JP2795446B2 - Hbv−dna配列および遺伝子導入動物 - Google Patents

Hbv−dna配列および遺伝子導入動物

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はB型肝炎ウイルス(HBV)の表面抗原(HBsA
g)及びコア抗原(HBcAg)の双方を発現する最小DNA配
列、そのDNA配列を含むプラスミド及びそのDNA配列を導
入した遺伝子導入動物に関するものである。
(発明の背景) HBVは肝炎の起因ウイルスの一つであり、その感染に
より急性または慢性のB型肝炎を引き起こし、この肝炎
が進むと肝硬変や肝細胞癌(HCC;hepatocellular carci
noma)を誘発する。Beasleyらの疫学的研究によれば、H
BsAg保因者では肝細胞癌の発生頻度は非保因者に比べて
217倍と高いことが示されている(文献1)。このよう
にHBVは発癌機構との関連も示唆されており、生体内で
のHBV遺伝子の発現・複製機構、さらに肝炎の発症機
構、引続いて起きる発癌機構の解明が待たれている。
肝炎を引き起こすHBV粒子は直径42nmの球状粒子(デ
ーン粒子)であり、その粒子は環状2本鎖DNAとDNAポリ
メラーゼとコア粒子蛋白を含むヌクレオキャプシド部分
(コア粒子)と、それを取り巻く表層部分とによって構
成されている。このコア部分と表層部分とは抗原性を異
にし、その表面の抗原性はそれぞれHBVコア抗原(HBcA
g)、HBV表面抗原(HBsAg)と呼ばれている。HBs抗原は
過剰に生成されるため、HBV粒子とは別に単独でも小型
粒子、管状粒子として感染者血液中に多量に存在する。
また粒子形態はとらないがコア蛋白の一部分が血中にHB
eAgとして認められる場合もある。
コア粒子内のHBVゲノムのDNAは全長約3.2kbの一部2
本鎖の環状DNAで、全長の15〜50%にわたる1本鎖部分
があり、完全な長さの長鎖(マイナス鎖)と、これに相
補的な短鎖(プラス鎖)とからなっている。このDNAは
感染後、閉環状(covalently closed circular)分子に
変換された後(文献2)、主として2.1kbと3.5kbの塩基
サイズのmRNAに転写される(文献3)。これらのmRNAは
翻訳されて、HBV表面抗原(HBsAg)、HBVコア抗原(HBc
Ag)、さらにアミノ酸配列として翻訳され得る転写解読
枠(open reading frames;ORF)から予想されるPreS、
X、及びPo1と呼ばれる他のウイルス蛋白を産生する。
なお3.5kbのRNAは単なるmRNAとして働くだけでなくプ
レゲノムRNAとしてウイルスDNA合成の鋳型ともなってい
る(文献4)。おそらくはウイルスのDNAポリメラーゼ
(文献5)によって、3.5kbRNAは1本鎖マイナスDNAに
逆転写され、この1本鎖マイナスDNAを鋳型としてプラ
スDNA鎖が合成される。このプラス鎖合成は最後まで進
まないことが多いので、結果的にウイルスDNAは部分2
本鎖として形成されることになる。
このようにある程度の知見は得られているが、HBVは
ヒトとチンパンジーの肝臓内でしか増殖しないため、通
常の実験動物を用いて研究をすることが出来ず、分子レ
ベルでのHBVの発現・複製機構、発ガンの詳細な機構を
解明することができなかった。
最近、ヒト肝ガン培養細胞を用いて、HBV−DNAクロー
ン感染によりHBVゲノムの発現と複製を可能にしたin vi
tro複製系が確立され(文献6,7,8,9)、このin vitro複
製系によりHBV複製機構と蛋白合成の詳細な分子遺伝学
的研究が可能となったが、この系は肝炎や肝細胞癌の誘
発機構などの生体レベルでの研究には適していなかっ
た。
生体内での病態や発癌機構を解明する方法として、全
ての体細胞について染色体の同じ部位にDNAを導入した
遺伝子導入動物(Transgenic animal)を利用すること
が考えられる。このような遺伝子導入動物を用いれば、
HBVゲノムの発現の組織特異性や発現の病理生理学的意
義を研究することができる。実際3グループの研究者た
ちが、HBVゲノムの部分フラグメント或いは全長フラグ
メントを導入した遺伝子導入マウスを作り、このマウス
生体内でHBsAgの発現に成功している(文献10,11,1
2)。
しかしこれらの遺伝子導入マウスはいずれも、2.1kbR
NAを産生しこのRNAに対応するHBsAgを発現するものであ
