JP2814400B2 - コーヒー淹れ器 - Google Patents

コーヒー淹れ器

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はコーヒーを淹れる方法と用具に関し、特にコ
ーヒー粉を膨潤させながら行う前抽出と膨潤後の本抽出
によるコーヒー抽出方法とこの方法を実施するのに適し
たコーヒー淹れ器に関する。
「従来の技術」 コーヒーを入れる器具として、凹部の底に穴を有する
容器内に濾紙を設置し、その中にコーヒーの粉を容れ熱
湯を注ぎながら滴らす(ペーパードリップ)方式のもの
が、従来広く用いられている。この用具では、一般にま
ずコーヒーの粉が湿る程度の量の少量の熱湯を注いでし
ばらくコーヒーの粉を蒸らし、次いで熱湯を少しづつ、
又は一気に注いでドリップするという入れ方が行われて
いる。また、電熱式のいわゆるコーヒーメーカーはいず
れもドリップ式であり(特開昭61−131715、特開昭62−
32920、特開昭62−102919等)、パイプ状のヒーターで
加熱した湯の蒸気圧により熱湯をコーヒー粉に連続的に
注いでドリップするものである。
ところで、コーヒーを美味しく入れるためには、コー
ヒーの味を悪くするコーヒー豆自身のアクの味を出さな
いようにコーヒーを入れることが大切であり、コーヒー
を入れるとき泡を立てるようにするのもアクを泡と共に
除くためである。また、コーヒー粉から熱湯でコーヒー
液を抽出した後、コーヒー液をコーヒー粉からいかに濾
過分離するかも、コーヒーを淹れる場合の重要な課題で
ある。
しかしながら、上記のような従来のコーヒー入れ用具
では、注がれた熱湯はコーヒー粉から成分を抽出しつ
つ、継続的に濾過され容器底部の穴から流出してしまう
ので泡の発生が充分でなく、また、せっかく発生した泡
も消えたり、続いて注がれる熱湯で洗い流されたりして
アクの除去が不充分となってしまう。更に熱湯を少しづ
つ連続的に注ぐ方式では、コーヒー粉は次々に新湯と接
触して抽出されるので、コーヒーの美味しい成分たるコ
ーヒー成分(コーヒー粉中の多量主成分であり、以後
「コーヒー成分」と称する。他方、アク等コーヒーの味
を悪くする少量成分を以後「雑成分」と称する。)以外
のアク等の味の悪い雑成分まで抽出してしまう結果とな
る欠点があった。また、従来のペーパードリップ式では
熱湯の注ぎ方(連続的に又は一気に)に関係なく熱湯が
常に流れ落ちるので、底の方にあるコーヒー粉のアクは
泡と共に浮上る間も無くコーヒー液と共に流れ落ちてし
まう。また、コーヒー粉が細挽きで粒子が細か過ぎると
詰まって流出に時間がかかり過ぎ、反対に粗挽きでは充
分抽出できないまま湯が流出してしまうので、コーヒー
の味に影響を及ぼすコーヒー粉の粒子の大きさが一定に
制限されるという欠点もあった。以上のような欠点は金
属製の網目スクリーンや篭等他の濾過手段を用いたもの
にも認められる。また、コーヒー豆の焙煎も、熱湯を流
下しながら継続的に抽出するのに容易なようにそれに適
した焙煎をさざるを得ず、場合によっては焦がし過ぎに
なることもあり、そのコーヒー豆に適した焙煎度や飲む
人の嗜好に合った焙煎度の選択が制限されていた。他
方、ネル製の布袋を用いるネルドリップ式は味の良いコ
ーヒーが入れられるが、そのためには技術を要し、ネル
袋の手入れや後始末が繁雑であるし、1〜2杯分の少量
のコーヒーを入れるのにも適していない。
また、流れ出ない定量の熱湯内で抽出するとしても、
従来のサイフォン式や煮出しのような方法では、熱湯の
沸騰によりコーヒー粉が盛んに運動し、泡が消えやす
く、雑成分まで抽出され、操作や後片付けも面倒であっ
た。
他方、主に紅茶を淹れるのに適した器具として特公昭
55−30850では、逆円錐形のカップ状ドリッパーの底に
「斜めに穿孔された流出孔」に離脱可能に挿入する先端
が管状の棒状栓体を、ドリッパー傾斜壁面に設けられた
棒状栓体の径より浅い溝内に濾紙と接触するように傾斜
して配置したものが提案されているが、この発明は上記
の如く主に紅茶を淹れるのに適したものであるため、始
めに流出孔に栓を挿入して濾紙を装着した後は、栓を操
作するのは抽出の完了時に栓を引抜くだけであり、抽出
の途中で栓を引抜いたり差込んだりの操作をする場合の
操作性は考慮されていない。この点は、ドリッパー壁面
の浅い溝内に円筒状のパイプを配し、液をこのパイプ内
を通じて流出させることを特徴とする実開昭53−34588
も同様である。また、熱湯を注ぎながら滴らす(ペーパ
ードリップ)式のものでは熱湯が注がれると同時に容器
の底の穴からコーヒー液が流下することにより濾紙等の
濾過手段は器具内壁に押付けられ安定するが、熱湯が溜
った状態で抽出する方式の場合、従来の上記の発明では
濾紙等の濾過手段は容器内に溜った熱湯の中にあって抽
出凹部の内壁に圧着しにくく安定性が悪かった。
そして、上記の発明を、本発明のように抽出の前に濾
紙を湯で濡らし器具に湯を溜めて温めた後流出させた
り、コーヒー粉を膨潤させながら抽出した前抽出液の一
部を途中で流出させ、次いで本抽出を行い再度抽出液を
流出させる本発明のコーヒー抽出方法に用いようとし
て、湯や前抽出液の一部を流出させるために棒状の栓を
引抜いたり差込んだりしようとすると、濡れて弱ってい
る濾紙が栓と接触しているので擦られて捩れたり傷んだ
りして爾後の本抽出に支障を来たす欠点がある。また栓
