JP2795946B2 - ユニット出入れ装置およびこれを備えた自動取引機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野］ 本発明は、例えば銀行の機械化コーナに設置される自
動取引機の機器本体に出入れ自在に内蔵される硬貨ユニ
ットなどの内蔵ユニットの出入れ装置に関する。

（従来の技術） この種の自動取引機においては、第10図で示すよう
に、その取引機本体ａの内部に、伝票ユニットｂ、通帳
ユニットｃ、硬貨ユニットｄ、紙幣ユニットｅが内蔵さ
れている。取引機本体ａの背面には、観音開き式の左右
一対の後扉f,fが設けられている。上記各ユニットb,c,
d,eは、後扉f,fを開いて、上記ユニットb,c,d,eがそれ
ぞれの引出し用レールｇを通じて取引機本体ａの背面側
から外へ引き出せるようになっている。

ところで、第10図で示すように、上記硬貨ユニットｄ
内には、硬貨カセットｈを装填するカセット収納ケース
ｉが設けられ、この収納ケースｉは、硬貨ユニットｄの
側面の開口部ｊから側方へ引き出されるようになってい
る。

そこで、硬貨カセットｈを取り出す場合には、まず、
硬貨ユニットｄを取引機本体ａの外へ引き出し、その機
外において、その硬貨カセットｈを装填したカセット収
納ケースｉを側方へ引き出し、その収納ケースｉから、
硬貨カセットｈを取り出す。また、硬貨カセットｈを組
み込むときにも、機外へ引き出した硬貨ユニットｄの側
面からカセット収納ケースｉを引き出して装填する。

ところで、上記硬貨ユニットｄと紙幣ユニットｅは、
第10図で示すように左右に配置され、硬貨ユニットｄに
おいてカセット収納ケースｉを出し入れする開口部ｊ
は、ユニットe,d間の中央部側へ向けて開口しているか
ら、その収納ケースｉの出入れスペースは、常に確保さ
れる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、第11図で示すように、上記構成の硬貨
ユニットｄを紙幣ユニットｅと入れ替えて設置位置を逆
にするレイアウトを採用した自動取引機もある。この機
種に上述した硬貨ユニットｄを採用すると、以下のよう
な問題が生じる。

すなわち、硬貨ユニットｄを取引機本体ａの外へ引き
出した第11図の状態において、取引機本体ａを設置場所
の壁面ｋに近付けてあると、その壁面ｋとの間のスペー
スが狭く、硬貨ユニットｄからカセット収納ケースｉを
引き出すスペースがなく、硬貨カセットｈを取り出すこ
とができない。

このため、その機種の自動取引機の設置場所を規制し
ていた。また、それが無理であれば、壁面ｋから離して
設置する必要があり、この場合は、スペースの有効利用
が図れないとともに、設置台数が少なくなり、サービス
の低下を来す。

本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目
的とするところは、内蔵ユニットから収納部材を引き出
すスペースを左右いずれの向きでも選択できる構成とし
てその配置のいかんに拘らず、使用できるようにしたユ
ニット出入れ装置およびこれを備えた自動取引機を提供
することにある。

［発明の効果］ （課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために本発明のユニット出入れ装
置は、貨幣を収納するカセットを備えたユニットを自動
取引機の機器本体に内蔵し、かつ、前記内蔵されたユニ
ットを前記機器本体から出入れ自在に設けた自動取引機
のユニット出入れ装置において、前記機器本体からユニ
ットを引出し可能に支持した第１の引出し部材と、前記
第１の引出し部材による前記ユニットの引出し方向に対
して直交する第１の方向に前記ユニットを引出し可能に
支持した第２の引出し部材と、前記ユニットの中から設
けられ、前記カセットを収納するための収納部材と、前
記収納部材を、前記第２の引出し部材による前記ユニッ
トの引出し方向に対して反対方向に引出し可能に支持し
た第３の引出し部材と、を具備したことを特徴としてい
る。

