JP2778297B2 - 反射型液晶表示素子およびその駆動方法 - Google Patents

反射型液晶表示素子およびその駆動方法

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JP2778297B2
JP2778297B2 JP3202043A JP20204391A JP2778297B2 JP 2778297 B2 JP2778297 B2 JP 2778297B2 JP 3202043 A JP3202043 A JP 3202043A JP 20204391 A JP20204391 A JP 20204391A JP 2778297 B2 JP2778297 B2 JP 2778297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射型液晶表示素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】バックライトを用いることができない反
射型液晶ディスプレイを構成するには、液晶パネル部の
外部から液晶素子に入射する自然光のみを利用すること
によって自然な感じに見えるようにするために、偏光板
を用いないことが前提となる。このような表示を行うた
めには、表示方式はゲスト・ホスト型もしくは散乱型が
有望とされる。このうち、前者のゲスト・ホスト型の調
光子を用いた反射型液晶パネルは、図1(a)に示すよ
うに構成されている。即ち、一方の透明基板1の表面に
透明電極2が形成されており、他方の基板6には、透明
電極2の対向位置に透明電極4と光反射層5を積層して
形成されている。そして、この透明電極2と透明電極4
との間に形成されている間隙にゲスト・ホスト型の液晶
が封入され調光層3を形成した構造を有している。な
お、この構成例の場合における光反射層5は、完全拡散
面(=白)ばかりでなく、特定の光の波長成分を選択反
射させるようなフィルター効果を付加することによって
不完全ながらもカラー表示が可能となる。このような構
造を持った液晶ディスプレイデバイスの開示例として
は、調光層3として黒染料ゲスト・ホスト型高分子分散
型液晶を用いて構成されたものがDISPLAYS誌の
1991年1月号2頁に記載されている。この構造にお
いては、透明基板1を透過した入射光は、透明電極2と
調光層3と透明電極4とを透過して光反射層5で反射
し、その反射光は前記コースとは逆のコースを進んで透
明基板1より外に出射する。このようなコースをとった
光は、例えば、光反射層が完全拡散面を持つ場合には反
射光に波長依存性がなくなり白色表示が可能となる。一
方、調光層3が光吸収状態となっている場合には外部か
らの入射光は透明基板1および透明電極2を透過し調光
層3により吸収されてしまい黒表示が可能となる。従っ
て、この構造を持つディスプレイにおいては白黒表示が
可能となる。
【0003】また、別の開示例としては図1(b)に示
したような、透明基板1の表面に透明電極2が形成さ
れ、他方の基板6には、透明電極2の対向位置に透明電
極4と光吸収層7が基板6上に積層されて形成されてい
る。そして、この透明電極2と透明電極4との間に形成
されている間隙に液晶が挟持され調光層3を形成した構
造を有している。このような構造を持った液晶ディスプ
レイデバイスの開示例としては、調光層として高分子分
散型液晶を用いて構成されたものが、第13回Inte
rnational Liquid Crystal
Conference講演予稿集,第2分冊,21頁,
1990に記載されている。この構造においては、透明
基板1を透過した入射光は、調光層3が透明状態である
と透明電極2と調光層3と透明電極4とを透過して光吸
収層7で吸収され、その結果黒表示を得る。また、調光
層3が散乱状態であるならば、透明基板1を透過した入
射光は、透明電極2を透過して調光層3に入射する。こ
のとき、調光層3は散乱状態であるので入射した光は後
方散乱成分と前方散乱成分に分かれ後方散乱成分は透明
電極2と透明基板1を透過することによって外部に出射
する。一方、前方散乱成分は透明電極4を透過すること
によって光吸収層7に吸収され反射することはない。そ
の結果、この状態においては外部から観察した状態では
白く見え白表示が可能であり、以上の結果、調光層3が
透明状態か光散乱状態かの違いによって白黒表示が可能
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の反射型白黒表示
液晶パネルは、調光層3に光吸収−光透過型を用いるか
(図1(a))もしくは透明−光散乱型を用いるか(図
1(b))により大きく2種類に分けられる。このと
き、図1(a)の場合においては調光層3が光吸収−光
透過型であるために黒表示は問題がないが、白表示を行
う場合においては調光層3が完全に透明となり調光層3
の後方に位置する光反射層に対して外部からの入射光が
直接入射しなくてはならない。しかしながら、現在のゲ
スト・ホスト型の液晶表示装置によって調光層3を形成
すると2色性色素の2色比が大きくとれないため、調光
層3を光透過状態としても20%〜30%の光吸収が生
じてしまい、その結果、完全な白表示を行うことはでき
ずにグレー表示となってしまうため、視認性のよい白黒
表示を行うことができない。一方、図1(b)の場合に
