての高速度工具鋼の
粉末が50体積%であった。高速度工具鋼の粉末の組成
は、Crが4.0重量%、Moが3.5重量%、Wが2.0重量%、C
oが8.5重量%、Cが0.5重量%、その残部がFeと不可避
不純物であった。
このようにして、厚み2mmの合金鋼粉末からなる外周
部分が形成された。この成形体を軟鋼製の筒状容器に入
れ、脱気処理を施しながら、温度500℃まで加熱し、真
空封止された。その後、この成形体に熱間静水圧プレス
処理が施された。熱間静水圧プレス処理の条件は、温度
1130℃において、圧力媒体として用いられるArガスの気
圧を1000kg/cm2とした。このようにして得られた焼結体
から直径6mmのドリルが試作された。このドリルの断面
組織においては、中心部分に直径4mmの超硬合金からな
る部分が位置し、その外周を、厚み0.5mmの中間層を介
在させて、焼結合金鋼からなる部分が0.5mmの厚みで取
り囲んでいた。ドリルには、所定の溝と刃先が成形され
た。
比較のため、中心部分に超硬合金を含まない焼結合金
鋼製のドリルが試作された。本発明品および比較品の試
作ドリルと市販の超硬合金製および高速度工具鋼製のド
リルを用いて切削試験が行われた。切削条件は以下のと
おりであった。
被削材:S50C 切削速度:50m/min 送り速度:0.25mm/rev 加工深さ:12mm 切削試験の結果は第1表に示される。
試験結果によれば、超硬合金からなるドリルでは、加
工穴数が少ない初期においては摩耗が少ないが、加工穴
数が多くなると、刃先に微妙なチッピングが発生し、こ
れが原因となって摩耗が大きくなることが認められた。
また、比較品では、発明品と比べてやや劣っていた。加
工された穴の拡大代で比較すると、本発明品は20μm程
度であったのに対し、比較品は50μm程度であった。
実施例2 所定の組織形態を有する硬質相粒子が40体積%、平均
粒径2.3μmのTiN粒子が10体積%、高速度工具鋼のマト
リクスが50体積%になるように各粒子が均一に分散した
合金鋼粉末と、超硬合金粉末とが準備された。硬質相粒
子は、TiN粒子の周囲を(Ti W Mo)(CN)の固溶体が取
り囲むように形成された組織形態を有していた。この硬
質相粒子の平均粒径は0.12μmであり、TiN粒子の周囲
を取り囲む固溶体の厚みは0.02μmであった。マトリク
スを構成する高速度工具鋼の組成は、Crが3.8重量%、M
oが5.5重量%、Wが2.5重量%、Coが10.0重量%、Cが
0.45重量%、その残部がFeと不可避不純物であった。ま
た、超硬合金の粉末の組成は、WCが85体積%、Coが15体
積%であった。
合金鋼粉末と超硬合金粉末とは、第2表で示される割
合で混合された。
焼結された超硬合金の上に、混合粉末1、混合粉末
2、合金鋼粉末の順に粉末を置いた後、加圧成形され
た。得られた成形体は、窒素分圧20Torrの雰囲気中で焼
結された。このようにして得られた複合硬質合金材から
丸棒が切り出された。丸棒からは、エンドミル用の所定
の形状を有する切削工具を作製した。この切削工具を用
いて、以下の条件で切削試験を行なった。
被削材:SUS304ステンレス鋼 切削速度:40m/min 送り速度:0.15mm/1刃 加工幅:2.0mm 加工深さ:10mm 切削試験結果によれば、本発明に従った複合硬質合金
材からなるエンドミルを用いれば、特に問題なく加工が
可能であり、加工された溝の側面の鉛直線からのずれ
は、最大でも0.05mmと極めて高精度であった。なお、比
較のため、超硬合金からなるエンドミルを用いると、加
工開始直後に刃先が欠けてしまい、切削不能となった。
また、高速度工具鋼からなるエンドミルを用いると、摩
耗が急速に進行するため、切削することが全くできなか
った。
上記実施例2で得られた複合硬質合金材の接合部の組
成分析結果は、第2図に示されている。また、比較のた
め、中間層を介在させないで超硬合金からなる中心部と
焼結合金鋼からなる外周部とを直接接合した場合の組成
分析結果は第3図に示されている。第2図において、中
間層の厚みは約0.8mmであった。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、高速度工具鋼の靭
性を維持した状態で、その耐摩耗性を超硬合金に匹敵す
るレベルまで向上させた合金材を得ることができる。ま
た、切削工具として使用した場合、剛性が高く、高い精
度の切削加工が可能となる。そのため、この発明の複合
硬質合金材は、切削工具用材料に用いられることによ
り、切削加工の能率向上、信頼性の向上に貢献すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に従った複合硬質合金材を概念的に
示す断面図である。 第2図は、実施例2において得られた複合硬質合金材の
接合部の組成分析結果を示すグラフである。 第3図は、比較例として中間層を介在させずに超硬合金
からなる中心部分と焼結合金鋼からなる外周部分とを直
接接合した場合の接合部の組成分析結果を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/30 C22C 38/30 // B23B 27/14 B23B 27/14 B B32B 15/01 B32B 15/01 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 7/00 - 7/08 C22C 1/05 C22C 29/00 - 29/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結硬質合金からなる中心部分と、 前記中心部分を被覆し、焼結合金鋼からなる外周部分と
    を備え、 前記焼結硬質合金は、周期率表IV a、V a、VI a族元素
    の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上を前記中心
    部分において50体積%以上95体積%以下含有し、その残
    部が鉄族金属および不可避不純物からなり、 前記焼結合金鋼は、前記外周部分において、粒径が0.3
    μm以下のTiN粒子からなる第1の硬質相を15体積%以
    上60体積%以下、粒径が1μm以上3μm以下のTiN粒
    子からなる第2の硬質相を1体積%以上10体積%以下、
    ならびに前記第1の硬質相および前記第2の硬質相をそ
    の中に分散し、結合するための合金鋼からなる結合相を
    30体積%以上84体積%以下含有しており、 前記合金鋼は、Crを2.5重量%以上4.5重量%以下、Moを
    1.5重量%以上5.0重量%以下、Wを2.0重量%以上6.0重
    量%以下、Cを0.3重量%以上1.2重量%以下、Coを1.5
    重量%以上15重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5
    重量%以下含有し、その残部がFeおよび不可避不純物か
    らなり、 前記中心部分と前記外周部分との間の中間部分は、前記
    中心部分の組成から前記外周部分の組成へと連続的また
    は段階的に変化する組成を有する、複合硬質合金材。
  2. 【請求項2】前記TiN粒子中におけるTiの50原子%以下
    は、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、AlおよびSiより
    なる群から選ばれた1種以上の元素で置換されている、
    請求項1に記載の複合硬質合金材。
  3. 【請求項3】前記TiN粒子中におけるNの50原子%以下
    は、B、CおよびOよりなる群から選ばれた1種以上の
    元素で置換されている、請求項1または2に記載の複合
    硬質合金材。
  4. 【請求項4】前記外周部分の厚みは、0.08mm以上でか
    つ、当該複合硬質合金材の全体の厚みの0.3以下であ
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載の複合硬質合金
    材。
  5. 【請求項5】前記中間部分の厚みは、100μm以上5mm以
    下である、請求項1ないし4のいずれかに記載の複合硬
    質合金材。
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