JP2812869B2 - ハーフエッチング用電気電子部品用板条材及びその製造方法 - Google Patents

ハーフエッチング用電気電子部品用板条材及びその製造方法

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JP2812869B2
JP2812869B2 JP2150994A JP2150994A JP2812869B2 JP 2812869 B2 JP2812869 B2 JP 2812869B2 JP 2150994 A JP2150994 A JP 2150994A JP 2150994 A JP2150994 A JP 2150994A JP 2812869 B2 JP2812869 B2 JP 2812869B2
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健志 金尾
隆 松井
洋二 幸
恭志 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はその一面にハーフエッチ
ングが施されるハーフエッチング用電気電子部品用板条
材及びその製造方法に関し、特にアイランド部にハーフ
エッチングが施されるリードフレームの材料として好適
のハーフエッチング用電気電子部品用板条材及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICリードフレーム等の電気電子部品用
の金属又は合金製のテープ、板又は条(以下、板条材と
いう)は、通常、圧延により製造されている。ICリー
ドフレーム用板条材には、ワイヤボンディング工程等で
の不良の発生を回避するために平坦性が要求される。こ
のため、従来、ICリードフレーム用板条材の製造工程
には、圧延により形成された板条材をテンションレベラ
ーに通して歪を矯正する工程が設けられている(特開平
4−94815号)。この場合に、残留応力をより一層
確実に除去するために、テンションレベラー工程の前及
び/又は後に低温焼鈍が実施されることもある。ICリ
ードフレームは、このようにして歪を矯正した板条材を
所定の幅に切断した後、エッチングにより所定の形状に
成形加工することにより製造されている。なお、最終圧
延材からリードフレームに成形するまでの間には、脱
脂、酸洗及び研磨等の処理が適宜実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法により製造された従来の電気電子部品用板条材に
は、以下に示す問題点がある。即ち、近年、リードフレ
ームのアイランド部と封止樹脂との密着性を向上させる
ため及び前記アイランド部の表面積を増加させて熱放散
性を向上させるために、アイランド部の半導体チップ搭
載面の反対側の面にハーフエッチングを施して、多数の
微小な凹部(ディンプル)を形成することがある。この
場合に、従来のリードフレーム用板条材は、圧延方向に
直交する断面においては、残留応力が小さく問題となら
ないが、圧延方向に平行の断面においては残留応力が大
きく、この残留応力に起因して反りが問題となってい
る。図8は、従来のリードフレーム用板条材の圧延方向
に平行の断面における厚さ方向の残留応力分布を示す模
式図である。この図8に示すように、板条材11の厚さ
方向の中央部に残留する引張応力(正の値)と、端部に
残留する圧縮応力(負の値)との絶対値の和(A)が大
きい。ハーフエッチング前の状態では引張応力と圧縮応
力とがバランスしているため、反りは発生しないが、図
9に示すように一方の面をハーフエッチングしてディン
プル12を形成すると、引張応力と圧縮応力とのバラン
スが崩れ、図10に示すようにハーフエッチングした面
を内側にして大きく反りが発生する。
【0004】従来のリードフレーム用板条材の場合は、
ハーフエッチングを施すと、図11に示すように長さが
150〜250mmのリードフレームの場合に、反りH
1 が最大で約50mmとなる。また、図12に示すよう
に1辺が10mmの正方形のアイランド部に対し、反り
2 は約50μmになる。一般的に、1辺が10mmの
正方形のアイランド部の場合に、反りH2 は15μm以
下であることが必要であるとされている。従来の電気電
子部品用板条材においては、板厚方向に2/3〜1/2
の深さのディンプルを形成すると、この基準を満足する
ことができない。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、平坦性が優れていると共に、ハーフエッチ
ングしても反りが発生しにくいハーフエッチング用電気
電子部品用板条材及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るハーフエッ
チング用電気電子部品用板条材は、その一面にハーフエ
ッチングが施されるハーフエッチング用電気電子部品用
板条材において、金属又は合金のテープ、板又は条から
なる板条材であって、圧延方向に平行の断面における厚
さ方向の残留応力分布において圧縮応力の絶対値と引張
応力の絶対値との和が12kgf/mm2 以下であるこ
とを特徴とする。
【0007】本発明に係るハーフエッチング用電気電子
部品用板条材の製造方法は、金属又は合金のテープ、板
又は条からなる板条材をテンションレベラーに通し波状
の歪の高さを波のピッチで除して得られる急峻度を1.
