JP2780003B2 - セルフロックボルトの製造方法 - Google Patents

セルフロックボルトの製造方法

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JP2780003B2 JP5306090A JP30609093A JP2780003B2 JP 2780003 B2 JP2780003 B2 JP 2780003B2 JP 5306090 A JP5306090 A JP 5306090A JP 30609093 A JP30609093 A JP 30609093A JP 2780003 B2 JP2780003 B2 JP 2780003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ山の頂に沿ってス
リットが形成され、ナットに螺合時にねじ山のフランク
をナット側のフランクで圧縮してスリット側へ弾性変形
させることによりセルフロック機能を持たせたセルフロ
ックボルトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボルトのねじ山の頂に沿ってスリットを
形成したセルフロックボルトが公知である(特公平2−
58016号など参照)。このボルトは、ナット側のフ
ランクによってボルト側のフランクをスリット側へ押圧
して弾性変形させ、この弾性変形したボルト側フランク
の復元力によりボルトの緩みを防止するものである。
【0003】この種のセルフロックボルトの製造方法と
して、特公平2−58016号が提案されている。この
方法は、2条ねじを転造した後、この2条ねじと同一リ
−ドを持つ型を用いて2つのねじ山を集合させて1つの
山に転造するものである。
【0004】図6はこの方法による第1転造したボルト
とそこに用いるダイスを示す図、図7は第2転造したボ
ルトとそこに用いるダイスを示す図、図8は多条ねじ
(2条ねじ)の展開図、図9は製造工程の拡大図、図1
0はナット締結状態を示す拡大図である。
【0005】図6(A)において符号10はボルト素材
であり、ボルト軸部12にボルト頭14が冷間鍛造など
により形成されている。16は第1転造に用いる平ダイ
スであり、転造方向(図6(B)で水平方向)にのびる
2条ねじ型部18が形成されている。
【0006】この2条ねじ型部18は、ボルト軸部12
の外周長A=2πR(図8参照、ここにRはボルト軸部
12の半径)に対するねじ山の進み量すなわちリ−ドL
内に2本のねじ山が入るように形成される。この2条ね
じはリ−ドLの中に2条のねじが入り、ピッチPとリ−
ドLと外周長Aとは図8に示すような関係になる。この
図8では偶数番目(または奇数番目)のねじ溝g1が実
線で、また奇数番目(または偶数番目)のねじ溝g2が
破線で示されている。
【0007】一対のダイス16の間にボルト軸部12を
挟み、押圧しながら両ダイス16を互いに反対方向へ移
動させれば、図6(A)に示すように、ボルト軸部12
に2条ねじ部20が転造される。この2条ねじ部20の
形状は図9(A)に示すようにすべてのねじ溝g1、g
2が同一形状かつ同一深さである。
【0008】この2条ねじ部20には、図7(B)に示
すダイス22により第2転造の加工が加えられる。この
ダイス22には、ダイス16の2条ねじ型部18と同一
リ−ドでピッチが2倍の1条ねじ型部24が形成され
る。この1条ねじ型部24は、図9(A)に仮想線で示
す断面形状24Aを持つ。
【0009】この1条ねじ型部24を持つダイス22を
一対用意し、2条ねじ部20に重ねて反対方向へ平行移
動させれば、図9(B)に示す1条ねじ部26が転造さ
れる。すなわち1条ねじ型部24の型の山は2条ねじ部
20の偶数番目(または奇数番目)のねじ溝g1(また
はg2)に係入して、このねじ溝g1(またはg2)を
深く押し開く。このため図9(A)、(B)に示すよう
に、2つのねじ山m1、m2が集合して1条ねじ型部2
4の断面形状24Aの1条ねじ部26が形成される。
【0010】この1条ねじ部26はねじ溝g2の部分に
スリット28を持ち、所定の熱処理を施すことによりス
リット28を挟む各部m1、m2に弾性が付与される。
なお図9(B)では同図(A)の対応する部分に同一符
号を付した。
【0011】ここに1条ねじ型部24の断面形状24A
すなわち1条ねじ部26のねじ山の形状は、図10に示
すように、ナット30を螺入した状態でナット30のフ
ランク30Aにより押圧される。すなわち1条ねじ部2
6のフランク26Aがナット30のフランク30Aに押
圧されてスリット28を狭くする方行に弾性変形する。
