JP2802844B2 - 酒類又は食品の製造方法 - Google Patents
酒類又は食品の製造方法Info
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Description
法に関し、更に詳細には、原料利用率が向上した、加熱
香気を有する酒類又は食品の製造方法に関する。
比較的低温度、例えば、清酒醪では15℃前後、及びみ
りん醪では20〜40℃で行うのが一般的である。これ
は、酒類原料である穀物の成分デンプンやタンパク質が
麹酵素により醪中で溶解されるが、この酵素の最適温度
が比較的低温で、また、デンプンやタンパク質の分解生
成分を更に低分子化する麹酵素も同様である。そのた
め、醪中の原料溶解を円滑に進めるために、比較的低温
で長時間醸造するのが一般的である。したがって、この
ようにして得られる酒類は、通常の清酒やみりんとなる
が、原料の有効成分や麹の代謝産物が粕中に多く残存す
る結果となる。
た酒類である清酒やみりんは、調理において、煮切りし
たり、またかんざまし等加熱して使用される場合もあ
り、加熱により生成する香気成分、アミノ−カルボニー
ル反応で生成する成分も重要な役割をもつことが知られ
ている。また、醪中において、原料の有効成分や麹の代
謝産物は、長期間の糖化・熟成や糖化・発酵において米
麹や掛米のデンプン質が老化して不溶性となり粕に残存
するのみならず、特に製麹中に老化したデンプンも粕に
残存することになり、これらのデンプン成分は充分に製
品へ移行しない。また、合成みりんの製造法(特公昭3
8−25282号)において加熱熟成する方法が知られ
ているが、醪を加熱することは知られていない。本発明
の目的は、上記従来の酒類の醪中有効成分を製品中へよ
り多く移行させ(したがって原料利用率の向上した)、
加熱香気が付与された酒類又は食品を得るための製造方
法を提供することにある。
発明は製造工程中で醪を使用する酒類又は食品の製造に
おいて、醪を加熱する工程を含むことを特徴とする酒類
又は食品の製造方法に関し、更に詳細には、アミラーゼ
又は耐熱性アミラーゼを用いることにより、原料利用率
が向上し、加熱香気と醪中有効成分がより多く製品中へ
移行した製品を得るための製造方法である。
発酵は常温(10°〜40℃)で行われる。これは麹酵
素がこの温度範囲で総合的に作用するからである。
果、この醪中での麹酵素による醸造成分の生成に加え、
醪を加熱すること、更に好ましくはアミラーゼ又は耐熱
性アミラーゼを作用させることにより、好結果が得られ
ることを見出して、本発明を完成するに到った。
び酵母よりなる清酒醪、並びに麹、掛米、醸造用アルコ
ール等(更には水飴が入っていてもよい)よりなるみり
ん醪、また麹、掛米、水よりなる甘酒醪、清酒粕及び/
又はみりん粕及び水よりなる混合物の醪等であるが、こ
れらを組合せたものでもよい。
酒、みりん以外にも、料理用酒等があり、食品とは、甘
酒以外に発酵調味料、みりん風調味料、塩みりん、み
そ、しょう油、食酢等、デンプン質原料を用いる酒類・
食品の醸造食品であればよい。デンプン質原料は、米
(もち米、うるち米)、麦、ヒエ、アワ、トウモロコ
シ、芋類等があり、粒状、粉状等形状にこだわらない。
熱性アミラーゼは、植物、動物及び微生物起源にこだわ
らない。また製剤や抽出液であってもよい。ここで、ア
ミラーゼ及び耐熱性アミラーゼの使用量は麹を除く固型
原料重量の1/1000以下であれば良い。使用時期は
仕込当初に添付しても良いし、加熱時期に添加しても良
い。また、これらアミラーゼ類以外のプロテアーゼ、セ
ルラーゼ等をそれぞれ単独で使用するかアミラーゼ類と
併用しても良い。
・熟成又は糖化・発酵のいずれの時期でも実施可能であ
るが、好ましくはこれらの時期の後期が望ましい。例え
ば、仕込後1日以降、好ましくは10日以降である(検
討例1−表1)。また、加熱条件は、温度については5
0℃以上、好ましくは60℃以上であり、時間について
は30分以上が好ましい(検討例1−表2及び表3)。
これは、醪中の老化デンプンを再糊化し、これらデンプ
ンを耐熱性アミラーゼで溶解させると共に、醪中に残存
する麹の諸酵素を効率良く短時間に作用させて製品中成
分の増強を行うことができるからである(検討例1−表
4)。更には、麹成分の抽出と醪中の殺菌も行うことが
できるのみならず、麹の諸酵素で生成した低分子成分同
士の非酵素的反応が円滑に行われる。すなわち、従来法
では味なれと加熱香気の生成が一応行われるが、本発明
方法によればより一層の香味成分の増強と複雑な加熱香
気の増強が達成できる。ここで、加熱時、醪中アルコー
ル分や水分は、蒸発するが凝縮器で回収、還流、
循環、そのまま蒸発させてもよい。
る。搾汁は常法通りに処理して製品とするが、既に加熱
により殺菌されているので、火入れ殺菌工程を省略する
ことも可能である。
する。 検討例1
35%w/wアルコールを混合し、醪となし、30℃で
熟成した。 醪加熱:耐熱性アミラーゼ(XP−404、ナガセ製)
70mgを添加し、90℃で120分間加熱した。 加熱香気:− 無し、± かすかにあり、+ あり、+
+ やや多い、+++充分にあり。
0分、その他条件は表1と同じ。
間以外、その他の条件は表1と同じ。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
蒸煮し、放冷後種もやしを接種し、48時間製麹して米
麹を得た。掛米として、85%もち精白米を浸漬、水切
後加圧蒸煮(120℃、20分)し、蒸もち米を得た。
この麹93g、蒸もち米628g、35%(w/w)醸
造用アルコール279g及び耐熱性アミラーゼ(XP−
