JP2781217B2 - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JP2781217B2 JP23008589A JP23008589A JP2781217B2 JP 2781217 B2 JP2781217 B2 JP 2781217B2 JP 23008589 A JP23008589 A JP 23008589A JP 23008589 A JP23008589 A JP 23008589A JP 2781217 B2 JP2781217 B2 JP 2781217B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紙、合成紙またはフィルム基体の少なくとも
一方の面が二酸化チタン顔料を含むポリオレフィン樹脂
で被覆された樹脂被覆紙型写真用支持体に関するもので
あり、詳しくはプリント画像の鮮鋭度が高く、かつ明度
が高くて見た目に白く、しかも写真用支持体の製造時に
ダイリップの汚れの生成が極めて少なく、それ故面質の
良好な、優れた写真用支持体に関するものである。
〔従来の技術〕
写真用支持体として、基体の少なくとも一方の面が、
少なくとも二酸化タン顔料とポリオレフィン樹脂とから
成る樹脂組成物で被覆された樹脂被覆紙型写真用支持体
はよく知られている。例えば、米国特許第3,501,298号
に、紙基体の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された写
真用支持体についての技術が開示されている。又、迅速
写真現像処理が適用されて以来、写真印画紙用原紙の両
面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真用支持体が、
写真印画紙用として主に実用されており、その一方の画
像形成側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するために、通
常、二酸化チタン顔料が含有されている。
従来、樹脂被覆紙型写真用支持体の画像形成側の樹脂
層中に含有せしめられる二酸化チタン顔料としては、ア
ナターゼ型及びルチル型二酸化チタン顔料が知られてい
る。また、二酸化チタン粒子表面が被覆処理されていな
い二酸化チタン顔料、あるいは特開昭52−35625号、特
開昭57−108849号に記載もしくは例示されているような
二酸化チタン粒子表面が含水酸化アルミニウム、含水酸
化珪素等の含水金属酸化物で被覆処理されている二酸化
チタン顔料、更に特開昭52−35625号、特公昭58−43734
号、特公昭61−26552号等に記載もしくは例示されてい
るような二酸化チタン粒子表面が多価アルコールやその
誘導体、ポリオルガノシロキサンやその誘導体等の有機
物質で被覆処理されている二酸化チタン顔料が知られて
いる。
一方、写真用支持体としてプリント画像の特に高い鮮
鋭度を必要とする場合には、いくつかの樹脂被覆紙型写
真用支持体が、また知られている。例えば、(1)樹脂
層中に二酸化チタン顔料を高濃度に含有せしめたもの、
(2)樹脂層中の二酸化チタン顔料として、ルチル型の
ものを含有せしめたもの、(3)特公昭58−43734号等
に記載の如く、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸に代表される界面
活性剤を添加して樹脂層中に二酸化チタン顔料を含有せ
しめたもの、(4)樹脂層中の二酸化チタン顔料とし
て、その粒子表面が前記したような有機物質で被覆処理
された、いわゆる、有機処理二酸化チタン顔料を含有せ
しめたものなどが知られている。
しかしながら、これらの樹脂被覆紙型写真用支持体
は、目的とする鮮鋭度が不十分であったり、その他の写
真適性及び製造適性について、いくつかの重大な問題点
を有しており、未だ満足すべき成果が得られていないの
が実情である。
第一に、ポリオレフィン樹脂被覆紙型写真用支持体の
樹脂層中に二酸化チタン顔料の濃度を高くした場合に
は、プリント画像の鮮鋭度の高い写真用支持体が得られ
るものの、写真適性上及び製造適性上の重大な問題がし
ばしば発生する。即ち、二酸化チタン顔料を含むポリオ
レフィン樹脂組成物、ことにポリエチレン系樹脂組成物
をスリットダイからフィルム状に基体上に溶融押出塗工
する際に、短時間の押出しでダイリップの先端に針状あ
るいはつらら状の附着物もしくは汚れ(以下単にダイリ
ップ汚れと呼称する)が発生する傾向があり、しかも始
末の悪いことに、このダイリップの汚れは、溶融押出時
間の経過と共にどんどん大きく成長する傾向がある。
そして、このダイリップ汚れが溶融押出塗工する際に
発生すると、そのまま製造されたポリオレフィン樹脂被
覆紙の表面に縦方向にスジが発生したり、塗工量の不均
一によるスジ状のムラが発生したりし、また時には汚れ
がフィルムに附着して塗工され、異物が出現する。その
ため、ポリオレフィン樹脂被覆紙の面質は著しく損わ
れ、優れた面質を要求する写真用支持体としては、まっ
たく不適当で商品価値の無いものになるという問題があ
った。又、一度発生したダイリップ汚れを完全に除去す
るには、生産を停止してダイリップを掃除するかダイを
交換する以外に方法がなく、その掃除あるいは交換には
多大な労力と時間を要し、生産性の著しい低下をもたら
すという問題があった。
そもそもポリオレフィン樹脂被覆紙型写真用支持体の
樹脂層中の二酸化チタン顔料としては、品質面での厳し
い要求の故に、二酸化チタン粒子表面が含水酸化アルミ
ニウム、含水酸化珪素等の含水金属酸化物で被覆処理さ
れた、二酸化チタン顔料(以下単に、含水金属酸化物処
理二酸化チタン顔料と呼称する)が主に用いられてお
り、何ら表面処理の施されていない所謂、無処理二酸化
チタン顔料はあまり使われていない。しかし、含水金属
酸化物処理二酸化チタン顔料を使用した場合には高度に
含水金属酸化物による処理を施せば施す程、ダイリップ
汚れの発生は著しくなる。一方、無処理二酸化チタン顔
料を使用した場合には、ダイリップ汚れの発生は少ない
が、樹脂層の光劣化が著しく、また、経時変色し易い。
そこで、これらの問題点を解決するために、例えば特
開昭57−108849号には、二酸化チタンに対して含水酸化
アルミニウムで軽度に表面処理した二酸化チタン顔料を
適用した写真用支持体が開示されている。しかしなが
ら、この技術によっても、プリント画像の高い鮮鋭度を
達成するためにポリオレフィン樹脂組成物中の二酸化チ
タン顔料をかなり高めた場合には、ダイリップ汚れがあ
る程度発生するという問題があった。
第二に、ポリオレフィン樹脂被覆紙型写真支持体の樹
脂層中に含有せしめる二酸化チタン顔料としてルチル型
二酸化チタン顔料を用いた場合には、アナターゼ型のも
のを用いた場合に比して、プリント画像の鮮鋭度の相当
高い写真用支持体が得られるものの、写真適性上の別種
の重大な問題が発生する。即ち、写真用支持体の画像形
成側の二酸化チタン顔料を含む樹脂面がルチル型二酸化
チタンに起因して黄色味を帯び、冴えた白色度の写真用
支持体が得られないため、冴えた白地のプリントが得ら
れないという問題があった。
第三に、本発明者らが検討の結果、ポリオレフィン樹
脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中に二酸化チタン顔料
を含有せしめる際に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸に代表され
る界面活性剤を添加しても、該写真用支持体のプリント
画像の鮮鋭度は、実質的に全く高くないという問題があ
る事が判明した。
一般に、二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂被覆
紙型写真用支持体の樹脂層中に含有せしめる方法として
は、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機等の
通常の溶融混練機を用いて、予め顔料を樹脂中に高濃度
に含有させた、いわゆるマスターバッチを作成して、そ
れを希釈樹脂で所望の割合に希釈混合したポリオレフィ
ン樹脂組成物を溶融押出塗工するか、顔料を樹脂中に最
初から所望の組成比だけ含有させた、いわゆるコンパウ
ンドを作成して溶融押出塗工するのが通常である。ま
た、元来ポリオレフィン樹脂被覆紙型写真用支持体の樹
脂層中に添加される金属石鹸の主目的は、該写真用支持
体を溶融押出塗工によって製造する際に、溶融押出機の
冷却ロールと樹脂被覆面との剥離性を改良することであ
る。
しかしながら、本発明者らが検討の結果、樹脂層中の
金属石鹸の効果について、全く新しい知見が判明した。
即ち、二酸化チタン顔料のマスターバッチあるいはコン
パウンドを調製する際に添加される金属石鹸のポリオレ
フィン樹脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中に濃度とし
て、二酸化チタン顔料に対して1.5重量%、そして樹脂
組成物に対して0.15重量%までは該写真用支持体のプリ
ント画像の鮮鋭度は上昇するが、この含有量では、剥離
性が悪い事、また、二酸化チタン顔料に対して1.5重量
%乃至7.5重量%、そして樹脂組成物に対して0.15重量
%乃至0.75重量%の範囲の含有量では、その添加量に伴
って剥離性は改良されるが、該写真用支持体のプリント
画像の鮮鋭度がかなり低くなり、時として金属石鹸が無
い場合よりも低くなる事が判明した。
更に、それ以上の含有量になると写真用支持体のプリ
ント画像の鮮鋭度は、その添加量に伴って徐々に低下
し、油煙の発生が多くなって、溶融押出塗工時の製造適
性が極めて悪くなる事が判明した。以上のように、ポリ
オレフィン樹脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中に二酸
化チタン顔料を配合する際に金属石鹸を添加しても、プ
