JP2806594B2 - 医療用導電性粘着ゲル - Google Patents

医療用導電性粘着ゲル

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JP2806594B2
JP2806594B2 JP2064303A JP6430390A JP2806594B2 JP 2806594 B2 JP2806594 B2 JP 2806594B2 JP 2064303 A JP2064303 A JP 2064303A JP 6430390 A JP6430390 A JP 6430390A JP 2806594 B2 JP2806594 B2 JP 2806594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電位ピックアップ用電極(例えば、筋電図
用電極、脳波測定用電極、心電図用電極、眼電位測定用
電極等)および電流パッシブ用電極(例えば、電気メス
用対極板、低周波治療器用電極、イオントフォレーゼ用
電極等)と生体とを電気的および物理的に接続する医療
用あるいは、動植物の生体観察用に使用する導電性粘着
ゲルに関するものである。
(従来の技術) これまで電位ピックアップ用電極および電流パッシブ
用電極と生体とを電気的および物理的に接続する目的
で、数多くの導電性粘着剤或いは、導電性粘着ゲルが考
案されてきた。これら既提案による技術の多くに共通し
てあげられる特徴は、導電性発現の手段として、高分子
電解質を使用していることである。この様な手段から成
るものの例を示せば、カルボン酸塩(例えば、特開昭56
−36939、特公昭57−28505)、4級アンモニウム塩(例
えば、特開昭52−95895、特開昭62−133935、特開昭62
−3596391、特開昭62−270135、特開昭62−292140、特
開昭63−43646)、スルホン酸塩(例えば、特開昭55−8
1635、特開昭58−135506、特開昭59−125545)、リン酸
塩(例えば、特開昭61−85925)をあげることができ
る。これら高分子電解質は、乾燥状態に於いては非常に
固く脆い物性を有し、また導電性は非常に低いことか
ら、これらの高分子電解質に導電性および粘着性を付与
するためには、グリセリン等で代表される親水性の非常
に高い多価アルコールを、しかも大量に使用してこれら
堅牢なポリマーを可塑化する必要がある。この様な手段
から成るゲルは、大量の可塑剤を含有することからゲル
強度が低く不織布等の支持材料を必要としたり、保存環
境の条件、特に湿度の変化によりこれらゲルが吸脱湿す
ることから、これに伴いゲルの物性が大きく変化すると
いう欠点を有するため、長期的な物性の低下は免れな
く、これを防ぐために高価なパッケージングの使用を余
儀なくされていた。更に、これら高分子電解質をこの様
な目的に使用した場合の致命的欠陥は、高湿度下で使用
した場合の吸湿および、皮膚から分泌される汗の吸収に
よりゲルが膨潤し、この結果粘着性が著しく低下し、最
悪の場合に至っては、電極がその自重によって簡単に皮
膚から脱落してしまうという結果をもたらすことであ
る。この欠点は、高分子電解質をこの様な目的に利用し
た場合避けられない問題である。特開昭56−36940に開
示されるポリマーは、ノニオン系のポリマーから構成さ
れているため、粘着ゲルが著しく膨潤するという欠点は
避けられると思われるが、この分野に携わる者であれば
容易に理解できるように、この様な技術から成るゲルの
導電性と粘着性は極めて低く、特に電位ピックアップ用
電極と生体とをこのゲルで接続した場合においては、商
用電源ハムノイズの障害を受けることは避けられず、ま
たその粘着性の低さから生体と電極とを物理的に充分な
強度で接続するという目的は、達成されないであろう事
は大いに予想され得ることである。
最近発明者らの感心を惹いたのは、特開昭62−139628
に開示されるイオン導電性ゲルである。このゲルは、親
水性ポリエーテルウレンタンにアルカリイオン化合物が
含有された物であり、比較的良好な導電性と強力な粘着
性を有するノニオン系親水性ゲルとしては、従来に無い
