JP2809861B2 - 軽量複合成形物製造用中間素材 - Google Patents

軽量複合成形物製造用中間素材

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【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は、多孔質コアを有する軽量複合成形物の製造
に使用する新規な中間素材に関する。更に詳細には、繊
維補強材料を含む緻密な樹脂層(FRP層)の間に多孔質
コアを有する軽量サンドイッチ複合成形物の製造に直接
使用する新規な中間素材に関する。
[従来の技術] 多孔質コアを有する軽量成形物は、通常、工業的には
発泡性樹脂を用いて成形する方法、つまり発泡成形によ
り製造されている。この方法は、大別すると、(a)加
熱又は減圧すると発泡する樹脂又は樹脂原料を金型に入
れて成形する方法、(b)これらの樹脂の特定のものを
粒子状に発泡成形し(一次発泡体)、これを金型に入れ
て更に膨張させ(二次発泡)成形する方法とがある。
これをサンドイツチ材等、軽量構造体にする方法とし
ては、発泡成形物を表皮材料、例えば予め成形した繊維
補強樹脂成形物と貼り合わせるか、発泡成形物をプリプ
レグ等で覆って成形するか、あるいは、予め成形した外
殻中空体に発泡性樹脂を注入して発泡成形するのが普通
である。
近年、発泡性樹脂を用いた内圧成形や熱膨張性成形物
を多孔質成形物の素材として用いる方法も開発されてい
る(例えば特開平1−255530号、特開昭63−162207号参
照)。
表面が繊維補強樹脂複合材料により所定の形状に成形
され芯部が多孔質からなる複合成形物を発泡性樹脂を用
いて成形するこれらの成形法は、良好な複合成形物が得
られる優れたものである。しかしながら、その工程は単
純とは言い難く、生産性も特別に優れたものとは言い難
い。即ち、フォームRTM法(予め成形した発泡成形コア
を補強繊維で包み、金型に入れて補強繊維層に液状成形
樹脂を注入する方法)、フォームTEM法(発泡成形コア
を液状成形樹脂を含浸した補強繊維で包み金型に入れて
コアを再膨張させて成形する方法)、TERTM法(発泡成
形コアを補強繊維で包み金型に入れて補強織維層に液状
成形樹脂を注入しコアを再膨張させる方法)等がある
が、これらの方法では予め成形物に相似したコアを成形
する必要性と、コアを成形する以外の液状成形樹脂を扱
う問題がある。
本発明者らは、このような従来公知の成形法のもつ問
題を解決し、一挙に多孔質コアを有するサンドイッチ複
合成形物を製造する方法として、先に、熱膨張性粒子
(発泡性バルーン)と液状の硬化性樹脂を用いたサンド
イッチ複合材の成形方法を開発し提案した(特公平7−
12613号参照)。この方法では、工業的に有利に、芯部
が多孔質からなるサンドイッチ複合成形物を製造し得る
が、この方法でも液状の硬化途上の樹脂を取扱う成形作
業の煩雑さを残している。
そこで、本発明者らはこの問題を解決する方法とし
て、加熱すれば軟化又は液状になる樹脂又はその原料に
熱膨張性粒子が分散している複合成形物の中間素材を作
り、これを予め補強繊維材料を設置した金型に入れて加
熱し、上記樹脂又はその原料を軟化又は溶融されるとと
もに熱膨張性粒子を膨張させ、金型内面の形状に成形す
る方法を提案した(実開平4−33635号参照)。
[発明が解決しようとする課題] この方法は液状の硬化途上の樹脂を取扱うという煩雑
さがなく、工業的に優れた方法であるが、この方法で
は、樹脂の選択と成形条件、特に補強繊維材料次第では
樹脂が補強繊維層に十分に行き汎らない場合がある。こ
の原因として、樹脂中での熱膨張性粒子の膨張はある程
度以上の樹脂の粘度で行わないと粒子が浮上するが、こ
れに反して補強繊維材料への樹脂の浸透は樹脂粘度が低
くないと好ましくないという二律相反的現象が考えられ
る。
この課題の解決には、両者のバランスを取って成形時
に適当な粘度となる樹脂、成形条件を選定することも考
えられるが、この方法には種々制約があり、工業的に実
