JP2786578B2 - 電池用缶材料の製造方法及び該電池用缶材料 - Google Patents

電池用缶材料の製造方法及び該電池用缶材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DI(Drawing and I
roning)絞り加工で形成する電池用缶の材料を製造する
方法および該方法で製造された電池用缶材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近時、一端閉鎖面と、他端開口部を有す
る円筒形状の電池用缶を製造する方法として、図9に示
すようなDI絞り加工方法が近時開発されている。この
DI絞り加工方法はシート状のメッキ鋼板Sから基材M
を打ち抜く際に、底壁M−1と周壁M−2とを有する浅
底円筒形状のカップとして絞りながら打ち抜き、このカ
ップを次の一工程の深絞り加工で所要の深さと径を有す
る円筒形状に加工するものである。
【0003】上記DI絞り加工を用いる場合、カップを
深絞りする工程で、周壁のみを引き伸ばし加工するた
め、例えば、底壁の板厚0.4mmで、 周壁の板厚を0.
15mmまで絞ることが可能で、板厚に対するしごき率
(減少率)は従来の2倍強とすることが出来る。このよ
うに、周壁を薄肉とすると中空部の容積が大となり、充
填剤が増加して電池特性を向上させることが出来る。ま
た、加工工程が缶形成材料となるシート鋼板からカップ
を打ち抜く一工程のカッピング工程と、絞り加工するD
I工程の一工程との合計二工程のみで良いため、加工工
程の大幅な減少、それに伴う製造コストの低減を図るこ
とが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記D
I絞り加工方法を用いる場合、カッピング工程およびD
I工程において、缶形成材の縦方向、横方向および斜め
方向の伸び率が一定でない場合および材料の板厚が一定
でない場合には、図10に示すように、円筒部開口端に
5mm程度の大きな高低差が生じる所謂イヤリング(耳
高低差)が発生しやすい。このイヤリングはカッピング
工程で発生し、DI深絞り工程でさらに助長される。
【0005】図11に示す鋼板に対して圧延方向(縦方
向X)に一様な伸び限度以下のひずみを与えた時、縦方
向Xの変形前後の板幅をWx0,Wx、板厚をtx0,txとす
ると、上記圧延方向Xの力に対する変形の異方性(ラン
クホード値rx)は下記の式(1)により表される。
【0006】 rx=ln(Wx/Wx0)/ln(tx/txo)…(1)
【0007】横方向Yの力や縦方向Xと45度の角度を
なす斜め方向Zの力についてのランクホード値ry,rz
も上記式(1)と同様に表され、縦方向X、横方向Y及
び斜め方向Zの間での異方性(面内異方性△r)は下記
の式(2)で表される。 △r=(rx+ry)/2−rz…(2)
【0008】本出願人の実験より、上記ランクホード値
rと面内異方性△rによりイヤリング発生率が異なるこ
とが判明している。即ち、上記各ランクホード値rは所
要値以上でなければイヤリングが発生しやすく、かつ、
上記△rは(+)でも(−)でも、その絶対値が大きく
なればイヤリング発生率が高くなり、円筒部開口端に9
0度間隔をあけて突出した山部が発生し所謂4つ耳とな
る。絶対値が(+)側になるとX方向に対して0度と9
0度に4つ耳が発生し、絶対値が(−)側になるとX方
向に対して45度に4つ耳が発生し、絶対値が0に近づ
く程、6つ耳となりイヤリングの発生は押さえられてい
る。
【0009】上記イヤリングが発生した際、図10に示
すように、イヤリングの最高位置がA点で、最低位置が
B点であり、必要な電池用缶とするための位置がC点で
ある場合、最低位置のB点でカットしなければならない
が、B点はC点より下方で電池用缶の長さとしては不足
することになる。上記した所要長さより短い部分が生じ
ないようにするため、円筒部の長さが長くなるように絞
り、最低位置のB点をC点より上げるようにすると、今
度はC点と最高位置のA点との差が大きくなり、材料が
無駄になる欠点がある。
【0010】上記した問題はイヤリングの発生を防止で