また、この発明に係る自動取引機は、貨幣を収納する
カセットを備えたユニットを内蔵した機器本体と、前記
機器本体から前記ユニットを引出し可能に支持した第１
の引出し部材と、前記第１の引出し部材による前記ユニ
ットの引出し方向に対して直交する第１の方向に前記ユ
ニットを引出し可能に支持した第２の引出し部材と、前
記ユニットの中に設けられ、前記カセットを収納するた
めの収納部材と、前記収納部材を、前記第２の引出し部
材による前記ユニットの引出し方向に対して反対方向に
引出し可能に支持した第３の引出し部材と、を具備した
ことを特徴としている。

（作用） しかして、上記構成によれば、その内蔵ユニットを左
右いづれの位置に設置しても、その内蔵ユニットから収
納部材を引き出すスペースを引き出す向きを自由に選ん
で組み込むことができる。したがって、機器本体を壁な
どに近付けても設置できる。設置スペースを有効に利用
できる。また、面倒な取り出し手順をとる必要がなく、
容易に取り扱うことができる。

（実施例） 第１図ないし第７図は本発明の一実施例を示すもので
ある。

第３図は貨幣の入金および出金の取扱いを自動的に行
う自動取引機１を示している。この取引機（機器）本体
２の接客前面側には垂直操作盤3aと水平操作盤3bが設け
られている。垂直操作盤3aには通帳挿入口４、カード挿
入口５、伝票発行口６、および硬貨入出金口７が設けら
れている。また、水平操作盤3bには紙幣入出金口８、複
数の操作釦９を有した操作部10、および案内表示部11が
設けられている。

取引機本体２の内部には種々のユニットが組み込まれ
ている。すなわち、第２図で示すように、上記通常挿入
口４に対応してその通常挿入口４から受け入れた通帳の
磁気情報の読取りおよび記録を行うとともに取引内容の
印字を行うための通帳ユニット12、上記カード挿入口５
に対応してそのカード挿入口５から挿入されたカードの
取扱いを行う処理ユニット（図示しない。）上記伝票発
行口６への伝票発行を行う伝票ユニット13、および上記
硬貨入出金口７に対応して硬貨の入出金処理を行う硬貨
ユニット14、紙幣入出金口８に対応して紙幣の入出金処
理を行う紙幣ユニット15、自動取引機１の動作の制御を
行う制御ユニット16が組み込まれている。上記各ユニッ
ト12,13,14,15,16は、取引機本体２の背面に形成した開
口17から出入れされるようになっている。取引機本体２
の背面には観音開き式の左右一対の後扉18,18が設けら
れている。硬貨ユニット14と紙幣ユニット15は左右に並
べて配置されている。通帳ユニット12と伝票ユニット13
も同様である。制御ユニット16は硬貨ユニット14の下側
に設置されている。なお、上記各ユニット12,13,14,15,
16は、それぞれ引出し用レールに案内されて取引機本体
２内の所定位置まで押し込まれ、また、取引機本体２の
外へ引き出されるようになっている。

次に、上記硬貨ユニット14を例に挙げてその出入れ装
置の構成を具体的に説明する。

すなわち、硬貨ユニット14は、自動取引機１の取引機
本体２の背面開口部17から左右一対の引出し用支持レー
ル19,19によって引出し自在に設けられている。この第
１の引出し部材として機能する支持レール19,19は２つ
のレール部材21からなり、この２つのレール部材21間に
は転動用ボールを介在させて一方のレール部材21を引き
出せるようになっている。

また、支持レール19,19の前方に引き出される左右の
レール部材21間にはベース22が取り付けられている。そ
して、この引出し用支持レール19,19によって硬貨ユニ
ット14は、スライド自在に支持され、取引機本体２の背
面開口部17から引出し自在に設けられている。

