JP2793385B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

Info

Publication number
JP2793385B2
JP2793385B2 JP3180152A JP18015291A JP2793385B2 JP 2793385 B2 JP2793385 B2 JP 2793385B2 JP 3180152 A JP3180152 A JP 3180152A JP 18015291 A JP18015291 A JP 18015291A JP 2793385 B2 JP2793385 B2 JP 2793385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
ester
polyester resin
resin
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3180152A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH051179A (ja
Inventor
義久 田島
邦明 川口
敏雄 中根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP3180152A priority Critical patent/JP2793385B2/ja
Priority to US07/897,673 priority patent/US5300572A/en
Priority to KR1019920010362A priority patent/KR960001225B1/ko
Priority to AT92305452T priority patent/ATE189245T1/de
Priority to BR929202240A priority patent/BR9202240A/pt
Priority to MX9202884A priority patent/MX9202884A/es
Priority to EP92305452A priority patent/EP0518703B1/en
Priority to DE69230602T priority patent/DE69230602T2/de
Publication of JPH051179A publication Critical patent/JPH051179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2793385B2 publication Critical patent/JP2793385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の芳香族ポリエス
テル樹脂とオレフィン系共重合樹脂を配合してなる、成
形品の表面状態が良好で、機械的物性に優れた樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】芳香族
ポリエステル樹脂及びポリオレフィン系樹脂は、共に成
形性に優れ、それぞれ或る水準以上の優れた機械的性
質、電気的性質等を有する熱可塑性樹脂として極めて広
汎な分野において利用されている。しかし利用分野の拡
大に伴い、樹脂に対する要求性能が益々高度化する傾向
にあり、かかる要求として芳香族ポリエステル樹脂には
より高い靱性、耐衝撃性、耐アルカリ性が要求される場
合が多い。又一方、ポリエチレン、ポリプロピレン等に
代表されるオレフィン系樹脂は一般に軽量で耐薬品性に
優れ柔軟であるが強度、剛性の不足が問題となり、その
用途が少なからず限定される場合が多い。又両樹脂とも
単独では親和性に乏しく両樹脂による複合加工、例えば
両樹脂の共押出による積層フィルム、或は積層ブロー成
形等には接着性の欠除により問題がある。かかる問題を
解決する手段として両者を均一に配合することにより夫
々の物性上の欠点を補い、又、融着性、接着性が改善さ
れ複合加工性の向上も期待される。ところが芳香族ポリ
エステル樹脂、特に結晶性で成形し易く機械的物性に優
れたポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとい
う)系ポリエステルにポリオレフィン樹脂を配合し溶融
混練しても両樹脂の相溶性が悪く、均一に分散せず、特
に射出成形品は表層近傍が層状構造となり、表層剥離現
象が強く現れ機械的物性も低下し、実用的価値のないも
のである。かかるポリエステル樹脂とポリオレフィン樹
脂との相溶性を改良し均一な分散状態を得る試みとして
ポリオレフィン系樹脂に他の共重合成分を導入した変性
ポリオレフィン系共重合体を用いることにより、ポリエ
ステル樹脂との相溶性を高め、物性を改良する試みが数
多く提案され、或る程度その効果が認められるものの、
目的によっては特にPBT系ポリエステルの場合は尚充
分ではなく、一層の分散性の向上、物性の改善が要求さ
れる場合が多い。本発明はかかるPBT系ポリエステル
樹脂とポリオレフィン系樹脂を配合した場合の両成分の
分散性の不良に基づく欠点を解決して、優れた分散状態
となし、成形品とした場合、その表層剥離現象をなく