設計思想の下に構成されているという点で注目された。
しかしこの技術から成るゲルは、ポリマー合成、および
ポリマー構造夫々の本質に由来する欠点を有している。
ポリマー合成上における欠点としては、ゲル形成反応
時において水分の存在が許されないことである。ここで
言うゲル形成反応というのは、ポリエーテルポリオール
プレポリマーとポリイソシアネートプレポリマーとの反
応をさす。このポリエーテルポリウレタンゲルから成る
粘着ゲルの導電性は、前述の高分子電解質を使用したゲ
ルに較べるとかなり劣っているため、電位ピックアップ
用電極と生体とを接続する目的として使用する場合に、
更に導電性を向上させる必要がある。この目的を達成す
る最も簡単な方法としては、誘電率の高い溶媒、例え
ば、水、(多価)アルコール等をゲル中に含有させるこ
とが考えられるが、これらの溶媒をゲル形成反応時に共
存させることは、気泡の発生や粘着剤としての物性の低
下を招く結果となり好ましい方法とはいえない。従っ
て、これら溶媒を使用して誘電性を向上させようとする
場合、ゲル形成反応後、何等かの方法で後添加する必要
が有り、このことは結果的に量産効率を著しく低下させ
ることになるであろう。また、ゲル形成反応の工程およ
び原材料の保管の工程においても、原材料の吸湿を避け
るための厳重な管理が必要になり、これにともなうコス
トの上昇は免れないことである。
ポリマー構造に由来する欠点としては、この技術から
成るゲルを生体に装着した場合、粘着力の低下が比較的
短時間で起こることである。特に若干発汗をともなった
人体皮膚に装着した時にこの傾向が著しい。この原因
は、おそらくポリマーの親水性の低さによるものと思わ
れる。即ち、ゲルの親水性が低いことにより、皮膚から
分泌される汗の発汗速度が、その汗をゲルが吸収する速
度よりも大きいため、ゲルと皮膚との界面に汗の貯溜層
ができ、これが体の運動に伴い、ゲル全面に拡大しつい
には、ゲルの脱落に至ってしまうという事が考えられ
る。この事はポリエーテルポリオールを原料とするポリ
ウレタンをこの様な目的に使用する場合の致命的欠点と
なる。というのは、更に親水性を上げようとした時、原
料であるポリエーテルポリオール分子中の、エチレンオ
キサイド単位の占める割合を増加させる事の他には有効
な手段が見当たらないためである。この分野に携わる研
究者であれば容易に推察できるで有ろうが、ポリエーテ
ルポリオール分子中のエチレンオキサイドの割合を増加
させる事は、ポリエーテルポリオールとこれからできる
ゲルの結晶化を促進するため、製造工程に於けるハンド
リングを悪くさせ、また、導電性の低下をまねく事にも
なる事が予想される。
(発明の目的) 本発明の目的は、これまで提案されてきた技術では解
決され得なかった問題点、即ち、高湿度下で使用しても
皮膚と電極とを電気的、物理的に確実に接続し、且つ長
時間にわたってこの接続を維持し、人体から若干の発汗
が有っても脱落せず強固な接着性を維持する医療用導電
性粘着ゲルを提供することにある。
(目的を達成するための手段) 上記目的を達成するための手段として、本発明の医療
用導電性粘着ゲルは、粘着成分として、炭素数が2〜18
のアルキル基を40mol%以上有し、且つイオンのキャリ
ヤーとして解離性官能基を2〜24mol有し、且つアルキ
レンオキサイドの繰返し単位が2以上の、アルキレンオ
キサイド長鎖を側鎖に有することを特徴とするポリマー
を使用することを特徴とする物である。
アルキレンオキサイド長鎖分子中に持たないポリマー
のみによっても、可塑剤種、可塑剤量をコントロールす
ることにより、充分な粘着性を与えることが可能である
が、この系だけでは充分な導電性を得ることは困難であ
る。従ってこのポリマーを粘着剤のベースポリマーとし
て使用する場合には、適切な低分子電解質を含有させる
ことが必要である。これにより粘着性と導電性を有する
ゲルが得られる。しかし電位ピックアップ用電極と生体
とを電気的に接続する場合に於いては、商用電源のハム
ノイズを避けるため導電性を更に向上させる必要があ
る。導電性を向上させる方法としては、イオンキャリヤ
ーとしての解離性官能基の含有量を増加させる方法と、
