JP2812672B2 - 難燃繊維複合体の製法 - Google Patents

難燃繊維複合体の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、難燃剤で高度に難
燃強化したハロゲン含有繊維と他の繊維とを複合した、
風合や吸湿性などに優れ、かつ難燃性を有する難燃繊維
複合体の製法に関する。さらに詳しくは、難燃剤である
Sb化合物を多量に含有せしめたハロゲン含有繊維と、天
然繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の繊維とを複合した難燃繊維複合体の製法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年、インテリアのみならず、衣料や寝
具用繊維製品においても難燃化が強く要望され、しかも
難燃性以外の視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性な
どの性能に対する要望も強まってきている。 【0003】従来より繊維の難燃化に関する研究は、モ
ダアクリル系繊維やポリクラール系繊維を中心に、ポリ
エステル系繊維やビスコースレーヨン繊維など特定繊維
の単独物について行なわれており、1種の繊維の単独物
では難燃性能に優れたものもえられているが、消費者の
ますます多様化し、高度化する要求にはほとんどこたえ
られていないのが現状である。したがって、必然的に難
燃性繊維と他の繊維との混綿、混紡、交織などが必要と
なるが、2種以上の異種の繊維を混合した複合繊維に対
する難燃化の研究は数が少ない。 【0004】たとえば、含燐ポリエステル繊維とアクリ
ロニトリル系繊維との混合による複合繊維(特公昭52-2
1612号公報)や、スズ酸およびアンチモン酸含有ポリク
ラール繊維とポリエステル繊維、アクリル繊維、木綿な
どとの混合による複合繊維(特開昭 53-6617号公報)が
有効であるとの記載はあるが、難燃性、風合、吸湿性な
どの点で充分とはいいがたい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は消費者のます
ます多様化し、高度化する難燃性、視感、風合、吸湿
性、耐洗濯性、耐久性などに対する要求にこたえられる
繊維がないという問題を解決するためになされたもので
ある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、Sb化合物を多量に含有
したハロゲン含有重合体よりなる繊維を他の可燃性繊維
と混合すると、従来の難燃性繊維と比べて、難燃性の低
下の度合が極めて小さい難燃繊維複合体がえられること
を見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち、本発明は、アクリロニトリル30
〜70%(重量%、以下同様)、ハロゲン含有ビニル系単
量体70〜30%およびこれらと共重合可能なビニル系単量
体0〜10%よりなる共重合体、ただしハロゲンを19.9〜
43.9%含む重合体であって、かつアクリロニトリル40〜
65%ならびに塩化ビニリデンおよび塩化ビニルが合計で
60〜35%よりなる重合体を除く、(以下、ハロゲン含有
共重合体ともいう)に、該共重合体に対して12〜50%の
粒径を2μm以下に揃えたSb化合物を含有させて溶解紡
糸してえられた繊維(以下、ハロゲンSb含有繊維ともい
う)85〜15部(重量部、以下同様)に対して、天然繊維
および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の繊維(以下、他の繊維ともいう)15〜85部をませる
ことを特徴とする難燃繊維複合体の製法に関するもので
あって、所望の難燃性を有し、かつ視感、風合、吸湿
性、耐洗濯性、耐久性などの消費者の多様化し、高度化
した要求を満足させる難燃繊維複合体を製造する方法に
関する。 【0008】前記難燃繊維複合体とは、ハロゲンSb含有
繊維と他の繊維とを混紡または混綿したもの、ハロゲン
Sb含有繊維と他の繊維とを交撚したもの、前記混紡もし
くは混綿したものを用いて製造した糸または前記交撚し
たものを用いて製造した交織または交編したもの、さら
にはこれらの組合わせによってえられるものを含む概念
である。 【0009】 【実施例】本発明においては、アクリロニトリル30〜70
%、ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30%およびこれら
と共重合可能なビニル系単量体0〜10%よりなる共重合
、ただしハロゲンを19.9〜43.9%含む重合体であっ
て、かつアクリロニトリル40〜65%ならびに塩化ビニリ
デンおよび塩化ビニルが合計で60〜35%よりなる重合体
を除く、(ハロゲン含有共重合体)に、該共重合体に対
して12〜50%の粒径を2μm以下に揃えたSb化合物を含
有させた繊維が使用される。 【0010】本発明に用いるハロゲン含有共重合体とし
ては、たとえばアクリロニトリル−塩化ビニリデン、ア