を引抜いた後の空間に濾紙が水圧で押されて出てきて、
次いで栓を差込もうとする時に栓の先が濾紙に引掛かっ
て、破ったり、流出孔に差込めなくなったりする障害が
ある。更に問題なのは、引抜いたり差込んだりが傾斜し
た状態で行われるため、栓が操作し難く、特に栓を差込
むとき力が斜め下に加わり水平方向の分力が働くためド
リッパーがカップやサーバーの上で安定が悪く、ずれた
り落下したりする。
また、液を円筒状のパイプ内を通じて流出させる他の
実開昭56−1524は、ドリッパーの傾斜した壁に、断面が
精密に真円の円筒状部を形成し、該円筒状部内に前記パ
イプを密に嵌挿して回動させ、円筒状部の壁の穴とパイ
プの壁の穴を一致させて、液体を流出させるものである
が、パイプが円筒状部内に回動自由に、しかも水が漏れ
ないように密着して嵌挿されなければならず、製造上
も、実用上も困難があった。そして、この発明もコーヒ
ーを淹れるのは湯を連続的に滴下するドリップ方式によ
ることを前提としているものであった。また、電熱によ
る給湯手段を備える従来のいわゆる家庭用コーヒーメー
カーの器具において、コーヒー抽出凹部の底の穴は給湯
時解放されており、湯を注ぎながら底の穴から滴らすも
のであり、方式としてドリップ式のものであった。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明者は上記のドリップ方式やサイフォン式等の欠
点に鑑み、泡を充分にたてアク等の雑成分により味を低
下させることのない、抽出時間を自由に調節でき、コー
ヒー粉の粒度や焙り方を制限しない、操作・後片付けが
簡単で誰でも容易に美味しいコーヒーを淹れることので
きるコーヒー抽出方法を、従来の熱湯を注ぎつつ同時に
コーヒー液を滴らすというドリップ式等とは異なり、溜
っている流れない熱湯でコーヒー粉を膨潤させながら行
う前抽出と膨潤後の本抽出による抽出方法により実現
し、本発明に至った。更にこのような方法に適した器具
として、或いは上記の抽出方法が制御手段により自動的
に実施されるようにしたり或いは濾過手段設置部(抽出
凹部)との関係で特定の位置に流出凹部を設け、且、そ
の製造を該流出凹部底部の流出孔を開閉する棒状栓が操
作容易な形態であるような特定の構成により、濾紙等の
濾過手段の有効性・耐久性・安定性を向上でき、コーヒ
ー粉を充分に膨潤させることができ且つ抽出時間を任意
に調節できるようにし、更にそのような特定の構造の器
具に適したコーヒー濾紙の形状を工夫することにより実
現し、本発明に至った。
「問題点を解決するための手段」 すなわち、1.本発明における方法の発明は少なくとも
コーヒー粉全体が浸る量の熱湯を加え、溜った状態でコ
ーヒー粉を膨潤させながら前抽出を行い、次いで熱湯を
加えて溜った状態で本抽出を行うことを特徴とするコー
ヒー抽出方法である。
2.また、本発明は前抽出により抽出したコーヒー液の一
部を少なくともコーヒー粉全体が浸る量残して分離した
後、次いで熱湯を加えて本抽出を行う1.のコーヒー抽出
方法である。
3.本発明における物の発明は抽出部に給湯する給湯手段
と、抽出部底部の流出孔を開閉する自動弁と、抽出部へ
の給湯時および給湯後の一定の時間のあいだ自動弁を閉
鎖する制御手段を備えるコーヒー淹れ器である。
4・更に、本発明は流出孔の弁を閉鎖した状態で、濾過
手段内のコーヒー粉に所定量の前抽出用熱湯を注ぎ、一
定時間後、再び抽出部に所定量の本抽出用熱湯を注ぎ、
一定時間後弁を開くよう構成した制御手段を備える3.の
コーヒー淹れ器である。
5.また、本発明は前抽出用熱湯を注ぎ、一定時間後弁を
開閉し前抽出液の一部を流出した後、本抽出用熱湯を注
ぐように構成した制御手段を備える4.のコーヒー淹れ器
である 6.また、栓体と磁力反応体を備える軸体が、回転自由に
支持されており、磁力反応体が電磁石により動かされる
ことにより栓体が開閉運動することを特徴とする電磁弁
である。
7.また、重りを兼ねる磁力反応体の位置が、軸体の支持
点を挟んで栓体の反対側で、かつ支持点からの距離が栓
体における距離より長い6.の電磁弁である。
8.本発明における更なる物の発明は濾過手段が設置され
る抽出凹部と、濾過手段の設置位置外部に位置する流出
凹部(底に流出孔を有する)と、略直立せる棒状栓を備
えることを特徴とするコーヒー淹れ器である。
9.また、本発明は濾過手段の設置部(抽出凹部)と流出
凹部の間が下部に穴の開いた壁で仕切られている8.のコ
ーヒー淹れ器である。
10.また、本発明は流出凹部が抽出凹部の細長い底の一
方の端側に略直立せる壁で形成されている8.又は9.のコ
ーヒー淹れ器である。
11.また、本発明は取手が、流出凹部の壁に、抽出凹部
の細長い底の長手方向に設置されている10.のコーヒー
淹れ器である。
12.本発明における更なる物の発明は抽出凹部の細長い
底がT字型に分枝しており、分枝した底の端部に流出孔
が位置しているコーヒー淹れ器である。
13.また、畳んだ状態で略扇形状のコーヒー濾紙におい
て、使用時の開いた状態で側部の壁の一部が直立するこ
とを特徴とするコーヒー濾紙である。
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明にかかるコーヒー抽出方法を本発明のコーヒー
淹れ器を用いて淹れる場合を例にして第1図・第2図お
よび棒状栓のガイド部以外は同様の第3図に示す態様に
