JP2812203B2 - 画像再生装置 - Google Patents

画像再生装置

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JP2812203B2
JP2812203B2 JP18438394A JP18438394A JP2812203B2 JP 2812203 B2 JP2812203 B2 JP 2812203B2 JP 18438394 A JP18438394 A JP 18438394A JP 18438394 A JP18438394 A JP 18438394A JP 2812203 B2 JP2812203 B2 JP 2812203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は符号化画像伝送方式及び
画像再生装置に係り、特に直交変換として離散コサイン
変換(DCT)を用いて圧縮符号化された画像符号を伝
送する伝送方式及びその符号化画像を再生する画像再生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像信号をディジタル化してCD−RO
Mやハードディスク、磁気テープなどの記録媒体に記録
する場合、そのデータ量は膨大なものとなるため、通常
は圧縮符号化して記録される。
【0003】この圧縮符号化方式は種々提案されている
が、画像の持つ二次元空間内の相関を効率良く利用する
直交変換を用いた変換符号化が良く用いられ、特に直交
変換としてDCTをベースとした符号化方式がカラー静
止画標準のJPEG(Joint Photograp
hic Expert Group)や蓄積メディア用
動画像符号化標準(MPEG:Moving Pict
ures Expert Group)などの国際標準
の符号化方式で採用されている。
【0004】従来のDCTをベースとした符号化方式に
よる画像符号の再生について、MPEGを例にとり説明
する。図13は従来の画像再生装置の一例のブロック図
を示す。この従来の画像再生装置は、MPEGに準拠し
た画像符号を読み込んでヘッダ解析手段131により符
号の種別などを解析する。
【0005】MPEGでは後に詳述するように、動画の
1シーケンスを複数のフレーム(ピクチャ)からなるグ
ループ・オブ・ピクチャ(GOP)に分割して符号化を
行う。GOPはフレーム内符号化画像であるIピクチャ
と、すでに符号化された時間的に前のフレームから予測
するフレーム間符号化画像であるPピクチャと、時間的
に前後の2フレームから予測するフレーム間符号化画像
であるBピクチャの計3種類から構成されている。
【0006】ヘッダ解析手段131により入力画像符号
がIピクチャと解析されたときは、このIピクチャの高
能率圧縮された可変長のハフマン符号が復号化手段13
2により復号された後、逆量子化手段133により逆量
子化され、更にIDCT手段134により逆DCT(I
DCT)処理を施されてブロックの画像の値が算出され
て画像を伸長されて加算器135を介して出力されると
共に、前フレーム部136又は後フレーム部137に入
力されてそれぞれ記憶される。
【0007】ヘッダ解析手段131により入力画像符号
がPピクチャと解析されたときは、このPピクチャが復
号化手段132により復号され、逆量子化手段133に
より逆量子化され、更にIDCT手段134によるID
CT処理によりブロックの差分値が算出されて加算器1
35に供給され、ここで前予測手段138により前フレ
ーム部136に格納されていた前フレームの画像符号に
動き補償を施したブロックと加算されて元の画像に伸長
されて出力されると共に、前フレーム部136又は後フ
レーム部137に入力されてそれぞれ記憶される。
【0008】ヘッダ解析手段131により入力画像符号
がBピクチャと解析されたときは、このBピクチャが復
号化手段132により復号され、逆量子化手段133に
より逆量子化され、更にIDCT手段134によるID
CT処理によりブロックの差分値が算出されて加算器1
35に供給され、ここで両予測手段139により前フレ
ーム部136又は後フレーム部137に格納されていた
前後フレームの画像符号に動き補償を施したブロック
と、後予測手段140により後フレーム部137に格納
されていた後フレームの画像符号に動き補償を施したブ
ロックと加算されて元の画像に伸長されて出力されると
共に、前フレーム部136又は後フレーム部137に入
力されてそれぞれ記憶される。
【0009】このように、国際標準であるMPEGに基
づいた再生装置であれば、どのような装置でもMPEG
に準拠した画像符号を再生することができる。しかし、
復号化手段132やIDCT手段134の処理において
は、使用する中央処理装置(CPU)の負担が大きいの
で、高速なCPUを使用しなければ高速再生ができな
い。
【0010】例えば、JPEGやMPEGに準拠した画
像符号再生装置で15フレーム/秒の処理を行うには、
1フレームの再生処理を約66msで行う必要がある。
もし、ハフマン符号を復号するのに30msかかり、逆
量子化するのに10msかかり、IDCT手段134に
よるIDCT処理に20msかかり、表示に20msか
かるものとすると、全体の処理時間が約80msかかる
ので、1フレームの画像を再生するのに14ms遅れて
しまう。
【0011】そこで、CPUの負担を軽くするために、
符号化方式の一部を変更してIDCT計算の代わりに近
傍画素との差分計算にしたり、量子化を省いたりするこ
となどにより、低速なCPUを用いても高速再生できる
ようにする方法が従来より種々提案されている。
【0012】例えば、特開平2−241270号公報記
載の再生装置では、画素ブロック間に符号化しない画素
を設けて、再生時に隣接する画素ブロックを参照してブ
ロック間の画素を補充することにより、CPUに負担を
かけずに再生できるようにしている。
【0013】また、特開平4−971号公報記載の再生
装置では、画素ブロックの変換係数を空間周波数に基づ
