JP2801277B2 - 多層包装体 - Google Patents

多層包装体

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JP2801277B2
JP2801277B2 JP1215395A JP21539589A JP2801277B2 JP 2801277 B2 JP2801277 B2 JP 2801277B2 JP 1215395 A JP1215395 A JP 1215395A JP 21539589 A JP21539589 A JP 21539589A JP 2801277 B2 JP2801277 B2 JP 2801277B2
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【発明の詳細な説明】 A.本発明の技術分野 本発明は、包装体、とりわけポリオレフイン系樹脂を
主材料とする包装体から食品へ、におい成分の移行がな
い、さらに食品中の味覚成分の食品包装体への移行のな
い、しかも、耐熱水性も合わせ有する従来例を見ない、
ボイル殺菌、レトルト殺菌可能な多層包装体に関する。
B.従来技術 最内層に使用される樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体といつた
ポリオレフイン系樹脂が一般的である。これはコスト、
ヒートシール適性によるためである。しかしこれらの樹
脂は、芳香成分を透過しやすく、又逆に樹脂中に残存し
ている低分子物質が食品に移行し、いわゆるポリオレフ
イン臭を食品に与え易い。これらは内容物の味、にお
い、有機成分の変化をもたらし、問題である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOH)
は、現存最高のガスバリヤー性を有する熱可塑性樹脂で
ある上に、芳香成分、有機物質のバリヤー性にも優れ、
さらに、内容物への低分子物質の移行がない。
EVOHを最内層に使用した例は特公昭61−58307号があ
り、また特開昭54−78749号にはEVOHとポリアミドのブ
レンド物および該ブレンド物は他の熱可塑性樹脂と積層
しうることが記載されているが、該ブレンド物を最内層
とし、熱可塑性樹脂を外層とする記載はない。
さらに、特公昭59−38103号には、EVOHと熱可塑性樹
脂のブレンド層と耐湿性、あるいは耐クリープ性樹脂層
の二層からなる構成の記述はあるが、EVOHとのブレンド
層を最内層とする記載はない。
C.本発明が解決しようとする課題 しかし、EVOHは、レトルト(120℃)あるいはボイル
(98℃)処理によつて波状のしわやデラミ、EVOH層同志
(内層に使用した場合は内層同志)の貼り付きが発生
し、外観上実用に耐えない。
このようなEVOH層のレトルト時の異常は、EVOHが100
℃以上の熱水、とりわけ120℃以上の熱水中では吸水し
て膨潤すると同時に溶融流動し不定形状態となるために
起こるものである。従つて、EVOHを熱水と直接接触する
最内層に使用してレトルト包材とすることは不可能であ
る。本発明は従来不可能として全く考慮だにされなかつ
た構成、すなわちEVOH層を最内層とするレトルト可能な
包材を実現せんとしたものである。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、レトルト処理によりEVOHが流動を起こ
さぬような手段について広汎な検討を実施した。
その結果、EVOH3〜97重量%とポリアミド系樹脂(以
下PAと略することがある)97〜3重量%から成る組成物
を最内層に使用し、外層をそれ以外の熱可塑性樹脂とし
た場合は組成物の層が流動を起こさず、波しわ、模様な
どを形態不良を起こさない上に、EVOH本来の高度な保存
性を備えた包材が得られるという、従来のEVOH系樹脂に
対する常識を覆えす驚くべき事実を確認して、本発明を
完成したものである。
本発明の最内層の組成物を形成する樹脂の一つである
EVOHとはエチレンと酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニ
ル単位を加水分解したものであれば任意のものを含むも
のであるが、本発明の目的に適合するものとして、特
に、エチレン単位の含量が20〜65モル%、とりわけ27〜
50モル%、酢酸ビニル単位の鹸化度が96%以上、とりわ
け99%以上のものが挙げられ、メルトインデツクス(19
0℃、2160g)の値としては0.2〜60g/10分の範囲が例示
される。また、本発明にいうEVOHは5モル%以下の範囲
の共重合モノマーで変性されていてもよく、かかる変性
用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニル
エーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリ
ルアミド類あるいはその4級化物、N−ビニルイミダゾ
ール、あるいはその4級化物、N−ビニルピロリドン、
N−n・ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン等を例示することができる。
また、最内層を形成する組成物を形成するもう一方の
樹脂はポリアミド系樹脂である。
ポリアミド系樹脂(PA)としては、ポリカプラミド
(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイ
ロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラ
ウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミ
ンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカ
ミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミ
ド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド
(ナイロン−10,6)、ポリドデカメチレンセバカミド
(ナイロン−10,8)、あるいは、カプロタクラム/ラウ
リルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラク
タム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/
9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラ
クタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重
合体(ナイロン−12/6,6)、ヘキサメチレンジアモンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバ
ケート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)、エチレンジア
ンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラ
クタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘ
キサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイ
ロン−6/6,6/6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタルア
ミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ヘキサメ
チレンイソフタルアミド/テレフタルアミド共重合体な
どが挙げられる。
これらのPA類の中で、本発明に最も好適なものとして
はカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体、すなわ
ちナイロン−6/12が挙げられる。ナイロン−6/12におけ
る6成分と12成分の組成は特に制限は無いが12成分が5
〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%であるものが
好ましい。また、その相対粘度は2.0〜3.6、より好まし
くは2.2〜3.2の範囲である。
これらのPA類、とりわけナイロン−6/12の縮重合時に
ポリエーテルジアミン類とジカルボン酸(ダイマー酸
等)を添加して、高分子鎖中にポリエーテル結合を有す
るポリアミドとしても良い。また、縮合時にヘキサメチ
レンジアミンやラウリルアミンやラウリルアミンのよう
な脂肪族アミンやメタキシリレンジアミンやメチルベン
ジルアミンのような芳香族アミンを添加して、ポリアミ
ド中のカルボキシル末端基の量を減少させたものも好ま
しい。その場合、アミン末端基が8×10-5当量/g以上
で、かつカルボキシル末端基が3×10-5当量/g以下とす
ると良い。
これらの樹脂(B)をEVOH(A)に配合したものを最
内層に使用することにより形態不良をおこさず、しかも
食品包装体に存在するにおい成分(外層の樹脂臭、たと
えばポリオレフイン臭)の食品への移行のない、さらに
食品中の味覚成分の食品包装体への移行がないことは意
外である。
かかる顕著な効果をもたらす詳しい機構は必ずしも明
らかではないが、PA樹脂をEVOHとブレンド使用した場合
には98℃の高温ボイル、120℃のレトルト後等のEVOHの
流動防止に効果があることを考慮すると、熱処理温度よ
り融点の高い樹脂のブレンドがかかる効果を発揮するも
のと信じられる。
最内層の組成物を形成するEVOHとPA樹脂の組成比は3
〜97重量%:97〜3重量%であり、好ましくは55〜95重
量%:45〜5重量%、更に好ましくは65〜85重量%:15〜
35重量%である。PA樹脂成分が少ないとこの組成物を最
内層とする外層包装体をレトルト処理した時に波しわ、
模様等の形態上の欠点がでる傾向にある。逆にPA樹脂が
多いとにおい移行防止性が低下するため、好ましくな
い。
また、最内層の組成物には、本発明の目的を損なわな
い範囲で他のポリマーあるいは酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などを
添加することができる。他のポリマーとしてはポリオレ
フィン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹
脂,ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン
系樹脂などが挙げられる。また、ポリマー以外の添加剤
の具体的な例としては次の様なものが挙げられる。
安定剤:酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ハ
イドロタルサイト類、エチレンジアミン四酢酸の金属塩
等。
酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6
