JP2800701B2 - 光学的記録媒体の記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光学的記録媒体の記録再
生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高い記録密度で各種の情報信号を記録し
たいという要望が高まるのにつれて、近年来、色々な構
成原理や動作原理に基づいて作られた情報記録媒体によ
り、情報信号の高密度記録再生が行なわれるようにな
り、例えば、情報記録媒体における強磁性体製の記録層
に情報信号に応じた磁気記録を行なったり、もしくは光
磁気記録媒体を用いて光学的な手段によって記録再生を
行なったり、あるいは例えば、情報記録媒体の情報信号
面に、情報信号に応じた凹凸を形成させて情報信号の記
録を行ない、前記の記録された情報信号を光学的な手段
によって再生することが既に実用されており、また、各
種の技術分野における高密度記録再生の要求に応じるた
めに、情報記録媒体の記録層に情報信号により強度変調
されたビームを照射して、情報記録媒体における記録層
に情報信号に応じた物理的変化あるいは化学的変化を生
じさせることにより、情報信号の記録が行なわれるよう
にした情報記録媒体についても実用化されるようになっ
た。

【０００３】そして、安定な動作を行なう半導体レーザ
が容易に得られるようになったのに伴い、レーザ光を用
いて高密度記録再生を行なうようにした各種の光学的記
録媒体（以下、光ディスクと記載されることもある）
が、非接触状態での記録再生が可能なことから、傷や塵
埃に強く、また、高密度記録により大きな記憶容量が得
られる等の利点を有するために、既に実用化されたり、
あるいは実用化のための研究開発が行なわれている現状
にあることは周知のとおりであり、幾何学的な凹部ある
いは凸部として形成されているピットにより情報信号が
記録された原盤から大量に複製された記録済み光ディス
ク(再生専用の光ディスク)として、例えばコンパクト・
ディスクが普及している他、書換え可能な光ディスクと
しても、例えば光磁気ディスクその他の光ディスクが、
例えばオフィス用ファイルメモリ、その他の用途で実用
化されている。

【０００４】さて、光デイスクにデジタルデータとして
記録情報を記録する場合には、記録系の特性や再生系の
特性と整合して、記録再生効率が高く、良好な記録再生
動作が得られるようにするために、記録再生対象のデー
タ語を所定の変調方式に従って変換して得たチャンネル
ビットで形成される順次のチャンネル語を、マーク長記
録法またはマーク間記録法等の記録法の適用により光デ
ィスクに対して記録することが従来から広く行なわれて
来ていることは周知のとおりであり、例えば既述の記録
済み光ディスク(再生専用の光ディスク)として広く知ら
れているコンパクト・ディスク（ＣＤ）においては、記
録再生の対象にされている第１のデータ語を、所謂、Ｅ
ＦＭと呼称されている変調方式に従って変換して得たチ
ャンネルビットで形成される順次のチャンネル語にマー
ク長記録法を適用して信号面に記録情報の記録を行なっ
ている。

【０００５】前記したＣＤからの記録情報の再生は、半
導体レーザから射出された波長が７８０ｎｍの光を、Ｎ
Ａが０.４５相当の対物レンズによって信号面上に、約
１.４ミクロンの径の光のスポットとして集光させ、前
記の情報信号面上に生じさせた光のスポットからの反射
光、すなわち、信号面上に生じさせた光のスポットがマ
ーク（ピット）の位置にあるのか、非マーク（ランド）
の位置にあるのかによって、回折現象による光量の違い
を有している反射光を、光検出器により光電変換して得
た電気信号を信号処理することにより、記録再生の対象
にされていた原信号を再生しており、前記のようにマー
ク長記録法を適用してマーク（ピット）の有無よりなる
マーク列（ピット列）を、光ディスクの径方向に予め定
められたトラックピッチで情報トラックとして順次に記
録形成させている前記のＣＤを初めとして、従来の一般
的な光ディスクではマークの長さ方向に情報トラックが
形成されるようにしている。

【０００６】そして、前記のような光ディスクにおいて
は、記録密度を高くして光ディスクに記録される情報量
を多くした場合でも、例えば光ディスクの傾斜、ディフ
ォーカス、オフセット、光学系の収差の増加等の光学的
な読取り性能を劣化させる各種の要因によって生じるジ
ッタ量やエラー量の増加が、システムとして許容できる
範囲内に納まるようにするために、記録再生の対象にさ
れている情報によるデータ語を、それぞれ所定の変調方
式に従ってチャンネルビットに変換することにより、光
ディスク上に形成される最小マーク長（最小ビット長）
が大きなものとなるようにしていることは周知のとおり
であり、例えば光ディスクの一例として挙げられるＣＤ
では、前記の変調方式として、所謂ＥＦＭと呼称されて
いる周知の変調方式を用いて、記録再生の対象にされて
いる情報による８ビットのデータ語(１シンボル)を、所
定の変換表に従って１４チャンネルビットのチャンネル
語に変換し、チャンネルビット間隔（チャンネルクロッ
クの周期）をＴとしたときに、光ディスク上に最短反転
間隔（最小反転間隔）３Ｔから最大反転間隔１１Ｔまで
の範囲内でのピット長またはランド長を有するピットま
たはランドによる情報トラックを形成させるようにして
いる。

【０００７】ところで例えば、もともと音響情報のデー
タの記録再生に使用される光ディスクとして提供された
ＣＤについても画像データが記録されるようになる等、
近年になって、光ディスクの記憶容量の大容量化が望ま
れるようになったが、光ディスクからの記録情報の読取
り性能と密接に関連している光のスポット径は、周知の
ように光の波長と読取りレンズ（対物レンズ）の開口数
ＮＡとによって一義的に決定されるものであって、読出
し光（再生光）のスポット径を、任意所望に小さくする
ことはできないから、光ディスクの情報信号面に形成さ
せる最短ピット長寸法にも限界があり、したがって、光
ディスクの情報信号面に形成させる最短ピット長寸法を
小さくするような方向での光ディスクの記録密度の向上
は実現が困難なのである。

【０００８】そして、前記のような問題点を解決する手
段として、光デイスクの情報トラックに照射された光に
位相変化を与えるマークの有無と、情報トラックの周期
よりも十分小さい微小量に横方向への上記マークの変位
との両方に情報を担わせてデジタル情報を光ディスクに
記録する光学的記録方法、再生方法及び記録再生装置な
らびに光ディスク等が提案されており（例えば、特開平
４ー７４３１７号公報参照）、前記した従来技術では、
光ディスクにおけるマーク列による情報の記録再生と、
マークまたはマーク列を記録再生の対象にされている情
報に従ってマーク列の横方向に変位させて、光ディスク
の記録情報量を増加させるようにしている。また、従来
からライトワンスＣＤとして用いられている光ディスク
では、トラッキング制御用の案内溝形状を所定の周波数
で蛇行させたものとしたり、前記の溝形状を、さらにア
ドレス情報によって変形させたものにしたり、さらに、
前記のような案内溝は設けず、ピット列を所定の周波数
で蛇行させたものとしてトラッキング制御用の信号を記
録したり、もしくはピット列の一部だけをトラックの巾
方向に変位させて、トラッキング制御用の信号を記録し
たりすることが行なわれて来ている。