き複数の領域に帯域分割して領域別に可変長符号化し、
可変長符号化によって得られた符号データを領域別に格
納すると共に領域別に符号データ量を管理し、全符号デ
ータ量があらかじめ定めた符号データ量を越えないよう
に領域数を決定し、この決定した領域数の各領域の符号
データのみを用いて再生時に各領域の変換係数データを
可変長復号化すると共に、決定した領域数以上の高周波
領域の変換係数はゼロとして2次元逆直交変換を行うこ
とにより、処理量を削減している。
【0014】また、CPUの負担を少なくするために、
符号化するときに画像の劣化が目立ちにくい部分の情報
を削除する方法も考えられる。例えば、特開平3−25
6452号公報には、ディジタル画像を複数のブロック
に分割して、それぞれについてDCT処理を行って得ら
れる変換係数を量子化マトリクスの各閾値で除算して量
子化を行い、この量子化後の変換係数を、直流成分から
高周波成分に向かって一定の順序で一次元の数列に変換
し、変換して得られる数列中の連続する零の個数を符号
化するデータ圧縮方式において、DCT処理後又は量子
化後の変換係数に対し各ブロック毎に制御変数を設定
し、その制御変数によって示される対角線と平行する成
分及びそれ以上の高周波数成分を零とする一種のローパ
スフィルタ処理を行うことにより、視覚上あまり重要で
ない画像の周辺部については、制御変数の値を小さくし
て高周波成分を減少させ、圧縮後のデータ量を少なくな
るようにした、画像データ処理方式が開示されている。
【0015】また、特開平4−357788号公報に
は、動画像のフレームを所定の数のブロックに分割し
て、各ブロックを低周波成分と他の成分に分けて階層符
号化を行い、かつ、フレーム間予測又は動き補償を用い
て符号化を行う動画像符号化装置において、送信対象と
しての画像ブロックを、前フレームの階層化された符号
の低周波成分に当たる階層のみから復号した画像と比較
しフレーム間予測又は動き補償を行い、動き補償の結果
動きベクトルがゼロであり、送信ブロックを前フレーム
の階層化された符号を用いて復号した画像の当該ブロッ
クと比較して得られた誤差が予め定めた閾値以下である
ときに、送信ブロックの送信を行わないことにより、符
号の冗長性を排除した、すなわち、符号量を削減した装
置が開示されている。
【0016】更に、特開平4−299688号公報に
は、1フレーム前の再生画像と予測値との差分を符号化
した符号化信号を可変長符号化すると共に、動き検出部
において1フレーム前の再生画像と原画像とのマッチン
グを行って検出した動きベクトルを動き補償符号化テー
ブルを用いて可変長符号化する動画像の高能率符号化方
式において、複数個の動き補償符号化テーブルのうち動
きベクトルの発生頻度の性質に応じて動き補償符号化テ
ーブルを選択することにより、動きベクトルのミスマッ
チを少なくして効率的な符号化を行うようにした符号化
方式が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の画像再生装置・符号化方式のいずれも符号化方式の一
部を変更する画像圧縮を行うようにしているため、国際
標準の符号化方式と互換性がとれなくなるために、専用
の画像再生装置が必要となるという問題がある。
【0018】また、画像圧縮符号量を削減する従来の画
像圧縮ではブロック毎に最適な圧縮方法を判断する必要
があるため、圧縮符号を作成するのに時間がかかる。ま
た、画像再生装置の処理能力に応じた符号量ではないた
め、処理速度の遅い再生装置ではリアルタイムの再生が
できない。更に、圧縮符号量が決まっているので高速な
再生装置でも決められた画質の符号しか再生できないと
いう問題がある。
【0019】そこで、本発明は再生装置の能力に応じて
画質をできるだけ損なわずに、簡単な構成によりDCT
をベースとした符号を高速に再生できるようにした符号
化画像伝送方式及び画像再生装置を提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明の符号化画像伝送方式は、画
像を複数のブロックに分割して各ブロック毎に離散コサ
イン変換を用いて圧縮符号化されたフレーム内符号化画
像と、各ブロック毎に現フレームとそれよりも時間的に
前又は前後の両方のフレームで最も差分が小さくなるよ
うなブロックを検索して動き補償を行い、現フレームの
ブロックと動き補償されたブロックとの差分値に対して
離散コサイン変換を用いて圧縮符号化されたフレーム間
符号化画像とを全符号化画像シーケンスの先頭に設けら
れるシーケンスヘッダと共に多重して伝送する符号化画
像伝送方式において、少なくともフレーム内符号化画像
と共に伝送するフレーム間符号化画像の種別と動き補償
の値の一方のパラメータを固定して、固定パラメータを
識別させる識別子を有する前記シーケンスヘッダと共に
伝送し、再生側ではヘッダ中の識別子を検出することに
より、入力画像符号の固定パラメータを識別して伸長処
理を行う構成としたものである。
【0021】 また、請求項2記載の本発明の画像再生
装置では、画像を複数のブロックに分割して各ブロック
毎に離散コサイン変換を用いて圧縮符号化されたフレー
ム内符号化画像と、各ブロック毎に現フレームとそれよ
りも時間的に前のフレームで最も差分が小さくなるよう
なブロックを検索して動き補償を行い、現フレームのブ
ロックと動き補償されたブロックとの差分値に対して離
散コサイン変換を用いて圧縮符号化されたフレーム間符
号化画像とが、固定パラメータ識別子を全符号化画像シ
ーケンスの先頭に設けられるシーケンスヘッダ内のユー
ザデータ領域内に有する前記シーケンスヘッダと共に多
重された画像符号を伸長再生する画像再生装置であっ
て、入力画像符号中のシーケンスヘッダに基づいて、入
力画像符号が前記フレーム内符号化画像とフレーム間符
号化画像のみからなる、フレーム間符号化画像の種別が
固定された符号であるかどうか判定するヘッダ解析手段
と、ヘッダ解析手段により入力画像符号がフレーム間符
