JP2809051B2 - 車両用冷却液輸送ホース - Google Patents

車両用冷却液輸送ホース

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JP2809051B2 JP17100793A JP17100793A JP2809051B2 JP 2809051 B2 JP2809051 B2 JP 2809051B2 JP 17100793 A JP17100793 A JP 17100793A JP 17100793 A JP17100793 A JP 17100793A JP 2809051 B2 JP2809051 B2 JP 2809051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車等の各種車両におけるエ
ンジンとラジエーターとの接続や、エンジンとヒーター
コアとの接続等に用いられる、車両用冷却液輸送ホース
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車等の各種車両において、
エンジンとラジエーターとの間や、エンジンとヒーター
コアとの間を接続して、水を主成分とする冷却液、例え
ば水にエチレングリコールおよび防錆剤等を混合した冷
却液(ロングライフクーラント=LLC)を適量混合し
たものを流通させる車両用冷却液輸送ホースが知られて
いる。そして、この種のホースの形成材料としては、一
般に、EPDM等の耐水性に優れるエチレン−プロピレ
ン系共重合体ゴムが用いられている。また、通常、エチ
レン−プロピレン系共重合体ゴムには、カーボンブラッ
ク等の充填剤、プロセスオイル等の軟化剤、加硫剤、加
硫促進剤等が添加され、それらを混練加工して得られた
ゴム材料(配合組成物)を用いて、目的とする冷却液輸
送ホースが成形されている。
【0003】ところで、そのようなゴム材料にあって
は、カーボンブラック等の充填剤やプロセスオイル等の
軟化剤の添加量が少ない場合、押出し加工時の寸法安定
性が悪くなり、また平滑な押出し肌が得難くなり、更に
は製品コストが高くなる等の問題を生じる。そのため、
従来では、それらの問題を回避するために、カーボンブ
ラック等の充填剤を多量に混練せしめて、ゴム材料を調
製する手段(高充填配合)が採用されてきた。
【0004】而して、近年、そのような高充填配合のゴ
ム材料を用いて得られる車両用冷却液輸送ホースを使用
するうちに、ホースの内面側に多数のスジ(糸状乃至樹
枝状の細かい亀裂)が入り、甚だしい場合には、ホース
の内面側から外面側に到達するような亀裂が入って、冷
却液の液漏れが発生する問題が指摘されている。このた
め、本発明者が、その原因を明らかにするべく、詳細な
検討を行なった結果、以下に述べるような現象が生じて
いることを見い出したのである。
【0005】すなわち、最近の自動車等の車両において
は、電子関連部品の装着率が上昇しており、そのため周
囲の部品に電気が流れ易い環境となっている。加えて、
車両の軽量化或いは防錆性能の向上を目的として、鉄材
料からアルミ材料への変換が行なわれていることに伴っ
て、異種金属接触により、車両内部において局部的に電
池が構成されたり、またこれら金属材料とホースが接触
する部位では、冷却液を電解液として、ホース形成ゴム
材料中に充填されるカーボンブラックと金属材料との間
でも、局部的に電池が構成されたりして、電流が発生し
易い環境が作られているのである。
【0006】一方、前述したように、冷却液輸送ホース
は、EPDMの如きエチレン−プロピレン系共重合体ゴ
ムにカーボンブラック等の充填剤を多量に混練した、高
充填配合のゴム材料から形成されていることから、エチ
レン−プロピレン系共重合体ゴム自体の体積固有抵抗が
極めて大きいにも拘わらず、充填されるカーボンブラッ
クの体積固有抵抗が小さいために、ホース全体としての
体積固有抵抗が低くなり、導電性の高いホースとなって
いる。
【0007】このようにして、電気が流れ易い環境の中
に、導電性の高い冷却液輸送ホースが配置されるため、
使用中にホースに通電するようになるのである。そし
て、それに起因して、冷却液に接触するホース内面側に
おいては、ホースと冷却液との間で電気化学的な反応が
生じ、次第にホースの劣化を招いて、ホース内面側より
スジや亀裂が入るようになり、液漏れが生じることとな
るのである。
【0008】
【解決課題】本発明は、かかる事情を背景として為され
たものであって、その解決課題とするところは、電流の
流れ易い車両内部においても、ホースの電気化学的劣化
が効果的に防止され、長期的に安定した性能を有する車
両用冷却液輸送ホースを提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明者が、ホースの導電性とスジ、亀裂の発生との関係
