JP2789892B2 - 車両制動能力判定装置 - Google Patents

車両制動能力判定装置

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JP2789892B2 JP29219991A JP29219991A JP2789892B2 JP 2789892 B2 JP2789892 B2 JP 2789892B2 JP 29219991 A JP29219991 A JP 29219991A JP 29219991 A JP29219991 A JP 29219991A JP 2789892 B2 JP2789892 B2 JP 2789892B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のブレーキの制動能
力(ブレーキの効きともいう)を判定する車両制動能力
判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキの制動能力(以下、単に
制動能力ともいう)は常に正常であるとは限らず、例え
ば、高速走行での重制動,長い下り坂道での連続制動,
ブレーキの摩擦面の浸水などによってヒートフェード,
ウォータフェード,ベーパロック等が発生し、制動能力
が正常値から低下する。そのため、制動能力が低下した
事実を早期に検出してドライバに教えることが理想であ
る。
【0003】このような事情に基づき、次のような車両
制動能力判定装置が既に提案されている。これは、ブレ
ーキの作用によって車体に発生する減速度とブレーキ操
作力との現在の不整合状態を用いてブレーキの制動能力
を判定する車両制動能力判定装置である。
【0004】そして、これの一従来例が特公昭51−4
2372号公報に記載されている。これは、車両制動時
に車体に発生する減速度とブレーキに発生するブレーキ
圧とを逐次検出し、同じときに検出した減速度とブレー
キ圧とが整合しない場合には、制動能力が正常値から低
下したと判定する車両制動能力判定装置である。すなわ
ち、上記「減速度とブレーキ操作力との不整合状態」を
減速度とブレーキ圧との不整合状態として取得し、それ
のみを用いて制動能力を判定するものなのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来装置
を用いる場合には、常に正しい制動能力判定が行われる
とは限らない。この従来装置は減速度とブレーキ圧との
不整合状態のみから制動能力を判定するが、その不整合
状態は制動能力の現在値のみによって決まるとは限ら
ず、他の要因、すなわち、例えば、不整合状態を取得す
るのに必要な減速度,ブレーキ圧等のパラメータを検出
するセンサの検出誤差や、車両運動の一時的な変化など
の影響も受けるからである。そのため、この従来装置に
は、制動能力の判定精度を十分には高めることができな
いという問題があった。本発明はこの問題を解決するこ
とを課題として為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、前記不整合状態取得手段および制動能力
判定手段を含む車両制動能力判定装置において、ドライ
バによるブレーキの操作履歴を取得する操作履歴取得手
段を設け、かつ、制動能力判定手段を、不整合状態取得
手段により取得された現在の不整合状態のみならず、操
作履歴取得手段により取得されたブレーキの操作履歴を
も用いて制動能力を判定するものとしたことを要旨とす
る。
【0007】なお、不整合状態取得手段は、減速度とブ
レーキ操作力との不整合状態自体を取得するものとする
ことができるが、その不整合状態に関連して変化するパ
ラメータとして間接的に取得するものとすることもでき
る。そして、そのパラメータには例えば、減速度とブレ
ーキ圧との不整合状態,車体と車輪との間に車体上下方
向に作用する車体−車輪間力とブレーキ操作力との不整
合状態,車体−車輪間力とブレーキ圧との不整合状態な
どを選ぶことができる。
【0008】また、減速度(以下、後述の理想減速度と
の関係において実減速度という)とブレーキ操作力また
はブレーキ圧との不整合状態は例えば、車体の実減速度
と理想減速度(制動能力が正常である場合に実際のブレ
ーキ操作力またはブレーキ圧の下で車体に発生すると予