ゲルに少量の水を添加させる方法とがある。前者の方法
によって場合、導電性を向上させるという目的は達成で
きるが、ベースポリマー中の解離性官能基量を増加させ
る事は、ポリマーのガラス転移温度を上昇させる結果と
なり、この方法によって充分な粘着性を得ようとする
と、大量の可塑剤を必要とし、高分子電解質をベースポ
リマーとして利用するという従来技術と同一になってし
まう。これによるゲルの欠点は前述の通りである。また
後者の方法によって導電性を向上させた場合、製造直後
は良好な導電性を示すであろうが、低湿度下で長期にわ
たって保存されるような場合には、製造時添加した水は
揮散してしまうため、この揮散を避けるためには、前述
の様に高価なパッケージングを使用する必要に迫られる
ためにこの方法も望ましい方法とは言い得ない。
発明者らはこの点について鋭意研究を重ねた結果、前
述の炭素数2〜18のアルキル基を40mol%以上有し且つ
イオンのキャリヤーとして解離性官能基を2〜24mol%
有するポリマーの側鎖に、新たなイオンキャリヤーとし
て、アルキレンオキサイドの繰返し数が2以上のアルキ
レンオキサイド長鎖を導入したポリマーをベースポリマ
ーとし、このベースポリマーを適当な可塑剤によって可
塑化し、低分子電解質を溶解含有せしめ、周知の手段に
よって架橋させることにより、従来になかった粘着性、
導電性、凝集力に選れた医療用導電性粘着ゲルが得られ
ることを見出した。
次にこの医療用導電性粘着ゲルを構成する各原料につ
いて詳述する。ベースポリマーの構造は、モノマー単位
で見た場合、基本的には次に示す3つの単位から構成さ
れている。すなわち、炭素数2〜18のアルキル基を有す
るアルキルアクリレート単位(A単位)、イオンキャリ
ヤー単位(B単位)、その他の単位(C単位)の3成分
である。
A単位の導入目的は、ベースポリマーのガラス転移温
度を低下させ粘着性を付与することと、親水性のコント
ロールが目的である。この単位の導入方法としては、炭
素数1〜18のアルキル基を有するα,β−不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステルを共重合することが最も単純で
且つ実用的な方法である。この目的に適うモノマーを非
限定的に示せば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−n
−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、フマル酸ジブチ
ル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチル等をあ
げることができる。ベースポリマー中に占めるA単位の
割合については、α,β−不飽和カルボン酸のアルキル
エステルを単位とすれば40mol%以上であるが、実用的
な範囲は60〜90mol%である。60mol%未満の領域に有っ
ては充分な粘着性を得ることは困難であり、90mol%を
越えた場合充分な親水性と導電性を得ることは困難な傾
向が見られた。
B単位の導入目的は、ベースポリマーにイオンキャリ
ヤーを導入することと、A単位の比率と相まって親水性
のコントロールを行なうことを目的とするものである。
B単位は前述の説明で分るように、解離性官能基を有す
るモノマー単位と、アルキレンオキサイドの繰返し数が
2以上のアルキレンオキサイド長鎖をベースポリマー主
鎖に導入するためのモノマー単位とから成る。
解離性官能基の導入手段としては、ベースポリマーを
モノマー単位で見た場合、非限定的に示された次のモノ
マーを共重合させることによって得られる。α,β−不
飽和カルボン酸塩(例えば、アクリル酸塩、メタクリル
酸塩、イタコン酸塩等)、スルホン酸塩を有するビニル
モノマー(例えば、アリルスルホン酸塩、メタクリルス
ルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸塩等)、リン酸塩また
は亜リン酸塩を有するモノマー(例えば、2−アクリロ
イルオキシエチルリン酸塩等)、4級アンモニウム塩を
有するビニルモノマー(例えば、メタクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリル
アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等)
等が解離性官能基を導入するためのモノマーであるが、
共重合時に既に塩型になっている必要はなく、ベースポ
リマー重合後、部分中和或いは完全中和によって導入で
きることは言うまでもない。またこれら解離性官能基
は、一種類に限定される物ではなく、複数種の解離性官
能基を有するモノマー単位から成っていても良い。この
解離性官能基のベースポリマー分子中に占める割合は、
2〜24mol%であり、実用的には、5〜15mol%の範囲で
ある。5mol%未満の場合には充分な親水性と凝集力が得
難く、15mol%を越えるとベースポリマーが固くなりす
ぎ、充分な粘着力が得られない傾向がある。
ベースポリマー側鎖に、アルキレンオキサイド長鎖を
導入する手段としては、高分子反応を利用して導入する
方法と、アルキレンオキサイドを有するビニルモノマー
を共重合する方法とが有るが、合理的には後者の方法が
優れていると思われる。この目的に適うモノマーの構造
を非限定的に次の構造式(I)に示す。
ここでR1は、H、CH3の何れかであり、R2はH、CH3
CH2CH3等の非置換アルキル基、または置換アルキル基で
ある。(EO)はエチレンオキサイド単位を示し、mは≧
0の数である。(AO)はアルキレンオキサイド単位を示
し、nはアルキレンオキサイド単位の繰返し数でn≧2
以上の整数である。本発明に好適なアルキレンオキサイ
ド鎖を非限定的に示せば、構造式(II)に示した様なも
のがあげられる。
(CH2O),(CH2CH2O) (CH2CH(CH3)O), (CH2CH2CH2CH2O) (II) 構造式(I)で示されている(AO)は、構造式(II)
の単独体であっても、また複数種のアルキレンオキサイ
ド単位のランダム体またはブロック体であってもよい
が、親水性、導電性の点からは、構造式(I)で示した
(AO)の一部または全部が、エチレンオキサイド単位で
あることが望ましく、mの数としては4以上であること
が望ましい。4未満の数であった場合には、充分な親水
性と導電性が得にくい傾向があった。このアルキレンオ
キサイド長鎖を導入する手段としてのモノマー単位は、
一種類に限定される物ではなく、複数個のモノマーを併
用して使用する事も可能である。構造式(I)に該当す
るモノマーを非限定的に示せば、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート(プロピレンオキサイドの繰返
し数(n=12))、ポリエチレングリコールモノメタク
リレート(n=7〜9)、ポリエチレングリコール(n
=10)ポリテトラメチレングリコール(n=5)モノメ
タクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=
8)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール
(n=9)メタクリレート等が上げられる。このアルキ
レンオキサイド鎖を有するモノマーのベースポリマー中
に占める割合は、アルキレンオキサイド単位の繰返し数
によって、モノマー分子量が大きく変動するため一概に
適切な範囲を示すことは難しいが、概略0.5〜20mol%の
範囲が望ましい傾向が見られた。
C単位の導入目的は、粘着性、親水性、凝集力の微調
整を行なうと同時に、架橋用官能基を導入することにあ
る。この目的に適うモノマーを非限定的に示すと、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、t−ブチ
ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレ
ン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、メチロールアクリ
ルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸−2
−メトキシエチル、アクリル酸エトキシエトキシエチ