号化画像の種別が固定された符号であると判定されたと
きは、入力画像符号がフレーム内符号化画像かどうか検
出し、フレーム内符号化画像と検出されたときはフレー
ム内符号化画像の伸長処理を行い、フレーム内符号化画
像でないと検出されたときはフレーム間符号化画像の伸
長処理を行う伸長処理手段とを有する構成としたもので
ある。
【0022】また、請求項3記載の画像再生装置では、
請求項2記載の入力画像符号は前記フレーム内符号化画
像と次のフレーム内符号化画像との伝送間隔が一定であ
り、その伝送間隔内に前記フレーム間符号化画像が伝送
される構成としたものである。
【0023】 また、請求項4記載の画像再生装置で
は、入力画像符号中の全符号化画像シーケンスの先頭に
設けられるシーケンスヘッダに基づいて、入力画像符号
が動き補償が固定されたフレーム間符号化画像を有する
符号であるかどうか判定するヘッダ解析手段と、ヘッダ
解析手段により入力画像符号が動き補償が固定された符
号であると判定されたときは、動き補償処理を省略して
入力画像符号の伸長処理を行う伸長処理手段とを有する
構成としたものである。
【0024】更に、請求項5記載の画像再生装置では、
入力画像符号を伸長再生する伸長処理手段と、伸長処理
手段により伸長されたフレーム間符号化画像の差分値の
フレーム毎の合計の累積値を算出する差分値合計算出手
段と、累積値としきい値とを大小比較し、累積値がしき
い値を越えるまでは伸長処理手段の出力画像データの表
示部での表示の更新を停止する制御手段とを有する構成
としたものである。
【0025】
【作用】本発明の符号化画像伝送方式では、フレーム間
符号化画像の種別と動き補償の値の一方又は両方のパラ
メータを固定して、固定パラメータを識別させる識別子
ユーザデータ領域内に有するシーケンスヘッダと共に
伝送し、再生側では全符号化画像シーケンスの先頭に設
けられる前記シーケンスヘッダ中の識別子を検出するこ
とにより、入力画像符号の固定パラメータを識別して伸
長処理を行うようにしたため、入力画像符号中のフレー
ム間符号化画像の種類を特定できることから、入力され
ない不要なフレーム間符号化画像のための処理や、ある
いは動き補償処理を不要にできる。
【0026】また、請求項2記載の画像再生装置では、
フレーム内符号化画像と共に入力されるフレーム間符号
化画像の種類が前方向のフレーム間符号化画像だけであ
るため、フレーム内符号化画像でなければ前方向のフレ
ーム間符号化画像であり、よってフレーム間符号化画像
の種別の判断処理や前後双方向のフレーム間符号化画像
の伸長処理を不要にできる。
【0027】また、請求項3記載の画像再生装置では、
フレーム内符号化画像の伝送間隔が一定であるため、符
号化画像の種別をヘッダに基づかなくともフレーム間隔
で判別できる。
【0028】また、請求項4記載の画像再生装置では、
入力画像符号が動き補償が固定されたフレーム間符号化
画像を有する符号であるかどうかを判定し、動き補償が
固定されたフレーム間符号化画像を有する符号であると
きには、動き補償処理を省略して入力画像符号の伸長処
理を行うため、動き補償のための処理時間を不要にでき
る。
【0029】更に、請求項5記載の画像再生装置では、
伸長処理手段により伸長されたフレーム間符号化画像の
差分値のフレーム毎の合計の累積値としきい値とを大小
比較し、累積値がしきい値を越えるまでは伸長処理手段
の出力画像データの表示部での表示の更新を停止するよ
うにしたため、累積値がしきい値を越えるまではそのま
ま前フレームの画像を表示することとなり、そのときの
フレーム間符号化画像の表示のための時間を省略するこ
とができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明になる画像再生装置の一実施例のブロック図
を示す。本実施例の画像再生装置は、入力画像符号を解
析するヘッダ解析手段11と、入力画像符号を復号する
復号化手段12と、復号画像データの逆量子化を行う逆
量子化手段13と、逆量子化された画像データの逆DC
T処理を行うIDCT手段14と、加算器15と、加算
器15の出力に対して1フレーム時間的に前の画像デー
タが格納されている前フレーム部16と、加算器15の
出力に対して1フレーム時間的に後の画像データが格納
されている後フレーム部17と、前フレーム部16の出
力に基づき予測処理を行う前予測手段18と、前フレー
ム部16又は後フレーム部17の両出力に基づき予測処
理を行う両予測手段19と、後フレーム部17の出力に
基づき予測処理を行う後予測手段20と、前予測手段2
1及び加算器22とから構成されている。
【0031】図1に示す本実施例の再生装置ではMPE
Gに準拠した入力画像の再生を行う。そこで、まずMP
EGの符号フォーマットの階層構造について図2と共に
説明する。MPEGでは一番上の階層が動画のシーケン
ス(ビデオ・シーケンス)であり、図2(A)に示す如
く複数のグループ・オブ・ピクチャ(GOP)から構成
される。一つのGOPは図2(B)に示すように複数の
フレーム(ピクチャ)からなる。GOPはフレーム内符
号化画像であるIピクチャと、すでに符号化された時間
的に前のフレームから予測するフレーム間符号化画像で
あるPピクチャと、時間的に前後の2フレームから予測
するフレーム間符号化画像であるBピクチャの計3種類
から構成されている。
【0032】各ピクチャは、図2(C)に示すように任
意の領域に分割された複数のスライスから構成される。
スライスは図2(D)に示すように左から右へ、又は上
から下への順序で並んだ複数のマクロブロックから構成
される。また、一つのマクロブロックは、図2(E)に
示すように、隣接する4つの輝度成分ブロックY1〜Y
4と、それに位置的に対応する領域の1個の色差成分ブ
ロックCb及び1個の色差成分ブロックCrの計6個の
ブロックから構成される。
【0033】更に、それらの各ブロックは図2(F)に
示すように、8×8画素からなる。このブロックが符号