想される減速度)からの偏差として取得することがで
き、また、車体−車輪間力(以下、後述の理想車体−車
輪間力との関係において実車体−車輪間力という)とブ
レーキ操作力またはブレーキ圧との不整合状態は例え
ば、実車体−車輪間力の理想車体−車輪間力(制動能力
が正常である場合に実際のブレーキ操作力またはブレー
キ圧の下で車体と車輪との間に作用すると予想される
力)からの偏差として取得することができる。
【0009】また、「ブレーキの操作履歴」は例えば、
車体の実減速度の限界減速度(例えば、各車体速度の下
である時間ブレーキ操作を行い続けても制動能力が低下
しない減速度の最大値)からの偏差の過去の累積値とし
て取得したり、ブレーキ操作が実質的に行い続けられた
時間、すなわち、実質的な連続操作時間として取得する
こともできる。
【0010】また、本発明に係る車両制動能力判定装置
は例えば次のような装置と組み合わせて使用することが
できる。すなわち、制動能力の判定値が正常値から低下
した旨をドライバに教える装置(制動能力の判定値の正
常値からの偏差をもドライバに教える装置を含む)や、
制動能力の判定値が正常値から低下した場合には、エン
ジンブレーキの効果を高めたり、ブレーキに通常より高
いブレーキ圧を発生させたりして、制動能力の低下分を
補償する装置と組み合わせて使用することができるので
ある。
【0011】
【作用】制動能力の現在値はブレーキの操作履歴によっ
て決まるから、車体減速度とブレーキ操作力との現在の
不整合状態のみならずブレーキの操作履歴をも勘案して
制動能力を判定すれば、その現在の不整合状態のみから
制動能力を判定する場合より判定精度が向上する。
【0012】この事実に基づき、本発明に係る車両制動
能力判定装置においては、不整合状態取得手段により車
体減速度とブレーキ操作力との不整合状態が取得され、
操作履歴取得手段によりブレーキの操作履歴が取得さ
れ、制動能力判定手段により、車体減速度とブレーキ操
作力との現在の不整合状態のみならずブレーキの操作履
歴をも用いて制動能力が判定される。
【0013】
【発明の効果】そのため、本発明に従えば、制動能力の
判定精度が向上するという効果が得られる。特に、その
判定結果を車両制動に有効に利用すれば、車両制動を制
動能力との関係において適正に行うことができるという
効果が得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例である制動能力判定
装置を含む制動能力補償装置を図面に基づいて詳細に説
明する。
【0015】本制動能力判定装置は、概略的に説明すれ
ば、車体の実減速度(以下、実Gという)の限界減速度
(以下、限界G)からの偏差の過去の累積値と、ブレー
キペダルの実質的な連続踏込み時間と、実Gの理想減速
度(以下、理想Gという)からの偏差の現在値と、車体
と左右前輪との間に車体上下方向に作用する実車体−車
輪間力の理想車体−車輪間力からの偏差の現在値とか
ら、ブレーキに発生したヒートフェード(以下、単にフ
ェードという)の大きさを本発明における「ブレーキの
制動能力」の一態様として判定するものである。
【0016】なお、ここにおいて「限界G」は、水平路
走行かつ各車体速度の下である時間ブレーキを作用し続
けさせてもブレーキにフェードが発生しないと予想され
る車体減速度の最大値を意味する。また、「理想G」
は、非フェード状態かつ水平路走行かつブレーキペダル
の各踏力の下で車体に発生すると予想される減速度を意
味する。また、「理想車体−車輪間力」は、非フェード
状態かつ水平路走行かつブレーキペダルの各踏力の下で
車体−車輪間力が取ると予想される値を意味する。
【0017】その制動能力判定装置を含む制動能力補償
装置は、概略的に説明すれば、制動能力判定装置により
ブレーキにフェードが発生したと判定されれば、その旨
を音と光でドライバに教えるとともに、フェード発生に
基づく制動能力の低下分を補償すべく、エンジンブレー
キの効果の増加およびブレーキに作用するブレーキ圧の
増加を行うものである。
【0018】本制動能力補償装置は、図1に示すよう
に、ブレーキペダル10がハイドロリックブースタ12
を介してマスタシリンダ14に連携させられ、そのマス
タシリンダ14が左右前輪16および左右後輪18の各
々のブレーキ20にブレーキ圧を発生させる車両に設け