さらに、硬貨ユニット14は、そのケース本体23の内部
に、硬貨カセット24を装填するカセット収納ケース25を
配設してなり、このカセット収納ケース25は、ケース本
体23の側面開口部26から左側方へ引き出されるようにな
っている。すなわち、硬貨ユニット14とこれを保持する
ベース22側との間にはそのケース本体23を左右方向へ移
動案内する第１のガイド手段が設けられている。この第
２の引出し部材としては機能する第１のガイド手段は、
第６図で示すようにサイド引出し用外部レール27aから
なり、外ケース23を、硬貨ユニット14の引出し方向に対
して直交する左右方向への移動案内を行うようになって
いる。

また、ケース本体23とこの内部に組み込まれる収納部
材としてのカセット収納ケース25との間には、そのケー
ス本体23とカセット収納ケース25を、上記硬貨ユニット
14の引出し方向に直交する左右方向への相対的な移動案
内を行う第２のガイド手段が介挿されている。この第３
の引出し部材として機能する第２のガイド手段は、第６
図で示すようにサイド引出し用内部レール27bからな
る。

なお、サイド引出し用外部レール27aとサイド引出し
用内部レール27bとは、上述した引出し用支持レール19,
19と同様に、２つのレール部材からなり、この２つのレ
ール部材間には転動用ボールを介在させて一方のレール
部材を他方のレール部材に対してスライドし、ガイド作
用を行うようになっている。

さらに、上記ベース22には、カセット収納ケース25を
固定する固定プレート28が取着されている。硬貨ユニッ
ト14のケース本体23における上面にはケース本体23を左
右方向へ動かすときに用いる取手部29が設けられてい
る。

また、上記カセット収納ケース25には引出し部用鍵30
が設けられている。この引出し部用鍵30は、ケース本体
23に対してそのカセット収納ケース25が所定の収納設置
位置にあるとき、上記ケース本体23側に設けた鍵受け部
（図示しない。）へロック可能で、その位置にカセット
収納ケース25を固定するようになっている。このため、
ケース本体23もベース22側に固定される。

一方、第７図で示すように、硬貨ユニット14はそのケ
ース本体13の上面一端部に硬貨入出金口31が形成され、
この硬貨入出金口31に投入された硬貨は逐次取込み部32
を通じて取り込まれ、鑑査部32を通じて硬貨カセット24
の金種別スタッカ33へ分別されて収納されるようになっ
ている。また、硬貨を出金するときには、金種別スタッ
カ33から硬貨を取り出し、鑑査部32を通じて硬貨入出金
口31へ送り出すようになっている。

次に、上記構成の内蔵ユニット出入れ装置においての
硬貨ユニット14を出し入れする際の作用を説明する。ま
ず、後扉18,18を開き、取引機本体２の背面の開口17を
開放する。そして、第１図で示すように、支持レール1
9,19に沿って取引機本体２内に収納された硬貨ユニット
14を機外へ引き出す。この後、第４図で示すように引出
し部用鍵30の係合を解除し、ケース本体23の取手部29に
手をかけてそのケース本体23を第１図および第４図中矢
印で示すように右側へ移動させる。このようにケース本
体23が側方へ退避することにより硬貨ユニット14のカセ
ット収納ケース25は、第５図で示すように、そのケース
本体23から露出し、上方を開放する。したがって、この
カセット収納ケース25内に装填していた硬貨カセット24
を第５図で示すように上方へ引き上げて取り出すことが
できる。

カセット収納ケース25はベース22側の固定プレート28
に固定されているので、ケース本体23を第１図中右側へ
移動させたとき、そのケース本体23とともに移動せず、
最初の位置に残る。したがって、硬貨ユニット14全体を
右側へ移動させた後、カセット収納ケース25をケース本
体23から元の位置へ引き出す２度手間がない。

ところで、このように、カセット収納ケース25を残し
てケース本体23のみを取引機本体２の背面開口17におけ
る中央側へ移動させることによりカセット収納ケース25
の上方開口を充分に開放できる。