−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス−
(6−t−ブチルフエノール)、2,2′−メチレン−ビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフエノール)、オケタ
デシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒド
ロキシフエニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−
(6−t−ブチルフエノール)等。
紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3−ジフエニル
アクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ
−3′−t−ブチル−5′−メチルフエニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−ヒロドキシ−4−メトキ
シベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベ
ンゾフエノン等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワツクス、流動パラフイン、リン酸エス
テル等。
帯電防止剤:ペンタエリスリツトモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエ
チレンオキシド、カーボワツクス等。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。
着色剤:カーボンブラツク、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ
等。
充填剤:グラスフアイバー、アスベスト、マイカ、セリ
サイト、タルク、カラスフレーク、バラストナイト、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム
等。
このうちで、マイカ、セリサイト、タルクおよびガラ
スフレークから選ばれる粉体5〜60重量%と上記の樹脂
ブレンド組成物95〜40重量%との組成物を最内層として
使用したときは、粉体を使用しない場合に比較してガス
バリヤー性が向上する傾向があり好ましい。この方法は
主としてカツプ、トレー等の容器に対して応用可能であ
る。
組成物を得るためのブレンド方法としては、単軸ある
いは二軸スクリュー押出機(同方向あるいは異方向)、
インテンジブミキサー、連続式インテンシブミキサー等
による溶融押出後、冷却下にペレツト化する方法が用い
られる。
本発明の多層包装体中で、上記組成物はガスバリヤー
材の役割を担うものであり、特にその厚みはバリヤー性
能に直接影響する。最内層の厚みとしては10〜250μの
範囲、通常は20〜100μの範囲から選ばれる。
本発明において、上記組成物の層は最内層であること
が必須の要件であるが、表面保護を目的として樹脂のラ
テツクスや溶液を少量コーテイングして保護層を設ける
ことは本発明の範囲に含まれる。この場合の樹脂として
はポリアミド系、ポリエステル系、セルロース系、エポ
キシ系あるいはゴム系などが含まれる。塗工量は固型分
で1〜10g/m2、好ましくは3〜7g/m2である。
本発明の外層包装体において外層は前記最内層用樹脂
以外の熱可塑性樹脂、好ましくは疎水性熱可塑性樹脂層
であることが重要であり、さらに目的によつて耐熱性、
透明性等の点を配慮することにより優れた包材を得るこ
とができる。
本発明の多層包装体が100℃以下でのいわゆるボイル
殺菌処理に供される場合は耐熱性の低い樹脂が使用可能
であるが、100℃を越える場合、とりわけ105℃〜135℃
で実施されるレトルト処理に供される場合には耐熱性に
対する配慮も必要である。
本発明において外層に用いられる樹脂として、ポリエ
チレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフイン系
樹脂が本発明の目的にとつて最も重要である。ポリオレ
フイン以外にも、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアセター
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを挙げられ、こ
れらの樹脂は単独または2種以上混合されて、単層ある
いは複層として使用される。
本発明の多層包装体は次のような各種の積層方法によ
つて製造可能である。すなわち、共押出法、ドライラミ
ネート法、サンドラミネート法、押出ラミネート法、共
押出ラミネート法等である。ドライラミネートにおいて
外層に使用されるフイルムとしては、ナイロンフイルム
(CNあるいはON)の他、無延伸ポリプロピレンフイルム
(CCP)、二軸延伸ポリプロピレンフイルム(OPP)、ポ
リエチレンフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム等が
好適である。
また、本発明の多層包装体を共押出法によつて作製す
る場合には外層と内層の主要樹脂は接着性樹脂をはさん
で積層する通常の技術が採用される。接着性樹脂として
はポリプロピレン、ポリエチレン、あるいはエチレンと
これと共重合しうるモノマー(酢酸ビニル、アクリル酸
エステルなど)との共重合体等のポリオレフイン類を無
水マレイン酸などを付加して変性した樹脂等が使用され
