JP2795185B2 - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2795185B2
JP2795185B2 JP19616594A JP19616594A JP2795185B2 JP 2795185 B2 JP2795185 B2 JP 2795185B2 JP 19616594 A JP19616594 A JP 19616594A JP 19616594 A JP19616594 A JP 19616594A JP 2795185 B2 JP2795185 B2 JP 2795185B2
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phosphor layer
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禎久 米沢
茂生 伊藤
均 土岐
能孝 鹿川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体を利用する表示
装置に関するものであり、特に輝度を向上することがで
きるものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光体を利用する表示装置は、電子機
器、コンピュータ端末や車のインパネ等の各種表示装置
として用いられたり、またはプリンタの光源やバックラ
イト用の光源として従来から使用されている。
【0003】このような表示装置として、蛍光表示管や
電界放出型表示装置等が知られているが、従来例として
蛍光表示管の断面図を図7に示す。この図において、1
11は内部が真空とされる外囲器の一部を構成している
基板、112は電子を捕捉するよう基板111の内面に
形成されている陽極導体、113は陽極導体112上に
形成されている可視発光蛍光体層、114は可視発光蛍
光体層113上にさらに形成されている紫外線放射蛍光
体層、115は電子の陽極導体112への到達を制御す
る制御電極、116は電子を放出するフィラメント、1
17は外囲器の一部を構成している側面板、118は外
囲器の底面を構成している平面板、120は外囲器内を
高真空に引くための排気管、121は114から発生し
た紫外線により他の蛍光体(発光させるべき蛍光体以
外)を発光させないための紫外線遮蔽板である。
【0004】この蛍光表示管において、基板111は透
明のガラス板により形成されており、その内側内面には
ITO(Indium Tin Oxide)膜あるいはネサ膜等の透明
導電膜からなる陽極導体112が形成されている。ま
た、陽極導体112上には紫外線で励起発光される可視
発光蛍光体層113が形成されている。この可視発光蛍
光体層113は紫外線の励起により効率よく発光する蛍
光体であり、例えばZnS:Ag蛍光体が用いられる。
【0005】さらに、可視発光蛍光体層113の上には
電子線で励起される紫外線放射蛍光体層114が積層さ
れている。そして、この紫外線放射蛍光体層114から
離隔されると共に対面して制御電極115が設けられて
おり、この制御電極115に印加される電位に応じて、
フィラメント116から放出された電子線が、陽極導体
112に到達することを制御することができる。すなわ
ち、可視発光蛍光体層113の発光をオン/オフするこ
とができる。この制御電極115はメッシュ状あるいは
ワイヤー状とされている。
【0006】また、制御電極115からさらに離隔され
ると共に紫外線放射蛍光体層114に対面して電子を放
出するフィラメント116が設けられている。前記した
各部を収納している容器が基板111、側面板117、
及び平面板118からなる外囲器であり、各部を収納し
た後、排気管120から排気を行い外囲器内部を高真空
とし、その後に排気管120が封止されている。
【0007】なお、可視発光蛍光体層113上に紫外線
放射蛍光体層114を積層しているのは、次の理由によ
る。可視発光蛍光体層113は電子線で励起されて発光
するが、電子線のエネルギのすべてが発光に寄与するも
のではなく、エネルギの一部は可視発光蛍光体層113
を分解させ、蛍光体層113の成分をガス体として飛散
させることになる。特に、可視発光蛍光体が硫化物とさ
れている場合は、硫化物系のガスが飛散されることにな
り、このガスがフィラメントに付着するとその表面を毒
化させてしまうため、フィラメントのエミッションを低