0%以下にする第1のテンションレベラー工程と、この
第1のテンションレベラー工程終了後の前記板条材を張
力を一定に維持してテンションレベラーに通し、圧延方
向に平行の断面における厚さ方向の残留応力分布におい
て圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和を12k
gf/mm2 以下にする第2のテンションレベラー工程
とを有することを特徴とする。
【0008】また、本発明に係るハーフエッチング用電
気電子部品用板条材の他の製造方法は、金属又は合金の
テープ、板又は条からなる板条材をテンションレベラー
に通す第1のテンションレベラー工程と、この第1のテ
ンションレベラー工程終了後の前記板条材を前記第1の
テンションレベラー工程における張力の1/3以下の張
力でテンションレベラーに通す第2のテンションレベラ
ー工程と、を有することを特徴とする。
【0009】なお、急峻度は、板条材に生じる波状の歪
の高さを波のピッチで除して得られるものである。具体
的には、図13に示すように、テープ、板又は条からな
る板条材に発生した波状の歪の波底間の距離をL、高さ
をHとした場合に、急峻度=(H/L)×100で表さ
れる。
【0010】また、本願において厚さ方向の残留応力分
布における圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和
とは、厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の最大
値の絶対値と引張応力の最大値の絶対値との和をいう。
圧延材の場合は、圧延方向に残留する残留応力に比して
圧延方向に直交する方向に残留する残留応力は小さい。
本発明においては、圧延方向に残留する圧縮応力の絶対
値と引張応力の絶対値との和を、12kgf/mm2
下にするものである。
【0011】更に、第1及び第2のテンションレベラー
工程は例えば2台のテンションレベラーにより連続的に
実施してもよく、また個別的に(不連続に)実施しても
よい。
【0012】
【作用】本願発明者等は、テープ、板又は矩形断面をも
つ条材からなる電気電子部品用板条材のハーフエッチン
グ後の反りを抑制すべく種々実験研究を行った。その結
果、例えばリードフレームにおいて、1辺が10mmの
正方形のアイランド部のハーフエッチング後の反りを1
5μm以下にするためには、リードフレームの圧延方向
に平行の断面における厚さ方向の残留応力分布におい
て、圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和を12
kgf/mm2 以下にすることが必要であることが判明
した。
【0013】また、本願発明者等は、テンションレベラ
ーによる歪矯正時に板条材に加える張力を低く設定する
と、厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の絶対値
と引張応力の絶対値との和が小さくなるとの知見を得
た。しかし、テンションレベラーに通すときの張力を低
減すると、板条材の歪を矯正することができない。
【0014】そこで、本願の第1の発明方法において
は、先ず、第1のテンションレベラー工程として、板条
材を比較的大きな張力を加えつつテンションレベラーに
通して急峻度を1.0%以下にすることにより、リード
フレームとして要求される平坦性を確保する。この第1
のテンションレベラー工程終了後の板条材は、平坦性は
良好であるものの、その厚さ方向の応力分布における残
留応力が比較的大きい。この残留応力を低減するため
に、第2のテンションレベラー工程として、張力を一定
に維持しつつ、板条材をテンションレベラーに通す。こ
れにより、残留応力を低減することができて、例えばリ
ードフレームにおいて、1辺が10mmの正方形のアイ
ランド部の反りを15μm以下にすることができる。
【0015】また、本願の第2の発明方法においては、
先ず、第1のテンションレベラー工程において、板条材
を比較的大きな張力を加えつつテンションレベラーに通
して所望の平坦性を確保し、次いで、第2のテンション
レベラー工程において、板条材に第1のテンションレベ
ラー工程における張力の1/3以下の張力を加えつつテ
ンションレベラーに通す。これにより、板条材に残留す
る応力を十分に低減することができ、ハーフエッチング
後の反りの発生を抑制することができる。
【0016】上述の第1及び第2の発明方法において、
第1のテンションレベラー工程における張力を大きくす
るほど板条材の急峻度は小さくなるが、張力が大きすぎ
ると第1のテンションレベラー工程後の材料の残留応力
が大きくなって、第2のテンションレベラー工程で残留
応力を小さくするためには第2のテンションレベラー工
程における張力を第1のテンションレベラー工程におけ
る張力の1/3近傍にする必要があり、残留応力を十分
に低減することが難しくなる。このため、第1のテンシ
ョンレベラー工程における張力は9〜25kgf/mm
2 程度とすることが好ましい。また、第2のテンション
レベラー工程における張力を3〜8kgf/mm2 とす
ることにより、より一層確実に残留応力を小さくするこ
