JP2783383B2 - 自動車のための玉継手の玉軸 - Google Patents

自動車のための玉継手の玉軸

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特許請求の範囲第１項
の上位概念に記載の形式の、自動車用の有利には高い負
荷能力を有する玉継手の玉軸に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の玉軸は、自動車の走行装置内の
高負荷可能な玉継手における従来技術に対応しており、
この十年来関連製造業者によりおびただしい数が生産さ
れている。製作は、場合により予備成形された素材を機
械的に加工することにより一体的に行われる。それゆ
え、玉軸の寸法が異なるごとに、異なる素材とそれに対
応する異なる機械制御プログラムとが大量生産での加工
のために必要となる。この際の特別な問題点は、軸の頚
部の表面の玉へのネック状の移行部のところに機械的な
加工により切欠効果が生じ、これにより、連続負荷能力
が減少することにある。さらに、特に軸の頚部の玉への
移行部のところの耐食性に対する高い要求を満足するこ
とが難しい。この耐食性は、数百万個も生産される一体
形の公知玉軸では、極めて高価な方法により、わずかし
か達成されない。
【０００３】西ドイツ国実用新案登録第１８５４２４３
号明細書から、二部分で構成された玉軸を有する、ステ
アリングロッド用のアングル型軸継手が公知であり、こ
の場合、玉軸はプラスチックから成る玉を有している。
この玉はねじピンにねじ固定されるか又は円筒状のピン
に被嵌め又はリベット結合されるか別の任意の形式で機
械的に固定される。
【０００４】何れの場合でも、玉の不動な座りを得るた
めに、玉及び軸を付加的に接着する必要がある。玉及び
軸の付加的な接着作業過程は、作業が面倒であり、健康
を害する虞れがありかつ制限された有効寿命を与えるに
過ぎない。
【０００５】更に、西ドイツ国実用新案登録第１６７５
０００号明細書から、プレスにより冷間又は熱間法で製
作される一体の玉軸が公知である。このように製作され
た素材は補足的に機械的に加工されかつ付加的に表面処
理を施される。表面処理は浸漬浴内で行われるので、玉
軸全体が被覆される。しかしながら多くの場合、玉に表
面防護措置を施すことは所望されず、この場合にはもう
一度機械的な加工が行われねばならない。
【０００６】フランス国特許１０８９７１７号明細書に
よれば、特別な使用目的で構成された玉継手が公知であ
り、これによれば、玉が貫通孔の内円錐によって、軸の
固定ピンの外円錐にねじにより軸方向に圧着されてい
る。これに類似した軸と玉との結合がイギリス国特許第
１０２０６７１号明細書にも大寸法の継手用として開示
されている。この種の玉継手の構成は高価であり、多く
の場合、玉と軸との間の比較的大きな回転力の伝達のた
めに適している。
【０００７】操作ロッドなどに使用されるわずかな負荷
能力を有する玉継手のために、プラスチック製の玉を円
筒状に形成された鋼製の軸に固定することが酉ドイツ国
特許出願公告第１１０５２９２号明細書により公知であ
る。西ドイツ国実用新案登録第１７０８０４０号明細書
によれば、球状の制御軸の支承機構が開示されており、
これによれば、球状の頭部が硬い材料から製作されてお
り、かつ袋孔により、強靭な弾性的な材料から成る軸に
被嵌められている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、自動
車の走行装置に使用される高い負荷能力を有する玉継手
のための玉軸を大量にかつ安価に最新の製造法により製
作すると共に、玉継手の種々異なる寸法への適合が著し
く可能となるようにすることにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、特許請求の範囲第１項の特徴部分に記載の本発明の
構成によって解決された。
【００１０】
【発明の効果】玉軸のこのような構成によれば、一様に
形成された玉と、種々異なって形成された軸とを互いに
組み合わせることができ、これによりビルディングブロ
ックシステムを構成することができ、これにより、製作
費を著しく軽減することができる。玉と、冷間塑性変形
により製造された軸との結合により、玉軸の表面の切欠
効果が回避される。有利には、軸の製造のために冷間塑
性変形のための押出し成形法が採用され、これにより、
従来の機械的に加工された玉軸に対比して極めて精緻な
質の表面が生じると共に、軸の高い強度が得られる。こ
のことが著しい機能改善をもたらし、連続負荷能力を増
大せしめる。軸の製造時に冷間押出し成形法の、強度を
高める特性が利用される。特別な加工を要する円錐状の
はめあい面なしでも、玉と軸との結合のための固定ピン
の変形が、これら両方の部分の確実な結合のために役立
てられる。これにより、玉の貫通孔と軸の固定ピンとが
相補して互いに内外に係合する横断面、それも円筒状の
周面を有している。冷間塑性変形により製造された軸の
後加工は不要である。高い要求を満たす耐食性が簡単な
手段で達成される。
【００１１】
【実施例】次に図面につき本発明の実施例を説明する。
【００１２】図１の実施例による玉軸は軸１と玉２とか
ら成り、これら両者は互いに依存せずに製作され、次い
で永続的に互いに結合される。軸１はその外円錐３によ
り自動車部分の対応する内円錐内に挿入可能である。玉