より説明する。なお本発明にかかるコーヒー抽出方法を
実施する器具・装置として本発明にかかるコーヒー淹れ
器が好適に用いられるが、これらに限定されない。
容器1をコーヒーサーバーまたはコーヒーカップ上に
設置し、容器1の流出凹部Bの底の流出孔4に棒状栓5
を差込んで塞ぎ、次いで抽出凹部2に濾紙を設置し、熱
湯を注いで濾紙を濡らすと共にコーヒー淹れ器全体を温
めた後、棒状栓5を少し持上げ、湯をコーヒーサーバー
またはコーヒーカップ中に流出させ、再び該栓5を差込
んで流出孔4を塞ぐ。棒状栓5を抜いたり挿したりする
時は一方の手で取手8を支えながら他方の手で操作すれ
ば、取手8が棒状栓5の作用点である流出孔4を底に有
する流出凹部Bの壁に設置されているので、棒状栓5が
流出孔4から直立していることと相抹て、操作が安定す
る。コーヒーサーバーまたはコーヒーカップが温まった
ら湯を捨てる。次いで、好ましくはコーヒー粉を入れる
前に少量の熱湯(例えば1杯分の場合、濾紙の底に約盃
一杯分が溜る程度)を濾紙の窪みに注いで溜め、この上
からコーヒー粉を入れ、次いで少なくともコーヒー粉全
体が浸る量の熱湯を最大限泡が立つように粉の上から注
ぎ、コーヒー粉が膨潤するまで前抽出を行う。コーヒー
粉を入れる前の少量の熱湯の溜まりは次いで熱湯を注ぐ
時の泡立ちと粉の濡れを良くし、またコーヒー粉の濾紙
への付着を防止する。かくはんは通常泡の状態を悪くし
味に影響するので好ましくは用いないが、器具・装置が
大型のときは泡を乱したり消したりしない緩やかなかく
はん手段を用いてもよい。コーヒー粉を先に入れ、少量
の熱湯を濾紙の外側から注いで浸透させ、次いで粉の上
から熱湯を注いでも良い。コーヒー粉を膨潤させ前抽出
してから続く本抽出を行うと「雑成分」を出さない「コ
ーヒー成分」の選択的抽出がうまくいきやすい利点があ
る。前抽出の段階では未膨潤のコーヒー粉が膨潤しなが
ら抽出されるので「コーヒー成分」の粉の内側からの浸
出は容易でないが、熱湯の量が少ないので熱湯が粉の表
面から抽出される「コーヒー成分」で飽和(又は高濃度
化)されやすく「雑成分」が抽出されにくい。前抽出の
熱湯の量は、例えば「飲用湯量の20〜50%+コーヒー粉
に吸収される量」以下であるが、粉の嵩だかさや粒度、
粉の量等により変化し、要するにコーヒー粉全体が浸る
ことと好ましくは泡が出来るだけ、更に好ましくは最大
限発生する条件を満たす量で、通常コーヒー粉全体が浸
る量より多い量であることが多く当業者であれば熱湯を
注ぎながら容易に調節・決定が可能である。コーヒー粉
全体が浸り良く泡がたっている状態としては、表層にお
いて泡とコーヒー粉の一部が一緒になって脹れ上がって
いる状態も含まれる。続く本抽出の段階ではコーヒー粉
は充分に膨潤しているので粉の内側からも「コーヒー成
分」が浸出しやすく熱湯が「コーヒー成分」で飽和(又
は高濃度化)されやすくなり「雑成分」が抽出されにく
い。
本発明にかかるコーヒー抽出方法では熱湯がコーヒー
粉上に注がれるとき、流出孔4が棒状栓5で塞がれてお
り、好ましくはコーヒー粉は少量の熱湯の上に浮かんで
おり、注がれた熱湯が流出せずに溜るので極めて泡立ち
が良く、しかも発生した泡は消えにくく、且つ濾紙がコ
ーヒー粉で詰まりにくい。コーヒー粉が膨潤したら前抽
出を終わりにし(例えば、1〜数杯分を入れる場合前抽
出熱湯を注ぎ終わってから1〜3分程度の後)、好まし
くは温度の維持や抽出の効率から棒状栓5を少し持上
げ、凹部2の壁と濾紙の間の「抽出部Aの濾紙の外の空
間」や「流出凹部Bの空間」に溜っていたコーヒー液と
「濾紙の中」のコーヒー液の一部をコーヒーサーバーま
たはコーヒーカップ中に流出させ再び該栓5を差込んで
流出孔4を塞ぎ、次いで直ちに所望量の熱湯を濾紙の中
に(または外から)注いで、所望時間(例えば、1〜数
杯分を淹れる場合本抽出用熱湯を注ぎ終わってから1〜
3分程度)、本抽出を行う。この場合も熱湯が注がれる
とき、流出孔4が棒状栓5で塞がれており、注がれた熱
湯が流出せずに溜るので前抽出時に発生した泡は消えに
くく維持される。なお、前抽出のコーヒー液の一部を流
出させる時、濾紙の中のコーヒー液を流出させずぎると
泡が消えやすくなるので、流出させ過ぎないように早め
に栓5を塞ぎ少なくともコーヒー粉全体が浸る量残すと
良く、次に本抽出の熱湯を加えるとき泡の維持に支障の
ない範囲で粉の特徴や器具・装置の規模等により適宜調
節される。なお、コーヒー粉全体が浸る量を残すといっ
ても、コーヒー液の一部の流出によって低下した液面よ
り上の濾紙の表面に一部のコーヒー粉が保水力によって
湯を含みながら付着している場合もあるが、要するに次
に本抽出用熱湯が注がれるまでコーヒー粉がほぼ浸り泡
が維持できるように調節・操作すればよい。栓5を塞い
だ後にも濾紙の中のコーヒー液の一部は、「抽出部Aの
濾紙の外の空間」や「流出凹部Bの空間」に水面が平衡
するまで緩やかに漏出し続ける。すなわち、流出凹部B
が抽出凹部2の外部に独立し且つ流出凹部Bは棒状栓5
が挿入された状態でも棒状栓と壁の間に液体が溜る空間
を設けてあるから、抽出凹部に設置される濾紙等の濾過
手段内の液体は(特に第1〜3図の構造の器具では抽出
凹部2と流出凹部Bの間に下部に穴12を有する壁11があ
りその下部の穴12から)流出凹部Bに対して圧力を生
じ、従って、濾紙等の濾過手段が抽出凹部2の内壁に押
付けられ安定する。従来の熱湯を注ぎながら滴らす(ペ