下させてしまうことになる。
【0008】従って、表示装置の輝度が次第に減少する
ことになる。しかも、輝度を上げようとして電子線密度
を上げると、前記現象は硫化物蛍光体に衝突する電子線
の密度が大きいほどガスの飛散が大となるため、電流密
度を上げて輝度を上げることはできない。そこで、可視
発光蛍光体層113を電子線で励起する替わりに紫外線
で励起して発光させるようにすると共に、可視発光蛍光
体層113が仮に分解してもガスが飛散されないように
紫外線放射蛍光体層114により、可視発光蛍光体層1
13を覆うようにしているのである。
【0009】このような構造の蛍光表示管の動作を説明
すると、フィラメント116から放出された電子は、制
御電極115を通過して紫外線放射蛍光体層114に衝
突し、紫外線放射蛍光体層114から紫外線が放射され
る。この放射された紫外線により紫外線放射蛍光体層1
14の内側に積層されている可視発光蛍光体層113が
励起され、可視発光蛍光体層113が可視光を発光する
ようになる。この可視光は透明の基板111を通して外
部から観察することができる。
【0010】ところで、紫外線放射蛍光体層114をZ
nO・Ga23 :Cd蛍光体とした時の発光スペクト
ルを図8に示すが、そのスペクトルのピークは365n
mの紫外線とされている。また、この紫外線が可視発光
蛍光体層113に衝突し、例えば図9aに示すスペクト
ルの青色の可視光が発光される。なお、図9bは異なる
蛍光物質の可視発光蛍光体層とされた時に黄色発光した
場合のスペクトルの一例であり、図9cはさらに異なる
蛍光物質の可視発光蛍光体層とされた時に、赤色発光し
た場合のスペクトルの一例を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表示装置においては可視発光蛍光体の分解ガスの悪影響
を除去することができるものの、表示装置の輝度が低い
という問題点があった。この場合、電流密度を上げて表
示装置の輝度を上げようとしても輝度が飽和特性を示し
輝度が上がらないという問題点もあった。
【0012】そこで、本発明は可視発光蛍光体の分解ガ
スの悪影響を除去することができると共に、良好な輝度
特性を示す表示装置を提供することを目的としている。
さらに、本発明はコントラストの向上を図れるフルカラ
ーの表示装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の表示装置は、電子を放出する電子放出源
と、該電子放出源から放出された電子を捕捉するアノー
ド導体と、該アノード導体上に形成された可視発光蛍光
体層と、該可視発光蛍光体層上に形成された紫外線放射
蛍光体層とが、真空に保持された外囲器内に配設された
表示装置において、前記紫外線放射蛍光体層の粒径を前
記可視発光蛍光体層の粒径以下とするようにしたもので
ある。
【0014】また、具体的には、前記可視発光蛍光体層
の粒径が0.1〜10μmとされており、前記紫外線放
射蛍光体層の粒径が0.1〜10μmとされているもの
であり、記可視発光蛍光体層の積層数が1.0〜2.0
層形成されており、前記紫外線放射蛍光体層の積層数が
1.0〜2.0層形成されているようにしたものであ
る。さらに、前記外囲器が透明物質で形成されていると
共に、前記外囲器の内面に透明導電物質からなる前記ア
ノード導体が形成されていてもよく、前記アノード電極
がストライプ状あるいはメッシュ状とされていてもよい
ものである。
【0015】さらにまた、本発明の表示装置がフルカラ
ーの場合は、前記紫外線放射蛍光体層に顔料をコーティ
ングするようにしたものであり、輝度を上げるために前
記可視発光蛍光体層及び前記紫外線放射蛍光体層の少な
くともいずれかに、例えばIn23 からなる導電物質
を混合してもよいものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、電子線により分解しやすい可
視発光蛍光体を利用することができるため、現状におい
ては青色の蛍光体として一般に実用化されている分解し
易い硫化物系の蛍光体を使用することができる。この場
合において、電子源のエミッション低下を防止すること
ができるようになる。さらに、各蛍光体層の粒径や積層
数を規定するようにしたことにより、良好な輝度特性を
示す表示装置を得ることができる。また、フルカラーの
表示装置においては可視発光蛍光体層上に積層する紫外
線放射蛍光体層に顔料をコーティングすることによりコ