おいては調光層3が透明−光散乱変化型を用いるために
調光層3の透明度は95%以上の値を取ることが可能で
あるため、調光層3を透明状態にした場合には外部から
の入射光は調光層3により散乱されることなく光吸収層
7に入射し吸収され、黒表示が可能となる。しかしなが
ら、図1(b)の場合において白表示は、調光層3を光
散乱状態にすることにより入射した光が調光層3により
光が入射した方向に散乱光が出射(後方散乱)すること
により得ることになるが、調光層3の光散乱強度が弱い
と入射光の一部は調光層3を突き抜けてしまい光吸収層
に達し吸収されてしまう。特に、液晶によって作成され
る透明−散乱変化型の調光層はこの後方散乱強度が弱
く、入射光のかなりの部分が調光層3を突き抜けてしま
う。従って、外部から観察すると、スリガラスを通して
黒い表示を見ているのと同じとなってしまうため、完全
な白表示ということはできない。
【0005】本発明においては、上記従来の反射型ディ
スプレイにおいては不可能であった、高コントラストの
白黒表示を光透過−光吸収変化層と光散乱−透明変化層
とを組み合わせることによって可能とする液晶素子を提
供することにより、表示品位の高い反射型白黒液晶パネ
ルの提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板と、電極
と、光散乱状態と透明状態とを外部電場により制御可能
な第1の調光層と、透明な層間分離膜と、光吸収状態と
透明状態とを外部電場により制御可能な第2の調光層
と、前記電極に対向する電極と、前記基板に対向する基
板とを光の入射側からこの順に設け、前記第1の調光層
および前記透明な層間分離膜、前記第2の調光層を透過
した光を反射する光反射層を、光の入射側からみて前記
第2の調光層よりも後ろに設けたことを特徴とする反射
型液晶表示素子である。
【0007】第1の調光層は、光散乱状態と透明状態を
電界の印加により遷移させることができればよく、例え
ば、高分子分散液晶やネマティック液晶によるDSM方
式、スメクティックA層におけるDSM方式、強誘電性
液晶による散乱透明変化、コレステリック層におけるフ
ォーカルコニック組織の散乱状態を利用するなどが可能
である。
【0008】第2の調光層は、光吸収状態と透明状態を
電界の印加によって遷移させることができればよく、2
色性色素を液晶に混合し分散させたゲスト・ホスト型の
液晶素子であれば利用することが可能となる。例えば、
コレステリック液晶と黒色2色性色素を混合し電界を印
加することによってネマティック−コレステリック相転
移を生じさせる方式、液晶成分に2色性色素を混合し分
散させたものをさらに高分子中に分散させた構造を持つ
高分子分散型ゲスト・ホスト液晶等が用いられる。
【0009】なお、上記における高分子分散液晶とは液
晶材料が硬化物中に分散していても硬化物が液晶材料中
に3次元ネットワーク状に存在していてもかまわないも
のとする。
【0010】透明性固体物質が液晶材料中に粒子状また
はネットワーク状に存在していることを特徴とする液晶
光学素子において、透明性固体物質としては、ガラスビ
ーズや各種高分子のビーズなどが用いられる。高分子物
質としては、ポリエチレン,ポリメタクリル酸メチル,
ポリスチレン,ポリアミド,ポリ塩化ビニルおよびそれ
らの共重合体等があり、望ましくは液晶材料に溶解せ
ず、その屈折率が液晶材料の常光屈折率(no )または
異常光屈折率(ne )、または液晶材料がランダムに配
向した場合の屈折率(nLC)のいずれかと一致または近
いものであればよい。
【0011】液晶材料が透明性固体物質中に分散してい
ることを特徴とする液晶光学素子においては、透明性固
体物質としては、ポリビニルアルコール,ポリビニルホ
ルマール,ポリメタクリスタル酸メチル,ポリスチレン
等の各種高分子物質が用いられ、液晶材料と相分離し、
その屈折率が液晶材料の常光屈折率(no )または異常
光屈折率(ne )または液晶材料がランダムに配向した
場合の屈折率(nLC)のいずれかと一致または近いもの
であればよい。
【0012】第1の調光層および第2の調光層は個々に
基板で挟持する形態をとることもできる。すなわち、図
4(a)に示すように、調光層17を透明電極16,1
8付きの基板15,19で挟んだ液晶セルを、図4
(b)の様に積層する構成とすることもできる。この場
合においては、液晶セル20,21の間にある透明基板
が図2における層間分離膜9として作用するために特別
に層間分離膜を設ける必要性はない。しかし、図5に示
すように第1の調光層25、第2の調光層27の少なく
ともどちらか一方を高分子分散液晶のような自立可能な
固体形状をとる液晶とすることにより基板の枚数を減ら
すことができ、光透過率を上げることができる。
【0013】本発明の電極はITO等の可視光量域にお
いて光吸収がきわめて低く導電性を示す物質であればよ
い。また、電極の形状は、基板上に一様に形成されてい
てもよいし、特定画素形状に形成されていてもよいし、
上下基板に短冊上に形成されていてもよい。さらに、各
画素ごとにトランジスター,ダイオードなどのアクティ
ブ素子を付加してもよい。
【0014】層間分離膜は、第1の調光層と第2の調光
層の液晶成分が混合しないために設けるので、少なくと
も可視光量域において透明であればよく、例えば、ガラ
ス,高分子フィルム等を利用することが可能である。ま