【０００９】そして、前記のような各種の構成形態の光
ディスクにおけるマークの有無による記録情報は、対物
レンズで集束した再生用の光スポットを光ディスクに照
射して得たマークの有無と対応して光強度が変化してい
る再生光が光検出器から再生信号として再生され、また
マーク列の横方向への変位による記録情報は、対物レン
ズで集束した再生用の光スポットの記録媒体の径方向で
の変位に応じて、信号の大きさが相補的に変化している
状態で光検出器から得られる２つの出力信号の差信号が
再生信号として再生される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
にマークの有無によって情報信号が記録されている情報
トラックを有するとともに、記録媒体の径方向における
記録情報の変位による情報信号の記録も行なわれている
光ディスクに、対物レンズで集束した再生用の光スポッ
トを照射して得た前記の各記録情報を含む再生光の内
で、マークの有無による光強度に対応して光検出器から
得られる第１の情報信号と、対物レンズで集束した再生
用の光スポットの記録媒体の径方向での変位に応じて、
信号の大きさが相補的に変化している状態で光検出器か
ら得られる２つの出力信号の差信号として得られる第２
の情報信号との２つの情報信号において、前記の第２の
情報信号は、前記した第１の情報信号に比較して信号レ
ベルが低いので、例えば光学ヘッドの位置ずれ、光検出
器の位置ずれ、差信号処理系の利得のアンバランス、光
ディスク面の径方向における傾斜、サーボ系の経時変
化、等の各種の原因によって、第２の情報信号中に第１
の情報信号が漏話して、第２の情報信号の信号品質が悪
化することが問題になり、それの改善策が求められた。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明はマークの有無に
よって情報信号が記録されている情報トラックを有する
とともに、記録媒体の径方向における記録情報の変位に
よる情報信号の記録も行なわれている光学的記録媒体に
対し、対物レンズで集束した再生用の光スポットを照射
して得た前記の各記録情報を含む再生光を、少なくとも
１個の光検出器に与えて、光検出器からの出力信号に基
づいてマークの有無による光強度に対応する第１の情報
信号を得る手段と、光検出器からの出力信号に基づいて
記録媒体の径方向における記録情報の変位と対応する第
２の情報信号を得る手段とを含んで構成してある光学的
記録媒体の記録再生装置において、前記した第２の情報
信号中に第１の情報信号が漏話しない状態となるよう
に、対物レンズの光軸をトラッキング制御動作の基準の
位置から光学的記録媒体の径方向に変位させる手段を設
けてなる光学的記録媒体の記録再生装置、及び前記の光
学的記録媒体の記録再生装置において、光学的記録媒体
の盤面における径方向での傾斜量を示す信号を得る傾斜
状態検出手段と、前記した第２の情報信号中に第１の情
報信号が漏話しない状態となるように、傾斜状態検出手
段からの出力信号に基づいて、対物レンズの光軸をトラ
ッキング制御動作の基準の位置から光学的記録媒体の径
方向に変位させる手段とを設けてなる光学的記録媒体の
記録再生装置、ならびに対物レンズの光軸を光学的記録
媒体の径方向に予め定められた周期で変位させる手段
と、前記した対物レンズの光軸を予め定められた周期で
変位させている状態において、前記した第２の情報信号
を得る手段から出力される信号に基づいて、第２の情報
信号中への第１の情報信号の漏話の状態を示す信号を発
生させる手段と、前記の漏話の状態を示す信号により、
前記した第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しな
い状態となるように、対物レンズの光軸をトラッキング
制御動作の基準の位置から光学的記録媒体の径方向に変
位させる手段を設けてなる光学的記録媒体の記録再生装
置、及びマークの有無によって情報信号が記録されてい
る情報トラックを有するとともに、記録媒体の径方向に
おける記録情報の変位による情報信号の記録も行なわれ
ている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束した再
生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情報を含
む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与えて、光検
出器からの出力信号に基づいてマークの有無による光強
度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光検出器か
らの出力信号に基づいて記録媒体の径方向における記録
情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手段と、ト
ラッキング制御系とを含んで構成してある光学的記録媒
体の記録再生装置であって、前記した第２の情報信号中
に第１の情報信号が漏話しない状態となるように、対物
レンズの光軸をトラッキング制御動作の基準の位置から
光学的記録媒体の径方向に変位させる手段と、対物レン
ズの光軸が前記の変位手段の動作によって光学的記録媒
体の径方向へ変位された状態で、トラッキング誤差が零
の状態となるようにトラッキング制御系を動作させる手
段とを設けてなる光学的記録媒体の記録再生装置、及び
前記した光学的記録媒体の記録再生装置において、光学
的記録媒体の盤面における径方向での傾斜量を示す信号
を得る傾斜状態検出手段と、前記した第２の情報信号中
に第１の情報信号が漏話しない状態となるように、傾斜
状態検出手段からの出力信号に基づいて、対物レンズの
光軸をトラッキング制御動作の基準位置から光学的記録
媒体の径方向に変位させる手段と、対物レンズの光軸が
前記の変位手段の動作によって光学的記録媒体の径方向
へ変位された状態で、トラッキング誤差が零の状態とな
るようにトラッキング制御系を動作させる手段とを設け
てなる光学的記録媒体の記録再生装置、及び前記の光学
的記録媒体の記録再生装置において、対物レンズの光軸
を光学的記録媒体の径方向に予め定められた周期で変位
させる手段と、前記した対物レンズの光軸を予め定めら
れた周期で変位させている状態において、前記した第２
の情報信号を得る手段から出力される信号に基づいて、
第２の情報信号中への第１の情報信号の漏話の状態を示
す信号を発生させる手段と、前記の漏話の状態を示す信
号により、前記した第２の情報信号中に第１の情報信号
が漏話しない状態となるように、対物レンズの光軸をト
ラッキング制御動作の基準位置から光学的記録媒体の径
方向に変位させる手段と、対物レンズの光軸が前記の変
位手段の動作によって光学的記録媒体の径方向へ変位さ
れた状態で、トラッキング誤差が零の状態となるように
トラッキング制御系を動作させる手段とを設けてなる光
学的記録媒体の記録再生装置、及びマークの有無によっ
て情報信号が記録されている情報トラックを有するとと
もに、記録媒体の径方向における記録情報の変位による
情報信号の記録も行なわれている光学的記録媒体に対
し、対物レンズで集束した再生用の光スポットを照射し
て得た前記の各記録情報を含む再生光を、少なくとも１
個の光検出器に与えて、光検出器からの出力信号に基づ
いてマークの有無による光強度に対応する第１の情報信
号を得る手段と、対物レンズで集束した再生用の光スポ
ットの記録媒体の径方向での変位に応じて、信号の大き
さが相補的に変化している状態で光検出器から得られる
２つの出力信号の差信号によって第２の情報信号を得る
手段とを含んで構成してある光学的記録媒体の記録再生
装置であって、光学的記録媒体の盤面における径方向で
の傾斜量を示す信号を得る傾斜状態検出手段と、前記し
た第２の情報信号を得るのに用いられる光検出器から大
きさが相補的にに変化している状態で出力されている２
つの出力信号の信号レベルを、前記した傾斜状態検出手
段からの出力信号に基づいて相対的に変化させる手段と
を設けてなる光学的記録媒体の記録再生装置、及び前記
した光学的記録媒体の記録再生装置において、前記した
第２の情報信号を得るのに用いられる光検出器から大き
さが相補的にに変化している状態で出力されている２つ
の出力信号の信号レベルを予め定められた周期で変化さ
せる手段と、前記した光検出器からの２つの出力信号の
信号レベルが予め定められた周期で変化されている状態
において、前記した第２の情報信号を得る手段から出力
される信号に基づいて、第２の情報信号中への第１の情
報信号の漏話の状態を示す信号を発生させる手段と、前
記した第２の情報信号を得るのに用いられる光検出器か
ら大きさが相補的にに変化している状態で出力されてい
る２つの出力信号の信号レベルを、前記の漏話の状態を
示す信号に基づいて相対的に変化させる手段とを設けて
なる光学的記録媒体の記録再生装置を提供する。

【００１２】

【作用】マークの有無によって情報信号が記録されてい
る情報トラックと、記録媒体の径方向における記録情報
の変位による情報信号の記録も行なわれている光学的記
録媒体（光ディスク）に対して、対物レンズで集束した
再生用の光スポットを照射して、光ディスクから前記の
各記録情報を含む再生光を発生させて、それを光検出器
に与える。光ディスクにおけるマークの有無による第１
の情報信号は、光ディスクからの再生光の光強度と対応
する再生信号として光検出器から出力される。また、対
物レンズで集束した再生用の光スポットと記録媒体の記
録情報とが記録媒体の径方向において相対的に変位した
ときに、大きさが相補的に変化している状態で光検出器
から出力される２つの出力信号の差信号における所定の
周波数領域の信号成分が第２の情報信号とされ、前記し
た差信号における直流域から最も低い周波数領域の信号
成分はトラッキング誤差信号としてトラッキング制御系
に供給される。

【００１３】前記した第２の情報信号は、前記のように
光検出器から出力される２つの出力信号の差信号として
得られるものであるから、差信号を得るために用いられ
る２つの信号中に含まれている第１の情報信号成分が同
一であれば、第２の情報信号中には第１の情報信号が漏
話しないが、光学ヘッドの位置ずれ、光検出器の位置ず
れ、差信号処理系の利得のアンバランス、光ディスク面
の径方向における傾斜、サーボ系の経時変化等、各種の
原因によって、第２の情報信号中に第１の情報信号が漏
話するが、前記した第２の情報信号を発生させるための
記録情報の記録媒体上の変位量は極めて小さいために、
前記した第２の情報信号は信号レベルが極めて低いもの
となっており、前記のような色々な原因によって、第１
の情報信号が前記した差信号として得られる第２の情報
信号中に漏話することにより、第２の情報信号のＳ／Ｎ
が悪化する。

【００１４】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置で
は、再生用の光スポットのスポットの位置（対物レンズ
の光軸の位置）を、トラックの中心位置から光ディスク
の径方向にずらすことにより、第２の情報信号中に第１
の情報信号成分が漏話しない状態にしたり、あるいは再
生用の光スポットのスポットの位置を、トラックの中心
位置から光ディスクの径方向にずらして、前記した第２
の情報信号中に第１の情報信号成分が漏話しない状態に
するとともに、対物レンズの光軸のずれ量と対応して、
トラッキング制御系に発生するトラッキング誤差信号を
打消す信号を、対物レンズの光軸のずれ量に従って発生
させて、それをトラッキング制御系に供給することによ
り、前記した対物レンズの光軸のずれ量が補償された状
態でトラッキング制御が行なわれるようにする。

【００１５】また、光ディスクの径方向の傾斜を検出し
て、前記の傾斜量に従って再生用の光スポットのスポッ
トの位置（対物レンズの光軸の位置）を、トラックの中
心位置から光ディスクの径方向にずらすことにより、前
記した第２の情報信号中に第１の情報信号成分が漏話し
ない状態にしたり、または再生用の光スポットのスポッ
トの位置を、光ディスクの径方向の傾斜に応じてトラッ
クの中心位置から光ディスクの径方向にずらして、前記
した第２の情報信号中に第１の情報信号成分が漏話しな
い状態にさせるとともに、対物レンズの光軸のずれ量と
対応して、トラッキング制御系に発生するトラッキング
誤差信号を打消す信号を、対物レンズの光軸のずれ量に
従って発生させて、それをトラッキング制御系に供給す
ることにより、前記した対物レンズの光軸のずれ量が補
償された状態でトラッキング制御が行なわれるようにす
る。さらに、対物レンズの光軸を光学的記録媒体の径方
向に予め定められた周期で変位させ、前記のように対物
レンズの光軸が予め定められた周期で変位している状態
において、前記した第２の情報信号中へ第１の情報信号
が漏話している状態を示す信号を発生させ、前記の漏話
の状態を示す信号によって対物レンズの光軸をトラッキ
ング制御動作の基準位置から光学的記録媒体の径方向に
変位させることにより、前記した第２の情報信号中に第
１の情報信号が漏話しない状態となるようにする。

