JP2799718B2 - アーク溶射方法及びその装置 - Google Patents

アーク溶射方法及びその装置

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JP2799718B2 JP63326730A JP32673088A JP2799718B2 JP 2799718 B2 JP2799718 B2 JP 2799718B2 JP 63326730 A JP63326730 A JP 63326730A JP 32673088 A JP32673088 A JP 32673088A JP 2799718 B2 JP2799718 B2 JP 2799718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、アトマイジング用の圧縮空気の供給形態
に改良を加えたアーク溶射方法とその装置に関する。
(ロ)従来の技術 一般的なアーク溶射装置では線或は帯状の金属製溶材
をアーク熱で溶融し、これをアトマイジング(atomizin
g)用の圧縮空気で微細化し冷却しながら母材に吹付
け、母材表面に微粒子状の連続被膜を形成する。前記ア
トマイジング用圧縮空気の供給形態の従来技術として
は、アーク域の外面側に主ジェットエアーカーテンを形
成する外包型と、主ジェットエアをアーク域の中心後方
からアーク域に向かって噴出する貫通型との二方式があ
る。
外包型は、主ジェットエアーカーテンを環状のノズル
から円錐形に噴き出し、この円錐形の気流の内側に低圧
圏を形成し、低圧圏内に溶材を送込んでアーク放電さ
せ、主ジェットエアーカーテンの誘引作用によって溶滴
を気流に接触させてアトマイジングを行うものであり、
この方式の溶射装置は例えば特開昭61−167472号公報で
公知である。又、前記金属溶滴を主ジェットエアーカー
テンへ確実に送り込むために、アーク域の中心後方に第
2のノズルを設け、このノズルからアーク域の中心に向
かって補助ジェットエアーを噴出するものもある(特公
昭56−10103号公報)。
貫通型は、アーク域の中心後方に主ジェットエアを噴
き出す主ノズルを備えており、主ノズルから噴出される
直線状の主ジェットエアを金属溶滴に直接作用させてア
トマイジングを行う。この種装置は例えば特開昭61−18
1560号公報に記載されている。又、特公昭60−18463号
公報には、主ノズルとは別にアーク域の外側に一対の補
助ノズルを設け、両ノズルから溶材の先端交点に向かっ
て補助エアを噴き出し、この補助エアと金属溶滴に直接
作用する主ジェットエアとの協働作用により、アトマイ
ジングを行うものが記載されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 外包型の溶射装置では、溶材及びアーク域の外面に円
錐形状の主ジェットエアーカーテンを形成する。そのた
め、貫通型に比べて溶射装置が大形化しやすく、構造も
複雑になりやすい。とくに、帯状の溶材を用いる場合
は、環状のノズルの口径を大きくしないと、アーク域を
主ジェットエアーカーテンで覆うことができず、溶射装
置の小形化、軽量化を実現できなかった。又、アーク域
の中心後方に補助ノズルを備えたものの場合は、溶射装
置の内部構造が更に複雑化し、主・補助それぞれのノズ
ル用に供給圧の異なるエアホースを接続する必要上、持
ち重りがし、操作性を阻害する欠点もあった。
貫通性の場合は、主ジェットエアをアーク域に直接吹
付けてアトマイジングを行う。そのため、主ジェットエ
アで溶材のアーク部が冷却されてピンチ効果による異常
高温を生じやすく、主ジェットエア中の酵素が高温高密
度のオゾンとなって溶融金属を激しく酸化させ、或は溶
材が爆発的に溶融して、溶滴が微細化されないまま吹付
けられ、形成被膜にむらを生じる等の欠点があった。こ
うした不具合を軽減するために前述のように貫通型に於
いても補助ノズルを用いることがあり、溶射装置の構造
が複雑化しがちであった。
上記のように、従来のアーク溶射装置では、外包型及
び貫通型のいずれにしても、構造或は溶射性能等に一長
一短があり、その改善が望まれていた。
