JP2811513B2 - 13c標識ジヒドロキシアセトンの製造方法 - Google Patents

13c標識ジヒドロキシアセトンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、13C標識ジヒドロキシ
アセトンの製造方法に関し、詳しくはジヒドロキシアセ
トンシンターゼ酵素の存在下、13C標識ホルムアルデヒ
ドおよびヒドロキシピルビン酸を反応させて特定位置の
炭素が13Cで特異的に標識されたジヒドロキシアセトン
を得ることを特徴とする13C標識ジヒドロキシアセトン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、ジヒドロキシアセ
トンの製造方法としては、N,N−ジメチルホルメード
中に、2−ジメチルアミノエタノールおよびビタミンB
1 を添加し、さらに反応基質としてホルムアルデヒドを
加え、ホルモース反応を行なわせる方法が知られている
が、この反応ではホルムアルデヒドの炭素が3個結合し
てジヒドロキシアセトンを形成しているので、この方法
によって得られる13C標識ジヒドロキシアセトンは、3
個の炭素がすべて13Cで置換されたものが得られること
になり、特定位置の炭素が13Cで特異的に標識されたも
のを得ることはできない。
【0003】従来、酵母のC1 化合物資化経路の初発酵
素であるジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)
は1種のトランスケトラーゼであり、活性グリコールア
ルデヒドの供与体はキシロース−5−リン酸で、その受
容体がホルムアルデヒドであること、すなわちジヒドロ
キシアセトンシンターゼは、 ホルムアルデヒド+キシルロース−5−リン酸=ジヒド
ロキシアセトン+グリセルアルデヒド−3−リン酸 で示される反応を触媒することが知られている。しかし
ながら、上記キシロース−5−リン酸は、高価であって
工業的製造方法に用いるには不利であり、より安価な原
料を用いる工業的に有利な13C標識ジヒドロキシアセト
ンの製造方法が要望されている。
【0004】本発明は、安価な反応基質を用いることに
より、あるいは、メタノール資化性酵母の無細胞抽出液
を酵素源として用いることにより、特定位置の炭素が13
Cで特異的に標識された13C標識ジヒドロキシアセトン
を高収率かつ、工業的に有利に製造しうる方法を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、ジヒドロキ
シアセトンシンターゼ酵素の存在下、13C標識ホルムア
ルデヒドおよびヒドロキシピルビン酸を反応させて特定
位置の炭素が13Cで特異的に標識されたジヒドロキシア
セトンを得ることを特徴とする13C標識ジヒドロキシア
セトンの製造方法を提供するものである。
【0006】本発明において用いられるジヒドロキシア
セトンシンターゼ(DHAS)酵素は、酵母のC化合
物資化経路の初発酵素であって1種のトランスケトラー
ゼであり、例えば受託証番号第26175号としてA.