【００１６】あるいは、前記した対物レンズで集束した
再生用の光スポットと記録媒体の記録情報とが記録媒体
の径方向において相対的に変位したときに、大きさが相
補的に変化している状態で光検出器から出力される２つ
の出力信号の信号レベルを、光ディスクの径方向の傾斜
を検出して得た信号に基づいて相対的に変化させ、前記
した第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状
態となるようにする。または、対物レンズで集束した再
生用の光スポットと記録媒体の記録情報とが記録媒体の
径方向において相対的に変位したときに、大きさが相補
的に変化している状態で光検出器から出力される２つの
出力信号の信号レベルを、光学的記録媒体の径方向に予
め定められた周期で対物レンズの光軸を変位させた状態
において発生される、第２の情報信号中へ第１の情報信
号が漏話している状態を示す信号に基づいて相対的に変
化させ、前記した第２の情報信号中に第１の情報信号が
漏話しない状態となるようにする。

【００１７】

【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の光学的記
録媒体の記録再生装置の具体的な内容を詳細に説明す
る。図１乃至図８は本発明の光学的記録媒体の記録再生
装置の概略構成を示すブロック図であり、また図９乃至
図１１は動作説明用の波形図である。図１乃至図８にお
いてＤは光学的記録媒体（光ディスク）である。本発明
の光学的記録再生装置で記録再生の対象にされる光ディ
スクＤは、マークの有無によって情報信号が記録されて
いる情報トラックを有するとともに、記録媒体の径方向
における記録情報の変位による情報信号の記録も行なわ
れているような光ディスクＤ、すなわち、例えば所定
の繰返し周期で蛇行させた状態で形成させたトラッキン
グ制御用の案内溝を予め設けたり、あるいは前記の案内
溝形状をさらにアドレス情報によって変形させた溝を予
め設けてあるディスクにおける前記の溝中に、マーク，
非マークの配列による情報信号を記録させる光ディス
ク、トラッキング制御用の案内溝は設けず、ピット列
を所定の繰返し周期で蛇行させた状態で形成させたもの
としてトラッキング制御用の信号，その他の信号を記録
した光ディスク、、ピット列の一部だけをトラックの
巾方向に変位させて、トラッキング制御用の信号，その
他の信号を記録した光ディスク、等によって示されるよ
うな構成の光ディスクである。

【００１８】前記の光ディスクＤは図示されていない駆
動モータ１９（図１中には示されていない）によって所
定の回転数で回転される。１は光源（例えば半導体レー
ザ）、２はコリメートレンズ、３はビームスプリッタ、
４は反射鏡、５は対物レンズ、８は自動制御系のアクチ
ュエータであり、また、９は光検出器、１０は減算器、
１１は帯域通過濾波器、１３，１８は加算器、１５は低
域通過濾波器、１６はトラッキング制御回路である。前
記した自動制御系のアクチュエータ８としては、自動焦
点制御回路におけるフォーカス制御信号により、対物レ
ンズ５をそれの光軸方向に変位させたり、自動トラッキ
ング制御回路におけるトラッキング制御信号により、対
物レンズ５をそれの光軸と直交し、かつ、光ディスクの
径方向に変位させたりできるように構成されている周知
の構成態様のものを選択使用することができる。なお、
各図中には、回転制御系、自動焦点制御回路等の図示説
明は省略されている。

【００１９】図１中の光ディスクＤ中に図面符号７で示
す線は、所定の繰返し周期で蛇行させた状態で形成され
ている情報トラック、あるいはトラッキング制御用の案
内溝の一部を例示したものであり、６は対物レンズ５で
集束されて光ディスクＤに生じた再生用の光スポット
（再生光のスポット）である。光源１から放射された再
生光は、コリメートレンズ２で平行光にされた後に、ビ
ームスプリッタ３に入射し、前記のビームスプリッタ３
から射出した光は反射鏡４によって反射して対物レンズ
５に入射する。前記の対物レンズ５によって集束された
再生光は、前記のように光ディスクＤに再生用の光スポ
ット６を生じさせる。光ディスクＤの再生光のスポット
６からの反射光は、対物レンズ５→反射鏡４→ビームス
プリッタ３→光検出器９の光路により、前記の光検出器
９を構成している２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2を照射す
る。図１乃至図８における光検出器９中のハッチングの
部分で示してある部分が、前記した光ディスクＤの再生
光のスポット６からの反射光による照射部分である。

【００２０】前記した光検出器９は、図１中には２個の
光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からなる２分割光検出器が使用さ
れているものとして例示されているが、前記の光検出器
９としては、４つの光検出部からなる４分割光検出器が
使用されてもよい。前記の光検出器９に与えられた光デ
ィスクＤからの反射光の主光線の位置は、光ディスクＤ
に照射された再生光のスポット６の位置が、情報トラッ
クの中心線上にあれば光検出器９における２個の光検出
部ＰＤ1，ＰＤ2の境界線９ａ上に位置し、光ディスクＤ
に照射された再生光のスポット６の位置が、情報トラッ
クの中心線上から光ディスクＤの径方向（情報トラック
の巾方向）にずれた場合には、そのずれの向きに応じ
て、光ディスクＤからの反射光の主光線の位置は、光検
出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2の境界９ａ
線上から、光検出部ＰＤ1と光検出部ＰＤ2との内の何れ
かの方に移動する。

【００２１】前記した光検出器９における２個の光検出
部ＰＤ1，ＰＤ2からの出力信号は、減算器１０と加算器
１３とに供給される。前記の加算器１３によって加算さ
れた信号は出力端子１４に送出されるが、この出力端子
１４に送出された出力信号は光ディスクＤの情報トラッ
クにマーク，非マークの配列態様として記録されていた
記録情報による光強度に対応して生じた第１の情報信号
である。また前記した減算器１０では、光検出器９にお
ける２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号
の差信号を出力するが、減算器１０から出力される差信
号の極性と大きさとは、光ディスクＤのマークの中心位
置、あるいは案内溝の中心位置に再生光のスポットの中
心が位置している状態においては零であるが、光ディス
クＤのマークの中心位置、あるいは案内溝の中心位置
と、再生光のスポットの中心位置とがずれた場合には前
記のずれの方向と大きさとに対応して、減算器１０から
出力される差信号の極性と大きさとが変化しているもの
になる。

【００２２】前記した減算器１０からの出力信号は帯域
通過濾波器１１と、低域通過濾波器１５とに供給され
る。そして、前記した帯域通過濾波器１１を通過した周
波数成分の信号は光ディスクの径方向における記録情報
の変位と対応する第２の情報信号として出力端子１４に
送出され、また、前記した低域通過濾波器１５を通過し
た直流分と低い周波数成分とからなる信号はトラッキン
グ誤差信号であり、前記のトラッキング誤差信号は、加
算器１８を介してトラッキング制御回路１６に供給され
る。前記したトラッキング制御回路１６によって発生さ
れたトラッキング制御信号は、自動制御系のアクチュエ
ータ８に供給される。また、前記の加算器１８には、後
述されているような各種の手段によって発生されるオフ
セット信号（オフセット電圧）が入力端子１７を介して
供給される。

【００２３】入力端子１７を介して供給されるオフセッ
ト信号が、加算器１８でトラッキング誤差信号に重畳さ
れることにより、トラッキング制御の基準位置が、前記
のオフセット信号の極性と大きさとに応じて、光ディス
クの径方向にずらされることになる。すなわち、前記し
た加算器１８から出力された信号が供給されることによ
り、トラッキング制御信号を発生するトラッキング制御
回路１６から出力されたトラッキング制御信号は、自動
制御系のアクチュエータ８に供給されると、前記の自動
制御系のアクチュエータ８は、前記した入力端子１７に
供給されるオフセット信号の極性及び大きさに応じて対
物レンズ５の光軸を、トラッキング制御動作における基
準の位置から、光ディスクの径方向でそれぞれ定まった
向き及び距離に変位させることになる。

【００２４】それで、前記した入力端子１７に供給する
オフセット信号の極性や大きさを適当にすると、既述し
たような各種の原因によって、第２の情報信号への第１
の情報信号の漏話を零の状態にすることも可能となる。
この点について図９及び図１０をも参照して具体的に説
明すると次のとおりである。図９の（ａ）及び図１０の
（ａ）は、光ディスクＤにおけるマーク，非マークの配
列による情報トラック７（図示の簡略化のために、単一
周波数のピット列による情報トラックとして示してあ
る）が、特定な周期で光ディスクの径方向に変位してい
る状態を模式化して示すとともに、前記の情報トラック
７から情報信号を読取るための再生用の光スポット６に
よる情報トラック７の追跡状態を例示している図であっ
て、図９の（ａ）は、光ディスクＤにおけるマーク，非
マークの配列による情報トラック７の中心に、再生用の
光スポット６の中心が位置している状態で、再生用の光
スポット６が情報トラック７を追跡している状態を例示
している図であり、また図１０の（ａ）は、光ディスク
Ｄにおけるマーク，非マークの配列による情報トラック
７の中心位置から、再生用の光スポット６の中心がずれ
ている状態で、再生用の光スポット６が情報トラック７
を追跡している状態を例示している図である。

【００２５】また、図９の(ｂ）及び図１０の(ｂ）は、
光検出器９の一方の光検出部ＰＤ1からの出力信号、図
９の(ｃ）及び図１０の(ｃ）は、光検出器９の他方の光
検出部ＰＤ2からの出力信号を示しており、図９の(ｄ）
及び図１０の（ｄ）は光検出器９における２個の光検出
部ＰＤ1，ＰＤ2からの出力信号が与えられた減算器１０
の出力信号を示し、さらに、図９の(ｅ）は前記した減
算器１０からの出力信号が供給された帯域通過濾波器１
１からの出力信号を示している。そして、前記した図９
の（ｂ）,(ｃ）及び図１０の(ｂ）,（ｃ）に、それぞれ
示されている光検出器９における２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2からの出力信号は、図９の（ａ）及び図１０の
（ａ）に示されている光ディスクＤの情報トラックにお
けるマーク(ピット)，非マーク(ランド)のそれぞれの部
分における反射光量と対応する電圧値を有しているもの
となっている。