られている。ハイドロリックブースタ12にはアキュム
レータ24が接続され、そのアキュムレータ24には、
ポンプ26によりブレーキフルードがリザーバ28から
汲み上げられて蓄積される。アキュムレータ24内のア
キュムレータ圧が約250kg/cm2に達するとリリーフバ
ルブ30が開いて、アキュムレータ圧が異常に高くなる
ことが防止される。
【0019】本車両は、車両制動時に各車輪16,18
がロック状態に陥ることがないように各車輪16,18
のブレーキ圧を制御するアンチロック制御(ABS)
と、車両発進時および加速時に駆動車輪である左右後輪
18に過大なスリップが発生しないように、車両の図示
しないエンジンの出力を低減させるとともに各後輪18
のブレーキ20を作用させるトラクション制御(TR
C)とが可能とされている。そのため、マスタシリンダ
14と各ブレーキ20との間に、各車輪16,18のブ
レーキ圧を電気的に制御するブレーキ圧制御装置32が
設けられている。そのブレーキ圧制御装置32は、ブレ
ーキペダル10の踏込みを検出するストップランプスイ
ッチ34の信号と、各車輪16,18の車輪速を検出す
る各車輪速センサ36の信号とに基づいてABS&TR
Cコンピュータ40により制御される。
【0020】ABS&TRCコンピュータ40はさら
に、前記アキュムレータ24内のアキュムレータ圧を検
出する圧力センサ42の信号に基づき、前記ポンプ26
を駆動するポンプモータ46の発停を制御する。具体的
には、圧力センサ42がアキュムレータ圧が約150kg
/cm2以下に低下したことを検出すれば、ポンプモータ4
6を始動させ、圧力センサ42がアキュムレータ圧が約
185kg/cm2以上に上昇したことを検出すれば、ポンプ
モータ46を停止させ、これにより、アキュムレータ圧
を約150kg/cm2と約185kg/cm2との間に維持するの
である。
【0021】ABS&TRCコンピュータ40はまた、
トラクション制御のためにTRCスロットルコンピュー
タ50によりエンジンのスロットル開度を制御する。T
RCスロットルコンピュータ50は、具体的には、アク
セルペダル52と連動するメインスロットルバルブ54
の開度を検出するメインスロットルポジションセンサ5
6の信号と、サブスロットルバルブ58の開度を検出す
るサブスロットルポジションセンサ60の信号とに基づ
き、ABS&TRCコンピュータ40からの信号に従っ
て、サブスロットルアクチュエータ64を介してサブス
ロットルバルブ58の開度を制御するのである。
【0022】本車両はまた、電子制御型の自動変速装置
を備えていて、図示しないオートマチックトランスミッ
ションのギヤ比が変速ソレノイド70を介して電子制御
トランスミッションコンピュータ(以下、単にECTコ
ンピュータという。図においても同じ)72により制御
される。
【0023】本制動能力補償装置は制動能力補償コンピ
ュータ80を備えている。これは図示しないCPU,R
OM,RAM,バス,入力インターフェースおよび出力
インターフェースを含んでいて、ROMには、図2〜図
10のフローチャートで表されるプログラムを始めとす
る各種プログラムや、図11〜図13のグラフで表され
るマップを始めとする各種マップなどが記憶されてい
る。入力インターフェースには、前記ストップランプス
イッチ34と、車体速度センサ84,車体に発生する前
後加速度(以下、前後Gという)を検出する前後Gセン
サ86,車体と左右前輪16との間に車体上下方向に作
用する車体−車輪間力を検出するピエゾセンサ88およ
びブレーキ圧センサ(各ブレーキ20のブレーキ圧また
はマスタシリンダ14のマスタシリンダ圧を検出する)
90とが接続されている。一方、出力インターフェース
には、前記ABS&TRCコンピュータ40,TRCス
ロットルコンピュータ50およびECTコンピュータ7
2と、ブレーキ20の制動能力が正常値から低下した旨
をドライバに警告するために作動させられるブザー94
と、車両の計器盤に設けられて車両のパーキングブレー
キが作用状態にあることをドライバに知らせるために点
灯されるパーキングブレーキランプ(図において「PK
Bランプ」で表す)96とが接続されている。
【0024】制動能力補償コンピュータ80の作動を図
面に基づいて詳細に説明する。本制動能力補償コンピュ