クリロニトリル−塩化ビニル、アクリロニトリル−塩化
ビニル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−臭化ビニ
ル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−臭化ビニル、
アクリロニトリル−塩化ビニル−臭化ビニルなどのハロ
ゲン含有ビニル系単量体とアクリロニトリルとの共重合
体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビ
ニリデンなどのハロゲン含有ビニル系単量体の1種以上
とアクリロニトリルおよびこれらと共重合可能なビニル
系単量体との共重合体などがあげられるが、これらに限
定されるものではない。また前記共重合体を適宜混合し
て使用してもよい。なお、本明細書にいうハロゲン含有
共重合体には、いかなる形においても部分アセタール化
ポリビニルアルコールが含有されることはない。 【0011】前記共重合可能なビニル系単量体として
は、たとえばアクリル酸、そのエステル、メタクリル
酸、そのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸、その塩、メタクリ
ルスルホン酸、その塩、スチレンスルホン酸、その塩な
どがあげられ、それらの1種または2種以上の混合物が
用いられうる。 【0012】前記ハロゲン含有共重合体はアクリロニト
リル30〜70%、ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30%お
よびこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10%から
なる重合体、ただしハロゲンを19.9〜43.9%含む重合体
であって、かつアクリロニトリル40〜65%ならびに塩化
ビニリデンおよび塩化ビニルが合計で60〜35%よりなる
重合体を除く、であるため、えられる繊維が所望の繊維
性を有しつつアクリル繊維の風合を有するため好まし
い。また共重合可能なビニル系単量体の少なくとも1つ
がスルホン酸基含有ビニル系単量体のばあいには、染色
性が向上するので好ましい。 【0013】なお、前記ハロゲン含有共重合体中のハロ
ゲン含有ビニル系単量体が30%未満では、繊維の難燃化
が充分でなくなるばあいが生じ、また70%をこえると、
製造された繊維の物性(強度、伸度、耐熱性など)、染
色性、風合などの性能が充分でなくなるばあいが生じ
る。 【0014】本発明に用いるSb化合物は難燃剤として用
いられるものであり、その具体例としては酸化アンチモ
ン(Sb2 3 、Sb2 4 、Sb2 5 など)、アン
チモン酸、オキシ塩化アンチモンなどの無機アンチモン
化合物があげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらは単独で用いてもよく、2種以上組合わせて
用いてもよい。 【0015】ハロゲン含有共重合体に対するSb化合物の
割合は6〜50%である。該量が6%未満では難燃繊維複
合体として必要な難燃性をうるために、ハロゲンSb含有
繊維の難燃繊維複合体中における混合率を高める必要が
ある。このようにハロゲンSb含有繊維の混合率を高める
と、難燃繊維複合体の難燃性以外の、たとえば視感、風
合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性などの性能がえられにく
くなる。一方、該量が50%をこえると、繊維製造時のノ
ズル詰まりや繊維物性(強度、伸度など)の低下がおこ
り、高度に難燃強化した繊維の製造面や品質面などで問
題が生じ、好ましくない。なお、難燃繊維に強い強度な
どや難燃繊維複合体に良好な、編織性などが求められる
ばあいには、Sb化合物の割合は6%以上12%未満が好ま
しく、6%以上8%未満がさらに好ましい。また難燃繊
維複合体に高度の難燃性と製糸性とが求められるばあい
には、Sb化合物の割合は12〜40%が好ましく、12〜30%
がさらに好ましい。本発明では12〜50%が採用される。 【0016】本発明においてはハロゲン含有共重合体に
対するSb化合物の量が12〜50%であり、この量が維持さ
れる限り、他の難燃剤と組合わせて用いてもよい。 【0017】前記Sb化合物と組合わせて用いることので
きる他の難燃剤としては、たとえばヘキサブロモベンゼ
ンなどの芳香族ハロゲン化物、塩化パラフィンなどの脂
肪族ハロゲン化物、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホ
スフェートなどの含ハロゲン燐化合物、ジブチルアミノ
ホスフェートなどの有機燐化合物、ポリ燐酸アンモニウ
ムなどの無機燐化合物、MgO 、Mg(OH)2 、MgCO3 などの
無機マグネシウム化合物、酸化第2スズ、メタスズ酸、
オキシハロゲン化第1スズ、オキシハロゲン化第2ス
ズ、水酸化第1スズなどの無機スズ化合物などがあげら
れる。該他の難燃剤の使用量は0〜10%であることが好
ましい。 【0018】本発明においてはハロゲンSb含有繊維85〜