この発明は上記に鑑み提案されたものであって、アト
マイジング用の圧縮空気の供給形態を改良することによ
り、溶射装置の構造の簡素化を図り、その小形化及び軽
量化を実現すること、及びアーク溶射をロスなく安定的
に行えるようにすることを目的とする。
この発明の他の目的は、帯状の溶材に適したアトマイ
ジング用圧縮空気の供給形態を得ることにある。
(ニ)課題を解決するための手段 この発明では、外包型の用射装置と同様に、溶材の外
面をジェットエアーカーテンで包んでアーク溶射を行う
が、アーク溶射を安定的に行うのに必要な最小領域に限
ってジェットエアーカーテンを形成することにより、構
造の簡素化と小形・軽量化を実現することにした。
具体的には、溶射中心軸Pを間に挟んで対称に配設さ
れた一対のノズル口19から溶射中心軸Pに向かって圧縮
空気を噴出し、前記噴出気流によって、先端で収束する
アークチャンバ22を内包するアトマイジング用のジェッ
トエアーカーテン21を形成し、アークチャンバ22内のジ
ェットエアーカーテン21より派生する弱風よりなる傍流
圏30で一対の溶材W間にアーク放電を連続的に生じさ
せ、アーク放電により生じた溶材Wの溶滴を傍流圏30の
弱風によりジェットエアーカーテン21内に送込みアトマ
イジングを行うこととした。
装置の発明においては、ケース1前端の溶射中心軸P
を挟む対称位置に、アトマイジング用のジェットエアー
カーテン21を形成する一対のノズル口19を配置し、両ノ
ズル口19の噴出中心線Qが溶射中心軸Pに向かって収束
するよう、両ノズル口19を指向させ、ジェットエアーカ
ーテン21で区画されるアークチャンバ22内のジェットエ
アーカーテン21より派生する弱風よりなる傍流圏30に、
一対の溶材Wのアーク交点Oを位置させることとした。
(ホ)作用 一対のノズル口19でジェットエアーカーテン21を形成
し、アーク溶射を安定的に行うのに必要な最小領域だけ
をジェットエアーカーテン21で包み込むようにするの
で、ノズル3の構造を単純化してその小形化を容易に行
うことができる。
ジェットエアーカーテン21で包まれた、気流速度の低
い傍流圏30でアーク放電を連続的に行い、アーク放電に
より生じた溶材Wの溶滴を傍流圏30の弱風によりジェッ
トエアーカーテン21内に送込みアトマイジングを行うの
で、ピンチ現象を生じることなく安定したアーク溶射を
行うことができる。
(イ)第1実施例 第1図乃至第5図は本発明の第1実施例を示す。第3
図に於いて、アーク溶射装置は線状の溶材Wを用いてア
ーク溶射を行うものであって、角箱状のケース1内を溶
材Wが上下平行姿勢で通過するよう溶材経路を設定し、
ケース1の内部中央に溶材送り機構2を設け、ケース1
の前端外面にアトマイジング用の圧縮空気を噴き出すノ
ズル3を配置している。
ケース1の前後に絶縁ブロック4、5を固定し、各ブ
ロック4、5を前後に貫通する状態で、溶材Wの通路経
路を規定する上下一対のガイド管6、7を平行に配設し
ている。後側のガイド管7は、絶縁ブロック5に直接固
定する。又、前側のガイド管6は、絶縁ブロック4に装
着された上下一組の電極棒8にねじ込んで固定する。第
4図に示すように、電極棒8の一端はケース1の外面に
突出しており、この突端に給電線9を接続して、一方の
電極棒8にプラス電流を、他方の電極棒にマイナス電流
を印加し、前記ガイド管6及び後述するアークガイド管
10を介してアーク電流が溶材Wに印加されるようにして
いる。
溶材Wをノズル3の前方外面のアーク交点Oに向かっ
て接近移動させるために、前側のガイド管6のそれぞれ
に「く字」に湾曲するアークガイド管10を接続固定して
いる。このアークガイド管10によって、上下の溶材Wは
溶射中心軸Pに向かって収束するよう変向案内され、変
向時にアークガイド管10の内壁に密接して、アーク電流
の印加を確実なものとする。
溶材送り機構2は、上下の溶材Wを同時にケース前方
に向かって送り出すよう構成され、第4図に示す大径の
駆動ローラ12と、溶材Wを駆動ローラ12に押し付ける上
下一組の押えローラ13と、駆動ローラ12を回転駆動する