【００２６】さて、光学的記録再生装置において、光学
ヘッドの位置ずれ、光検出器の位置ずれ、差信号処理系
の利得のアンバランス、光ディスク面の径方向における
傾斜、サーボ系の経時変化等が無い状態で、再生光のス
ポットが図９の（ａ）に例示しているように、光ディス
クＤにおけるマーク，非マークの配列による情報トラッ
ク７の中心位置に、再生用の光スポット６の中心が位置
している状態で情報トラックを追跡している場合には、
対物レンズ５で集束した再生用の光スポット６からの反
射光が与えられた光検出器９の２個の光検出部ＰＤ1，
ＰＤ2から出力された２つの出力信号が供給された減算
器１０からの出力信号、すなわち、前記した光検出器９
の２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2から出力された２つの出
力信号の差信号中に含まれている、光ディスクＤにおけ
るマーク，非マークの配列と対応して発生した第１の情
報信号の内で、第２の情報信号の周波数帯域（帯域通過
濾波器１１の通過周波数帯域）内に存在している周波数
成分は、極めて小さなものになるから、光ディスクＤに
おけるマーク，非マークの配列による情報トラック７の
径方向での変位情報と対応して前記の帯域通過濾波器１
１から出力端子１２に出力される第２の情報信号は、図
９の(ｅ）に例示されているように良好なＳ／Ｎを示す
ものとなる。

【００２７】次に、光学的記録再生装置において、光学
ヘッドの位置ずれ、光検出器の位置ずれ、差信号処理系
の利得のアンバランス、光ディスク面の径方向における
傾斜、サーボ系の経時変化等があった場合には、記録再
生装置におけるトラッキング制御系が正常に動作してい
たとしても、再生光のスポットは図１０の（ａ）に例示
してあるように、光ディスクＤにおけるマーク，非マー
クの配列による情報トラック７の中心位置からずれた状
態で情報トラックを追跡している状態と等価な状態で情
報トラックを追跡することになるから、この場合には対
物レンズ５で集束した再生用の光スポット６と記録情報
の位置との記録媒体の径方向での相対的な変位に応じ
て、信号の大きさが相補的に変化して光検出器９の２個
の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2から出力される２つの出力信号
は、図１０の(ｂ）,（ｃ）にそれぞれ例示されているよ
うなものになる。

【００２８】それで光検出器９の２個の光検出部ＰＤ1,
ＰＤ2から出力された図１０の(ｂ),（ｃ）に示されてい
る２つの出力信号が供給された減算器１０からの出力信
号は図１０の（ｄ）に例示されているように、交流軸に
対して非対称な大きな脈流となり、光ディスクＤにおけ
るマーク，非マークの配列と対応して発生した第１の情
報信号の内で、第２の情報信号の周波数帯域（帯域通過
濾波器１１の通過周波数帯域）内に存在している周波数
成分が大きなものになって、光ディスクＤにおけるマー
ク，非マークの配列による情報トラック７の径方向での
変位情報と対応して前記の帯域通過濾波器１１から出力
端子１２に出力される第２の情報信号は、第２の情報信
号中に第１の情報信号が漏話していて振幅や位相の変動
の大きなＳ／Ｎの悪いものとなる。

【００２９】本発明では、前記のように光学的記録再生
装置において、光学ヘッドの位置ずれ、光検出器の位置
ずれ、差信号処理系の利得のアンバランス、光ディスク
面の径方向における傾斜、サーボ系の経時変化等があっ
た場合に、光検出器９の２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2か
ら出力される２つの出力信号が、減算器１０によって差
信号とされた後に帯域通過濾波器１１に供給され、前記
の帯域通過濾波器１１から出力される信号中に、光ディ
スクＤの情報トラックにおけるマーク(ピット)，非マー
ク(ランド)のそれぞれの部分における反射光量と対応し
て生じる信号が減算器１０における減算動作によっても
除去されずに、第２の情報信号中に第１の情報信号が漏
話して第２の情報信号のＳ／Ｎを悪化させてしまうこと
がないように、オフセット信号（オフセット電圧）を入
力端子１７を介して供給することにより、前記のオフセ
ット信号を加算器１８でトラッキング制御信号に重畳さ
せた状態として、自動制御系のアクチュエータ８に供給
し、対物レンズ５の光軸をトラッキング制御動作におけ
る基準の位置から、光ディスクの径方向でそれぞれ定ま
った向き及び距離に変位させて、第２の情報信号への第
１の情報信号の漏話を零の状態にさせる。

【００３０】図１に示す光学的記録媒体の記録再生装置
において、入力端子１７にオフセット信号が供給されて
いない場合に、既述のように光源１から放射された再生
光が対物レンズ５によって集束された光ディスクＤ上の
再生用の光スポット６からの反射光は、対物レンズ５→
反射鏡４→ビームスプリッタ３→光検出器９の光路によ
り、前記の光検出器９を構成している２個の光検出部Ｐ
Ｄ1，ＰＤ2に与えられて、前記の２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2からの出力信号が、減算器１０で減算された後
に、低域通過濾波器１５→加算器１８→トラッキング制
御回路１６→自動制御系のアクチュエータ８→対物レン
ズ５…というような一巡のトラッキング制御ループの動
作により、光ディスクＤ上の再生光のスポット６が、前
記した一巡のトラッキング制御系における誤差信号が零
の状態になる位置を基準の位置として、情報トラックの
巾方向に位置制御が行なわれるが、前記した光学的記録
媒体の記録再生装置を構成しているトラッキング制御系
の構成部材、光学ヘッドの構成部材、などにおけるそれ
ぞれのものの機能や、それぞれのものの取付け位置など
のすべてが適正な場合には、前記した再生光のスポット
６の基準の位置は、情報トラックの巾方向における中央
位置であり、また、光検出器９を構成している２個の光
検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号中に含まれて
いる第１の情報信号成分も同一の大きさとなるために、
第２の情報信号への第１の情報信号の漏話は全く生じな
い。

【００３１】しかし、図１に示されている光学的記録媒
体の記録再生装置を構成しているトラッキング制御系の
構成部材、光学ヘッドの構成部材、等の機能や取付け位
置などの内で、どれか一つ以上のものが不適正な状態に
なった場合には、トラッキング制御系によるトラッキン
グ制御動作によって、再生光のスポット６の中心が情報
トラックの巾方向の中央部分を正しく辿っていても、光
検出器９を構成している２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2か
らの２つの出力信号中に含まれている第１の情報信号成
分の大きさが異なるものとなるために、第２の情報信号
中に第１の情報信号が漏話するようなことが起こる。そ
こで、図１に示してある光学的記録媒体の記録再生装置
では、所定の極性及び大きさを有するオフセット信号を
入力端子１７から加算器１８に供給して、前記のオフセ
ット信号により再生用の光スポット６の位置（対物レン
ズ５の光軸の位置）を光ディスクの径方向における所定
の向きで所定量だけずらし、出力端子１２に第２の情報
信号だけが出力される状態にしているのである。

【００３２】前記した図１に示してある光学的記録媒体
の記録再生装置において、入力端子１７から加算器１８
に供給すべきオフセット信号の極性及び大きさは、出力
端子１２からの出力信号に第２の情報信号だけが出力さ
れる状態にできるようなものとして定められるのであ
り、前記のように出力端子１２からの出力信号に第２の
情報信号だけが出力されるような状態にできるような極
性及び大きさを有するオフセット信号は、出力端子１２
からの出力信号の波形をオシロスコープで観測しなが
ら、入力端子１７に加える直流電圧の極性の大きさとを
変化させることにより容易に決定でき、前記のようにし
て決定された極性と大きさとを有するオフセット信号と
して使用される直流電圧を装置内に設定し、前記の入力
端子１７に供給するようにすればよい。そして、入力端
子１７へ供給するオフセット信号の前記したような設定
動作は、光学的記録媒体の記録再生装置の製作時の調整
工程で行なえば、製作誤差による光学的記録媒体の記録
再生装置の不良率を大巾に改善できる。

【００３３】次に、図２に示す本発明の光学的記録媒体
の記録再生装置は、前記した図１について既述した本発
明の光学的記録媒体の記録再生装置における加算器１８
に対して入力端子１７を介して供給するオフセット信号
として、チルトセンサ２０からの出力信号に基づいて発
生されたオフセット信号が用いられようにした構成態様
の実施例であり、また図３に示す本発明の光学的記録媒
体の記録再生装置は、前記した図１について既述した本
発明の光学的記録媒体の記録再生装置における加算器１
８に対して入力端子１７を介して供給するオフセット信
号として、発振器２２からの出力信号に基づいて発生さ
れたオフセット信号が用いられようにした構成態様の実
施例である。

【００３４】図２に示す本発明の光学的記録媒体の記録
再生装置において、オフセット信号を発生させるチルト
センサ２０は、対物レンズ５によって再生用の光スポッ
ト６が照射されている部分の光ディスクＤの面における
光ディスクの径方向の傾斜と対応する光ディスクの傾斜
情報信号を発生させる構成部分と、前記した光ディスク
の傾斜情報信号に基づいてオフセット信号を発生させる
構成部分とを備えて構成されたものが使用できる。前記
のチルトセンサ２０における光ディスクの傾斜情報信号
を発生させる構成部分としては、例えば発光素子から放
射させた光を第１のコリメータレンズによって平行光に
して光ディスクＤにおける傾斜情報を得ようとする部分
に対して、光ディスクＤの径方向に沿うような状態で入
射させ、前記した光が光ディスク面で反射した光を第２
のコリメータレンズによって集束させて、前記の第２の
コリメータレンズの焦点面上に受光面が位置するように
配置された２分割の光検出器に入射させて、前記した２
分割の光検出器から出力される２つの出力信号に基づい
て、光ディスクの径方向における傾斜情報を示す信号を
発生させることができるような周知構成のものを使用す
ることができる。