このため1条ねじ部26のフランク26Aがナット30
のフランク30Aを押圧することにより摩擦抵抗を発生
し、ナット30の緩みが防止される。
【0012】
【従来の技術の問題点】ここに従来の方法では、第1転
造において同じ形状の多条ねじ部20を形成しているた
め、第2転造で形成されるスリット28の深さx(図9
(B)参照)はねじ溝g2の深さにより制限される。
【0013】一般に1条ねじ部26のねじ溝の深さはこ
のスリット28の深さxに比べて非常に大きくなるか
ら、スリット28は1条ねじ部26の高さに比べて非常
に浅い。このため1条ねじ部26のスリット28を挟む
各部m1、m2の弾性変形量が小さく制限される。許容
変形量が小さいとボルトとナットの加工精度を高くする
必要が生じ、生産性が低下し生産歩溜りの低下を招く。
また許容弾性変形量が小さいとナット30の締付けに必
要な力(締付力)のバラツキが大きくなり、締付トルク
の管理が困難になったり、締め付け作業能率の低下も招
くおそれがある。
【0014】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、第2の転造で作られるねじ部26のスリッ
ト28を十分に深くすることができ、これによりボルト
・ナットの許容加工精度を下げて生産性と生産歩溜りの
向上を可能にし、また締付力のバラツキを少なくして締
付トルク管理を容易にし、締め付け作業能率の向上を可
能にするセルフロックボルトの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0015】
【発明の構成】本発明によればこの目的は、ねじ山の頂
に沿ってスリットが形成されたセルフロックねじ部を有
するセルフロックボルトの製造方法において、以下の工
程を有することを特徴とするセルフロックボルトの製造
方法: a. リード内に一定数の深いねじ溝おきに浅いねじ溝
を有する多条ねじを形成する第1の転造工程; b. 前記多条ねじと同一リードをもって前記浅いねじ
溝に係入し、前記浅いねじ溝間の深いねじ溝を挾んで複
数のねじ山を集合させることにより、深いスリット付き
の1つのねじ山とし、かつボルト中心線方向に沿った断
面上でこのねじ山のフランク挟み角をナット側のねじ溝
のフランク挟み角よりも小さく形成する第2の転造工
程、により達成される。
【0016】ここに第1の転造では浅いねじと深いねじ
とを交互に有する2条ねじを形成し、第2の転造では浅
いねじ溝にダイスの型を押し込んでその間の深いねじ溝
の両側のねじ山を集合させることができる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例の製造工程を示す
図、図2はこのボルトにナットを螺合した状態を示す図
である。図1(A)において120は第1の転造により
作られた2条ねじ部である。この2条ねじ部120には
浅いねじ溝g10と深いねじ溝g20とが交互に形成さ
れている。
【0018】なおこの2条ねじ部120では、ねじ溝g
10、g20の角度すなわち対向するフランクが挟む角
度αは一定で深さa、bだけが異なる。従ってこの第1
の転造に用いるダイス(図示せず)は、同一刃型のバイ
トを用いてその喰い込み量を1条ごとに変えることによ
り容易に作ることができる。
【0019】この2条ねじ部120には、第2の転造用
のダイス(図示せず)の1条ねじ型部124により1条
ねじ部126が転造される。ここにスリット128は深
いねじ溝g20により形成されるから、スリット128
の深さx0は図1(B)に示すように十分に大きくな
る。ここに1条ねじ部126のねじ山は、ボルト中心線
に沿った断面上で、このねじ山の2つのフランクの挟み
角がナット側のねじ溝のフランク挟み角よりも小さく形
成されている。
【0020】このため図2に示すようにナット130に
螺合しねじ山の2つの斜面がナットの谷の斜面に押圧さ
れてスリット128側に変位する(図2参照)。この時
には、1条ねじ部126のスリット128を挟む各部m
10、m20は十分に深いスリット128により大きな
弾性変形が許容される。このことはボルトとナットの加
工精度の許容幅も大きくなることを意味し、生産性の向
上、生産歩溜りの向上、コストの低減を可能にするもの
である。
【0021】図3は第1の転造による2条ねじ部の他の
実施例を示す図である。この実施例の2条ねじ部220
は、浅いねじ溝g11のフランク挟み角βを深いねじ溝
g21のフランク挟み角γよりも大きくした、この2条
ねじ部220の浅いねじ溝g11に、第2の転造用ダイ
スの1条ねじ型部224の山型を圧入して転造すれば、