モータ14などからなる。駆動ローラ12は絶縁体で形成さ
れており、溶材Wに外接する箇所に限って金属製のV形
断面のリング12aを嵌込んでいる。リング12aの周面に
は、増摩擦用のローレットが施されている。押えローラ
13は絶縁体製の上下に分割された一組の揺動アーム15に
回転自在に支持されており、揺動アーム15のそれぞれを
板ばね16で駆動ローラ12に向かって押圧付勢することに
より、押えローラ13が溶材Wをリング12aの周面に圧接
させるようにしている。モータ14はケース1の下面に固
定したグリップ17内に収められており、グリップ17の後
面に設けたスイッチ25をオン操作すると起動できる。
第4図及び第5図に於いて、ノズル3は前後に薄い角
箱状に形成され、その上半部の左右中央にアークガイド
管10を避ける凹部18を設け、この凹部18の対向縁のそれ
ぞれに、溶射中心軸Pを間に挟んで対称となるよう一対
のノズル口19,19を開口している。ノズル3の下端には
エアホースを接続する継手20が突設される。この継手20
からノズル3内のエアチャンバ3aに圧縮空気を送込む。
第5図に示すように、各ノズル口19は、一群の小孔19
aとこの小孔19aよりやや大径に形成される上下の端孔19
bとを、上下方向に直線列を構成するよう配置して形成
する。また、各孔19a、19bはその噴出中心線Qが溶射中
心軸Pに向かって収束するよう傾斜させてある(第1図
参照)。
左右のノズル口19から噴出される圧縮空気流によっ
て、噴出先端側で合流するV字状のジェットエアーカー
テン21が形成され、その内部領域にくさび体状のアーク
チャンバ22が形成される。また、ジェットエアーカーテ
ン21より派生して、これより気流速度の低い気流領域が
発生し、ジェットエアーカーテン21の外周を取囲む弱風
の傍流圏30が形成される。このとき、各小孔19a、19bか
ら噴出された気流は、噴出基端側では分離しているが間
もなく合流して一連のジェットエアーカーテン21を形成
する。
上下端の端孔19bから噴出される気流は小孔19aの気流
径より大きく、より強い指向力を発揮する。このため、
アークチャンバ22の上下縁付近では、中央付近に比べて
ジェットエアーカーテン21の断面幅が広がり、アークチ
ャンバ22の上下縁を内向きに覆うように作用する。つま
り、各ジェットエアーカーテン21の両端にカギ形の気流
壁が形成され、ジェットエアーカーテン21の断面形がI
字形となるのである。
傍流圏30内でアーク放電が行なわれるよう、ノズル3
と溶材Wのアーク交点Oとの位置関係を定める。具体的
には、第1図および第2図に示すように傍流圏30の後端
30bと先端30aとの間の溶射中心軸P上にアーク交点Oが
位置し、しかも溶材Wのアーク領域がジェットエアーカ
ーテン21に直接触れない位置にアーク交点Oを位置させ
る。
以上のような空気供給形態によりアーク溶射を行う
と、溶材Wのアーク部をジェットエアーカーテン21に直
接晒すことなく、しかもアーク域の全外面をジェットエ
アーカーテン21で覆う状態でアーク放電させることがで
きる。つまり、一対のノズル口19からの噴出気流だけ
で、外包型の環状のノズルと同様に、アーク域の外面を
ジェットエアーカーテン21で完全に覆うことができる。
従って、コーン形状のノズルが不可欠であった従来装置
に比べて、ノズル3の構造及び形状を簡素化でき、その
小形化と軽量化を容易に実現することができる。
又、アークチャンバ22は上下の開口面を介して大気と
連通しているので、ジェットエアーカーテン21の空気引
込み作用によって、外気のアークチャンバ22への流入が
促進され、第2図に示すような補助気流24が生起され
る。この補助気流24は、やや大径の端孔19bが形成する
カギ形に張出した気流壁と共に、金属溶滴の一部がアー
クチャンバ22の外方へ飛散するのを防止するのに役立
つ。つまり、金属溶滴はアーク衝撃によって全方位に飛
散しようとし、とくにアークチャンバ22の上下および後
方への飛散がロスに繁がるが、こうした上下および後方
に向かう溶滴の飛散を、補助気流24と端孔19bが形成す
るカギ形気流壁とが抑え、ジェットエアーカーテン21の
