JP2801641B2 - 陶板材等の面接合工法 - Google Patents

陶板材等の面接合工法

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JP2801641B2 JP1130463A JP13046389A JP2801641B2 JP 2801641 B2 JP2801641 B2 JP 2801641B2 JP 1130463 A JP1130463 A JP 1130463A JP 13046389 A JP13046389 A JP 13046389A JP 2801641 B2 JP2801641 B2 JP 2801641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、陶板材、ガラス板等を、コンクリート、ブ
レキャストコンクリート、繊維強化セメント等の表面に
面接合する工法に関する。
<従来の技術> 従来、陶板材、ガラス板等を、コンクリート、プレキ
ャストコンクリート、繊維強化セメント等の表面に面接
合する工法においては、室温硬化性二液型エポキシ樹脂
組成物からなる接着剤やモルタル等の柔軟性に乏しい材
料で接着層を設けていた。
しかし、このような従来の方法では、接着層が柔軟性
に乏しいため、衝撃吸収、コンクリートクラックの防止
などに限界があった。また、前記接着剤は主剤と硬化剤
よりなる二液型であるため、使用時に主剤と硬化剤を計
量、混合する必要があり、施工作業性に難点があった。
近時、接合力を強化し、水の侵入等を防ぎ、僅かでも
コンクリート等の変形を許容しようとして、接着剤とし
てエポキシ変性ポリサルファイド等を主成分とするもの
を用い、これを塗布後、コンクリートを打設したり、ま
たは、塗布後、硅砂撒きして硅砂を介して接合する方法
が一部で行われているが、上記エポキシ変性ポリサルフ
ァイド等を主成分とする接着剤は、耐熱温度が80℃程度
のポリサルファイド自体の可塑性と、エポキシ樹脂の熱
硬化性とのために、接着力は強いが硬度が高く、弾力性
・変形性が乏しく、衝撃吸収性やクラック追従性は充分
ではなく、長期間には疲労し、界面または凝集破断する
に至る場合があった。
また、エポキシ変性ポリサルファイド系接着剤は、二
液型であり、従って施工作業性に問題があり、塗布性、
低温硬化性にも注意を要するという欠点があった。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、上記の事実に鑑みてなされたものであり、
陶板材、ガラス板等とコンクリート等の裏面材との相互
の温度差、乾湿差、振動変位等による膨張収縮等の動き
の差をその接合面で逃し、または吸収しつつ弾性的に接
合し、それらを原因とする陶板材、ガラス板等の割れ、
剥離、落下等を防止し、しかも、陶板材、ガラス板等の
裏面の間隙への水の侵入に伴って生ずる白樺、凍害等を
防止することのできる面接合工法の提供を目的とするも
のである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、陶板材、ガラス板等を、コンクリート、プ
レキャストコンクリート、繊維強化セメント等の表面に
面接合する工法において、陶板材、ガラス板等の裏面に
硬化後の伸びが20〜300%の室温硬化性一液型エポキシ
樹脂組成物を塗布し、該樹脂組成物が硬化した後、前記
コンクリート、プレキャストコンクリート、繊維強化セ
メント等の表面にモルタル貼りを行うか、またはプレキ
ャストコンクリート、繊維強化セメント等を介入打設し
て、弾塑性的に接合せしめることを特徴とする陶板材等
の面接合工法を提供する。
ここで、前記室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物
が、下記の(a)〜(e)成分を含むものである陶板材
等の面接合工法が好ましい。
(a)エポキシ樹脂 (b)式1で示されるケチミン (式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、炭素数1〜6の
アルキル基またはフェニル基、Xは炭素数2〜6のアル
キレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を示
す) (c)変性シリコーン樹脂 (d)変性シリコーン樹脂用触媒 (e)シラン化合物 また、前記変性シリコーン樹脂が、 式2 (式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素基、R2は炭
素数1〜6の1価の炭化水素基、nは0〜2の整数であ
る) で示される加水分解性ケイ素官能基を末端に有するシリ
コーン樹脂である陶板材等の面接合工法、前記変性シリ
コーン樹脂が、前記エポキシ樹脂100重量部に対して10
〜500重量部含まれる陶板材等の面接合工法が良い。
また、前記シラン化合物が、アミノアルキルアルコキ
シシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、メルカ
プトアルキルアルコキシシランまたはこれらの共重合体
であって、分子量が2000以下のアルコキシシラン誘導体
である陶板材等の面接合工法、前記シラン化合物が、前
記エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部含まれ
る陶板材等の面接合工法が好ましい。
加えて、前記室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物
に、さらに、脱水剤が、前記エポキシ樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部含まれる陶板材等の面接合工法が
好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
はじめに、図面を参照しながら本発明を説明する。
本発明法は、第1図に示すように、陶板材1(A)の
裏面1aに、硬化後の伸びが20〜300%の室温硬化性一液
型エポキシ樹脂組成物2を塗布し(B)、硬化養生させ
る(C)。
次に、硬化養生させた陶板材1を、裏面材となるコン
クリート壁面3等の所定位置に引金物等の取付金具4を
介して支持させ(D)、その間にモルタル5を充填し
(E)、その硬化養生により接合を終了する。
あるいは、第2図に示すように、陶板材1(A)の裏
面1aに、硬化後の伸びが20〜300%の室温硬化性一液型
エポキシ樹脂組成物2を塗布し(B)、硬化養生(C)
させた陶板材1を、裏面1aを上向きにして型枠6にセッ
トし、適宜クリップ金物7や引金物8を取付け(D)、
ここに、プレキャストコンクリートまたは繊維強化セメ
ント9を打設し(E)、養生させ(F)、養生後、構築
物10の所定部に取付金具11を介して取付ける(G)もの
である。
前記エポキシ樹脂組成物の塗布は、エヤレスガンやロ
ーラーにて行えばよい。
また、塗布厚さは、予想される変位等を考慮して決定
する。
なお、前記エポキシ樹脂組成物は、その硬化物が陶板
材等によく接着するものを用いることが好ましいが、場
合によっては、陶板材等をプライマー処理した後に、前
記エポキシ樹脂組成物を塗布してもよい。
本発明では、硬化後の伸びが20〜300%ある室温硬化
性一液型エポキシ樹脂組成物を接着剤として用いるの
で、陶板材等とコンクリート等との間で生じる各種原因
に伴う相対的変位を吸収緩和でき、水密、気密、耐熱的
に、しかも弾塑性的に両者を面接合することができる。
用いるエポキシ樹脂組成物の硬化後の伸びが20%未満で
あると、接着層にクラックが発生しやすく、伸びが300
%超であると、エフロレッセンスが発生しやすくなり、
接着性も悪化する。
なお、エフロレッセンス(efflorescence)とは、生
コンクリートからあくが浸み出し、陶板材等を汚染する
ことをいう。
本発明方法が対象とする陶板材等とは、陶板材、ガラ
ス板等である。
また、本発明において用いる前記エポキシ樹脂組成物
は、0℃程度の低温でも24時間以内に硬化し、硬化後、
コンクリートが打込まれた際、特にプレキャストコンク
リートや繊維強化セメントを打設する場合における60
℃、数時間の蒸気養生および発生基アルカリにも変質せ
ず、その後の高温、低温、アルカリ、その他のアタック
にも耐えることのできるものを用いることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂組成物を用いれば、長期にわ
たり、面内変位に追随すると同時に、その保持する面外
接着強度で、面外圧力にも実用上十分の強度を示し、水
密的かつ緻密的で、しかも弾塑性的な接合を持続させ得
る。
ところで、本発明に用いる室温硬化性一液型エポキシ
樹脂組成物は、硬化後の伸びが20〜300%あるものであ
ればいかなるものでもよいが、以下に説明する(a)〜
(e)の成分を含む組成物を代表として挙げることがで
きる。
成分(a)のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等と
エピクロールヒドリンを反応させて得られるビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等や、これらに水
添したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有する
ウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒ
ダントインなどをエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、
ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキ
シ樹脂等があげられるが、これらに限定されるものでは
ない。
また、エポキシ樹脂は、一種類のみでも、二種類以上
を併用してもよい。
成分(b)のケチミンとは、下記式1で示されるケチ
ミンをいう。
(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、炭素数1〜6の
アルキル基またはフェニル基、Xは炭素数2〜6のアル
キレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を示
す) ケチミンは、水分のない状態では安定に存在するが、
水分によって第一級アミンになり、エポキシ樹脂の硬化
