JP2790320B2 - 耐熱性アミラーゼ並びにその製造及び使用方法 - Google Patents

耐熱性アミラーゼ並びにその製造及び使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生澱粉に作用することができる新規な耐熱性
アミラーゼ、その製造方法、及び該アミラーゼを使用す
るオリゴ糖の製造方法に関する。この酵素の使用により
糖化工程の簡略化及び省エネルギーが可能となる。
〔従来の技術〕
マルトースは澱粉を加水分解して得られる歴史の古い
澱粉糖であるが、近年その食品素材、甘味材としての優
れた特性から食品加工分野での用途が広がりつつある。
精製マルトースは、輪液用として従来用いられていたグ
ルコースより優れているため医薬用としての需要が増え
ている。また、精製マルトースの製造の過程で副成する
マルトトリオースを含むオリゴ糖は甘味度がマイルド
で、かつ従来のデキストリンを主成分とする水飴より粘
度が低く、また保水性が高いなどの特徴がある為、最近
新しい甘味料として期待されている。
従来、澱粉を加水分解し各種糖を製造する工程におい
て、澱粉粒を水と共に加熱(85〜120℃)することによ
り糊化し、α−アミラーゼによって液化し、次いで夫々
の目的に応じ、グルコアミラーゼあるいはβ−アミラー
ゼによって糖化する方法が行われている。しかし、高濃
度の澱粉粒の糊化および液化には多量のエネルギーを必
要とする。また、糊化澱粉の粘度が高い為に特殊な装置
を必要とする。また、澱粉を高温下に糊化後液化する場
合は液化生成物の老化および液化生成物の還元性末端グ
ルコース残基の異性化により収率の低下が起るとされて
いる。
澱粉を70℃以下の糊化しない温度で、生澱粉分解性酵
素を作用させ糖化する事が可能となれば、その溶液は低
粘度であり、工程を簡略化出来ると同時にエネルギー的
にも有利となる。また、高温処理による還元性末端グル
コース残基の異性化も少く経済的に有利となる。一部で
生澱粉分解作用の強い糖化酵素を用いた無蒸煮アルコー
ル発酵の検討が行われているが未だ実用化の域に達して
いない。特開昭60−83595、及び同61−83595はアスペル
ギルス属に属する菌の生産する生澱粉分解性グルコアミ
ラーゼについて開示している。特開昭63−59881、及び
同63−59887はペニシリウム属に属する菌の生産する生
澱粉分解性グルコアミラーゼがα−アミラーゼとの共存
下により高い生澱粉分解性を示す事を開示している。特
開昭61−47189はフミコーラ属に属する菌の生産する生
澱粉分解性グルコアミラーゼについて開示している。し
かし生澱粉から直接糖化によりマルトースやマルトトリ
オースを製造する方法は報告されていない。
工業的に生澱粉を糖化してマルトース等を製造する際
には、糖化速度と同時に雑菌による汚染も問題となる。
これらの点から反応温度は澱粉が糊化しない範囲におい
て、出来るだけ高温側が望ましく、従って耐熱性アミラ
ーゼが求められている。
マルトースの製造に用いられるβ−アミラーゼは従来
は植物由来の酵素が用いられ、大麦あるいは大豆のβ−
アミラーゼがよく知られている。これら植物由来のβ−
アミラーゼは反応温度・耐熱性においてあるいは供給の
点で問題がある。したがって工業的使用に耐える熱安定
性や安定供給が可能な微生物由来のβ−アミラーゼが望
まれている。微生物由来のβ−アミラーゼについては多
くの報告がある(アミラーゼ;中村道徳監修、学会出版
センター、P86(1986))。しかしながら微生物による
β−アミラーゼの製造はまた実用化の域には達していな
い。
マルトースはβ−アミラーゼを澱粉鎖に使用させてそ
れをマルトース単位に加水分解することにより得られる
が、従来のβ−アミラーゼは澱粉中のα,1−6グリコシ
ル結合を加水分解できず、したがって澱粉からのマルト
ース収率を上げる目的で澱粉中の分枝すなわちα,1−6
