JP2805225B2 - プラスチック成形品の接着方法 - Google Patents

プラスチック成形品の接着方法

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JP2805225B2 JP30016489A JP30016489A JP2805225B2 JP 2805225 B2 JP2805225 B2 JP 2805225B2 JP 30016489 A JP30016489 A JP 30016489A JP 30016489 A JP30016489 A JP 30016489A JP 2805225 B2 JP2805225 B2 JP 2805225B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に光学用材料として好適な熱可塑性飽和
ノルボルネン系ポリマー成形品の接着法に関し、さらに
詳しくは、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーからな
るプラスチック成形品どうし、または該成形品と異なる
材料、例えば、他のプラスチック成形品または金属等の
材料とを強固に接着する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、例えば、光ディスク基板やプラスチックレンズ
等の光学用透明プラスチック成形材料として、ポリカー
ボネート(PC)およびポリメチルメタクリレート(PMM
A)が主として用いられてきた。しかしながら、PCは複
屈折が大きく、また、PMMAは吸水性が大きく、耐熱性も
不十分であり、ますます高度化する要求に応えることが
困難となってきている。
最近、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添
加物やノルボルネン系モノマーとエチレンとの付加型ポ
リマーのような熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー
が、光ディスク基板などの光学用プラスチック成形材料
として注目をあびてきている(特開昭60−26024号、同6
4−24826号、60−168708号、61−115912号、同61−1208
16号など)。
熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーは、透明性に優
れ、複屈折が小さく、耐熱性、耐吸水性等にも優れてお
り、光学用に非常に有用な材料である。さらに、該ポリ
マーは、強度、耐水性、電気絶縁性、耐溶剤性、酸やア
ルカリ等への耐薬品性にも優れており、光学用途以外に
も、電気絶縁材料、容器やフィルム等の耐湿包装材料と
しても有用である。
しかしながら、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー
からなる成形品は、お互いどうし、または他の材料と接
着しにくいという問題がある。
一般的に、プラスチック成形品は、それ単独で用いる
こともあるが、お互いに接着したり、他の材料と接着し
て用いることが多い。
光学用成形品では、例えば、直径300mmの大型の光デ
ィスクの場合、温度や湿度の変化による基板の反りを補
正するために、同じ材料の基板を2枚張り合わせて用い
ることがある(接着貼り合わせ構造の光ディスク)。ま
た、光ディスクの中心部にハブと呼ばれる小さな金属製
の円板を接着して用いることもある。さらに、成形され
たプラスチックレンズはホルダーに接着して用いること
が多い。
電気絶縁材料でも、プラスチック成形品と他の材料と
を接着して用いることが多い。
従来の光学用透明プラスチック成形品は、通常用いら
れる一般的な溶剤系やエマルジョン系の接着剤で接着す
ることができる。
例えば、CPどうしまたは、CPとステンレス等の金属
は、シアノアクリレート系接着剤、エポキシ系接着剤、
ポリウレタン系接着剤などで接着できる。
また、PMMAどうしまたは、PMMAとステンレス等の金属
は、シアノアクリレート系接着剤、エポキシ系接着剤ま
たはアクリル系接着剤などで接着できる。
ところが、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーから
なる成形品は、一種のオレフィン樹脂であるため、表面
の濡れが悪く、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレ
フィン樹脂と同様に接着しにくく、上述のいずれの接着
剤を用いても接着できず、該成形品どうしも、該成形品
と他の材料とも接着力が弱く、容易に剥がれてしまう。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマ
ーからなる成形品の接着力の改善された接着方法を提供
することにある。
そこで、本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意研究
を重ねた結果、紫外線硬化型接着剤を用いることによ
り、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーからなるプラ
スチック成形品どうしまたは該成形品と他の材料とを強
固に接着できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
〔問題点を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系ポリマーの成形品どうし、または該成形品と異なる
材料とを接着する方法であって、接着剤として、 単官能アクリレートモノマー類、多官能アクリレート
モノマー類、末端にアクリロイル基を持つポリエステル
アクリレート、エポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸
でエステル化し官能基をアクリロイル基としたエポキシ
アクリレート、ポリウレタンアクリレート、分子鎖中に
二重結合を持つ不飽和ポリエステル、および1,2−ポリ
ブタジエンから選ばれる反応性モノマーおよび/または
反応性オリゴマー、 光重合開始剤、並びに 溶剤、紫外線に不活性な熱可塑性ポリマー、および充
填剤から選ばれる少なくとも1種 を含有する紫外線硬化型接着剤を用い、該接着剤を被着
体に塗布し、塗布面を貼り合わせた後、紫外線を照射し
て、光重合開始剤によるラジカル重合を行って硬化させ
ることを特徴とするプラスチック成形品の接着方法が提
供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー) 本発明が対象とする成形材料は、熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系ポリマーであって、具体例として下記に一般式
〔I〕および/または〔II〕で表される構造単位を有す
る重合体を挙げることができる。
〔ただし、式中、R1およびR2は、水素、炭化水素残基、
ハロゲン、エステル、ニトリルピリジルなどの極性基
で、それぞれ同一または異なっていてもよく、また、R1
およびR2は互いに環を形成していてもよい。nは、正の
整数である。qは、0または正の整数である。〕 〔ただし、式中、R3およびR4は、水素、炭化水素残基、
ハロゲン、エステル、ニトリルピリジルなどの極性基
で、それぞれ同一または異なっていてもよく、また、R3
およびR4は互いに環を形成していてもよい。lおよびm
は正の整数で、pは0または正の整数である。〕 一般式〔I〕で表される構造単位を有する重合体は、
単量体として、例えば、ノルボルネン、およびそのアル
キルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−
メチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノル
ボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル
−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン等:ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジクロペ
ンタジエン、これらのメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル等のアルキル置換体、およびハロゲン等の極性基置換
体:ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルお
よび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の
極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタ
ノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−
エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a
−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例え
ば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタ
ヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメ
タノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒ
ドロ−1H−シクロペンタアントラセン等を使用し、公知
の開環重合方法により重合して得られる開環重合体を、
通常の水素添加方法により水素添加して製造される飽和
重合体である。
また、一般式〔II〕で表される構造単位を有する重合
体は、単量体として、前記のごときノルボルネン系モノ
マーと、エチレンを公知の方法により付加共重合して得
られる重合体および/またはその水素添加物であって、
いずれも飽和重合体である。
分子量の範囲は、シクロヘキサンを溶剤とするGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)分析
により測定した数平均分子量で1〜20万が適当である。
また、分子鎖中に残留する不飽和結合を水素添加反応に
より飽和させる場合には、耐光劣化や耐候劣化性などか
ら、水添率は90%以上が好ましい。
また、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーは、重合
体〔I〕および〔II〕の製造過程で、α−オレフィンや
シクロオレフィンなどの他のモノマー成分を共重合した
ものであっても構わない。
また、使用目的に合わせて他の樹脂とブレンドして用
いる場合にも、本発明の接着方法は有効である。
さらに、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーに帯電
防止剤、老化防止剤、ガラス繊維等のフィラー、染料、
顔料などの添加剤を添加して得た成形品にも、本発明の
接着方法は有効である。
本発明に係わる熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー
の成形品の成形方法には、特に制約は無く、例えば、光
ディスクやレンズのように出射成形によって得られるも
の、チューブや棒状に溶融押出成形したもの、溶融押出
してロールで巻き取ったシートやフィルム、熱プレスに
よりシート状に成形したもの、溶剤溶液をキャストして
得られるフィルム、さらに延伸による延伸フィルムなど
が挙げられる。