ったが、HBcAgやDNAポリメラーゼなどの他のウイルス蛋
白の発現が見られなかった。従って、病態や発癌機構を
より正確に解明するためには、動物体内でHBcAgなど全
てのウイルス蛋白を発現しうるDNA及びそのDNAを導入し
た遺伝子導入動物モデルが望まれていた。
今回発明者は両端が一部重複したHBVゲノムをクロー
ン化し動物胚細胞に導入したところ、得られた遺伝子導
入動物体内でHBsAgとHBcAgの双方を発現することを見出
し、これに基づき本発明を完成した。
(発明の目的) すなわち本発明は動物体内でHBV全蛋白を発現しうる
最小DNA配列を提供することを第1の目的とする。
またそのDNA配列を宿主遺伝子内に挿入した遺伝子導
入動物を提供することを第2の目的とする。
(発明の構成) このような本発明の第1の目的は、HBV遺伝子全長DNA
(BamHI−BamHI領域)の下流側にHBV遺伝子DNA上流域の
621塩基対(BamHI−StuI領域)が結合されていることを
特徴とするDNAにより達成される。
また第2の発明の目的は、体細胞及び生殖細胞に、HB
V遺伝子全長DNAの下流側にHBV遺伝子DNA上流域の621塩
基対が結合されているDNAを含むDNAが導入されている遺
伝子導入動物により達成される。
すなわち本発明は3.5kbRNAプレゲノムに対応するDNA
配列が全長HBVゲノムとずれていることに着目し、全長H
BVゲノムの両端が一部重複したDNAを作成したものであ
る。またこのDNAを動物胚細胞に導入して得た遺伝子導
入動物体内での3.5kbRNAプレゲノムに基づくHBV−DNAの
複製・発現を可能とした。
(実施例−1) 部分重複HBV−DNAの作製 HBVゲノムは、プラスミドpBRHBadr4としてクローン化
された、HBsAgがadrサブタイプのもの(文献13)を用い
た。このプラスミドpBRHBadr4とプラスミド3HB−neoを
用いて両端が一部重複したHBVゲノム発現用のDNAを得
た。
すなわち第1図に示すように、プラスミドpBRHBadr4
のSphI−PvuII領域にプラスミド3HB−neoのStuI−SphI
領域を挿入してクローン化しプラスミド1.2HB−BSを得
た。
なおプラスミド3HB−neoはプラスミドpBR322内に3つ
のHBVゲノム(BamHI−BamHI領域)をタンデムに連続し
て挿入したものであり(第1図参照)、プラスミドpBRH
Badr4を用いてTsurimotoらの方法により得た(文献
8)。プラスミドpBRHBadr4内のHBVゲノムは第2図に示
す3214bpのDNAであり、塩基番号1272と1273の間にBamHI
開裂部位を有する。このプラスミドからBamHI−BamHI領
域(文献13)を切り出し、3つタンデムに連結した形で
プラスミドpBR322のBamHIサイトに挿入してプラスミドp
SHB3を得る(文献14)。このプラスミドpSHB3にあるSV4
0プロモーター領域を抗ネオマイシン遺伝子と置換する
ことによりプラスミド3HB−neoを得ることができる。抗
ネオマイシン遺伝子はTn5(NEO)(宝酒造製;文献15)
の抗ネオマイシン遺伝子のBglII−BamHI領域(1.7kb)
とヘルペス・シンプレックス・ウィルシのチミジンキナ
ーゼプロモーター(ファルマシア社製;文献16)のBamH
I−BglII領域(0.5kb)とを連結したBamHI断片(2.3k
b)を用い、これをT4DNAポリメラーゼ処理してプラスミ
ドpSHB3のEcoRIサイトに挿入してプラスミド3HB−neoを
得た。
プラスミドpBRHBadr4と同様な機能を持つプラスミドp
BRHBadr125は国立予防衛生研究所の遺伝子バンクに寄託
(寄託番号:VGO24)されており、寄託者の承諾無しに誰
でも入手できるものである。
このようにして構築されたプラスミド1.2HB−BSに
は、全長HBVゲノムであるBamHI(1273)−BamHI(127
2)領域の下流に621bpのBamHI(1273)−StuI(1893)
領域が重複した形で存在する。このように再構築された
DNA断片は2.1kbRNA及び3.5kbRNA双方の転写に必要な最
低限の領域を含んでいる(第1図参照)。その全DNA配
列を第3図に示す。
(実施例−2) 遺伝子導入動物の作製 プラスミド1.2HB−BSをHindIIIとNdeIで消化し得られ
た4.4kb断片を、常法(文献17,18)に従いマウス(C57B