T.C.C.に寄託され、容易に入手することのでき
る、メタノール資化性酵母カンジダ ボイディニイ
andida boidinii)No.2201菌、
カンジダ ボイディニイCandida boidi
nii)、ハンセヌラ ポリモルファHansenu
la polymorpha)などを培養して得られ、
ジヒドロキシアセトンシンターゼ酵素を含有する無細胞
抽出液として用いることができる。上記メタノール資化
性酵母としては、カンジダ ボイディニイCandi
da idinii)No.2201菌が好まし
い。
【0007】本発明に使用されるジヒドロキシアセトン
シンターゼ酵素源として、前記メタノール資化性酵母を
培養して、その無細胞抽出液を調製する方法について、
メタノール資化性酵母カンジダ ボイディニイCan
dida boidinii)No.2201菌(以
下、Y−006菌と略称することがある)を例として以
下説明する。
【0008】Y−006菌抽出物、ペプトン、グルコー
スおよび蒸留水よりなる培地で前培養し、この前培養液
を完全合成培地に接種し、振盪培養する。培養完了後、
遠心分離によって菌体を集め、緩衝液で洗浄後、菌体は
使用するまで冷蔵保存する。次いで、得られた菌体を緩
衝液に懸濁し、超音波破砕機で処理し、遠心分離を行な
い、その上澄液として無細胞抽出液が得られる。この無
細胞抽出液には、多くの可溶性酵素が含まれているが、
その中の一つにジヒドロキシアセトンシンターゼが酵素
活性を保有した形で溶解している。
【0009】本発明方法で用いられる13C標識ホルムア
ルデヒドは、例えばMSDアイソトープ社製、13C濃度
99%のホルムアルデヒドなど市販品を用いることがで
きる。
【0010】本発明において、ジヒドロキシアセトンシ
ンターゼ酵素の存在下、13C標識ホルムアルデヒドおよ
びヒドロキシピルビン酸を一定条件下に反応させると1
位または3位の炭素が13Cで特異的に標識されたヒドロ
キシアセトンが得られる。このことは13C標識ホルムア
ルデヒドを用いて13C標識ジヒドロキシアセトンを合成
し、それをNMR分析することにより確認することがで
きる。
【0011】本発明における反応は、例えば反応基質と
しての13C−HCHOおよびヒドロキシピルビン酸に
水、カリウムリン酸緩衝液(KPB)、MgCl2 ・6
2 O、チアミンピロリン酸(TPP)を添加してなる
反応組成物を30℃、3分間の条件下に前保温し、次い
でジヒドロキシアセトンシンターゼまたは前記無細胞抽
出液を添加し、30℃に保温して反応させる。該反応は
空気中でも可能であるが、窒素雰囲気など嫌気条件下に
行なうことにより13C標識ジヒドロキシアセトンの収率
を著しく向上させることができる。
【0012】13C−HCHOを基質として使用する場
合、対HCHO当たりの収率が最も重要な点であるが、
酵素源としてメタノール資化性酵母の無細胞抽出液を用
いた場合には、菌体中に高い活性で含まれるアルコール
オキシダーゼ(AOD)によってかなり13CHCHOが
13C標識ジヒドロキシアセトンの合成に使用されること
なく消費されてしまうことになるので、DHAS活性を
そのままにしてAOD活性を消失または抑制する方法を
検討した結果、反応を嫌気的条件下で行うのが最も効果
的であることを見出した。
【0013】前記したように、本発明における13C標識
ホルムアルデヒドの定量はナシュ(Nash)法により
行なった。13C標識ジヒドロキシアセトン(DHA)の
定量は、例えば表2に示される方法により行なうことが
できる。
【0014】
【表2】
【0015】本発明におけるジヒドロキシアセトンシン
ターゼの活性は、例えば表3に示す方法により行なうこ
とができる。
【0016】
【表3】
【0017】本発明の反応によって13C−HCHOより
合成される13C標識ジヒドロキシアセトンの分析は、13
C−NMR分析により行なうことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、安価な反応基質を用い
ることにより、あるいは、メタノール資化性酵母の無細
胞抽出液を酵素源として用いることにより、特定位置の
炭素が13Cで特異的に標識された13C標識ジヒドロキシ
アセトンを高収率かつ工業的に有利に製造しうる方法を
提供することができる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
する。
【0020】〔実施例1〕 メタノール資化性酵母カンジダ ボイディニイCan
dida boidinii)No.2201菌株抽出
物1g、ペプトン2g、グルコース2gおよび蒸留水1
00mlよりなる培地で前培養し、その5mlを、2リ
ットルの肩付フラスコに入れられ、表1:
【0021】
【表1】