化の最小単位で、DCTの処理単位である。なお、動き
予測補償の最小単位はマクロブロックである。
【0034】次に、MPEGに準拠した入力画像符号の
フォーマットについて図3と共に説明する。入力画像は
各階層毎にシーケンスヘッダSeq、GOP毎に付加さ
れるGOPヘッダGop、各ピクチャを識別させるため
のピクチャヘッダPicture、各スライスを識別さ
せるためのスライスヘッダSlice、各マクロブロッ
クを識別させるためのマクロヘッダMacro、ブロッ
クの符号Blockとから構成される。
【0035】ここで、入力画像符号の先頭、すなわち、
1フレーム目の先頭のみに配置されるシーケンスヘッダ
Seqは、図3に示すように、シーケンスヘッダのスタ
ートコードSeqStart、横方向の伸長後の画素数
(水平サイズ)を示すHorizon、縦方向の伸長後
の画素数(垂直サイズ)を示すVertical、ユー
ザデータの存在を示すコードUsrStart及びユー
ザデータUserDataとから構成される。
【0036】すなわち、MPEGではシーケンスヘッダ
Seq内にユーザが自由に定義できるユーザデータの領
域UserDataがあるため、本実施例ではここに図
3に示す如く、固定パラメータで圧縮した符号であるこ
とを示す例えば6バイトの識別子”Custom”と、
例えば2バイトの固定パラメータフラグ”cflg”と
を配置する点に一つの特徴がある。
【0037】上記の固定パラメータフラグcflgは、
その2バイトの最下位ビット(B0)が”1”のとき、
画像符号がIピクチャとPピクチャに限定されているこ
とを示し、また、2バイトの最下位から2ビット目(B
1)が”1”であるとき、画像符号が動き補償の値が固
定されているものであることを示す。
【0038】再び図1に戻って説明する。本実施例は高
速再生と通常の再生とを行い得る構成である。通常再生
時には、本実施例装置はフレーム内符号化画像であるI
ピクチャと、すでに符号化された時間的に前のフレーム
から予測するフレーム間符号化画像であるPピクチャ
と、時間的に前後の2フレームから予測するフレーム間
符号化画像であるBピクチャの計3種類の符号化画像
(画像符号)を伸長再生する。
【0039】なお、ヘッダ解析手段11は入力画像符号
のピクチャ種別を判断すると、図1では図示を省略した
が、加算器15での加算動作を制御する制御信号も出力
し、前予測手段18、両予測手段19、後予測手段20
の出力差分値とIDCT手段14の出力との加算動作を
選択制御するようになされている。なお、この加算器1
5における加算動作の選択制御は、IDCT手段14か
ら制御信号を別途出力することで行うようにしてもよ
い。
【0040】入力画像符号がIピクチャの場合は、この
Iピクチャを復号化手段12により復号し、逆量子化手
段13により逆量子化された後、IDCT手段14によ
り逆DCT(IDCT)処理を施されてブロックの画像
の値が算出されて画像を伸長され、更に加算器15を介
してそのまま出力されると共に、前フレーム部16又は
後フレーム部17に入力されてそれぞれ記憶される。
【0041】ヘッダ解析手段11により入力画像符号が
Pピクチャと解析されたときは、このPピクチャが復号
化手段12により復号され、逆量子化手段13により逆
量子化され、IDCT手段14によるIDCT処理によ
りブロックの差分値が算出されて加算器15に供給さ
れ、ここで前予測手段18により前フレーム部16に格
納されていた前フレームの画像符号に動き補償を施した
ブロックと加算されて元の画像に伸長されて出力される
と共に、前フレーム部16又は後フレーム部17に入力
されてそれぞれ記憶される。
【0042】ヘッダ解析手段11により入力画像符号が
Bピクチャと解析されたときは、このBピクチャが復号
化手段12により復号され、逆量子化手段13により逆
量子化され、更にIDCT手段14によるIDCT処理
によりブロックの差分値が算出されて加算器15に供給
され、ここで両予測手段19により前フレーム部16又
は後フレーム部17に格納されていた前後フレームの画
像符号に動き補償を施したブロック又は前予測手段18
により前フレーム部16に格納された前フレームの画像
符号に動き補償を施したブロックと、後予測手段20に
より後フレーム部17に格納されていた後フレームの画
像符号に動き補償を施したブロックと加算されて元の画
像に伸長されて出力されると共に、前フレーム部16又
は後フレーム部17に入力されてそれぞれ記憶される。
【0043】以上の通常再生の動作は従来と同様である
が、本実施例は次に説明する高速再生の動作に従来と異
なる特徴がある。この高速再生は、入力画像符号を読み
込んでヘッダ解析を行うヘッダ解析手段11が、前記し
たシーケンスヘッダSeq内のユーザデータUserD
ataに識別子Customがあるかどうか検出し、識
別子Customがあるときに高速再生を行う。
【0044】高速再生の場合は、IピクチャとPピクチ
ャ、動き補償の値を固定と見なして処理する。Iピクチ
ャの場合は復号化手段12で復号し、逆量子化手段13
で逆量子化し、IDCT手段14でIDCT処理により
ブロックの画素の値を算出して、画像を伸長する。
【0045】また、Pピクチャの場合は、復号化手段1
2で復号して、逆量子化手段13で逆量子化し、IDC
T手段14でIDCT処理によりブロックの差分値を算
出し、この差分値と前予測手段18により前フレーム部
16に格納されていた前フレームの画像符号に動き補償
を施したブロックとをそれぞれ加算器15で加算するこ
とにより、画像を伸長再生する。
【0046】次に、上記の高速再生時の動作について更
に詳細に説明する。まず、ピクチャ構成を固定した場合
の処理について説明する。前述したように、MPEGで
規定されているピクチャにはIピクチャ、Pピクチャ及
びBピクチャの3種類がある。入力画像符号の再生に際
しては、Iピクチャはフレーム内符号化画像なので前後
のフレームの画像を参照する必要はない。これに対し、
Pピクチャは前ピクチャの画像を参照して前予測を行う
必要があり、Bピクチャは前フレームの画像や後フレー
ムの画像を参照して後予測や両予測を行う必要がある。
よって、Bピクチャの符号はIピクチャやPピクチャの
符号と比べて処理時間がかかる。
【0047】従って、入力画像符号が例えば図4(A)
に示すように1フレーム目から4フレーム目までIピク
チャ、Bピクチャ、Bピクチャ及びPピクチャの順で構
成されている場合、1フレーム目はIピクチャであるた
め、参照フレームはない。2フレーム目と3フレーム目
はそれぞれBピクチャであるため、前フレームである1
フレーム目のIピクチャの画像と後フレームである4フ
レーム目のPピクチャの画像とを41〜44で模式的に
示す如くに参照して後予測や両予測を行う。更に、4フ
レーム目はPピクチャであり、前フレームである1フレ
ーム目のIピクチャの画像を参照して前予測を行う。従
って、この場合はBピクチャの処理に時間がかかるた
め、高速再生には適さない。
【0048】一方、入力画像符号がIピクチャとPピク
チャのみに固定され、例えば図4(B)に示すように1
フレーム目がIピクチャで2フレーム目から4フレーム
目までがPピクチャで構成されている場合、1フレーム
目はIピクチャであり、参照フレームはない。2フレー
ム目から4フレーム目はそれぞれPピクチャであるた
め、図4(B)に46、47及び48で模式的に示すよ
うに、1フレーム前のIピクチャ又はPピクチャの画像
を参照して前予測のみを行う。従って、この場合はBピ
クチャの処理が不要であるため、高速再生に適してい
る。
【0049】図4(A)、(B)の構成の画像符号が入
力された場合の図1の実施例の再生時の動作について、
図5(A)、(B)のフローチャートと共に説明する。
まず、図4(A)に示すピクチャ構成の画像符号が入力
された場合、図5(A)に示すフローチャートに従って
動作が行われる。
【0050】すなわち、図1のヘッダ解析手段11は入
力画像符号中のピクチャヘッダ(図3の”Pictur
e”)からピクチャの種別を読み込み(ステップ5
1)、それがIピクチャかどうか判断し(ステップ5
2)、Iピクチャの場合は図1の符号化手段12、逆量
子化手段13及びIDCT手段14により前述したIピ
クチャの処理を行い伸長再生する(ステップ53)。
【0051】ヘッダ解析手段11はステップ52でIピ
クチャでないと判断すると、Pピクチャかどうか判断し
(ステップ54)、Pピクチャの場合はPピクチャの処
理を行い(ステップ55)、Pピクチャでもないときは
Bピクチャであると判断してBピクチャの処理を行う
(ステップ56)。上記のPピクチャの処理は図1の符
号化手段12、逆量子化手段13、IDCT手段14、
加算器15、前フレーム部16、後フレーム部17、前
予測手段18により前述したように行われ、Bピクチャ
の処理は更に、両予測手段19や後予測手段20も含め
て行われる。
【0052】一方、図4(B)に示したようにIピクチ
ャとPピクチャのみに固定された画像符号が入力された
場合は、図5(B)のフローチャートに従った動作が行
われる。同図中、図5(A)と同一処理ステップには同
一符号が付してある。すなわち、まず、図1のヘッダ解
析手段11は入力画像符号中のシーケンスヘッダ(図3
の”Seq”)から固定パラメータの識別子”Cust
om”が存在することを検出すると共に、ピクチャヘッ
ダ(図3の”Picture”)からピクチャの種別を
読み込み(ステップ57)、それがIピクチャかどうか
判断し(ステップ52)、Iピクチャの場合は図1の符
号化手段12、逆量子化手段13及びIDCT手段14
により前述したIピクチャの処理を行い伸長再生する
(ステップ53)。
【0053】ヘッダ解析手段11はステップ52でIピ
クチャでないと判断すると、入力画像符号が固定パラメ
ータの画像符号であることからピクチャはPピクチャで
あると判断してステップ55と同様にしてPピクチャの
処理を行う(ステップ58)。
【0054】このように、本実施例によれば、ピクチャ
構成をIピクチャとPピクチャに固定することにより、
Bピクチャであるかどうかを判断する処理を省略できる
と共に、Bピクチャの処理の後予測や両予測も省略でき
るため、高速再生ができる。また、この場合、符号化フ
ォーマット自体はMPEGと同一であるため、MPEG
との互換性がとれる。
【0055】以上は伝送するピクチャの種別をIピクチ
ャとPピクチャに固定した場合の動作であるが、Iピク
チャの伝送間隔を固定とし、この伝送間隔内でPピクチ
ャを伝送するようにしてもよい。この場合の本実施例の
動作について図6のフローチャートと共に説明する。
【0056】ヘッダ解析手段11はシーケンスヘッダ検
出時に初期値が0の変数iに”1”を加算し(ステップ
61)、続いてその変数iがキーフレームレートよりも
大であるか否か判定する(ステップ62)。このキーフ
レームレートは、Iピクチャの固定伝送間隔を示すフレ
ーム数である。
【0057】ステップ62でiがキーフレームレートよ
りも小さいと判断されたときには前記の復号化手段1
2、逆量子化手段13及びIDCT手段14により得ら
れた差分値に、前予測手段18により前フレーム部16
に格納されていた前フレームの画像符号に動き補償を施
したブロックを加算器15で加算することにより、画像
を伸長再生するPピクチャの処理をする(ステップ6
5)。
【0058】ここで、Pピクチャは前のピクチャの画像
を参照する必要があるのに対し、Iピクチャは前のピク
チャの画像を参照する必要がないため、最初の1フレー
ム目は必ずIピクチャであり、またIピクチャの間隔
(キーフレームレート)は固定であるため、フレーム入
力毎に図6のフローチャートが起動されることにより、
ステップ62で比較される変数iの値はIピクチャから
現在のフレームまでのフレーム数を表わす。
【0059】従って、ステップ62で変数iの値がキー
フレームレートより大となったと判定されると、その時
点の入力画像符号がIピクチャであることがわかり、よ