気流圏へと金属溶滴を送込むのである。
また、アーク放電により生じた溶材Wの溶滴は、主と
して傍流圏30の弱風により、また、補助的には補助気流
24の強働作用により、ジェットエアーカーテン21の気流
圏へ送り込まれアトマイジングされる。このとき、傍流
圏30および補助気流24は、低速度の弱風のため、アーク
放電時にピンチ現象が生じるまでには至らない。
このことは、本発明者が上記のアーク溶射装置を試作
し、ジェットエアーカーテン21とアーク交点Oの相対的
な位置関係を以下のように種々に変更して、アーク溶射
を行った結果確認された。
A群は、傍流圏30の後端30bとノズル3の前端との間
でアーク交点Oを前後にずらしてアーク溶射を行った。
B群は傍流圏30の先端30aとその後端30bとの間で、ア
ーク交点Oを前後にずらしてアーク溶射を行った。
C群は、傍流圏30の先端30aより前方の、ジェットエ
アーカーテン21の気流圏の中でアーク交点Oを前後にず
らしてアーク溶射を行った。
その結果、A群では飛散溶滴の一部がジェットエアー
カーテン21に取り込まれないまま飛散落下し、とくにア
ーク交点Oがノズル3に近い程、溶滴の飛散ロスが多く
発生した。
C群では、従来の貫通型に特有の、ピンチ現象による
溶材Wの爆発的な溶融を生じ、形成被膜にむらを生じ
た。
B群では、A群に見られた溶滴の飛散ロスやC群に見
られた溶材Wの爆発的な溶融等もなく、安定したアーク
放電が行え、しかも形成被膜の仕上がり状態にむらがな
く粒子径が充分に小さいことからみて、好適なアトマイ
ジングが行なわれていることを確認した。
以上の試験結果から本発明に於いては、アーク交点O
を傍流圏30に位置させることとした。
(チ)第2実施例 第6図及び第7図は、本発明を帯状の溶材Wを用いた
アーク溶射装置に適用した第2実施例を示す。
第6図に於いて本実施例のアーク溶射装置は第1実施
例で説明したアーク溶射装置とほぼ同様の構造とされる
が、一対の溶材Wがケース1内を縦長姿勢で左右平行状
に通過する点、これに伴って各溶材Wを専用の溶材送り
機構2、2で個別に送り駆動する点に違いがある。又、
第1実施例ではノズル口19の噴出中心線Qと、溶材Wの
収束中心線とが交差する平面上に位置するものとした
が、この実施例では、噴出中心線Qと溶材Wの収束中心
線とがほぼ並行するものとした。ノズル口19の開口構造
は第1実施例と同一に設定するが、その上下長さは溶材
Wの幅より十分に大きく設定する。尚、第1実施例と同
等の部材には同一符号を付した。
(リ)変形例 第8図以下第20図はノズル3の変形例を示しており、
ジェットエアーカーテン21の断面形をより明確なコ字形
とするもの、これとは逆にジェットエアーカーテン21の
断面形を直線状(長四角形状)にするもの、ノズル口19
とは別に補助ノズル口31を設けたもの、およびジェット
エアーカーテン21を補強する保形ノズル口32を設けたも
のを示している。なお、第8図以下の図面については、
先の実施例と同一の部材には同じ符号を符して、その説
明を省略する。
第8図において、各ノズル口19は上下方向の直線列を
形成する一群の小孔19aと、この直線列の上下両端に連
続して横向き内方に延びる一群の小孔19cとで、正面視
コ字状に構成する。両小孔19a、19cの噴出中心線Qの傾
斜角は同一に設定する。
このようにしたノズル口19によれば、第9図および第
10図に示すように、アークチャンバ22の上下の開口縁が
上下端の小孔19cから噴出される気流21aによって覆わ
れ、各ジェットエアーカーテン21の断面形を明確なコ字
形にすることができ、金属溶滴の上下方向に向う飛散を
完全に防止することができる。
第11図は、ノズル口19をコ字形の溝として形成するこ
とにより、ジェットエアーカーテン21の断面形をコ字形
とするものである。
第12図および第13図は、上下方向の直線列を構成する
一群の小孔19aのみでノズル口19を形成したものであ
り、その上下端の端孔19dの孔形状を外拡がりテーパ状
に形成して、コ字形断面のジェットエアーカーテン21を
形成できるようにした。
第14図に示すノズル3では、第8図で説明したノズル