L/6)の受精卵の雄性前核にマイクロガラスピペットを
用いて注入し、この卵を偽妊娠雌マウスの子宮に移植し
た。
(実施例−3) 導入DNAの解析 出産仔23匹について、HBV−DNAが導入されたかどうか
をサザーンブロット法により調べた(第4図)。
マウスの尾の全DNAをSDS/プロナーゼE(科研化学社
製)及びRNase(シグマ社製)により処理した後、フェ
ノール/クロロホルム(1:1)で2回抽出し、エタノー
ルで沈澱させた後10mMTris−HCl(pH7.5),1mMEDTA溶液
にて溶解した。
抽出DNAをBamHI処理した後、アガロース電気泳動(ア
ガロース:1.2%)にかけ、32Pラベルした全長HBV−DNA
をプローブにしてサザーンプロットした。その結果、23
匹中、8匹のマウスがHBV−DNAを有していた。第2図は
その8匹のマウスの尾のDNAのサザーンブロットパター
ン図であり、レーン1,10及び15は雄マウスの試料、レー
ン2,6,13,17及び19は雌マウスの試料である。各レーン
には1μg(レーン2,13及び15)、4μg(レーン1,6,
17及び19)、6μg(レーン10)のBamHI処理DNAを泳動
させた。レーン10のマウスを除いて、全てに3.2kbと1.2
kbのBamHI断片が認められた。
第5図はマウス染色体内のHBVゲノム予想配列図であ
る。この図に示すように、1.2kb断片は、おそらく導入
したHindIII−NedI領域(4.4kb)が連結したタンデムの
形でマウス染色体内に挿入されたため、2つの3.2kbのB
amHI領域に挾まれた部分が1.2kb断片として検出された
ものと思われる。
3.2kbと1.2kbのパターン検出濃度から類推すると、マ
ウス染色体内には3〜10コピーのHindIII−NdeI領域が
タンデムに組み込まれているものが多いと予想される。
この点レーン10では、1.2kbバンドが検出されなかった
こと及び既知量のコントロールDNAでの3.2kbバンドの強
度から、マウス染色体にはHindIII−NdeI領域が1コピ
ーのみ組み込まれたと考えられる。
レーン10(雄)とレーン17(雌)の2匹のマウスの血
清は、第4図下段に示すようにHBsAgとHBeAgの双方とも
陽性であった。血清のHBsAg濃度はそれぞれ15ng/ml,2ng
/mlであった。このようにHBVゲノムが導入されているマ
ウスの全てが必ずしも発現しない理由は不明であるが、
染色体内に組み込まれる際にHBV−DNAの再編成がおきて
いるのが原因の一つと推測される。
HBsAgとHBeAgの双方を産生するレーン10のマウスの子
孫についてさらに調べたところ、18匹のF1マウス中12匹
が尾のDNAにHBV−DNAゲノムを有し、その血清はHBsAgと
HBeAgの双方とも陽性であった。このことはF0マウスの
染色体に導入されたHBV−DNAが生殖細胞を通して子マウ
スに伝播し、発現したことを意味する。なお7週令マウ
スの血清力価には性差は見られなかった。以降レーン10
のマウスの子孫F1について検討した。
(実施例−4) 発現の組織特異性 F1マウスの各臓器におけるHBV−DNAの発現を見るた
め、各臓器のRNAを解析した(第6図)。
常法(文献19)により調製したF1マウス各臓器の全RN
Aをアガロース電気泳動(1%アガロース、6.6%ホルム
アルデヒド)にかけ、RNAブロットを行った。プローブ
には全長HBV−DNA、第1図下段に示すプローブA及びプ
ローブBを用いた。これらのプローブはFeinbergらの方
法に従い調製した(文献20)。
全長HBV−DNA又はプローブAでRNA解析を行うと、第
6図上段左側に示すように肝臓(レーンL)と腎臓(レ
ーンK)に3.5kbと2.1kbの大きさのRNAが検出された。
両RNAの大きさはHBV感染者の肝細胞において検出されて
いるRNAの大きさ(文献3)と一致している。なお微量
の2.4kbRNAが肝臓において検出されたが、腎臓では検出
されなかった。肝臓では、3.5kbRNAの方が2.1kbRNAより
僅かに少ないのに対し、腎臓では3.5kbRNAの方が多く検
出された(第6図、プローブA)。
また肝臓、腎臓、及び精巣では0.8kbRNAが検出され
た。SiddiquiらはX転写解読枠(open reading frame)
に対応する0.8kbRNAの存在を報告している(文献21)。
この0.8kbRNAがX領域を含んでいるかどうかを調べてみ