た、場合によっては、光硬化性の樹脂や熱硬化性の樹脂
の前駆体をスピンコート法や印刷法により形成し、紫外
線を照射する。または、熱を印加する等の後工程を経る
ことで層間分離膜を形成してもかまわない。
【0015】基板は、ガラス基板やポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムなどのように可視光量域の
光を透過する基板を用いる。
【0016】光反射層は、入射した光を反射する物質に
よって構成されていればよい。具体的には、金属,誘電
体反射膜等が利用可能である。望ましくは、銀,アルミ
ニウム,クロム,スズ,ニッケル,タンタル等の反射率
が高く、かつ波長依存性のない物質を反射膜として用い
るのがよい。
【0017】光反射層の位置は、第2の調光層と電極と
の間に設けても、電極と基板の間に設けても基板の下に
設けてもよい。また、光反射層を基板として用いてもよ
いし、光反射層を金属などの導電性材料で作製すること
により光反射層と電極を一体化してもよい。光反射層が
基板よりも光路上前に位置する場合には、基板は透明で
ある必要はなく、金属は半導体、プラスティック等の不
透明基板であってもよい。同様に光反射層が電極より光
路上前に位置する場合には、電極は透明である必要はな
い。
【0018】この白黒液晶表示素子の駆動方法は、黒表
示を行うときは、第1の調光層を透明状態にし第2の調
光層を光吸収状態とすることにより行う。また、白表示
を行うときは、第1の調光層を光散乱状態とすることを
特徴とする。白表示を行うときの第2の調光層は光吸収
状態でも透明状態でもよいが、望ましくは透明である方
がよい。
【0019】各調光層を個々に電極付き基板で挟持する
場合には、各調光層を独立に制御することで上記駆動方
法は簡単に実現可能である。
【0020】各調光層に高分子分散液晶を用い、2層の
調光層を一対の電極で挟持して制御する場合には、図3
(a)または(b)に示す様な特性を持つ素子により実
現することが可能となる。図中、13は第1の調光層の
光透過度特性を、14は第2の調光層の光透過度特性を
示す。
【0021】図3(a)では、第1の調光層は電圧無印
加時に光透過状態を示し、所定のしきい値以上の電圧印
加で散乱状態に変化し、第2の調光層は電圧無印加時に
光吸収状態を示し、第1の調光層のしきい値電圧と独立
に決定される所定のしきい値以上の電圧印加で光透過状
態に変化する。その結果印加電圧を0から次第に上げて
いくと図3(a)のように第1の調光層および第2の調
光層のしきい電圧が一致した場合においては黒表示,中
間調表示,白表示と変化する。このような特性を示す素
子としては、第1の調光層を誘電率異方性が負のまたは
正負両方の値をとる液晶を用いて構成し、第2の調光層
を誘電率異方性が正の値をとる液晶に対して黒の2色性
色素を混合したものを用いて構成する。ここで、第1の
調光層は、電圧無印加時に透明状態となるように液晶を
配向させる。これには、誘電率異方性が負または正負両
方の値をとることができる液晶材料と光硬化性化合物と
の混合溶液に電場または磁場の少なくとも一方を印加し
ながら光を照射し硬化させ第1の調光層を形成すればよ
い。
【0022】図3(b)では、第1の調光層は電圧無印
加時に光散乱状態を示し、所定のしきい値以上の電圧印
加で透明状態に変化し、第2の調光層は電圧無印加時に
光透過状態を示し、第1の調光層のしきい値電圧と独立
に決定される所定のしきい値以上の電圧印加で光吸収状
態に変化する。その結果印加電圧を0から次第に上げて
いくと図3(b)のように第1の調光層および第2の調
光層のしきい電圧が一致した場合においては白表示,中
間調表示,黒表示と変化する。このような特性を示す素
子としては、第1の調光層を誘電率異方性が正の値をと
る液晶を用いて構成し、第2の調光層を誘電率異方性が
負または正負両方の値をとる液晶に対して黒の2色性色
素を混合したものを用いて構成する。ここで、第2の調
光層は、電圧無印加時に光透過状態となるように液晶を
配向させる必要があるので、誘電率異方性が負または正
負両方の値をとることができる液晶材料と光硬化性化合
物との混合溶液に電場または磁場の少なくとも一方を印
加しながら光を照射し硬化させ第2の調光層を形成す
る。
【0023】図3(b)の特性は、図3(a)とは逆の
特性を有している。また、図3においては第1の調光
層,第2の調光層とも同じ電圧において光学応答の変化
が始まるように記してあるが実際には、両者のしきい電
圧はほとんどの場合において一致しない。この場合にお
いては、両者の内どちらかのしきい電圧を越えた時点で
光学応答は中間調表示に移行し、両方とも光学応答の変
化を終了したときに中間調表示から脱する。
【0024】調光層として高分子分散液晶を用いる場合
には、次の方法により作製できる。電極の形成された基
板上にスクリーン印刷,オフセット印刷,凸版転写,凹
版転写,スピンコート法等の薄膜形成方法によって光硬
化性化合物と液晶材料の混合溶液を塗布し、光を照射す
ることによって硬化させて調光層を形成する。また、こ
の上に直接層間分離膜を形成する方法としては、上記印
刷法,染色法,顔料印刷法,フォトリソグラフィ法など
がある。
【0025】
【作用】本発明の白黒表示素子では、外部より入射した
光は第1の調光層で散乱されるかまたは透過するかに分