【0022】に示される完全合成培地に接種し、30
℃、3日間振盪培養した。遠心分離によって菌体を集
め、10mMカリウムリン酸緩衝液(KPB)(pH
7.0)で洗浄した後、菌体は使用するまで−80℃に
保存した。
【0023】10mM KPB(pH7.5)に1mM
MgCl2 、1mM EDTA、1mMジチオスレイ
トール(DTT)、0.5mMチアミンピロリン酸(T
PP)および0.024%フェニールメチルスルホニル
フルオリド(PMSF)を含む緩衝液A50mlに菌体5
g(湿重量)を懸濁し、超音波破砕機(19kHz)で
30分間処理し、遠心分離(12000rpm )を20分
間行い、その上澄液から無細胞抽出液を得た。以下該無
細胞抽出液をジヒドロキシアセトンシンターゼ酵素源と
して用いる。
【0024】 下記組成: 成 分 添加量(ml) 最終濃度(mM) H2 O 0.1 0.5mM KPB(pH7.0) 0.1 33 40mM 13C−HCHO 0.05 4 50mM MgCl2 ・6H2 O 0.05 5 5 mM TPP 0.05 0.5 40mM ヒドロキシピルビン酸 0.05 4 よりなる反応組成物を30℃で3分間前保温し、次い
で、前記無細胞抽出液0.1mlを添加し、窒素雰囲気
下、30℃に保温した条件下に90分間反応を行なっ
た。なお、13C−ホルムアルデヒドの初期添加量は4m
Mであったが、上記無細胞抽出液にホルムアルデヒドが
存在していたため反応液中のホルムアルデヒドの初期濃
度は4.24mMであった。反応終了時のホルムアルデ
ヒド濃度は1.62mMで反応によるその消費量は2.
62mMであり、反応終了時の13C標識ジヒドロキシア
セトンの濃度は2.17mMで、その対ホルムアルデヒ
ド収率は83%であった。
【0025】〔実施例2〕実施例1における窒素雰囲気
下に代えて、空気中で反応を行なった以外、実施例1と
同様の実験を行なったところ、13C−ホルムアルデヒド
初期濃度4.67mM、反応終了時の13C−HCHO濃
度1.38mM、反応による13C−HCHOの消費量は
3.29mM、反応終了時における13C標識ジヒドロキ
シアセトンの濃度は1.94mMおよび13C標識ジヒド
ロキシアセトンの対13C−HCHO収率59%であっ
た。
【0026】〔実施例3〕実施例1における反応液4ml
で反応を開始し、15分間ごとに、80mM 13C−H
CHOおよび80mM HPAをそれぞれ0.1ml添加
し、また30分間ごとに実施例1で得られた無細胞抽出
液を0.8ml逐次添加して反応を行なった以外、実施例
1と同様の実験を行なった。得られた結果は図1に示し
た通りであり、2時間後に4.08mgの13C標識ジヒド
ロキシアセトンが生成した。反応はほぼ直線的に進行し
ていることがわかる。対13C−HCHO収率は、図1に
おいてカッコ内に記載されているように、15分後には
ほぼ100%であったが、時間の経過とともに低下し
た。これは、定量のためのサンプリングや基質と酵素の
添加の際に、酸素が反応液に持ち込まれたためと考えら
れる。なお15分後の収率が100%を超えているの
は、細胞抽出液中に含まれる少量の13C−HCHOが加
算されたためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3における13C−HCHO濃度
および反応混合物全体積中での13C標識ジヒドロキシア
セトン生成量の経時変化を示すグラフである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジヒドロキシアセトンシンターゼ酵素
    存在下、13C標識ホルムアルデヒドおよびヒドロキシ
    ピルビン酸を反応させて特定位置の炭素が13Cで特異
    的に標識されたジヒドロキシアセトンを得ることを特徴
    とする13C標識ジヒドロキシアセトンの製造方法。
  2. 【請求項2】 該反応が嫌気的条件下に行なわれる請求
    項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該ジヒドロキシアセトンシンターゼに代
    えて、メタノール資化性酵母の無細胞抽出液を用いる請
    求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 該メタノール資化性酵母が、カンジダ
    ボイディニイCandida boidinii)N
    o.2201菌である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 1位または3位の炭素が13Cで特異的に
    標識されている請求項1記載の製造方法。
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