【００３５】前記した光ディスクの傾斜情報信号を発生
させる構成部分から出力された光ディスクＤの径方向に
おける傾斜情報を示す信号が供給されることにより、オ
フセット信号を発生させる構成部分は、前記した光ディ
スクＤの径方向における傾斜情報を示す信号と対応して
定められた極性と大きさとを有するオフセット信号を発
生して、前記した加算器１８に供給し、加算器１８では
低域通過濾波器１５から加算器１８に供給されているト
ラッキング誤差信号に、前記のオフセット信号を重畳し
て、前記のオフセット信号によって再生用の光スポット
６の位置（対物レンズ５の光軸の位置）を光ディスクの
径方向における所定の向きで所定量だけずらして、出力
端子１２に第２の情報信号だけが出力させることができ
るようにさせている。

【００３６】図２に示す本発明の光学的記録媒体の記録
再生装置は、前記した図１について既述した本発明の光
学的記録媒体の記録再生装置における加算器１８に対し
て入力端子１７を介して供給するオフセット信号とし
て、チルトセンサ２０からの出力信号に基づいて発生さ
れたオフセット信号を用いることにより、光ディスクＤ
の面が径方向に傾斜していることを原因として、光検出
器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2に照射される
再生光の形状が歪むことにより、第２の情報信号中に第
１の情報信号が漏話して、出力端子１２から出力される
第２の情報信号のＳ／Ｎが悪化することを良好に防止で
きる。

【００３７】次に、図３に示す本発明の光学的記録媒体
の記録再生装置は、発振器２２によって、例えば図１１
に例示されているような予め定められた周期の交流信号
を発生させ、その交流信号を自動制御系のアクチュエー
タ８に供給して、対物レンズ５の光軸が光ディスクの径
方向で周期的に変位される状態にして、光検出器９に与
えられる光ディスクＤからの反射光の主光線の位置が、
光検出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2間を往
復するようにし、また、前記の光検出器９における２個
の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2の出力信号が供給される減算器
１０から出力される差信号から、第２の情報信号中への
第１の情報信号の漏話の状態を示す信号を発生させ、そ
の信号に基づいて自動的に発生させた適正な極性と大き
さとを有するオフセット信号を用いて、各種の原因によ
って第２の情報信号中に漏話する第１の情報信号が最小
な状態となるようにする自動制御系を備えさせた構成態
様のものである（後述の図６に示されている光学的記録
媒体の記録再生装置でも同様な構成が採用されており、
また、後述の図８に示されている光学的記録媒体の記録
再生装置でも、略々同様な構成が採用されている）。

【００３８】すなわち、図３に示す光学的記録媒体の記
録再生装置において、減算器１０からの出力信号は、図
１及び図２について既述した光学的記録媒体の記録再生
装置と同様に、低域通過濾波器１５と帯域通過濾波器１
１とに与えられているとともに検波回路２６にも供給さ
れているが、既述のように発振器２２で発振させた予め
定められた周期の交流信号を、自動制御系のアクチュエ
ータ８に供給して、対物レンズ５の光軸を情報トラック
のトラック巾の方向に周期的に変位させると、再生光の
スポット６が前記した交流信号の周期で情報トラックの
巾方向で往復することになる。

【００３９】そして、前記した交流信号が零の状態にお
いて、再生光のスポット６の中心の位置が、第２の情報
信号中に第１の情報信号に漏話させない状態になってい
た場合には、前記した発振器２２からの予め定められた
周期の交流信号が、自動制御系のアクチュエータ８に供
給されることにより、再生光が前記した交流信号の周期
で情報トラックの巾方向で往復し、光ディスクＤ上の再
生光のスポット６からの反射光が与えられる光検出器９
における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力
信号が供給される減算器１０の出力信号は、図１１の
（ｂ）で例示されるようなものになり、また前記した交
流信号が零の状態において、再生光のスポット６の中心
の位置が、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話さ
せるような状態になっていた場合には、前記した発振器
２２からの予め定められた周期の交流信号が、自動制御
系のアクチュエータ８に供給されることにより、再生光
のスポット６が前記した交流信号の周期で情報トラック
の巾方向で往復し、光ディスクＤ上の再生光のスポット
６からの反射光が与えられる光検出器９における２個の
光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号が供給され
る減算器１０の出力信号は、図１１の(ｄ)で例示される
ようなものになる。

【００４０】光ディスクＤ上の再生光のスポット６の位
置が、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話させな
いような位置にある場合に、前記した減算器１０から出
力される図１１の（ｂ）で例示されているような信号
を、検波回路２６で検波した後に、低域通過濾波器２７
を通して取出される低域信号成分は、図１１の（ｃ）に
示されているように、図１１の（ａ）に示されている交
流信号の周波数の２倍の周波数の信号になっており、ま
た、光ディスクＤ上の再生光のスポット６の位置が、第
２の情報信号中に第１の情報信号を漏話させるような位
置にある場合に、前記した減算器１０から出力される図
１１の（ｄ）で例示されているような信号を、検波回路
２６で検波した後に、低域通過濾波器２７を通して取出
される低域信号成分は、図１１の（ｅ）に示されている
ように、図１１の（ａ）に示されている交流信号の周波
数と同じ周波数の信号になり、かつ、エンベロープの最
小点の位相が図１１の（ａ）に示されている交流信号の
零点からずれる。

【００４１】それで、図３に示す光学的記録媒体の記録
再生装置においては、前記のように発振器２２で発振さ
せた予め定められた周期の交流信号を、自動制御系のア
クチュエータ８に供給して、対物レンズ５の光軸を情報
トラックのトラック巾の方向に周期的に変位させて、再
生光のスポット６の位置を前記した交流信号の周期で情
報トラックの巾方向で往復させ、減算器１０から出力さ
れる信号を、検波回路２６で検波した後に低域通過濾波
器２７を通して得た信号成分に基づいて、第２の情報信
号中に第１の情報信号を漏話させない状態にさせうる対
物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の中心の
位置）に、対物レンズ５の光軸の位置を設定させるため
のオフセット電圧を、オフセット電圧供給回路３１で発
生させて加算器１８に与えるようにしている。

【００４２】すなわち、図３の光学的記録媒体の記録再
生装置において、既述した低域通過濾波器２７から出力
された信号｛図１１の（ｃ）または図１１の（ｅ）に例
示されている信号｝を乗算器２８に与え、乗算器２８に
おいて既述した発振器２２から出力された交流信号と乗
算して、乗算器２８からの出力信号を低域通過濾波器２
９を介して取出すことにより、前記した低域通過濾波器
２９から、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話さ
せない状態に、対物レンズ５の光軸の位置（再生光のス
ポット６の中心の位置）を設定させるためのオフセット
電圧を発生させるための信号を得ることができ、その信
号をオフセット電圧供給回路３１に供給して、オフセッ
ト電圧供給回路３１から所定の極性及び大きさを有する
オフセット電圧を出力して、それを加算器１８に与える
ようにしているのである。それで、図３に示す光学的記
録媒体の記録再生装置では、既述した各種の原因の如何
に拘らずに、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話
させない状態に、対物レンズ５の光軸の位置（再生光の
スポット６の中心の位置）を自動的に設定して再生動作
を行なうことができる（図６及び図８に示されている光
学的記録媒体の記録再生装置についても同じである）。

【００４３】図１乃至図３を参照して、これまでに説明
して来た本発明の光学的記録媒体の記録再生装置では、
トラッキング制御系によるトラッキング制御動作によっ
て、再生光のスポット６の中心が情報トラックの巾方向
の中央部分を正しく辿っていても、既述した各種の原因
によって、第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話し
てＳ／Ｎが低下するという問題点を解決するのに、所定
の極性及び大きさを有するオフセット信号を入力端子１
７から加算器１８に供給して、前記のオフセット信号に
より再生用の光スポット６の位置（対物レンズ５の光軸
の位置）を光ディスクの径方向における所定の向きで所
定量だけずらし、出力端子１２に第２の情報信号だけが
出力されるようにしていたから、情報トラックの巾方向
の中央の部分からずれた位置（例えば、トラックピッチ
が１.６μｍの場合に０.１μｍ以下の位置ずれ量）が、
再生動作時におけるトラッキング制御の基準の位置とさ
れて、再生光のスポット６（対物レンズ５の光軸の位
置）に対するトラッキング制御動作が行なわれるという
点が問題になることが起こる。

【００４４】前記した図１乃至図３を参照して説明した
本発明の光学的記録媒体の記録再生装置における前記の
ような問題点が生じない構成態様の本発明の光学的記録
媒体の記録再生装置として示す図４乃至図６に示す本発
明の光学的記録媒体の記録再生装置では、図１乃至図３
に示す既述した本発明の光学的記録媒体の記録再生装置
において加算器１８が設けられていた位置に減算器２５
を設けるとともに、トラッキング制御回路１６と自動制
御系のアクチュエータ８との間に、前記した加算器１８
を設け、前記した減算器２５に対して、レンズ位置セン
サ２３で検出した対物レンズの位置情報に基づいて制御
回路２４で発生させた対物レンズの光軸の位置信号を供
給している。それで、図４乃至図６に示す本発明の光学
的記録媒体の記録再生装置においては、図１乃至図３に
ついて説明した本発明の光学的記録媒体の記録再生装置
の場合と同様に、オフセット信号の供給によって第２の
情報信号中に第１の情報信号を漏話させない状態に、対
物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の中心の
位置）を変位させた状態においても、再生光のスポット
６に対するトラッキング制御系の動作は、情報トラック
の巾方向の中央部分を再生光のスポット６の中心が正し
く辿らせる状態として行なわれることになる。