かれ、第2の調光層で吸収されるか透過するかに分かれ
る。この2層の調光層が散乱状態にあるか透明状態にあ
るか、光吸収状態にあるか光透過状態にあるかという組
み合わせによって白,黒表示を行うことが可能となる。
以下に、本発明による白黒表示素子の作用を示す。
【0026】図2は本発明の白黒表示素子の作用を説明
するための図である。本発明の白黒表示素子の構造上の
特徴は、第1調光層8を散乱−透明変化を起こす調光層
とし、第2調光層10を光吸収−光透過変化を起こす調
光層とし、この間に層間分離膜9を配置し、自然光入射
方向12と反対側に光反射層11を設けた点にある。こ
の構造をとった場合には大きく分けて、層間分離膜9の
上下にある第1調光層8と第2調光層10が、それぞれ
光散乱状態か、光透過状態か、光吸収状態か、光透過状
態かの組み合わせによって4状態が存在する。すなわ
ち、 第1調光層8が透明状態、第2調光層10が透過状態 第1調光層8が透明状態、第2調光層10が吸収状態 第1調光層8が散乱状態、第2調光層10が透過状態 第1調光層8が散乱状態、第2調光層10が吸収状態 の4状態である。以下にそれぞれの状態についての作用
を説明する。
【0027】の状態においては、第1調光層8が透明
状態であり、第2調光層10が透過状態であるために入
射した光は第1調光層8,層間分離膜9,第2調光層1
0を透過し光反射層11に達する。光反射層11に達し
た光は反射され再び第2調光層10,層間分離膜9,第
1調光層8を透過し液晶素子外部に出射する。その結
果、この組み合わせにおいては入射した光が単に反射さ
れるだけであるために表示状態を特定することはできな
い。よって、この組み合わせによる表示は意味をなさな
い。
【0028】の状態においては、第1調光層8は透明
であるために光は第1調光層および層間分離膜9を透過
する。層間分離膜9を透過した光は第2調光層10によ
って吸収される為に外部へ再び出射される光は生じない
ために、結果として黒表示を得ることが可能となる。
【0029】の状態においては、第1調光層8は散乱
状態であるので入射した光の大部分は散乱され素子外に
再び出射する。一方、第1調光層8を突き抜けた一部の
光は第2調光層10が透過状態であるために層間分離膜
9と第2調光層10を突き抜け光反射層11に達し光反
射層11によって反射される。反射した光は再び第2調
光層10,層間分離膜9を通り第1調光層8に再び入射
し、この第1調光層8に再度入射した光のうち前方散乱
光は外部へ出射し、後方散乱分は再び光反射層11に達
しこの行程を繰り返す。よって、外部に出射する光は第
1調光層8によって散乱された光の中の後方散乱成分と
光反射層11によって反射された光量の和となるため、
本発明による反射型白黒表示素子を用いると第1調光層
8として光散乱度の低い高分子分散型液晶素子などを用
いても十分な輝度を持つ白表示が可能となる。
【0030】の状態においては、第1調光層8は散乱
状態であるので入射した光の大部分は散乱され素子外に
再び出射する。一方、第1調光層8を突き抜けた一部の
光は第2調光層10が吸収状態であるために層間分離膜
9を通り抜け第2調光層10に吸収され、外部より観察
した場合に見られる光は第1調光層8によって散乱され
た光のみである。その結果、この場合においても白の表
現が可能であるということも可能であるが、第1調光層
に用いることのできる光散乱−透明変化型液晶素子は光
散乱強度が低く第1調光層を透過する光の成分が多いた
めの状態を外部より観察すると白表示というよりも中
間調表示を行っているように感じられてしまう。よっ
て、このの状態は明度の高い白表示とはいえないため
不適である。
【0031】以上の結果、黒表示を行うためにはの状
態を必要とし、白表示を行うためにはの状態でなくて
はならないということが判明した。
【0032】第1調光層8および第2調光層10の個々
に駆動電極が対応している場合には、各液晶の駆動モー
ドに応じて前記組み合わせを実現すればよいが、第1調
光層8よび第2調光層10が一対の電極により共に挟持
され、独立に電極を持たない場合には、第1調光層8お
よび第2調光層10のしきい値電圧特性を図3に示すよ
うに制御して、前記一対の電極で駆動させることができ
る。なお、動作説明においては第1調光層8として高分
子分散型液晶を、第2調光層10としてはゲスト・ホス
ト型の液晶を分散させた高分子分散型液晶を用いるもの
とする。
【0033】図3(a)は−の場合の印加電圧と光
透過度の関係を示す図である。ここでは第1の調光層は
液晶成分として誘電率異方性が負または正負両方の値を
とる液晶を、リバースモードで駆動している。一方、第
2の調光層は液晶成分として誘電率異方性が正の液晶を
用い、通常のモードで駆動している。ここでは説明を簡
単にするために図3(a)の特性図のように、第1の調
光層のしきい値電圧と第2の調光層のしきい値電圧が同
じ値であるとする。このような反射型の液晶素子に対し
て電圧を加えてゆくと、電圧無印加時には第1の調光層
は光透過状態を示し、第2の調光層は光吸収状態を示す
ので黒表示ができ、印加電圧を上げていき第1調光層お
よび第2の調光層のしきい値電圧を越えると、第1の調
光層は光透過状態より光散乱状態に変化し始め、第2の
調光層は光吸収状態より光透過状態に変化する。よって
この間においては第1の調光層、第2の調光層ともに状