ータ80はそれの電源が投入されれば、図2〜図7の各
々のルーチンを順に実行し、かつ、各ルーチンを一定微
小時間(例えば8msec)ごとに繰り返し実行する。
【0025】図2のルーチンは、高速走行では特にブレ
ーキ20が酷使されることが多く、フェードが発生し易
いという事実に基づき、実Gの限界Gからの偏差の過去
の累積値から制動能力を判定するプログラムである。
【0026】本ルーチンにおいてはまず、ステップS1
(以下、単にS1で表す。他のステップについても同
じ)において、ストップランプスイッチ(図において
「STPスイッチ」で表す)34がON状態にあるか否
か、すなわち、ブレーキペダル10の踏込みが行われた
か否かが判定される。そうでなければ判定がNOとなっ
て本ルーチンの一回の実行が終了するが、そうであれば
判定がYESとなり、S2において、車体速度センサ8
4からの信号に基づいて車体速度Vが演算され、それが
基準車体速度V0 以上であるか否かが判定される。この
基準車体速度V0 は、車体速度Vが低い場合にはブレー
キ20にフェードが起こり難いという事実に基づくもの
であって、例えば、40km/hとされる。したがって、車
体速度Vが基準車体速度V0 より小さく、判定がNOと
なれば、本ルーチンの一回の実行が終了し、車体速度V
が基準車体速度V0 以上であって、判定がYESとなれ
ば、S3以下のステップが実行される。
【0027】S3においては、その車体速度Vに対応す
る限界Gが、車体速度Vと限界Gとの関係(図11のグ
ラフで表す関係であって、制動能力補償コンピュータ8
0のROMに記憶されている)を用いて演算される。そ
の後、S4において、前後Gセンサ86からの信号に基
づいて実Gが演算され、その実Gの限界Gからの偏差G
が演算され、S5において、累積減速度(以下、単に累
積Gという)の現在値に偏差Gが加算されて累積Gの現
在値が更新され、S6において、累積G(これが本発明
における「ブレーキの操作履歴」の一態様である)がし
きい値より大きいか否かが判定される。そうでなければ
判定がNOとなって本ルーチンの一回の実行が終了する
が、そうであれば判定がYESとなり、S7においてR
AMのフェードフラグAがONにされて本ルーチンの一
回の実行が終了する。
【0028】なお、高速走行で重制動が行われる場合の
実Gは例えば、図14のグラフで表すように変化する。
【0029】図3のルーチンは、長い下り坂道では特に
ブレーキ操作が連続して行われることが多く、フェード
が発生し易いという事実に基づき、ブレーキペダル10
の実質的な連続踏込み時間から制動能力を判定するプロ
グラムである。
【0030】本ルーチンにおいてはまず、S11におい
て、車体速度Vの現在値が前記基準車体速度V0 以上で
あるか否かが判定される。そうでなければ判定がNOと
なって本ルーチンの一回の実行が終了するが、そうであ
れば判定がYESとなり、S12において、ストップラ
ンプスイッチ34がON状態にあるか否かが判定され
る。そうであれば判定がYESとなってS13におい
て、ストップランプカウンタ(図において「STPK」
で表す)の値が1だけ増加させられるが、そうでなけれ
ば判定がNOとなってS14において、ストップランプ
カウンタの値が1だけ減少させられる。
【0031】いずれの場合にもその後、S15におい
て、ストップランプカウンタの現在値(これが本発明に
おける「ブレーキの操作履歴」の別の態様である)がし
きい値(図において「STPKM」で表す)より大きい
か否かが判定される。そうでなければ判定がNOとなっ
て本ルーチンの一回の実行が終了するが、そうであれば
判定がYESとなり、S16においてRAMのフェード
フラグBがONにされて本ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0032】なお、ストップランプカウンタのしきい値
は例えば、ブレーキペダル10を約300sec の間踏込
み続けた場合にストップランプカウンタの値がしきい値
に達するように設定することができる。
【0033】また、長い下り坂道の走行中に制動が頻繁
に繰り返されたためにストップランプカウンタの値がし
きい値を超える様子の一例を図15のグラフで表す。
【0034】図4のルーチンは、制動能力が低下すれば
ブレーキペダル10の踏力と実Gとが整合しなくなると