し、表面状態が良好で優れた物性を有し、又、接着性に
も優れ特に複合加工性の改善された組成物の提供を目的
とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑み、PBT系ポリエステル樹脂とポリオレフィン系樹
脂とのポリマーブレンドにおける分散形態の改善につき
鋭意検討した結果、特定のスルホン酸金属塩を有するユ
ニットを導入したPBT系ポリエステル樹脂(A)を使
用することにより、両樹脂の分散性を一層改良し、表層
剥離のない平滑な成形表面を有し、且つ優れた機械的物
性を有する組成物が得られることを見出し、本発明に到
ったものである。即ち、本発明は、 (A)成分として、aテレフタル酸又はそのエステル形
成性誘導体を主成分とする芳香族ジカルボン酸又はその
エステル形成性誘導体、b1,4−ブタンジオールを主
成分とするジオール化合物又はそのエステル形成性誘導
体及びc下記一般式(I)及び/又は(II)で示される
スルホン酸金属塩を含有するエステル形成性化合物を重
縮合反応させることによって得られるスルホン酸金属塩
含有ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル共重合
体を樹脂成分(A)、(B)及び(C)の和に対し2
〜98重量%、 (B)成分として、α,β−不飽和カルボン酸又はその
誘導体、ビニルアルコール又はそのエステルの一種以上
を共重合したオレフィン系共重合体を(A)、(B)及
び(C)の和に対し2〜98重量% (C)成分として、芳香族ポリエステル樹脂を樹脂成分
(A)、(B)及び(C)の和に対して0〜96重量%配
合してなるポリエステル樹脂組成物に関する。
【0004】(XOCO) m -Ar-(SO 3 M) n (I) (HORO) m -Ar-(SO 3 M) n (II) (但し、-Ar-はベンゼン環又はナフタレン環であり、 X
は水素原子又は低級アルキル基である。 m及び nはそれ
ぞれ1又は2、 Mはリチウム、ナトリウム、カリウムよ
り選ばれるアルカリ金属で、 nが2の場合は同一でも異
なってもよい。又、 Rは-CH 2 CH 2 -、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2
CH(CH 3 )-、-CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 - より選ばれた2価の基であ
る。) 以下本発明に用いられる各成分について説明す
る。本発明で用いられる特定のスルホン酸塩含有PBT
ポリエステル樹脂(A)は、後述の如きスルホン酸塩
を含有するエステル形成性モノマーcの存在下で、テレ
フタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とする
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体aと、1,
4−ブタンジオールを主成分とするジオール又はそのエ
ステル形成性誘導体bとを縮重合して生成されたPBT
ポリエステル樹脂である。即ち成分(A)を構成する
モノマーaのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導
体とは、テレフタル酸又はそれらの低級アルコールエス
テル等を主体とし、補助的に少量のイソフタル酸、2,
6又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、又、更に4,
4−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸又はそれらの低級アル
コールエステル等を併用した1種又は2種以上であって
もよい。次に成分(A)を構成するモノマーbのジオー
ル成分としては、1,4−ブタンジオールを主成分と
し、場合により少量のエチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のジ
オール又はこれらのエステル形成性誘導体の1種又は2
種以上を補助的に併用 してもよい。又、(A)成分はそ
の構成モノマーa又はbの一部として、三官能以上のエ
ステル形成性化合物、例えばaとしてトリメシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸等又はこれらのエステル
形成性誘導体、bとしてグリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等を少量併用することに
よって生成される架橋又は分岐構造を有するポリエステ
ル共重合体であってもよい。本発明において使用する
(A)成分のポリエステルは、更に共重合又は反応成分
cとして特定のスルホン酸金属塩を有するエステル形成
性化合物を加えて重縮合した特定のスルホン酸金属塩を
有するPBT系ポリエステルである。かかる目的で加え
られるモノマー成分cとしては、下記一般式(I)及び
/又は(II)で示されるスルホン酸金属塩を有する芳香
族カルボン酸又はその低級アルキルエステル又はアルコ
ールである。 (XOCO)m-Ar-(SO3M)n (I) (HORO)m-Ar-(SO3M)n (II) (但し、-Ar-はベンゼン環又はナフタレン環であり、 X