グルコシル結合を切断する為にイソアミラーゼ、プルラ
ナーゼを併用するのが通常の方法である。しかしこれら
α,1−6結合を切断する酵素は高価である。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のごとく、澱粉からマルトース又はその他のオリ
ゴ糖を工業的に製造するには種々の問題点があった。本
発明は、それらの種々の問題点を酵素の面から一挙に解
決しようとするものであり、具体的には、(1)生澱粉
に直接作用してそれを加水分解することができ、(2)
その場合にイソアミラーゼ等のいわゆる枝切酵素を併用
しないで澱粉を実質的に100%分解することができ、
(3)その結果、目的とするマルトース及びマルトトリ
オースを支配的に生成せしめることができ、(4)生澱
粉に作用される際に、雑菌の汚染を有効に防止できる程
高温で使用するのに十分な耐熱性を有し、そして(5)
細菌によって大量に製造することができる新規なアミラ
ーゼを提供するものである。本発明はさらに、この新規
な耐熱性アミラーゼの製造方法、及びそれを用いるマル
トースその他のオリゴ粒の製造方法を提供しようとする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
耐熱性酵素の性質 本発明は第一に生澱粉に作用することができる新規な
耐熱性アミラーゼを提供するものであり、この酵素の一
例を詳細に説明する。なお、以下に示す酵素の性質は後
記する実施例2で得た酵素を用いて得られた結果であ
る。
(1)作用:本発明のアミラーゼは生澱粉に作用し、主
としてマルトース、マルトトリオースとする。特に60℃
で生澱粉に作用した場合、生澱粉を実質的に100%分解
する。各種生澱粉に対する分解のし易さは小麦澱粉>と
うもろこし澱粉>甘藷澱粉>馬齢薯澱粉の順である(第
1図参照)。
また、本発明の生澱粉分解性を有する耐熱性アミラー
ゼは各種生澱粉粒に対し強い吸着力を有し、この吸着力
が生澱粉の分解性を基礎づけている。
(2)至適pH及びpH安定性:本酵素の至適pHは6.0付近
である(第2図参照)。各pHの緩衝液中で室温(22℃)
にて1時間処理した場合pH5〜8において95%以上の残
存活性を示す(第2図参照)。
(3)至適温度:pH7.0において測定した至適温度は70℃
であり(第3図参照)、70℃で15分間処理した場合実質
的に不活性化されず、1時間処理した場合70℃で90%以
上、75℃で70%、80℃で50%の残存活性を有する(第3
図参照)。
(4)分子量:ゲル濾過法(ファルマシア製FPLS使用、
カラム:スパーロースTM12、溶出液:0.2M−NaCl含有の5
0mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0)にて52,000±5,
000である。
(5)紫外吸収スペクトル:リン酸緩衝液中にてμmax:
275nm、及び190nmに吸収を示す。
(6)元素分析値:C;59.4%、H;6.4%、N;15.3%。
酸素力価の測定法 本酵素の澱粉分解活性の測定は1%−可溶性澱粉液に
一定量の酵素液を加え、所定のpH及び温度にて反応さ
せ、5分後に生じた還元糖を3,5−ジニトロサリチル酸
法(DNS法)〔澱粉・関連糖質実験法、中村道徳他編、
学会出版センター発行43頁、(1986年)〕にて定量す
る。1分間にグルコース1μmole相等の還元糖を生成す
る力価を1単位とする。生澱粉の分解性の測定は、本酵
素の一定量を緩衝液に溶した液に生澱粉を濃度1%とな
る量を加え、温度30〜80℃、pH4.0〜9.0にて0〜24時間
振とう後生じた糖を上述のDNS法でグルコースの検量線
を用いて測定する。糖化度はいわゆるDE値で表わす。な
お、DE値は澱粉の分解の程度を特徴付けるものであり、
純デキストロースの還元力を100%として、分解された