ントラストの向上を図ることができる。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例の表示装置の断面図を図
1に示すが、この表示装置は電界放出型表示装置とされ
ている。この図において、1はガラス製のカソード基
板、2はカソード基板1上に形成されているカソード導
体、3はカソード導体2上に形成された絶縁層、4は絶
縁層3上に積層された制御電極、5は絶縁層3が設けら
れていないカソード導体2上に形成されている電子を電
界放出するエミッタコーン、7はカソード基板1と共に
外囲器を構成しているアノード基板、8はアノード基板
7の内側表面に形成されているアノード導体、9はアノ
ード導体8上に薄く積層されている可視発光蛍光体層、
10は可視発光蛍光体層9上に薄く積層されている紫外
線放射蛍光体層である。
【0018】ところで、金属または半導体表面の印加電
界を109 [V/m]程度にするとトンネル効果によ
り、電子が障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が
行われるようになる。この現象を電界放出(Field Emis
sion)と云い、古くから知られているが、このような原
理で電子を放出するカソードを電界放出カソード(Fiel
d Emission Cathode:以下、FECと記す)と呼んでい
る。
【0019】近年、半導体集積化技術を駆使して、ミク
ロンサイズのFECを作ることが可能となり、その一例
としてスピント(Spindt)型と呼ばれるFECが知られ
ている。このFECは、半導体微細加工技術を用いて製
作すると、円錐状のエミッタ、すなわちエミッタコーン
と制御電極との距離をサブミクロンとすることが出来る
ため、エミッタコーンと制御電極間に数10ボルトの電
圧を印加することによりエミッタコーンから電子を放出
させることが出来るようになる。
【0020】また、各エミッタコーン間のピッチは5ミ
クロンないし10ミクロンとして製作することが出来る
ため、数万から数10万個のFECを1枚のカソード基
板1上に設けることが出来る。このようなFECから離
隔すると共に対向してアノード導体を設けるようにし、
さらにアノード導体に蛍光体層を積層するようにする
と、エミッタコーンから放出された電子が蛍光体層に衝
突して励起され、蛍光体層が発光するようになる。すな
わち、この発光を透明のアノード基板を通して観察する
表示装置とすることができる。このような原理の表示装
置は従来から知られているが、電界放出型表示装置(以
下、FEDと記す)と呼ぶこととする。
【0021】図1に示す表示装置は、このようなスピン
ト型のFECを用いた表示装置であり、カソード基板1
およびアノード基板7からなる外囲器内は高真空状態と
されている。ここで、カソード導体2と制御電極4との
間に所定の電圧を印加すると、エミッタコーン5から電
子が放出されるようになり、この電子がカソード導体2
に対向配置されたアノード導体8に向かって飛翔するよ
うになる。そして、アノード導体8の近傍に到達した電
子はアノード導体8に積層されている紫外線放射蛍光体
層10に衝突して、この蛍光体層10を励起し紫外線を
放射させるようになる。また、電子の一部は紫外線放射
蛍光体層10の薄い層を通過して可視発光蛍光体層9に
衝突するようになる。
【0022】紫外線放射蛍光体層10から放射された紫
外線は、その内側に積層されている可視発光蛍光体層9
に衝突してこれを励起し、可視光を発光させるようにな
る。この可視光はガラス製の透明のアノード基板7を透
過して外部から観察することができる。すなわち、図示
する矢印の方向から見ることにより、表示装置に表示さ
れた画像を見ることができる。
【0023】なお、アノード導体8は、アノード基板7
上にITOに代表される透明導電膜をスパッタリングす
ることにより作製されている。あるいは、アルミニウム
等の金属をストライプあるいはメッシュ構造としてアノ
ード導体8を形成するようにしてもよい。また、アノー
ド導体8上に積層される可視発光蛍光体層9は、沈降法
により可視発光蛍光体層9をアノード導体8上に堆積す
ることにより形成されている。さらに、可視発光蛍光体
層9上に積層される紫外線放射蛍光体層10も、沈降法
により紫外線放射蛍光体層10を可視発光蛍光体層9上
に堆積することにより形成されている。
【0024】可視発光蛍光体層9としては、粒径約2.