剤として機能する。即ち、ケチミンは、潜在性硬化剤で
ある。そして、これにより、成分(a)〜(e)を含む
室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が高
まるとともに、使用時の硬化性が良好なものとなる。
このようなケチミンとしては、1,2−エチレンビス
(イソペンチリデンイミン)、1,2−ヘキシレンビス
(イソペンチリデンイミン)、1,2−プロピレンビス
(イソペンチリデンイミン)、p,p′−ビフェニレンビ
ス(イソペンチリデンイミン)、1,2−エチレンビス
(イソプロピリデンイミン)、1,3−プロピレンビス
(イソプロピリデンイミン)、p−フェニレンビス(イ
ソペンチリデンイミン)等が例示される。
ケチミンは、一種類でも、二種類以上を併用してもよ
い。
ケチミンの使用量は、前記エポキシ樹脂組成物生が貯
蔵される期間にもよるが、一般には、エポキシ樹脂100
重量部に対して1〜60重量部、好ましくは10〜30重量部
とする。1重量部未満では、硬化速度が遅くなるので好
ましくなく、一方、60重量部を超えると、貯蔵時にエポ
キシ樹脂が硬化しやすくなり、貯蔵安定性が低下するの
で好ましくない。
成分(c)の変性シリコーン樹脂とは、例えば、アミ
ノ基、フェニル基、アルコキシ基等の官能基が導入され
たシリコーン樹脂をいうが、下記式2で示される加水分
解性ケイ素官能基を末端に有するシリコーン樹脂を用い
ることが好ましい。
(式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素、R2は炭素
数1〜6の1価の炭化水素基、nは0〜2の整数であ
る) より具体的には、末端にメチルジメトキシシリル基を
有するシリコーン樹脂等が例示され、市販のもの、例え
ば、ポリ(メチルジメトキシシリルエチルエーテル)
(MSP20A、鐘淵化学工業社製)が使用できる。
これらの変性シリコーン樹脂は、一種類のみを使用し
てもよいし、二種類以上を併用してもよい。
このような変性シリコーン樹脂の使用は、前記エポキ
シ樹脂組成物の硬化物への可撓性付与のために重要であ
る。
また、このような変性シリコーン樹脂の硬化は、変性
シリコーン樹脂用触媒の存在で、空気中の水分により行
われる。
変性シリコーン樹脂の使用量は、エポキシ樹脂100重
量部に対して10〜500重量部、好ましくは50〜200重量部
とする。10重量部未満であると、エポキシ樹脂組成物硬
化後の可撓性が十分ではなく、一方、500重量部を超え
ると、接着性が悪くなるので好ましくない。
成分(d)の変性シリコーン樹脂用触媒とは、上記の
変性シリコーン樹脂を硬化させる触媒である。
より具体的には、ジブチル錫オキサイド等のスズ化合
物、オクチル酸鉛等の如きカルボン酸の金属塩、シブチ
ルアミン−2−エチルヘキソエートの如きアミン塩等が
例示され、一種類でも二種類以上を併用してもよい。
変性シリコーン樹脂用触媒の使用量は、変性シリコー
ン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とする。
成分(e)のシラン化合物とは、下記式3で示される
いわゆるシラン系カップリング剤や、該カップリング剤
とポリマーとの反応生成物をいう。
R′Si(OR) ……3 (式中、Rはアルキル基、R′はアミノ基、メルカプト
基、ビニル基、エポキシ基等の有機官能基である) なお、シラン化合物としては、アミノアルキルアルコ
キシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、メル
カプトアルキルアルコキシシランまたはこれらの共重合
体であるアルコキシシラン誘導体を用いることが好まし
い。
より具体的には、アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、アミノプロピルトリメトキシシランとビニルトリメ
トキシシランとの反応生成物、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランとポリサルファイドとの反応生成
物等が例示され、市販のものが使用できる。
これらのシラン化合物の分子量は、2000以下であるこ
とが好ましい。分子量が2000を超えると、接着性が悪く
なる傾向にあり、好ましくない。
シラン化合物は、一種類でも、二種類以上を併用して
もよい。
これらのシラン化合物の使用量は、一般に、エポキシ
樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜
10重量部とする。0.1重量部未満であると、接着性が悪
くなるので好ましくなく、一方、50重量部を超えると、
使用する際に周囲の水分がシラン化合物と反応してしま
うために変性シリコーン樹脂が硬化しにくくなるととも
に、ケチミンが第一級アミンとなってエポキシ樹脂の硬
化剤として機能することを妨げる。これにより、室温硬
化性一液型エポキシ樹脂組成物の硬化性が悪くなるので
好ましくない。
上述の室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物には、成
分(a)エポキシ樹脂、成分(b)ケチミン、成分
(c)変性シリコーン樹脂、成分(d)変性シリコーン