澱粉の還元力を示す数値である。
生産微生物 本発明においては、前記のごとき性質を有する酵素を
生産することができるバシルス属細菌であればいずれも
使用することができ、このような細菌は、例えば土壌中
より次のようにして分離することができる。
2%小麦生澱粉を含む肉エキス−ポリペプトン寒天培
地で60℃において生育するコロニーのうち、ハローを形
成するものを分離し、液体培地に接種、一定時間の培養
後培地中の生澱粉分解活性の強い株を選択する。
この様にして分離された菌株の1つについてその菌学
的性質を詳細に調べ、バージェイズ・マニュアル・オブ
・ディタミネィティブ・バクテリオロジー第7版及び8
版の記載に基づき、本菌株はバチルス・ステアロサーモ
フィラスに属する菌株と同定し、更に、生澱粉分解性を
有する点で公知菌株のいずれとも相違することから新菌
株であると判断した。そこで、この菌株をバチルス・ス
テアロサーモフィラスB−1株と命名し、昭和63年6月
30日工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第10
120号として寄託し、そして平成元年5月26日に微工研
条寄第2440号としてブタペスト条約に基く国際寄託に移
管した。
バチルス・ステアロサーモフィラスB−1の菌学的性
質は以下の通りである。
1.顕微鏡(含電顕)所見 グラム染色:陽性 形 態:桿菌 大 き さ:0.6×1.0×2〜3.5μm 多 形 性:なし 運 動 性:あり 鞭 毛:なし 胞 子:あり、椿円形で1〜1.8μmの大きさで細
胞の先端に存在する。
抗 酸 性:なし 2.培養所見 肉汁寒天平板:24時間の培養で5mmの径程の不揃いのコロ
ニー。白色で辺縁不規則。
肉汁寒天斜面:白色。流れない。
肉 汁 液体:白濁。白色沈渣 肉汁ゼラチン穿刺:ゼラチンを液化。
リトマス・ミルク:酸性・凝固 3.生理学的性質 硝酸塩の還元:+ MRテスト:− VPテスト:− インドールの生成:− 硫化水素の生成:− デンプンの加水分解性:+ クエン酸利用性:− 硝酸(NO3 -)の利用:− アンモニア(NH4 +)の利用:+ 色素の生成:+。わずかに水溶性の褐色色素を生成。
カタラーゼ:+ オキシダーゼ:± 生育の範囲(pH):5.5〜8.0 (温度):45℃〜75℃ 酸素に対する態度:好気性 O−Fテスト:O 4.糖類などの酸化とガス発生並びに資化能 糖類 酸 ガス 資格能 L−アラビノース + − + D−キシロース + − + D−グルコース + − + D−マンノース + − + D−フラクトース + − + D−ガラクトース ± − ± 麦芽糖 ± − + ショ糖 + − + 乳糖 − − − トレハロース ± − + D−ソルビット − − − D−マンニット + − + イノシット − − − グリセリン ± − ± デンプン + − + 5.その他の性質 生澱粉分解性:生澱粉含有寒天培地にて本菌はハローを
形成するが、バチルス・ステアロサーモフィラスIFO 12
550はハローを形成しない。
酵素の製造方法 本発明はさらに、前記のごとき性質を有する耐熱性ア
ミラーゼの製造方法に関し、この方法は、該耐熱性アミ
ラーゼを生産することができるバシルス属細菌を培地中
で培養し、その培養物から該酵素を採取することを特徴
とする。
前述の如き培養に於いて、培地の炭素源としては各種
澱粉、澱粉加水分解物、コーンミール、小麦粉、廃糖蜜
等を単独で又は組合わせて使用可能である。これらの使
用量はその種類により異るが0.1%〜30%が好ましい。
窒素源としては大豆粉、綿実油カス、ペプトン、カゼイ
ン、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、無機アンモニ
ウム塩、無機硝酸塩等を単独で又は組み合わせて使用す
ることができる。これらの使用量は種類により異るが0.
