JP2796672B2 - カーテンの上縁部にひだを形成するカーテン用のひだ形成テープ及びそれを用いたカーテン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カーテンの上縁部
に取着されて、選択された引き紐の引き絞りにより該上
縁部に所要のひだを形成せしめるカーテン用のひだ形成
テープに関するものである。又、該ひだ形成テープを用
いたカーテンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カーテンの上縁部に取着され、引き紐の
引き絞り操作によって該カーテンの上縁部にひだを形成
せしめるカーテン用のひだ形成テープとしては、例えば
図２に示す構成のものが提供されている。

【０００３】該テープａは、テープ基材ｂの一面側に、
その長さ方向に延長する如く所要本数の引き紐ｃを平行
して配置してなり、各引き紐ｃは、テープ基材ｂにその
長さ方向に所要間隔で設けられた紐挿通部ｄに挿通せし
めてなるものであって、該引き紐ｃを引き絞ることによ
り、図５に示すような所要のひだｅの集合を形成でき、
これによって、図７に示すように、カーテンｆの上縁部
ｇに所要のひだ形態を形成できるように構成されてい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成の従来のひだ形成テープによるときは、引き紐の引き
絞りにより一種類のひだ形態しか形成できなかったため
に、次のような各種の問題点があった。

【０００５】 カーテンの上縁部に施されるひだの集
合からなる立体的装飾は、顧客の趣向に応じて多様であ
る。メーカーとしては、このような顧客の多様な要求に
応じられるよう、多品種少量生産とならざるを得ず、製
造コストの上昇を招く問題があった。又、メーカーのみ
ならず卸売業者や小売り業者も、多品種を在庫として持
たざるを得ないことから、広い保管スペースを必要とす
るだけでなく在庫管理や商品取扱い等の面で多くの手間
を要する不経済があった。

【０００６】 又、前記構成のひだ形成テープを用い
て製造されたカーテンにあっては、形成されるひだ形態
が固定的であったため、そのひだ形態を変更して室内の
模様替えを行うことができず、望むならば、カーテン自
体を取り替えざるを得なかった。

【０００７】 又、カーテンの取り付け場所を変更し
ようとする際は、窓の横幅に合わせてカーテンの横幅を
変更しなければならない場合が生ずるが、従来のひだ形
成テープを用いたカーテンはカーテン幅の変更が不可能
であったため、カーテン相互間でその取り付け場所を変
更しての室内の模様替えを図り難い不都合があった。

【０００８】このように従来のひだ形成テープによると
きは、メーカー段階のみならず卸や小売の中間段階、更
には末端ユーザー段階と、全ての段階において避けがた
い問題があったのである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係るカー
テン用のひだ形成テープは、カーテンの上縁部に取着さ
れて該上縁部にひだを形成可能とするテープであって、
引き紐の引き絞りにより所要のひだの集合形態を形成で
きるひだ形成用のテープの複数種類を想定して構成され
ている。このテープは、テープ基材の一面側に、その長
さ方向に延長する如く、少なくとも一本の引き紐が配置
されており、該引き紐は、テープ基材にその長さ方向に
所要間隔で設けられた紐挿通部に挿通せしめられてな
る。そして、該引き紐を引き絞ることによって、所要形
態のひだをテープ基材の長さ方向に並列状態に形成でき
るものであり、これによって、カーテンの上縁部に所要
の立体的装飾を形成する如く構成されている。本発明の
ひだ形成テープは、これら複数のひだ形態を構成する引
き紐の全ての配置を、テープ基材の一面側に設け、一本
又は複数本の所要の引き紐を引き絞ることによって、カ
ーテンの上縁部に、前記想定された所要のひだ形態を形
成するように構成されていることを特徴とするものであ
る。

【００１０】前記構成のひだ形成テープにおいて、特定
の引き紐を、ひだ形態の複数種類を形成するために兼用
するのがよい。

【００１１】又本発明に係るカーテンは、前記ひだ形成
テープをカーテンの上縁部に取着し、所定の引き紐を引
き絞ることにより、カーテンの上縁部に所要のひだを並
列状態に形成可能とされたことを特徴とするものであ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 〔第１の実施の形態〕図１において本発明に係るカーテ
ン用のひだ形成テープ１は、引き紐２の引き絞りにより
所要のひだの集合形態を形成できるひだ形成用のテープ
の複数種類を想定して構成されている。