リント画像の鮮鋭度が高い写真用支持体が得られないと
いう問題があった。
第四に、本発明者らが検討の結果、ポリオレフィン樹
脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中に含有せしめる二酸
化チタン顔料として、いわゆる、有機処理二酸化チタン
顔料を用いても、該写真用支持体のプリント画像の鮮鋭
度は実質的に全く高くないという問題がある事が判明し
た。即ち、ポリオレフィン樹脂被覆紙型写真用支持体の
樹脂層中に有機処理二酸化チタン顔料と共にステアリン
酸亜鉛等で代表される金属石鹸を、写真用支持体の製造
時に十分な剥離性を発揮させる量まで添加すると、該写
真用支持体のプリント画像の鮮鋭度は、有機処理をして
いない二酸化チタン顔料を用いた場合に比して、ほとん
ど同程度かわずかしか高くないという問題がある事が判
明した。
一方、樹脂被覆紙型写真用支持体の画像を形成する側
の二酸化チタン顔料を含む樹脂層の白さを向上するいく
つかの技術が知られている。
米国特許第3,501,298号には樹脂層中に二酸化チタン
顔料に加え、青味無機顔料である群青、コバルトブル
ー、赤味無機顔料である酸化燐酸コバルト(Ferro Col
ors Corp 製Raspberry V−6260)、赤味有機顔料であ
るキナクリドンレッドを含有せしめること、又、Uvitex
OB(CIBA GEIGY製商品名)で代表されるビス(アル
キル置換ベンゾオキゾリル)チオフエン構造の蛍光剤を
含有せしめることが知られている。特開昭51−6531号に
は含水アルミナ処理した二酸化チタン顔料と蛍光増白剤
とを含有せしめることが開示されている。特開昭53−19
021号には青味無機顔料である群青、赤味無機顔料であ
るダイイチピンクDP−1、ダイイチバイオレットDV−1
(いずれも第一化成工業製)と称する化粧群青を含有せ
しめることが開示されている。また、特公昭56−51336
号にはビス(アルキル置換ベンゾオキサゾリル)ナフタ
レン構造の蛍光剤を樹脂層中に含有せしめることが開示
されている。特開昭61−75341号には、樹脂中にキナク
リドン系赤味有機顔料を含有せしめる技術について開示
されている。又、米国特許4,794,071号にはビス(ベン
ゾオキサゾリル)スチルベン系蛍光剤の混合物を含有せ
しめることが開示されている。
しかしながら、これらの技術には、それぞれ欠点があ
る。
第一に、樹脂被覆紙型写真用支持体の画像を形成する
側の樹脂中に無機または有機の着色顔料あるいは染料を
含有せしめて、高濃度に含まれる二酸化チタン顔料に起
因する黄色味を帯びる傾向を中和して視覚上の白色度を
向上する技術については、所詮着色させて見た目に白く
するのであるから、明度が低下し、冴えた白さが得られ
にくいという問題がある。また、本発明者らが検討の結
果、無機または有機の着色顔料あるいは着色染料、こと
に無機の着色顔料と二酸化チタン顔料、ことに無機処理
二酸化チタン顔料とを含むポリオレフィン樹脂組成物を
スリットダイからフィルム状に基体上に溶解押出塗工す
る際に、ダイリップ汚れの発生が助長されるという問題
がある事が判明した。
第二に、本発明者らが検討の結果、螢光剤、特にビス
(ベンゾオキサゾリル)ナフタレン系螢光剤あるいはビ
ス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系螢光剤と二酸化
チタン顔料、特に無機処理二酸化チタン顔料とを含むポ
リオレフィン樹脂組成物をスリットダイからフィルム状
に基体上に溶解押出塗工する際に、ダイリップ汚れの発
生が助長され、更に樹脂組成物が無機または有機の着色
顔料または着色染料、特に無機の着色顔料を含む場合に
は、ダイリップ汚れの発生が更に助長されるという問題
がある事が判明した。
第三に、米国特許第3,449,257号に記載もしくは例示
の置換基を有するビス(ベンゾオキサゾリル)チオフエ
ン構造の螢光剤、特公昭56−51336号に記載の炭素数5
以下の低級アルキル基を有するビス(ベンゾオキサゾリ
ル)ナフタレン構造の螢光剤等を樹脂組成物に添加して
白色度を向上する技術については、螢光剤が樹脂中から
ブリードアウトする傾向があり、色調の安定性に難が有
るばかりでなく、写真乳剤層との接着にも問題がある。
また、螢光剤を樹脂組成物中に含有させて白くした場
合、その白色度の安定性が悪く、いわゆる耐光性や暗退
色性等耐候性が悪く、段々と経時的に黄色くなってしま
うという問題がある事も判明した。更にユービテックス
OBで代表される置換基を有するビス(ベンゾオキサゾリ
ル)チオフエン構造の螢光増白剤を樹脂層に添加した樹
脂被覆紙の場合には、該被覆紙を支持体とする写真材料
を酸性硬膜定着液で処理すると、白色度が向上するどこ
ろか、却って黄色くなるという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明の目的は紙、合成紙またはフィルム基
体の少なくとも一方の面が二酸化チタン顔料を含む、ポ
リオレフィン樹脂組成物で被覆された、写真プリント画
像の鮮鋭度が高く、かつ明度が高くて見た目に白く、し
かも白さの安定性が良好な、更に写真用支持体の製造時
にダイリップ汚れの生成が極めて少なく、それ故面質の
良好な、優れた写真用支持体を提供することである。
〔課題が解決するための手段および作用〕
本発明者らが前述の問題点を解決するために、鋭意検
討の結果、紙、合成紙またはフィルム基体の少なくとも
一方の面がポリオレフィン樹脂組成物で被覆された樹脂
被覆紙型写真用支持体において、ポリオレフィン樹脂組
成物が少なくとも(A)電子顕微鏡による定方向測定で
の個数平均径で表示した粒子径が0.110μm〜0.150μm
である二酸化チタン顔料であり、且つ二酸化チタン当り
無水金属酸化物の形で計算して0.2重量%より多く、1.8
重量%より少ない量の、少なくともアルミニウム原子を
含み、二酸化珪素分としては0.4重量%以上(0を含
む)の含水金属酸化物で表面処理されているか、または
二酸化チタン当り無水金属酸化物の形で計算して0.2重
量%より多く、1.8重量%より少ない量の少なくともア
ルミニウム化合物で粒子内部が処理された二酸化チタン
顔料と(B)置換基を有するビス(ベンゾオキサゾリ
ル)ナフタレン系螢光剤あるいは置換基を有するビス
(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系螢光剤と(C)着
色顔料または着色染料を含有する事を特徴とする写真用
支持体によって、本発明の目的が達成される事が判明し
た。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料として
は、その粒子径が電子顕微鏡による定方向測定での個数
平均径で表示して0.110μm〜0.150μmであり、かつ少
なくともアルミニウム原子を含む特定量の含水金属酸化
物で表面処理されたもの、或いは少なくとも特定量のア
ルミニウム化合物で内部処理されたものであればルチル
構造のもの、アナターゼ構造のもの、ルチル構造とアナ
ターゼ構造の混晶のものあるいはそれらの混合物、ま
た、硫酸法あるいは塩素法のもの何れの方法で作られた
ものでも使用出来るが、プリント画像の鮮鋭度が特に高
い写真用支持体を得るためには、ルチル構造のものが好
ましい。なお、本明細書でいうルチル構造の二酸化チタ
ン(以下単にルチル型二酸化チタンと呼称する)とは、
その結晶構造において、90重量%以上、好ましくは95重
量%以上がルチル構造を有するものである。また、本明
細書でいう電子顕微鏡による定方向測定での個数平均径
とは、二酸化チタン顔料粒子の長さを1000個の粒子につ
いて、電子顕微鏡による定方向測定で求めて平均した値
であり、μmで表示されるものである。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料の代表的
な製造方法としては、硫酸法のものは次の如き工程で製
造することが出来る。
原鉱石→蒸解・抽出→静置・晶析→濾過・濃縮→加水
分解→洗浄→焼成→粉砕・整粒→湿式粉砕・分級→表面
処理→洗浄・乾燥→仕上粉砕→二酸化チタン顔料。硫酸
法の場合、通常イルメナイトを硫酸で処理した溶液から
硫酸鉄を結晶分離し、それと分離された硫酸チタニール
水溶液の加水分解によって含水酸化チタンが形成され、
その顔料的性質を発達させるため焼成される。硫酸チタ
ニール水溶液の加水分解は、温水中に硫酸チタニール溶
液を添加して、含水酸化チタンを析出させてシードとす
る所謂セルフシード法あるいは硫酸チタニールまたは四
塩化チタンを中和して作ったチタンの水酸化物をシード
として添加する所謂外部シード法で行うことが出来る。
また、焼成は、ルチル構造のものを製造する場合には、
焼成温度をアナターゼ構造を製造する場合に比して高温
にしたり、焼成時にルチル構造の形成を促進するための
ナトリウム、カリウム、亜鉛等の金属化合物を共存させ
たりして800〜1100℃で行われる。
一方、塩素法の場合、二酸化チタン粒子は四塩化チタ
ンの高温、酸素雰囲気下での気相焼成分解によって形成
され、一方にルチル構造のものが得られ、次の如き工程
で製造することができる。
高純度鉱あるいは合成ルチル→塩素化→分離・凝縮→
精製→予熱→焼成分解→分離→粉砕・整粒→湿式粉砕・
分級→表面処理→洗浄・乾燥→仕上粉砕→二酸化チタン
顔料。
焼成あるいは気相焼成分解により生じた生成物は以後
二酸化チタンクリンカーと呼称することにする。二酸化
チタンクリンカーは、レイモンドミル等の遠心ローラミ
ル、エアーミル等の流体エネルギーミル等で乾式粉砕さ
れ、粉砕物を水に懸濁させて二酸化チタンスラリーとな
し、更に湿式ボールミルあるいは振動ミルにかけられて
湿式粉砕され、連続式横型遠心分離器を使用するあるい
は/および振動式二重デッキスクリーン(325メッシュ
U.S.標準スクリーン)を通過させて湿式分級が行われ、