は水素原子又は低級アルキル基である。 m及び nはそれ
ぞれ1又は2、 Mはリチウム、ナトリウム、カリウムよ
り選ばれるアルカリ金属で、 nが2の場合は同一でも異
なってもよい。又、 Rは-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2
CH(CH3)-、-CH2CH2OCH2CH2- より選ばれた2価の基であ
る。)かかるモノマーcはポリエステル(A)の重縮合
反応においてa,b成分と同時に添加混合してもよく、
又、重縮合反応の完結前であれば如何なる時期でもよい
が、出来るだけ前段階が好ましく、特に好ましくはa,
b成分によるエステル化反応又はエステル交換反応以前
に添加されることが好ましい。スルホン酸金属塩含有化
合物cが(I)式又は(II)式において m=1の場合
は、エステル化官能基が一つのためPBT系ポリエステ
ル(A)の末端基として導入され、又 m=2の二官能性
の場合は共重合成分として主鎖中にランダムに導入され
た共重合体が得られる。本発明における(A)成分のP
BT系ポリエステルはその何れにてもよい。又、c成分
モノマーとして、(I)式及び(II)式より成る2種以
上を併用してもよい。PBT系ポリエステル(A)を構
成するcユニットの量はその全エステル構成単位に対し
0.01〜15モル%、好ましくは 0.1〜10モル%である。ポ
リエステル(A)におけるかかるcユニットの含有量は
(I)式又は(II)式モノマーの添加量を調節すること
により調整することが出来る。かかる(A)成分中のユ
ニットcの量は、目的に応じ、又、後述の(B)、
(C)成分の種類と量により上記範囲内において適宜変
更することにより組成物として最適の性状を得ることが
出来る。しかし、(A)成分中のユニットcの量が0.01
モル%以下では本発明の主目的である相溶性、分散性を
改善する効果が得られず、又、15モル%以上では高重合
度のものが得られず、組成物の機械的物性等にも支障を
生じ好ましくない。(A)成分であるPBT系ポリエス
テルの最も代表的なものはスルホン酸ナトリウム塩を有
する(I)式又は(II)式のエステル形成ユニットを含
むポリブチレンテレフタレートであり、ブチレンテレフ
タレートを主体として、イソフタレート、シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート、ブチレン−2,6−ナフ
タレート、ブチレン−2,7−ナフタレート等のユニッ
を補助的に少量含むPBT系共重合体であってもよ
い。
【0005】次に本発明で用いられるポリオレフィン系
樹脂(B)とはα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導
体、ビニルアルコール又はそのエステルの一種以上を共
重合したオレフィン系共重合体である。かかるオレフィ
ン系共重合体を構成するオレフィンとしてはエチレン、
または炭素数3以上のα−オレフィン例えばプロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルブテン−
1、4−メチルペンテン−1等、特にプロピレン、ブテ
ン−1の一種以上より成る。又、共重合成分としての
α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とは例えばア
クリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸又はこれらの金属塩(金属としては第1族又は
2族の金属)或いはアルキルエステル、グリシジルエス
テル、無水物、イミド等である。又、ビニルアルコール
又は酢酸ビニル等そのエステルであってもよい。かかる
共重合成分はその一種以上がポリオレフィン系ポリマー
に共重合(グラフト共重合、ブロック共重合も含む)成
分として導入され(B)成分を構成する。また、(B)
成分としてはこれらを主体とし、他のビニル系モノマー
(例えばスチレン、ブタジエン、アクリロニトリル等)
を更に共重合してなるポリオレフィンコポリマーまたは
ポリオレフィンエラストマーでもよく、更に架橋剤また
は他の変性剤を少量含有するコポリマー、ターポリマ
ー、ブロックポリマー、又、分子が線状のみならず、分
岐、架橋構造を有するものであってもよい。又、その重
合度等に関しても特に制限はなく、成形加工性を有する
ものであればよい。かかるオレフィン系共重合体は2種
以上併用することも出来る。特に好ましいオレフィン系
共重合体(B) としては、エチレン−メタクリル酸又はア
クリル酸の金属塩共重合体(金属は例えばリチウム、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛
等)、エチレン−メタクリル酸又はアクリル酸エステル
共重合体、プロピレン−マレイン酸又は無水マレイン酸
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はそのケン
化物等が挙げられる。
【0006】次に本発明のポリエステル組成物には、必
ずしも必須成分ではないが、更にスルホン酸金属塩含有