前記図1(B)と同様な1条ねじ部(図示せず)が形成
される。
【0022】図4は本発明により製造されるボルトの他
の例を示す図、図5はこの製造に用いるダイスを示す図
である。このボルト10Aは先端に普通のねじ部300
が、また他端側にスリット付きのセルフロックねじ部3
10が形成されている。このボルト10Aの製造に用い
るダイス320は、2条ねじ型部322と1条ねじ型部
324とが転造方向に連続して形成されている。
【0023】ここに2条ねじ型部322は前記図1
(A)あるいは図3に示した2条ねじ部120、220
と同じ形状の2条ねじ部を形成するものである。従って
このダイス320を用いれば、2条ねじ型部322で2
条ねじ部を形成した後、1条ねじ型部324によりセル
フロックねじ部310および普通ねじ部300を連続し
て1回の動作で転造できる。
【0024】この実施例によればボルト10Aの先端に
普通ねじ部300が形成されているから、ナットへの螺
入が容易になる効果がある。
【0025】また以上の実施例では、第1の転造で2条
ねじを形成するが、3条以上の多条ねじでもよく、この
場合にはリ−ド内に一定ねじ溝数おきに浅いねじ溝を形
成する。さらに第2の転造では1条ねじに代えて2条以
上のねじを形成してもよいが、この場合におけるねじ条
数nは第1の転造における多条ねじのねじ条数Nよりも
小さいことが必要である。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、第1の
転造工程でリード内に一定数の深いねじ溝おきに浅いね
じ溝を有する多条ねじを形成し、第2の転造工程ではこ
の多条ねじと同一リードを持って浅いねじ溝に係入して
浅いねじ溝の間の深いねじ溝を挟んで複数のねじ山を集
合させ深いスリット付きの1つのねじ山とするものであ
るから、ねじ山の頂に深いスリットを形成できる。この
ためスリットを挟む部分の弾性変形の許容幅を大きくで
る一方、スリット付きのねじ山のフランク挟み角がナ
ット側のねじ溝のフランク挟み角よりも小さく加工され
るから、ボルトのねじ山は深いスリット側に容易に変位
する。このため、生産時における許容誤差を大きくする
ことが可能になる、従って生産性が向上し生産歩溜りが
向上することになり、コストの大幅低減に寄与すること
ができる。
【0027】またナット締付力のバラツキが小さくなり
締付トルクの管理が容易になるため締め付け作業能率の
向上も可能になる。ここに第1の転造では2条ねじを、
第2の転造では1条ねじを転造するものとすれば、汎用
性に富むボルトの製造に適する(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の説明図
【図2】ボルト・ナットの締結状態を示す図
【図3】第1転造の他の実施例を示す図
【図4】ボルトの他の実施例を示す図
【図5】この製造に用いるダイスを示す図
【図6】従来方法における第1転造によるボルトとダイ
スを示す図
【図7】同じく第2転造によるボルトとダイスを示す図
【図8】同じく多条(2条)ねじの展開図
【図9】同じく製造工程の拡大図
【図10】ナット締結状態を示す拡大図
【符号の説明】
10A ボルト 120、220 2条ねじ部 126 1条ねじ部 128 スリット 130 ナット g10、g11 浅いねじ溝 g20、g21 深いねじ溝

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ山の頂に沿ってスリットが形成され
    たセルフロックねじ部を有するセルフロックボルトの製
    造方法において、以下の工程を有することを特徴とする
    セルフロックボルトの製造方法: a. リード内に一定数の深いねじ溝おきに浅いねじ溝
    を有する多条ねじを形成する第1の転造工程; b. 前記多条ねじと同一リードをもって前記浅いねじ
    溝に係入し、前記浅いねじ溝間の深いねじ溝を挾んで複
    数のねじ山を集合させることにより、深いスリット付き
    の1つのねじ山とし、かつボルト中心線方向に沿った断
    面上でこのねじ山のフランク挟み角をナット側のねじ溝
    のフランク挟み角よりも小さく形成する第2の転造工
    程。
  2. 【請求項2】 第1の転造工程は浅いねじ溝と深いねじ
    溝を交互に有する2条ねじを形成し、第2の転造工程は
    1つの深いねじ溝の両側の浅いねじ山を集合させて深い
    スリット付きの1つのねじ山とする請求項1のセルフロ
    ックボルトの製造方法。
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