施するには難しい面がある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記の方法にさらに検討を重ね、この問
題を改善した簡便な成形法を開発した。
即ち、加熱すれば軟化又は液状になる樹脂又はその原
料(本発明では両者を「樹脂」と総称する)を含有す
る、液状の樹脂は通し粒子は通さない分離層と、上記樹
脂中に熱膨張性粒子が分散している相(層)とを積層し
てなる複合成形物の中間素材を作り、この中間素材を金
型内に入れ、分離層の側から加熱し、粒子を含まない領
域の樹脂を軟化又は溶融させて流動させるとともに、伝
熱の良くない熱膨張性粒子を含む領域の温度を遅れて上
昇させながら比較的高い粘度の樹脂内で熱膨張性粒子を
膨張させ、金型内面の形状に成形して複合成形物を製造
する方法である。
本発明は、上記の方法に用いる中間素材に関するもの
であって、加熱により流動化し、軟化又は液状になる常
温で固体の樹脂中に熱膨張性粒子(又は該粒子と非膨張
性中空粒子)が分散している相(層)の片面又は両面
に、上記各粒子は通さないが液状化した樹脂は通す分離
層が一体に積層されており、かつ上記分離層には上記樹
脂が浸透していることを特徴とするものである。
この中間素材において、熱膨張性粒子が分散している
相(層)の両面に分離層を配し、2つの狭い間隔の分離
層の間に熱膨張性粒子等を位置させ、成形時の該粒子の
浮上等を抑制することが有効であり、また、熱膨張性粒
子とともに非膨張性の中空粒子を併用することが、粒子
による断熱効果を増大させる上で有効である。
本発明に用いられる熱膨張性粒子は、発泡剤を包含し
た粒子、例えば塩化ビニリデン等で発泡剤を包んだ「マ
イクロスフェア」と呼ばれるもので代表される発泡膨張
性樹脂粒子、汎用されているポリスチレン等の発泡膨張
性樹脂粒子、発泡成形した粒子、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリウレタン、ゴム等の一次膨張粒子
等である。発泡成形した熱膨張粒子の場合には、成形し
た粒子を加圧加熱して圧縮状態に固定した粒子等も含ま
れる。
本発明ではこれに非膨張性の中空粒子を混合すること
も出来る。このような粒子を加えることは熱膨張性粒子
を含む領域への伝熱を遅らせるのが一つの目的である
が、同時に、このような中空粒子は安価な軽量多孔質体
を得る上でも有用である。両者の併用により所要以上の
発泡膨張を抑え、安価な軽量体が得られる。経済性も含
めた有用性を考慮すると、好適な非膨張性中空粒子とし
ては、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルー
ン等の中空無機粒子が挙げられる。このような、非膨張
性中空粒子は、例えば熱膨張性粒子の膨張後の粒径より
粒径の小さなものを用い、熱膨張性粒子間に存在する樹
脂の一部をこれに置きかえて、一層の軽量化を図ること
も出来る。例えば熱膨張した粒子が球状である場合には
上記中空粒子はその最密充填した場合の隙間より小さな
球として、最密充填の空間に相当する樹脂をこれに置き
かえることが可能であり、多くの場合その方が好まし
い。
熱膨張性粒子と非膨張性中空粒子との混合割合は、一
般に重量比で10/90〜90/10の範囲が好ましい。
一方、粒子類を混合分散させるマトリックスとなる成
形樹脂としては、熱可塑性樹脂あるいは常温で固体の硬
化性樹脂が用いられる。該熱可塑性樹脂としては熱膨張
性粒子が膨張してしまわない温度(通常は150℃程度)
で軟化ないし溶融して流動性を持つものが必要で、この
ような樹脂としてはフェノキシ樹脂、一部の液晶樹脂な
どが好ましく用いられる。この樹脂の範囲は、熱膨張性
粒子の開発が進めば広がり、当然、熱可塑性樹脂の開発
でも広がる。一方、後者の硬化性樹脂としてはエポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂など一般
によく知られている液状成形樹脂のうち常温で固体のも
のが好ましく用いられる。
また、本発明の中間素材の構成要素として、粒子を通