とができる。更に、テンションレベラーのワークロール
として小径(16mm以下)のものを使用すると、残留
応力を更に小さくすることができる。
【0017】なお、本発明は、主にリードフレームに使
用されるCu合金を対象としているが、その他の金属又
は合金に適用することもできる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る電気
電子部品用板条材の製造方法において使用するテンショ
ンレベラーを示す模式図である。このテンションレベラ
ーは、複数本のワークロール1と、第1及び第2の中間
ロール2,3とにより構成されており、ワークロール1
は、図2に示すように、入側のロール1のロール咬み込
み量x1 が大きく、後段のロール1ほどロール咬み込み
量xn が小さくなるように設定している。第1及び第2
の中間ロール2,3は、第1のワークロールの曲げ応力
に対する強度を補強するために設けられている。また、
テンションレベラーの入側及び出側には夫々複数本のロ
ールにより構成されたブライドル部4,5が設けられて
いる。これらのブライドル部4,5の各ロールのテンシ
ョンを調整する等の方法により、ブライドル部4,5間
の被処理材(圧延材10)の張力を調整することができ
るようになっている。
【0019】一方、処理すべき最終圧延材10(例え
ば、Cu合金圧延材)はロール6に巻取られている。圧
延材10はこのロール6から巻解かれて入側ブライドル
部4を構成する各ロール間に掛け渡され、テンションレ
ベラーのワークロール1間を通過し、更に出側ブライド
ル部5を構成する各ロール間に掛け渡された後、巻取ロ
ール7に巻取られるようになっている。
【0020】本実施例においては、先ず、第1のテンシ
ョンレベラー工程として、圧延材10の伸びを一定(例
えば、0.25%又は0.3%)に保って、この圧延材
10をテンションレベラーに通す。この場合に、張力は
変動(振動)するが、平均張力を例えば15kgf/m
2 とする。
【0021】図3は、横軸に板条材に加える張力(ユニ
ットテンション)をとり、縦軸に急峻度をとって、抗張
力が相互に異なる3種類の板条材(A材、B材及びC
材)におけるユニットテンションと急峻度との関係を示
すグラフ図である。なお、A材はB材の約1.5倍の抗
張力を有する板条材であり、C材はB材の約0.5倍の
抗張力を有する板条材である。この図3に示すように板
条材に加える張力を大きくすると、板条材の急峻度は小
さくなる。リードフレームとして使用する場合は、急峻
度を1%以下とする。板条材の抗張力により張力の好ま
しい範囲は異なるが、張力が大きすぎると、第2のテン
ションレベラー工程で残留応力を十分に低減することが
難しくなる。このため、第1のテンションレベラー工程
において板条材(圧延材10)に加える張力は9〜25
kgf/mm2 程度とすることが好ましい。
【0022】次いで、第2のテンションレベラー工程と
して、圧延材10に加える張力を第1のテンションレベ
ラー工程における張力の1/3以下に設定し、張力が一
定となるようにブライドル部4,5を調整して圧延材1
0をテンションレベラーに通す。この場合に、残留応力
を低減することだけを考えると、張力を0とすることが
好ましい。しかし、張力を0とすると、テンションレベ
ラー内で圧延材10の横流れが発生する。このため、横
流れが発生しない程度の最低限の張力を印加することは
必要である。具体的には、第2のテンションレベラー工
程における張力は、3〜8.3kgf/mm2 とするこ
とが好ましい。
【0023】このように、第2のテンションレベラー工
程における張力を第1のテンションレベラー工程におけ
る張力の1/3以下と小さくすることにより、圧延材1
0の厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の絶対値
と引張応力の絶対値との和を小さくすることができる。
【0024】図4は、横軸に第2のテンションレベラー
工程におけるワークロールの直径をとり、縦軸に圧縮応
力の絶対値と引張応力の絶対値との和をとって、両者の
関係を示すグラフ図である。但し、第1のテンションレ
ベラー工程における張力は15kgf/mm2 、ワーク
ロールの直径は16mmであり、第2のテンションレベ
ラー工程における張力は4.5kgf/mm2 である。
また、第1のテンションレベラー工程のみを行った板条
材の圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和は約2
2kgf/mm2 である。この図4から、第2のテンシ
ョンレベラー工程におけるワークロールの直径を16m
m以下とすることにより、圧縮応力の絶対値と引張応力
の絶対値との和を12kgf/mm2 以下とすることが
できることがわかる。
【0025】図5は、このようにして第1及び第2のテ
ンションレベラー工程を経た板条材の圧延方向に平行の
断面における厚さ方向の残留応力分布を示す模式図であ
る。この図5に示すように、本実施例方法により製造し
た板条材11は、圧縮応力及び引張応力がいずれも小さ
いので、図6に示すように一方の面をハーフエッチング