樹脂用触媒、成分(e)シラン化合物が含有されるが、
この他に、脱水剤が添加されることが好ましい。
脱水剤は、前記エポキシ樹脂組成物の未使用時に、ケ
チミンあるいは変性シリコーン樹脂やシラン化合物が水
と反応してエポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂が硬化
することを抑制し、前記エポキシ樹脂組成物の保存性を
良くするために使用される。
脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン、オルソ
ギ酸エチル等が例示でき、エポキシ樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部使用するのがよい。
前記エポキシ樹脂組成物には、さらに、必要に応じ、
酸化チタン等の老化防止剤、カーボンブラック等の顔
料、炭酸カルシウム等の充填剤、その他、紫外線吸収
剤、可塑剤の添加剤を含有させてもよい。
室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物は、成分(a)
エポキシ樹脂、成分(b)ケチミン、成分(c)変性シ
リコーン樹脂、成分(d)変性シリコーン樹脂用触媒、
成分(e)シラン化合物および脱水剤等の添加剤を、常
法により混合することで製造され、密封容器に保存され
る。
このエポキシ樹脂組成物は、プライマーの存在なし
で、第1図および第2図に示す本発明方法に好適に用い
られる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
(実施例) (i)室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物の製造 表1に示す割合で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(住友化学工業社製、商品名ELA128)、変性シリコーン
樹脂としてポリ(メチルジメトキシシリルエチルエーテ
ル)(鐘淵化学工業社製、商品名MSP20A)、炭酸カルシ
ウムおよび酸化チタンを、高粘度用混合撹拌機を使用
し、常温、減圧(20Torr以下)下で撹拌した。次に、脱
水剤としてビニルトリメトキシシラン(日本ユニカー社
製、商品名A171)およびシラン化合物としてアミノプロ
ピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、商品名A1
100)を添加し、減圧撹拌し、また、変性シリコーン樹
脂触媒としてジブチル錫オキサイドのフタル酸ジオクチ
ル溶液(三共有機合成社製、商品名No.918)、およびケ
チミン(油化シェルエポキシ社製、商品名H−3)また
はトリエチレンテトラミンを同様に添加し、減圧撹拌
し、室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物を製造した。
(ii)評価 (i)で得られた樹脂組成物について、下記の評価を
行い、結果を表1に示した。
(1)タックフリータイム 樹脂組成物を、5mm厚でスレート板に塗付け、タック
フリータイムを測定した。
(2)貯蔵安定性 樹脂組成物をカートリッジに入れ、50℃で貯蔵し、5
日後に開封し、性状を以下の基準で評価した。
○:初期粘度とほぼ同等 △:初期粘度に比べて増粘 ×:ゲル化 (3)硬度 樹脂組成物を、5mm厚でスレート板に塗付け、硬化養
生(25℃、50%RH、7日間)を行い、それについて、JI
S K 6301に準じ、ショアD硬度を測定した。
(4)伸び 樹脂組成物を、2mm厚でポリエチレン製シートに塗付
け、硬化養生(25℃、50%RH、7日間)を行い、それ
を、JIS K 3号ダンベルで打ち抜き、JIS K 6301に準じ
て引張り、破断時の伸びを測定した。
(5)衝撃性試験 樹脂組成物を、陶板材(タイル)(200mm×200mm×35
mm)の表面に1mm厚で塗付けし、硬化養生(25℃、50%R
H、7日間)を行い、試験体とした。試験体の硬化した
樹脂層がない面に、高さ1mより鉄球(2.26Kg)を落下さ
せ、硬化した樹脂層の破壊状態を目視にて観察した。
(6)エフロレッセンス試験 樹脂組成物を、第3図に示す陶板材(タイル)製の水
槽(50mm×50mm×35mm)15の内側面16、17、18に、0.5m
m厚で塗布し、硬化養生(25℃、50%RH、7日間)を行
った。次に、水槽15中に6%硫酸ナトリウム水溶液を入
れ、水槽の外部表面に浸み出るエフロ状態を目視で観察
した。
(7)接着性 ガラス、アルミ、花崗岩、タイルまたはモルタル製の
板(200mm×200mm×35mm)の一面に、(5)と同様の条
件で樹脂組成物を塗付け、硬化養生を行い、試験体とし
た。
試験体を、硬化した樹脂層を上向きとして枠材にセッ
トし、そこにモルタルを打設し、20℃、60%RHで14日間
養生させた。
養生後、手剥離で接着性を試験し、以下の基準で評価
した。
○:樹脂硬化物の凝集破壊 △:樹脂と板間で一部界面破壊 ×:樹脂と板間の界面破壊 表1から明らかなように、本発明法で規定する室温硬
化性一液型エポキシ樹脂組成物を用いると、該樹脂組成
物の性状はもとより、硬化物の柔軟性、耐水性や、モル