きれば解消できるが、 イヤリング発生防止のためには、
缶形成材料の長さ方向(圧延方向)である縦方向、幅方
向の横方向および斜め方向の各ランクホード値rを一定
以上で、これらランクホード値の差である面内異方性△
rを0に近づけることが必要であるが、極めて困難であ
った。
【0011】また、電池用缶の原材料となる鋼板は、圧
延時に、幅方向の中央部の板厚が大となり、幅方向の両
側、即ちロールエッジ側で板厚が小となり、幅方向全体
で均一な板厚とならない事は周知のことである。このよ
うに、板厚が不均一であると、特に、幅方向両端部分か
ら打ち抜かれた材料よりDI深絞りを行うと、伸び率が
不均一となり、上記イヤリングの発生率が高くなる問題
があった。
【0012】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、電池用缶の材料となる鋼板の縦方向、横方向およ
び斜め方向のランクホード値rを所要以上として伸びを
良好にすると共に、ランクホード値の差△rを0に近づ
けて、DI絞り加工時に、 開口部端面でのイヤリング発
生が発生しないようにすることを目的としている。さら
に、圧延された鋼板の板厚を幅方向に均一とすることに
より、イヤリングの発生を押さえることを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、種々実験した結果、スラブを熱間圧延
した後の冷間圧延時の冷延率を鋼種に応じて適宜に設定
することにより、上記△rを0に近似させた値とするこ
とが出来ることを見い出した。
【0014】すなわち、本発明は、DI(Drawing and
Ironing)絞り加工で一端開口の円筒形状の電池用缶と
する材料を製造する方法として、鋳造されたスラブを熱
間圧延した後、冷間圧延し、該冷間圧延時に鋼種に合わ
せて80〜90%の冷延率で圧延して、圧延方向の縦方
向、該縦方向と直交する横方向及び斜め方向の伸び率を
略一定とした後、該冷延鋼板の表裏両面にメッキを施し
ていることを特徴とする電池用缶材料の製造方法を提供
するものである。
【0015】上記熱間圧延した後、幅方向全体にわたっ
て金属組織が等軸粒となっている場合は、83〜88%
の圧延率で冷間圧延を行うことが好ましい。しかしなが
ら、上記熱間圧延での巻取時に、中央部より両側部がよ
り早く冷却されることにより、窒化アルミが析出されず
に固溶するため、粒組織が延伸粒化しやすく、その結
果、幅方向両側の金属組織が延伸粒で、幅方向中央部が
等軸粒となりやすい。その場合には、上記圧延率よりも
若干圧延率を高めて、84〜90%の圧延率で冷間圧延
を行うことが好ましい。あるいは、熱間圧延時に、幅方
向の両側を加熱手段で加熱して、幅方向全体にわたって
金属組織を等軸粒とし、上記した83〜88%で圧延し
ても良い。
【0016】また、圧延された鋼板の板厚を幅方向で均
一とするため、冷間圧延時に鋼板と接する上下ワークロ
ールを軸方向にずらせて、或いは上下ワークロールの軸
線を交差させることにより、上下ワークロールをシフト
させて、圧延される鋼板の板厚を幅方向に均一としてい
る。
【0017】上記冷間圧延後は、鋼種に合わせて所要時
間および所要温度で焼鈍を行い、該焼鈍後に鋼種に合わ
せて所要の圧延率で調質圧延を行っている。上記メッキ
工程は、鋼種に合わせて、上記焼鈍・調質圧延の前工程
あるいは後工程で行っている。あるいは、メッキ工程の
前後に焼鈍・調質圧延を2度行っている。尚、上記メッ
キとして、ニッケルメッキを施している。
【0018】さらに、本発明は、上記製造方法で製造さ
れた電池用缶材料を提供するものである。即ち、鋳造さ
れたスラブを熱間圧延した後に圧延率80〜90%で冷
間圧延して、圧延方向の縦方向、該縦方向と直交する横
方向及び斜め方向の伸び率を略一定としていることを特
徴とする電池用缶材料を提供するものである。上記した
電池用缶材料は、縦方向の幅変形度/縦方向の板厚変形
度、横方向の幅変形度/横方向の板厚変形度および斜め
方向の幅変形度/斜め方向の板厚変形度である各ランク
ホード値rが平均1.2以上で、かつ、これらランクホ