口19の場合とは逆に、上下端の小孔19e群が横向き外方
に列を構成するよう配置し、さらに、第15図のように小
孔19eの噴出中心線qを小孔19aの噴出中心線Qより内向
きに傾くよう傾斜させて、コ字形断面のジェットエアー
カーテン21を形成できるようにした。
上記第1図ないし第15図の溶射装置のノズル3は、こ
れが形成するジェットエアーカーテン21の直線部の両端
にカギ形の気流壁を積極的に形成し、金属溶滴の上下方
向に向かう飛散を防止するものであるが、こうしたカギ
形気流壁を積極的に形成するノズル口にしなくてもよ
い。
すなわち、第16図のノズル3のノズル口19は同径の小
孔を直線状に連ねたものであり、第17図のノズル3のノ
ズル口19は直線状に連続した長孔であり、第18図のノズ
ル3では、ノズル本体にセラミック製のノズル部材26を
装着し、このノズル部材26に第16図もしくは第17図のノ
ズル口19を設けている。
こうした第16図ないし第18図のノズル口19が形成する
ジェットエアーカーテン21は、その両端部で若干の脹ら
みがあるが、カギ形の気流壁を積極的に形成するもので
はないので、ノズル口19の長さを、これが形成するジェ
ットエアーカーテン21の両端がアーク放電時の金属溶滴
の上下方向の飛散を抑制できる程度の長さにする必要が
ある。
第19図に示すノズル3は、凹部18の対向壁の溶射中心
軸Pと同じ高さ位置に補助ノズル口31を一個ずつ設けた
ものであり、補助ノズル口31の気流噴出方向は対向する
凹部側壁18aに指向してある。これでは、補助ノズル口3
1から噴出した気流が凹部側壁18aに衝突してアークチャ
ンバ22側へ移行し、このとき後方に向う溶滴の飛散を防
止する。
上記の補助ノズル口31は第20図に示すように外拡がり
状の孔として形成することもできる。詳しくは、噴出気
流がアーク交点Oよりノズル3側で収束するように孔形
状を定め、この後部補助気流33によって、溶滴の後方飛
散を防止するのである。
なお、第19図、および第20図の補助ノズル口31を設け
るについて、ノズル口19の構造は、先に説明したいずれ
のものであってもよい。
第21図に示すように、ノズル口19がコ字形に形成され
るものでは、ノズル口19に隣接して補助ノズル口31を形
成することができる。
第22図に示すノズル3では、ノズル口19の外側方にこ
れと平行に保形ノズル口32を設けたものである。保形ノ
ズル口32は上下に直線列を構成する一群の小孔32aで構
成され、その噴出中心線Sは第23図に示すように、ノズ
ル口19の噴出中心線Qと同じか、これよりやや外向きに
拡がるように傾斜させる。このノズル3では、ジェット
エアーカーテン21が外側方に膨脹するのを規制して、溶
射パターンを偏平化することができる。なお、保形ノズ
ル口32をコ字形やC字形などに変形することができる。
(ヌ)その他の変形例 上記以外に、ノズル口19の正面視形状は、単純なI字
状や、C字形あるいは三日月形等に湾曲したもの、ある
いはく字形に屈折した形状等に変形することもできる。
上記の説明では、一対のノズル口19が溶射中心軸Pを
通る垂直線に対して対称となるように配置したが、必ず
しもその必要はなく、溶射中心軸Pの回りであればどこ
でも設けることができる。
(ル)発明の効果 以上説明したように本発明では、溶射中心軸Pを間に
挟んで設けた一対のノズル口19から噴出したジェットエ
アーカーテン21だけでアーク域の外面を覆うようにする
ので、従来の外包型の溶射装置に比べて、ノズル構造を
単純化でき、小形化・軽量化を容易に実現できる。
一対のノズル口19によってジェットエアーカーテン21
を形成し、このジェットエアーカーテン21で囲まれた気
流速度の低い傍流圏30において溶材Wをアークさせ、ア
ーク放電により生じた溶材Wの溶滴を傍流圏30の弱風に
よりジェットエアーカーテン21内に送込みアトマイジン
グを行うようにしたので、ピンチ現象を生じることなく
安定してアーク溶射を行うことができる。
さらに、帯状の溶材Wを用いて溶射を行う場合でも、
その外面に沿ってジェットエアーカーテン21を形成でき
るので、小形のノズル3でアーク溶射を行うことがで