タルとの接着性も優れていた。
硬化後の伸びが小さい樹脂組成物を用いる(比較例
1)と、可撓性に劣るため、衝撃でクラックが発生し
た。
一方、硬化後の伸びが大きい樹脂組成物を用いる(比
較例3)と、接着性が十分ではなかった。
また、比較例4から、室温硬化性一液型エポキシ樹脂
組成物の硬化剤として、ケチミン以外のエポキシ樹脂用
硬化剤を使用した場合では、貯蔵安定性が十分でないこ
とがわかった。
<発明の効果> 本発明は、その硬化物が、弾力性、変形性の高い室温
硬化性一液型エポキシ樹脂組成物を用い、陶板材等をコ
ンクリート等に面接合する方法であるので、施工性に優
れ、施工後の面接合部は、水密、気密、防湿、耐熱、耐
化学薬品性等に優れ、必要な接合強度を長期にわたって
持続できると共に、特に、陶板材(表面材)等とコンク
リート等の裏面材との間の温度差、乾湿差、震動変位、
膨張収縮その他の内部応力差等による相対的変位を、エ
ポキシ樹脂硬化物自体のもつ低モジュラス弾性により吸
収緩和でき、表面材の割れ、剥離、落下等を防止でき、
かつ、裏面間隙への水の侵入に伴う白樺、凍害等をも防
止することができる。
また、本発明は、陶板材等を垂直な内外壁面や天井
面、床面等に接合する場合に適用でき、かつ、ブレキャ
ストコンクリートや繊維強化セメントとの面接合にも適
用できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の工法の1例を示す施工順序説明図、 第2図は、本発明の工法の別の施工例を示す施工順序説
明図、 第3図は、エフロ試験に用いる水槽を示す斜視図であ
る。 符号の説明 1……陶板材、 1a……陶板材の裏面、 2……エポキシ樹脂組成物またはその硬化物、 3……コンクリート壁面、 4……取付金具、 5……モルタル、 6……型枠、 7……クリップ金物、 8……引金物、 9……ブレキャクトコンクリートまたは繊維強化セメン
ト、 10……構築物、 11……取付金具、 15……水槽、 16、17、18……内側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 13/08 101 E04F 13/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陶板材、ガラス板等を、コンクリート、プ
    レキャストコンクリート、繊維強化セメント等の表面に
    面接合する工法において、陶板材、ガラス板等の裏面
    に、硬化後の伸びが20〜300%の室温硬化性一液型エポ
    キシ樹脂組成物を塗布し、該樹脂組成物が硬化した後、
    前記コンクリート、プレキャストコンクリート、繊維強
    化セメント等の表面にモルタル貼りを行うか、またはプ
    レキャストコンクリート、繊維強化セメント等を介入打
    設して、弾塑性的に接合せしめることを特徴とする陶板
    材等の面接合工法。
  2. 【請求項2】前記室温硬化性一液型エポキシ樹脂組成物
    が、下記の(a)〜(e)成分を含むものである請求項
    1に記載の陶板材等の面接合工法。 (a)エポキシ樹脂 (b)式1で示されるケチミン (式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、炭素数1〜6の
    アルキル基またはフェニル基、Xは炭素数2〜6のアル
    キレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を示
    す) (c)変性シリコーン樹脂 (d)変性シリコーン樹脂用触媒 (e)シラン化合物
  3. 【請求項3】前記変性シリコーン樹脂が、 式2 (式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素基、R2は炭
    素数1〜6の1価の炭化水素基、nは0〜2の整数であ
    る) で示される加水分解性ケイ素官能基を末端に有するシリ
    コーン樹脂である請求項2に記載の陶板材等の面接合工
    法。
  4. 【請求項4】前記変性シリコーン樹脂が、前記エポキシ
    樹脂100重量部に対して10〜500重量部含まれる請求項2
    または3に記載の陶板材等の面接合工法。
  5. 【請求項5】前記シラン化合物が、アミノアルキルアル
    コキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、メ
    ルカプトアルキルアルコキシシランまたはこれらの共重
    合体であって、分子量が2000以下のアルコキシシラン誘
    導体である請求項2〜4のいずれかに記載の陶板材等の
    面接合工法。
  6. 【請求項6】前記シラン化合物が、前記エポキシ樹脂10
    0重量部に対して0.1〜50重量部含まれる請求項2〜5の
    いずれかに記載の陶板材等の面接合工法。
  7. 【請求項7】さらに、脱水剤が、前記エポキシ樹脂100
    重量部に対して0.1〜10重量部含まれる請求項1〜6の
    いずれかに記載の陶板材等の面接合工法。
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