404、1500単位* /g、ナガセ生化学工業製)7
0mgを混合し、醪となし、30℃で30日糖化・熟成を
行った。熟成後、醪を90℃で1時間加熱した。また蒸
発した蒸気は、凝縮器で留液を回収し、回収液とした。
加熱醪から得られた搾汁と加熱しない醪(対照醪)から
の搾汁の一般的な分析値及び原料利用率を求めた。その
結果を表5に示す。
デンプンのヨウ素による青色をpH5.3、40℃で1
0分間に10%減少させる酵素活性である。
照の91.0%及び12.8%に対し、それぞれ95.
9%及び29.8%と向上した。また得られた搾汁液
は、対照に比べ糖濃度59.2%(1.32倍)及び全
窒素219mg%(2.84倍)と濃厚で加熱香気に富
んだ煮切りみりんが得られた。官能検査の結果、加熱醪
のみりんは、対照に比べ旨味が豊富で、また味なれして
いると評価された。
造を行った。75%精白の掛米は、常圧蒸煮米(100
℃、30分間)を使用した。米麹は、75%精白の蒸煮
米を用い常法に従って調製したものを用いた。その仕込
配合を表6に示した。また、アミラーゼ(ダビアーゼK
−27、20,000単位/g、ナガセ生工業製)を用
いた。
ンプンのヨウ素による青色をpH5.3、40℃で10
分間に10%減少させる酵素活性である。
母を混合し醪を調製した。24時間後、留添を行い15
℃で発酵を行い、留添後18日目で醪を90℃で1時間
加熱した後、冷却してその醪を圧搾ろ過した。対照は、
加熱せずそのまま醪を圧搾したものを用いた。それらの
圧搾液の成分分析を行い、その結果を表7に示す。
らの清酒では対照のそれぞれ5.76倍及び2.3倍と
なった。また、この加熱醪からの清酒は、加熱香気が豊
かで、甘味も強く、調理に好適であるとの官能評価が得
られた。
で甘酒を試作した。この配合で仕込んだ後、55℃で2
4時間糖化した。その甘酒を100℃で20分間加熱し
た。その結果、加熱した甘酒は加熱しない甘酒に比べ、
粘稠性があり、かつ甘味も多く、濃厚感のある品質とな
った。更に日持する特徴も有した。
の製造方法において醪を加熱し、更には、アミラーゼ又
は耐熱性アミラーゼを用いることによって、原料利用率
が向上し、加熱香気を有する製品とすることができ、本
発明は製品の多様化にとっても極めて有用な酒類・食品
の製造方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】 製造工程中で醪を使用する酒類又は食品
の製造において、醪を加熱する工程を含むことを特徴と
する酒類又は食品の製造方法。 - 【請求項2】 アミラーゼ又は耐熱性アミラーゼを用い
ることを特徴とする請求項1に記載の酒類又は食品の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27359091A JP2802844B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 酒類又は食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27359091A JP2802844B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 酒類又は食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0576339A JPH0576339A (ja) | 1993-03-30 |
JP2802844B2 true JP2802844B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=17529912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27359091A Expired - Lifetime JP2802844B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 酒類又は食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2802844B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100795869B1 (ko) * | 2005-11-25 | 2008-01-21 | 김종견 | 2차 발효 막걸리 식품의 제조방법 |
JP4628318B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2011-02-09 | 朝日酒造 株式会社 | 清酒の製造方法 |
JP2019140992A (ja) * | 2018-02-22 | 2019-08-29 | 株式会社 伊藤園 | 容器詰甘酒飲料の製造方法及び容器詰甘酒飲料の風味向上方法 |
CN109161468B (zh) * | 2018-10-23 | 2020-11-24 | 江南大学 | 一种提高淀粉利用率的固态酿醋方法 |
CN109280608A (zh) * | 2018-11-28 | 2019-01-29 | 宜宾学院 | 一种利用固态发酵生产麸醋的方法 |
-
1991
- 1991-09-26 JP JP27359091A patent/JP2802844B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0576339A (ja) | 1993-03-30 |
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