を詳細に調査したところ、ホースの体積固有抵抗を10
4 Ωcm以上とすることにより、スジ、亀裂の発生を効果
的に防止し得ることを見い出したのである。そして、か
かる知見に基づいて、更なる検討を重ねた結果、本発明
が完成されたのである。
【0010】すなわち、本発明の要旨とするところは、
単層ホース、若しくは多層ホースのうちの少なくとも最
内層を、エチレン−プロピレン系共重合体ゴムを主体と
する、体積固有抵抗が104 Ωcm以上であるゴム材料に
て形成せしめたことを特徴とする車両用冷却液輸送ホー
スにある。
【0011】また、本発明は、単層ホース、若しくは多
層ホースのうちの少なくとも最内層を、シリコーン変性
エチレン−プロピレン共重合体を主体とする、体積固有
抵抗が104 Ωcm以上であるゴム材料にて形成してなる
ことを特徴とする車両用冷却液輸送ホースをも、その要
旨とするものである。
【0012】さらに、本発明にあっては、有利には、多
層ホースのうちの最内層を、シリコーン変性エチレン−
プロピレン共重合体を主体とする、体積固有抵抗が10
4 Ωcm以上であるゴム材料にて形成すると共に、該最内
層に接する層を、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム
の過酸化物加硫物にて形成してなる構成が採用されるこ
ととなる。
【0013】
【作用・効果】要するに、本発明では、車両用冷却液輸
送ホースの少なくとも冷却液が接触するホース内面側の
部位について、その体積固有抵抗を104 Ωcm以上に高
めることにより、ホースの導電性を効果的に改良したの
である。それにより、本発明に係る車両用冷却液輸送ホ
ースにあっては、電流の発生し易い環境に置かれても、
電気が流れ難く、ホース内面側におけるホースと冷却液
との間の電気化学的な反応が効果的に防止され得るので
ある。従って、そのような現象に起因するスジや亀裂の
発生、更には液漏れ等の問題を有利に解消することがで
き、電流の流れ易い車両内部においても、長期的に安定
した性能を発揮することが可能となるのである。
【0014】また、本発明に従う車両用冷却液輸送ホー
スが、シリコーン変性エチレン−プロピレン共重合体を
主体とするゴム材料にて構成される場合には、カーボン
ブラックを高充填配合することなく、良好なホース物性
や加工性が得られることから、体積固有抵抗の減少を効
果的に防止することができ、より有利に、ホースの導電
性を改良することができる利点がある。
【0015】そして、かかるシリコーン変性エチレン−
プロピレン共重合体を主体とするゴム材料は、通常、過
酸化物加硫が為されることから、該ゴム材料にて多層ホ
ースの最内層を形成する場合には、該最内層に接する層
を、エチレン−プロピレン系共重合体ゴムの過酸化物加
硫物にて形成し、それら両層の加硫形態、加硫条件を合
わせる構成が有利に採用されることとなり、それによっ
て、両層の接着性を効果的に高めることができるのであ
る。
【0016】
【具体的構成】ところで、本発明に従う車両用冷却液輸
送ホースは、単層、多層の何れの構成であっても良く、
少なくともホースの内面側の部位が、体積固有抵抗が1
4 Ωcm以上のゴム材料にて形成されるものである。ま
た、かかるゴム材料は、耐水性の良いエチレン−プロピ
レン系共重合体ゴムを主体として調製されることとなる
が、通常、ホース形状に成形する際の成形性が高められ
るように、カーボンブラック等の充填剤やプロセスオイ
ル等の軟化剤が多量に混練りされて、高充填配合のゴム
材料(配合組成物)が調製される。
【0017】そして、エチレン−プロピレン系共重合体
ゴムとしては、EPDMやEPM等が用いられるが、一
般に、その体積固有抵抗は1014〜1016Ωcmであり、
それ自体は電気を通し難いものである。しかし、これに
充填するカーボンブラックは、その体積固有抵抗が10
-1〜101 Ωcm前後と極めて小さいことから、両者を混
練りして得られるゴム材料(配合組成物)の体積固有抵
抗は、カーボンブラックの配合量の増加と共に減少し
て、大体101 〜1014Ωcmの範囲内で変化することと
なるのである。
【0018】このため、本発明では、エチレン−プロピ
レン系共重合体ゴムを主体とするゴム材料の中で、特に
体積固有抵抗が104 Ωcm以上のゴム材料を選択するの
である。なお、ゴム材料の体積固有抵抗を104 Ωcm以
上に操作するには、全体のゴム配合量(重量部)中に占
めるカーボンブラックの配合量(重量部)の割合(%)
をコントロールすることが、有効である。
【0019】また、かかるゴム材料には、通常、プロセ
スオイル等の軟化剤、加硫剤・加硫促進剤等も添加され
ることとなるが、これら軟化剤や加硫剤・加硫促進剤等
の配合量の多少は、ゴム材料の体積固有抵抗値に大きな
影響を及ぼさない。
【0020】さらに、かかるゴム材料には、必要に応じ
て、非導電性の白色充填剤、例えばクレー、タルク、シ