したがって、第１図で示すように取引機本体２を壁40
に近付けて設置し、左側の扉18も充分に開けられない
程、引き出した硬貨ユニット14の左側が、その壁40に近
付けて設置する場合でも、その硬貨ユニット14の出し入
れ作業が簡単にできる。

なお、第８図および第９図で示すように、硬貨ユニッ
ト14と紙幣ユニット15が左右入れ替わって配置する場合
には、その硬貨ユニット14におけるケース本体23の背面
を固定プレート28によってベース22側に固定する。つま
り、ケース本体23を固定状態にする。したがって、ケー
ス本体23を残してカセット収納ケース25のみを左側へ引
き出し、カセット収納ケース25の上方開口を充分に開放
できる。

しかして、硬貨ユニット14を左右いずれにも設置使用
できる。

なお、上記実施例では硬貨ユニット14について具体的
に説明したが、その他の内蔵ユニット、例えばユニット
12,13,15,16についても、同様に応用することができ
る。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、その内蔵ユニッ
トを左右いづれの位置に設置しても、その内蔵ユニット
から収納部材を引き出すスペースを左右いずれの向きで
も選んで組み込むことができる。したがって、機器本体
を壁などに近付けても設置できる。設置スペースを有効
に利用できる。また、面倒な取り出し手順をとることな
く、取り扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本発明の一実施例を示し、第１図
は硬貨ユニットを引き出した状態の自動取引機の平面
図、第２図は後側扉を開いた自動取引機の斜視図、第３
図は自動取引機を前面から見たの斜視図、第４図および
第５図は硬貨ユニット出入れ装置の出入れ状態の手順を
示す斜視図、第６図は硬貨ユニット出入れ装置の出入れ
状態の正面図、第７図は硬貨ユニットの内部構成を示す
概略的な説明図である。第８図は他の組み込み状態例を
示すその硬貨ユニット出入れ装置の出入れ状態の正面図
である。第９図は同じくその自動取引機における後側扉
を開いた状態の斜視図、第10図は自動取引機における後
側扉を開いた状態の斜視図、第11図はその自動取引機の
平面図である。 １……自動取引機、２……取引機本体、12……通帳ユニ
ット、13……伝票ユニット、14……硬貨ユニット、15…
…紙幣ユニット、19……支持レール、23……外ケース、
24……硬貨カセット、25……カセット収納ケース、27a
……サイド引出し用外部レール、27b……サイド引出し
用内部レール。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】貨幣を収納するカセットを備えたユニット
   を自動取引機の機器本体に内蔵し、かつ、前記内蔵され
   たユニットを前記機器本体から出入れ自在に設けた自動
   取引機のユニット出入れ装置において、 前記機器本体からユニットを引出し可能に支持した第１
   の引出し部材と、 前記第１の引出し部材による前記ユニットの引出し方向
   に対して直交する第１の方向に前記ユニットを引出し可
   能に支持した第２の引出し部材と、 前記ユニットの中に設けられ、前記カセットを収納する
   ための収納部材と、 前記収納部材を、前記第２の引出し部材による前記ユニ
   ットの引出し方向に対して反対方向に引出し可能に支持
   した第３の引出し部材と、 を具備したことを特徴とする自動取引機のユニット出入
   れ装置。
2. 【請求項２】貨幣を収納するカセットを備えたユニット
   を内蔵した機器本体と、 前記機器本体から前記ユニットを引出し可能に支持した
   第１の引出し部材と、 前記第１の引出し部材による前記ユニットの引出し方向
   に対して直交する第１の方向に前記ユニットを引出し可
   能に支持した第２の引出し部材と、 前記ユニットの中に設けられ、前記カセットを収納する
   ための収納部材と、 前記収納部材を、前記第２の引出し部材による前記ユニ
   ットの引出し方向に対して反対方向に引出し可能に支持
   した第３の引出し部材と、 を具備したことを特徴とする自動取引機。