って復号化手段12、逆量子化手段13及びIDCT手
段14によるIピクチャ処理が行われる(ステップ6
3)。このIピクチャの処理終了後、上記の変数が0に
リセットされ、次の処理に備える(ステップ64)。
【0060】このように、図6の処理の場合も、上記の
図5(B)と同様に、Bピクチャであるかどうかを判断
する処理を省略できると共に、Bピクチャの処理の後予
測や両予測も省略できるため、高速再生ができる。ま
た、この場合、変数iを使用してピクチャ種別を判断し
ているため、ピクチャヘッダを読み込まずにピクチャ種
別を判断できる。
【0061】次に、動き補償を固定した場合の処理につ
いて説明する。MPEGではPピクチャやBピクチャの
符号に動き補償があり、参照するブロックの位置を移動
することができる。すなわち、MPEGでは画像を小ブ
ロックに分割して、各ブロック毎に現フレームとその1
フレーム前、又は前後の2フレームで最も差分が小さく
なるようなブロックを検索して動き補償を行い、現フレ
ームのブロックと動き補償されたブロックとで差分をと
り、その差分ブロックにDCTを行い、その変換結果を
量子化して、高能率符号化されたフレーム間符号である
PピクチャあるいはBピクチャを得る。
【0062】図7(A)は動き補償を固定していない場
合を示し、図7(B)は動き補償を(0,0)に固定し
た(動き補償無し)場合を示している。
【0063】図7(A)に示す例では、前フレームのブ
ロックPから(dx,dy)の動き補償されたブロック
P′を参照して、差分ブロックDと加算して現フレーム
のブロックQに格納している。一方、図7(B)は前フ
レームのブロックPを参照し、これと差分ブロックDと
を加算して、現フレームのブロックQに格納しているこ
とを示す。
【0064】上記の図7(A)に示す動き補償がある場
合の図1の実施例の動作について図8のフローチャート
と共に説明する。動き補償のあるPピクチャ処理におい
ては、まず変数y及びxをそれぞれ初期値の0に設定し
(ステップ70、71)、続いてブロックの動き補償の
符号を前予測手段18により伸長して(ステップ7
2)、動き補償の値を変数dx,dyに格納する(ステ
ップ73)。
【0065】次に、前予測手段18によりブロックの差
分値の符号を伸長し(ステップ74)、伸長した動き補
償から参照するブロックの位置を以下に示す式で算出す
る(ステップ75)。
【0066】 x′=x + dx (1) y′=y + dy (2) 次に、前予測手段18は前フレーム部16から上記のス
テップ75で算出した位置のブロックを取り出し(ステ
ップ76)、取り出したそのブロックに差分値を加算し
た後(ステップ77)、現フレームのバッファにブロッ
クを書き込む(ステップ78)。続いて、変数xに”
8”を加算し(ステップ79)、加算後の変数xが前記
シーケンスヘッダSeq中から解析した水平サイズ(図
3のHorizon)より大であるか否か判定する(ス
テップ80)。
【0067】x≦(水平サイズ)のときにはステップ7
2の処理に戻り、x>(水平サイズ)のときにはステッ
プ81に進んで変数yに”8”を加算する。続いて、加
算後の変数yが前記シーケンスヘッダSeq中から解析
した垂直サイズ(図3のVertical)より大であ
るか否か判定する(ステップ82)。y≦(垂直サイ
ズ)のときにはステップ71の処理に戻る。
【0068】y>(垂直サイズ)のときには現フレーム
の画像データを加算器15より図示しない表示部へ出力
して表示した後(ステップ83)、加算器15からの現
フレームの画像データを前フレーム部16に格納する
(ステップ84)。
【0069】次に、図7(B)に示す動き補償が無い場
合の図1の実施例の動作について図9のフローチャート
と共に説明する。同図中、図8と同一処理ステップには
同一符号を付してある。ヘッダ解析手段11がシーケン
スヘッダSeq中の前記フラグcflgの値に基づき動
き補償無しと検出した場合、図9のフローチャートの処
理が実行される。
【0070】動き補償の無いPピクチャ処理において
は、まず変数y及びxをそれぞれ初期値の0に設定し
(ステップ70、71)、続いてブロックの動き補償の
符号を読み飛ばし(ステップ91)、ブロックの差分値
の符号を前予測手段21により伸長する(ステップ9
2)。
【0071】次に、前予測手段21は前フレーム部16
から変数x及びyで表わされる(x,y)の位置のブロ
ックを取り出し(ステップ93)、取り出したブロック
に上記伸長した差分値を加算し(ステップ77)、現フ
レームのバッファにブロックを書き込む(ステップ7
8)。以下、動き補償がある場合の処理と同様に、変数
xに”8”を加算し(ステップ79)、加算後の変数x
が水平サイズより大であるか否か判定する(ステップ8
0)。
【0072】x≦(水平サイズ)のときにはステップ9
1の処理に戻り、x>(水平サイズ)のときにはステッ
プ81に進んで変数yに”8”を加算する。続いて、加
算後の変数yが垂直サイズより大であるか否か判定する
(ステップ82)。y≦(垂直サイズ)のときにはステ
ップ71の処理に戻る。
【0073】y>(垂直サイズ)のときには現フレーム
の画像データを加算器15より図示しない表示部へ出力
して表示した後(ステップ83)、加算器15からの現
フレームの画像データを前フレーム部16に格納する
(ステップ84)。
【0074】なお、図7(B)と図9では、動き補償を
(0,0)にしているが、(2,2)や(−1,0)、
(0,5)などの固定の値でも、前フレームの参照ブロ
ックの位置は(x+2,y+2)や(x−1,y)や
(x,y+5)となり、各参照ブロックは隣接するの
で、各ブロック毎に参照する位置を算出する必要はな
い。
【0075】このように、動き補償を固定することによ
り、各ブロック毎に動き補償の符号を伸長して参照する
ブロックの位置を算出する処理を省略できるので、高速
再生ができる。
【0076】次に、表示の更新・非更新の処理について
説明する。MPEGでは、フレーム内符号化画像である