以後ファイン(fines)と呼称される実質的に粗粒の二
酸化チタンが無い二酸化チタンスラリーとなす。二酸化
チタン粒子表面を含水金属酸化物で処理する場合、粗大
粒子が除去された依然としてスラリー形態にあるファイ
ンについて、少なくともアルミニウム原子を含む含水金
属酸化物で二酸化チタン粒子の表面が処理される。表面
処理後のフィルタープレスで濾過・水洗し、更に衝撃粉
砕機あるいは/および流体エネルギーミルによる微粉砕
が行われていて、二酸化チタン顔料が製造される。
本発明の実施例に用いられる二酸化チタン顔料は、そ
の粒子径が電子顕微鏡による定方向測定での個数平均径
で表示して0.110μm〜0.150μmの範囲のものであり、
0.110μmより小さい個数平均径を有する二酸化チタン
顔料を含むポリオレフィン樹脂組成物を被覆した写真用
支持体は、その製造時にダイリップ汚れの発生が多く、
プリント画像の鮮鋭度が低くなって問題である。一方、
0.150μmより大きい個数平均径を有する二酸化チタン
顔料を含むポリオレフィン樹脂組成物を被覆した写真用
支持体は、プリント画像の鮮鋭度がかなり低くなって問
題である。本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料
としては、写真用支持体製造時のダイリップ汚れの発生
が極めて少なく、かつプリント画像の鮮鋭度が高いとい
う点から、その個数平均径が0.115μm〜0.135μmの範
囲のものが好ましい。個数平均径が0.110μm〜0.150μ
mである二酸化チタン顔料は、その予め決定された製造
条件下で製造することによって得ることができる。二酸
化チタン顔料の製造条件、特に焼成温度、焼成時間、焼
成時に存在せしめる有機化合物、例えば特公昭48−1871
8号に記載もしくは例示の無機化合物及びそれらの併用
化合物の種類及び存在量等の焼成条件は、一連の組み合
わせ実験条件下で製造された二酸化チタン顔料の電子顕
微鏡による定方向測定での個数平均径を測定することに
よって決定することができる。その際、個数平均径が大
きくなる焼成条件としては、高い焼成温度、長い焼成時
間、焼成時に存在せしめる無機化合物の少ない存在量が
代表的な条件であり、一方、個数平均径が小さくなる焼
成条件としては、低い焼成度、短い焼成時間、焼成時に
存在せしめる無機化合物の多い存在量が代表的な条件で
ある。本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料の焼
成条件としては、焼成温度として800℃〜1100℃、焼成
時間として15分〜5時間、無機化合物の存在量として
は、無機酸化物の形で計算して二酸化チタン当り0.2重
量〜5重量%の範囲の組み合わせ条件が特に好ましい。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料として
は、その粒子表面が少なくともアルミニウム原子を含む
特定量の含水金属酸化物で表面処理されたものあるいは
その粒子内部が少なくとも特定量のアルミニウム化合物
で内部処理されたものであり、また、表面処理と内部処
理の併用処理が施されたものでもよい。更に、内部処理
が施されたものの場合、表面処理が施されていないもの
でもよい。特に、硫酸法によるものの場合、二酸化チタ
ン顔料の設計の点から、その粒子表面が特定量の少なく
ともアルミニウム原子を含む含水金属酸化物で表面処理
されたものが有用である。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料の含水金
属酸化物で表面処理されたものは、二酸化チタンの湿式
粉砕・分級後、その粒子表面が、二酸化チタン当り無水
金属酸化物の形で0.2重量%より多く、1.8重量%より少
ない量の、少なくともアルミニウム原子を含み、二酸化
珪素分としては0.4重量%以下(0を含む)の含水金属
酸化物で処理されたものである。二酸化チタン表面の処
理量が0.2重量%以下であると該二酸化チタン顔料を配
合した樹脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層の耐候性が悪
くなって問題である。一方、処理量が1.8重量%以上で
あるとダイリップ汚れの発生が著しくなって問題であ
る。好ましい処理量の範囲としては、二酸化チタンに対
して無水金属酸化物の形で0.35重量%〜1.5重量%の範
囲、特に好ましくは0.5重量%〜1.0重量%の範囲であ
る。少なくともアルミニウム原子を含み二酸化珪素分と
しては、0.4重量%以下(0を含む)の含水金属酸化物
としては、含水酸化アルミニウムで表面処理されるのが
好ましく、必要に応じて更に二酸化珪素分として0.4重
量%未満、好ましくは0.2重量%未満の含水酸化珪素、
あるいは無水金属酸化物の合計利用で1.8重量%未満の
含水酸化チタン等のその他の含水金属酸化物を用いるこ
とができるし、あるいは二酸化珪素の成分が0.4重量%
未満の含水酸化珪素アルミニウムで表面処理することも
できる。
また、二酸化チタン粒子の表面を含水金属酸化物で処
理する方法としては、二酸化チタンスラリーを湿式粉砕
・分級後そのpHを5以上、好ましくは6以上、特に好ま
しくは7附近に調整後、二酸化チタンスラリーに水溶性
アルミニウム塩、必要に応じて他の水溶性金属塩や水溶
性珪素化合物を加え、引き続きスラリー中のpHを変える
ことにより、難溶性含水酸化アルミニウム、及び必要に
応じてその他の難溶性酸化物水和物を二酸化チタン顔料
上に沈澱させて表面処理することができる。例えば、か
きまぜ機付の反応処理槽で表面処理する場合の代表的な
方法について述べれば、湿式粉砕・分級後の二酸化チタ
ンスラリーに苛性ソーダ、水酸化カリウムのような水溶
性アルカリ溶液を添加して、スラリーのpHを7.0±1.0に
調整する。pH調節をした二酸化チタンスラリーにアルミ
ン酸アルカリのようなアルミン酸塩、必要に応じ更に苛
性ソーダ、水酸化カリウムのような水溶性アルカリの水
溶液を添加し、その後アルカリ性を呈するスラリーに、
pHを減らし、かつ含水酸化アルミニウムを二酸化チタン
粒子表面に沈澱させるために、例えば硫酸、塩酸のよう
な鉱酸あるいは酸性反応を呈する塩の水溶液を添加して
表面処理される。表面処理後の二酸化チタンスラリーの
pHは通常7.0±1.0の範囲である。また、アルミン酸アル
カリの中では、特にアルミン酸ナトリウムが有用であ
る。また、アルミン酸塩の他になお他の無機表面処理剤
で表面処理することができる。この場合、アルミン酸塩
の添加前、添加中あるいは添加後の任意の段階で添加す
ることができるが、ことにアルミン酸塩の添加前に添加
するのが有利である。これらの表面処理に用いられるア
ルミン酸塩以外の無機表面処理剤としては、珪素化合物
として、珪酸アルカリ、四塩化珪素など、チタン化合物
として、四塩化チタンになどの他、ジルコニウム、亜
鉛、マンガンなどの金属化合物、リン酸化合物など各種
のものが使用できる。
また、本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料の
アルミニウム化合物で内部処理されたものは、その粒子
内部が、二酸化チタン当りAl2O3の形で計算して0.2重量
より多く、1.8重量%より少ない量の少なくともアルミ
ニウム化合物で内部処理されたものが有用である。二酸
化チタン内部の処理量が0.2重量%以下であると該二酸
化チタン顔料を配合した樹脂被覆紙型写真用支持体の樹
脂槽の耐候性が悪くなって問題である。一方、処理量が
1.8重量%以上であるとダイリップ汚れの発生が多くな
って問題である。好ましい処理量の範囲としては、二酸
化チタンに対してAl2O3の形で計算して0.35重量%〜1.5
重量%の範囲である。二酸化チタン粒子の内部処理に用
いられるアルミニウム化合物としては、硫酸法の場合に
は、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸
化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等のアルミニウ
ム化合物であるが、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ムが好ましい。また、塩素法の場合には、塩化アルミニ
ウムが好ましい。また、二酸化チタン粒子の内部をアル
ミニウム化合物で処理する方法としては、硫酸法の場合
には、焼成工程前にアルミニウム化合物を加えることに
よって行われるが、好ましい工程としては、加水分解後
洗浄し、濾過機等で濃縮された含水酸化チタンを混合
機、例えばニーダー中に入れ、アルミニウム化合物を加
えてよく混合するか、かきまぜ機付の混合槽中で水中に
再分散し、アルミニウム化合物を加えてよく混合した
後、焼成工程を経て作られる。塩素法の場合には、例え
ば、米国特許第3,121,641号に開示の如き装置を用い
て、焼成分解工程中に四塩化チタン及び酸素と同時にア
ルミニウム化合物、好ましくは塩化アルミニウムを供給
して作られる。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、該顔
料を樹脂層に含む樹脂被覆紙型写真用支持体のプリント
画像の鮮鋭度を一層高くするという点で表面処理後、ま
たは内部処理のみで表面処理のないものは湿式粉砕・分
級後、以下に記載の懸濁液電気伝導度が60μ/cm以下
のものになるまで水洗して製造するのが好ましい。ここ
でいう二酸化チタン顔料の懸濁液電気伝導度とは次のよ
うに定義する。
100ml容ビーカー中に蒸溜水100ml中に二酸化チタン顔
料10.0gを添加後、マグネチックスターラー上で回転子
(回転速度;420rpm/分)による撹拌力によりビーカー中
の内容物を液温21.5℃±0.5℃に保ちながら16分間撹拌
して二酸化チタン顔料懸濁液となす。撹拌開始後16分目
に該二酸化チタン顔料懸濁液の電器伝導度を21.5℃±0.