いう事実に基づき、実Gの理想Gからの偏差の現在値か
ら制動能力を判定するプログラムである。
【0035】本ルーチンにおいてはまず、S20におい
て、車体速度Vの現在値が前記基準車体速度V0 以上で
あるか否かが判定され、そうでなければ判定がNOとな
って本ルーチンの一回の実行が終了し、そうであれば判
定がYESとなって、S21において、ストップランプ
スイッチ34がON状態にあるか否かが判定される。そ
うでなければ判定がNOとなって本ルーチンの一回の実
行が終了するが、そうであれば判定がYESとなり、S
22において、ブレーキ圧センサ90によりブレーキ圧
Pが検出され、S23において、そのブレーキ圧Pに対
応する理想Gが、ブレーキ圧Pと理想Gとの関係(図1
2のグラフで表す関係であって、制動能力補償コンピュ
ータ80のROMに記憶されている)を用いて演算され
る。続いて、S24において、前後Gセンサ86により
実Gが検出される。
【0036】その後、S25において、理想Gの実Gか
らの偏差Gが演算され、S26において、その偏差G
(これが本発明における「不整合状態」の一態様であ
る)がしきい値より大きいか否かが判定される。そうで
なければ判定がNOとなって本ルーチンの一回の実行が
終了するが、そうであれば判定がYESとなり、S27
においてRAMのフェードフラグCがONにされて本ル
ーチンの一回の実行が終了する。
【0037】なお、ブレーキ20にフェードが発生した
ために理想Gの実Gからの偏差Gがしきい値を超える様
子の一例を図16のグラフで表す。
【0038】図5のルーチンは、車体−車輪間力の実際
値の理想値からの偏差の現在値から制動能力を判定する
プログラムである。本ルーチンにおいてはまず、S30
において、車体速度Vの現在値が前記基準車体速度V0
以上であるか否かが判定され、そうでなければ判定がN
Oとなって本ルーチンの一回の実行が終了するが、そう
であれば判定がYESとなって、S31において、スト
ップランプスイッチ34がON状態にあるか否かが判定
される。そうでなければ判定がNOとなって本ルーチン
の一回の実行が終了するが、そうであれば判定がYES
となり、S32において、ストップランプスイッチ34
がON状態にあり続けられたON時間Tが演算され、そ
れが最大時間TMAX 以上となったか否かが判定される。
そうであれば判定がYESとなって本ルーチンの一回の
実行が終了するが、そうでなければ判定がNOとなり、
S33において、ブレーキ圧センサ90によりブレーキ
圧Pが検出される。
【0039】その後、S34において、そのブレーキ圧
Pの下で車体−車輪間力が取ると予想される理想値が、
ブレーキ圧Pと車体−車輪間力Fとの関係(図13のグ
ラフで表す関係であって、制動能力補償コンピュータ8
0のROMに記憶されている)を用いて演算される。続
いて、S35において、ピエゾセンサ88により車体−
車輪間力の実際値が検出され、S36において、理想値
の実際値からの偏差が演算され、S37において、その
偏差(これが本発明における「不整合状態」の別の態様
である)がしきい値より大きいか否かが判定される。そ
うでなければ判定がNOとなって本ルーチンの一回の実
行が終了するが、そうであれば判定がYESとなり、S
38においてRAMのフェードフラグDがONにされて
本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0040】なお、ON時間Tが最大時間TMAX 以上と
なれば車両制動時であっても本ルーチンの実質的な実行
がされないようになっているが、これは、ON時間Tが
最大時間TMAX 以上となる時期には車体の傾斜角が安定
して車体−路面間力も安定する一方、ピエゾセンサ88
はそれへの入力が安定すると正常な動作が保証されない
という特性を有するからである。
【0041】また、ブレーキ20にフェードが発生した
ために車体−車輪間力の理想値の実際値からの偏差がし
きい値を超える様子の一例を図17のグラフで表す。
【0042】なお、以上説明した4つのルーチンは、そ
れの実行に先立って各フェードフラグA〜DがONにさ
れている場合には、その回の実行が省略されるように設
計されている。
【0043】また、各フェードフラグA〜Dが一旦ON
にされれば、その後に車両のイグニションスイッチがO