【００４５】図４乃至図６に示す本発明の光学的記録媒
体の記録再生装置において、レンズ位置センサ２３は、
対物レンズ５がホームポジションにおける光軸の位置か
らの対物レンズ５の光軸の位置ずれ量を検出し、前記の
位置ずれ量と対応する出力信号を送出する。そして、前
記のレンズ位置センサ２３は、多くの種類の周知な位置
センサの内から適当なものを選択して使用することがで
きるが、例えば光学的な位置センサが使用されてもよ
い。前記したレンズ位置センサ２３からの出力信号は、
制御回路２４において制御信号とされて、一巡のトラッ
キング制御系中に設けられている減算器２５に供給され
る。前記の制御回路２４で発生させる制御信号は、図１
乃至図３を参照して既述した本発明の光学的記録媒体の
記録再生装置において、第２の情報信号中に第１の情報
信号を漏話させない状態に、対物レンズ５の光軸の位置
（再生光のスポット６の中心の位置）がオフセット信号
によって変位されて生じる対物レンズ５の光軸のずれ量
と対応して、トラッキング制御系に発生するトラッキン
グ誤差信号のオフセットを打消すことができるような信
号であり、それが既述の減算器２５に供給されることに
より、図１乃至図３を参照して既述した低域通過濾波器
１５から出力されたトラッキング誤差信号に対して所定
の補償が行なわれることにより、図４乃至図６に示す本
発明の光学的記録媒体の記録再生装置は、既述した一巡
のトラッキング制御系が本来のトラッキング制御特性に
従った制御動作を行なうようにされるのである。

【００４６】そして、図４に示す本発明の光学的記録媒
体の記録再生装置では、図１について既述した光学的記
録媒体の記録再生装置と同様に、入力端子１７を介して
加算器１８に対して所定の極性及び大きさを有するオフ
セット信号を供給し、また図５に示す本発明の光学的記
録媒体の記録再生装置では、図２について既述した光学
的記録媒体の記録再生装置と同様に、チルトセンサ２０
から所定の極性及び大きさを有するオフセット信号を加
算器１８に供給しているから、前記した図４及び図５に
示されている光学的記録媒体の記録再生装置では、既述
のようにレンズ位置センサ２３からの出力信号に基づい
て制御回路２４で発生させた制御信号、すなわち、第２
の情報信号中に第１の情報信号を漏話させない状態に、
対物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の中心
の位置）を変位させるオフセット信号が、トラッキング
制御系の動作に与える影響を打消すことができるように
した制御信号を減算器２５に供給してトラッキング誤差
信号に補償を加え、トラッキング制御系が本来のトラッ
キング制御特性に従った制御動作を行なっている状態に
おいて、第１の情報信号が漏話していない第２の情報信
号を出力端子１２から出力させることができる。

【００４７】また、図６に示す本発明の光学的記録媒体
の記録再生装置では、図３について既述した光学的記録
媒体の記録再生装置と同様に、発振器２２で発振させた
予め定められた周期の交流信号を、自動制御系のアクチ
ュエータ８に供給して、対物レンズ５の光軸を情報トラ
ックのトラック巾の方向に周期的に変位させて、再生光
のスポット６の位置を前記した交流信号の周期で情報ト
ラックの巾方向で往復させ、減算器１０から出力される
信号を、検波回路２６で検波した後に低域通過濾波器２
７を通して得た信号成分に基づいて、第２の情報信号中
に第１の情報信号を漏話させない状態にさせうる対物レ
ンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の中心の位
置）に、対物レンズ５の光軸の位置を設定させるための
オフセット電圧を、オフセット電圧供給回路３１で発生
させて加算器１８に与えるようにしているから、この図
６に示す本発明の光学的記録媒体の記録再生装置でも、
既述のようにレンズ位置センサ２３からの出力信号に基
づいて制御回路２４で発生させた制御信号、すなわち、
第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話させない状態
に、対物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の
中心の位置）を変位させるオフセット信号が、トラッキ
ング制御系の動作に与える影響を打消すことができる制
御信号を減算器２５に供給してトラッキング誤差信号に
補償を加え、トラッキング制御系が本来のトラッキング
制御特性に従った制御動作を行なっている状態におい
て、第１の情報信号が漏話していない第２の情報信号を
出力端子１２から出力させることができる。

【００４８】これまで、図１乃至図６を参照して既述し
た光学的記録媒体の記録再生装置では、第２の情報信号
中に第１の情報信号を漏話させない状態に、対物レンズ
５の光軸の位置（再生光のスポット６の中心の位置）を
変位させた状態とさせていたが、図７及び図８に示す本
発明の光学的記録媒体の記録再生装置では、第２の情報
信号中に第１の情報信号を漏話させない状態とするの
に、対物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット６の
中心の位置）を変位させるような構成の代わりに、対物
レンズ５で集束した再生用の光スポット６と、光ディス
クの記録情報とが、光ディスクの径方向において相対的
に変位したときに、大きさが相補的に変化している状態
で光検出器９から出力される２つの出力信号の信号レベ
ルを、相対的に変化させるようにする構成が用いられて
いる。

【００４９】図７及び図８に示す本発明の光学的記録媒
体の記録再生装置において、光源１から放射された再生
光は、対物レンズ５により集束されて光ディスクＤ上に
再生用の光スポット６を生じる。そして前記した再生光
のスポット６からの反射光は、対物レンズ５→反射鏡４
→ビームスプリッタ３→光検出器９の光路により、前記
の光検出器９を構成している２個の光検出部ＰＤ1，Ｐ
Ｄ2に与えられる。前記の２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2
からの出力信号は、加算器１３と減算器１０とに供給さ
れるとともに、前記した光検出部ＰＤ1からの出力信号
は可変抵抗器３２に供給され、また前記した光検出部Ｐ
Ｄ2からの出力信号は抵抗器３３に供給される。

【００５０】前記した図７及び図８に示す本発明の光学
的記録媒体の記録再生装置において、対物レンズ５→反
射鏡４→ビームスプリッタ３→光検出器９を構成してい
る２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2→減算器１０→低域通過
濾波器１５→トラッキング制御回路１６→自動制御系の
アクチュエータ８→対物レンズ５…という一巡の回路
は、一巡のトラッキング制御ループを構成していて、光
ディスクＤ上の再生光のスポット６が、前記した一巡の
トラッキング制御系における誤差信号が零の状態になる
位置を基準の位置として、情報トラックの巾方向に位置
制御が行なわれる。そして、前記した光学的記録媒体の
記録再生装置を構成しているトラッキング制御系の構成
部材、光学ヘッドの構成部材、などにおけるそれぞれの
ものの機能や、それぞれのものの取付け位置などのすべ
てが適正な場合には、第２の情報信号への第１の情報信
号の漏話は生じないが、前記の諸条件が満されない場合
には第２の情報信号中に第１の情報信号の漏話が生じる
ことなどは、既述のとおりである。

【００５１】図７及び図８に示されている光学的記録媒
体の記録再生装置において、光学的記録媒体の記録再生
装置を構成しているトラッキング制御系の構成部材、光
学ヘッドの構成部材、等の機能や取付け位置などの内
で、どれか一つ以上のものが不適正な状態になった場合
には、トラッキング制御系によるトラッキング制御動作
によって、再生光のスポット６の中心が情報トラックの
巾方向の中央部分を正しく辿っていても、光検出器９を
構成している２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの
出力信号中に含まれている第１の情報信号成分の大きさ
が異なるものとなるために、第２の情報信号中に第１の
情報信号が漏話するようなことが起こる。

【００５２】それで、図７及び図８に示してある光学的
記録媒体の記録再生装置では、前記の原因によって光検
出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つ
の出力信号中に含まれている第１の情報信号成分の大き
さが異なる場合でも、前記した２個の光検出部ＰＤ1，
ＰＤ2の出力回路中に設けた回路配置によって、前記し
た２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号中
に含まれている第１の情報信号成分の大きさが同一とな
るようにしてから減算器３４に供給し、減算器３４の出
力信号を帯域通過濾波器１１を介して取出すことにより
第１の情報信号が漏話していない状態の第２の情報信号
が出力端子１２から得られるようにしているのである。

【００５３】図７及び図８に示す光学的記録媒体の記録
再生装置では、光検出器９における２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2からの２つの出力信号中に含まれている第１の
情報信号成分の大きさが同一になるように前記した２個
の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2の出力回路中に設ける回路配置
として、可変抵抗器３２と抵抗器３３とが用いられてい
るものとして図示してあるが、これは構成原理及び動作
原理を理解し易くするための回路例を示したものであ
り、実施に当っては、例えば可変利得制御回路、可変減
衰回路網、等が使用され、前記した光検出器９における
２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号中に
含まれている第１の情報信号成分の信号レベルが同一に
なるようにしてから、減算器３４に供給されるようにす
る。

【００５４】図７及び図８に示す光学的記録媒体の記録
再生装置において、光検出器９における２個の光検出部
ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号中に含まれている第
１の情報信号成分の大きさが同一な状態で、光検出器９
における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力
信号が減算器３４に供給されるように、入力端子３５に
供給される制御信号によって可変抵抗器３２の抵抗値を
変化させて、出力端子１２からの出力信号が第２の情報
信号だけとなるように、出力端子１２からの出力信号の
波形をオシロスコープで観測しながら入力端子３５に加
える制御信号を変化させる。

【００５５】図７に示す本発明の光学的記録媒体の記録
再生装置では、前記した可変抵抗器３２に対して入力端
子３５を介して供給する制御信号として、チルトセンサ
２０からの出力信号に基づいて制御回路３１で発生され
た制御信号が用いられようにした構成態様の実施例であ
り、また図８に示す本発明の光学的記録媒体の記録再生
装置では、前記した前記した可変抵抗器３２に対して入
力端子３５を介して供給する制御信号として、発振器２
２からの出力信号に基づいて制御信号発生回路３６で発
生された制御信号が用いられようにした構成態様の実施
例である。