(紫外線硬化型接着剤) 紫外線硬化型接着剤は、反応性モノマーおよび/また
は反応性オリゴマーと光重合開始剤が必須成分となり、
所望により安定剤や酸化防止剤、重合禁止剤などが含ま
れた組成となっている。
反応性モノマーとしては、アクリレート類がその主な
ものであるが、具体的には、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルア
クリレート、その他の高級アルキルアクリレート等の単
官能アクリレートモノマー類;ビニルピロリドン等のそ
の他の単官能モノマー類;エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等のポリオール類に2個以上
のアクリレートが結合した多官能アクリレートモノマー
類;を挙げることができる。
反応性オリゴマーとしては、末端にアクリロイル基を
持つポリエステルアクリレート、エポキシ樹脂のエポキ
シ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル
基としたエポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレ
ート、分子鎖中に二重結合を持つ不飽和ポリエステル、
1,2−ポリブタジエンなどを挙げることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、
メチルオルソベンゾイルベンゾエート、ベンゾインアル
キルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、塩素化ア
セトフェノン、α−アシロキシムエステル等をあげるこ
とが出来る。
紫外線を照射すると、これら反応性モノマーおよび/
または反応性オリゴマーが光重合開始剤によりラジカル
重合が開始または促進され、硬化することにより、接着
性能が発現する。さらに、粘度を調製したり、接着力を
向上することを目的として、適当な溶剤や熱可塑性ポリ
マー、各種の充填剤を加えてもよい。
溶剤を添加する場合には、熱可塑性飽和ノルボルネン
系ポリマーの良溶剤であるベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、デカリン等の脂環族溶剤が適当である。成形品の
方面を侵さない程度の量を添加することにより、接着剤
と被着体との漏れを改良し、接着力を向上させることが
できる。
一般的に類似の構造を持ったポリマーどうしは相溶性
が良く、濡れが良いため、接着力を向上することを目的
として、紫外線に不活性な熱可塑性ポリマーを添加する
ことができ、このようなポリマーを添加するのであれ
ば、構造式〔I〕または〔II〕で表される被着材料と類
似の構造を持ったポリマーを用いるのが効果的である。
具体的には、式〔I〕または式〔II〕で表されるノルボ
ルネン系ポリマー自体や、ジシクロペンタジエン系、ジ
エン系、脂肪族系、芳香族系、ウォーターホワイト系な
どの石油樹脂またはこれらの水添物等、および置換また
は非置換のポリスチレン樹脂などが適当である。
また、各種の充填剤を添加することにより、接着剤の
接着力が向上するという現像はよく知られており、例え
ば、マイカ、ガラス繊維、シリカ、チタンホワイト、ア
ルミナ粉、炭酸カルシウム、ゲーサイト、タルク、カオ
リン、ジルコニアなどの金属酸化物類や鉱物類などの無
機充填剤、ポリテトラフルオロエチレン粉末などの不活
性ポリマーをはじめとする有機充填剤類を挙げることが
できる。
これらの中でも、シリカやタルクの微粉末の添加が特
に好ましい。これらの充填剤は、透明に近く、かつ、粒
子が細かいため、添加しても、それ自体が紫外線を強く
吸収することがないため、紫外線に対する感度を低下さ
せることが少なく、効果的な接着力の改良が可能であ
る。
充填剤の好ましい添加量の範囲は、光反応性モノマー
とオリゴマーの合計100重量部に対して、通常、5〜200
重量部、好ましくは10〜100重量部である。この範囲よ
り少ない場合には、接着力の改善効果が十分ではなく、
この範囲よりも多い場合には、接着層が脆くなり、接着
強度が低下するという不都合が生じる。
上記の溶剤、熱可塑性ポリマー、充填剤の使用は、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて
もよく、組み合わせて使用することにより、一層の効果
が期待できる。
その他に熱重合禁止剤、光重合禁止剤、粘着性付与剤
等を適宜使用してもよい。
紫外線硬化型接着剤は、市販のものを用いても良く、
例えば、ノガワケミカル社製ダイヤボンドDA855F、855
G、855GH、855P、同UV120B、130、スリーボンド社製300
0シリーズ、サンユレジン社製SUV200、001、300、303、
ソマール工業社製NFシリーズ、サンワ化学社製UBA−30
1、明星チャーチル社製フォトボンドシリーズ、ソニー
ケミカル社製17A、19A、東亜合成化学社製アロンタイト
BU333V、BU246V、セメダイン社製Y−860等を挙げるこ
とができる。
(接着方法) 接着剤を被着体の両方または片方に塗布し、直ちに塗
布面を貼り合わせ、動かないように固定する。接着剤が
溶剤を含む場合には溶剤を熱風乾燥機等で十分に乾燥す
る。乾燥温度と時間は含まれる溶剤の種類、塗布量、接
着面の形状にもよるが、被着体の熱変形がないように、
120℃以下で乾燥することが好ましい。
その後、高圧水銀灯などの紫外線を効率的に発生する
光源から紫外線を照射することにより、硬化が短時間で
おこり、強い接着力が得られる。照射量は反応性モノマ
ー、反応性オリゴマー、光重合開始剤の反応性によって
も異なるが、80W/cmの高圧水銀灯の場合、5〜10秒程度
の短時間で硬化させることができる。
〔実施例〕
以下に実施例、参考例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定される