ード値の差である面内異方性△rは±0.15以下とな
っている。
【0019】
【作用】上記製造方法で製造された電池用缶を形成する
材料は、縦方向、横方向および斜め方向の各ランクホー
ド値rが1.2以上となり、面内異方性△rが±0.15
以下となっており、さらに、板厚を一定としているた
め、DI加工で電池用缶を加工する時にイヤリングの発
生を低減し、電池用缶となる円筒部の開口端の高さを略
均一にする事が出来る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。図1および図2は本発明の製造方法により
製造した電池用缶材料により形成した電池用缶1を示
し、底壁2および周壁3を備えた上端開口の深底円筒形
状である。この缶1の底壁2にプラス側接点2aを形成
しており、底壁2と周壁3に囲繞された中空部に充填剤
(図示せず)を充填した後、 上端開口にマイナス側接点
を形成した蓋(図示せず)を被せて固着し、 電池を組み
立てている。
【0021】上記電池用缶材料はニッケルメッキ鋼板で
あって、図3に示す順序で製造している。
【0022】まず、第1ステップ#1として、鋳造され
たスラブを熱間圧延する。この熱間圧延では、図4に示
すように、厚さ250mm、912℃のスラブ4をロー
ラ5により圧延率98.68%で圧延して厚さ3.3m
m、699℃の鋼板6としてコイル状に巻き取る。上記
圧延用のローラ5の下流側では、圧延された鋼板の幅方
向の両側に電熱ヒータからなる加熱手段7A,7Bを配
置し、この加熱手段7A,7Bにより鋼板の幅方向の両
側を700℃に加熱する。上記加熱により、鋼板6の幅
方向の両側及び中央部分の金属組織を、後工程の焼鈍で
図5(A)に示すような等軸粒となるようにしている。
【0023】次に、第2ステップ#2として、上記熱間
圧延した鋼板6を常温下で冷間圧延する。この冷間圧延
では、図6に示すように、鋼板6と当接する上下ワーク
ロール8A,8Bと、このワークロール8A,8Bを鋼板
6の板厚方向に押圧するバックアップロール9A,9B
とを鋼板6の上下両側に配置しており、この冷間圧延で
鋼板6を後述する所望の冷延率で圧延している。
【0024】上記冷間圧延時には、鋼板6の板厚を幅方
向において均一となるように、上下両側のワークロール
8A,8Bは軸線方向を所定の角度で交差させてシフト
させている。上記したワークロールで圧延することによ
り、冷間圧延された鋼板6の幅方向両側での板厚の減少
(エッジドロップ)を抑制し、幅方向中央部分の板厚と
幅方向両側部分の板厚がほぼ均一で、板厚偏差の少ない
冷延鋼板となる。具体的には、ワークロールをシフトさ
せない場合は、幅方向両側の板厚減少率が約4%であっ
たが、上記のようにワークロールをシフトさせることに
より、板厚減少率を0.5%と急減させる事が出来る。
【0025】本発明者は種々の実験より、上記冷間圧延
における冷延率が鋼板の面内異方性△rと密接に関連す
ることを見い出した。すなわち、冷間圧延率と面内異方
性△rとの関係は実験結果より図7に示すようになっ
た。イヤリングの発生を防止するためには、面内異方性
△rの絶対値が0.15以下であることが好ましいこと
が、本発明の実験結果より判明している。上記図7か
ら、等軸粒の場合に△rの絶対値がこの範囲となるの
は、冷間圧延率が83〜88%の間である。本実施例で
は、上記したように熱間圧延時に鋼板の両端部を加熱し
て鋼板の幅方向全体にわたって等軸粒としているため、
冷間圧延率は上記83〜88%の範囲に設定している。
【0026】上記したように、第2ステップ#1の入れ
缶圧延率により幅方向の板厚がほぼ均一であって、か
つ、圧延方向の縦方向、横方向及び斜め方向のランクホ
ード値rが1.2以上で伸びがよく、かつ、これらラン
クホード値rの差である面内異方性△rが±0.15以
下の冷延鋼板が得られる。
【0027】図5(B)に示す延伸粒の場合は、上記図
7に示すように、面内異方性△rの絶対値が0.15以
下におさまるのは、86〜90%の範囲であった。上記
第1ステップ#1の熱間圧延で鋼板6の両端部を加熱手
段7により加熱されない場合には、鋼板6の両側がコイ