【００５６】図７に示す本発明の光学的記録媒体の記録
再生装置において、制御信号を発生させるチルトセンサ
２０は、対物レンズ５によって再生用の光スポット６が
照射されている部分の光ディスクＤの面における光ディ
スクの径方向の傾斜と対応する光ディスクの傾斜情報信
号を発生させる構成部分を備えて構成されたものが使用
でき、例えば発光素子から放射させた光を第１のコリメ
ータレンズによって平行光にして光ディスクＤにおける
傾斜情報を得ようとする部分に対して、光ディスクＤの
径方向に沿うような状態で入射させ、前記した光が光デ
ィスク面で反射した光を第２のコリメータレンズによっ
て集束させて、前記の第２のコリメータレンズの焦点面
上に受光面が位置するように配置された２分割の光検出
器に入射させて、前記した２分割の光検出器から出力さ
れる２つの出力信号に基づいて、光ディスクの径方向に
おける傾斜情報を示す信号を発生させることができるよ
うな周知構成のものを使用することができる。

【００５７】前記したチルトセンサ２０から出力された
光ディスクＤの径方向における傾斜情報を示す信号が供
給された制御信号発生回路３６では、前記した光ディス
クＤの径方向における傾斜情報を示す信号と対応して定
められた大きさを有する制御信号を発生して、それを可
変抵抗器３２に供給する。前記の可変抵抗器３２は光検
出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つ
の出力信号中に含まれている第１の情報信号成分の大き
さが同一な状態で、光検出器９における２個の光検出部
ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号が減算器３４に供給
されるように前記の制御信号によって、それの抵抗値が
変化される。それで、減算器３４からの出力信号が帯域
通過濾波器１１を介して出力端子１２に送出される信号
は、第１の情報信号が漏話していない第２の情報信号だ
けとなる。

【００５８】図７に示す本発明の光学的記録媒体の記録
再生装置は、可変抵抗器３２に対して入力端子３５を介
して供給する制御信号として、チルトセンサ２０からの
出力信号に基づいて制御信号発生回路３６で発生された
制御信号を用いることによって、光ディスクＤの面が径
方向に傾斜していることを原因として、光検出器９にお
ける２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2に照射される再生光の
形状が歪むことにより、第２の情報信号中に第１の情報
信号が漏話して、出力端子１２から出力される第２の情
報信号のＳ／Ｎが悪化することを良好に防止できる。

【００５９】次に、図８に示す本発明の光学的記録媒体
の記録再生装置は、発振器２２によって、例えば図１１
に例示されているような予め定められた周期の交流信号
を発生させ、その交流信号に基づいて発生させた制御信
号により、可変抵抗器３２の抵抗値を周期的に変化させ
た状態にして、光検出器９における２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2の出力信号が供給される減算器３４から出力さ
れる差信号から、第２の情報信号中への第１の情報信号
の漏話の状態を示す信号を発生させ、その信号に基づい
て自動的に発生させた制御信号を用いて、各種の原因に
よって第２の情報信号中に漏話する第１の情報信号が最
小な状態となるように、前記の減算器３４の出力側と、
前記の減算器３４の入力側に接続された可変抵抗器３２
の制御入力側との間に、検波回路２６、低域通過濾波器
２７、乗算器２８、低域通過濾波器２９、発振器２２、
制御信号発生回路３６、等を用いて構成された回路配置
を設けたものである。すなわち、図８に示す光学的記録
媒体の記録再生装置において、減算器３４からの出力信
号は、帯域通過濾波器１１を介して出力端子１２に送出
されているとともに、検波回路２６にも供給されてい
る。発振器２２で発振させた予め定められた周期の交流
信号が、制御信号発生回路３６に供給されて、制御信号
発生回路３６で発生した制御信号が可変抵抗器３２に供
給されることにより、前記した可変抵抗器３２の抵抗値
は、前記した交流信号の周期で変化する。

【００６０】前記した交流信号が零の状態において、光
検出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2の出力信
号が供給される減算器３４から出力される差信号が、第
２の情報信号中へ第１の情報信号が漏話していない状態
になっていた場合には、前記した発振器２２からの予め
定められた周期の交流信号が、制御信号発生回路３６に
供給されることにより、光検出器９における２個の光検
出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号が供給される減
算器３４の出力信号は、図１１の（ｂ）で例示されるよ
うなものになり、また前記した交流信号が零の状態にお
いて、光検出器９における２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2
の出力信号が供給される減算器３４から出力される差信
号が、第２の情報信号中へ第１の情報信号が漏話してい
るような状態になっていた場合には、前記した発振器２
２からの予め定められた周期の交流信号が、制御信号発
生回路３６に供給されることにより、光検出器９におけ
る２個の光検出部ＰＤ1，ＰＤ2からの２つの出力信号が
供給される減算器３４の出力信号は、図１１の(ｄ)で例
示されるようなものになる。

【００６１】光検出器９における２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2の出力信号が供給される減算器３４から出力さ
れる差信号が、第２の情報信号中に第１の情報信号が漏
話していないような位置にある場合に、前記した減算器
３４から出力される図１１の（ｂ）で例示されているよ
うな信号が、検波回路２６で検波された後に低域通過濾
波器２７を通して取出される低域信号成分は、図１１の
（ｃ）に示されているように、図１１の（ａ）に示され
ている交流信号の周波数の２倍の周波数の信号になって
おり、また、光検出器９における２個の光検出部ＰＤ
1，ＰＤ2の出力信号が供給される減算器３４から出力さ
れる差信号が、第２の情報信号中に第１の情報信号が漏
話しているような位置にある場合に、前記した減算器３
４から出力される図１１の（ｄ）で例示されているよう
な信号を、検波回路２６で検波した後に低域通過濾波器
２７を通して取出される低域信号成分は、図１１の
（ｅ）に示されているように、図１１の（ａ）に示され
ている交流信号の周波数と同じ周波数の信号になり、か
つ、エンベロープの最小点の位相が図１１の（ａ）に示
されている交流信号の零点からずれる。

【００６２】それで、図８に示す光学的記録媒体の記録
再生装置においては、前記のように発振器２２で発振さ
せた予め定められた周期の交流信号によって可変抵抗器
３２の抵抗値を周期的に変化させて、減算器３４から出
力される信号を、検波回路２６で検波した後に低域通過
濾波器２７を通して得た信号成分に基づいて、第２の情
報信号中に第１の情報信号を漏話させない状態にさせう
る可変抵抗器３２の抵抗値を設定させるための制御信号
（制御電圧）を、制御信号発生回路３６で発生させて可
変抵抗器３２に与えるようにしている。

【００６３】すなわち、図８の光学的記録媒体の記録再
生装置において、既述した低域通過濾波器２７から出力
された信号｛図１１の（ｃ）または図１１の（ｅ）に例
示されている信号｝を乗算器２８に与え、乗算器２８に
おいて既述した発振器２２から出力された交流信号と乗
算して、乗算器２８からの出力信号を低域通過濾波器２
９を介して取出すことにより、前記した低域通過濾波器
２９から、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話さ
せない状態に、可変抵抗器３２の抵抗値を設定させるた
めの制御信号（制御電圧）を、制御信号発生回路３６で
発生させて、それを可変抵抗器３２に与えるようにして
いるのである。それで、図８に示す光学的記録媒体の記
録再生装置では、既述した各種の原因の如何に拘らず
に、第２の情報信号中に第１の情報信号を漏話させない
状態に、対物レンズ５の光軸の位置（再生光のスポット
６の中心の位置）を自動的に設定して再生動作を行なう
ことができる。

【００６４】

【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように、本発明の光学的記録媒体の記録再生装置は、
マークの有無によって情報信号が記録されている情報ト
ラックと、記録媒体の径方向における記録情報の変位に
よる情報信号の記録も行なわれている光学的記録媒体
（光ディスク）に対して、対物レンズで集束した再生用
の光スポットを照射して、光ディスクから前記の各記録
情報を含む再生光を発生させて光検出器に与え、光ディ
スクにおけるマークの有無による光ディスクからの再生
光の光強度と対応する再生信号を第１の情報信号として
光検出器から出力させ、また、対物レンズで集束した再
生用の光スポットと記録媒体の記録情報とが記録媒体の
径方向において相対的に変位したときに、大きさが相補
的に変化している状態で光検出器から出力される２つの
出力信号の差信号における所定の周波数領域の信号成分
を第２の情報信号として用いる場合に、光学ヘッドの位
置ずれ、光検出器の位置ずれ、差信号処理系の利得のア
ンバランス、光ディスク面の径方向における傾斜、サー
ボ系の経時変化等の各種の原因によって、もともと極め
て信号レベルが低い第２の情報信号中に、第１の情報信
号が漏話して生じる第２の情報信号のＳ／Ｎの悪化を防
止するのに、対物レンズの光軸の位置（再生用の光スポ
ットの位置）を、第１の情報信号が前記の第２の情報信
号中に漏話しない状態になるように、トラッキング制御
動作の基準位置から光ディスクの径方向でそれぞれ定ま
った向き及び距離の位置にずらして、前記した第２の情
報信号中に第１の情報信号成分が漏話しない状態にした
り、対物レンズの光軸のずれ量と対応してトラッキング
制御系に発生するトラッキング誤差信号のオフセットを
打消す信号を、対物レンズの光軸のずれ量に従って発生
させて、それをトラッキング制御系に供給することによ
り、前記した対物レンズの光軸のずれ量が補償された状
態でトラッキング制御が行なわれるようにした状態で、
第１の情報信号が前記の第２の情報信号中に漏話しない
状態としたり、また、光ディスクの径方向の傾斜を検出
して、前記の傾斜量に従って再生用の光スポットのスポ
ットの位置（対物レンズの光軸の位置）を、トラッキン
グ制御動作の基準位置から光ディスクの径方向にずらす
ことにより、前記した第２の情報信号中に第１の情報信
号成分が漏話しない状態にしたり、または再生用の光ス
ポットのスポットの位置を、光ディスクの径方向の傾斜
に応じてトラックの中心位置から光ディスクの径方向に
ずらして、前記した第２の情報信号中に第１の情報信号
成分が漏話しない状態にさせるとともに、対物レンズの
光軸のずれ量と対応して、トラッキング制御系に発生す
るトラッキング誤差信号のオフセットを打消す信号を、
対物レンズの光軸のずれ量に従って発生させて、それを
トラッキング制御系に供給することにより、前記した対
物レンズの光軸のずれ量が補償された状態でトラッキン
グ制御が行なわれるようにした状態で、第１の情報信号
が前記の第２の情報信号中に漏話しない状態としたり、
さらに、対物レンズの光軸を光学的記録媒体の径方向に
予め定められた周期で変位させ、前記のように対物レン
ズの光軸が予め定められた周期で変位している状態にお
いて、前記した第２の情報信号中へ第１の情報信号が漏
話している状態を示す信号を発生させ、前記の漏話の状
態を示す信号によって対物レンズの光軸を光学的記録媒
体の径方向に変位させることにより、前記した第２の情
報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態となるよう
にしたり、あるいは前記した対物レンズで集束した再生
用の光スポットと記録媒体の記録情報とが記録媒体の径
方向において相対的に変位したときに、大きさが相補的
に変化している状態で光検出器から出力される２つの出
力信号の信号レベルを、光ディスクの径方向の傾斜を検
出して得た信号に基づいて相対的に変化させ、前記した
第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態と
なるようにしたり、または、対物レンズで集束した再生
用の光スポットと記録媒体の記録情報とが記録媒体の径
方向において相対的に変位したときに、大きさが相補的
に変化している状態で光検出器から出力される２つの出
力信号の信号レベルを、予め定められた周期で変化させ
た状態において、第２の情報信号中へ第１の情報信号が
漏話している状態を示す信号を発生させ、前記した第２
の情報信号中へ第１の情報信号が漏話している状態を示
す信号に基づいて、前記した光検出器から出力される２
つの出力信号の信号レベルを相対的に変化させ、前記し
た第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態
となるようにするものであるから、本発明によれば、光
学ヘッドの位置ずれ、光検出器の位置ずれ、差信号処理
系の利得のアンバランス、光ディスク面の径方向におけ
る傾斜、サーボ系の経時変化等の各種の原因によって、
光検出器から出力される２つの出力信号の差信号におけ
る所定の周波数領域の信号成分からなる第２の情報信号
中に、第１の情報信号が漏話しないようにできるので、
本発明により既述した問題点は良好に解決できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図２】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図３】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図４】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図５】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図６】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図７】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図８】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の概略
構成を示すブロック図である。