FFに操作され、かつ、その後車両が基準時間以上放置
されるまでそのままとされ、その後にOFFに戻される
ようになっている。
【0044】図6のルーチンは、各フェードフラグA〜
DのON/OFF状態からブレーキ20に発生したフェ
ードの程度すなわち警告レベルを判定し、その警告レベ
ルに応じてブザー94およびパーキングブレーキランプ
96を制御するプログラムである。警告レベルは1から
4までの4段階であって、フェードが大きいほど警告レ
ベルが上位に(レベルの値が大きく)される。なお、4
つのフェードフラグA〜Dの重要度はC>A>B>Dと
考えられている。
【0045】本ルーチンにおいてはまず、S101にお
いて、フェードフラグA〜DすべてがONにされている
か否かが判定され、そうであれば判定がYESとなり、
S102において、警告レベルが1とされ、S103に
おいて、ブザー94のデューティ率(ブザー94を断続
的に作動させる場合の各回の連続作動時間の長さを表
す。図において「DUTY」で表す)が50%とされ
る。
【0046】フェードフラグA〜DすべてがONにされ
ていない場合にはS101の判定がNOとなり、S10
4において、フェードフラグA〜CすべてがONにされ
ているか否かが判定される。そうであれば判定がYES
となり、S105において、警告レベルが2とされ、S
106において、ブザー94のデューティ率が30%と
される。
【0047】フェードフラグA〜CすべてがONにされ
ていない場合にはS104の判定がNOとなり、S10
7において、フェードフラグAとCがONにされている
か否かが判定される。そうであれば判定がYESとな
り、S108において、警告レベルが3とされ、S10
9において、ブザー94のデューティ率が20%とされ
る。
【0048】フェードフラグAとCがONにされていな
い場合にはS107の判定がNOとなり、S110にお
いて、フェードフラグA〜Dのいずれか一つがONにさ
れているか否かが判定される。そうであれば判定がYE
Sとなり、S111において、警告レベルが4とされ、
S112において、ブザー94のデューティ率が10%
とされる。
【0049】それらのいずれでもない場合にはS110
の判定がNOとなり、本ルーチンの一回の実行が終了す
る。この場合には、警告レベルが5、すなわち、ブレー
キ20に全くフェードが発生しないと判定されることに
なる。
【0050】警告レベルが1〜4のいずれかである場合
には、S113において、S103,S106,S10
9またはS112において決定されたデューティ率に従
ってブザー94が駆動され、S114において、パーキ
ングブレーキランプ96が点滅させられる。専用のブザ
ー94を用いるとともにパーキングブレーキランプ96
を流用してブレーキ20にフェードが発生した旨をドラ
イバに警告するのである。ただし、パーキングブレーキ
ランプ96の点滅パターンは警告レベルの値の如何にか
かわらず一定とされている。以上で本ルーチンの一回の
実行が終了する。
【0051】図7のルーチンは、ブレーキ20に発生し
たフェードに基づく制動能力の低下分を補償するプログ
ラムである。本ルーチンにおいてはまず、S201にお
いて、警告レベルの現在値が1〜4のいずれであるかが
判定される。警告レベルが1である場合には、S202
においてスロットル制御が行われる。具体的には、図8
のフローチャートで表すように、S301において、サ
ブスロットルバルブ58を全閉とする旨の信号がTRC
スロットルコンピュータ50に供給される。これによ
り、エンジンブレーキの効果が通常より向上させられる
こととなり、みかけの制動能力が向上する。
【0052】続いて、図7のS203においてECT制
御が行われる。具体的には、図9のフローチャートで表
すように、S401において、車体速度Vが100km/h
以上であるか否かが判定され、そうでなければ判定がN
Oとなり、S402において、オートマチックトランス
ミッションを2速にダウンシフトさせる旨の信号がEC
Tコンピュータ72に供給されるが、そうであれば判定
がYESとなり、オートマチックトランスミッションが
オーバドライブ(図において「O/D」で表す)をカッ
トする旨の信号がECTコンピュータ72に供給され
る。いずれの場合にも、エンジンブレーキの効果が通常