る。
外層に使用する樹脂には前述したような酸化防止材、
着色剤、充填剤等の添加物を添加しても良い。
本発明の多層包装体は、用途を限定するものではない
が、特に、ボイル、レトルト用として使用した時、最も
その特徴が発揮される。
フイルム包材の用途としては、蓋材、パウチ類、真空
包装、スキンパツク、深絞り包装、ロケツト包装が挙げ
られる。ふた材はガスバリヤー材を積層したポリプロピ
レンを主体とした容器にヒートシール法によりシール密
封する方法が好適である。本発明のふた材は高度な保有
性を有すると同時に、黄味なども帯びていないことから
商品価値を高め、また内容物を確認しながらふたを開封
できる長所がある。パウチ類は三方シール、四方シー
ル、ピロー、ガゼツト、スタンデイングパウチなどの形
態で使用される。また、バツグインボツクスの形で使用
することもできる。本発明の多層包装体はフイルム包装
以外にカツプあるいはトレー型の容器としても優れた性
能を発揮する。この場合外層の樹脂としてはポリプロピ
レン、高密度ポリエチレン、耐熱性ポリエステル等を用
い、フイルム材より厚く200〜1200μとする。この容器
の成形法としては共押出法によりシートを作製する方法
以外に外層樹脂の厚手のシートに最内層の組成物を押出
ラミネートする方法、あるいは組成物のフイルムを外層
樹脂のシートにドライラミネートあるいはサンドラミネ
ート法などにより積層後、真空圧空成型機で深絞り成形
する方法が採用される。さらに本発明の多層包装体は共
押出法によるボトル形状あるいはチユーブ状となすこと
もできる。
本発明の多層包装体は、ふた材、パウチ、トレー、カ
ツプ類、ボトルあるいはチユーブの形で使用されるが、
これらはとくにボイル殺菌用またはレトルト殺菌用の多
層包装体として優れた効果を発揮する。
ここでレトルト殺菌処理、あるいはボイル殺菌処理と
しては公知の熱水加熱処理をすることができる。レトル
ト殺菌処理は回収式、置換式、蒸気式、シヤワー式、ス
プレー式等各種の方法が採用される。
ボイル殺菌またはレトルト殺菌処理する場合は、食品
を充填してから、必要に応じ公知の手段により内部を脱
気状態にして、あるいは窒素ガス、炭酸ガスなどの不活
性ガスで内部を置換した後に熱シールなどの手段で密封
し、次いでボイル殺菌またはレトルト殺菌を行なうのが
好適である。また本発明の多層包装体は、ボイル殺菌ま
たはレトルト殺菌処理することなく、そのまま食品を充
填して使用することもできる。充填する食品としては、
そのまま喫食されるか、喫食に先立つて加温されるよう
な調理済みまたは半調理の食品類が適している。次に食
品類の例を示す。
かつお節、のり、茶、ハム、ソーセージ等の畜肉加工
品、米菓子、カステラ、パン、豆菓子、ケーキ類、米、
インスタントラーメン、スナツク食品、漬物、かまぼ
こ、ちくわ等の水産ねり製品、佃煮、味噌、液体スー
プ、チーズ製品、ふりかけ類。
次に殺菌が必要なものとしては調理済みカレー、調理
済みハヤシ、ビーフシチユー、ボルシチ、ミートソー
ス、酢豚、すき焼、中華あん、八宝菜、肉じやが、おで
ん、アスパラガスゆで煮、スイートコーン、マツシユル
ーム、ツナクリーム煮、コンソメ、ポタージユ等の各種
スープ類、味噌汁、豚汁、けんちん汁、米飯、赤飯、釜
飯、炒飯、ピラフ、粥類、スパゲテイ、そば、うどん、
ラーメン、ヌードル、釜飯の素、中華そばの素等の添加
用食品類、ゆであずき、ぜんざい、あんみつ、肉団子、
ハンバーグ、ビーフステーキ、ローストポーク、ポーク
ソテー、コンビーフ、ハム、ソーセージ、焼魚、焼肉、
焼鳥、ローストチキン、ポークケチヤツプ、魚肉くんせ
い、ベーコン、かまぼこ、プリン、ゼリー、ようかん、
各種ペツトフード類。また、本発明の多層包装体はミカ
ン、ピーチ、パイナツプル、チエリー、オリーブ等の果
実製品、しよう油、ソース、食酢、みりん、ドレツシン
グ、マヨネーズ、ケチヤツプ、食用油、味噌、ラードな
どの調理料、豆腐、ジヤム、バター、マーガリン、果実
ジユース、野菜ジユース、ビール、コーラ、レモネー
ド、清酒、焼酎、果実酒、ワイン、ウイスキー、ブラン
デーなどを容器としても優れている。また、リンゲル液
のような医薬、農薬、化粧品、洗剤、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、ノルマ
ルヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、ガソリン、
灯油、石油ベンジン、シンナー、グリース等の有機液状
薬品のための容器としても用いることができる。
以下、実施例により更に具体的に説明する。なお部は
重量部を示している。
E.実施例 実施例1 EVOHとして、エチレンモノマー単位の含量が44モル
%、ケン化度が99.8モル%、メルトインデツクス(190
℃、2160g)が5.5g/10minの樹脂ペレツト80部と、PAと
してPA−6/12共重合体[カプロラクタムの構成単位とラ
ウリムラクタムの構成単位との重量比が80/20で融点196
℃、相対粘度が2.5]を20部ドライブレンド後、径30mm
の同方向二軸押出機(ダイ温度230℃)で溶融押出し
し、ブレンドペレツトを得た。このブレンドペレツトを
乾燥し、組成物(1)を得た。これを用いて、径40mmの
フルフライト型スクリユーと、550mm巾のコートハンガ
ーダイ(温度230℃)を有する押出機を用いて製膜し、
厚み50μの透明なフイルムを得た。このフイルムに二軸
延伸ポリプロピレンフイルム(面積延伸倍率50倍、20
μ)をドライラミネートした。ドライラミネート用接着