0μmのZnS:Agの硫化物系の蛍光体が用いられ、
積層数が1.0層となるよう堆積されている。また、紫
外線放射蛍光体層10としては、粒径約1.0μmのB
aSi25 :Pbの蛍光体が用いられ、積層数が1.
0層となるよう堆積されている。なお、可視発光蛍光体
層9の形成方法としては、他に電着法、印刷法、スラリ
ー法、光粘着法、ダスティング法等を採用することがで
きるが、沈降法は蛍光体の積層される層数の制御性に優
れているため好適な堆積法である。
【0025】前記したように、紫外線放射蛍光体層10
の粒径を可視発光蛍光体層9の粒径より小さくすること
により、電子線の一部により可視発光蛍光体層9が直接
励起されるようになり、紫外線による励起と相乗されて
可視発光蛍光体層9より発光される可視光の輝度を向上
することができる。この時、電子線により可視発光蛍光
体層9が分解しても、その上に積層されている紫外線放
射蛍光体層10によりガスの放出が防止される。この場
合、紫外線放射蛍光体層10より放射される紫外線のス
ペクトルは前記図8に示すようなスペクトルとされ、こ
の紫外線により励起発光される可視発光蛍光体層9の発
光スペクトルは図9aに示す青色とされる。
【0026】ところで、蛍光体の粒径は、通常図4に示
すようにある範囲内に分布しているため、ある寸法とさ
れた粒径の蛍光体だけを実際には使用することができ
ず、ある範囲内の寸法の粒径の蛍光体を使用することに
なる。すなわち、可視発光蛍光体層9の粒径は約2.0
μmとしたが、実際には図4に示すように0.1μm〜
10μmの粒径とされている。同様に、紫外線放射蛍光
体層10においても、0.1μm〜10μmの粒径とさ
れている。ただし、平均的には可視発光蛍光体層9の粒
径は約2.0μmとされ、紫外線放射蛍光体層10の粒
径は1.0μmとされている。
【0027】ここで、積層数について説明すると、図5
(a)に示すように多少の間隔を空けて基板上に粒子が
図示するように堆積されている状態を積層数が1層とい
い、同図(b)に示すように、1層堆積された上にその
粒子間を埋めるようにさらに堆積された状態を積層数が
1.5層といい、同図(c)に示すように、基板上にま
ばらな間隔で粒子が堆積された状態を積層数が0.5層
ということとする。
【0028】そこで、紫外線放射蛍光体の積層数と輝度
との関係を考察すると、蛍光体の抵抗は一般に高いもの
であるため、積層数が増加すると抵抗が高くなり電流が
流れにくくなる。すなわち、輝度は低下する。この様子
を表した図が図6(a)であり、積層数が増加していく
につれて輝度が低下するようになる。また、積層数が小
さいと基板を覆う率であるカバー率が図6(b)に図示
するように低下することになり、カバー率の低下にとも
ない輝度が低下するようになる。
【0029】従って、積層数は輝度の点から見ると少な
い方がよいが、カバー率から見ると多い方がよいことに
なる。すなわち、ほぼ90%以上のカバー率が得られる
1.0層以上で、輝度の点から見て多くても2.0層以
内の積層数とするのが好適となる。
【0030】次に、本発明の第2実施例の表示装置の断
面図を図2に示すが、この表示装置は蛍光表示管とされ
ている。この図において、アノード基板7、アノード導
体8、可視発光蛍光体層9、紫外線放射蛍光体層10に
ついては図1と同様であるのでその説明は省略するが、
1は内部が真空とされる外囲器の一部を構成しているカ
ソード基板、11はアノード導体8から離隔して配設さ
れ、フィラメント12から放出された電子がアノード導
体8へ到達することを制御するグリット、12はグリッ
ド11からさらに離れてアノード導体8に対向するよう
配設された電子を放出するフィラメントである。
【0031】この蛍光表示管において、アノード基板7
はガラス板により形成されており、その内側内面にはI
TO膜あるいはネサ膜等の透明導電膜からなるアノード
導体8が形成されている。また、アノード導体8上には
紫外線で励起発光される可視発光蛍光体層9が形成され
ている。この可視発光蛍光体層9は紫外線の励起により
効率よく発光する蛍光体であり、例えばZnS:Ag等
の硫化物系の蛍光体が一般によく用いられる。
【0032】さらに、可視発光蛍光体層9の上には電子