態が確定していないために中間調表示が可能となる。さ
らに印加電圧を上げて行くと、第1の調光層,第2調光
層共に光学応答の変化が終了するため第1調光層は光散
乱状態となり、第2調光層は光透過状態となるので、白
表示が可能となる。
【0034】図3(b)は、−の場合の印加電圧と
光透過度の関係を示す図である。ここでは第1の調光層
は誘電率異方性が正の値をとる液晶を用い、通常のモー
ドで駆動している。一方、第2の調光層は誘電率異方性
が負または正負両方の値をとる液晶を用い、リバースモ
ードで駆動している。またここでも、説明を簡単にする
ために第1調光層と第2調光層のしきい値電圧は同じで
あるとする。このような反射型の液晶素子に対して電圧
を加えていくと、電圧無印加時には第1の調光層は散乱
状態を示し、第2の調光層は透過状態を示すので、白表
示ができる。電圧を印加し液晶層のしきい値電圧を越え
ると、第1の調光層は散乱状態より透明状態に、また第
2調光層は光透過状態より光吸収状態に変化し始めるた
めに、中間調表示が可能となる。さらに印加電圧を上げ
て行くと、第1調光層は透明状態を示し、一方、第2の
調光層は光吸収状態を示すために黒表示が可能となる。
【0035】リバースモードの素子は、次のように作製
する。誘電率異方性が負または正負両方の値をとること
ができる液晶材料と光硬化性化合物との混合溶液に透明
状態となるような電場または磁場の少なくとも一方を印
加しながら光を照射し硬化させ調光層を形成する。電場
または磁場を印加して透明状態となるように液晶分子を
配向させた状態で光硬化性化合物を硬化させると、光硬
化性化合物の硬化後は液晶分子は界面のアンカーリング
により、電場または磁場を除いてもランダムな状態に戻
ることができず、固定化される。この状態は、誘電率異
方性が正の液晶では変えることができないが、誘電率異
方性が負の値をとり得る液晶では光散乱状態に変化させ
ることができる。
【0036】例えば、クロスオーバー周波数fc が10
kHzで、これ以下の周波数では誘電率異方性ΔεがΔ
ε>0となり、これ以上の周波数でΔε<0となる液晶
を用いたとする。光硬化性化合物を硬化させる際に、1
0kHzよりも低周波の電圧を基板間に印加しながら硬
化させると、液晶分子の方向は基板に対して垂直な方向
に固定される。このときの光透過状態が透明状態である
とすると、駆動時に10kHzよりも高周波の電圧を印
加すれば光散乱状態に変化させることができる。
【0037】また、ベンゼン環などの芳香族環をもつ通
常の液晶分子では、誘電率異方性Δεは分子形状により
正負いずれの値もとり得るが、磁化異方性Δχの値は正
の値しかとり得ない。このことから、誘電率異方性が負
の液晶を用いて液晶のフレデリックス転移点よりも十分
に強い磁場を基板と垂直な方向に印加しながら光硬化性
化合物を硬化させると、液晶分子の方向は基板と垂直な
方向に固定される。このときの光透過状態が透明状態で
あるとすると、駆動時に電圧を印加すると、液晶分子は
基板と平行な方向に向きが変わるために光散乱状態に変
化する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0039】実施例1 本発明による白黒表示素子の一実施例を図4を用いて説
明する。
【0040】本実施例における白黒表示素子は、図4
(a)に示すようにITOからなる透明電極16,18
を表面に形成した1対の透明基板15,19を用い、こ
の透明電極18の上に調光層17として紫外線硬化性化
合物と液晶との混合溶液をスクリーン印刷法によって塗
布し、直径5μmのスペーサーを散布した透明基板15
を気泡が入らないようにして重ね、圧力を加えることに
よってセルギャップをおおよそ10μmとした後に、こ
の液晶セルに対し紫外線を照射することによって紫外線
硬化性化合物を硬化させ高分子分散型液晶とした。本実
施例において使用した紫外線硬化性化合物は重合性モノ
マーの2−エチルヘキシルアクリレート10%と重合性
オリゴマーUN−9000PEPを20%とネマティッ
ク液晶のE8を60%と0.2%の重合開始剤ベンゾフ
ェノンの混合溶液を用いた。
【0041】以上のようにして作製された液晶セルと調
光層17を構成する液晶成分としてネマティック液晶の
E8に黒の2色性色素であるアゾ色素を0.4wt%混
合したゲスト・ホスト型の液晶を用いた液晶セルをそれ
ぞれ液晶セル20,21として用い、光反射層22を液
晶セル21の液晶セル20の反対面にとりつけることで
作製した。本実施例においては第1液晶セル20,21
の調光度はそれぞれ別の電源を介することによって独立
して制御するために、作用の項において述べた必要な2
状態を実現することが可能である。すなわち、液晶セル
20にのみ電圧が印加されるとの状態となり黒表示を
得ることが可能であり、液晶セル21に対してのみ電圧
が印加されるとの状態となり白表示を得ることが可能
であった。また、液晶セル20と液晶セル21に印加す
る電圧をそれぞれの液晶層の光学応答が中間的な値を示
す値としたときには、白表示と黒表示の中間的な値、即
ち中間調表示を得ることが可能であった。
【0042】本実施例では調光層17は液晶セル20,
液晶セル21共それぞれ独立してガラス板により挟持さ
れているために、液晶セル20の調光層中の液晶成分と
液晶セル21の調光層中における液晶成分が混じり合う
ことはありえないために、図2における層間分離膜9の