ル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル等を上げること
ができる。これらモノマーは共重合によってベースポリ
マーに組込まれるが、前述の様に公知の技術によって架
橋用官能基として利用する事も出来る。例えば、メタク
リル酸とグリシジルメタクリレートとの併用の様に、自
己架橋型のベースポリマーが得られる可能性についても
言及していることは言うまでもない。C単位のベースポ
リマー中に占める割合は、要求特性によって変動するた
め典型的範囲を示すことは出来ない。
ベースポリマーの可塑剤添加の目的としては、ポリマ
ーを可塑化することは勿論であるが、後述の低分子電解
質の解離を促進することも重要な役割となる。このため
可塑剤は、一種類だけではこの目的を達成することが難
しく、通常は複数の可塑剤を混合して用いた方が、種々
の物性の点から好ましい結果が得られる事が多い。この
様な目的に達した可塑剤を非限定的に示せば、水、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
等の多価アルコール類、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリエチ
レングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、ポ
リ(オキシエチレン−オキシプロピレン)アルキルエー
テル、等のポリプロピレングリコール誘導体、その他各
種のポリエーテル(ポリ)オール類、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネー
ト等の炭酸エステル類、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビット脂肪酸エステル等のアルキレンオキサイド鎖含有
脂肪酸エステル等があげられる。これら可塑剤の添加量
は、粘着ゲルの使用目的、使用環境によって大幅に変動
するが、ベースポリマー100重量部に対して凡そ50〜250
重量部程度が適切な範囲である。
本発明におけるベースポリマーは、従来技術に見られ
る高分子電解質を用いたベースポリマーに比べると、親
水性がはるかに小さいので、充分な導電性を与えるため
には、低分子電解質を溶解含有させる事が必要である。
この目的を達するための電解質としては、カオチン成分
としてLi+、Na+、K+で代表されるアルカリ金属イオン、
または、R4N+(Rは水素または低級アルキル基)で代表
される第4アンモニウムイオン、アニオン成分として
は、Cl-、Br-、I-で代表されるハロゲンイオン、チオシ
アン酸イオン、過塩素酸イオン、アルキルスルホン酸イ
オン等があげられる。ここに例示した要素の組合せから
なる電解質は、一種類に限定される物ではなく、複数の
電解質を混合して使用することも可能である。またこれ
らの電解質の添加は、重合溶媒に予め溶解させておいて
も良いし、重合後に加えて溶解させても良い。これら電
解質の添加量は、 ベースポリマー100部重量部に対して0.2〜30重量部程度
の範囲であるが、実用的には1〜10部が粘着性、導電性
両者の物性のバランスがとれた領域であった。1部未満
では充分な導電性が得られず、10部を越えるとベースポ
リマーが固くなり充分な粘着性を得ることが難しい傾向
が見られた。
(作用および効果) 本発明から成る医療用導電性粘着ゲルは、従来技術で
は得られなかった特性、即ち高湿度下における長期保
存、長期作用においても、膨潤することがなく充分な接
着力と凝集力を維持し、若干発汗を伴う皮膚に対しても
充分な接着力を維持する事が可能であり、揮発成分およ
び吸湿成分が殆ど含まれていないため、安価で簡単なパ
ッケージングによってもその物性が著しく変動すること
が無いという特徴をもっている。
また、従来高分子電解質を利用したゲルに比べ、製造
時に於けるドープの粘度が低いことから、製造方法も注
型、コーティング、不織布等の含浸シート化等最終使用
目的、目的形状に応じ選択できる製造方法の種類が多い
と言うこともこの技術の長所としてあげられる。