さない分離層(分離膜ともいう)がある。通常、表層に
繊維強化樹脂(FRP)層を有するサンドイッチ構造体で
は表層の補強繊維層に熱膨張性粒子や非膨張性の中空粒
子が浸入しないことが好ましく、従って補強繊維層と熱
膨張性粒子を含む樹脂層との間に分離層を配置すること
が必要である。
分離層としては熱膨張性粒子を実質的に通さず成形時
に液状化した成形樹脂は通す分離機能を有する部分が少
なくともその一部又は全部を構成し、残りは上記液状の
成形樹脂をも通さない材料からなるものを用いる。かか
る分離層(分離膜)の分離機能を有する部分を構成する
ものとしては、繊維シート及び/又は多孔質シートが挙
げられる。繊維シートとしては、各種天然繊維、合成繊
維、金属繊維、炭素又はセラミックス等の無機繊維など
の目開きの小さい織布、編み物、組み物、不織布、紙な
どが用いられる。多孔質シートとしては連通孔を有する
ものであり、ポリウレタン、ポリスチレンあるいはポリ
プロピレンなどのフォームシートや延伸、抽出又は凝固
法などでつくるポリプロピレンあるいはポリスルフォン
などの多孔膜が用いられる。その目開きは、使用する熱
膨張性粒子の種類やその膨張性に応じて選択される。こ
の分離層(分離膜)として、それ自体補強機能を有する
ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などのシートを用
いることも出来る。これらのシートは、表面に色彩や模
様を施したものでもよい。さらにこの分離層として容易
に成形物の形状に合わせ得るように伸縮性を有する材料
を選択することも出来る。
液状化した成形樹脂も通さない材料を構成するものに
は、分離機能を有する部分で用いている繊維シート及び
/又は多孔質シートを予め樹脂等でその目開きを封止処
理したもの、繊維シートがポリプロピレン繊維など加熱
処理により融着させ得る場合には融着処理により目開き
をつぶしたもの、フイルムなどを貼付けたものなどが挙
げられる。
本発明の中間素材は、本質的に樹脂を含浸した分離層
と熱膨張性粒子を含む樹脂相(層)とを一体に積層した
ものであり、好ましくは樹脂含浸分離層/熱膨張性粒子
を含む樹脂層/樹脂含浸分離層の三層構造体からなる
が、さらに、分離層の熱膨張性粒子を含む樹脂相(層)
とは反対側に、粒子を含まない同種樹脂の薄層を有して
もよい。
一般に、樹脂を含浸した分離層の厚さは0.01〜1mmが
適当である。熱膨張性粒子を含む樹脂相(層)は、ほぼ
均一な厚さの層状に限定されないが、層状の場合の厚さ
は0.05〜5mm程度が好適である。分離層は1層でもよい
が、熱膨張性粒子を含む樹脂相(層)を挟む如く両側に
2層あってもよく、その方が好ましい。
中間素材の形態は、多くの場合板状乃至はシート状で
あるが、場合によってはブロック状、棒状、円柱状、角
柱状など地の形態であってもよい。後者の場合に、中心
部に熱膨張性粒子を含む樹脂相(層)があり、その周囲
を分離層が取囲んだものとなる。
このような本発明の中間素材は、例えば冷却すれば固
化する加熱溶融した樹脂と熱膨張性粒子とを該熱膨張性
粒子の膨張開始以下の温度で混合し、この混合物を液状
の樹脂は通し粒子は通さない分離層上に塗布含浸し、必
要に応じ更にその上に分離層を重ねてシート、ブロック
などに成形し、冷却して樹脂固化させることにより製造
し得る。
この際、樹脂として常温で固体の熱硬化性樹脂を用い
る場合は、該樹脂の実質的硬化が生じない比較的低い温
度で混合及び成形を行う必要があることは勿論である。
すでに述べたように、該中間素材の製造に際し、樹脂
中に熱膨張性粒子とともに非膨張性中空粒子を混合し、
この領域を更に伝熱性の低いものとすることもできる。
次に、本発明の中間素材を用いて複合成形物を製造す
る方法を詳述する。
成形に当っては、上記中間素材を補強材(例えば、繊
維シート)と重ね合せて金型又は外殻に入れ、加熱して
樹脂を軟化又は液状にするとともに、熱膨張性粒子を膨
張させ、所定形状に成形して表層のFRP以外の樹脂相
(層)に膨張した粒子が存在する成形物を得ることも出
来る。
この成形方法は、樹脂を含浸した分離層が熱膨張性粒