剤としては、ウレタン系接着剤{タケラツクA−385
(武田薬品工業(株)製)を主剤とし、タケネートA−
50(武田薬品工業(株)製)を硬化剤とするもの}を使
用し、ラミネート後40℃、3日間養生を実施した。この
積層フイルムをヒートシーラーで圧力0.5kg/cm2、ヒー
ター表面温度135℃、時間2秒で内層同志をヒートシー
ルし、三方をヒートシールし10×10cm大の袋状にした。
内容物として、カレーを充填し、最後に一辺をシールし
パウチテストサンプル(1)を得た。
又、100ccのガラスびんにカレーを充填し、アルミキ
ヤツプで密封し、対照サンプル(0)を準備した。
上記サンプルをレトルト装置((株)日阪製作所製、
高温高圧調理殺菌試験機RCS−40RTGN)を使用し、120℃
30分のレトルト処理を実施した。レトルト後、袋内部の
貼り付きシール部の破れなどなく、また最内層の波しわ
などの形態不良も認められなかつた。
このサンプル(1)を20℃65%RH中で、対照サンプル
(0)を冷蔵庫(5℃)に保存した。3ケ月後両者を開
封し、年齢、性別を無作為に選んだパネラー10人で評価
したところ、10人中9人が味、におい、色に変化を認め
なかつた。
比較例1 実施例1において、内層フイルムに代えて無延伸ポリ
プロピレンフイルム(厚さ50μ)を使用し、他は同様に
して多層フイルムを得た後、カレーを充填し、レトルト
実施した。レトルト後、最内層の波しわなどの形態不良
も認められず良好であつたが、3ケ月後、内容物はにお
い、味に変化がみられた(10人中10人が認めた。)。特
にプラスチツク特有のにおいを感じ、風味が少なくなつ
たという指摘が多かつた。
比較例2 実施例1において、内層フイルムに代えて、EVOH(エ
チレンモノマー含量44モル%)を用いて製膜した厚さ50
μのフイルムを用いて、多層フイルムを得て、カレーを
充填後レトルトした。レトルト後、内層同志の貼り付
き、シール部の破れが発生し、実用に耐えなかった。ま
たシール部に破れが生じなかつたものを3ケ月放置し、
内容物を調べた。その結果、内容物の風味に変化がみら
れ、またポリオレフイン臭がみとめられた。
実施例2および比較例3 実施例1の多層構成を外層無延伸ポリプロピレンフイ
ルム(以下CPP)(50μ)、内層実施例1と同様とした
もの(実施例2)、外層と内層を逆にし外層を実施例1
のフイルム内層をCPPとしたもの(比較例3)を作製
し、充填後、レトルトした。実施例2の袋は、レトルト
後も形態不良は認められなかつた。又実施例2の袋を3
ケ月保存し、同様に評価したところ味、におい、色に変
化は認められなかつた。一方比較例3の袋の内容物の
味、風味には変化が認められた(10人中10人)。
実施例3 3台の押出機とT型のダイを有するフイードブロツク
タイプの共押出装置を使用して3層からなる共押出多層
シートを作製した。構成は外側からポリプロピレン(三
菱油化(株)製三菱ノーブレンPY220、厚み500μ)、無
水マレイン酸変性PPからなる接着性樹脂(三菱油化
(株)製モデイツクP−300F、厚み50μ)、実施例1で
使用したブレンド組成物(1)(厚み100μ)である。
この多層シートを真空圧空成形機((株)浅野製作所
製)を使用して、底面が半径33mmの円形、上面が37mmの
円形で高さ37mmのカツプ型容器を成形した。成形後の平
均厚みは外からポリプロピレン250μ、接着性樹脂25
μ、組成物(1)50μであつた。
このカツプにカレーを充填し、実施例1の多層フイル
ムを蓋材として使用しヒートシールした後、120℃30分
のレトルト処理を実施した。シール部のデラミはなかつ
た。3ケ月保存後の内容物の味、におい、色に変化はな
かつた。その時容器内側を点検したが、形態不良はみと
められなかつた。
実施例4〜7 表1に示すように、実施例1の内層材の組成を変えて
テストを実施したが、形態不良はなく3ケ月後の味、に
おい、色に変化を認めなかった。
実施例8,9 表1に示すように実施例1の外層を変えてテストを実
施したが、形態不良はなく、3ケ月後の味、におい、色
に変化はなかつた。
実施例10 実施例1において、120℃30分のレトルト処理に代
え、98℃30分のボイルを実施したが、形態不良、味、に
おいに変化はなかつた。
比較例4〜6 表1に示す通り比較例1、2、3において120℃30分
のレトルト処理に代え、98℃30分のボイルを実施したと
ころ、同様な問題点が発生した。
F.発明の効果 本発明の多層包装体は、形態不良をおこさず、しかも
ガスバリヤー性を有し、さらに食品包装体中に依存する
におい成分の食品への移行のない、さらにまた食品中の
味覚成分の食品包装体への移行が少ないもので、とくに
ボイル殺菌レトルト殺菌用に適するものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンモノマー単位を20〜65モル%含む
    エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)3〜97重量
    %とポリアミド系樹脂(B)97〜3重量%からなる組成
    物の層を最内層とし、前記組成物以外の熱可塑性樹脂の
    層を外層とする少なくとも二層からなる多層包装体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多層包装体からなる、ボイ
    ル殺菌またはレトルト殺菌用多層包装体。
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