た。RNAブロットに用いるプローブとして、X領域を含
むプローブAとC領域とS領域の間をカバーするプロー
ブBの2つのプローブを使用した(第1,6図参照)。第
6図に示すように0.8kbRNAはプローブAとハイブリッド
するのに対し、プローブBとはハイブリッドせず、0.8k
bRNAはX転写解読枠に対応していることを示唆してい
た。なおプローブBとハイブリッドし、プローブAとは
ハイブリッドしない0.7kbRNAが肝臓で検出されたが、こ
の0.7kbRNAの性質は不明である。また他の臓器ではHBV
−RNAは検出できなかった。
(実施例−5) RNA転写機構の解析 次に3.5kbRNAと2.1kbRNAに対応する転写開始点を調べ
るためS1マッピングを行なった(第7図)。
S1マッピングとは、ヌクレアーゼS1が一本鎖の核酸を
特異的に分解すること、及び2本鎖DNAも適当な温度条
件下で解離させればヌクレアーゼS1で分解されることを
利用したもので、適当な長さの32PラベルDNAとmRNAとを
ハイブリダイズした後、RNA−DNAハイブリッドを形成し
た領域のみを残してヌクレアーゼS1で分解し、ゲル電気
泳動によってハイブリッドを形成した領域の長さを求め
る方法である(文献22)。
まず3.5kbRNAの転写開始点を調べるため、その予想開
始領域を含むプレC領域のBamHI−BalII領域(第7図C
参照)の一本鎖DNAをプローブとして肝臓(レーン
L)、腎臓(レーンK)の全RNA(10μg)についてS1
マッピングを行なった。第7図Aに示すように肝臓(レ
ーンL)と腎臓(レーンK)は、共に3つの転写開始点
a,b及びcを示し、そのDNAのサイズから、開始点a,b及
びcはそれぞれBglIIサイトより164塩基、194塩基、及
び204塩基上流にあることが示された。バンド濃度の最
も高い主たる転写開始点aはプレC領域のATGサシトと
C領域との間に位置している。一方、マイナーな2つの
転写開始点b,cはプレC領域のATGサイト上流に位置し、
おそらくはプレC領域の開始点を表現しているものと思
われる。これらの結果は細胞培養系での既報(文献9)
と一致しており、本遺伝子動物の体内で生産される3.5k
bRNAすなわちプレゲノムが既報のものと同じで、導入し
たDNAが正常に機能していることを示唆している。なお
2.1kbRNA及び3.5kbRNAの転写終止点については、C領域
のポリAシグナル位置にあることが確認できた(第7図
A,Cのt参照)。
2.1kbRNAの転写開始点について、その予想開始領域を
含むプレS領域のBglII−XhoI領域(第7図C参照)の
一本鎖DNAをプローブとして同様にS1マッピングしたと
ころ、第7図Bに示すように肝臓(レーンL)、腎臓
(レーンK)において、3つのクラスター状の転写開始
点d,e,fが認められた。これらの開始点はプレS2領域のA
TGサイト周辺に位置しており、そのうち2つの開始点d,
eはATGサイトの下流、開始点fはATGサイトの上流に位
置していた(第7図C参照)。この結果も既報(文献2
3)と良く一致していた。なお肝臓(レーンL)につい
ては、腎臓では検出できない3つの転写開始点g,h,iが
プレS領域ATGサイト周辺に認められ、その内2つの開
始点i,gはそれぞれプレS1mRNA、プレS2mRNAの開始部位
に対応していた。
このように本遺伝子動物の体内で生産される3.5kbRNA
及び2.1kbRNAは何れも既報のものと同じ開始点から転写
されたものであり、マウスに導入されたHBVゲノムが正
常に転写されていた。
(実施例−6) 細胞内コア粒子 プレゲノムとして働く3.5kbRNAが肝臓及び腎臓組織内
で検出できたことから、これらの組織内ではHBVゲノム
が複製されていると推測できた。HBV−DNAの複製中間体
はコア粒子内に含まれていることが知られているので
(文献4)、HBVゲノムがこれらの組織の細胞内で複製
されているかどうかをコア粒子の産生を調べることによ
り検討した。
HBVゲノム導入マウスF1の全肝臓を10mMTris−HCl(pH
7.5),1mMEDTA溶液でホモジナイズし、細胞残渣を遠心
により取り除いた。上清にポリエチレングリコールを最
終濃度3重量%となるよう添加し、高分子量成分を遠心
により沈澱させた。この沈殿物を1%トリトンX−100
を加えた10mMTris−HCl(pH7.5),1mMEDTA溶液に懸濁