必要性はないため、層間分離膜9を特別に構成すること
は行っていない。
【0043】実施例2 実施例1においては、単独で作製した液晶セル20,2
1を組み合わせることによって反射型白黒表示素子を実
現したが、実施例1で示した構成をとるとき液晶セル2
0,21中に存在する調光層間にある透明電極と透明基
板は必ずしも必要とはされない。そこで、本実施例にお
いては調光層同士を層間分離膜を介して直接重ね合わせ
ることによって本発明を行った例を図5を参照しながら
示す。
【0044】本実施例の場合においては、第1調光層を
電圧無印加状態において光散乱状態とし第2調光層を光
透過状態となる、作用の項で述べた−の状態変化を
示す反射型白黒液晶表示素子を作成するものとする。
【0045】このような光学変化を得るために、本実施
例においては図5に示したように透明電極24を表面に
構成した基板23の上に第1調光層25を構成する。こ
の第1調光層25は高分子前駆体としてのモノマー(2
−エチルヘキシルアクリレ−ト)とオリゴマー(UN−
9000PEP)を1対2の割合で混合し、このように
して作製した紫外線硬化樹脂35[wt%]と液晶(E
8)を65[wt%]混合して基板23上にスクリーン
印刷法により約20[μm]塗り、紫外線を照射するこ
とにより硬化させることによって第1調光層25を得
た。このようにして構成された第1調光層25の上にポ
リイミド膜(JSR製AL−1051)をスピンコート
法により約150[nm]塗り約120度により乾燥を
行うことによって層間分離膜26を得ることに成功し
た。一方、第2調光層27は表面に光反射層29と透明
電極28を形成された基板30上に液晶成分として2周
波駆動型の液晶(チッソ(株)製n0 =1.509,Δ
n=0.154の液晶にアゾ色素を0.4[wt%]混
合したゲスト・ホスト型の液晶)と、高分子前駆体とし
てはモノマーとオリゴマーを1:1で混合したものを第
1調光層と同様にスクリーン印刷法により約20[μ
m]塗り、このようにして作成された基板30と層間分
離膜26までを構成した透明基板23を、間に空気など
が入り込まないようにして重ね合わせることで図5に示
したような構成を持つ液晶素子を得る。しかしこのまま
では第2調光層は液晶と高分子の混合液のままであるの
で、第2調光層27を得るために透明電極24と透明電
極28の間に50[V]の低周波電圧(100[H
z])を印加することで液晶分子を基板に対して垂直に
配向させたところで、透明基板23側より紫外線を照射
することにより混合溶液を硬化させ液晶分子が初期状態
で基板に対して垂直になるようにして透明とすること
で、電圧無印加状態において光透過状態となる第2調光
層27を得ることが可能となる。
【0046】以上に述べた手法により第1調光層25と
第2調光層27を構成することによって、図3(a)で
示された光透過度特性を得る。このとき、本実施例にお
いて第2調光層27を構成する際に使用した液晶の場
合、クロスオーバー周波数
【0047】
【数1】
【0048】は10[kHz]であるので、この周波数
以上ではΔε<0となる。よって、高周波電圧(100
[kHz])によって駆動すると、電圧無印加時に白表
示であったものが電圧を上げゆき、10[V]を越えた
ところで第1調光層25が光散乱状態から透明状態に変
化し始め、20[V]で透明となる。一方、第2調光層
27は印加電圧を上げて行くと、13[V]において第
2調光層27は光透過状態より光吸収状態に変化し始
め、25[V]で完全に光吸収状態となり黒表示を得る
ことが可能となった。本実施例の場合において、電圧が
10[V]から25[V]の範囲では第1調光層と第2
調光層の少なくともどちから片方の状態が遷移中である
ので中間調表示を得ることが可能となる。以上の結果、
コントラストのよい白黒表示を行うことが可能であっ
た。
【0049】本実施例の場合における第1調光層25と
して用いることが可能となるデバイスは透明状態から散
乱状態に変化する特性を示すDSM等のデバイスであれ
ばよく、2周波駆動型液晶を用いた高分子分散型液晶に
限られるものではない。
【0050】本実施例による反射型白黒表示素子による
表示の結果を実施例1と同様にして測定した結果、同様
の表示品位を得ることができた。
【0051】実施例3 実施例2においては、第2調光層27が電圧無印加状態
において光透過状態であり、電圧印加状態において光吸
収状態となるようにするために、高分子分散液晶層を構
成する液晶成分に2周波駆動液晶を用いたが、本実施例
においては基本骨格中に芳香族環を持ちΔεが負の値を
用い初期配向を磁場によって与えることで電圧無印加状
態において光透過状態をとり、電圧印加状態において光
吸収状態をとる調光層とした例を示す。
【0052】本実施例の場合には、表面に光反射層29
と透明電極28を形成された基板30上に第2調光層2
7を構成する液晶成分としてΔεが負の液晶(n0
1.509,Δn=0.154,Δε=−3.1)にア
ゾ色素を0.4wt%混合したゲスト・ホスト型の液晶
を用い、高分子前駆体としてはモノマー(2−エチルヘ
キシルアクリレート)とオリゴマー(UN−9000P
EP)を1:1で混合したものを使用し、この高分子前
駆体を35[wt%]、液晶を65[wt%]の割合で
混合した溶液をスクリーン印刷法により基板30上に約