ーパードリップ)方式のものでは熱湯が注がれると同時
に器具の底の流出孔からコーヒー液が硫化することによ
り濾紙等の濾過手段は容器の溝や稜のある内壁に押付け
られ圧着して安定するが、ペーパードリップと異なり熱
湯が溜った状態で抽出する方式の場合は濾紙等の濾過手
段は抽出凹部の内壁に圧着しにくい。そこで、本願発明
においては熱湯が溜った状態で抽出する方式でありなが
ら抽出凹部の他にその外部に、棒状栓が底部の流出孔に
挿入された状態でも棒状栓と壁の間に液体が溜る空間が
ある流出凹部を設けることにより濾紙等の濾過手段内と
流出凹部の間に圧力が生じ濾紙等の濾過手段が安定す
る。そして、上記の「抽出部Aの濾紙の外の空間」や
「流出凹部Bの空間」はコーヒーを入れる操作上、余裕
や緩衝効果として利用することもできるのでこれ等の空
間の容積を適宜増減して構成するとよい。また、コーヒ
ー粉が膨潤してから濾過するので濾紙が詰まりにくく濾
過しやすい。
本抽出が終わったら棒状栓5を持上げコーヒー液をコ
ーヒーサーバーまたはコーヒーカップ中に流出させる。
本抽出の時も前抽出の場合と同様注がれた熱湯は流出せ
ず溜っているので、前抽出で発生した泡は消えにくい。
また、溜っている湯で抽出するので、抽出溶媒である湯
の中にはコーヒー粉中の多量成分である美味しい「コー
ヒー成分」が初期に既に相当量溶け込んで濃くなってお
り抽出力が適度に制限され、従来の新湯を注いで滴らし
また新湯を注ぐことによりコーヒー粉が連続的に新湯で
抽出されるドリップ式のように「雑成分」を溶かし出し
てしまってコーヒーの味を損なうということがなく、コ
ーヒー粉中の量の多い「コーヒー成分」が選択的に抽出
され美味しいコーヒーを淹れることができる。
また、従来のドリップ式では注がれた熱湯が常に濾紙
の繊維の隙間等濾過手段の隙間を通って流れ出るため、
コーヒーの細かい粉が熱湯の流れと水圧によって濾過手
段の隙間に運ばれそこで膨潤して濾紙等の隙間を詰まら
せてしまうので、細引きのコーヒー粉は使いにくかっ
た。逆に粗引きのコーヒー粉では、充分に抽出されない
うちに熱湯が滴り落ちてしまいやはり使いにくかった。
これに対し、本発明によれば溜っている静止した熱湯
でコーヒー粉を膨潤させて抽出した後、濾紙等の濾過手
段で濾過するので、濾紙が詰まることは少なく、極細引
きのコーヒー粉も用いることができる。また、必要なだ
け棒状の栓5で流出孔4を塞いで抽出時間を調節できる
ので、粗引きのコーヒー粉も充分に抽出でき、味が良い
とされる粗引きコーヒー粉をネル袋を用いて淹れる方式
で淹れたものに優るとも劣らない味の良いコーヒーを容
易に且つ簡便に淹れることができる。
また、コーヒー豆の焙煎も、従来は熱湯を流下しなが
ら継続的に抽出するのに容易なように焦がし過ぎになる
ことがあり、そのコーヒー豆に適した焙煎度や飲む人の
嗜好に合った焙煎度の選択が制限されていたが、本発明
の方法によれば、コーヒー豆の焙煎度も制限されないの
でより味の良いコーヒーを淹れることができる。
本抽出の湯量は必要により任意に増減すればよい。例
えば一杯分のコーヒーを入れる場合、コーヒー豆の焙り
方、コーヒー粉の性質・品質などにより前抽出と本抽出
の合計湯量が丁度一杯分になるような湯量で抽出を行う
と雑成分まで抽出されて味が良くないような場合は抽出
の湯量を少なくして、後で湯を足せばよい。また、操作
性や泡の維持の点からは前抽出の表面と本抽出の表面を
一致させることが好ましい。
本発明の方法は、例えば電磁弁等の自動弁を用いてマ
イコン(制御回路)等の制御手段により上記のコーヒー
を淹れる工程の少なくともコーヒー粉を入れた後の工程
をプログラムし、調節もできるようにして自動化するこ
ともできる。
この場合、本発明にかかる自動コーヒー淹れ器は、例
えば特開昭62−32920、特開昭62−82920、特開昭62−10
2719等に開示されているようなコーヒーミルを備えた又
は備えないいわゆるコーヒーメーカーに、第9図、第10
図に示すように抽出部21の流出孔22に電磁弁23を設置す
る(自動弁は電気的にコントロールできるものであれば
限定されない)。そして熱湯の注ぎ口31を必要に応じ濾
過手段32内へのものと濾過手段32外へのもの(図示され
ていない)の両方に設ける。濾過手段32内への注ぎ口31
は、好ましくは湯が広範囲に注がれる構造、または複
数、例えば2〜4個である。コーヒー粉の上から熱湯を
注ぐときコーヒー粉全体に熱湯がかかるため、また泡が
立ちやすいようにするためである。但し本抽出時の給湯
は泡の維持との関係から1個の注ぎ口から給湯するほう
が良い場合もある。流出孔22の電磁弁23を閉じた状態で
ヒーター34への通電により湯沸し部33で湯を沸かし(濾
過手段32外への注ぎ口を設けた場合、少量の熱湯を先に
濾過手段32外へ注いで濾過手段32内へ浸透させた後)、
濾過手段32内のコーヒー粉上に一定量の熱湯を泡立ちに
適した勢い(落差や圧力により)で注ぎ、(コーヒーミ
ル35が付いているコーヒーメーカーの場合は濾過手段32
内へ少量の熱湯を注いだ後、コーヒーミル35を動かしコ
ーヒー粉を濾過手段32内へ入れ、次いでコーヒー粉上に
一定量の熱湯を注いでも良い)、一定時間後、好ましく
は電磁弁23を一定時間開いて前抽出液の一部を流出させ
た後閉じ、再び抽出部21に一定量の本抽出用熱湯を注
ぎ、一定時間後電磁弁23を開くというようなプログラム