15部、好ましくは60〜15部、さらに好ましくは60〜20
部、とくに好ましくは50〜20部と、天然繊維および化学
繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維15〜
85部、好ましくは40〜85部、さらに好ましくは40〜80
部、とくに好ましくは50〜80部とから、本発明による
燃繊維複合体が製造される。 【0019】本発明におけるハロゲンSb含有繊維と天然
繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくとも
1種との使用割合は、最終製品に要求される難燃性、視
感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性などの性能により
決定されるものである。なおハロゲンSb含有繊維の種類
およびその構成割合、他の難燃剤を用いるばあいにはそ
の難燃剤の種類および添加量、混合する繊維の種類およ
び組合わせなどにより前記使用割合が決められる。 【0020】前記ハロゲンSb含有繊維が15部未満、すな
わち混合する天然繊維や化学繊維の割合が85部をこえる
ばあいには、難燃繊維複合体の難燃性が不足し、一方、
ハロゲンSb含有繊維が85部をこえ、混合する天然繊維や
化学繊維の割合が15部未満のばあいには、難燃性には優
れているものの他の視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐
久性などの性能が充分でなくなり、いずれも好ましくな
い。 【0021】本発明による難燃繊維複合体が所望の難燃
性を有し、しかも混合する天然繊維や化学繊維の特徴を
はっきりださせるためには、ハロゲンSb含有繊維が60〜
15部で、混合する天然繊維や化学繊維の割合が40〜85部
であることが好ましい。 【0022】他の繊維が天然繊維のばあい、とくにハロ
ゲンSb含有繊維60〜15部に対して天然繊維40〜85部を混
合するのが好ましく、また他の繊維が化学繊維のばあ
い、とくにハロゲンSb含有繊維が50〜20部に対して化学
繊維50〜80部を混合するのが好ましい。 【0023】本発明による難燃繊維複合体が優れた難燃
性を有する理由は、ハロゲンSb含有繊維にガス型の難燃
効果を生ずるSb化合物が多量に混合されているため、不
燃性のハロゲン化水素、ハロゲン、ハロゲン化アンチモ
ンなどのガスを比較的低温で生成するとともに、該不燃
性の分解物が可燃性の繊維を被覆してしまうためと推察
される。 【0024】また、本発明による難燃繊維複合体の難燃
性が混紡、交撚、混綿、交織、交編などの複合方法に依
存せず、ほぼ同等の性能を示すのは、防炎試験などで接
炎する炎の大きさと比較して、混紡、交撚、混綿はもち
ろんのこと、交織、交編においても組織が非常に緻密か
つ均一であるためと考えられる。 【0025】前記天然繊維の具体例としては、たとえば
綿、麻などの植物繊維や、羊毛、らくだ毛、山羊毛、絹
などの動物繊維など、また化学繊維の具体例としては、
たとえばビスコースレーヨン繊維、キュプラ繊維などの
再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、あるいは
ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維などの
合成繊維などがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの天然繊維や化学繊維は単独でハロゲ
ンSb含有繊維と複合してもよく、2種以上でハロゲンSb
含有繊維と複合してもよい。 【0026】本発明に用いるハロゲンSb含有繊維は、無
機金属化合物などの難燃剤を多量に含むものであるが、
製造に際しては無機金属化合物などの難燃剤を振動ミル
などで充分粉砕し、粒径を2μm 以下に揃えることによ
り、ノズル詰まりや糸切れなどの紡糸上のトラブルを起
こすことなく、またはあまり起こすことなく、通常の紡
糸方法で製造することができる。 【0027】難燃繊維複合体を製造する方法としては、
単繊維の状態で混綿したり、混紡したりしてもよく、交
撚してもよく、それぞれの糸を製造したのち交織、交編
してもよく、紡績のときに固まりにしてスラブやネップ
にしたり、巻きつけたりしてもよい。 【0028】なお本発明における繊維複合体とは、長繊
維、短繊維のごときいわゆる繊維のみならず、糸、織
物、編物、不織布などのごとき繊維製品をも含む概念で
ある。 【0029】本発明による難燃繊維複合体には必要に応
じて、帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度
向上剤、失透性防止剤などを含有せしめてもよいことは
当然のことである。 【0030】このようにしてえられる本発明による難燃
繊維複合体は、所望の難燃性を有し、しかも混合する他
の繊維の視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性などの