5℃で電気伝導計により、該懸濁液を撹拌しつつ測定す
る。かくして得られた電気伝導度が本明細書でいう二酸
化チタン顔料の懸濁液電気伝導度と定義する。
本発明の実施に有利に用いられる懸濁液電気伝導度が
60μ/cm以下である二酸化チタン顔料は、表面処理
後、または内部処理のみで表面処理のないものは湿式粉
砕・分級後、フィルタープレスで最初の母液を濾過し、
引き続きフィルタープレス内の二酸化チタンケーキを流
水にて、60μ/cm以下の懸濁液電気伝導度を有する二
酸化チタン顔料が得られるまで、水洗することによって
製造される。水洗時間、用水量、用水の圧力等の水洗条
件は、一連の組み合わせ実験条件下で採取された二酸化
チタンケーキに乾燥、粉砕の引き続く処理を施して二酸
化チタン顔料となし、該二酸化チタン顔料の懸濁液電気
伝導度を測定することによって決定することができる。
水洗は、二酸化チタンを含むスラリーをそのまま、ある
いはフィルターケーキを槽内に再懸濁させて、溜め水あ
るいは上澄み液を交換するような形式での流水により、
フィルタープレス内での水洗と合わせてあるいは別途に
行うこともできる。また、写真用支持体のプリント画像
の鮮鋭度を一層高くするという点から、本発明の実施に
用いる二酸化チタン顔料は懸濁液電気伝導度が55μ/c
m以下のものが好ましく、特に50μ/cm以下のものが更
に好ましい。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、該顔
料を樹脂層中に含む樹脂被覆紙型写真用支持体のプリン
ト画像の鮮鋭度を一層高くするという点で、二酸化チタ
ンケーキを水洗、乾燥後、流体エネルギーミルで微粉砕
して構造するのが有利である。流体エネルギーミルとし
ては、マイクロナイザーの如きスチームミルが特に好ま
しいが、エアーミルを併用することもできる。また、流
体エネルギーミルによって微粉砕を行う前に、ハンマー
ミルの如き衝撃粉砕機で第1段階の粉砕を行った後、第
2段階の粉砕として流体エネルギーミルで微粉砕するの
が特に好ましい。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、勿
論、必要に応じてトリエタノールアミン、トリメチロー
ルプロパン、脂肪酸金属塩、オルガノポリシロキサン等
による各種有機処理を施してもよい。
本発明の実施に用いられるポリオレフィン樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのホモポリマー、エチレンープロピレン共
重合体、エチレンーブチレン共重合体などのα−オレフ
ィンの二つ以上から成る共重合体及びこれらの混合物で
あるが、特に溶融押出コーティング性および経済性の点
からポリエチレン系の樹脂が好ましい。それらのポリエ
チレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、エチレンとプロピレン、ブチレン等のα−オレ
フィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン等及
びこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレ
ート(以下単にMFRと略す)、分子量、分子量分布のも
のを使用できるが、通常、密度0.90g/cm3〜0.97g/cm3
範囲、MFR1g/10分〜30g/10分、好ましくはMFR3g/10分〜
15g/分、分子量2万〜25万の範囲のものを単独にあるい
は混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の
場合、最外層の樹脂として、例えばMFR5〜20g/10分のも
の、下層の樹脂として、例えばMFR2〜10g/10分のものを
使用するなど別の性質、構成の樹脂を使用することもで
きる。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料を樹脂被
覆紙型写真用支持体の樹脂層中に含有せしめる方法とし
ては、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に
一定濃度に含有させた所謂マスターバッチを作成し、そ
れらを希釈樹脂で所望の割合に希釈混合した樹脂組成物
を使用するか、或いは二酸化チタン顔料をポリオレフィ
ン樹脂中に最初から所望の組成比だけ含有させた所謂コ
ンパウンドを作成して使用するのが通常である。これら
マスターバッチ、コンパウンドを作成するには通常、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、二本ロー
ル練り機、三本ロール練り機等が用いられるが、バンバ
リーミキサー及び混練用押出機が有利に用いられる。
又、これら各種混練機を二種以上組合せて使用してもよ
い。
また、本発明における樹脂被覆紙型写真用支持体の製
造時の剥離性を優れたものにするために、二酸化チタン
顔料のマスターバッチあるいはコンパウンドの作成時に
脂肪酸金属塩、好ましくは高級脂肪酸金属塩を添加し
て、写真用樹脂被覆紙の樹脂層中に脂肪酸金属塩、特に
高級脂肪酸金属塩を含有せしめるのが好ましい。これら
の脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、オクチル酸ジルコニウム、パルミチ
ン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸
ナトリウムなどをあげることができる。また、その添加
量としては、二酸化チタン顔料に対しては、0.1重量%
乃至50重量%の範囲が、二酸化チタン顔料を含む樹脂層
に対しては0.01重量%乃至5重量%の範囲が好ましい。
本発明における樹脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中
に含有せしめる二酸化チタン顔料の含有量としては、樹
脂に対して7重量%以下であれば、写真用支持体として
プリント画像の鮮鋭度が不十分であり、一方、35重量%
以上では流動性が低下して押出し特性が悪化したり、ダ
イリップ汚れの発生が顕著になって好ましくなく、特に
好ましくは9重量%〜30重量%の範囲である。
一方、本発明の実施に用いられる置換基を有するビス
(ベンゾオキサゾリル)ナフタレン系螢光剤または置換
基を有するビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系螢
光剤の具体例としては、例えば下式で示されるものをあ
げることができる。ナフタレン系螢光剤の場合には、耐
ブリードアウト性の点から、炭素数がC6以上の置換基を
有するものが好ましい。
また、これらの螢光剤をポリオレフィン樹脂組成物中
に含有せしめる方法としては、二酸化チタン顔料のマス
ターバッチまたはコンパウンドを製造する際に、螢光剤
を含有させて二酸化チタン顔料、螢光剤、ポリオレフィ
ン樹脂、脂肪酸金属塩等の分散剤から成るマスターバッ
チまたはコンパウンドを作成して樹脂組成物中に含有せ
しめることができる。
また、主たるポリオレフィン樹脂よりも低い軟化点を
有し、常温で固体の低分子量ポリオレフィンあるいは/
および分散剤、例えば脂肪酸金属塩と予備混合した螢光
剤を主たるポリオレフィン樹脂に分散させた螢光剤マス
ターバッチを作成して、樹脂組成物中に含有せしめるこ
とができる。また、螢光剤の樹脂組成物中への含有量と
しては、白さ、耐ブリードアウト性及びダイリップ汚れ
の発生傾向など総合的な点から、0.3mg/m2〜30mg/m2
範囲である。0.3mg/m2より少ないと見た目の白さが極め
て不十分となり、30mg/m2より多いとダイリップ汚れの
発生傾向が顕著になって好ましくない。特に好ましく
は、0.5mg/m2〜10mg/m2の範囲である。
本発明の実施に用いられる着色顔料または着色染料と
しては、各種のものを用いることができるが、無機また
は有機の青色系顔料または青色系染料、また無機または
有機のマゼンタ系顔料またはマゼンタ系染料が好まし
い。それらの具体例として、青色系の無機着色化合物と
しては、コバルトブルー、紺青、群青など、青色系の有
機着色化合物としては、セルリアンブルー、フタロシア
ニンブルー、クロモフタルブルーA3Rなど、マゼンタ系
の無機着色化合物としては、コバルトバイオレット、フ
ァストバイオレット、赤味系群青など、マゼンタ系の有
機着色化合物としては、キナクリドンレッドなどをあげ
ることができる。また、それらの青色系の着色化合物の
添加量としては、樹脂層に対して、青色系の無機着色化
合物の場合には0.025重量%〜0.5重量%、好ましくは0.