で、熱湯量や電磁弁の開閉時間をコーヒー粉の量や性質
に応じて使用者がダイヤル等で調節設定できるプログラ
ムを施す。
第10図は抽出部21の流出孔22を開閉する電磁弁23と湯
沸しヒーター34を制御する回路の模式部分図である。電
磁弁23は流出孔22に下から当接して塞ぐ好ましくは弾力
・耐熱性を有する半球状突起24の栓体を一方の端に有
し、他方の端に磁石に引付けられる性質を有する磁力反
応体、例えば鉄製の(必要により磁石の)重り25を有す
る軸体26、この軸体を途中で回転自由(但しこの回転は
支持点を中心に軸体の端が往復する運動であり、軸体の
自転ではない。)に支える支持体27及び重りの下に位置
する電磁石28a、重りの上に位置する電磁石28bから構成
されており、非通電時の自然状態では必要により重り25
の重力により半球状突起24が流出孔22を塞いでいる。な
お、軸体26の支持体27による回転自由な支持は、例えば
軸体26から直角に突起した回転軸が支持体27の穴に嵌挿
した構造である。流出孔22の閉鎖時に軸体26の半球状突
起24が付いている方の部分が少なくとも水平か先にいく
に従って低くなるようにすることにより軸体の重りの付
いている方に液が伝わって流れることを防止できる。こ
のためには軸体26を途中で曲げると磁石の位置との関係
等で都合がよい場合がある。また軸体26の途中に鍔状等
の流れ止め29を設置してもよい。この電磁弁では軸体の
支持部位から電磁石側を長くしてテコの原理を利用する
こともできる。また、電磁石28aを省略したり、逆に非
通電時の自然状態では流出孔が開いている構造として電
磁石28bを省略することもできる。また、流出孔の構造
を傘状に下に開くものとして半円球状突起による開閉の
操作性を計ることもできる。従来の電磁弁は大型、複
雑、衛生維持困難等の問題があったが、この電磁弁は衛
生的で簡便、小型化可能等のため家庭用コーヒーメーカ
ーのような小型で飲食物を扱う器具用の自動弁に適して
いる。
制御回路41からの通電リレー42aへの指示に電源44か
らの通電により電磁弁23の下側の電磁石28aが磁力を発
し電磁弁23の重り25を引下げる力が加わり流出孔22がよ
り強く塞がれる。そして、制御回路41からの通電リレー
43への指示によりヒーター34により湯が沸かされて熱湯
が抽出部21に注がれる。少なくともコーヒー粉全体が浸
る量の前抽出用熱湯が抽出部に注がれて溜ったらヒータ
ー34への通電がとまる。一定時間後、(好ましくは通電
リレー42aへの指示により電磁石28aへの通電が切られ、
同時に通電リレー42bへの指示により電磁弁23の上側の
電磁石28bが磁力を発し電磁弁23の重り25を引上げ、軸
体26が支持体27を中心に回転し、軸体26の他端の半球状
突起24が下がり流出孔22が開け、前抽出液の一部が、少
なくともコーヒー粉全体が浸る量残して流出する時間の
経過後、再び電磁石28aにのみ通電して流出孔22を塞
ぎ)、次いでヒーター34へ再び通電が指示され所定量の
熱湯が注がれる。本抽出用熱湯が抽出部に注がれて溜っ
たらヒーター34への通電がとまる。一定時間後、通電リ
レー42aへの指示により電磁石28aへの通電が切られ、同
時に通電リレー42bへの指示により電磁石28bへ通電され
流出孔22が開かれ抽出液が流出する。ヒーターへの通電
時間や前抽出液の一部を流出させる時間などのコーヒー
粉の量に対応するもののコントロールは使用時に設定す
るように構成することができる。
コーヒーミルが付いているコーヒーメーカーであれ
ば、特開昭62−102719の如くコーヒーミルのモーター36
に流れる電流をカレントトランスで検知して、制御手段
によりコーヒー粉の量を測定し、モーター36やヒーター
34、電磁弁23の電磁石28a、28bに送る電流をコントロー
ルする等の方法によって給湯時期や湯量、電磁弁の開閉
時期、時間等を制御することもできる。第11図はそのよ
うな回路図の1例であり、45はミルスイッチ、46はカレ
ントトランス、47はリレー、48はリレー47により動作さ
せられる切換スイッチ、41は制御回路、41aは制御回路
の中の時計回路、41bは制御回路の中の時限制御回路、4
9はスイッチである。
コーヒーミルのモーターに流れる電流値をカレントト
ランス46により検出し、制御回路41に入力し、当初設定
された電流以下になったときに、コーヒー豆の粉砕終了
を検出し、リレー47を動作させ、切換スイッチ48をモー
ター回路から給湯回路に切替えるとともに、電磁弁回路
の通電リレーを動作させる。制御回路41内の時計回路41
aは、モーター回路に通電された時間を計測し、その時
間によりコーヒー豆の量を推定する。そして、計測され
た時間に一定割合で比例した給湯回路の前抽出の給湯時
間とその後の休止時間、本抽出の給湯時間、及び電磁弁
回路開閉時期と時間とが制御回路41により演算され、時
限制御回路41bはそれに基づいて通電リレー42a、42b、4
3の動作を制御する。
なお、上記の例では給湯手段は、水タンクの底から逆
止弁を介し導かれたパイプの一部33をヒーターで加熱し
蒸気圧で熱湯を噴出させるコーヒーメーカーに一般的な
方法を利用しているが、本発明では第12図に示す湯沸し
ポット等のような湯沸し容器51内で沸かす手段を用いて
湯を供給することもできる。湯沸し容器等を用いる場合
は、パイプで湯を沸す場合の噴出する湯温度が従来90℃
程度(特開昭61−32920第10図参照)であるのに比し、