(実施例) 次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
[測定方法] 1.体積抵抗値(SR) 厚さ約1mmの粘着ゲルを、直径20mmに打抜き、その上
下面を厚さ約1mmのステンレス板(SUS 304)で挟む、こ
れをブリッジの一端に組込み、1kHz正弦波を印加し、リ
サージュ法によりインピーダンスを測定する。この値
と、ゲルの形状から体積抵抗値を算出する。測定は全て
23℃,60RH%で行なった。
2.平衡膨潤度(DS) 厚さ約1mmの粘着ゲルを直径10mm(d1=10mm)で抜打
ち、内径8cm、深さ2cmのシャーレに貼りつける。このシ
ャーレに40mlの純水を入れる。これに適切な蒸発防止を
施し、40℃恒温器に20±4時間入れ、膨潤したゲルの直
径(d2)を測定する。これからd2/d1を求め、これを40
℃水中に於ける平衡膨潤度とする。
3.剥離力の低下率(DP) 厚さ約1mmの粘着ゲルを2×5cmの長方形に切取り、片
面をベークライト板に貼りつけ、もう片面を解放状態で
40℃、40RH%の環境下に約2週間放置する。この開放面
に軟質塩化ビニルのフィルムを接着させる。このフィル
ムを長辺方向に、粘着シートから180゜の角度、30cm/mi
nの速度で引き剥がす時の力を5cm間で平均し、これを40
℃、40RH%の環境下における剥離力(P40)とする。同
様な測定を40℃、90RH%の環境下に同様2週間程度放置
したサンプルについても行ないこれを(P90)とする。
これら2つのデータから(P90/P40)を計算し、これを
剥離力の低下率とする。
4.吸湿増加率(IA) 厚さ約1mmの粘着シートを20mmφに打抜き、40℃、75R
H%の環境下に約2週間放置し吸湿量(W75)を求める。
この時同一形状のシートを40℃、90RH%の環境下に同様
2週間程度放置し、吸湿量(W90)を求める。これら2
つのデータから((W90−W75)/W75)を求め、吸湿増加
率とする。
[ポリマーおよびゲルの調整] 比較例1 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
2−ヒドロキシメタクリレート 43.9部 アクリル酸 6.1 メタノール 75.0 窒素をパージした後、開始剤としてAIBN(アゾビスイ
ソブチロニトリル)を1.4部添加し、還流下18時間の重
合を行なった。系を室温近くまで、冷却の後、5N−水酸
化ナトリウム溶液10.11部添加し、アクリル酸の中和度
を0.5にコントロールした。重合溶媒と、中和に使用し
た水分を加熱により除去しポリマーを粉砕した。
得られたポリマー10部に対し、グリセリン28部、精製
水12部を加え、80℃、16時間で溶解均一なドープを得
た。
このドープ50部に対し、4官能性ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテルを、0.5部添加し、60℃、16時間
の加熱によって粘着性のゲルを得た。
比較例2 仕込材料は下記の通り。
ブチルアクリレート 32 部 アクリル酸 18 メタノール 75 AIBN 1.64 比較例1と同様な操作によって、均一なドープを得
る。
このドープ50部に対し、4官能性ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテルを、0.42部添加し、60℃、16時間
の加熱によって粘着性のゲルを得た。
実施例1 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
ブチルアクリレート 18.0 部 アクリル酸 2.0 メタノール 30.0 過塩素酸リチウム 1.0 AIBN 0.51 窒素気流下、還流温度で約16時間の重合を行なった。
系全体を室温附近まで冷却し、可塑剤としてポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(オキシエチレンの
平均繰返し数7.5)14.0部、ジメトキシポリエチレング
リコール(分子量約300)6.0部を添加混合し、更に3N−
水酸化カリウム約5部添加し、アクリル酸の中和度を0.