し、5分間超音波処理した後、7.5%〜60%のショ糖密
度勾配上に載せ、24万×gで2時間超遠心して沈降させ
た。遠心管底部より分取した各フラクションについてEI
Aキット(Abott社製)を用いてHBeAg/HBcAgの力価を測
定した。また、感染ヒト肝臓内で産生される粒子と同じ
大きさ、同じ沈降速度定数を有する酵母産生のコア粒子
(文献24)を、比較試料として同様の操作を行なった。
第8図に示すように、マウス肝臓より得た試料(図中
の黒丸、実線)は比較試料(白丸、点線)とHBeAg/HBcA
g力価によるフラクションパターンが全く同じであり、H
BVゲノム導入マウスの肝臓では、感染ヒト肝臓で産生さ
れるコア粒子と非常に良く似たコア粒子が産生されてい
ることを示していた。
このコア粒子内にHBV−DNAが含まれているかどうかを
調べるため、各フラクションからDNAを抽出して、全長H
BV−DNAをプローブにしたサザーンブロットを行なった
ところ、第86図下段に示すようにコア粒子の存在するフ
ラクションのみでHBV−DNAの存在が認められた。
これらの結果は、このHBV−DNAはコア粒子内でコア粒
子と会合した3.5kbRNAから逆転写され、HBVの複製中間
体を形成していることを強く示唆するものである。
(実施例−7) 細胞内HBV−DNAの解析 コア粒子内に、実際にHBV−DNAが生成されているか、
またその性質はどのようなものであるかを調べた。
HBVゲノム導入マウスF1の肝臓及び腎臓の組織を、常
法(文献4)に従い、抽出緩衝液EB(20mMTris−HCl,pH
7.4,7mMMgSO4,50mMNaCl,0.1%2−メルカプトエタノー
ル,0.25Mサッカロース)を用いてDounceホモジナイザー
で破砕した。遠心により細胞残渣及び核を取り除き、得
られた上清を15%,20%及び30%のショ糖(抽出緩衝液E
B含有)でステップワイズに形成した密度勾配上に載
せ、超遠心(24万×g、4時間、4℃)した。得られた
沈澱ペレットからDNA分画を実施例3と同様な方法によ
り調製した。
このDNA分画について32Pをランダムラベルした全長HB
V−DNAをプローブにしたサザーンブロットを行なったと
ころ、第9図Aのレーンaに示されるように2つのバン
ドを示し、HBVゲノム導入マウスの肝臓及び腎臓の細胞
組織内ではHBV遺伝子が実際に複製されていることが分
かった。
このDNAを熱処理(100℃、3分)したところ、泳動度
の遅いバンド(上側のバンド)は消失し、泳動度の速い
バンドには変化が無かった。(第9図,レーンb)。こ
のことは泳動度の速いバンドは一本鎖のDNA(ss)に対
応し、泳動度の遅いバンドは2本鎖のDNA(pds)である
ことを示している。またこのDNA分画をK1enow酵素(プ
ライマーを有する1本鎖DNAの相補鎖を合成する)によ
り処理したところ、泳動度の遅いバンドはさらに遅く泳
動し、泳動度の遅いバンド(pds)の2本鎖DNAは一部2
本鎖のDNAであることが確認できた(図示せず)。
さらにDNAの2本鎖領域を調べるため、各種の制限酵
素で処理した後、サザーンブロットした。このDNAはBam
HI処理しても両バンド(pds及びss)とも変化がない
(第9図A,レーンc)のに対し、BglII処理では高泳動
度バンド(SS)では変化がなく泳動度の遅いバンド(pd
s)が消失した(第9図,レーンd)。HBV−DNAのBamHI
サイトはX領域にあり、BglIIサイトはC領域にある
(第1図下段参照)から、遺伝子導入マウスの肝臓、腎
臓内で複製されたHBV−DNAは、X領域では1本鎖でC領
域では2本鎖である一部2本鎖DNAであることが分かっ
た。
次に全長DNAの代りに、M13ベクター系(文献25)を使
用してpBRHBadr4から得たHBV−DNAのプラス鎖とマイナ
ス鎖をプローブにして同様なサザーンブロットを行なっ
た。第9図Bに示すように、プラス鎖プローブは1本鎖
DNA(ss)とハイブリッドし、一部2本鎖DNA(pds)と
は僅かしかハイブリッドしない。一方、マイナス鎖プロ
ーブは、未処理DNAでは一部2本鎖(pds)とハイブリッ
ドし(レーンa)、1本鎖DNA(ss)とはハイブリッド
しない。しかし熱処理によって解離・生成した1本鎖DN
Aとはハイブリッドした(レーンb)。従って、この一
部2本鎖DNAは1本のマイナス鎖に、部分的に欠落した
不完全プラス鎖との組合せであると考えられる。なお閉