特性を併有している。 【0031】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。なお実施例における繊維の難燃性は酸素
指数法(LOI法) によって下記のようにして測定した。こ
れは、一般に繊維の難燃性は織物の状態で測定、評価さ
れているが、織物では糸の撚数、太さ、打込本数などに
より燃焼性に差を生じ、繊維自体の難燃性を正しく評価
しえないためである。 【0032】(燃焼性) 所定の割合で混綿した綿を2g 取り、これを8等分して
約6cmのコヨリを8本作って酸素指数試験器のホルダー
に直立させ、この試料が5cm燃え続けるのに必要な最小
酸素濃度を測定し、これをLOI 値とした。LOI 値が大き
い程燃えにくく、難燃性が高い。 【0033】製造例1〜2 アクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりな
る共重合体をアセトンに樹脂濃度で27.0%になるように
溶解した。えられた樹脂溶液の一部をアセトンで3倍に
希釈した液に、三酸化アンチモンを固形分濃度が50%に
なるように加え、振動ミルを用いて分散させた。この分
散液を三酸化アンチモンが樹脂に対し20%になるように
前記樹脂溶液に添加混合して、紡糸原液を調製した。 【0034】えられた紡糸原液をノズル孔径 0.08 mmお
よび孔数 300ホールのノズルを用い、30%アセトン水溶
液中へ押出し、水洗したのち 120℃で乾燥し、ついで3
倍に熱延伸して、さらに 140℃で5分間熱処理を行なう
ことにより、ハロゲンSb含有モダアクリル繊維をえた
(製造例1)。 【0035】三酸化アンチモンのかわりに、酸化マグネ
シウムを樹脂に対して10%添加したものを同様にして紡
糸し、モダアクリル繊維をえた(製造例2)。 【0036】実施例1〜4および比較例1〜9 製造例1でえられたハロゲンSb含有モダアクリル繊維お
よび製造例2でえられたモダアクリル繊維それぞれと綿
とを表1に示す割合で混綿し、燃焼性試験用試料を作製
し、LOI 値を測定した。それらの結果を表1に示すとと
もに図1に示す。 【0037】また繊維複合体が綿としての特徴(視感、
風合など)を有するか否かについて官能試験を行なっ
た。それらの結果を表1に示す。なお表1中の○は綿と
しての特徴(吸湿性)を有する、×は有しないことを示
す。 【0038】 【表1】【0039】表1および図1の結果から明らかなよう
に、製造例1のハロゲンSb含有モダアクリル繊維および
製造例2のモダアクリル繊維は、単独では製造例2の繊
維の方が難燃性が優れているものの、これらをそれぞれ
綿と混綿し、繊維複合体としたばあいには、逆にハロゲ
ンSb含有モダアクリル繊維を用いた方が製造例2のモダ
アクリル繊維を用いたものより難燃性の低下が非常に少
なく、綿の混合割合が15部以上では高いLOI 値を示し、
難燃性が優れていることがわかる。 【0040】実施例5〜6および比較例10〜11 製造例1、2でえられたモダアクリル繊維のそれぞれ70
部と綿30部とを混合した繊維複合体の紡績糸(30/2)
よりなる経50本/吋×緯30、40、50本/吋の平織試織布
(それぞれ実施例5および比較例10)を、消防法に規定
される方法で防炎試験した結果、製造例1の繊維を用い
たものは合格し、製造例2の繊維を用いたものは不合格
であった。 【0041】また、製造例1、2でえられたモダアクリ
ル繊維100 %の紡績糸(20/1)を130 本/吋になるよ
うに緯糸として用い、綿100 %の紡績糸(30/1)を85
本/吋になるように経糸として用い、モダアクリル繊維
/綿が重量比で50/50の交織平織織物(それぞれ実施例
6および比較例11)を、消防法に規定される方法で防炎
試験した結果、製造例1の繊維を用いたものは合格し、
製造例2の繊維を用いたものは不合格であった。 【0042】以上のことから、混紡でも交織でも同様の
効果を示すことがわかる。 【0043】製造例3〜12 アクリロニトリル50%、塩化ビニル34%、塩化ビニリデ
ン15%およびメタクリルスルホン酸ソーダ 1.0%よりな
る共重合体をジメチルホルムアミドに樹脂濃度が25%に
なるように溶解した。えられた溶液に、製造例1と同様
にしてえられた三酸化アンチモンの振動ミル分散液を、
三酸化アンチモンが樹脂に対して0%、2%、6%、8
%、10%、12%、15%、20%、50%、70%になるように
添加混合し(それぞれ製造例3〜12)、紡糸原液を調製
した。 【0044】えられた原液を60%ジメチルホルムアミド
水溶液中へ押出したほかは製造例1と同様な方法で紡糸
し、モダアクリル繊維をえた。なおそのばあいの紡糸性
は、製造例12のばあいにノズルが詰まり、糸切れが発生
したほかは良好であった。 【0045】実施例7〜10、参考例1〜3および比較例
12〜14 製造例3〜12でえられたモダアクリル繊維それぞれ50部
と綿50部とを混綿し、繊維複合体をえた。 【0046】えられた繊維複合体のLOI 値を測定し、混
綿しないモダアクリル繊維単独のLOI 値との差を求め