より向上させられることとなり、みかけの制動能力が向
上する。
【0053】なお、車体速度Vが高速域にあるか低速域
にあるかによってオートマチックトランスミッションの
状態を変えるのは、車体速度Vが高速域にある状態でオ
ートマチックトランスミッションをいきなり2速にダウ
ンシフトすると、エンジンがオーバランする可能性があ
るからである。
【0054】その後、図7のS204においてブレーキ
ブースタ制御が行われる。具体的には、図10のフロー
チャートで表すように、圧力センサ42がアキュムレー
タ圧が約185kg/cm2以上となったことを検出すること
を無視してポンプモータ46を運転し続ける旨の信号が
ABS&TRCコンピュータ40に供給される。その結
果、アキュムレータ圧は、リリーフバルブ30のリリー
フ圧である約250kg/cm2までにも上昇し、ハイドロリ
ックブースタ12の助勢限界が通常より高くされる。し
たがって、通常の助勢限界より高い踏力域でもハイドロ
リックブースタ12による倍力効果が享受できることと
なって、各ブレーキ20に発生するブレーキ圧が通常よ
り高くされる。ただし、ブレーキ圧の長時間の増加はか
えってフェードを増加させてしまうが、ドライバはフェ
ード発生の事実を知ったら直ちに、車両を適当な場所に
停止させる退避操作に移行するのが普通であるから、ブ
レーキ圧の増加によってフェードがそれほど増加しない
うちに退避操作が行われることとなり、ドライバはその
退避操作により、フェード下においてできる限り大きな
車体減速度を発生させて車両を素早く停止させることが
できる。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0055】これに対して、警告レベルが2である場合
には、はじめて警告レベルが2であると判定されてから
200sec が経過するまでは、図7のS205の判定が
NOとなり、S203以下のステップが実行されてEC
T制御とブレーキブースタ制御とが行われるが、はじめ
て警告レベルが2であると判定されてから200secが
経過した後は、S205の判定がYESとなり、S20
2以下のステップが実行される。
【0056】また、警告レベルが3である場合には、は
じめて警告レベルが3であると判定されてから200se
c が経過するまでは、S206の判定がNOとなり、S
204においてブレーキブースタ制御が行われるが、は
じめて警告レベルが3であると判定されてから200se
c が経過した後は、S206の判定がYESとなり、S
203以下のステップが実行される。
【0057】また、警告レベルが4または5である場合
には、いずれの制御も行われることなく本ルーチンの実
行が終了する。
【0058】すなわち、本実施例においては、警告レ
ベルが1である場合には、ブザー94およびパーキング
ブレーキランプ96による警告と、スロットル制御およ
びECT制御によるエンジンブレーキの効果の増加と、
ブレーキブースタ制御によるブレーキ圧の増加とが行わ
れ、警告レベルが2である場合には、それの初期に
は、警告と、ECT制御によるエンジンブレーキの効果
の増加と、ブレーキ圧の増加とが行われ、後期には、警
告と、スロットル制御およびECT制御によるエンジン
ブレーキの効果の増加と、ブレーキ圧の増加とが行わ
れ、警告レベルが3である場合には、それの初期に
は、警告と、ブレーキ圧の増加とが行われ、後期には、
警告と、ECT制御によるエンジンブレーキの効果の増
加と、ブレーキ圧の増加とが行われ、警告レベルが4
である場合には、警告のみが行われるのである。
【0059】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、制動能力補償装置のうち、ストップランプ
スイッチ34,車体速度センサ84,前後Gセンサ8
6,ピエゾセンサ88,ブレーキ圧センサ90,制動能
力補償コンピュータ80の、図2のルーチン,図3のル
ーチン,図4のルーチン,図5のルーチン,図6のS1
01,S102,S104,S105,S107,S1
08,S110,S111を実行する部分が制動能力判
定装置を構成しているのである。そして、この制動能力
判定装置のうち、前後Gセンサ86,ピエゾセンサ88
およびブレーキ圧センサ90が、制動能力補償コンピュ
ータ80の、図4のS20〜S25,図5のS30〜S