Iピクチャとフレーム間符号化画像であるPピクチャと
で符号を構成することができる。差分値が小さいときに
はPピクチャの画像を表示しなくとも、見た目には大き
く変化しないので、その時のPピクチャの画像の表示時
間を省いて高速化することができる。
【0077】差分値が小さいかどうかの判断は、再生装
置の処理速度によって定めた値(しきい値)と比較する
ことで行う。高速処理可能な再生装置では、しきい値を
小さくして表示の更新回数を増やして、処理速度が低速
な再生装置ではしきい値を大きくして表示の更新回数を
減らすことで、処理速度を調整することができる。
【0078】図10(A)はすべてのPピクチャの表示
を更新する場合の処理説明図、同図(B)は所定条件を
満足するまでPピクチャの表示を非更新とする場合の処
理説明図である。同図(A)及び(B)中、「符号」は
再生装置の入力画像符号であり、I、PはそれぞれIピ
クチャ、Pピクチャであることを示し、数字はフレーム
の順番を示す。また、「表示」は表示部により表示され
るピクチャを示す。また、「表示」の下に示す「差分値
の合計」は、1フレーム毎の差分値の合計を示す。
【0079】図10(A)に示す例では、表示される符
号が入力画像符号と一致しており、すべての入力画像符
号が差分値の合計に無関係に表示される。これに対し、
図10(B)は「表示」の欄に示す破線の矩形は表示の
更新が行われていないことを示している。この表示の非
更新は、1フレーム毎の差分値の合計の累積値が所定の
しきい値(ここでは、”54”とする)を越えるまで前
フレームの表示のままとすることで実現する。
【0080】すなわち、図10(B)の例では、2フレ
ーム目はPピクチャでその差分値の合計はしきい値”5
4”より小さな”28”であるので、Pピクチャの表示
は行わず1フレーム前のIピクチャの表示を行う。次の
3フレーム目もPピクチャで、その差分値の合計の累積
値は”49”(=28+21)であるので、Pピクチャ
の表示は行わず、引き続き1フレーム目のIピクチャを
表示する。
【0081】次の4フレーム目もPピクチャで、その差
分値の合計は”15”であり、差分値の合計の累積値
は”64”(=28+21+15)で、しきい値”5
4”より大であるので、この4フレーム目のPピクチャ
P4の画像表示を行う(表示を更新する)。なお、この
表示の更新により、上記の差分値の合計の累積値は0に
リセットされる。
【0082】次の5フレーム目もPピクチャで、その差
分値の合計及びその累積値はしきい値”54”より小さ
な”43”であるので、この5フレーム目のPピクチャ
P5の表示は行わず1フレーム前のPピクチャP4の表
示を行う。次の6フレーム目のPピクチャP6は上記の
説明からわかるように、差分値の合計の累積値がしきい
値”54”を越えるので表示を行う(表示を更新す
る)。
【0083】本実施例では、このように、Pピクチャの
差分値の合計の累積値がしきい値を越えるまで表示の更
新をせず、表示は前フレームの表示のままにしているた
め、2フレーム目と3フレーム目と5フレーム目では表
示の更新は行わず、3フレーム分の表示処理回数を削減
することができ、よって高速な処理ができる。
【0084】次に、図10(A)に示したすべてのPピ
クチャの表示を更新する場合の図1の実施例の動作につ
いて、図11のフローチャートと共に説明する。図1の
ヘッダ解析手段11は入力画像符号のピクチャヘッダ
(図3の”Picture”)からピクチャの種別を読
み込み(ステップ111)、それがIピクチャかどうか
判断する(ステップ112)。
【0085】Iピクチャの場合は図1の符号化手段1
2、逆量子化手段13及びIDCT手段14により前述
したIピクチャの処理を行い伸長再生し(ステップ11
3)、それを加算器15を介して図示しない表示部に供
給して表示する(ステップ114)。また、加算器15
から伸長後のIピクチャの画像データを前フレーム部1
6に格納する(ステップ115)。
【0086】一方、ヘッダ解析手段11はステップ11
2でIピクチャでないと判断すると、Pピクチャと判断
して前記の復号化手段12、逆量子化手段13及びID
CT手段14により差分値を伸長し(ステップ11
6)、前予測手段18により前フレーム部16に格納さ
れていた前フレームの画像符号に動き補償を施したブロ
ックを加算器15で加算する(ステップ117)。
【0087】これにより、Pピクチャの画像が伸長再生
され、これを表示部に供給して表示すると共に(ステッ
プ118)、加算器15から取り出された伸長後の画像
データを前フレーム部16に格納する(ステップ11
9)。
【0088】次に、図10(B)に示した所定条件を満
足するまでPピクチャの表示更新を行わない場合の図1
の実施例の動作について図12のフローチャートと共に
説明する。図12中、図11の処理ステップと同一構成
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0089】図12において、図1のヘッダ解析手段1
1が入力画像符号のピクチャヘッダ(図3の”Pict
ure”)からピクチャの種別を読み込み(ステップ1
11)、それがIピクチャと検出した時の動作は図11
と同一であり(ステップ112〜115)、Iピクチャ
は常に更新表示される。
【0090】一方、図12において、ヘッダ解析手段1
1がステップ112でIピクチャでないと判断すると、
Pピクチャと判断して前記の復号化手段12、逆量子化
手段13及びIDCT手段14及び加算器15によりP
ピクチャの画像が伸長再生される(ステップ116、1
17)。
【0091】次に、図1の前予測手段21は初期値が0
である変数mに、IDCT手段14からのこのPピクチ
ャの差分値の合計を内部の加算器で加算し(ステップ1
21)、変数mの値、すなわち差分値の合計の累積値が
所定のしきい値より大きいかどうか判定する(ステップ
122)。
【0092】変数mがしきい値以下であるときは、加算
器22より出力される伸長後のPピクチャの画像を前フ