【００１３】今、例えば図２及び図３に示す構成のテー
プ３，３を想定する。両テープ３，３は、テープ基材
（等幅の例えば織物テープとして形成されている。以下
同様である。）５の一面側の上下にその長さ方向に延長
する如く２本の引き紐２，２を平行に配置してなる。各
引き紐２は、該テープ基材５にその長さ方向に等間隔で
設けられた、トンネル状の紐挿通部７に縦糸状に挿通せ
しめてなり、紐挿通部７，７間で引き紐がテープ基材面
に浮いて、浮き紐部９が形成されている。但し、図２に
示すテープ３における浮き紐部９は、図３に示すテープ
における浮き紐部９の外側に位置し、且つ該浮き紐部９
の長さは、図２に示すテープのものが図３に示すテープ
のものよりも長い。なお前記紐挿通部７は、テープ基材
面に浮いた状態の織物製カバー片の長手両側縁部をテー
プ基材５に織り込んで形成されている。紐挿通部の構成
は、以下の各実施の形態において同様である。

【００１４】そして、図２に示すテープ３の引き紐２を
引き絞ったときも、図３に示すテープ３の引き紐２を引
き絞ったときも、図４〜５、図６に示すような上下等幅
の筒状のひだ１０を等間隔で形成できる。なお、形成さ
れたひだ１０の突出方向の長さＬは、前記浮き紐部９の
長さに応じ、図５に示すものの方が図６に示すものより
も稍大きく形成されている。

【００１５】本発明に係るひだ形成テープ１のテープ基
材５の幅は、図２や図３に示すテープ３のテープ基材幅
と同一である。そして、該テープ基材５の一面側に、両
テープ３，３の引き紐２の全ての配置を設けてなり、合
計４本の引き紐２，２，２，２がテープ基材５に配置さ
れている。

【００１６】なお前記各テープ基材５には、図７に示す
ようにカーテン１２をカーテンレール１３に取り付ける
ためのフック掛着部が設けられているが、図示を省略し
ている。又この掛着部は、以下の各実施の形態において
も図示を省略している。

【００１７】然して本発明のひだ形成テープ１によると
きは、外側に位置する引き紐２ａ，２ａを引き絞ること
によって図４〜５に示すひだ１０を形成できる共に、内
側に位置する引き紐２ｂ，２ｂを引き絞ることによって
図６に示すひだ１０を形成できる。そして、そのひだの
形態に応じ、例えば図７に示すように、カーテンの上縁
部１４に立体的装飾を形成できる。又、図５と図６に示
すひだの突出長さＬの相違により、当初のテープ長さが
等しい場合、引き紐を引き絞った後におけるテープ長さ
を、図８に比較するように異ならせることができ、これ
により、カーテンの横幅を変化させることができる。な
お、図８の上側の図は、図２のテープを用いた場合を示
し、又同図の下側の図は、図３のテープを用いた場合を
示す。

【００１８】〔第２の実施の形態〕図９は、本発明に係
るひだ形成テープ１の第２の実施の形態を示すものであ
り、テープ基材５の一面側に、図１０及び図１１に示す
テープ３における引き紐２の全ての配置を設けてなる。

【００１９】図１０に示すテープ３は、テープ基材５の
一面側の上下に２本の引き紐２，２を平行して配置する
と共に、引き紐２を挿通させるための紐挿通部７の長さ
を、長い部分１５と短い部分１６の２種類とし、テープ
基材の長さ方向にこれを交互に形成して各紐挿通部７に
引き紐２を挿通させてなる。そして、短い部分１６を挟
む浮き紐部９，９は上下対称の配置である。

【００２０】又図１１に示すテープ３は、図１０に示す
テープ３のテープ基材幅と等幅であるテープ基材５の一
面側の上下に２本の引き紐２，２を平行して配置すると
共に、引き紐２を挿通させるための紐挿通部７の長さ
を、長い部分１５と短い部分１６の２種類とし、テープ
基材の長さ方向にこれを交互に形成して各紐挿通部７に
引き紐２を挿通させてなる。そして、短い部分１６を挟
む浮き紐部９，９の組が千鳥配置で設けられている。

【００２１】図１０に示すテープ３の引き紐２を引き絞
ったときは、図１２に示すようなひだ１０，１０を一組
とするひだ集合物を等間隔で形成でき、又図１１に示す
テープ３の引き紐２を引き絞ったときは図１３に示すよ
うな、山形に組み合わせられたひだ１０，１０を一組と
するひだ集合物を等間隔で形成できる。そして、そのひ
だの形態に応じ、カーテンの上縁部１４（図７）に立体
的装飾を形成できる。