05重量%〜0.2重量%の範囲であり、青色系の有機着色
化合物の場合には、0.001重量%〜0.1重量%、好ましく
は0.025重量%〜0.05重量%の範囲である。また、マゼ
ンタ系の着色化合物の添加量としては、樹脂層に対し
て、マゼンタ系の無機着色化合物の場合には、0.025重
量%〜1.0重量%、好ましくは0.05重量%〜0.4重量%、
マゼンタ系の有機着色化合物の場合には、0.001重量%
〜0.03重量%、好ましくは0.002重量%〜0.015重量%の
範囲である。その添加量が少な過ぎると着色効果が得ら
れないし、多過ぎると明度が低下するだけでなく、ダイ
リップ汚れの生成が極めて顕著になって好ましくない。
本発明における樹脂被覆紙型写真用支持体の樹脂層中
には、写真用支持体の製造時にダイリップ汚れの発生を
一層有効に防止するために、酸化防止剤を含有せしめる
のが好ましい。それらの酸化防止剤としては、写真用樹
脂組成物に適用した場合に障害のないものであれば、フ
ェノール系、アミン系またはリン酸エステル系など各種
の酸化防止剤が使用可能であるが、写真乳剤層に悪影響
を及ぼさない点及びダイリップ汚れを一層有効に防止出
来る点から、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が
好適である。それらの有利に用いられるヒンダーフェノ
ール系酸化防止剤としては、例えば、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナ
メート)〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2,2′,
2″−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレ
ート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジ−メチルベンジル)イソシアヌレート、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−
ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4,4′−チオビス−
(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、2,2′−チオ
ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、
トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)ブタン、2,2′−メチレン−ビス−(4
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メ
チレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−ter
t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ
−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−n−
ブチルフェノールなどがあげられる。又、酸化防止剤の
特性に応じて、2種以上の酸化防止剤を組合せて使用し
てもよい。
写真用樹脂組成物中における酸化防止剤の含有量は、
該樹脂組成物中に重量比で5〜1000ppmの範囲であり、
好ましくは10〜500ppmの範囲であり、更に好ましくは20
〜300ppmの範囲である。酸化防止剤量が5ppm未満であっ
ても又、1000ppm以上でもダイリップ汚れか発生しやす
くなり、1000ppm以上だと別途基紙と樹脂層の接着が悪
くなり好ましくない。また、樹脂組成物中に酸化防止剤
を含有せしめる方法としては、使用するポリオレフィン
樹脂中に予め酸化防止剤を含有せしめた所謂コンパウン
ドを使用してもよいし、あるいは比較的高濃度に酸化防
止剤が配合されている樹脂を適量使用してもよいし、あ
るいは混練機にて樹脂組成物を製造する際に酸化防止剤
を加えてもよい。更に使用する酸化防止剤の種類及び含
有量によっては、上記の方法を適宜組合わせてもよい。
本発明における樹脂被覆紙型写真用支持体は、本発明
における二酸化チタン顔料、螢光剤及び着色顔料または
着色染料を含有せしめ、更に好ましくは前記した脂肪酸
金属塩および酸化防止剤を含有せしめた樹脂層を有する
ものであるが、樹脂層が多層構成である場合には、本発
明における樹脂層以外の樹脂層にも、上記の二酸化チタ
ン顔料、螢光剤、着色顔料または着色染料、脂肪酸金属
塩、酸化防止剤を含有させてもよい。また、本発明にお
ける写真用支持体の画像が形成される側の樹脂層および
その反対側の樹脂層には、上記の二酸化チタン顔料、螢
光剤、着色顔料または着色染料、脂肪酸金属塩、酸化防
止剤の他に、更に本発明外の二酸化チタン、酸化亜鉛、
タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸
アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ポリ
オルガノシロキサンなどの有機シリコーン化合物、チヌ
ビン320、チヌビン326、チヌビン328(以上チバ・ガイ
ギー社の商品名)などの紫外線吸収剤などの各種の添加
剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
本発明により製造される写真用支持体は、走行する基
体たる紙、合成紙またはフィルム上に加熱溶融したポリ
オレフィン樹脂を流延するいわゆる押出コーティング法
によって製造され、通常その両面が樹脂により被覆され
る。その際、多層構成の場合、写真用支持体の複数の樹
脂層が逐次、好ましくは連続的に、押出コーティングさ
れる、いわゆるタンデムエクストルージョンコーティン
グシステムまたは複数の樹脂層が多層同時に押出コーテ
ィングされる、いわゆるコーエクストルージョンコーテ
ィングシステムを用いるのが好ましい。又、樹脂を基体
に被覆する前に、基体にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すのが好ましい。写真用支持体の乳剤
側表面は光沢面または印画紙にした場合に印画紙の表面
の光沢に影響を与えない程度の特開昭55−26507号に記
載の微粗面あるいはマット面、絹目面等を有し、裏面は
通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じ表裏両面
にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施す
ことができる。更に、活性化処理後、特開昭61−84643
号に記載のような下引き処理をすることができる。
また、樹脂被覆紙型写真用支持体の表裏の樹脂層の厚
さとしては、特に制限はないが、一般に10μ〜50μ程度
の厚さに押出コーティングしたものが有利である。
本発明の実施に用いられる基体としては、通常の天然
パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パルプと合成
繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合成繊
維紙、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂フ
ィルムを擬紙化したいわゆる合成紙あるいはセルローズ
アセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネートなどのどのフィルムのいずれでもよいが、写真印
画紙用支持体の基体としては、本発明の効果、即ちプリ
ント画像の鮮鋭度が高く、ダイリップ筋の発生がなく、
それ故面質のよい、優れた写真用支持体を経済的に有利
に提供出来るということから、天然パルプ紙(以下単に
原紙と呼称する)が特に好ましく有利に用いられる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙を構成するパ
ルプとしては、特開昭58−37642号、特開昭60−67940
号、特開昭60−69649号、特開昭61−35442号等に記載も
しくは例示してあるような適切に選択された天然パルプ
を用いるのが有利であるが、必要に応じて天然パルプ以
外の合成パルプ、合成繊維を用いてもよい。天然パルプ
は塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処
理並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必要
に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理な
ど、およびそれらの組み合わせ処理を施した針葉樹パル
プ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パル
プが有利に用いられ、また、クラフトパルプ、サルファ
イトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いるこ
とができる。
本発明の実地に好ましく用いられる原紙中には、紙料
スラリー調整時に各種のサイズ剤、高分子化合物を含有
せしめることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に有利に含有
せしめられるサイズ剤としては、脂肪酸金属塩あるいは
/及び脂肪酸、アルキルケテンダイマー、アルケニルま
たはアルキルコハク酸無水物、特開昭54−147211号に記
載のエポキシ化高級脂肪酸アミド、特開昭56−109343号
に記載の有機フルオロ化合物があげられる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に有利に含有
せしめられるサイズ剤としては、塩化アルミニウム、硫
酸バン土、ポリ塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウ
ム塩でパルプに定着される態様での脂肪酸金属塩あるい
は/および脂肪酸、水溶性アルミニウム塩を用いるか、
あるいは用いないでパルプに定着される様態でのアルキ
ルケテンダイマーあるいはアルキルケテンダイマーとエ
ポキシ化高級脂肪酸アミドとの組み合わせサイズ剤等を
あげることができる。脂肪酸金属塩あるいは/および脂
肪酸としてはその炭素数が12〜22のものが好ましく、そ
の添加量は対パルプの絶乾重量当り0.5〜4.0重量%の範
囲が好ましい。また、必要に応じて添加される水溶性ア
ルミニウム塩の添加量はサイズ剤に対して固形重量基準
で1/20〜4/1の範囲が、特に1/10〜1/1の範囲が好まし
い。また、アルキルケテンダイマーとしては、アルキル
基の炭素数が8〜30、好ましくは12〜18のものがよい。
アルキルケテンダイマーは通常、その乳化物として市販
されており、具体例としては、ディックハーキュレス
(株)製のアコーペル360XCなどがある。その添加量と
してはアルキルケテンダイマー分として対パルプ絶乾重
量当り0.2〜4.0重量%の範囲が好ましい。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に紙料スラリ
ー調製時に有利に含有せしめられる高分子化合物として
陽イオン性湿潤紙力増強剤、カチオン性、アニオン性あ
るいは両性紙力増強剤があげられる。陽イオン性湿潤紙
力増強剤としては、ポリアミンポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂が好ましく、その添加量はパルプ乾燥重量に
対して、0.05〜4.0重量%の範囲が、特に0.15〜1.5重量
%の範囲で好ましい。その具体例としては、ディック・
ハーキュレス(株)製のカイメン557H、カイメンS−2
5、エピノックスP−130などがある。
また、カチオン性、アニオン性あるいは両性紙力増強