レーム部16に入力する(ステップ125)。従って、
この場合は、図1には図示しない表示部内の表示メモリ
が加算器22の出力画像データにより書き換えられない
ため、表示部は表示メモリに格納されている前フレーム
の画像データが引き続き表示されることとなる。
【0093】一方、図1の前予測手段21がステップ1
22で変数mがしきい値よりも大であると判定したとき
は、前予測手段21により前フレーム部16に格納され
ていた前フレームの画像符号に動き補償を施したブロッ
クを加算器22へ出力し、ここでIDCT手段14から
の伸長された差分値と加算することによりPピクチャの
伸長画像データを得、これを表示部の表示メモリに供給
して表示メモリの内容を更新して画像表示を更新する
(ステップ123)。
【0094】続いて、前予測手段21は変数mを0にリ
セットする(ステップ124)。次に、加算器22から
取り出されたPピクチャの伸長画像データが前フレーム
部16に格納される(ステップ125)。このように、
本実施例によれば、フレーム間の差分値の合計の累積値
がしきい値を越えるまで表示の更新は行わないようにし
たため、画像を表示する処理回数を減らすことができる
ため、高速な処理ができ、高速再生に適している。
【0095】なお、以上の説明において、Iピクチャと
Pピクチャのみを伝送する、フレーム間符号化画像はP
ピクチャに固定した処理、動き補償固定処理、及び表示
更新・非更新処理は単独で実施してもよく、またそれら
のうちの二つ又はすべてを組合せるようにしてもよい。
【0096】また、上記の実施例ではMPEGを例にと
って説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、JPEGその他のDCTをベースとした符号化方式
で符号化された入力画像符号の再生に適用できるもので
ある。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の符号化画
像伝送方式によれば、入力画像符号の固定パラメータを
識別して伸長処理を行うことにより、入力画像符号中の
フレーム間符号化画像の種類を特定できることから、入
力されない不要なフレーム間符号化画像のための処理
や、あるいは動き補償処理を不要にできるため、伸長処
理を高速化でき、よって高速再生ができる。また、入力
画像符号自体は国際標準である符号化方式のそれと同一
であるため、国際標準の画像再生装置を使用でき、専用
の画像再生装置を不要にできる。
【0098】また、請求項2記載の画像再生装置によれ
ば、フレーム間符号化画像の種別の判断処理や前後双方
向のフレーム間符号化画像の伸長処理を不要にできるた
め、伸長処理を高速化でき、高速再生ができる。
【0099】また、請求項3記載の画像再生装置によれ
ば、フレーム内符号化画像の伝送間隔が一定であり、符
号化画像の種別をヘッダに基づかなくともフレーム間隔
で判別できるため、伸長処理時間を短縮できる。
【0100】また、請求項4記載の画像再生装置によれ
ば、動き補償処理を省略して入力画像符号の伸長処理を
行うことにより、動き補償のための処理時間を不要にで
きるため、伸長処理を高速化でき、高速再生ができる。
【0101】更に、請求項5記載の画像再生装置によれ
ば、累積値がしきい値を越えるまではそのまま前フレー
ムの画像を表示し、そのときのフレーム間符号化画像の
表示のための時間を省略するようにしたため、伸長処理
を高速化でき、高速再生ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】MPEGの符号フォーマットの階層構造を説明
する図である。
【図3】MPEGに準拠した符号フォーマットの構成図
である。
【図4】ピクチャ固定処理の説明図である。
【図5】ピクチャ構成に基づく図1の動作説明用フロー
チャートである。
【図6】ピクチャ間隔固定時の図1の動作説明用フロー
チャートである。
【図7】動き補償固定処理の説明図である。
【図8】動き補償がある場合の図1の動作説明用フロー
チャートである。
【図9】動き補償が無い場合の図1の動作説明用フロー
チャートである。
【図10】表示の更新・非更新の処理説明図である。
【図11】本発明の一実施例の表示の更新の動作説明用
フローチャートである。
【図12】本発明の一実施例の表示の更新・非更新時の
動作説明用フローチャートである。
【図13】従来装置の一例のブロック図である。
【符号の説明】
11 ヘッダ解析手段 12 復号化手段 13 逆量子化手段 14 IDCT手段 15、22 加算器 16 前フレーム部 17 後フレーム部 18、21 前予測手段 19 両予測手段 20 後予測手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を複数のブロックに分割して各ブロッ
    ク毎に離散コサイン変換を用いて圧縮符号化されたフレ
    ーム内符号化画像と、上記の各ブロック毎に現フレーム
    とそれよりも時間的に前又は前後の両方のフレームで最
    も差分が小さくなるようなブロックを検索して動き補償
    を行い、現フレームのブロックと動き補償されたブロッ
    クとの差分値に対して離散コサイン変換を用いて圧縮符
    号化されたフレーム間符号化画像とをヘッダと共に多重
    された画像符号を伸長再生して表示部に表示する画像再
    生装置において、 入力画像符号を伸長再生する伸長処理手段と、 該伸長処理手段により伸長された前記フレーム間符号化
    画像の差分値のフレーム毎の合計の累積値を算出する差
    分値合計算出手段と、 該累積値としきい値とを大小比較し、該累積値が該しき
    い値を越えるまでは前記伸長処理手段の出力画像データ
    の前記表示部での表示の更新を停止する制御手段と を有
    することを特徴とする画像再生装置。
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