20[μm]塗布し、この膜に対して、紫外線を照射し
形成するとき液晶のフレデリックス転移点より十分に大
きな値である10[kG]の磁界を与えながら紫外線を
照射することによって混合溶液を硬化させ液晶分子が初
期状態で基板に対して垂直になるようにし第2調光層2
7を形成する。このようにして構成された第2調光層2
7の上にポリイミド膜(JSR製AL−1051)をス
ピンコート法により約150[nm]塗り約120度に
より乾燥を行うことによって層間分離膜26を得た。ま
た、第1調光層25はモノマーとオリゴマーを1対2の
割合で混合し、このようにして作製した紫外線硬化樹脂
35[wt%]と液晶(E8)を65[wt%]混合
し、この混合溶液を第2調光層と同様にスクリーン印刷
法により透明電極24を表面に形成した透明基板23の
透明電極24上に塗布し、以上のようにして作成を行っ
た透明基板23と基板30を、間に空気が入らないよう
に注意しながら重ね合わせ透明基板23側から紫外線を
照射することによって第1調光層を形成した。
【0053】以上に述べた手法により第1調光層25と
第2調光層27を構成することによって、図3(b)で
示された光透過度特性を得る。このとき、本実施例にお
いて第2調光層27を構成する際に使用した液晶の場
合、電圧無印加時に白表示であったものが、電圧を上げ
ゆき10[V]を越えたところで第1調光層25が光散
乱状態から透明状態に変化し始め、20[V]で透明と
なる。一方、第2調光層27は印加電圧を上げて行く
と、15[V]において第2調光層27は光透過状態よ
り光吸収状態に変化し始め、30[V]で完全に光吸収
状態となり黒表示を得ることが可能となった。本実施例
の場合において、電圧が10[V]から30[V]の範
囲では第1調光層と第2調光層の少なくともどちらか片
方の状態が遷移中であるので中間調表示を得ることが可
能となる。以上の結果、コントラストのよい白黒表示を
行うことが可能であった。
【0054】実施例4 上記実施例1から3においては、液晶素子をスタティッ
クもしくは時分割によって電圧を印加することにより説
明を行ってきたが、本発明による液晶素子をアクティブ
素子によって駆動することも当然可能である。図6は画
素単位にアクティブ素子を付加することによって構成し
た本発明による液晶素子の断面図である。本実施例にお
いては図5における光反射層29を銀(またはアルミニ
ウム,クロムなどの金属)により構成することによって
透明電極28と一体化することにより画素電極36とし
た。
【0055】本実施例による液晶素子は、まずガラス基
板38の上にスイッチング素子であるTFT37を形成
し、このTFT37を覆う形で光反射層をかねる画素電
極36を形成する。このとき、透過型のディスプレイに
おいてはTFT37と画素電極36を完全に分離して用
いるが、本発明による液晶素子は反射型であるので画素
電極36はTFT37を覆う形で配置することが可能と
なり、その結果、1画素面積に対する動作面積は透過型
の40[%]前後異なり、80[%]以上と透過型に比
較して非常に大きな開口面積を持たせることが可能とな
る。以上に示したようにして画素電極36とTFT37
が形成されたガラス基板38の上に第2調光層35を構
成する液晶成分としてΔεが負の液晶(n0 =1.50
9,Δn=0.154,Δε=−3.1)にアゾ色素を
0.4wt%混合したゲスト・ホスト型の液晶を用い、
高分子前駆体としてはモノマー(2−エチルヘキシルア
クリレート)とオリゴマー(UN−9000PEP)を
1:1で混合したものを使用し、この高分子前駆体を3
5[wt%]、液晶を65[wt%]の割合で混合した
溶液をスクリーン印刷法により基板40上に約20[μ
m]塗布し、この膜に対して、紫外線を照射し形成する
ときの液晶のフレデリックス転移点より十分に大きな値
である10[kG]の磁界を与えながら紫外線を照射す
ることによって混合溶液を硬化させ液晶分子が初期状態
で基板に対して垂直になるようにし第2調光層35を形
成する。このようにして構成された第2調光層35の上
にポリイミド膜(JSR製AL−1051)をスピンコ
ート法により約150[nm]塗り約120度により乾
燥を行うことによって層間分離膜34を得た。また、第
1調光層33はモノマーとオリゴマーを1対2の割合で
混合し、このようにして作製した紫外線硬化樹脂35
[wt%]と液晶(E8)を65[wt%]混合し、こ
の混合溶液を第2調光層35と同様にスクリーン印刷法
により対向電極32を表面に形成したガラス基板31の
対向電極32上に塗布し、以上のようにして作成を行っ
たガラス基板31とガラス基板38の間に空気が入らな
いように注意しながら重ね合わせ、ガラス基板31側か
ら紫外線を照射することによって第1調光層を形成し
た。本実施例における第1調光層および第2調光層の成
分構成は実施例3と同じであり駆動方法がアクティブマ
トリクス駆動というだけであるので動作電圧,表示形態
は実施例3と同じとなる。
【0056】本実施例においては、実施例3の素子構造
をもつ液晶素子に対してアクティブ素子を付加すること
によってアクティブマトリクス型の液晶素子を構成した
が、本発明による構造を持つ液晶素子はすべてアクティ
ブ素子を付加することによってアクティブマトリクス駆
動を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0057】以上の実施例において、重合性モノマーと