ものではない。
[参考例1] 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a
−オクタヒドロナフタレン(MTD)の開環重合体の水添
物(数平均分子量28,000、水添率ほぼ100%、ガラス転
移温度152℃)を射出成形して、幅25mm、長さ100mm、厚
さ2mmの板を作成した(試験片A)。
[参考例2] 反応性モノマーとしてジペンタエリストールヘキサア
クリレートを100g、光重合開始剤(チバガイギー社製、
商品名イルガキュア184)を3g、およびトルエンを40gと
を混合撹拌し紫外線硬化型接着剤を調製した。
[実施例1] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、両方に、参
考例2で調製した紫外線硬化型接着剤を塗布し、直ち
に、接着面が縦25mm、横25mmとなるように塗布面を貼り
合わせ、コールドプレスにより圧締(圧締圧:1kg/cm2
した。
100℃の温風乾燥機で30分乾燥後、20℃で30分静置し
た後、接着面を固定したまま、80W/cmの高圧水銀灯で10
cmの距離から5秒間紫外線を照射して硬化させた。
接着した2つの試験片の一方の端を固定し、他方の端
に10kgのおもりをぶらさげて、10分間静置したところ、
接着面は剥がれ落ちず、良好な接着力を示した。
[比較例1] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方
に、シアノアクリレート系接着剤(積水化学(株)製、
商品名エスダイン800)を室温で塗布し、直ちに、接着
面が縦25mm、横25mmとなるように塗布面を貼り合わせ、
コールドプレスにより圧締(圧締圧:1kg/cm2)した。
20±2℃で24時間養生した後、接着した2つの試験片
の一方の端を固定し、他方の端に10kgのおもりをぶらさ
げたところ、接着面が剥がれ落ちた。
[参考例3] 反応性モノマーとしてペンタエリスリトールトリアク
リレートを100g、光重合開始剤(チバガイギー社製、商
品名イルガキュア184)を3g、およびジシクロペンタジ
エン系水添石油樹脂(トーネックス社製、商品名エスコ
レッツ5300)を50gとを混合撹拌し紫外線硬化型接着剤
を得た。
[実施例2] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方に
参考例3で調製した紫外線硬化型接着剤を塗布し、固定
した状態で実施例1と同様に紫外線を照射して接着し
た。
実施例1同様にして、おもりをぶらさげたところ接着
面が剥がれ落ちることはなかった。
[参考例4] ノガワケミカル社製の紫外線硬化型接着剤(商品名ダ
イヤボンドDA855P)100gとトルエン70gを混合し接着剤
組成物を得た。
[実施例3] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方に
参考例4で調製した接着剤を塗布し、固定した状態で実
施例1と同様に乾燥、冷却した後、紫外線を照射して接
着した。
実施例1同様にして、おもりをぶらさげたところ接着
面が剥がれ落ちることはなかった。
[参考例5] MTDとジシクロペンタジエン(DCP)との混合モノマー
(MTD/DCP=70/30モル比)を開環重合して得た共重合体
の水添物(数平均分子量27,000、水添率ほぼ100%、ガ
ラス転移温度133℃)を射出成形して、参考例1と同様
の板を作成した(試験片B)。
[実施例4] 参考例1で作成した試験片Aと、参考例5で作成した
試験片Bの両方に参考例3で調製した紫外線硬化型接着
剤を塗布し、固定した状態で実施例1と同様に、紫外線
を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[参考例6] MTDとエチレンとの付加共重合体(エチレン含量モル6
0%、数平均分子量32,000、ガラス転移温度130℃)を射
出成形して、参考例1と同様の板を作成した(試験片
C)。
[実施例5] 参考例1で作成した試験片Aと、参考例6で作成した
試験片Cの両方に参考例3で調製した接着剤を塗布し、
固定した状態で実施例1と同様に乾燥、冷却した後、紫
外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[比較例2] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方
に、エポキシ系接着剤(セメダイン社製、商品名セメダ
インスーパー5)を塗布し、直ちに、固定した。
20±2℃で24時間養生した後、実施例1と同様にし
て、おもりをぶらさげたところ接着面が剥がれ落ちた。
[比較例3] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方
に、ポリウレタン系接着剤(セメダイン社製、商品名セ
メダイン700)を塗布し、直ちに、固定した。
20±2℃で24時間養生した後、実施例1と同様にし
て、おもりをぶらさげたところ接着面が剥がれ落ちた。
[比較例4] 参考例1で作成した試験片Aを2枚用い、その両方
に、アクリル系接着剤(コニシ社製、商品名ボンドVP−
2000)を塗布し、直ちに、固定した。
20±2℃で24時間養生した後、実施例1と同様にし
て、おもりをぶらさげたところ接着面が剥がれ落ちた。
[実施例6] 参考例1で作成した試験片Aと厚さ2mmのアルミニウ
ム板を用い、その両方に参考例1で調製した紫外線硬化
型接着剤を塗布し、固定した状態で実施例1と同様に乾
燥、冷却した後、紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[実施例7] 参考例1で作成した試験片Aと厚さ5mmの真鍮板を用
い、その両方に参考例1で調製した紫外線硬化型接着剤
を塗布し、固定した状態で実施例1と同様に乾燥、冷却