た。それらの結果を表2に示す。 【0047】 【表2】 【0048】表2の結果より、三酸化アンチモンの添加
量が6%以上のばあい(製造例5〜12でえられたものを
使用したばあい)には、明らかにLOI 値の低下の減少が
認められることがわかる。しかし製造例3〜12で説明し
たように、三酸化アンチモンの添加量が70%になると、
ノズル詰まり、糸切れなどの紡糸上の問題が発生する。 【0049】実施例11 製造例10でえられた三酸化アンチモンを20%添加したモ
ダアクリル繊維60部と綿以外の表3に示す種々の繊維40
部とを混綿し、繊維複合体をえた。 【0050】えられた繊維複合体のLOI 値と混綿しない
モダアクリル繊維単独のLOI 値とを測定し、その差を求
めた。それらの結果を表3に示す。 【0051】比較例15 製造例10で用いた三酸化アンチモンにかえて、メタスズ
酸を樹脂に対し20%になるように添加した以外は製造例
10と同様に紡糸して、モダアクリル繊維をえた。えられ
たモダアクリル繊維を用いて実施例11と同様にして混綿
し、繊維複合体をえた。 【0052】えられた繊維複合体のLOI 値と混綿しない
モダアクリル繊維単独のLOI 値とを測定し、その差を求
めた。それらの結果を表3に示す。 【0053】 【表3】 【0054】表3の結果から、製造例10でえられたモダ
アクリル繊維を用いた繊維複合体(実施例11)は、比較
例15の繊維複合体と比較してLOI 値の低下が少ないこと
がわかる。 【0055】 【発明の効果】本発明による難燃繊維複合体を用いる
と、所望の難燃性を有し、しかも単一の難燃性繊維のみ
からではえがたい、視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐
久性などの特徴を持ったインテリア、衣料および寝具用
繊維製品がえられ、消費者のますます多様化し、高度化
する要求にこたえることができるという効果がえられ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は製造例1〜2でえられたモダアクリル繊
維と綿とを混綿してLOI 値を測定したばあいの、混綿割
合とLOI 値との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D03D 15/00 D03D 15/00 E 15/12 15/12 Z (56)参考文献 特開 昭53−6617(JP,A) 特開 昭49−118940(JP,A) 特開 昭51−82023(JP,A) 特公 昭57−17964(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 3/04 D01F 1/00 - 6/96

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有ビニ
    ル系単量体70〜30重量%およびこれらと共重合可能なビ
    ニル系単量体0〜10重量%よりなる共重合体、ただしハ
    ロゲンを19.9〜43.9重量%含む重合体であって、かつア
    クリロニトリル40〜65重量%ならびに塩化ビニリデンお
    よび塩化ビニルが合計で60〜35重量%よりなる重合体を
    除く、に該共重合体に対して12〜50重量%の粒径を2μ
    m以下に揃えたSb化合物を含有させて溶解紡糸してえら
    た繊維85〜15重量部に対して、天然繊維および化学繊
    維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維15〜85
    重量部を含ませることを特徴とする難燃繊維複合体の製
    。 2 共重合可能なビニル系単量体の少なくとも1つがス
    ルホン酸基含有ビニル系単量体である特許請求の範囲第
    1項記載の難燃繊維複合体の製法 前記共重合体にSb化合物を含有させた繊維60〜15重
    量部に対して、天然繊維および化学繊維よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の繊維40〜85重量部を含むよう
    にした特許請求の範囲第1項記載の難燃繊維複合体の製
    前記共重合体にSb化合物を含有させた繊維50〜20重
    量部に対して、天然繊維および化学繊維よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の繊維50〜80重量部を含むよう
    にした特許請求の範囲第項記載の難燃繊維複合体の製
    前記共重合体にSb化合物を含有させた繊維60〜15重
    量部に対して、天然繊維40〜85重量部を含むようにした
    特許請求の範囲第項記載の難燃繊維複合体の製法 前記共重合体にSb化合物を含有させた繊維50〜20重
    量部に対して、化学繊維50〜80重量部を含むようにした
    特許請求の範囲第項記載の難燃繊維複合体の製法
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