36を実行する部分と共同して不整合状態取得手段を構
成し、車体速度センサ84,前後Gセンサ86およびス
トップランプスイッチ34が、制動能力補償コンピュー
タ80の、図2のS1〜S5,図3のS11〜S14を
実行する部分と共同して操作履歴取得手段を構成し、制
動能力補償コンピュータ80の、図2のS6,S7,図
3のS15,S16,図4のS26,S27,図5のS
37,S38,図6のS101,S102,S104,
S105,S107,S108,S110,S111を
実行する部分が制動能力判定手段を構成しているのであ
る。
【0060】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他にも、特許請求の範囲を逸脱
することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改
良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である制動能力判定装置を含
む制動能力補償装置を示すシステム図である。
【図2】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図3】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図4】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図5】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図6】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図7】図1の制動能力補償コンピュータが用いるルー
チンを示すフローチャートである。
【図8】図7のS202を示すフローチャートである。
【図9】図7のS203を示すフローチャートである。
【図10】図7のS204を示すフローチャートであ
る。
【図11】図1の制動能力補償コンピュータが用いる車
体速度Vと限界減速度Gとの関係を示すグラフである。
【図12】図1の制動能力補償コンピュータが用いるブ
レーキ圧Pと理想減速度Gとの関係を示すグラフであ
る。
【図13】図1の制動能力補償コンピュータが用いるブ
レーキ圧Pと理想車体−車輪間力Fとの関係を示すグラ
フである。
【図14】図1の制動能力補償装置において実減速度が
変化する一例を示すグラフである。
【図15】図1の制動能力補償装置においてストップラ
ンプカウンタの値が変化する一例を示すグラフである。
【図16】図1の制動能力補償装置において偏差減速度
が変化する一例を示すグラフである。
【図17】図1の制動能力補償装置において車体−車輪
間力の理想値と実際値との関係が変化する一例を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 20 ブレーキ 34 ストップランプスイッチ 80 制動能力補償コンピュータ 84 車体速度センサ 86 前後Gセンサ 88 ピエゾセンサ 90 ブレーキ圧センサ 94 ブザー 96 パーキングブレーキランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 17/22 B60T 8/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキの作用によって車体に発生する
    減速度とブレーキ操作力との不整合状態を取得する不整
    合状態取得手段と、 その不整合状態取得手段により取得された現在の不整合
    状態を用いて前記ブレーキの制動能力を判定する制動能
    力判定手段とを含む車両制動能力判定装置において、 ドライバによる前記ブレーキの操作履歴を取得する操作
    履歴取得手段を設け、かつ、前記制動能力判定手段を、
    前記不整合状態取得手段により取得された現在の不整合
    状態のみならず、前記操作履歴取得手段により取得され
    たブレーキの操作履歴をも用いて前記制動能力を判定す
    るものとしたことを特徴とする車両制動能力判定装置。
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