ルの巻き取り時に急速に冷やされて、窒化アルミが析出
されず固溶するため、両側の金属組織が延伸粒化する一
方、中央部分が等軸粒となる。よって、金属組織全体が
等軸粒である場合より、第2ステップ#2の冷間圧延率
を84〜90%の範囲に設定し、軸方向両側及び中央部
の面内異方性△rを上記±0.15以下となるように設
定する。
【0028】なお、冷間圧延率の設定は上記範囲に限定
されず、鋼種に合わせて80〜90%の範囲で設定して
面内異方性△rを±0.15以下の値となるようにすれ
ばよい。
【0029】次に、第3ステップ#3として、上記冷間
圧延した鋼板の金属組織を図5(A)に示す等軸粒に調
整するために連続焼鈍を行う。この連続焼鈍は、ガス雰
囲気中で、600℃〜900℃で0.5分〜2.0分間行
う。次の第4ステップ#4では、焼鈍後の鋼板を圧延率
1.5%で調質圧延を行う。なお、連続焼鈍の時間、温
度や調質圧延の圧延率は鋼種に合わせて適宜設定する。
【0030】次に、第5ステップ#5として、表裏両面
に2μm〜5μmの厚さで軟質ニッケルメッキ層を電気
メッキで施す。その際、電池用缶として加工した時に外
面側となる面には軟質ニッケルメッキを2μm〜5μ
m、内面側となる面に軟質ニッケルメッキを0.5μm
〜5μmで施す。あるいは、外面側は軟質ニッケルメッ
キとするが、内面側は硬質ニッケルメッキとしても良
い。
【0031】次に、第6ステップ#6で連続焼鈍を行
う。この連続焼鈍により、ニッケルメッキ層と鋼板との
間にFe−Ni拡散層を形成する共に、ニッケルメッキ
層の金属組織全体を針状金属組織より延性に富む粒状金
属組織へと変態化させる。この連続焼鈍は600℃〜7
50℃で、0.5分〜2分の範囲で、鋼種に合わせて設
定すればよいが、ニッケルメッキ層の厚さが薄い程温度
を低くすると共に、時間を短くする一方、厚さが厚くな
る程、温度を高くすると共に、時間を長くしている。最
後に、第7ステップ#7で、上記ニッケルメッキ層の組
織を整えるために、調質圧延を圧下率0.5〜2.0%で
行う。
【0032】上記第1ステップから第7ステップで電池
用缶の形成材料10が製造され、該電池用缶の形成材料
は前記図2の断面図に示すように、鋼板からなる基板1
1の両側にFe−Ni拡散層12A,12B、その表面
に粒状金属組織を有する表面ニッケルメッキ層13A,
13Bを有する。上記ニッケルメッキ鋼板からなる缶形
成材料10は、前記図9に示すDI絞り方法により図1
および図2に示す形状の電池用缶1として成形加工して
いる。
【0033】上記DI絞り加工時において重要なこと
は、材料10の製造時において、冷間圧延時に鋼種に応
じて80〜90%の冷延率で圧延することにより、その
後の焼鈍において金属組織を主として等軸粒とし、上記
縦方向、横方向および斜め方向のランクホード値rを平
均1.2以上で、これらランクホード値rの差である面
内異方性△rを0.15以下としている点である。さら
に、冷間圧延時にワークロールをシフトさせて板厚の幅
方向両側の減少率を低減し、板厚を幅方向全体にわたっ
て略一定厚としている点である。
【0034】本発明は上記実施例に限定されず、図8に
示す工程で製造してもよい。即ち、図8に示すように、
ステップ♯21の冷間圧延後に、ステップ♯14のメッ
キ工程を行い、その後、ステップ♯15の連続焼鈍工程
を行い、最後のステップ♯16で調質圧延工程を行って
いる。尚、上記各工程において、図3に示す実施例の対
応する工程と略同一条件で行っている。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、鋼種に合わせて冷間圧延率80〜90%に設定す
ることにより△rを0に近い値、すなわち0.15以下
としていると共に、冷間圧延のロールをシフトすること
により鋼板の幅方向両側部と幅方向両端部で板厚の差を
小さく抑えているため、DI絞り加工を施して電池用缶
を形成する際のイヤリングの発生を抑えることができる
と共に、イヤリングの高低差異を低減することができ、
材料の無駄をなくすことができる。
【0036】例えば、従来の電池用缶材料では、イヤリ