子を常温で固体である樹脂で固めた相(層)の片側又は
両側に有する中間素材を、目的成形物の多孔質コアにな
る位置に設置せしめ、その外側(片側又は両側)に補強
材が配置するようにして金型に入れ、加熱して樹脂を溶
融又は軟化させると共に熱膨張性粒子を膨張させ、この
力を利用して膨張粒子と樹脂とを金型の隅々まで行さ汎
らせて内圧成形するに際して、熱膨張性粒子が膨張する
樹脂領域の粘度を補強材に浸透する樹脂の領域より低温
高粘度とすると同時に、この境界付近に予め十分に樹脂
で濡らした粒子の阻止膜となる分離層を設け、これを通
して補強材側へ樹脂を移動させて、サンドイッチ構造の
FRP成形物を製造しようとするものである。
従って、成形する際に、熱膨張性粒子を具合よく発泡
させかつ膨張粒子が浮上変位することを出来るだけ抑え
ながら、良好に樹脂を補強材となる強化繊維層に浸透さ
せて、素早くその層にも均一に行きわたらせ、多孔質の
コアと緻密な表皮FRPとを同時に一体成形してサンドイ
ッチ複合成形物を形成することが可能となり、生産性を
向上せしめるものである。
この中間素材を用いて成型するに際して、液状に戻っ
た樹脂の一部(余分の樹脂)を金型より解放、排出する
のが好ましい場合があり、この方法は、樹脂の行き汎ら
ない場所、特に予め併用した補強材料プリフォームなど
の樹脂の注入不良な部分にも樹脂を行き汎らせ、膨張粒
子間の樹脂量を滅らし、キャビティ内の膨張粒子の存在
のバラツキを補正するのにも役立つ。従って圧力の解放
操作はその目的に従って成形方法に加えることも出来
る。かかる場合には特に分離層の存在が有効となる。
かくしてサンドイッチ材を作る場合、得られる成形物
は多孔質のコア部と表皮が一体になった継目の無い成形
物が得られる。コア部において膨張粒子はブロックとし
て存在しても構わないが、均等に分散していることがよ
り一層望ましい。従って、熱膨張性粒子を小粒子とする
ことや、他の中空粒子などと併用する場合にはこれらと
熱膨張性粒子を十分に混合し分散させて使用するのが好
ましい。
サンドイッチ材とする場合に併用する補強繊維は無機
繊維、有機繊維を問わない。例えばガラス繊維、炭素繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維などの
無機繊維、ポリエステル、アラミド、ポリオレフィン、
ポリアミド、アリレートなどの有機合成繊維、綿、麻な
どの天然繊維を単独又は組合せて用いられる。織物、編
物のほか、ストランド、ヤーンなどとして、例えばフィ
ラメントワインディングで構成することも出来るし、短
繊維のウエブ、マットなどで用いることも出来る。
補強用繊維材料及び/又は分離層(分離膜)として、
プリフォームを用いてもよい。分離層と別に使用する場
合は、補強用繊維シートやプリフォームの目開きは自由
に選択でき、例えば一方向繊維配列プリプレグや三次元
織物や編物のプリフォームも使用できる。
なお、本発明の中間素材を用いて生形物を得るに際し
て、平板や表裏のある面状の生成物の場合、分離層は金
型の内面の一方の側だけに設置することも出来る。この
場合、他の側には分離層を設けない例、分離層の代わり
に液状成形樹脂も通さないフイルムなどの材料を設置す
る例などがあるが、目的に応じて選択すればよい。例え
ば、自動二輪車のカウリングの場合、表面側に印刷した
フイルムを設置し、裏面側にガラス繊維製の分離層を用
いることで、成形後表面側を塗装しデカールを貼る作業
を簡略化出来る。
[発明の効果] 以上の如き本発明により、取扱いに利便で、且つ、良
好な軽量複合成形物の中間素材が提供され、この中間素
材を用いて良好な軽量複合成形物、特にサンドイッチ材
を得ることができる。
[実施例] 次に、木発明の実施例及び比較例を挙げるが、本発明
はこれにより限定されるものではない。なお、各例中の
「部」は特に断らない限り重量部である。
実施例1 松本油脂製薬(株)製の熱膨張性発泡ビーズ「マツモ
トマイクロスフェアF−50D」を入手した。この発泡ビ
ーズは140℃以上で膨張を始め、体積にして約70倍まで