05%〜20%が好ましい。その他リン酸塩、マグネシウム
塩、FeSO4,KCl,CaCl2等の無機塩類、さらに必要に応じ
て有機微量栄養源を培地に添加する事ができる。
本発明のアミラーゼの生産は通常アミラーゼ生産に用
いられる培地中で該アミラーゼ生産能を有する微生物を
45〜75℃好ましくは50〜65℃の温度、5.5〜8.0好ましく
は6.0〜7.5のpHで固体または液体培養すれば良く、1〜
3日で著量の生澱粉分解性を有する耐熱性アミラーゼが
得られる。
本発明の酵素の精製は、酵素の精製に常用されている
方法に従って行うことができる。例えば、前記のように
して得られた培養液をまず、遠心分離、濾過等の方法に
より処理して菌体を除去する。こうして得た培養濾液又
は上清液を硫分画、さらにはゲル濾過、イオン交換カラ
ム分離等により処理して精製酵素を得ることができる。
オリゴ糖の製造方法 本発明はさらに、オリゴ糖の製造方法に関する。本発
明の前記酵素を生澱粉に作用させることにより主として
マルトースとマルトトリオースとから成るオリゴ糖混合
物が生成する。これらを一緒に採取してオリゴ糖製品を
得ることもでき、これらの混合物を常法に従って分離し
て、マルトース及び/又はマルトトリオースを単独に得
ることもできる。これらの方法はいずれも本発明の範囲
に属する。
本発明において、オリゴ糖の製造方法で用いる耐熱性
アミラーゼは、単に単離又は精製された耐熱性アミラー
ゼを意味するのみならず、この様なアミラーゼを含有す
るすべての酵素源を意味する。すなわち、酵素生産菌を
培養して得られた培養液はそのまま酵素源として用いる
ことができ、有利には培養液から菌体を分離し培養濾液
又は上清液を酵素液として用いる。また、必要に応じて
硫安分画法、膜分離法、クロマト分離法等通常酵素の精
製に用いられる方法による部分精製品又は完全に精製し
た高純度酵素として用いることも可能である。
糖化は生澱粉を水に懸濁し(通常10〜50%)、加熱に
よる糊化を行なうことなく生澱粉分解活性を有する耐熱
性アミラーゼによる直接分解を行なう。この場合従来の
澱粉糖化と異なりいわゆる液化型α−アミラーゼによる
澱粉の液化は必要としない。生澱粉の糖化は室温〜70
℃、pH4.5〜9.0にて行なう。澱粉の糊化温度は、澱粉の
種類により異なりこの場合澱粉が糊化せず粒状を保つ範
囲で反応温度を高温とするのが望ましい。より好ましく
は50〜65℃、pH5〜8が望ましい。分解反応は静置して
行なうことも可能であるが、澱粉乳が均一に懸濁する程
度に攪拌して行なうのが望ましい。
澱粉1gあたりの酵素の使用料は1〜300単位が適当で
あるが、反応温度、反応時間により酵素量を加減するの
が望ましい。分解される澱粉は、地下澱粉、地上澱粉に
かかわらず用いることができる。各種澱粉の分解のしや
すさは小麦澱粉>とうもろこし澱粉>かんしょ澱粉>馬
鈴薯澱粉の順である。
次に実施例を挙げて説明する。
実施例1.酵素生産のための培養 0.5%肉エキス、1%ポリペプトン、0.5%NaClおよび
可溶性澱粉1%を含みNaOHにてpH7.0に調整後滅菌処理
した培地にバチルス・ステアロサーモフィラスB−1株
を植菌し55℃にて24時間振とう培養を行った。菌体を遠
心分離により除去した上澄はアミラーゼ活性1.06単位/m
lを示した。
実施2.酵素の精製法 培養液を遠心分離(10,000rpm、20分間)し、菌体を
除いた上澄液に硫安を70%飽和となる様に添加し24時間
放置した。遠心分離(10,000rpm、20分間)により粗酵
素沈殿を得た。粗酵素を10mM−リン酸緩衝液(pH7.2)
に溶し、不溶物を遠心分離(15,000rpm、20分間)した
後、上澄液をセファデックスG−100を用いゲル濾過を
行いアミラーゼ活性を示す分画に分取した。
次いでDEAEセルロース32にアミラーゼ活性分画を吸着
させ10mM−リン酸緩衝液(pH8.5)で溶出しアミラーゼ
活性分画を採取した。再度DEAEセルロース32にアミラー
ゼ活性分画を吸着させ10mM−リン酸緩衝液(pH7.2)で
溶出しアミラーゼ活性分画を採取した。純水にて透析後
凍結乾燥し酵素標品を得た。本酵素標品はディスク電気
泳動的に単一バンドを示した。この精製の経過を第1表
に示す。
実施例3.生澱粉分解率の測定 50ml容三角フラスコに40mgの各種生澱粉を入れ、リン
酸緩衝液(pH7.2)で調製した酵素溶液4ml(5.925単
位、60℃)を加えて50℃、60℃で振とうした。毎6時間
目にサンプリングし、遠心分離(1,000rpm、5分間)し
適当に希釈後生じた還元糖をDNS法にて測定した。生じ
た還元糖量はDE値にて示した(第1図)。生澱粉分解に
より生じた還元糖の組成はHPLC法(装置:日立665A−12
LC、検出器:示差屈折計ウォータースElecxtronics Uni
t、カラム:半井Cosmosil Packedカラム4.6×150mm、溶
離後:アセトニトリル/水=75/25)により分析した。
生じた還元糖中でマルトースが主成分で次いでマルトト
リオース、グルコース(マルトース>マルトトリオース
>グルコース)であった。DE値および還元糖組成を勘案
すると60℃での生澱粉分解率はほぼ100%であった。
実施例4. とうもろこし澱粉を5g秤量し、0.1M酢酸緩衝液(pH6.