しディンプル12を形成しても、このハーフエッチング
を施した面側に作用する圧縮力は小さく、図7に示すよ
うに反りが小さい。これにより、リードフレームにおい
て、1辺が10mmの正方形のアイランド部にハーフエ
ッチングを施した場合に、反りを15μm以下に抑える
ことができる。
【0026】以下、本発明の実施例方法により実際にリ
ードフレーム用板条材を製造し、この板条材から形成し
たリードフレームのアイランド部にハーフエッチングを
施し、反りを調べた結果について、従来例及び比較例と
比較して説明する。
【0027】原料材として、Cu合金(Cu−3.2重
量%Ni−0.7重量%Si−1.25重量%Sn−
0.2重量%Zn)からなり、板厚が0.127mmの
薄板を用意した。この薄板を下記表1に示す張力を加え
つつ、実施例1〜4及び比較例については2回、従来例
については1回だけテンションレベラーに通した。この
場合に、実施例4の第2のテンションレベラー工程にお
けるワークロール径は12mmであり、それ以外のテン
ションレベラー工程におけるのワークロール径はいずれ
も16mmである。また、従来例2では、テンションレ
ベラーを通した後に低温焼鈍(380℃×2時間)を施
した。
【0028】このようにして歪矯正を行った薄板から、
1辺が10mmの正方形のアイランド部を有するリード
フレームを形成し、アイランド部の一方の面をハーフエ
ッチングした。そして、圧延方向(L)及び圧延方向に
直交する方向(幅方向:C)に残留する残留応力の厚さ
方向の分布を調べ、圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対
値との和を求めた。即ち、(L)は、圧延方向に平行の
断面における残留応力であり、(C)は圧延方向に直交
する断面における残留応力である。その結果を、表1の
残留応力の欄に示す。また、アイランド部の反りを3次
元工具顕微鏡にて測定した。その結果も表1に併せて示
す。
【0029】
【表1】
【0030】この表1から明らかなように、比較例及び
従来例1,2はいずれも残留応力(圧縮応力の絶対値と
引張応力の絶対値との和)が14kgf/mm2 以上で
あり、ハーフエッチング後のアイランド部の反り(L)
が夫々17μm、50μm及び25μmと大きいのに対
し、本発明の実施例においては、いずれも残留応力が1
2kgf/mm2 以下であり、アイランド部の反り
(L)がいずれも12μm以下と小さい。これにより、
本発明は、ハーフエッチングを施す電気電子部品用板条
材の製造に極めて有用であることが明らかである。ま
た、本発明によれば、圧延方向に直交する方向(C)の
残留応力及び反りも低減できることがわかる。
【0031】なお、上述の実施例1〜4においては、い
ずれもテンションレベラー工程の前及び後に熱処理工程
を有していないが、テンションレベラー工程の前及び/
又は後に熱処理工程を加えてもよい。また、本発明に係
る電気電子部品用板条材は前述した銅合金に限定される
ものでないことは勿論であり、本発明は銅及び銅合金の
外に、アルミニウム及びアルミニウム合金並びに42ア
ロイ等に適用することもできる。また、第1及び第2の
テンションレベラー工程は、例えば2台のテンションレ
ベラーにより連続的に実施してもよく、又は、1台のテ
ンションレベラーにより第1のテンションレベラー工程
を実施した後、張力を調整して前記テンションレベラー
により第2のテンションレベラー工程を実施してもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るハーフ
エッチング用電気電子部品用板条材は、圧延方向に平行
の断面における厚さ方向の残留応力分布において圧縮応
力の絶対値と引張応力の絶対値との和を所定値以下に規
制したから、ハーフエッチング後の反りが極めて少な
い。
【0033】また、本発明に係るハーフエッチング用電
子電子部品用板条材の製造方法は、第1のテンションレ
ベラー工程で板条材の急峻度を1%以下とし、第2のテ
ンションレベラー工程で前記板条材の圧延方向に平行の
断面における厚さ方向の残留応力分布において圧縮応力
の絶対値と引張応力の絶対値との和を所定値以下にする
から、平坦性が優れていると共に、ハーフエッチングを
施しても反りが極めて少ない電気電子部品用板条材を得
ることができる。
【0034】更に、本発明の他のハーフエッチング用電
気電子部品用板条材の製造方法は、板条材を第1及び第
2のテンションレベラー工程で夫々テンションレベラー
に通し、第2のテンションレベラー工程においては第1
のテンションレベラー工程における張力の1/3以下の
低い張力でテンションレベラーに通すから、平坦性が優
れていると共に、残留応力が少なく、ハーフエッチング
を施しても反りが極めて少ない電気電子部品用板条材を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電気電子部品用板条材の
製造方法において使用するテンションレベラーを示す模
式図である。
【図2】テンションレベラーのワークロールの配置を示
す模式図である。
【図3】板条材に加える張力(ユニットテンション)と