【００２２】本発明に係るひだ形成テープ１のテープ基
材５の幅は、図１０や図１１に示すテープのテープ基材
幅と同一である。そして該テープ基材５の一面側に、両
テープ３，３の引き紐２の全ての配置を設けてなるので
あるが、最上段に位置する引き紐２ｃは、両テープ３，
３における上側の引き紐２，２を兼用しており、合計３
本の引き紐２ｃ，２ｄ，２ｅがテープ基材５に配置され
ている。

【００２３】然して本発明のひだ形成テープ１によると
きは、最上段に位置する引き紐２ｃと下側の内方に位置
する引き紐２ｄを引き絞ることによって図１２に示すひ
だ１０を形成できる共に、最上段に位置する引き紐２ｃ
と下側の外方に位置する引き紐２ｅを引き絞ることによ
って図１３に示すひだ１０を形成できる。

【００２４】〔第３の実施の形態〕図１４は、本発明に
係るひだ形成テープ１の第３の実施の形態を示すもので
あり、テープ基材５の一面側に、図１５及び図１６に示
すテープ３における引き紐２の全ての配置を設けてな
る。

【００２５】図１５に示すテープ３は、テープ基材５の
上半分と下半分に、夫々２本の引き紐２，２、２，２を
平行に配置し、各引き紐２を紐挿通部７に挿通せしめて
なり、長さの長い外方の浮き紐部９とこれに重なり且つ
長さの短い内方の浮き紐部９とを一組とするものが、上
側と下側に千鳥状に配置されている。

【００２６】又図１６に示すテープ３は、図１５に示す
テープ３のテープ基材幅と等幅であるテープ基材５の一
面側にその上縁に稍変位した状態で、平行する２本の引
き紐２，２が紐挿通部７に挿通せしめられて配置されて
おり、浮き紐部９，９が上下対向状態にある。

【００２７】そして、図１５に示すテープ３の引き紐２
を引き絞ったときは、図１７に示すような先端が細くな
る袋状のひだ１０を上下に千鳥配置で形成でき、又図１
６に示すテープ３の引き紐２を引き絞ったときは、図１
８に示すような、上下等幅のひだ１０を等間隔で形成で
きる。そして、そのひだの形態に応じ、カーテンの上縁
部１４（図７）に立体的装飾を形成できる。

【００２８】本発明に係るひだ形成テープ１のテープ基
材５の幅は、図１５や図１６に示すテープのテープ基材
幅と同一である。そして該テープ基材５の一面側に、両
テープ３，３の引き紐２の全ての配置を設けてなるので
あるが、最上段に位置する引き紐２ｆは、両テープ３，
３における最上段に位置する引き紐２，２を兼用してお
り、合計５本の引き紐２ｆ，２ｇ，２ｈ，２ｉ，２ｊが
テープ基材５に配置されている。

【００２９】然して本発明のひだ形成テープ１によると
きは、最上段に位置する引き紐２ｆと２段目、３段目及
び５段目に位置する引き紐２ｇ，２ｈ，２ｊを引き絞る
ことによって図１７に示すひだ１０を形成できる共に、
最上段に位置する引き紐２ｆと４段目に位置する引き紐
２ｉを引き絞ることによって図１８に示すひだ１０を形
成できる。

【００３０】〔その他の実施の形態〕 本発明に係るひだ形成テープ１は、前記各実施の形
態においては、２種類のひだ形態を想定して構成してい
るが、例えば図５、６、１２、１３、１７に示したテー
プの３種類以上のものの全ての引き紐の配置をテープ基
材の一面側に設ければ、一枚のひだ形成テープによって
３種類以上の装飾形態を形成できることとなる。この場
合、１本或いは複数本の引き紐を複数のひだ形態の形成
に兼用することも可能である。

【００３１】 本発明に係るひだ形成テープは、一本
の引き紐を引き絞ることによって所要のひだを形成する
ようにも構成できる。

【００３２】

【発明の効果】本発明に係るひだ形成テープによるとき
は、従来における複数種類のテープを一種類で兼用でき
るため、引き紐の選択によって、ひだの集合からなる複
数種類の装飾形態をカーテンの上縁部に形成できること
となる。このようなことから、本発明は以下の如き優れ
た効果を奏する。