２は球殻により玉継手のケーシング内に挿入され、この
玉継手は自動車のその他の部分に結合される。
【００１３】軸１は軸方向の一端に固定ピン４を備えて
おり、この固定ピン４に玉２が円筒状の貫通孔５により
回動不能に被嵌められる。玉２と固定ピン４との結合の
ために、固定ピン４の自由端につば出し縁６が設けられ
ており、このつば出し縁６は玉２を固定ピン４に被嵌め
た後に外向きに曲げ出される。固定ピン４上での玉２の
回動不能な座りを得るために、固定ピン４と玉２の貫通
孔５とが相補して互いに内外に係合する成形横断面を有
している。この目的のために例えば細長いスプライン又
はリブが設けられている。固定ピン４と貫通孔５との若
干テーパした構成も特別な使用例のために排除されな
い。
【００１４】特別な使用例に適合させるべく冷間押出し
成形法により正確な寸法で製作された軸１に、有利には
一様な寸法を有する玉２が適当な加工と玉表面７の処理
とにより回動不能に被嵌められる。玉の寸法が一様であ
ることにより、玉２の機械的な加工と焼入れ処理とのた
めの費用が著しく軽減される。玉２を取り付けるまえ
に、特に軸１の頚部８に簡単な手段で耐食手段が設けら
れるが、この耐食手段は従来の玉軸に対比して特に玉表
面７と軸１の頚部８との間のネックにおいて改善されて
いる。玉２及び軸１は金属製の材料から成り、従って高
い負荷能力を有する玉継手のために特に適している。
【００１５】図２に示す実施例では、固定ピン４のつば
出し縁６が玉継手の全高を減少するために、内向きに玉
２内へ引っ込められている。玉２の貫通孔５の内周面に
は、軸１の軸線方向に作用する支持フランジ９又は作用
においてこれと比較可能な構成が設けられている。
【００１６】図３には図１の実施例と異なる軸１とこれ
に形成された固定ピン４との構成が示されており、この
場合、固定ピン４は例えば非円形の横断面を有してお
り、かつこれと相補して玉に形成された孔内に挿入され
て、例えば焼きばめにより固定されている。軸１はさら
に、玉継手のケーシングと玉軸との間に配置されたシー
ルライニングの一端のために環状の固定溝１０を備えて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の１実施例に基づく玉軸の玉を部分的に
断面して示す側面図である。
【図２】本発明の別の実施例の半分を側面図でかつ半分
を断面図で示す図である。
【図３】本発明のさらに別の実施例の玉を断面して示す
図である。
【符号の説明】
１ 軸、 ２ 玉、 ３ 外円錐、 ４ 固定ピン、
５ 貫通孔、 ６ つば出し縁、 ７ 玉表面、 ８
頚部、 ９ 支持フランジ、 １０ 固定溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−211714（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−152972（ＪＰ，Ａ) 実開 昭49−131472（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−29374（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−12662（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F16C 11/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自動車のための玉継手の金属製の玉軸で
    あって、軸端部に形成された玉でケーシングの球殻内に
    自在運動可能に支承される形式のものにおいて、機械的
    に加工された玉（２）が成形された貫通孔（５）によっ
    て、冷間塑性変形により製作された軸（１）の、前記貫
    通孔に相補して成形されかつ一端でつば出し縁（６）を
    備えた固定ピン（４）に、回動不能に軸（１）の縦軸線
    の方向に被嵌められていて、かつ、固定ピン（４）のつ
    ば出し縁（６）の変形により保持されており、玉（２）
    の貫通孔（５）が、軸（１）の軸線方向に作用する支持
    フランジ（９）を備えており、かつ、玉（２）と固定ピ
    ン（４）とを結合せしめるつば出し縁（６）が、玉
    （２）の貫通孔（５）の内部に位置していることを特徴
    とする、自動車のための玉継手の玉軸。
  2. 【請求項２】 表面（７）を機械的に加工された玉
    （２）が、押出し成形された軸（１）に回動不能に被嵌
    められており、かつ固定ピン（４）の端部のつば出し縁
    （６）の冷間変形により軸（１）に固定されている、請
    求項１記載の金属製の玉軸。
  3. 【請求項３】 玉（２）の貫通孔（５）と、軸（１）の
    固定ピン（４）とが、基本形状を円筒形に形成されてい
    る、請求項１又は２記載の金属製の玉軸。
  4. 【請求項４】 玉（２）の貫通孔（５）と、軸（１）の
    固定ピン（４）とが、基本形状をテーパ形に形成されて
    いる、請求項１又は２記載の金属製の玉軸。
  5. 【請求項５】 玉（２）の貫通孔（５）と、軸（１）の
    固定ピン（４）とが、基本形状を非円形に形成されてい
    る、請求項１又は２記載の金属製の玉軸。
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