急峻度との関係を示すグラフ図である。
【図4】第2のテンションレベラー工程におけるワーク
ロールの直径と残留応力との関係を示すグラフ図であ
る。
【図5】第1及び第2のテンションレベラー工程を経た
板条材の圧延方向に平行の断面における厚さ方向の残留
応力分布を示す図である。
【図6】同じくその板条材にハーフエッチングを施した
状態を示す模式図である。
【図7】同じくその板条材の反りを示す模式図である。
【図8】従来の電気電子部品用板条材の圧延方向に平行
の断面における厚さ方向の残留応力分布を示す図であ
る。
【図9】同じくその板条材にハーフエッチングを施した
状態を示す模式図である。
【図10】同じくその板条材の反りを示す模式図であ
る。
【図11】従来の電気電子部品用板条材により形成され
たリードフレームにハーフエッチングを施した場合の反
りを示す模式図である。
【図12】従来の電気電子部品用板条材により形成され
たリードフレームのアイランド部にハーフエッチングを
施した場合の反りを示す模式図である。
【図13】急峻度を示す模式図である。
【符号の説明】
1;ワークロール 2,3;中間ロール 4,5;ブライドル部 10;圧延材 11;板条材 12;ディンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 恭志 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究 所内 (72)発明者 三国 敏彦 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 中村 和光 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 西内 浩二 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 1/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その一面にハーフエッチングが施される
    ハーフエッチング用電気電子部品用板条材において、金
    属又は合金のテープ、板又は条からなる板条材であっ
    て、圧延方向に平行の断面における厚さ方向の残留応力
    分布において圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との
    和が12kgf/mm2 以下であることを特徴とするハ
    ーフエッチング用電気電子部品用板条材。
  2. 【請求項2】 前記金属又は合金はCu合金であること
    を特徴とする請求項1に記載のハーフエッチング用電気
    電子部品用板条材。
  3. 【請求項3】 金属又は合金のテープ、板又は条からな
    る板条材をテンションレベラーに通し波状の歪の高さを
    波のピッチで除して得られる急峻度を1.0%以下にす
    る第1のテンションレベラー工程と、この第1のテンシ
    ョンレベラー工程終了後の前記板条材を張力を一定に維
    持してテンションレベラーに通し、圧延方向に平行の断
    面における厚さ方向の残留応力分布において圧縮応力の
    絶対値と引張応力の絶対値との和を12kgf/mm2
    以下にする第2のテンションレベラー工程とを有するこ
    とを特徴とするハーフエッチング用電気電子部品用板条
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属又は合金のテープ、板又は条からな
    る板条材をテンションレベラーに通す第1のテンション
    レベラー工程と、この第1のテンションレベラー工程終
    了後の前記板条材を前記第1のテンションレベラー工程
    における張力の1/3以下の張力でテンションレベラー
    に通す第2のテンションレベラー工程と、を有すること
    を特徴とするハーフエッチング用電気電子部品用板条材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のテンションレベラー工程にお
    けるテンションレベラーのワークロール径が16mm以
    下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のハー
    フエッチング用電気電子部品用板条材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属又は合金はCu合金であること
    を特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のハ
    ーフエッチング用電気電子部品用板条材の製造方法。
JP2150994A 1994-02-18 1994-02-18 ハーフエッチング用電気電子部品用板条材及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2812869B2 (ja)

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