【００３３】 従来における複数種類のテープを一種
類で兼用できるため、製造すべきテープの種類を従来に
比し半減乃至それ以下に減少させることができて、製造
能率の向上と製造コストの低減、又納期の短縮を図るこ
とができる。更に、メーカー段階や卸、小売りの中間段
階における在庫を減少させることができるため、保管ス
ペースや管理コストを削減でき、従来に比し経済効果が
顕著である。

【００３４】 末端のユーザーにおいても、別個に選
択された異なる引き紐を引き絞ることによって、既存カ
ーテンの上縁部分のデザイン構成を容易に変更でき、室
内の雰囲気を変えることができる。又、例えば第１の実
施の形態で示したように、選択する引き紐を変更するこ
とにより、ひだの大きさやその数、又ひだ間の間隔を変
更できるため、既存カーテンの横幅を、窓開口部の横幅
に応じて、カーテンの上縁部におけるデザインを不自然
にすることなく容易に変更できる。このようなことから
カーテンの取り付け場所を変更する場合、同一のカーテ
ンを用いて、取り付け場所に適合した横幅のカーテンを
容易に形成できることともなる。

【００３５】以上のように、本発明のひだ形成テー
プによるときは、メーカー段階のみならず卸や小売りの
中間段階、更には末端のユーザー段階におけるまで、ひ
だ形成テープの持つ利点を如何なく発揮させうることと
なる。

【００３６】 特定の引き紐を、ひだ形態の複数種類
を形成するために兼用することにより、引き紐の本数を
減少させて製造コストの低減を期しうると共に、ひだ形
成テープの引き組の配置を簡素化しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ひだ形成テープを説明する斜視図である。

【図２】想定されたテープを示す斜視図である。

【図３】想定されたテープを示す斜視図である。

【図４】図２のテープの引き紐を引き絞って形成したひ
だを示す斜視図である。

【図５】図２のテープの引き紐を引き絞って形成したひ
だを示す斜視図である。

【図６】図３のテープの引き紐を引き絞って形成したひ
だを示す斜視図である。

【図７】本発明のひだ形成テープを用いて形成したカー
テン上縁部のひだを説明する斜視図である。

【図８】ひだの形成形態によってテープの長さを変化さ
せた一例を説明する、中間を省略した平面図である。

【図９】ひだ形成テープの他の態様を説明する正面図で
ある。

【図１０】想定されたテープを示す正面図である。

【図１１】想定されたテープを示す正面図である。

【図１２】図１０のテープによって形成されたひだ形態
を示す斜視図である。

【図１３】図１１のテープによって形成されたひだ形態
を示す斜視図である。

【図１４】ひだ形成テープのその他の態様を説明する正
面図である。

【図１５】想定されたテープを示す正面図である。

【図１６】想定されたテープを示す正面図である。

【図１７】図１５のテープによって形成されたひだ形態
を説明する斜視図である。

【図１８】図１６のテープによって形成されたひだ形態
を説明する斜視図である。

【符号の説明】

１ ひだ形成テープ ２ 引き紐 ３ テープ ５ テープ基材 ７ 紐挿通部 ９ 浮き紐部 １０ ひだ １４ カーテンの上縁部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カーテンの上縁部に取着されて該上縁部
   にひだを形成可能とするテープであって、テープ基材の
   一面側に、その長さ方向に延長する如く、少なくとも一
   本の引き紐が配置され、該引き紐は、テープ基材にその
   長さ方向に所要間隔で設けられた紐挿通部に挿通せしめ
   られてなり、該引き紐を引き絞ることによって、所要形
   態のひだをテープ基材の長さ方向に並列状態に形成で
   き、これによってカーテンの上縁部に所要の立体的装飾
   を形成する如く構成されたテープの、前記ひだ形態を複
   数種類想定し、 これら複数のひだ形態を構成する引き紐の全ての配置
   を、テープ基材の一面側に設け、一本又は複数本の所要
   の引き紐を引き絞ることによって、カーテンの上縁部
   に、前記想定された所要のひだ形態を形成するように構
   成されていることを特徴とするカーテンの上縁部にひだ
   を形成するカーテン用のひだ形成テープ。
2. 【請求項２】 特定の引き紐を、ひだ形態の複数種類を
   形成するために兼用することを特徴とする請求項１記載
   のカーテン用のひだ形成テープ。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載のひだ形成テープを
   カーテンの上縁部に取着し、所要の引き紐を引き絞るこ
   とにより、カーテンの上縁部に所要のひだを並列状態に
   形成可能とされたことを特徴とするカーテン。