0)15mlに懸濁し、耐熱性アミラーゼ50単位含有するよ
うに調製した酵素液5mlを加え55℃で12時間振とうし
た。反応液をHPLC法(装置:日立665−12LC、検出器:
示差屈折計ウォータースElectoronics Unit、カラム:
半井Cosmosil Packedカラム4.6×150mm、溶離液:アセ
トニトリル/水=75/25)により分析した。反応に用い
た澱粉に対してグルコース2.6%、マルトース56.5%、
マルトトリオース32.8%が生成した。
実施例5. 実施例2の基質を小麦粉澱粉に変え、反応温度を60℃
とした以外はすべて実施例2に記載した方法と同一の方
法によって生澱粉の分解を行なったところ、グルコース
2.1%、マルトース51.3%、マルトトリオース39.4%を
含有するオリゴ糖液が得られた。
実施例6. とうもろこし澱粉、馬鈴薯澱粉、かんしょ澱粉、及び
小麦澱粉をそれぞれ5gずつ秤量し、耐熱性アミラーゼ10
0単位を含む0.1M酢酸緩衝液(pH6.0)を加え、60℃で24
時間振とうした。反応液中の糖をHPLCで分析したところ
各反応液の組成は第2表に示す如くであった。
〔発明の効果〕 マルトース、マルトトリオースを製造するに際して、
生澱粉分解活性を有する耐熱性アミラーゼを用い生澱粉
を直接分解する本法を採用すると、従来のβ−アミラー
ゼを用いる方法と比較し、いわゆる枝きり酵素を必要と
せず用いる、また装置的、エネルギー的に有利な澱粉糖
化プロセスを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の生澱粉分解活性を有する耐熱性アミラ
ーゼによる各種生澱粉の分解タイムコースを示すグラフ
である。 第2図において、左側は該酵素の至適pHを示すグラフで
あり、そして右側は該酵素を各pHで室温(22℃)、1時
間処理した時の残存酵素活性を示すグラフである。 第3図において、左側は該酵素の至適温度を示すグラフ
であり、そして右側は温度安定性すなわち各温度で一定
時間処理した後の該酵素の残存酵素活性を示すグラフで
ある。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の性質: 作用:生澱粉に作用して主としてマルトース及びマル
    トトリオースを生成し、60℃において生澱粉を実質的に
    100%分解する; 至適pH:6.0付近; pH安定性:緩衝液中で室温にて1時間処理したときpH
    5〜8において95%以上の残存活性を示す; 至適温度:70℃; 温度安定性:pH7.0にて70℃で15分間処理した場合実質
    的に失活せず、70℃で1時間処理した場合90%以上の残
    存活性を示す;並びに 分子量:ゲル濾過法にて測定した時52,000±5,000; を有する耐熱性アミラーゼ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐熱性アミラーゼの製造
    方法であって、該アミラーゼを生産する能力を有するバ
    シルス属細菌を培地中で培養し、培養物から該アミラー
    ゼを採取することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】前記バシルス属細菌がバシルス・ステアロ
    サーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)B−
    1株である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】マルトース及びマルトトリオースを主成分
    とするマルトオリゴ糖を製造する方法であって、請求項
    1に記載の耐熱性アミラーゼを生澱粉に作用させること
    を特徴とする方法。
  5. 【請求項5】マルトースの製造方法であって、請求項1
    に記載の耐熱性アミラーゼを生澱粉に作用させることに
    よってマルトース及びマルトトリオースを主成分とする
    マルトオリゴ糖を生成せしめ、次にマルトースを単離す
    ることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】マルトトリオースの製造方法であって、請
    求項1に記載の耐熱性アミラーゼを生澱粉に作用させる
    ことによってマルトース及びマルトトリオースを主成分
    とするマルトオリゴ糖を作用せしめ、次にマルトトリオ
    ースを単離することを特徴とする方法。
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