リカ等を添加しても良い。但し、白色充填剤を添加する
場合には、ゴム材料中のエチレン−プロピレン系共重合
体ゴムの割合が減少して、ゴム材料の体積固有抵抗が低
下するため、ゴム材料の体積固有抵抗を104 Ωcm以上
に操作する上で、白色充填剤を添加しない場合に比し
て、カーボンブラックの配合割合を抑制するようにする
ことが推奨される。
【0021】また一方、上述した如きゴム材料とは別
に、本発明においては、体積固有抵抗が104 Ωcm以上
であるゴム材料として、シリコーン変性エチレン−プロ
ピレン共重合体を主体とするゴム材料が有利に用いられ
ることとなる。即ち、シリコーン変性エチレン−プロピ
レン共重合体を用いる場合には、カーボンブラックを多
量に配合せずとも、良好なホース物性及び加工性を得る
ことができるため、カーボンブラック配合による体積固
有抵抗の減少を効果的に防止して、より有利にホースの
導電性を改良することができるのである。なお、必要に
応じて、かかるゴム材料にも、前述した如きプロセスオ
イル等の軟化剤や、クレー、タルク、シリカ等の白色充
填剤が配合されることとなる。
【0022】かくして、エチレン−プロピレン共重合体
ゴムを主体とする、体積固有抵抗が104 Ωcm以上であ
るゴム材料が調製されるのであり、このゴム材料を用い
て、車両用冷却液輸送用ホースが形成されることとなる
のである。
【0023】その際、本発明に従う車両用冷却液輸送ホ
ースの最も基本的な構造としては、図1に示される如き
単層ホース10があり、この場合、ホース全体を本発明
に従うゴム材料で形成する。一方、多層ホースの具体例
としては、図3に示される如き、本発明に従うゴム材料
にて内層16を形成し、該内層16上に通常のEPDM
等のゴム材料を用いて外層18を形成した多層ホース1
4があり、このように多層ホースの場合には、少なくと
も最内層を前記本発明に従うゴム材料で形成することと
なる。
【0024】更に、内部に補強糸層12を有する多層ホ
ース14として、図2の如き、補強糸層12の内側に位
置する内層16と、補強糸層12の外側に位置する外層
18とを、何れも前記本発明に従うゴム材料で形成した
ものがある。また、図4の如き、前記本発明に従うゴム
材料にて内層16を形成し、該内層16上に補強糸層1
2を設け、その上に通常のEPDM等のゴム材料にて外
層18を形成したものがある。更には、図5の如き、図
4に示される多層ホース14の内層16と補強糸層12
との間に、通常のEPDM等のゴム材料からなる中間層
17を設けたものがある。
【0025】そうして、例えば図3の多層ホース14に
おいて、内層16を前記本発明に従うシリコーン変性エ
チレン−プロピレン共重合体を主体とするゴム材料にて
形成し、外層18を通常のEPDM等のゴム材料を用い
て形成する場合には、内層16が過酸化物加硫となり、
外層18が硫黄加硫となって、両層の加硫形態、加硫条
件が異なるために、両層の間の接着性が不十分となる場
合が生じる。従って、このような場合には、内層16に
接する層を加硫形態、加硫条件の等しいエチレン−プロ
ピレン系共重合体ゴムの過酸化物加硫物にて形成するこ
とが望ましい。例えば、図6の如くに、ホースの内層1
6と外層18の間に中間層17を設けて、該中間層17
を過酸化物加硫エチレン−プロピレン共重合体にて形成
するのである。また、このようなホースにおいて、図7
の如くに、中間層17と外層18との間に補強糸層12
を設けるようにしても良い。
【0026】そして、この他、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、各種のホース構造が適宜に採用され
得、このような各種のホース層構成は、その用途に応じ
て適宜に選択されるものであり、それによって各層構成
に伴う所定の効果を得ることが可能である。
【0027】また、何れのホース構造の場合にも、ホー
スの通電に対する耐久性を有利に向上させるうえで、前
記本発明に従うゴム材料で形成する層(10,16)の
厚みを0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上とするこ
とが推奨される。但し、本発明に従うゴム材料のうちで
シリコーン変性エチレン−プロピレン共重合体を主体と
するゴム材料を用いる場合には、体積固有抵抗が高いた
め、それらの層(10,16)の厚みを0.05mm以
上、好ましくは0.3mm以上とすることが可能である。
【0028】なお、補強糸層12は、通常のゴムホース
に用いられているものがそのまま採用され、例えば、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維等の合成繊維を主体とす
る糸の、ブレード編みやスパイラル編み等によって形成
される。また、外層18および中間層17の形成材料に