PBT系ポリエステル(A)とは別に、一般のポリエス
テル樹脂(C)を配合することが出来る。ここで用いる
(C)成分のポリエステル樹脂としては、前記(A)成
分の構成におけるモノマーa及びbのみによって形成さ
れるポリエステルが最も好適であり、その代表的なもの
はポリブチレンテレフタレート樹脂であるが、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート樹脂、又はこれらを主体とする共
重合体樹脂、或いは高分子量のオキシアルキレングリコ
ールを共重合した熱可塑性エラストマー、更には液晶性
ポリエステル樹脂等であってもよく、又これらの混合物
でもよい。
【0007】本発明の組成物において、(A)、(B)
及び(C)成分の割合は、(A)、(B)、(C)の和
を100(重量)として(A)が2〜98重量%、(B)が2
〜98重量%、(C)が0〜96重量%である。中でも
(A)と(C)成分の和が5〜95重量%、(B)成分が
5〜95重量%であることが好ましい。(B)成分が過少
であるとポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性等の機械的
物性に対する改良効果が得られず、又、過大であるとポ
リエステル樹脂本来の物性が失われ、特に剛性が低下し
好ましくない。特に好ましい(B)成分の配合量は5〜
50重量%である。又、(A)成分と(C)成分の比率
は、(A)成分におけるスルホン酸金属塩ユニットの含
有量にもよるが、少なくとも(A)成分は前記樹脂成分
に対し2重量%以上、好ましくは5重量%以上であるこ
とが分散性改善上必要である。(A)成分におけるスル
ホン酸金属塩ユニットの含有率が前記範囲内で比較的低
い場合は(C)成分の配合を少なくすることが好まし
い。又、スルホン酸金属塩ユニットの含有率が前記範囲
内で比較的多い場合には、(A)成分を少なくし、
(C)成分を多くすることが可能であり、好ましく、こ
の場合は(A)成分の分子量は比較的低いものであって
もよい。
【0008】前述の如く、単に一般の芳香族ポリエステ
ル樹脂(C)、例えばcユニットを有しないPBTとポ
リオレフィン系樹脂(B)を溶融混練しただけでは分散
が悪く少量成分樹脂相が大粒子として存在し、射出成形
品の表面に縞状又は層状の相分離構造として現れ、又、
摩擦により表層剥離が起こり易い。これは、射出成形時
の表層付近に起こる高剪断力により芳香族ポリエステル
樹脂(C)、ポリオレフィン系樹脂相(B)が変形して
層状構造となり、芳香族ポリエステル樹脂相(C)とポ
リオレフィン系樹脂相(B)との親和性、接着性の悪さ
により表層剥離現象が起こると考えられる。これに対
し、スルホン酸金属塩を含有するPBT系ポリエステル
樹脂(A)を使用又は併用することにより、各樹脂成分
の分散性を改良し、緻密で且つ均一な分散状態が得ら
れ、両相層状化を抑え、しかも両成分の接着性が改良さ
れ、良好な表面状態の成形品を得ることができると解さ
れる。分散状態の改良は、本発明の組成物成形品の断面
を電子顕微鏡により観察すると、少量成分が極めて微細
で且つ均一に分散していることで裏付けられる(実施例
参照)。
【0009】尚、本発明の樹脂組成物には更にその目的
を損なわない範囲で所望の特性を付与するため、従来公
知の添加物、例えば潤滑剤、滑剤、核剤、染顔料、離型
剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候(光)安定剤、加水分
解安定剤、無機又は有機質強化剤又は充填剤、他の熱可
塑性樹脂等の添加剤を配合してもよい。
【0010】本発明組成物の調製法は種々の公知の方法
で可能であるが、少なくとも、本発明におけるPBT系
ポリエステル樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)
二成分の共存下で、要すれば(C)成分も加え加熱溶融
し、30秒以上混練処理することが望ましく、その他の成
分も同時に併用配合してもよく、また、別に加えても良
い。具体的には、例えば各成分を予めタンブラー又はヘ
ンシェルミキサーのような混練機で均一に混合した後、
一軸又は二軸の押出機に供給して溶融混練し、ペレット
とした後成形に供してもよく、直接成形してもよい。
尚、ここで言う溶融混練は溶融温度において 40sec-1
上の剪断速度下で行うのが望ましい。特に好ましい剪断
速度は 100〜500sec-1である。処理温度は、樹脂成分が
溶融する温度より5℃乃至 100℃高い温度であり、特に
好ましくは融点より10℃乃至60℃高い温度である。高温
に過ぎると分解や異常反応を生じ好ましくない。又、溶
融混練処理時間は、少なくとも30秒以上15分以内、好ま
しくは1〜10分である。
【0011】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物はPBT系ポリエス
テル樹脂とポリオレフィン系樹脂が均一に細分散した構
造を有し、従来の如き分散性の不良に基づく成形品の表
層剥離を改善し、平滑な成形表面を有し、又は機械的物
性に優れ、複合成形品としての接着加工性も良好で多く