環状のHBV−DNAは検出できなかった。
(実施例−8) 血清中のHBV関連物質 F1マウスの血清10mlを0.5mlに濃縮し、ポリエチレン
グリコール6000を最終濃度12重量%となるように添加、
4℃で3時間インキュベートした後、遠心した。沈澱物
をリン酸緩衝生理食塩水で懸濁し、23%〜39%CsClで形
成した密度勾配上に載せ、24万×g,20時間遠心して分画
した。各フラクションについてEIAキットでHBsAg力価を
測定するとともに、各フラクションより抽出したDNAに
ついてサザーンブロット(プローブ:全長HBV−DNA)を
行なった。
第10図に示すように、HBsAgは比重1.2g/mlのフラクシ
ョンをピークとして分布し、HBV−DNAはこれに近傍する
比重1.25g/mlのフラクションに存在していた。HBV−DNA
が分布するフラクションの比重1.25g/mlは通常のデーン
粒子の比重として知られているものと一致しており(文
献26)、しかもこの血清内HBV−DNAの電気泳動した時の
泳動度は、肝臓細胞内のHBV−DNAと同じであった。
以上を総合すると、肝臓や腎臓で産生された一部2本
鎖DNAはデーン粒子内に包みこまれて比重1.25g/mlの粒
子として血清中に分泌され、一方HBsAg蛋白自体はリピ
ッドを含んで密度が低いから、DNAを含まない場合には
比重1.2g/mlの粒子として血清中に分泌されているもの
と考えられる。
なおF1マウスの各組織について病理学的検査を行なっ
たが、どの組織にも炎症は見られなかった。また電子顕
微鏡による検査でも肝臓細胞内にはHBV関連粒子は認め
られず、本遺伝子導入マウスはHBV−DNAの複製・発現は
あるものの、肝炎の発症は無いことがわかった。
以上のように本発明のHBV−DNAは、動物の胚細胞に導
入することにより、動物の肝臓や腎臓組織において、HB
sAgのみならずHBcAgなど全てのウイルス蛋白を発現し、
また血中にデーン粒子を遊離していた。またその複製・
発現機構は既報のものと良く一致していた。
発現されるHBsAg自体は遺伝子導入マウスに無害であ
る(文献10,11)が、体内でPreS蛋白が過剰生産される
と肝細胞に毒性を示すことが知られている(文献27)。
この点、本発明による遺伝子導入マウスは9カ月を経て
も臨床的に正常であり、本発明のHBV−DNAの複製・発現
は肝臓、腎臓に対して毒性を示さない。
なお本遺伝子導入マウスでは体内で発現・産生される
HBV粒子は自己とみなされ、細胞性免疫は働かないか
ら、病理学的検査でも確認されたように、炎症反応即ち
肝炎は起きない。しかし、本遺伝子導入マウスを放射線
照射した後に、HBVで免疫刺激した同系正常マウスの骨
髄細胞を移植すれば、本遺伝子導入マウス体内でのHBV
に対する免疫反応即ち肝炎、ひいては肝細胞癌(HCC)
を起させることができる。この結果本遺伝子導入マウス
は肝炎の発症、それに引続き起こるHCCの実験動物モデ
ルとして用いることができる。このような実験動物モデ
ルとして用いる場合には、純系動物が確立されているマ
ウス、ラット、モルモットなどの齧歯類動物が好まし
い。なお血清中のデーン粒子は非常に低レベル(約104/
ml)であるので、実験中に感染する危険性も少ない。
このように、本遺伝子導入動物は、HBVの複製・発現
の分子機構の解明に有用であるばかりか、肝炎や肝細胞
癌(HCC)の発生機構の研究や病理学的研究にも非常に
有用である。この結果、B型血清肝炎のワクチンや治療
薬等のスクリーニング、治療効果の検定などにも用いる
ことができる。
(発明の効果) 以上のように本発明のDNA配列は全長HBVゲノムの両端
を一部重複させて3.5kbRNAプレゲノムに対応させたの
で、動物胚細胞に導入することにより、動物体内でHBV
−DNAの複製・発現を可能にし、HBsAgのみならずHBcAg
など全てのウイルス蛋白を産生することができる。
また本発明の遺伝子導入動物により、病態や発癌機構
をより正確に解明する実験動物モルを得ることができ、
またB型血清肝炎のワクチンや治療薬等のスクリーニン
グ、治療効果の検定などが行える。
参照文献 1.Beasley et al.Lance 2,1129−1133,(1981) 2.Tiollais et al.Nature(London) 317,489−495,