は、耐候性、耐熱性、耐透水性等に優れる材料を使用す
ることが好ましく、例えば通常のEPDMやEPM等の
ゴム材料等が好適に用いられることとなる。但し、前述
したように、内層16に対する接着性との関係で、内層
16の加硫形態、加硫条件に応じて、中間層17および
外層18の形成材料には、硫黄加硫物若しくは過酸化物
加硫物が適宜に選択、使用されることとなる。
【0029】そして、このような本発明に従う車両用冷
却液輸送用ホースは、従来より公知の各種手法に従って
製造することができ、例えば図4の如き多層ホース14
は、以下のようにして順次積層形成することにより、製
造することができる。
【0030】(a) 先ず、内層形成用の本発明に従う
ゴム材料(例えば、エチレン−プロピレン系共重合体ゴ
ムを主体とする、体積固有抵抗が104 Ωcm以上である
ゴム材料)を押出成形機より押出し、管状体を形成す
る。
【0031】(b) 次いで、内層16の外周面に、必
要に応じて接着剤(ゴム糊)を塗布した後、繊維補強糸
をブレード編み若しくはスパイラル編みする等の手法に
よって、補強糸層12を形成する。
【0032】(c) かかる形成された補強糸層12の
外周面に必要に応じて所定の接着剤(ゴム糊等)を塗布
した後、その上に外層形成用のゴム材料を押し出して、
目的とする外層18を所定厚さに形成する。
【0033】(d) このようにして得られた積層管を
加硫(架橋)せしめて一体化し、目的とするホースを得
ることができる。なお、この際の加硫条件としては、通
常、140〜170℃程度の温度及び20〜90分程度
の加硫時間が採用されることとなる。
【0034】なお、内層16は、押出しにて形成する
他、前記本発明に従うゴム材料をゴム糊にして、ホース
内面に塗布することによっても、形成することができ
る。また、従来通り、加硫に際し、例えば金属マンドレ
ルにホースを挿入する等の曲り管成形加工を行なうこと
も当然可能である。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0036】実施例 1〜11および比較例 1〜7 先ず、下記表1、表2、表3に示される各配合組成に従
って各々の材料を秤り取り、更に何れの配合にもZn
O:5重量部、ステアリン酸:1重量部、加硫剤・加硫
促進剤:5重量部を加えて、混練し、各種ゴム材料を調
製した。そして、それぞれのゴム材料を用いて、公知の
手法に従い、図2に示される如き構造(ホース構造A)
のホース(内径:30mm,厚さ:5.5mm、補強糸層:
ポリエステル繊維,3本×24打)を作製した。また、
実施例2,3及び比較例1,2については、併せて、図
1に示される如き構造(ホース構造B)のホース(内
径:30mm,厚さ:5.5mm)も作製した。
【0037】次いで、各ホースを、図9に示すような評
価試験機に取り付け、通電に対する耐久試験(ブラボラ
イザー試験)を実施した。なお、試験条件としては、ホ
ース内に、水/ロングライフクーラント(LLC)=5
0/50で調節した冷却液を、内容積の75%になるよ
うに充填し、試験機の両端間に12Vの直流電圧を印加
して、100℃の雰囲気下で336時間経過させた。し
かる後、ホースを試験機より取り外して、ホース断面を
観察して評価し、その評価結果も、併せて、下記表1〜
3に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】上記の結果より明らかなように、充填剤と
してカーボンブラックのみを配合したゴム材料(実施例
1〜4,比較例1〜3)についても、充填剤としてカー
ボンブラックと白色充填剤(クレー、タルク、シリカ)
を配合したゴム材料(実施例5〜11,比較例4〜7)
についても、104 Ωcm以上の体積固有抵抗を示すゴム
材料では、何等異常が認められなかった。しかし、10
4 Ωcmに満たない体積固有抵抗のゴム材料では、ホース
にスジや亀裂が入り、冷却液の漏出が生じるものもあっ
た。また、実施例及び比較例において、カーボンブラッ
クの配合割合と共に、ゴム材料の体積固有抵抗が変化し
ているが、軟化剤の配合割合等は、ゴム材料の体積固有
抵抗に対して大きな影響は与えなかった。
【0042】さらに、補強糸層を形成しない構造(構造
B)のホースについても、同様の結果が得られたことか
ら、ホースの体積固有抵抗を104 Ωcm以上にすること
は、ホースの構造に依らず、通電によるホース劣化を阻
止できることが判った。
【0043】なお、体積固有抵抗を小さくしたときに生
じる弊害の度合いを明示するべく、図8に、全ての実施
例及び比較例で使用したゴム材料中のカーボンブラック
配合量と体積固有抵抗の関係を、下記の符号によって示
した。 ○:カーボンブラックのみ、異常なし ●: 〃 、スジ若しくは亀裂発生 △:カーボンブラック+白色充填剤、異常なし ▲: 〃 、スジ若しくは亀裂
発生