した後、紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[実施例8] 参考例1で作成した試験片Aと厚さ1mmの鋼板(SUS31
6板)を用い、その両方に参考例1で調製した紫外線硬
化型接着剤を塗布し、固定した状態で実施例1と同様に
乾燥、冷却した後、紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[実施例9] 参考例1で作成した試験片Aと厚さ2mmのポリカーボ
ネート板(三菱ガス化学社製の商品名ユービロンH−40
00を成形したもの)を用い、その両方に参考例1で調製
した紫外線硬化型接着剤を塗布し、固定した状態で実施
例1と同様に乾燥、冷却した後、紫外線を照射して接着
した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[実施例10] 参考例1で作成した試験片Aと厚さ2mmのPMMA板(三
菱レーヨン社製の商品名アクリペットVHを成形したも
の)を用い、その両方に参考例1で調製した紫外線硬化
型接着剤を塗布し、固定した状態で実施例1と同様に乾
燥、冷却した後、紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ接
着面が剥がれ落ちることはなかった。
[参考例7] 紫外線硬化型接着剤(スリーボンド社製、商品名300
6、充填剤の入っていないタイプ)100重量部に対して、
タルク(和光純薬社製、一級)20重量部を添加し、接着
剤組成物を得た。
[実施例11] 参考例1で作成した試験片A2枚を用い、その両方に参
考例7で調製した紫外線硬化型接着剤を塗布し、固定し
た状態で実施例1と同様に紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ、
接着面がはがれ落ちることはなかった。
[参考例8] ウレタンアクリレート樹脂(日本合成社製、商品名XP
−7000B)20重量部、トリメチロールプロパントリアク
リレート50重量部、ポリスチレン樹脂(出光石油化学社
製、商品名スチロールHF10)30重量部、光重合開始剤
(メルク社製、商品名ダロキュア1173)2重量部を混合
し、接着剤組成物を得た。
[実施例12] 参考例1で作成した試験片A2枚を用い、その両方に参
考例8で調製した紫外線硬化型接着剤を塗布し、固定し
た状態で実施例1と同様に紫外線を照射して接着した。
実施例1と同様にして、おもりをぶらさげたところ、
接着面がはがれ落ちることはなかった。
以上の実施例および比較例から明らかなように、熱可
塑性飽和ノルボルネン系ポリマーからなる成形品どう
し、または該成形品と異なる材料とを接着する場合に、
接着剤として紫外線硬化型接着剤を用いると、良好な接
着力の得られることが分かる。
なお、実施例において、接着体として熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系ポリマーの射出成形による板状の試験片を
用いたが、接着力の大小は材質によって決まるため、成
形方法、成形品の形状あるいは材料の分子量により本発
明が制約を受けるものではないことは明らかである。
また、紫外線硬化型接着剤と、紫外線硬化型保護コー
ト剤および紫外線硬化型ハードコート剤は、使用するモ
ノマーやオリゴマー、材料の粘度に若干の違いはあるも
のの、基本的に同様の組成のものであるから、この技術
の応用として、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーか
らなる面と、金属等の他の材料からなる面が連続する同
一面上にある場合の表面保護の形成方法、例えば、熱可
塑性飽和ノルボルネン系ポリマーからなる光情報ディス
ク基板上の記録膜の保護膜の形成方法としても有用であ
る。
〔発明の効果〕
本発明により、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー
からなる成形品どうし、または該成形品と異なる材料と
を接着する方法であって、接着力の改善された接着方法
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−150529(JP,A) 特開 昭63−211085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 5/00 - 5/10 C09J 133/00 - 133/26 C08J 5/00 - 5/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーの成
    形品どうし、または該成形品と異なる材料とを接着する
    方法であって、接着剤として、 単官能アクリレートモノマー類、多官能アクリレート
    モノマー類、末端にアクリロイル基を持つポリエステル
    アクリレート、エポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸
    でエステル化し官能基をアクリロイル基としたエポキシ
    アクリレート、ポリウレタンアクリレート、分子鎖中に
    二重結合を持つ不飽和ポリエステル、および1,2−ポリ
    ブタジエンから選ばれる反応性モノマーおよび/または
    反応性オリゴマー、 光重合開始剤、並びに 溶剤、紫外線に不活性な熱可塑性ポリマー、および充
    填剤から選ばれる少なくとも1種 を含有する紫外線硬化型接着剤を用い、該接着剤を被着
    体に塗布し、塗布面を貼り合わせた後、紫外線を照射し
    て、光重合開始剤によるラジカル重合を行って硬化させ
    ることを特徴とするプラスチック成形品の接着方法。
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