膨張する。以後、これを「F−50D」と略称する。
分離層としてユニセル(株)製のポリエステル不織布
「ユニセルB−0404」を準備した。中間素材を作る金型
のキャビティの大きさ、形状に合わせて切り取った。以
後、この不織布を「ユニセル」と略称する。
成形用樹脂としてシェル製のエポキシ樹脂及び硬化
剤、「エピコート1001」70部、「エピコート348」30
部、無水フタル酸30部、「エポメートYLH185」1部を、
80℃で混合した。これを樹脂Aとする(この樹脂Aは常
温で固体である)。
熱膨張粒子F−50D100部と樹脂A100部とを、80℃で十
分混合した。これを80℃に予熱した「ユニセル」を置い
た金型に流し込み、その上をさらに「ユニセル」で覆
い、樹脂Aが液化し上下の「ユニセル」に浸透したのを
確認して冷却し固化させた。金型を開いて、厚さ約1mm
の薄板を得た。これを中間素材B−1とする。
次に、アルミニウムの板2枚の間に、厚さ3mmの「テ
フロン」の枠を挟んだ金型を作った。この金型には上下
の端にノズルを設けた。日東紡製のガラス繊維クロスWF
−181−100BVを用意し、金型一杯の大きさのガラスクロ
スを2枚と、長さを金型の内寸に合せ幅をノズルを覆う
サイズにした短冊状ガラスクロス10枚を作り、大きなガ
ラスクロスを用いて、ガラスクロス/中間素材B/ガラス
クロスの順で金型に入れ、但しノズルを覆う位置(金型
の上下端)は中間素材Bではなく小さなガラスクロスを
重ねて埋めた。そして、双方のノズルから吸引排気して
金型内部を真空にした。次いで金型を100℃のシリコン
オイルの温浴中に入れ、加熱した。加熱時に少量の樹脂
とガスをノズルから溢流させ、ほぼ同時に逐次ノズルを
閉鎖した。1時間後に金型を温浴から引き上げ、冷却し
て金型から得られた複合成形物を取りだした。
かくして、表面がガラス繊維強化エポキシ樹脂からな
り、「ユニセル」(分離層)を介して、内層がエポキシ
樹脂中に発泡した「F−50D」が分散した相からなる良
好な軽量サンドイッチ複合成形物が得られた。
得られた成形物は小さなガラスクロスを入れた部分以
外は発泡粒子が均等に行き渡り、成形物の比重は0.54で
あった。成形物(試料)の各所を切り取り、曲げ試験を
行った結果、強度は8.36kg/mm2(標準偏差0.143)、弾
性率595kg/mm2(標準偏差19.7)であった。
比較例1 比較のため、分離層「ユニセル」を用いることなく中
間素材を作り、これを用いて上記の実施例1と同様に、
但し補強用の繊維の最内層に「ユニセル」を追加して用
いて、サンドイッチ成形物を試作したところ、補強材層
には樹脂が十分に浸透しない箇所が出来、且つ、樹脂の
ベントノズルから膨張粒子を含んだ樹脂が排出された。
これを抑えるために、ノズルの位置の補強繊維層を広
げ、且つ、ノズル直下に「ユニセル」を設置した。これ
により成形性は改善されたが、「テフロン」の枠は圧力
で歪んだ。
比較例2 樹脂を「エピコート807」100部と「エポメートYLH00
6」31部との混合物とし(この混合樹脂は液状であ
る)、ガラス繊維クロスと「ユニセル」を重ねたものを
金型に入れ、更に上記の樹脂をそのまま入れ、実施例1
と同様に成形した。得られた成形物は、比重0.497〜0.5
26、強度7.26kg/mm2(標準偏差0.609)、弾性率547kg/m
m2(標準偏差124)であった。
実施例2 実施例1と同様にして、中間素材B−1を準備した。
一方、最大幅120mm、最大長さ350mm、最大厚さ14mm
の、舵状のモデルを作る雄型2個の金型を準備し、この
金型の上下にはノズルを設けた。更に、この金型に合わ
せたガラスクロス4葉及びカーボンクロス2葉も準備し
た。ガラスクロスは実施例1と同じ日東紡製のガラス繊
維クロスWF−181−100BVであり、カーボンクロスは東レ
製の炭素繊維織物C06304である。
上記中間素材Bを概略、上記金型の概形に似せて、小
さ目に切り取った。この中間素材B−1の上下をそれぞ
れをガラスクロス2葉及びカーボンクロス1葉で挟んで
金型に収めた。
金型内部を真空に引き、次いで100℃のシリコンオイ