【0044】 実施例 12〜16および比較例 8〜12 先ず、下記配合組成に従って、3種類のゴム材料を調製
した。そして、各ゴム材料を用いて、公知の手法に従
い、それぞれ、下記表4に示されるホース構造で各種の
ホースを作製した。なお、補強糸層は、レーヨン糸をブ
レード編みして形成した。
【0045】しかる後、得られた各ホースについて、実
施例1と同様にして、通電に対する耐久試験(ブラボラ
イザー試験)を実施し、その評価結果を、下記表4に併
せて示した。また、各ホースについて、内層とこれに接
する層との間の接着性を調べるべく、剥離試験を行な
い、その結果も、併せて下記表4に示した。
【0046】硫黄加硫EPDM (phr) EPDM 100 カーボンブラック 100 軟化剤 40 ZnO 5 硫黄系加硫剤・加硫促進剤 5
【0047】過酸化物加硫EPDM (phr) EPDM 100 カーボンブラック 100 軟化剤 40 ZnO 5 過酸化物加硫剤・加硫助剤 10
【0048】Q−EPDM (phr) シリコーン変性EPDM 100 白色充填剤 15 軟化剤 5 過酸化物加硫剤 5
【0049】
【表4】
【0050】かかる表4の結果より明らかなように、実
施例12〜16では、何れも、内層の体積固有抵抗が1
10Ωcm以上であることに基づいて、ホース劣化が良好
に防止され、何等異常が認められなかった。また、内層
とこれに接触する層とで加硫形態、加硫条件が一致せし
められていることから、それら両層の間の接着性が良好
となり、剥離試験において界面剥離せず、ゴム破壊が生
じた。
【0051】これに対して、比較例10〜12では、内
層の体積固有抵抗が104 Ωcmに満たないことにより、
ホースにスジや亀裂が入り、比較例12では100℃の
雰囲気下で24時間後に、ホース中央部より冷却液が浸
出した。また、比較例8、9では、内層とこれに接触す
る層とで加硫形態、加硫条件が異なるために、それら両
層の間の接着性が低く、剥離試験において界面で剥離し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの一例を
示す横断面図である。
【図2】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの別の例
を示す横断面図である。
【図3】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの更に別
の例を示す横断面図である。
【図4】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの更に別
の例を示す横断面図である。
【図5】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの更に別
の例を示す横断面図である。
【図6】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの更に別
の例を示す横断面図である。
【図7】本発明に従う車両用冷却液輸送ホースの更に別
の例を示す横断面図である。
【図8】実施例及び比較例のホースを形成する各ゴム材
料のカーボンブラック量の割合と体積固有抵抗の関係を
示すグラフである。
【図9】実施例及び比較例で用いた評価試験機の構成を
示す説明図である。
【符号の説明】
10 単層ホース 12 補強糸層 14 多層ホース 16 内層 18 外層 17 中間層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層ホース、若しくは多層ホースのうち
    の少なくとも最内層を、エチレン−プロピレン系共重合
    体ゴムを主体とする、体積固有抵抗が104Ωcm以上で
    あるゴム材料にて形成してなることを特徴とする車両用
    冷却液輸送ホース。
  2. 【請求項2】 単層ホース、若しくは多層ホースのうち
    の少なくとも最内層を、シリコーン変性エチレン−プロ
    ピレン共重合体を主体とする、体積固有抵抗が104 Ω
    cm以上であるゴム材料にて形成してなることを特徴とす
    る車両用冷却液輸送ホース。
  3. 【請求項3】 多層ホースのうちの最内層を、シリコー
    ン変性エチレン−プロピレン共重合体を主体とする、体
    積固有抵抗が104 Ωcm以上であるゴム材料にて形成す
    ると共に、該最内層に接する層を、エチレン−プロピレ
    ン系共重合体ゴムの過酸化物加硫物にて形成してなるこ
    とを特徴とする車両用冷却液輸送ホース。
JP17100793A 1993-01-13 1993-06-16 車両用冷却液輸送ホース Expired - Fee Related JP2809051B2 (ja)

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