簡単な構造で容易に昇温でき、100℃の熱湯を給湯でき
る。また、熱湯を一気に注ぐこともでき、抽出温度を十
分に高くすることができる。この場合給湯口52にも、前
記流出孔22に設けたと同様に電磁弁23′を設け、湯沸し
内の水温を感熱端子53等で検出し、前抽出用熱湯を給湯
するために電磁弁23′を開く時期、コーヒー粉の量によ
って開く時間(従って、湯量)や前抽出液の一部の流
出、本抽出用熱湯の給湯、本抽出液の流出のために電磁
弁23、23′を開く時期、時間等を前記例のヒーターや電
磁弁等の制御に準じ常法により必要な変更を加えて制御
回路を構成することができる。抽出中の保温の為に抽出
部21に、間に空気層を挟んだ二重壁構造や魔法瓶のよう
な保温構造を用いたり、電流により発熱するニクロム線
やセラミックヒーターのような発熱性のもの、加熱後放
熱する熱保持体等を用いることもできる。
コーヒー抽出方法の説明に際し前記した手で操作する
第1の本発明にかかるコーヒー淹れ器(コーヒー抽出器
又はコーヒーエクストラクター)は、例えば一部透視斜
視図の第1図、鍔を省略した平面図の第2図、一部透視
正面図の第3図(但し、本図は栓5のガイド部6のみ異
なっている。)に示す如く、濾過手段9を設置する抽出
凹部2、抽出凹部2外部に在り該抽出凹部と共有しない
底に棒状栓を直立して挿入し得る流出孔4を有する流出
凹部Bと該流出凹部外壁に設置せる取手8からなる容器
と該流出孔を開閉する直立せる栓5の組合せから構成さ
れており、棒状栓5が挿入された状態でも液体が溜る空
間を流出凹部Bの壁と棒状栓5の間に設けてあるので、
抽出凹部2内の濾紙等の濾過手段内に注がれた液体は抽
出凹部2と流出凹部Bの液面が平衡に達するまで抽出凹
部から流出凹部へ液体が流れる圧力を生じ、濾紙等の濾
過手段が抽出凹部の壁に押付けられ安定する。なお、第
1〜3図では省略されているが、濾紙等の濾過手段が抽
出凹部2の内壁に圧着されつつ濾過機能を高効果的に発
揮しえるために、従来のコーヒードリッパーと同様に凹
部の内壁に溝や稜を設けることを排除するものではな
い。容器1には必要に応じ、底部に該容器をコーヒーサ
ーバーやコーヒーカップ上に配置するための鍔7や側部
に取手8が付いている。
流出孔を塞ぐ栓5は、流出孔4を塞ぐ機能に加え、所
定時間抽出後、開けてコーヒー液を流出させて、抽出時
間をコントロールする機能及び開閉を繰返して湯が溜っ
た状態での抽出を複数回可能にする機能をはたすもので
あり操作の容易さ、安定性等から直立している。従って
流出孔の構造も栓5が直立し得るような構造である必要
がある。特に、流出凹部Bの壁に取手8が設置されてい
ると、流出凹部Bの底の流出孔4から棒状栓5が直立し
ていることと両者相抹て、棒状栓5の操作時に取手8を
支えて棒状栓を挿し抜きする作業の安定性が極めて向上
する。流出孔を塞ぐ栓5は操作性や故障の無さ、洗浄し
やすく衛生的等から棒状(その他これに類するものも含
まれる。)が好ましい。第1図に示す如く棒状の栓5の
上端を指で摘まんで栓5の先端を流出孔4に差込んだ
り、抜いたりすることにより流出孔4の開閉を容易に行
うことができる。従って、棒の長さは流出孔4に差込ん
だ状態で容器1の上部の縁より上に出るだけの長さを有
することが好ましい。棒の材料は例えば木、竹、プラス
チック等であるが特に限定されない。
流出孔4は孔の上部の内径より下部の内径が小さい逆
円錐台形とし、栓5の先端もこの孔に嵌合する形状とす
れば、栓4を差込んだり、抜いたりすることによる流出
孔5の開閉が更に容易になり、かつ密閉しやすくなる。
流出孔4の径は、本発明のコーヒー淹れ器は既に抽出の
時間が経過してから流出させるのであるから、栓5を持
上げた時にコーヒー液が速やかに流出できるような大き
さを有することが好ましく容器の規模により適宜決めれ
ばよい。
栓5を流出孔4から抜いてコーヒー液を流出させた
り、再び差込んで塞いだりする場合のためには、第1図
に示すように栓5の先端が完全に流出孔4から抜けない
ように、栓5の先端の孔との嵌合部より更に先端に細い
ガイド部6を設け、嵌合部を孔4から抜いてもガイド部
6が孔4内に残るようにすればよい。更に第3図のよう
に、ガイド部6の先を弾力性を有する金属線のような線
材で形成した孔4の内径より少し大きい最大径を有する
輪状や弧状のものとすれば棒状の栓5は流出孔4から簡
単に外れてしまうことがなく、しかも少し力を入れて栓
5を引上げればガイド部6の輪状や弧状部分が撓んで容
易に栓5が流出孔4から抜けて、容器1と栓5を分離す
ることができる。しかし、コーヒー液の流出はガイド部
がないほうが速やかである。
なお、第1図、第2図、第3図に示す例は、流出凹部
Bの位置がコーヒー濾紙設置部(抽出凹部2)外に設け
られ、抽出凹部2と流出凹部Bが独立している例であ
る。これにより流出凹部Bの底にある流出孔4を塞ぐ栓
5の操作は一層しやすくなる。抽出凹部2と流出凹部B
の間に壁11を設け壁の下部に穴を開けて両者を連絡する
構造となっている。第1の本発明にかかるコーヒー淹れ
器の他の態様の第6図、第7図に示す例は、流出凹部B
が抽出凹部2の外部にあって該抽出凹部2と共有しない
底を有しその底に棒状栓を直立して挿入し得る流出孔4
を有し、棒状栓5が挿入された状態でも液体が溜る空間
を壁との間に設けてあるので、抽出凹部の濾紙等の濾過