剤としては、特公昭60−17103号に記載もしくは例示の
カチオン化澱粉、特願昭62−49699号に記載もしくは例
示のカチオン性ポリビニルアルコール、特開昭57−1854
32号、特開昭57−197539号に記載もしくは例示のカチオ
ン性ポリアクリルアミド、特公昭62−23119号、特公昭6
2−31118号に記載もしくは例示のアニオン性ポリアクリ
ルアミド、特公昭61−37613号、特開昭59−31949号に記
載もしくは例示の両性ポリアクリルアミド、特開昭59−
125731号に記載もしくは例示の植物性ガラクトマンナン
などをあげることができる。それらの添加量はパルプ乾
燥重量に対して、0.05〜8重量%の範囲が、特に0.15〜
4重量%の範囲が好ましい。
また、本発明の実施に好ましく用いられる原紙中に
は、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。填料として、クレー、カオリン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チ
タンなど、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダな
ど、着色顔料、着色染料、螢光増白剤として、特開昭54
−147033号、特願昭62−37555号、特願昭63−96516号に
記載もしくは例示のものなどを適宜組み合わせて含有せ
しめることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙中には、各種
の水溶性ポリマー、帯電防止剤、添加剤をスプレーある
いはタブサイズプレスによって含有せしめることができ
る。水溶性ポリマーとして、特願昭63−96516号に記載
もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール
系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド
系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、帯電防止剤と
して、特願昭63−96516号に記載もしくは例示の塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カル
シウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイ
ド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、特開昭58−8224
2号に記載もしくは例示の有機帯電防止剤など、ラテッ
クス、エマルジョン類として、石油樹脂エマルジョン、
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−アクリル酸−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリ
ル酸エステル共重合体等のラテックス、顔料として、ク
レー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンな
ど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着
色染料、螢光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめるのが有利である。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙の抄造には、
長網抄紙機、丸網抄紙機など通常用いられる抄紙機が用
いられるが、特開昭58−37642号、特開昭61−260240
号、特開昭61−284762号に記載もしくは例示してあるよ
うな適切な抄紙方法を採用するのが有利である。また、
原紙の厚味に関しては特に制限はないが、原紙を抄造
後、特開昭58−37642号、特開昭60−126397号に記載も
しくは例示してあるように原紙をカレンダー処理したも
のが好ましく、その坪量は40g/m2〜250g/m2のものが好
ましい。
本発明における写真用支持体には帯電防止、カール防
止等のために、各種のバックコート層を塗設することが
できる。また、バックコート層には、特公昭52−18020
号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58
−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号
等に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止
剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界
面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができ
る。
本発明における写真用支持体は、各種の写真構成層が
塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印画紙用、写
植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散
転写法ポジ用、印刷材料用等各種の用途に用いることが
できる。例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀乳剤層を設けることができる。ハロゲン
化銀写真乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層
ハロゲン化銀カラー写真構成層を設けることができる。
また、物理現像核を含有せしめて、銀塩拡散転写受像層
を設けることができる。それらの写真構成層の結合剤と
しては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合
物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−福素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、ベンゼンスルフォン酸塩、スルホ
コハク酸エステル塩など、汚染防止剤として、ジアルキ
ルハイドロキノン化合物など、そのほか螢光増白剤、鮮
鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調節剤、カブらせ剤、更
にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水
溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わせて含有せしめ
ることができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真材料は、その写真材料
に合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本
五郎著、写真技術講座2)に記載されているような露
光、現像、停止、定着、漂白、安定などのような処理が
行われるが、特に発色現像後一浴漂白定着処理を行う多
層ハロゲン化銀カラー写真材料は、CD−III、CD−IV
(以上の2種の化合物はコダック社商品名)、ドロキシ
クロム(メイアンドベーカー社商品名)などいかなる主
薬のカラー現像液でも処理することができる。かかる主
薬を含む現像液にベンジルアルコール、タリウム塩、フ
ェニドンなどの現像促進剤を含有させてもよい、また、
ベンジルアルコールを実質的に含まない現像液で処理す
ることもできる。また、有用な一浴漂白定着液はアミノ
ポリカルボン酸の金属塩(例えば、エチレンジアミン四
酢酸、プロピレンジアミン四酢酸などの第2鉄錯塩な
ど)溶液であり、定着剤としては、チオ硫酸ソーダ、チ
オ硫酸アンモニウムなどが有用である。かかる一浴漂白
定着液には種々の添加剤を含有させることができる。例
えば、脱銀促進剤(例えば、米国特許第3,512,979号に
記載のメルカプトカルボン酸、ベルギー特許第682,426
号に記載のメルカプト−複素環化合物など)、汚染防止
剤、pH調節剤ないしはpH緩衝剤、硬膜剤(例えば、硫酸
マグネシウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなど)、
界面活性剤などの種々の化合物を組み合わせて含有させ
ることができる。また、かかる一浴漂白定着液は種々の
pHで使用され得るが有用なpH領域はpH6.0〜8.0である。
〔実施例〕
次に本発明を更に具体的に説明するために、実施例を
述べる。
実施例1 明細書の本文中に記載の硫酸法によるルチル型二酸化
チタン顔料の製造工程に準じて第1表に記載の粒子径に
なる様に予め決定された焼成条件下で製造されたルチル
型二酸化チタンクリンカーを粉砕・整粒し、更に湿式粉
砕・分級して粗粒の二酸化チタンが実質的に無い二酸化
チタンスラリーを得た。このスラリーを反応処理槽に入
れ、スラリーのpHを水酸化ナトリウムにより約9.2にあ
げ、スラリーの温度を約70℃に加熱した後、乾燥基準の
二酸化チタンに対して、Al2O3の形で計算して0.75重量
または1.9重量%になる量のアルミン酸ソーダ水溶液を
添加し、そして30分間保持した。
ついで、スラリーのpHを20%硫酸の添加により7.0に
低下し、更にスラリーを2時間熟成した。熟成後、含水
アルミナで表面処理された二酸化チタンスラリーの最初
の母液をフィルタープレスで濾過し、引き続きフィルタ
ープレス内の二酸化チタンケーキを流水にて、二酸化チ
タン顔料の明細書の本文中で定義される懸濁液電気伝導
度が45μ/cmになるまで、予め決定された水洗条件下
で水洗された。
その後、二酸化チタンケーキを乾燥し、定量フィーダ
ー付きハンマーミルで衝撃粉砕し、更にスチームミルで
仕上の微粉砕を行い、粒子表面を異なる量の含水アルミ
ナで処理した粒子径の異なるルチル型二酸化チタン顔料
をそれぞれ製造した。
かくして、密度が0.918g/cm3、MFRが8.0g/10分である
低密度ポリエチレン50重量部、上記の二酸化チタン顔料
50重量部およびステアリン酸亜鉛2.5重量部をバンバリ
ーミキサーを用いて150℃でよく混練し、二酸化チタン
顔料のマスターバッチをそれぞれ調製した。
次に明細書の本文中に記載の螢光剤〔IX〕0.28重量部
とステアリン酸亜鉛0.28重量部とを予めよく混合し、そ
の混合物と上記の二酸化チタン顔料マスターバッチの調
製に用いたものと同じ低密度ポリエチレン40重量部とを
ラボプラストミルを用いて135℃でよく混練し、螢光剤
マスターバッチを調製した。
また、ホスターパームピンクE50重量部とサンワック
ス171−P(ポリエチレンワックス分子量約1500、軟化
温度105℃)50重量部を加熱ニーダー中で溶融混練し、
更に熱三本ロールミルで分散処理後フレーク状の着色予
備混合物を得た。その混合物0.2重量部上記の二酸化チ
タン顔料マスターバッチの調製に用いたのと同じ低密度
ポリエチレン50重量部、上記の二酸化チタン顔料50重量
部およびステアリン酸亜鉛2.5重量部をバンバリーミキ
サーを用いて150℃でよく混合し、キナクリドン顔料を
含む二酸化チタン顔料マスターバッチをそれぞれ調製し
た。
更に、上記の二酸化チタン顔料マスターバッチの調製
に用いたのと同じ低密度ポリエチレン50重量部、上記の
二酸化チタン顔料50重量部、群青(第一化成工業株式会
社製、#2000)1.25重量部およびステアリン酸亜鉛2.5
重量部をバンバリーミキサーを用いて150℃でよく混練
し、群青を含む二酸化チタン顔料マスターバッチをそれ
ぞれ調製した。
一方、広葉樹漂白クラフトパルプ50重量部と針葉樹漂
白サルファイトパルプ50重量部の混合紙料をカナディア
ン・スタンダード・フリーネス310mlに叩解し、更にパ
ルプ100重量部に対して、カオチン化澱粉3重量部、ア
ニオン化ポリアクリルアミド0.2重量部、アルキルケテ
ンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.4重量
部、ポリアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4
重量部を添加し、坪量160g/m2の紙を製造した。得られ
た湿紙を110℃で乾燥し、引き続きカルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール3重量部、螢光増白剤0.05重量部、青
色染料0.002重量部、クエン酸0.2重量部及び水97重量部
から成る含浸液を25g/m2含浸させ、110℃の熱風で乾燥
し、更に線圧90kg/cmでスーパーカレンダー処理した
後、その両面をコロナ放電処理して、樹脂被覆紙型写真
用支持体の基紙を製造した。
次に基紙の裏面に高密度ポリエチレン(密度0.960g/c
m3、MFR=5g/10分と低密度ポリエチレン(密度0.923g/c
m3、MFR=5g/10分)の1:1混合物を樹脂温330℃で溶融押
出し塗布機を用いて30μの厚さにコーティングした。次
いで基紙の表面に前記した二酸化チタン顔料のマスター
バッチ、群青を含む二酸化チタン顔料のマスターバッ
チ、螢光剤マスターバッチ、キナクリドン顔料を含む二
酸化チタン顔料のマスターバッチおよび希釈樹脂として
高密度ポリエチレン(密度0.970g/cm3、MFR7.0g/10分)
20重量部と低密度ポリエチレン(密度0.920g/cm3、MFR
6.0g/10分)49重量部(螢光剤マスターバッチを添加し
ない場合には54重量部)から成る第1表に記載の配合の
樹脂組成物を樹脂温320℃で30μの厚さに溶融押出コー
ティングし、本発明および本発明外のポリエチレン樹脂
被覆紙型写真用支持体をそれぞれ製造した。その際、二
酸化チタン顔料を含むポリエチレンの表面は、全く平坦
なグロッシー面に、裏のポリエチレンの面質は紙の如き
マット面に加工した。
このようにして得られたポリエチレン樹脂被覆紙型写
真用支持体の二酸化チタン顔料を含む側の見た目の白さ
を視覚的に評価した。評価基準としては、非常に白い→
◎、白い→○、やや黄色い→△、黄色い→×である。
また、ダイリップ汚れは以下のようにして測定した。
押出口径65mmのスクリュー式押出機と750mm幅のTダ
イを有する溶融押出機を用いて、溶融温度320℃、スク
リュー回転数100rpmで2時間溶融押出した後に、ダイリ
ップに発生した汚れの本数を計算して測定した。
次に、プリント画像の鮮鋭度を測定するために、上記
の写真用支持体を有するカラー写真印画紙を製造した。
まず、写真用支持体の裏面にコロナ放電処理後乾燥重量
成分としてコロイダルシリカ:スチレンアクリル系ラテ
ックス=1:1の組成から成るバックコート層を0.4g/m2
設した。次いで写真用支持体の二酸化チタン顔料を含む
表側の樹脂面にコロナ放電処理後黄色発色カプラーを含
む青感乳剤層、色混り防止剤を含む中間層、マゼンタ発
色カプラーを含む緑感乳剤層、紫外線吸収剤を含む紫外
線吸収層、シアン発色カプラーを含む赤感乳剤層及び保
護層を設けてカラー印画紙を得た。各色感乳剤層は硝酸
銀で0.6g/m2に相当する塩臭化銀を含み、更にハロゲン
化銀の生成、分散及び被膜に必要なゼラチンの他、適量
のカブリ防止剤、増感色素、塗布助剤、硬膜剤、粘膜剤
及び適量のフィルター染料等を含む。
得られた写真印画紙に解像力チャートを密着し、緑色
光で露光し、カラー現像処理してテストシートを得た。
このテストシートをマイクロデンシトメーターで測定
し、常法に従ってパーソナルコンピューターで計算して
マゼンタ層の画像の鮮鋭度としてCTF(Contrast Trans
fer Function;コントラスト伝達函数)を求め、写真用
支持体のプリント画像の鮮鋭度を判定した。なお、CTF
はその数値が大きい程、プリント画像の鮮鋭度が高い事
を示している。
得られた結果は第1表に示す。
第1表からもわかるように、樹脂被覆紙型写真用支持
体の画像が形成される側の樹脂層中に、二酸化チタン顔
料として、その粒子径が、電子顕微鏡による個数平均径
で表示して0.110μm〜0.150μmの範囲にあり、かつそ
の表面が二酸化チタン当たりAl2O3の形で計算して0.2重
量%より多く、1.9重量%より少ない範囲の量の含水酸
化アルミニウムで処理された二酸化チタン顔料と置換基
を有するビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン螢光剤
と着色顔料を含有している本発明における写真用支持体
(試料No.8〜No.9、No.12〜No.13)は、プリント画像の
鮮鋭度が高く、かつ明度が高くて見た目に白く、しかも
写真用支持体の製造時にダイリップ汚れの生成が極めて
少なく、それ故面質の良好な、優れた写真用支持体であ
ることがわかる。特に、樹脂層中の着色顔料として青色
系のものとマゼンタ色系のものを併用している写真用支
持体(試料No.9、No.13)は見た目の白さが優れている
ことがわかる。
一方、本発明外の写真用支持体(No.1〜No.7、No.10
〜No.11、No.14〜No.19)はそれぞれ問題を有している
ことがわかる。
即ち、樹脂層の二酸化チタン顔料として、粒子径が0.
110μm未満であるものを含有している写真用支持体
(試料No.1〜No.3)は、ダイリップ汚れの発生が多く、
プリント画像の鮮鋭度も低い傾向になる。着色顔料も螢
光剤も樹脂層中に含まないもの(試料No.1)は、ダイリ
ップ汚れの発生は低くなる傾向にあるが、見た目の白さ
が極めて悪いものしか得られない。一方、粒子径が0.15
0μmより大きい二酸化チタン顔料を含有しているもの
(試料No.17〜No.19)は、プリント画像の鮮鋭度が低く
て問題であることがわかる。また、樹脂層中に粒子径が
0.110μm〜0.150μmの範囲にある二酸化チタン顔料を
含有している写真用支持体であっても二酸化チタン粒子
表面の含水酸化アルミニウムでの処理量が1.8重量%以
上である二酸化チタン顔料を含有している場合(試料N
o.14〜No.16)には、ダイリップ汚れの発生が極めて多
くて問題であるし、一方、処理量が0.2重量%以下であ
る二酸化チタン顔料を含有している場合(試料No.4)に
は、二酸化チタン顔料を含有する樹脂面上にミクログリ
ットと呼称される微少な異物あるいは粒の発生が多くな
り、またスガ試験機(株)製フェドメーター(FAL−25X
−HCL型)で120時間照射後の試料面が黄変化して問題で
あった。更に、樹脂層中に螢光剤と着色顔料を含有して
いない場合(試料No.5〜No.7、No.10〜No.11)には、見
た目の白さが極めて悪いものしか得られないことがわか
る。
実施例2 実施例1の試料No.13で用いた二酸化チタン顔料の代
わりに第1表に記載の電子顕微鏡による定方向測定での
個数平均径で表示した粒子径を有する二酸化チタン顔料
を用いる以外は実施例1の試料No.13と同様に実施し
た。
得られた結果を第2表に示す。
第2表からわかるように、樹脂被覆紙型写真用支持体
の画像が形成される側の樹脂層中に、二酸化チタン顔料
として、その粒子径が電子顕微鏡による定方向測定での
個数平均径で表示して0.110μm〜0.150μmである二酸
化チタン顔料を含有している本発明における写真用支持
体(試料No.22〜No.26)は、プリント画像の鮮鋭度が高
く、かつ写真用支持体の製造時にダイリップ汚れの発生
が少なく、それ故面質の良好な、なおかつ見た目に白
い、優れた写真用支持体であることがわかる。特に、粒
子径が0.115μm〜0.135μmである二酸化チタン顔料を
樹脂層中に含有している写真用支持体(試料No.23〜No.
25)は、プリント画像の鮮鋭度が特に高く、且つダイリ
ップ汚れの発生が極めて少なく、特に優れたものである
ことがわかる。
一方、0.110μmより小さい粒子径を有する二酸化チ
タン顔料を樹脂層に含有しているもの(試料No.20〜No.
21)は、ダイリップ汚れの発生が極めて多く、プリント
画像の鮮鋭度も低い。また、0.150μmより大きい粒子
径を有する二酸化チタン顔料を樹脂層中に含有している
もの(試料No.27〜No.28)は、プリント画像の鮮鋭度が
低くて問題であることがわかる。
実施例3 マスターバッチ用低密度ポリエチレン樹脂として、実
施例1の試料No.13で用いたマスターバッチ用低密度ポ
リエチレン樹脂中に、酸化防止剤としてテトラキス〔メ
チレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナメート)〕メタンを第3表に記載の添加量に
なるように予め配合されたものを用いる以外は、実施例
1の試料No.13と同様に実施した。
得られた結果を第3表に示す。
第3表から理解されるように、樹脂被覆紙型写真用支
持体の樹脂層中に酸化防止剤を含有せしめることによ
り、ダイリップ汚れの発生がよく防止されることがわか
る。その含有量としては、樹脂組成物に対して10〜1500
ppmの範囲が好ましく、特に20〜1000ppmの範囲が好まし
いことがわかる。以上のように酸化防止剤を適量含有せ
しめた本発明における写真用支持体は、プリント画像の
鮮鋭度が高く、かつ写真用支持体の製造時にダイリップ
の汚れの発生が極めて少なくそれ故面質の良好な、優れ
た写真用支持体であることがわかる。
実施例4 実施例3において用いた二酸化チタン顔料の代りに電
子顕微鏡による定方向測定での個数平均粒径で表示した
粒子径が0.124μmであり、かつその粒子表面を種々の
種類及び量の含水金属酸化物で処理した第4表に記載の
二酸化チタン顔料を用いる以外は実施例3の試料No.33
と同様に実施した。
その際、種々の種類及び量の含水金属酸化物で表面処
理した二酸化チタン顔料は下記のように製造した。
実施例1と同様にして得た二酸化チタンスラリーを反
応処理槽に入れ、スラリーのpHを水酸化ナトリウムによ
り約9.2にあげ、スラリーの温度を約70℃に加熱した
後、乾燥基準の二酸化チタンに対して、Al2O3あるいは
/およびSiO2の形で計算して、第4表に記載の重量%に
なるアルミン酸ソーダ水水溶液あるいは/および珪酸ソ
ーダ水溶液を添加し、そして30分間保持した。なお、含
水酸化チタンによる表面被覆処理を行う場合には、二酸
化チタンスラリーのpHを水酸化ナトリウムであげる前
に、乾燥基準の二酸化チタンに対してTiO2の形で計算し
て第4表に記載の重量%になる量の硫酸チタニール水溶
液を添加した。それ以降実施例1と同様にして、第4表
に記載のルチル型二酸化チタン顔料をそれぞれ製造し
た。
得られた結果を第4表に示す。
第4表からわかるように、樹脂被覆紙型写真用支持体
の樹脂層の二酸化チタン顔料として、その表面が二酸化
チタン当り無水金属酸化物の形で0.2重量%より多く、
1.8重量%より少ない量の、少なくともアルミニウム原
子を含み二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含
む)の含水金属酸化物で処理された二酸化チタン顔料を
用いた本発明における写真用支持体(試料No.38〜No.4
5)は、プリント画像の鮮鋭度が高く、かつ見た目に白
く、しかも写真用支持体の製造時にダイリップ汚れの生
成が極めて少なく、それ故面質の良好な、優れた写真用
支持体であることがわかる。また、ダイリップ汚れの発
生を防止する点から、二酸化チタンの表面処理剤として
は含水アルミナが好ましく、またその処理量としては、
二酸化チタン当たりAl2O3の形で0.4重量%〜1.25重量%
の範囲が好ましい事が理解される。
一方、本発明外の写真用支持体(試料No.46〜No.50)
は、それぞれ問題点を有していることがわかる。即ち、
二酸化チタン顔料の表面が二酸化チタン当たり無水金属
酸化物の形で1.8重量%以上の含水金属酸化物で表面処
理されたものを用いた場合(試料No.47〜No.49)及び二
酸化チタン当りSiO2の形で0.5重量%以上の含水酸化珪
素で表面処理されたものを用いた場合(試料No.48、No.