線で励起される紫外線放射蛍光体層10が積層されてい
る。そして、この紫外線放射蛍光体層10から離隔され
ると共に対面してグリッド11が設けられており、この
グリット11に印加される電位に応じて、フィラメント
12から放出された電子線が、アノード導体8に到達す
ることを制御することができる。すなわち、可視発光蛍
光体層8の発光をオン/オフすることができる。このグ
リッド11はメッシュ状あるいはワイヤー状とされてい
る。また、グリッド11からさらに離隔されると共に紫
外線放射蛍光体層10に対面して電子を放出するフィラ
メント12が設けられている。
【0033】この第2実施例の表示装置においても、ア
ノード導体8は、アノード基板7上にITOに代表され
る透明導電膜をスパッタリングすることにより作成され
ている。あるいは、アルミニウム等の金属をストライプ
あるいはメッシュ構造としてアノード導体8を形成する
ようにしてもよい。次に、アノード導体8上に積層され
る可視発光蛍光体層9は、沈降法により蛍光体層9をア
ノード導体8上に堆積することにより形成されている。
さらに、可視発光蛍光体層9上に積層される紫外線放射
蛍光体層10も、沈降法により紫外線放射蛍光体層10
を可視発光蛍光体層9上に堆積することにより形成され
ている。
【0034】可視発光蛍光体層9としては、粒径約2.
0μmのZnS:Agを用い、積層数が1.0層となる
よう堆積されている。また、紫外線放射蛍光体層10と
しては、粒径約1.0μmのBaSi25 :Pbを用
い、積層数が1.0層となるよう堆積されている。な
お、可視発光蛍光体層9の形成方法としては、他に電着
法、印刷法、スラリー法、光粘着法、ダスティング法等
を採用することができるが、沈降法は蛍光体の積層され
る層数の制御性に優れているため好適な堆積法である。
【0035】また、前記した理由から可視発光蛍光体層
9の粒径は約2.0μmを平均粒径として、0.1μm
〜10μmの粒径範囲とされている。同様に、紫外線放
射蛍光体層10においても、約1.0μmを平均粒径と
して、0.1μm〜10μmの粒径範囲とされている。
さらに、積層数は、ほぼ90%以上のカバー率が得られ
る1.0層以上2.0層以内の積層数とするのが好適で
ある。
【0036】次に、本発明の第3実施例のフルカラーと
されたスピント型のFECを電子源とする表示装置を図
3に示すが、この表示装置はカソード基板側から表示装
置を観察する構造を有しているものである。この図にお
いて、図1と同符号の部分は同一の部分であり、その説
明は省略するが、13は紫外線放射蛍光体層10をコー
ティングしている青色,赤色,緑色の内のいずれかの色
の顔料層である。
【0037】この表示装置は、透明なガラス製のカソー
ド基板1の内側表面にカソード導体2がスパッタリング
法等により形成されており、カソード導体2上に制御電
極4とエミッタコーン5からなるスピント型のFECア
レイが間隔を置いてストライプ状に複数本配設されてい
る。そして、アノード導体8は間隔を置いて配設された
ストライプ状のFEC間の間隙に対向するよう配設され
ており、アノード導体8には可視発光蛍光体層9、紫外
線放射蛍光体層10および顔料層13が順次積層されて
いる。
【0038】ここで、カソード導体2と制御電極4間に
電圧を印加するとエミッタコーン5から電子が放出さ
れ、アノード導体8に捕捉されるようになる。この場
合、アノード導体8は、これを挟む両側のストライプ状
のFECから放出された電子を捕捉し、これにより紫外
線放射蛍光体層10が励起されて紫外線を放射するよう
になる。この紫外線は可視発光蛍光体層9を励起して可
視光を発光させると共に、コーティングされている顔料
層13を介して放射される。
【0039】この場合、紫外線放射蛍光体層10の放射
スペクトルは前記図8に示すようになるが、その長波長
部分は青色の可視領域内のスペクトルを含むようにされ
るため、赤および緑の色調(色度座標値)が青色側にシ
フトすることになる。そこで、紫外線放射蛍光体層10
をコーティングしている顔料層13を色フィルタとする
ことにより、紫外線放射蛍光体層10より放射される紫
外線による色のシフトを補正するようにしている。従っ
て、コントラストを向上することができると共に、この
場合、紫外線の一部を観察することができるため輝度も
向上することができる。さらに、可視発光蛍光体層9の
発光を、励起される側から観察することができるため、
本発明の第3実施例の表示装置においては結局のところ
表示装置の輝度を約2倍に向上することができるように
なる。
【0040】なお、第3実施例において、ガラス製のア
ノード基板7の内側にアルミニウムを蒸着・エッチング
してアノード導体8を形成し、その上に可視発光蛍光体
層9をスラリー法にてパターニングを行い、続けて紫外
線放射蛍光体10および顔料層13をスラリー法にてパ
ターニングを行うようにしてアノード基板7を構成して
いる。
【0041】ここで、可視発光蛍光体層9の蛍光体とし
ては、平均粒径約2.0μmのZnS:Cu,Alの蛍
光体が用いられ、積層数が1.0層となるよう堆積され
ている。また、紫外線放射蛍光体層10としては、平均
粒径約0.1μmのCrO2微粉末がコーティングされ
ている平均粒径約1.0μmのBaSi25 :Pbの
蛍光体が用いられ、積層数が1.0層となるよう堆積さ
れている。
【0042】また、IPA(イソプロピルアルコール)
1リットルに対しGa(NO3 )を100mg溶解した
電着液中にて、平均粒径約3.0μmのZnCdS:A
g蛍光体の電着を行うことにより、可視発光蛍光体層9
を形成し、平均粒径約0.1μmのFe23 (ベニガ
ラ)によりコーティングされている平均粒径約1.0μ
mのBaSi25 :Pb蛍光体をスラリー法にて積層
することにより、紫外線放射蛍光体層10を形成するよ
うにしてもよい。なお、それぞれの積層数は1層となる
ように制御を行うものとする。
【0043】また、前記した理由により可視発光蛍光体
層9の粒径は約2.0μmを平均粒径として、0.1μ
m〜10μmの範囲とされている。同様に、紫外線放射
蛍光体層10においても、約1.0μmを平均粒径とし
て、0.1μm〜10μmの粒径範囲とされている。さ
らに、積層数は、ほぼ90%以上のカバー率が得られる
1.0層以上2.0層以内の積層数とされている。な
お、この第3実施例においてはフルカラーの表示装置と
されているため、R,G,Bの可視発光蛍光体層9が順
次ストライプ状のアノード導体8上に形成されている。
【0044】以上、本発明の表示装置の第1実施例から
第3実施例を説明したが、第1実施例および第2実施例
においても、フルカラー化が可能であり、この場合に紫
外線放射蛍光体層10に顔料層13をコーティングして
コントラストを向上するようにしてもよい。また、可視
発光蛍光体層9および紫外線放射蛍光体層10のいずれ
かあるいは両方にIn23 等の導電物質を混合して導
電度を向上するようにしてもよい。この時の混合量は、
5wt%以下とするのがよい。
【0045】また、紫外線放射蛍光体層10として用い
られる蛍光体は前記した蛍光体のほか、(BaSrM
g)3 Si27 :Pb、SrB47 ・Eu、(Ca
Zn)3 (PO42 :Tl、Ca3 (PO42 :T
l、YPO4 :Ce、LaPO4 :Ce、Ce(MgB
a)Al1119、(SrMg)227 :Eu、Y2
SiO5 :Ce、(YSr)TaO4 、(YSr)Ta
4 :Nb、(YSr)TaO4 :Gd、BaFCl、
BaFBr:Eu、YAlO3 :Ce、ZnGa2
4 、ZnO:Zn等の蛍光体を用いることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、電子線により分解しやすい可視発光蛍光体を利用す
ることができ、現状においては一般に実用化されている
分解しやすい硫化物系の蛍光体材料を青色、緑色、赤色
の蛍光体として使用することができる。この場合、電子
源はほとんど汚染されるおそれがないため長期間に渡り
電子源のエミッション低下を防止することができるよう
になる。さらに、各蛍光体の粒径や積層数を規定するよ
うにしたことにより、良好な輝度特性を示す表示装置を
得ることができると共に、電流密度が高くなっても輝度
が飽和することなく高輝度の表示装置とすることができ
る。また、フルカラーの表示装置においては可視発光蛍
光体層上に積層する紫外線放射蛍光体層に顔料をコーテ
ィングすることによりコントラストの向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の表示装置の断面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例の表示装置の断面図であ
る。
【図3】本発明の第3実施例の表示装置の断面図であ
る。
【図4】蛍光体の粒径の分布を示す図である。
【図5】積層数を説明するための図である。
【図6】積層数と輝度およびカバー率の関係を示す図で
ある。
【図7】従来の表示装置の断面図を示す図である。
【図8】電子線により励起されて紫外線放射蛍光体から
放射される放射スペクトルの一例を示す図である。
【図9】紫外線により励起されて発光する可視発光蛍光
体の発光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 カソード基板 2 カソード導体 3 絶縁層 4 制御電極 5 エミッタコーン 7 アノード基板 8 アノード導体 9 可視発光蛍光体層 10 紫外線放射蛍光体層 11 グリット 12 フィラメント 13 顔料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿川 能孝 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (72)発明者 片岡 文昭 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−304555(JP,A) 特開 昭63−19737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 31/15,31/12,29/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放出する電子放出源と、 該電子放出源から放出された電子を捕捉するアノード導
    体と、 該アノード導体上に形成された可視発光蛍光体層と、 該可視発光蛍光体層上に積層された紫外線放射蛍光体層
    とが、真空に保持された外囲器内に配設された表示装置
    において、 前記紫外線放射蛍光体層の粒径を前記可視発光蛍光体層
    の粒径以下としたことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 前記可視発光蛍光体層の粒径が0.1
    〜10μmとされており、前記紫外線放射蛍光体層の粒
    径が0.1〜10μmとされていることを特徴とする請
    求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記可視発光蛍光体層の積層数が1.
    0〜2.0層形成されており、前記紫外線放射蛍光体層
    の積層数が1.0〜2.0層形成されていることを特徴
    とする請求項1あるいは2記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記紫外線放射蛍光体層に顔料をコー
    ティングしたことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 前記外囲器が透明物質で形成されてい
    ると共に、前記外囲器の内面に透明導電物質からなる前
    記アノード導体が形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 前記アノード導体がストライプ状ある
    いはメッシュ状に形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 【請求項7】 前記可視発光蛍光体層及び前記紫外線
    放射蛍光体層の少なくともいずれかに導電物質を混合し
    たことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の表示装置。
  8. 【請求項8】 前記導電物質をIn23 としたこと
    を特徴とする請求項7記載の表示装置。
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