ング高低差が5mm程度であり、この分だけ缶をカット
する必要があったため缶の高さが52mmとなるのに対
して、本発明に係る同寸法の缶材料から電池用缶形成す
ると、イヤリング高低差を2mmに低減、高さ55mm
の缶を得ることができ、5.45%高さの高い缶を得る
ことができる。
【0037】熱間圧延時に圧延されたスラグの幅方向両
端部を加熱手段で加熱するため、冷間圧延、調質圧延を
経て形成された鋼板の金属組織は、幅方向全体にわたっ
て等軸粒とすることができる等の種々の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電池用缶の正面図である。
【図2】 図1の一部拡大断面図である。
【図3】 本発明の製造方法を示すフローチャート。
【図4】 (A)(B)は熱間圧延を示す概略図であ
る。
【図5】 (A)は等軸粒を示す概略図、(B)は延伸
粒を示す概略図である。
【図6】 冷間圧延を示す概略図である。
【図7】 冷間圧延率と面内偏差△rの関係を示す概略
図である。
【図8】 本発明の他の製造方法を示すフローチャート
である。
【図9】 DI絞り加工を説明するための概略図であ
る。
【図10】 イヤリングを説明するための概略図であ
る。
【図11】 鋼板の方向を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1 電池用缶 2 底壁 3 周壁 11 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 2/02 H01M 2/02 C (56)参考文献 特開 平5−21044(JP,A) 特開 平3−22345(JP,A) 特開 昭56−95404(JP,A) 松藤和雄、ほか1名,”リムド鋼板の 深絞り性に及ぼすC量の影響”,鉄と 鋼,日本鉄鋼協会,第56年(1970)VO L.1,P.28−43 日本鉄鋼協会編,第3版鉄鋼便覧VO L.III(1),丸善株式会社,昭和 55年5月15日,P.636−638 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/22 C21D 8/04,9/48 C25D 5/26,5/36 H01M 2/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り加工により、一端開口の円筒形状
    で、周壁が底壁よりも薄い電池缶を形成する電池缶形成
    材料を製造する方法であって、 鋳造されたスラブを熱間圧延した後、冷間圧延し、該冷
    間圧延時に鋼種に合わせて80〜90%の冷延率で圧延
    して、その後、焼鈍して鋼板の幅方向および長さ方向の
    全面にわたり、鋼板の縦方向の幅変形度/縦方向の板厚
    変形度、横方向の幅変形度/横方向の板厚変形度、およ
    び斜め方向の幅変形度/斜め方向の板厚変形度である各
    ランクホード値rを1.2以上とし、かつ、これらラン
    クホード値rの差である面内異方性△rを±0.15以
    下に設定し、 その後、上記鋼板の表裏両面にメッキを施していること
    を特徴とする電池缶材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記メッキとしてニッケルメッキを施し
    ている請求項1に記載の電池缶材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の方法で
    製造された電池缶形成材料。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の形成材料を用い、絞り
    加工により、一端開口の円筒形状で、周壁が底壁よりも
    薄い形状としている電池缶。
JP5134990A 1993-06-04 1993-06-04 電池用缶材料の製造方法及び該電池用缶材料 Expired - Lifetime JP2786578B2 (ja)

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