50)には、ダリップ汚れの発生が著しい。また、その表
面が二酸化チタン当り無水金属酸化物の形で0.2重量%
以下の含水金属酸化物で表面処理されたものを用いた場
合(試料No.46)には、耐光性が悪くて問題であった。
実施例5 実施例3で用いた酸化防止剤テトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキ
シンナメート)〕メタンの代りに、オクタデシタル−3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナ
メート、2,2′、2″−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エ
チルイソシアヌレートまたは1,3,5−トリス(4−tert
−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレートを用いる以外は実施例3と同様に実施
し、実施例3と同様の結果を得た。
実施例6 実施例3の試料No.33において、樹脂層中の螢光剤〔I
X〕の含有量を増減させる以外は実施例2の試料No.16と
同様に実施した。その際、螢光剤の含有量を減少させる
場合には、螢光剤のマスターバッチを減量し、それに対
応する量の、該マスターバッチの調製に用いた低密度ポ
リエチレンを希釈樹脂として追加した。一方、螢光剤の
含有量を増加させるには、実施例3の試料No.33の希釈
樹脂に相当する低密度ポリエチレン(即ち、実施例1の
試料No.13の希釈樹脂に相当する低密度ポリエチレン)
中に実施例1と同様に調製した螢光剤のマスターバッチ
を追加し、それに対する量の希釈樹脂用の低密度ポリエ
チレンを減量した。
得られた結果を第5表に示す。
第5表からわかるように、樹脂層中の螢光剤の含有量
が0.3mg/m2より少ないと、写真用支持体の画像が形成さ
れる側の見た目の白さは不十分であるし、一方、その含
有量が25mg/m2より多いとダイリップ汚れが発生する傾
向となり、好ましい含有量としては、0.3mg/m2〜25mg/m
2の範囲であることがわかる。以上のように、螢光剤を
適量添加した本発明における写真用支持体は、その製造
時に特にダイリップ汚れの生成が少なく、それ故面質の
良好な、しかもプリント画像の鮮鋭度が高く、かつ見た
目に白い、優れた写真用支持体であることがわかる。
実施例7 実施例6の試料No.57で用いた螢光剤(IX)の代りに
明細書の本文中に記載の螢光剤(I)〜(VIII)または
(X)〜(XI)を用いる以外は実施例6の試料No.57と
同様に実施した。
その結果、実施例6の試料No.57と同様に優れた写真
用支持体を得た。
実施例8 実施例1のルチル型二酸化チタン顔料の代わりに、下
記のものを用いて実施した結果、実施例1と同様の結果
を得た。
明細書の本文中に記載の塩素法によるルチル型二酸化
チタン顔料の製造工程に準じて米国特許第3,121,641号
と同様の装置を用いて、焼成分解時、1500℃の燃焼反応
塔内へ四塩化チタン、酸素及び二酸化チタン顔料に対す
るアルミニウム化合物の量がAl2O3の形で計算して0.15
重量%、0.75重量%または1.9重量%となる様に塩化ア
ルミニウムを同時に供給して焼成分解を行う。その後、
分解工程を経て遠心ローラミルで粉砕・整粒し、更に湿
式粉砕・分級して粗粒の二酸化チタンが実質的に無い二
酸化チタンスラリーを製造した。該二酸化チタンスラリ
ーについて、濾過、洗浄、乾燥及び仕上の微粉砕の引き
続く処理を実施例1と同様に行い、アルミニウム化合物
で内部処理されたルチル型二酸化チタン顔料を製造し
た。
実施例9 実施例2で用いたルチル型二酸化チタン顔料の代り
に、下記のアナターゼ型二酸化チタン顔料を用いる以外
は実施例2と同様に実施した。
明細書の本文中に記載の硫酸法によるアナターゼ型二
酸化チタン顔料の製造工程に準じて第6表に記載の粒子
径になるように予め決定された加水分解条件及び焼成条
件下で製造されたアナターゼ型二酸化チタンクリンカー
を粉砕・整粒、更に湿式粉砕・分級して粗粒の二酸化チ
タンが実質的に無い二酸化チタンスラリーを得た。この
スラリーを反応処理層に入れ、実施例1と同様に乾燥基
準の二酸化チタンに対して、Al2O3の形で計算して0.75
重量%の含水酸化アルミニウムによって表面処理を行
い、引き続く洗浄・乾燥及び仕上げの微粉砕を行って、
含水酸化アルミニウムで表面処理した粒子径の異なるア
ナターゼ型二酸化チタン顔料をそれぞれ製造した。
得られた結果を第6表に示す。
第6表からわかるように、樹脂被覆紙型写真用支持体
の画像が形成される側の樹脂層中に、二酸化チタン顔料
として、その粒子径が0.110μm〜0.150μmであり、か
つ粒子表面が特定量の含水酸化アルミニウムで処理され
ている二酸化チタン顔料と本発明における螢光剤と着色
顔料を含有している本発明における写真用支持体(試料
No.63〜No.67)は、プリント画像の鮮鋭度が高く、かつ
見た目に白く、なおかつ写真用支持体の製造時にダイリ
ップ汚れの発生が少なく、それ故面質の良好な、優れた
写真用支持体であることがわかる。
一方、本発明外の写真用支持体(試料No.61〜No.62、
No.68〜No.69)は、それぞれ問題点を有していることが
わかる。
即ち、粒子径が0.110μm未満である二酸化チタン顔
料を含有しているもの(試料No.61〜No.62)は、ダイリ
ップ汚れの発生が多く、またプリント画像の鮮鋭度も低
いし、一方、粒子径が0.150μmより大きい二酸化チタ
ン顔料を含有しているもの(試料No.68〜No.69)は、プ
リント画像の鮮鋭度が低くて問題であることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明により、プリント画像の鮮鋭度が高く、かつ見
た目に白く、なおかつ写真用支持体の製造時にダイリッ
プ汚れの生成が極めて少なく、それ故面質の良好な、優
れた樹脂被覆紙型写真用支持体を提供出来る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙、合成紙又はフィルム基体の少なくとも
    一方の面がポリオレフィン樹脂組成物で被覆された樹脂
    被覆紙型写真用支持体において、ポリオレフィン樹脂組
    成物が少なくとも(A)電子顕微鏡による定方向測定で
    の個数平均径で表示した粒子径が0.110〜0.150μmであ
    る二酸化チタン顔料であり、かつ二酸化チタンあたり無
    水金属酸化物の形で計算して0.2重量%より多く、1.8重
    量%より少ない量の、少なくともアルミニウム原子を含
    み、二酸化珪素分としては0.4重量%以下(0を含む)
    の含水金属酸化物で表面処理されているか、又は二酸化
    チタンあたり無水金属酸化物の形で計算して0.2重量%
    より多く、1.8重量%より少ない量の少なくともアルミ
    ニウム化合物で粒子内部が処理された二酸化チタン顔料
    と(B)置換基を有するビス(ベンゾオキサゾリル)ナ
    フタレン系蛍光剤或いは置換基を有するビス(ベンゾオ
    キサゾリル)スチルベン系蛍光剤と(C)着色顔料又は
    着色染料を含有することを特徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】着色顔料又は着色染料が、青色系のものと
    マゼンタ色系のものとを併用したものであることを特徴
    とする請求項1記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】蛍光剤の含有量が0.5〜25mg/m2であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】二酸化チタンの表面が二酸化チタンあたり
    Al2O3の形で0.25〜1.25重量%の含水アルミナで表面処
    理されたものであることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン樹脂がヒンダードフェノー
    ル系酸化防止剤を重量で20〜1000ppm含有することを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の写真用支持体。
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