【図９】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の動作
の説明に使用される図である。

【図１０】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の動
作の説明に使用される図である。

【図１１】本発明の光学的記録媒体の記録再生装置の動
作の説明に使用される図である。

【符号の説明】

Ｄ…光学的記録媒体（光ディスク）、ＰＤ1，ＰＤ2…光
検出部、１…光源、２…コリメートレンズ、３…ビーム
スプリッタ、４…反射鏡、５…対物レンズ、６…光ディ
スクＤに照射された再生光のスポット、７…情報トラッ
ク、８…自動制御系のアクチュエータ、９…光検出器、
９ａ…２つの光検出部の境界線、１０，２５，３４…減
算器、１１…帯域通過濾波器、１３，１８…加算器、１
５，２７，２９…低域通過濾波器、１６…トラッキング
制御回路、１９…駆動モータ、２０…チルトセンサ、２
２…発振器、２３…レンズ位置センサ、２４，３１…制
御回路、２８…乗算器、３０…レンズシフト制御回路、
３２…可変抵抗器、３３…抵抗器、３６…制御信号発生
回路、３７…オフセット電圧供給回路、

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手
   段とを含んで構成してある光学的記録媒体の記録再生装
   置であって、前記した第２の情報信号中に第１の情報信
   号が漏話しない状態となるように、対物レンズの光軸を
   トラッキング制御動作の基準の位置から光学的記録媒体
   の径方向に変位させる手段を設けてなる光学的記録媒体
   の記録再生装置。
2. 【請求項２】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手
   段とを含んで構成してある光学的記録媒体の記録再生装
   置であって、光学的記録媒体の盤面における径方向での
   傾斜量を示す信号を得る傾斜状態検出手段と、前記した
   第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態と
   なるように、傾斜状態検出手段からの出力信号に基づい
   て、対物レンズの光軸をトラッキング制御動作の基準の
   位置から光学的記録媒体の径方向に変位させる手段とを
   設けてなる光学的記録媒体の記録再生装置。
3. 【請求項３】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手
   段とを含んで構成してある光学的記録媒体の記録再生装
   置であって、対物レンズの光軸を光学的記録媒体の径方
   向に予め定められた周期で変位させる手段と、前記した
   対物レンズの光軸を予め定められた周期で変位させてい
   る状態において、前記した第２の情報信号を得る手段か
   ら出力される信号に基づいて、第２の情報信号中への第
   １の情報信号の漏話の状態を示す信号を発生させる手段
   と、前記の漏話の状態を示す信号により、前記した第２
   の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態となる
   ように、対物レンズの光軸をトラッキング制御動作の基
   準の位置から光学的記録媒体の径方向に変位させる手段
   を設けてなる光学的記録媒体の記録再生装置。
4. 【請求項４】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手
   段と、トラッキング制御系とを含んで構成してある光学
   的記録媒体の記録再生装置であって、前記した第２の情
   報信号中に第１の情報信号が漏話しない状態となるよう
   に、対物レンズの光軸をトラッキング制御動作の基準の
   位置から光学的記録媒体の径方向に変位させる手段と、
   対物レンズの光軸が前記の変位手段の動作によって光学
   的記録媒体の径方向へ変位された状態で、トラッキング
   誤差が零の状態となるようにトラッキング制御系を動作
   させる手段とを設けてなる光学的記録媒体の記録再生装
   置。
5. 【請求項５】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号と、トラ
   ッキング制御系とを得る手段とを含んで構成してある光
   学的記録媒体の記録再生装置であって、光学的記録媒体
   の盤面における径方向での傾斜量を示す信号を得る傾斜
   状態検出手段と、前記した第２の情報信号中に第１の情
   報信号が漏話しない状態となるように、傾斜状態検出手
   段からの出力信号に基づいて、対物レンズの光軸をトラ
   ッキング制御動作の基準の位置から光学的記録媒体の径
   方向に変位させる手段と、対物レンズの光軸が前記の変
   位手段の動作によって光学的記録媒体の径方向へ変位さ
   れた状態で、トラッキング誤差が零の状態となるように
   トラッキング制御系を動作させる手段とを設けてなる光
   学的記録媒体の記録再生装置。
6. 【請求項６】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、光
   検出器からの出力信号に基づいて記録媒体の径方向にお
   ける記録情報の変位と対応する第２の情報信号を得る手
   段と、トラッキング制御系とを含んで構成してある光学
   的記録媒体の記録再生装置であって、対物レンズの光軸
   をトラッキング制御動作の基準の位置から光学的記録媒
   体の径方向に予め定められた周期で変位させる手段と、
   前記した対物レンズの光軸を予め定められた周期で変位
   させている状態において、前記した第２の情報信号を得
   る手段から出力される信号に基づいて、第２の情報信号
   中への第１の情報信号の漏話の状態を示す信号を発生さ
   せる手段と、前記の漏話の状態を示す信号により、前記
   した第２の情報信号中に第１の情報信号が漏話しない状
   態となるように、対物レンズの光軸をトラッキング制御
   動作の基準の位置から光学的記録媒体の径方向に変位さ
   せる手段と、対物レンズの光軸が前記の変位手段の動作
   によって光学的記録媒体の径方向へ変位された状態で、
   トラッキング誤差が零の状態となるようにトラッキング
   制御系を動作させる手段とを設けてなる光学的記録媒体
   の記録再生装置。
7. 【請求項７】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、対
   物レンズで集束した再生用の光スポットの記録媒体の径
   方向での変位に応じて、信号の大きさが相補的に変化し
   ている状態で光検出器から得られる２つの出力信号の差
   信号によって第２の情報信号を得る手段とを含んで構成
   してある光学的記録媒体の記録再生装置であって、光学
   的記録媒体の盤面における径方向での傾斜量を示す信号
   を得る傾斜状態検出手段と、前記した第２の情報信号を
   得るのに用いられる光検出器から大きさが相補的に変化
   している状態で出力されている２つの出力信号の信号レ
   ベルを、前記した傾斜状態検出手段からの出力信号に基
   づいて相対的に変化させる手段とを設けてなる光学的記
   録媒体の記録再生装置。
8. 【請求項８】 マークの有無によって情報信号が記録さ
   れている情報トラックを有するとともに、記録媒体の径
   方向における記録情報の変位による情報信号の記録も行
   なわれている光学的記録媒体に対し、対物レンズで集束
   した再生用の光スポットを照射して得た前記の各記録情
   報を含む再生光を、少なくとも１個の光検出器に与え
   て、光検出器からの出力信号に基づいてマークの有無に
   よる光強度に対応する第１の情報信号を得る手段と、対
   物レンズで集束した再生用の光スポットの記録媒体の径
   方向での変位に応じて、信号の大きさが相補的に変化し
   ている状態で光検出器から得られる２つの出力信号の差
   信号によって第２の情報信号を得る手段とを含んで構成
   してある光学的記録媒体の記録再生装置であって、前記
   した第２の情報信号を得るのに用いられる光検出器から
   大きさが相補的に変化している状態で出力されている２
   つの出力信号の信号レベルを、予め定められた周期で相
   対的に変化させる手段と、前記した光検出器から大きさ
   が相補的に変化している状態で出力されている２つの出
   力信号の信号レベルが、予め定められた周期で相対的に
   変化されている状態において、前記した第２の情報信号
   を得る手段から出力される信号に基づいて、第２の情報
   信号中への第１の情報信号の漏話の状態を示す信号を発
   生させる手段と、前記した第２の情報信号を得るのに用
   いられる光検出器から大きさが相補的に変化している状
   態で出力されている２つの出力信号の信号レベルを、前
   記の漏話の状態を示す信号に基づいて相対的に変化させ
   る手段とを設けてなる光学的記録媒体の記録再生装置。