手段内に注がれた液体は抽出凹部と流出凹部の液面が平
衡に達するまで抽出凹部から流出凹部へ液体が流れる圧
力を生じ、濾紙等の濾過手段が抽出凹部の壁に押付けら
れ安定する。
流出孔の位置は、流出孔を塞ぐ栓5の操作のしやす
さ、流出孔4が濾紙で塞がれるという障害を生じない等
の点から、より好ましくは上記例の如く凹部2の外部で
あるが、第2の本発明にかかる第5図の平面図に示す例
は抽出凹部2の底がT字形で、流出孔4をT字形の底の
分枝した部分の端に設けることにより棒状栓の操作が濾
紙等に妨げられない例がある。但し、この第5図の平面
図では第2図同様、鍔は省略されている。この第2の本
発明にかかる例の第5図では、第1の本発明にかかる例
の第1〜3図と異なり、抽出凹部から独立した流出凹部
がないが、抽出凹部2がT字形の底3を有し、抽出凹部
の壁は上部から底3のT字の水平部分にあたる長方形の
形状の部分の底に向かって低下するに従って傾斜し、抽
出凹部の横断面が狭くなっており、且つ上記底3の長方
形の形状の部分の中央で底が直角に分枝し、底が分枝し
た部分の側壁は底3の長方形の部分の長辺に向かって傾
斜する壁の途中から、底が分枝した部分に向かって垂直
に低下し、その分枝した底の端部の流出孔4に棒状栓が
直立するので、濾紙等の濾過手段は底3の長方形の長辺
に向かって傾斜する壁に支えられるので、棒状栓の操作
をさほど妨げず、濾紙等の濾過手段の設置も安定する。
第1、2、3図の例のような壁の一部が垂直をなして
いる凹部に適した濾過手段としては、濾紙を二重に折畳
んで底部と一方の側部をギザギザの歯跡状にチャックし
て封じた略扇形状の一般的なコーヒードリッパー用濾紙
の、畳んだ状態の底辺に対する一方の側辺の角度を他方
の側辺の角度より小さくしたものを用いればよい。すな
わち、凹部内に適切に設置できるように、使用時の角度
(例えば60〜70度)に濾紙を開いた時、第3図に示され
ているごとく、濾紙の一方の側部の壁wが垂直を保つこ
とのできる角度である。例えば第8図に示すように両方
の側辺sが底辺bに対する角度θが120〜130度の一般的
なコーヒー濾紙の一方の側辺s′の角度θ′を110〜120
度とする、但し、これらの角度は凹部の壁の傾斜、細長
い底部の長さの凹部2の上縁部の径に対する比率等の形
状に依存しているので適宜設定すればよい。本発明の前
記のようなコーヒー淹れ器に上記のような濾紙を用い、
前記の本発明の方法でコーヒーを淹れた場合、適切に操
作するとコーヒー抽出液が全部流出した後、コーヒー粉
の粕は濾紙の底だけでなく、濾紙の内側の壁の表面に一
定の厚さを有する層を形成して残存する。
なお、本発明では濾紙以外にも通常用いられる金属
製、プラスチップ製のスクリーンや多孔質体等のフィル
ターによる濾過手段を利用することもできる。
凹部の底部3を第3図の一部透視正面図に点線で示す
如く流出孔4に向かって低下させることによりコーヒー
液が流出しやすくなる。凹部の底部3や凹部の内壁に稜
や溝等の凹凸を設けることも水切れや濾過効率を良くす
る。
本発明においては抽出中の保温の為に凹部2を覆う蓋
を用いてもよい。また、容器1に、間に空気層を挟んだ
二重壁構造や魔法瓶のような保温構造を用いたり、電流
により発熱するニクロム線やセラミックヒーターのよう
な発熱性のもの、加熱後放熱する熱保持体等を用いるこ
ともできる。
「発明の効果」 以上から明らかなごとく、本発明によれば以下の効果
を得ることができる。
一.第1の本発明のコーヒー淹れ器にかかる請求項1及
び請求項2の発明において、 1. 抽出凹部と共有しない独自の底を持ち且つその底に
棒状栓を直立して挿入し得る流出孔を持つ流出凹部を抽
出凹部外部に有しており、且つ棒状栓が挿入された状態
でも棒状栓と壁の間に空間があるので、棒状栓が濾紙等
の濾過手段に妨げられず棒状栓が直立していることと相
抹て操作がし易く、また棒状栓の操作で濾紙等を傷め
ず、且つ抽出されたコーヒー液が前記空間に抽出凹部と
水面が平衡に達するまで穏やかに移動でき濾紙等濾過手
段が抽出凹部の壁に圧着され安定設置できる。しかして
湯が溜った状態での前抽出・一部濾過流出と湯追加本抽
出・全部濾過からなるコーヒー抽出方法が操作容易に効
率的に可能となる。
2. その結果、コーヒー成分の選択的抽出に優れ、アク
など雑成分の抽出を押え、味の良いコーヒー液が抽出で
きる。
3. 棒状栓が直立しているので、流出孔挿入時・引抜き
時に力が垂直方向に働くので安定である。且つ該流出凹
部の外壁に取手が設置されていれば、棒状栓が直立して
いることと両者相抹て、コーヒーカップやコーヒーサー
バー上に設置されたコーヒー抽出器の棒状栓の操作をす
る時、取手を手で支えながら棒状栓を抜き挿しする作業
の安定性が極めて向上する。
4. 特に抽出凹部と流出凹部の間に下部に穴がある隔壁
を有する場合は、抽出凹部内の液体が下部の穴12を通じ
て流出凹部に流れようとして液体の圧力で抽出凹部内の
濾紙等の濾過手段の安定性がより向上する。
5. 湯が溜った状態で抽出できるので、コーヒー抽出時
にアワを充分たてることができ、維持することができ
る。
6. 棒状栓により、抽出時間を任意に調節できる。
7. その結果極細引きから粗引きまで任意の粘度のコー
ヒー粉が使用できる。
8. 更に、深煎りから残煎りまで、コーヒー豆の焙煎度
が制限されない。
9. 全体的にも操作・後片付けが簡単。
10. 熟練を要さずに、容易に、美味しいコーヒーを淹