しては2−エチルヘキシルアクリレートを用い、重合性
オリゴマーとしてはウレタンアクリレートオリゴマー系
のUN−9000PEPを、紫外線硬化開始材としては
ベンゾフェノンを用いたが、この組み合わせ以外に、重
合性モノマーとしてメチルアクリレート,2−エチルヘ
キシルメラクリレート,シクロヘキシルアクリレート,
ブタジオールモノアクリレート等のアクリル系モノマー
が、また重合性オリゴマーとしてはエポキシアクリレー
トオリゴマー系が、紫外線硬化の開始材としてはアセト
フェノン系,ベンゾイン系,ベンゾフェノン系,チオキ
サンソン系の物質を用いることが可能であるが、これ以
外の系であっても用いることは可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明による、反射型白黒液晶素子によ
れば、スタティック駆動,マルチプレックス駆動,アク
ティブマトリクス駆動の別によらず、高コントラストの
白黒表示を表現することができ、表示品位の高い反射型
白黒液晶ディスプレイを構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術を示す断面図である。
【図2】本発明による反射型白黒液晶表示素子の基本構
成図である。
【図3】本発明の作用を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例の断面図である。
【図5】本発明は別の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極 3 調光層 4 透明電極 5 光反射層 6 基板 7 光吸収層 8 第1調光層 9 層間分離膜 10 第2調光層 11 光反射層 12 自然光入射方向 13 第1調光層の光透過度特性 14 第2調光層の光透過度特性 15 透明基板 16 透明電極 17 調光層 18 透明電極 19 透明基板 20 液晶セル 21 液晶セル 22 光反射層 23 透明基板 24 透明電極 25 第1調光層 26 層間分離膜 27 第2調光層 28 透明電極 29 光反射層 30 基板 31 ガラス基板 32 対向電極 33 第1調光層 34 層間分離膜 35 第2調光層 36 画素電極 37 TFT 38 ガラス電極

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、電極と、光散乱状態と透明状態と
    を外部電場により制御可能な第1の調光層と、透明な層
    間分離膜と、光吸収状態と透明状態とを外部電場により
    制御可能な第2の調光層と、前記電極に対向する電極
    と、前記基板に対向する基板とを光の入射側からこの順
    に設け、前記第1の調光層および前記透明な層間分離
    膜、前記第2の調光層を透過した光を反射する光反射層
    を、光の入射側からみて前記第2の調光層よりも後ろに
    設けたことを特徴とする反射型液晶素子。
  2. 【請求項2】前記第2の調光層において、2色性色素が
    液晶中において分散していることを特徴とする請求項1
    記載の反射型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記第1の調光層または前記第2の調光層
    のうち少なくとも一方は、液晶材料を光硬化性化合物中
    に分散した層からなることを特徴とする請求項1記載の
    反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記第1の調光層または前記第2の調光層
    の内少なくとも一方は、電圧無印加時に光透過状態を示
    し、所定のしきい値電圧より大きい電圧の印加により前
    記第1の調光層の場合は光散乱状態を、前記第2の調光
    層の場合は光吸収状態を示す調光層であることを特徴と
    する請求項1記載の反射型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】前記調光層は、誘電率異方性が少なくとも
    負の値をとることのできる液晶材料を光硬化性化合物中
    に分散した層からなり、この液晶材料の光硬化性化合物
    との界面が所定の配向状態を保っていることを特徴とす
    る請求項4記載の反射型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】請求項1記載の反射型液晶表示素子の駆動
    方法であって、黒表示を行うときは、第1の調光層を透
    明状態とし、第2の調光層を光吸収状態とし、白表示を
    行うときは、第1調光層を光散乱状態とし、第2調光層
    を光透過状態とすることを特徴とする反射型液晶表示素
    子の駆動方法。
  7. 【請求項7】請求項5記載の反射型液晶素子の製造方法
    であって、誘電率異方性が負の値をとることのできる液
    晶材料と光硬化性化合物との混合溶液に電場または磁場
    の内少なくとも一方を印加しながら光を照射し硬化させ
    調光層を形成することを特徴とする反射型液晶表示素子
    の製造方法。
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