の用途が期待される。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】尚、評価、測定法は以下の通りである。樹脂分散性の評価 ポリオレフィン系樹脂が少量成分の場合は、ペレットを
液体窒素中で破断しキシレン溶液に入れ、130 ℃にて12
時間還流し、ポリオレフィン系樹脂を溶出し、生じた空
孔を電子顕微鏡により観察しポリオレフィン系樹脂の分
散状態(粒子分散の場合は平均粒子径)を評価した。即
ち、ポリオレフィン系樹脂の分散状態が緻密なほど(平
均粒子径が小さいほど)ポリオレフィン系樹脂の分散性
は改善されていると評価される。図1に本発明の代表的
な(実施例2)粒子分散形態を示す。又、図2にこれと
対応した本発明に属さない場合(比較例3)の粒子分散
形態を示す。又、ポリエステル成分(A+C)が少量成
分の場合は、ペレットを破砕又は切断し、1NのNaOH水
溶液中60℃で24時間処理し、ポリエステルを分解溶出
し、生じた空孔を同様にして評価した。引張強伸度 : ASTM D638の方法に準拠して行った。ノッチ付きアイゾット衝撃値 : ASTM D256の方法に準拠して行った。表面剥離試験 : スコッチテープを引張試験片のゲート部に接着させ、引
き剥がし、剥離が生じるか否かを評価した。融着性 : プレス機にて250 ℃で1mm厚のフィルムを作製し、表に
記した相手樹脂フィルムと重ね、250 ℃、2分間、50kg
/cm2でプレス機で融着させた後、冷水で急冷させた1mm
厚の試料を、JIS C6481 の方法に準拠して行った。ポリエステル共重合体(A)の製造例 a テレフタル酸ジメチル、b 1,4−ブタンジオー
ル、c 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(a +c に対し0.1, 1, 5モル%)及び触媒としてチタ
ニウムテトラブトキシドを攪拌機及び留出管を備えた反
応器に仕込み、十分窒素置換した後、昇温し、 240℃に
達するまでエステル交換を殆ど完了し(留出メタノール
理論量の90%以上)、次いで減圧し、 0.1トールで 2.5
時間重縮合反応を続け、スルホン酸ナトリウム含有イソ
フタル酸残基を、それぞれ0.1,1,5モル%含有する三
種の変性PBT共重合体を得た(A-1,A-2,A-3)。、c
成分としてパラジヒドロキシエトキシフェニルスルホン
酸ナトリウムを、a 成分に対し1モル%を使用した他は
(A-2)の調製に準じ同様に重縮合した(A'-2) 。
【0014】実施例1〜5 表1に示す如く(A)5−ナトリウムスルホイソフタル
酸(SIP)成分を0.1 、1.0 及び5モル%共重合した
ポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステル樹脂
(A-1,A-2,A-3) 、(B)エチレン−メタクリル酸亜鉛共
重合体(三井デュポンポリケミカル(株)製ハイミラ
ン)(B-1) 、及び場合により(C)ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)(ポリプラスチックス(株)製)を
表1に示す割合で混合し、30mm二軸押出機を用い設定温
度 245℃、スクリュー回転数80rpmで溶融混練し、ペレ
ット化した。次いで、該ペレットより射出成形機により
試験片を作成し、物性評価を行った。結果は表1に示
す。
【0015】比較例1〜3 比較のため(A)変性PBT単独、(C)ポリブチレン
テレフタレート(PBT)樹脂単独、及び変成PBT
(A)を含まない(B)、(C)二成分系の場合につい
て、前記実施例と同様の方法で評価した。結果は表1に
併記した。
【0016】
【表1】
【0017】実施例6〜11、比較例4〜8 成分(A)、(B)及び(C)の配合量を表2のように
変えた他は前例と同様に成形片を作成し、評価した。評
価結果は表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】実施例12〜14、比較例9〜11 成分(A)として前記(A-2)を使用し、成分(B)とし
てエチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ(株)
製クラレエバール)(B-2) 、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体(日本ユニカー(株)製)(B-3) 、無水マ
レイン酸変性ポリプロピレン(住友化学工業(株)製、
住友ノーブレン)(B-4) を使用した場合について同様の
方法で組成物を調製し、成形して評価した。結果は表3
に併記した。
【0020】
【表3】
【0021】実施例15、16 成分(A)としてパラジヒドロキシエトキシフェニルス
ルホン酸ナトリウム(HEPS)1モル%含有共重合体
A'-2) を使用した場合について、同様の方法で組成物
を調製し、成形して評価した。結果は表4に記した。
【0022】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組成物の代表的な(実施例2)粒子
構造(分散状態)を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】 本発明に属さない従来の組成物の場合(比較