き、溶射装置を小形化できる点で有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明の第1実施例を示し、第1図
はノズル部の横断平面図、第2図はノズル部の縦断面
図、第3図はアーク溶射装置の縦断側面図、第4図はア
ーク溶射装置の横断平面図、第5図はノズルの正面図で
ある。 第6図及び第7図は本発明の第2実施例を示し、第6図
はアーク溶射装置の横断平面図、第7図は第6図におけ
るA−A線断面図である。 第8図ないし第23図はそれぞれノズルの変形例を示し、 第8図はノズルの正面図、第9図は第8図におけるB−
B線断面図、第10図はジェットエアーカーテンの形態を
概念的に示す斜視図である。 第11図及び第12図は、それぞれノズル口の変形例を示す
正面図、第13図は第12図におけるC−C線断面図であ
る。 第14図はノズル口の別の変形を示す正面図、第15図は第
14図におけるD−D線断面図である。 第16図および第17図は、それぞれノズル口のまた別の変
形を示す正面図、第18図はノズル口のまた別の変形を示
す横断面図である。 第19図及び第20図は、それぞれ補助ノズル口が付加され
たノズルの横断面図である。 第21図は補助ノズル口の開口位置を変更したノズルの正
面図である。 第22図は保形ノズルが付加されたノズルの正面図、第23
図は第22図におけるE−E線断面図である。 3……ノズル、19……ノズル口、21……ジェットエアー
カーテン、22……アークチャンバ、24……補助気流、O
……アーク交点、P……溶射中心軸、Q……噴出中心
線、W……溶材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 4/00 - 6/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一組のノズル先端からその間に介在する溶
    射中心軸に向かって一組の平面ジェットエアーを噴出
    し、 一組のジェットエアーが収束するエアーチャンバを形成
    し、 一組のジェットエアーの厚み方向の各中心線を溶射中心
    軸上に収束させる一方、一組のジェットエアーの幅方向
    の各中心線を傾けて溶射中心軸に対して互いに向い合わ
    せ、 ジェットエアーの内面に生じる弱風の傍流圏中で、一組
    の溶射材料間で、エアーチャンバ内の収束部分に向かっ
    て収束部分の縦方向後方位置で連続的にアーク放電を発
    生させ、 アーク放電で生じた溶射材料の溶融滴を前記弱風の傍流
    圏の空気と共に一組のジェットエアー中に送り、溶融滴
    を噴霧状にすることを特徴とするアーク溶射法。
  2. 【請求項2】噴霧化する一組のジェットエアーを形成す
    る一組のノズル先端において、一組のジェットエアーの
    厚み方向の各中心線が溶射中心線上に収束する一方、一
    組のジェットエアーの幅方向の各中心線が傾いて溶射中
    心線に対して互いに向い合うような一組のノズル先端
    と、 一組の平面ジェットエアーが形成するエアーチャンバ内
    の収束部分に向うジェットエアーの内面に生じる弱風の
    傍流圏と収束部分の縦方向後方位置に位置する一組の溶
    射材料のアーク交点を有することを特徴とするアーク溶
    射装置。
  3. 【請求項3】各ノズル先端が直線状に形成する一群の小
    孔を有する請求項2に記載のアーク溶射装置。
  4. 【請求項4】各ノズル先端が直線状に形成するスリット
    を有する請求項2又は3に記載のアーク溶射装置。
  5. 【請求項5】各ノズル先端の仮想延長線上でその前端が
    V字形を形成する請求項2〜4のいずれか記載のアーク
    溶射装置。
  6. 【請求項6】アーク交点に向って気流を形成する一組の
    補助ノズル先端がエアーチャンバ内の一組の前記ノズル
    先端に隣接して配置する請求項2〜5のいずれか記載の
    アーク溶射装置。
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