ルの温浴中に入れた。それぞれのノズルに樹脂とガスで
出るのを確認してからノズルを閉じた。1時間保持後、
金型を温浴から引き上げ、冷却して成形物を取りだし
た。かくして比重0.8の良好なモデルが得られた。
実施例3 断面が20mm×20mm、長さは50mmの金型を用意し、該金
型の両端にノズルを設けた。
ポリプロピレンとフレオンなどの発泡剤を加圧下で混
合し、常圧下に放出し、得られた予備発泡粒子を常圧で
熟成し、次いで圧力容器に入れ、160℃の外温で6kg/cm2
の圧力で1時間圧縮した。室温に戻ってから常圧に戻
し、ポリプロピレンの発泡粒子を得た。この発泡粒子の
粒径は1〜2mmであり100℃に加熱すると直ちに20%体積
膨張する。これを常温に戻しても体積の収縮は見られな
い。このポリプロピレン粒子をPPBと略称する。
実施例1と同様にして樹脂Aを用い、熱膨張性粒子と
してPPBを用いて樹脂混合物のシートを作成した。そし
て、これを棒状に切り取った。
実施例2で用いたポリエステル不織布「ユニセルBT−
0404」で周囲80mmの筒を作り上記の棒状の樹脂混合物を
詰め不織布に樹脂Aを浸透させて中間素材B−2を作成
した。
棒状にした「ユニセルBT−0404」の筒(中間素材B−
2)の周りを、炭素繊維のブレード(「トレカT−396
4」)2層とガラス繊維のブレード(#9273)1層とで
覆った。この際ブレードは、「トレカT−3964」、ガラ
ス繊維ブレード#9273、「T−3964」の順で重ねた。
これを前記の金型に収め、金型を閉じた。金型を水平
にし、一旦、真空ポンプで減圧しほぼ真空にした。次
に、金型を実施例1、2と同様にして110℃の温浴中に
入れ、樹脂とガスを抜きながら、硬化させた。
1時間後に温浴から取りだし、冷却して金型から成形
物を取りだした。かくして、表面が炭素/ガラス繊維強
化エポキシ樹脂、「ユニセル」(分離層)を介して内層
がエポキシ樹脂とポリプロピレンの発泡体からなる軽量
角材が得られた。このものの表皮を含んだ比重は0.56で
あった。
実施例4 ポリエチレン樹脂を入手した。このポリエチレン樹脂
は熱分析すると、約70℃から吸熱を始めて軟化し、98℃
で吸熱の割合が最大となるものである。
実施例1と同じ「マツモトマイクロスフェアF−50
D」を50部、旭硝子製の無機中空バルーンM2830部、及び
上記のポリエチレン樹脂100部を混合した。135℃まで昇
温加熱してポリエチレンを溶融し、2枚の不織布「ユニ
セル」の間に挟み、圧縮・冷却して板状の成形物を得
た。この板状の成形物を中間素材B−3とする。
アルミニウムの板2枚の間に、「テフロン」の枠を挟
んだ金型を作った。その上下の端にノズルを設けた。金
型一杯のガラスクロス6枚と長さを金型に合せ、幅をノ
ズルを覆うサイズにした短冊状ガラスクロス8枚を作っ
た。
大きなガラスクロスを用いて、ガラスクロス/中間素
材B−3/ガラスクロスの順で金型に入れた。そして小さ
なガラスクロスを重ねてノズルを覆う位置つまり上下端
を埋めた。
これを金型ごと150℃の温浴中に入れた。10分後に温
浴から取りだし、冷却して金型から成形物を取りだし
た。かくして表面がガラス繊維強化ポリエチレンからな
り、「ユニセル」を介して内層が発泡粒子とポリエチレ
ンからなる軽量で良好なサンドイッチ板状材が得られ
た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱により流動化し得る常温で固体の樹脂
    中に熱膨張性粒子が分散している相の片面又は両面に、
    該熱膨張性粒子は通さないが液状化した樹脂は通す少く
    とも1つの分離層が積層されており、かつ上記分離層中
    には上記樹脂が浸透していることを特徴とする軽量複合
    成形物製造用中間素材。
  2. 【請求項2】熱膨張性粒子を含む相中に更に非膨張性中
    空粒子を含む請求項(1)に記載の軽量複合成形物製造
    用中間素材。
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