5にコントロールする。中和反応が完結し、溶液全体が
室温に戻ったことを確認し、4官能性ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテルを、0.2部添加し、60℃、16時
間の加熱によって粘着性のゲルを得た。
実施例2 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
ブチルアクリレート 14.0 部 アクリル酸 2.0 MPEGMA(n=9) 4.0 メタノール 30.0 過塩素酸リチウム 1.0 AIBN 0.51 ※MPEGMA(n=9)はメトキシポリエチレングリコール
(エチレンオキサイドの繰返し数n=9)メタクリレー
トを意味する。
実施例1と同一操作、同一条件で粘着性のシートを得
た。
実施例3 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
ブチルアクリレート 14.0 部 アクリル酸 2.0 MBEGMA(n=23) 4.0 メタノール 30.0 過塩素酸リチウム 1.0 AIBN 0.51 ※MPEGMA(n=23)はメトキシポリエチレングリコール
(エチレンオキサイドの繰返し数n=23)メタクリレー
トを意味する。
実施例1と同一操作、同一条件で粘着性のシートを得
た。
実施例4 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
ブチルアクリレート 14.0 部 アクリル酸 2.0 MPEGMA(n=23) 4.0 メタノール 30.0 過塩素酸リチウム 1.0 AIBN 0.52 窒素気流下、乾溜温度で約16時間の重合を行なった。
系全体を室温附近まで冷却し、可塑剤としてポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(オキシエチレンの
平均繰返し数7.5)8.1部、グリセリンカーボネート24.4
部を添加混合し、更に3N−水酸化カリウム約5部添加
し、アクリル酸の中和度を0.5にコントロールする。中
和反応が完結し、溶液全体が室温に戻ったことを確認
し、4官能性ポリグリセロールポリグリシジルエーテル
を、0.27部添加し、60℃、16時間の加熱によって粘着性
のゲルを得た。
実施例5 3ツ口セパラブルフラスコに、次の割合で原材料を仕
込んだ(重量部)。
ブチルアクリレート 14.0 部 アクリル酸 0.4 MPEGMA(n=23) 4.0 MOETMAC 4.0 メタノール 30.0 過塩素酸リチウム 1.0 AIBN 0.52 ※MOETMACはメタクリロイルオキシエチレントメチルア
ンモニウムクロライドを示す。
窒素気流下、乾溜温度で約16時間の重合を行なった。
系全体を室温附近まで冷却し、可塑剤としてポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(オキシエチレンの
平均繰返し数7.5)16.0部、ジメトキシポリエチレング
リコール(分子量約300)4.0部を添加混合し、更に3N−
水酸化カリウム約5部添加し、アクリル酸の中和度を0.
5にコントロールする。中和反応が完結し、溶液全体が
室温に戻ったことを確認し、4官能性ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテルを、0.22部添加し、60℃、16時
間の加熱によって粘着性のある体積抵抗値556KΩ・cmの
ゲルを得た。
[特性評価] 1.体積抵抗値の比較 実施例1,2,3の体積抵抗値の比較を表1に示す。この
データは、導電性に及ぼすアルキレンオキサイド長鎖を
導入効果を示す物である。
2.従来技術との比較 次に比較例1、2と実施例4との各特性値を表2に示
し、本発明がこれまでの技術から成る物に比べ優れてい
る点を明らかにしたいと思う。
表2.では、本発明の技術から成るゲルの親水性が、こ
れまでの物に比べ低く抑えられているため、導電性がこ
れまでの物に比べると、若干悪くはなっているものの、
高湿度下に於ける使用、或いは保存に於ける、粘着性の
低下についての改善が充分成されていることが認められ
る。
3.その他 実施例5は、解離性官能基としてカルボン酸塩と他の
解離性官能基との共存が可能であることを示すものであ
る。
明細書本分注で述べたように、架橋の手段としては、
実施例に示したカルボン酸塩と水溶性グリシジル化合物
との反応だけに範囲が限定されたものではなく、あらゆ
る周知の手段も、利用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/0408 A61N 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノマー単位として、炭素数が2〜18のア
    ルキル基を有するアルキルアクリレートを40mol%以上
    有し、且つ解離性官能基を2〜24mol%有し、且つアル
    キレンオキサイドの繰返し単位が2以上の、アルキレン
    オキサイド長鎖を側鎖に有することを特徴とするポリマ
    ーを使用することを必須条件とし、更にこのポリマーを
    可塑化し、低分子解離性塩を溶解含有せしめ三次元架橋
    体構造を形成せしめた導電性粘着ゲルであって、充分な
    強度を有し、人体表皮に充分な強度で接着し、40℃水中
    に於ける平衡膨潤度が3.5以下であることを特徴とする
    医療用導電性粘着ゲル。
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