(1985) 3.Cattaneo et al.EMBO J.3,2191−2196,(1984) 4.Summers et al.Cell 29,403−415,(1982) 5.Toh et al.Nature(London) 305,827−829,(198
3) 6.Sureau et al.Cell 47,37−47,(1986) 7.Sells et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84,1005−100
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682,(1987) 10.Chisari et al.Science 230,1157−1160,(1985) 11.Babinet et al.Science 230,1160−1163,(1985) 12.Burk et al.J.Virol.62,649−654,(1988) 13.Fujiyama et al.Nucleic Acids Res.11,4601−4610,
(1983) 14.Nozaki et al.Gene 38,39−44,(1985) 15.Rothstein et al.Cold Spring Harbor Symp.Quant.B
iol.49,99−105,(1980) 16.Mcknight et al.Cell 25,385−398,(1981) 17.Yamamura et al.J.Biochem.(Tokyo) 96,357−36
3,(1984) 18.Gordon et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.77,7380−73
84,(1980) 19.Maniatis et al.“Molecular cloning:A Laboratory
Manual"(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Sprin
g Harbor,New York)(1982) 20.Feinberg et al.Anal.Biochem.132,6−13,(1983) 21.Siddiqui et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84,2513−
2517,(1987) 22.Burke Gene 30,63−68,(1984) 23.Siddiqui et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.83,566−5
70,(1986) 24.Miyanohara et al.J.Virol.59,176−180,(1986) 25.Hames et al.“Nucleic acid hybridisation:a prac
tical approach"(IRL PRESS,Oxford)(1985) 26.Kaplan et al.J.Virol.17,885−893,(1976) 27.Chisari et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84,6909−6
913,(1987)
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミド1.2HB−BSの構築説明図である。図
下段において白抜きの矢印部分のCはHBcAg,SはHBsAg,X
はHBx(X遺伝子とプロモーター/エンハンサーを含む
領域),PはDNAポリメラーゼをコードする領域である。
細い矢印で表わされているのは3.5kbRNA及び2.1kbRNAを
転写する予想領域、プローブAとプローブBとで表わさ
れる部分はRNAブロット(実施例−4)のプローブとし
て使用されたものである。また図中の制限酵素の略号は
以下のとおりである。B:BamHI,H:HindIII,N:NdeI,P:Pvu
II,St:StuI,Sp:SphI,Xh:XhoI、GII:BglII(これらの略
号は以下の各図でも同様である)。また各開裂部位に付
された数字はXhoIサイトを起点とするHBVゲノムのヌク
レオチド番号である。 第2図−A,BはHBV−DNA(サブタイプadr4)のDNA配列図
である。塩基番号1はXhoIサイトの5′末端であり、HB
sAgペプチドの開始点から28bp上流に位置する。DNA配列
の上段に付されたDNA記号はサブタイプadr27の場合の、