れることができる。
二. 第2の本発明のコーヒー淹れ器にかかる請求項3
の発明において、 1・ 抽出凹部の底がT字形をしており、抽出凹部の側
壁はT字の水平部分にあたる長方形の形状の部分の底に
向かって傾斜して低下しており、T字の垂直部分にあた
る分岐した底の側壁は、前記長方形の形状の部分の底に
向かって傾斜する壁の途中から、分枝した底の部分に向
かって垂直に低下し、流出孔がその分枝した底の端部に
あるので、濾紙等は該傾斜した壁に支えられ、棒状栓の
操作が濾紙に妨げられず、棒状栓が直立していることと
相抹て操作がし易く、また棒状栓の操作で濾紙等を傷め
ない。しかして湯が溜った状態での前抽出・一部濾過流
出と湯追加本抽出・全部濾過流出からなるコーヒー抽出
方法が操作容易に効率的に可能となる。
2. その結果、コーヒー成分の選択的抽出に優れてお
り、アクなど雑成分の抽出を押え、味の良いコーヒー液
が抽出できる。
3・ 棒状栓が直立しているので、流出孔挿入時・引抜
き時に力が垂直に働くので安全である。
4. 湯が溜った状態で抽出できるので、コーヒー抽出時
にアワを充分にたてることができ、アワを維持すること
ができる。
5. 棒状栓により、抽出時間を任意に調節できる。
6. その結果極細引きから粗引きまで任意の粘度のコー
ヒー粉が使用できる。
7. 更に、深煎りから残煎りまで、コーヒー豆の焙煎度
が制限されない。
8. 全体的にも操作・後片付けが簡単。
9. 熟練を要さず、容易に、美味しいコーヒーを淹れる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の本発明にかかるコーヒー淹れ用具の実施
例を示す斜視図、第2図は凹部及び取手部の平面図、第
3図は正面図であり、第5図は第2の本発明にかかるコ
ーヒー淹れ用具の実施例を示す凹部及び取手部の平面図
であり、第6図、第7図は第1の本発明にかかるコーヒ
ー淹れ用具の他の実施例の斜視図、平面図、第8図は第
3の本発明にかかるコーヒー淹れ用具のコーヒー濾紙の
平面図である。第9図は本発明の自動コーヒー淹れ用具
の実施例を示す縦断面図、第10図は電磁弁の回路模式
図、第11図は他の実施例の回路図、第12図は給湯部・抽
出部の部分模式図である。 1……容器、2,21,32……抽出凹部、3……底部、4,22
……流出孔、5……栓、6……ガイド部、7……鍔、8
……取手、9,32……濾紙(濾過手段)、10……稜または
溝、11……隔壁、12……下部の穴、23……電磁弁(自動
弁)、24……栓体(半球状突起)、25……磁力反応体
(重り)、26……軸体、27……支持体、28a,28b……電
磁石、31,52……給湯口、33……湯沸し部、34……ヒー
ター、37,41……制御回路、A……抽出部、B……流出
凹部、s,s′……側辺、b……底辺、θ,θ′……側辺
と底辺の角度、w……濾紙の壁の直立部分

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濾過手段が設置される抽出凹部と、該抽出
    凹部外部に位置し該抽出凹部と共有しない底を持ち且つ
    その底に棒状栓を略直立して挿入し得る流出孔を有し該
    流出孔に棒状栓が挿入された状態で壁と棒状栓の間に空
    間がある流出凹部と、上方から挿入して前記流出孔を塞
    ぎ当該流出凹部上方まで突出して略直立せる前記棒状栓
    を備え、該棒状栓は液体が棒状栓内を通じて流出するこ
    とがなく、前記流出孔が棒状栓で塞がれた状態で前記抽
    出凹部に液体が注がれると抽出凹部の液面と流出凹部の
    前記空間の液面が平衡に達するまで抽出凹部から流出凹
    部へ液体が流れることを特徴とするコーヒー淹れ器。
  2. 【請求項2】濾過手段が設置される抽出凹部と、該抽出
    凹部外部に位置し該抽出凹部と共有しない底を持ち且つ
    その底に棒状栓を略直立して挿入し得る流出孔を有し該
    流出孔に棒状栓が挿入された状態で壁と棒状栓の間に空
    間がある流出凹部と、該流出凹部外壁に設置せる取手
    と、前記抽出凹部及び流出凹部の底部の鍔体と、上方か
    ら挿入して前記流出孔を塞ぎ当該流出凹部上方まで突出
    して略直立せる前記棒状栓を備え、該棒状栓は液体が棒
    状栓内を通じて流出することがなく、前記流出孔が棒状
    栓で塞がれた状態で前記抽出凹部に液体が注がれると抽
    出凹部の液面と流出凹部の前記空間の液面が平衡に達す
    るまで抽出凹部から流出凹部へ液体が流れることを特徴
    とするコーヒー淹れ器。
  3. 【請求項3】抽出凹部がT字形の底を有し、該抽出凹部
    の壁は上部からT字形の底の長方形の形状の部分に向か
    って低下するに従って傾斜して該抽出凹部の横断面が狭
    くなっており、且つ上記底の長方形の形状の部分の中央
    でT字形に直角に底が分枝し、底が分枝した部分の側壁
    は底の長方形の形状の部分に向かって傾斜する壁の途中
    から底が分枝した部分に向かって垂直に低下し、その分
    枝した底の端部に棒状栓を略直立して挿入し得る流出孔
    を有し、該流出孔を塞ぐ略直立せる前記棒状栓を備える
    ことを特徴とするコーヒー淹れ器。
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