例3)の粒子構造(分散状態)を示す電子顕微鏡写真で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/00 C08L 67/00 // C08G 63/688 C08G 63/688 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 C08L 29/04 C08L 31/02 C08L 33/02 C08L 35/00 C08L 67/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分として、aテレフタル酸又はそのエステル形
    成性誘導体を主成分とする芳香族ジカルボン酸又はその
    エステル形成性誘導体、b1,4−ブタンジオールを主
    成分とするジオール化合物又はそのエステル形成性誘導
    体及びc下記一般式(I)及び/又は(II)で示される
    スルホン酸金属塩を含有するエステル形成性化合物を重
    縮合反応させることによって得られるスルホン酸金属塩
    含有ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル共重合
    体を樹脂成分(A)、(B)及び(C)の和に対し2
    〜98重量%、 (B)成分として、α,β−不飽和カルボン酸又はその
    誘導体、ビニルアルコール又はそのエステルの一種以上
    を共重合したオレフィン系共重合体を(A)、 (B)及び(C)の和に対し2〜98重量% (C)成分として、芳香族ポリエステル樹脂を樹脂成分
    (A)、(B)及び(C)の和に対して0〜96重量%配
    合してなるポリエステル樹脂組成物。(XOCO) m -Ar-(SO 3 M) n (I) (HORO) m -Ar-(SO 3 M) n (II) (但し、-Ar-はベンゼン環又はナフタレン環であり、 X
    は水素原子又は低級アルキル基である。 m及び nはそれ
    ぞれ1又は2、 Mはリチウム、ナトリウム、カリウムよ
    り選ばれるアルカリ金属で、 nが2の場合は同一でも異
    なってもよい。又、 Rは-CH 2 CH 2 -、-CH(CH 3 )CH 2 -、-CH 2
    CH(CH 3 )-、-CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 - より選ばれた2価の基であ
    る。)
  2. 【請求項2】 (A)成分を構成する一般式(I)及び
    /又は(II)で示される化合物により形成されるスルホ
    ン酸金属塩含有エステルユニットcが、(A)成分を構
    成する全エステルユニットの0.01〜15モル%の範囲の量
    で導入されたポリエステルである請求項1記載のポリエ
    ステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2の何れか1項記載のポリエ
    ステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
JP3180152A 1991-06-14 1991-06-24 ポリエステル樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2793385B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3180152A JP2793385B2 (ja) 1991-06-24 1991-06-24 ポリエステル樹脂組成物
US07/897,673 US5300572A (en) 1991-06-14 1992-06-12 Moldable polyester resin compositions and molded articles formed of the same
AT92305452T ATE189245T1 (de) 1991-06-14 1992-06-15 Mischungen sulfonierter polyester
BR929202240A BR9202240A (pt) 1991-06-14 1992-06-15 Composicao de resina de poliester e artigo moldado com a mesma
KR1019920010362A KR960001225B1 (ko) 1991-06-14 1992-06-15 폴리에스테르 수지조성물
MX9202884A MX9202884A (es) 1991-06-14 1992-06-15 Composicion de resina de poliester.
EP92305452A EP0518703B1 (en) 1991-06-14 1992-06-15 Sulfonated polyester resin compositions
DE69230602T DE69230602T2 (de) 1991-06-14 1992-06-15 Mischungen sulfonierter Polyester