下段に付されたDNA記号はサブタイプadr125の場合の置
換塩基をそれぞれ示す。実線枠で囲まれたS,C,P,Xはそ
れぞれS,C,P,X領域の開始コドン及び終了コドンを示
す。点線枠で囲まれた部分はBamHI(1273)−StuI(189
3)領域である。 第3図−A,B,CはHBV全蛋白を発現する最小DNA配列の配
列図である。 第4図は、HBVゲノム導入マウスF0の尾のDNAのサザーン
ブロットパターン図である。図中、Mはマーカーであ
り、矢印はそれぞれ3.2kb、2.8kb及び1.2kbのDNAの泳動
位置を示す。また図下部の数値は各レーンのマウス血清
のHBsAg及びHBeAgの力価(希釈倍率)を示す。 第5図はマウス染色体内のHBVゲノム予想配列図であ
る。□部分はHBVゲノム部分であり、数字は矢印部分の
塩基数(kb)を示す。 第6図はF1マウスにおけるHBVゲノム発現の組織特異性
を示すRNAブロットパターン図である。下段はHBVゲノム
遺伝子地図であり、矢印部分はRNAブロットにより検出
されたRNAの推定領域を示す。図中各レーンに付された
記号は以下のとおりである。Lは肝臓、Kは腎臓、Tは
精巣、Bは脳、Sは脾臓、Hは心臓、Mは筋肉、Iは
腸、Luは肺である。なおnLは正常マウスの肝臓である。 第7図はS1ヌクレアーゼマッピングの結果を示す図で、
第7図AはプレC領域の5′末端開始点を、第7図Bは
プレS領域の5′末端開始点を示す。第7図CはRNA転
写領域を示す遺伝子マップである。図中、Lは肝臓、K
は腎臓、nLは正常マウスの肝臓、nKは正常マウスの腎臓
をそれぞれ示す。Mはサイズマーカーであり、レーンM
の横に付された数字はヌクレオチド数である。 第8図は肝臓組織内のコア粒子の分布を示すショ糖密度
勾配遠心のフラクションパターン図及び各フラクション
のサザーンブロットパターン図である。図中縦軸はHBsA
gのEIAキットによる吸光度(492nm)(HBsAg力価に対
応)を示す。−●−はHBVゲノム導入マウスの肝臓試料
を、−○−は対照の酵母産生コア粒子を示す。 第9図は、細胞内HBV−DNAのサザーンブロットパターン
図である。Aのプローブは全長HBV−DNA、Bのプローブ
はプラス鎖またはマイナス鎖である。レーンaは未処
理、レーンbは熱処理、レーンcはBamHI処理、レーン
dはBglII処理を示す。Lは肝臓、Kは腎臓由来のDNAで
ある。 第10図は血清内HBV関連物質の分布を示すCsCl密度勾配
遠心のフラクションパターン図および各フラクションの
サザーンブロットパターン図である。図中、−○−はHB
sAgのEIAの吸光度(492nm)(HBsAg力価に対応)、−●
−はCsClの密度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−282078(JP,A) J.of Virology,1988, Vol.62,No.11,P.4144−4152 Japanese Cancey R esearch Resources Bank Newsletter 第7 巻 (昭和63年) 財団法人がん研究振 興財団発行 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HBV遺伝子全長DNA(BamHI−BamHI領域)の
    下流側にHBV遺伝子DNA上流域の621塩基対(BamHI−StuI
    領域)が結合されていることを特徴とするDNA。
  2. 【請求項2】HBV遺伝子全長DNA(BamHI−BamHI領域)の
    下流側にHBV遺伝子DNA上流域の621塩基対(BamHI−StuI
    領域)が結合されているDNAを含むことを特徴とするプ
    ラスミド。
  3. 【請求項3】体細胞及び生殖細胞に、HBV遺伝子全長DNA
    (BamHI−BamHI領域)の下流側にHBV遺伝子DNA上流域の
    621塩基対(BamHI−StuI領域)が結合されているDNAを
    含むDNAが導入されている遺伝子導入非ヒト動物。
  4. 【請求項4】動物が齧歯類動物であることを特徴とする
    請求項3記載の遺伝子導入非ヒト動物。
  5. 【請求項5】齧歯類動物がマウスであることを特徴とす
    る請求項4記載の遺伝子導入非ヒト動物。
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