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3180152A JP2793385B2 (ja) 1991-06-24 1991-06-24 ポリエステル樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH051179A JPH051179A (ja) 1993-01-08
JP2793385B2 true JP2793385B2 (ja) 1998-09-03

Family

ID=16078308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3180152A Expired - Fee Related JP2793385B2 (ja) 1991-06-14 1991-06-24 ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2793385B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014185324A1 (ja) * 2013-05-16 2014-11-20 東洋紡株式会社 樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた成形体ならびに成形体の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5896648A (ja) * 1981-12-01 1983-06-08 Unitika Ltd ポリエステル組成物
JPH051214A (ja) * 1991-06-21 1993-01-08 Toray Ind Inc ポリエステル組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH051179A (ja) 1993-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960001225B1 (ko) 폴리에스테르 수지조성물
JPS6069157A (ja) ポリエステル組成物への濃厚添加物および添加方法
EP0145391B1 (en) Adhesive resin composition
EP0111810A2 (en) High strength, reduced heat distortion temperature thermoplastic composition
KR20010052858A (ko) 폴리에스테르 수지 조성물
JP2581160B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0579700B2 (ja)
CA1286817C (en) Amorphous polyester compositions and uses thereof
JPS6028446A (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
JP2793385B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPS6332098B2 (ja)
US5244983A (en) Thermoplastic polyphenylene ether resin composition
EP0558256B1 (en) Thermoplastic resin composition and moulded articles therefrom
EP0364304A2 (en) Modified polyolefin-polyester graft copolymer, method of producing same and thermoplastic resin composition containing such graft copolymer
JP2766405B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH02232255A (ja) 耐衝撃性の改良された熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
JP3310088B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH11170441A (ja) 多層成形体
JPH02242838A (ja) 熱可塑性ポリエステル組成物
JPS61207458A (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
KR960001226B1 (ko) 폴리에스테르 수지 조성물
JPH01315465A (ja) ポリエーテルイミド含有樹脂組成物
JPH044342B2 (ja)
JPH0241355A (ja) ポリエ−テルイミド含有樹脂組成物
AU613376B2 (en) Impact modified polyester compositions with improved heat resistance

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees