JP3137435B2 - 液晶パネルおよびそれを用いた液晶投写型テレビ - Google Patents

液晶パネルおよびそれを用いた液晶投写型テレビ

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JP3137435B2
JP3137435B2 JP04171383A JP17138392A JP3137435B2 JP 3137435 B2 JP3137435 B2 JP 3137435B2 JP 04171383 A JP04171383 A JP 04171383A JP 17138392 A JP17138392 A JP 17138392A JP 3137435 B2 JP3137435 B2 JP 3137435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶投写型テレビに用
いる液晶パネルおよび主として小型の液晶パネルに表示
された画像をスクリーン上に拡大投影する液晶投写型テ
レビに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量、薄型など数多くの
特徴を有するため有用であり、その研究開発が盛んであ
る。しかし、大画面化が困難であるなどの問題点も多
い。そこで近年、小型の液晶パネルの表示画像を投写レ
ンズなどにより拡大投影し、大画面の表示画像を得る液
晶投写型テレビがにわかに注目を集めてきている。現
在、商品化されている液晶投写型テレビには液晶の旋光
特性を利用したツイストネマチック(以後、TNと呼
ぶ)液晶パネルが用いられている。
【0003】まず、一般的な液晶パネルについて説明す
る。図9は液晶パネルの平面図である。図9において、
91はスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以
後、TFTと呼ぶ)などが形成されたガラス基板(以
後、アレイ基板と呼ぶ)、92はITOなどからなる透明
電極が形成された基板(以後、対向基板と呼ぶ)、96は
アレイ基板91上のゲート信号線に接続されたTFTのオ
ン・オフを制御する信号を印加するドライブIC(以
後、ゲートドライブICと呼ぶ)、95はアレイ基板91上
のソース信号線にデータ信号を印加するためのドライブ
IC(後ソースドライブICと呼ぶ)、93は偏光フィル
ム、94は液晶を封止するための封止樹脂であり、これら
の各構成要素によって液晶パネルが構成されている。な
お、以後、同一符号を付したものは同一内容あるいは同
一構成もしくは近似的なものである。
【0004】図10(a)は従来の液晶パネルの一画素部
の平面図である。また、図10(b)は図10(a)のD−
D′線での断面図である。ただし、図面は説明を容易に
するために説明に不要な箇所は省略しており、また、モ
デル的に描いている。以上のことは以下の図面に対して
も同様である。
【0005】図10(a)(b)において、12はソース信
号線であり、その一端は図9におけるソースドライブI
C95に接続されている。11はゲート信号線であり、その
一端は図9におけるゲートドライブIC96に接続されて
いる。16は第1の電極、つまりITOからなる画素電極
14が形成されたアレイ基板である。13はTFTの形成位
置である。次に、図11において、21は対向基板、 111は
TN液晶からなる層(以後、TN液晶層と呼ぶ)であ
り、その膜厚は5μm前後である。また、対向電極22上
には遮光層(ブラックマトリクス) 112が形成されてお
り、対向電極22と画素電極14上にはポリイミド樹脂など
の有機物からなる配向膜(図示せず)が形成されてい
る。なお、一画素の大きさは 500μm〜30μm程度であ
る。
【0006】図12に従来の液晶パネルであるTN液晶パ
ネルの動作の説明図を示す。図12において、 121は偏光
板、 122は偏光方向、 123は透明電極、 124は液晶分
子、 125は信号源、 126はスイッチである。上記各構成
要素よりなる液晶パネルにおいてオフ状態では入射光が
90度回転し、オン状態では回転せずに透過する。したが
って、2枚の偏光板 121の偏光方向が直交していれば、
オフ状態では光が透過、オン状態では遮光される。ただ
し、偏光方向が互いに平行であればその逆になる。以上
のようにTN液晶パネルは光を変調し画像を表示する。
【0007】以下、上記液晶パネルを用いた従来の液晶
投写型テレビについて図13を参照しながら説明する。図
13は従来の液晶投写型テレビの構成図である。図13にお
いて、 131は集光光学系、 132は赤外線を透過させる赤
外線カットミラー、133aは青色光反射ダイクロイックミ
ラー(以後、BDMと呼ぶ)、133bは緑色光反射ダイク
ロイックミラー(以後、GDMと呼ぶ)、133cは赤色光
反射ダイクロイックミラー(以後、RDMと呼ぶ)、13
4a、134b、134c、136a、136b、136cは偏光板、135a、13
5b、135cは透過型の従来のTN液晶パネル、137a、137
b、137cは投写レンズ系である。なお、説明に不要な構
成物、たとえばフィールドレンズなどは図面から省略し
ている。
【0008】上記構成要素よりなる従来の液晶投写型テ
レビについて、以下に各構成要素の関係と動作について
図13を参照しながら説明する。まず、集光光学系 131か
ら出射された白色光はBDM133aにより青色光(以後、
B光と呼ぶ)が反射され、このB光は偏光板134aに入射
される。BDM133aを透過した光はGDM133bにより緑
色光(以後、G光と呼ぶ)が反射され偏光板134bに、ま
た、RDM133cにより赤色光(以後、R光と呼ぶ)が反
射され偏光板134cにそれぞれ入射される。各偏光板134
a、134b、134cでは各色光の縦波成分または横波成分の
一方の光のみを透過させ、光の偏光方向をそろえて各液
晶パネル135a、135b、135cに照射させる。この際、50%
以上の光は前記偏光板134a、134b、134cで吸収され、透
過光の明るさは最大でも半分以下となってしまう。
【0009】各液晶パネルは映像信号により前記透過光
を変調する。変調された光はその変調度合により各偏光
板136a、136b、136cを透過し、各投写レンズ系137a、13
7b、137cに入射して、前記レンズ系によりスクリーン
(図示せず)に拡大投影される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の説明でも明らか
なように、TN液晶を用いた液晶パネル135a、135b、13
5cでは、直線偏光の光を入射させる必要がある。したが
って、TN液晶パネル135a、135b、135cの前後には偏光
板134a、134b、134c、136a、136b、136cを配置する必要
がある。前述の偏光板は理論的に50%以上の光を吸収し
てしまう。したがって、従来の課題としてスクリーンに
拡大投影した際、低輝度画面しか得られないという課題
がある。
【0011】本発明は前述のことを考慮し、すなわちT
N液晶を用いると偏光板により50%以上の光が吸収され
てしまうため、光利用率が低く、高輝度表示が行えない
という課題があり、そこで、偏光板を用いる必要の無い
高分子分散液晶を用い、高輝度表示高コントラストの液
晶パネルおよび液晶投写型テレビを提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の液晶パネルは、対向する2枚の基板のうち
少なくとも一方の基板が透明であり、前記2枚の基板の
対向する面に光透過性を有する電極層が形成され、前記
2枚の基板間に高分子分散液晶層を挟持し、かつ前記2
枚の基板のうち少なくとも一方の基板上で前記高分子分
散液晶層に相対する面に、光透過性を有する等方性媒質
で複数の突起物を形成し、前記突起物間の液晶が一定方
向に配向しているとともに、前記突起物は高分子分散液
晶層を形成する高分子材料を用いて形成する。
【0013】また本発明の液晶投写型テレビは、対向す
る2枚の基板のうち少なくとも一方の基板が透明であ
り、前記2枚の基板の対向する面に光透過性を有する電
極層が形成され、前記2枚の基板間に高分子分散液晶層
を挟持し、かつ前記2枚の基板のうち少なくとも一方の
基板上で前記高分子分散液晶層に相対する面に、光透過
性を有する等方性媒質で複数の突起物を形成し、前記突
起物間の電極層が前記高分子分散液晶層と接していると
ともに、少なくとも前記突起物間の液晶が一定方向に配
向していることを特徴とする液晶パネルと、光発生手段
と、投写レンズとを具備し、前記光発生手段が発した光
を前記液晶パネルに導く第1の光学要素部品として、液
晶パネル内に形成されたストライプ状の突起物と平行な
方向と垂直な方向で曲率が異なり、垂直な方向により大
きな曲率を有するアナモフィックレンズを具備する。ま
た本発明の液晶投写型テレビは、対向する2枚の基板の
うち少なくとも一方の基板が透明であり、前記2枚の基
板の対向する面に光透過性を有する電極層が形成され、
前記2枚の基板間に高分子分散液晶層を挟持し、かつ前
記2枚の基板のうち少なくとも一方の基板上で前記高分
子分散液晶層に相対する面に、光透過性を有する等方性
媒質で複数の突起物を形成し、前記突起物間の電極層が
前記高分子分散液晶層と接しているとともに、少なくと
も前記突起物間の液晶が一定方向に配向していることを
特徴とする液晶パネルと、光発生手段と、投写レンズと
を具備し、前記液晶パネルで変調された光を投影する第
2の光学要素部品として、開口径が方向によって異なる
異形絞りを具備する。
【0014】また赤、青、緑用に用いる液晶パネルのう
ち少なくとも1枚は、他の液晶パネルの突起物のピッチ
あるいは高さを変化させている。
【0015】
【作用】本発明者等は高分子分散液晶を用いることを考
えてきた。高分子分散液晶を用いた液晶パネルは偏光板
を用いないため光利用効率を非常に高くできる。
【0016】以下、高分子分散液晶について説明してお
く。高分子分散液晶は、液晶と高分子の分散状態によっ
て大きく2つのタイプに分けられる。1つは、水滴状の
液晶が高分子中に分散しているタイプである。液晶は、
高分子中に不連続な状態で存在する。以後、このような
液晶をPDLCと呼び、また、前記液晶を用いた液晶パ
ネルをPD液晶パネルと呼ぶ。もう1つは、液晶層に高
分子のネットワークを張り巡らせたような構造を採るタ
イプである。ちょうどスポンジに液晶を含ませたような
格好になる。液晶は水滴状とならず連続に存在する。以
後、このような液晶をPNLCと呼び、また前記液晶を
用いた液晶パネルをPN液晶パネルと呼ぶ。前記2種類
の液晶パネルで画像を表示するためには光の散乱・透過
を制御することにより行なう。
【0017】PD液晶パネルは、液晶が配向している方
向で屈折率が異なる性質を利用する。電圧を印加してい
ない状態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に
配向している。この状態では、高分子と液晶に屈折率の
差が生じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加すると
液晶の配向方向がそろう。液晶が一定方向に配向したと
きの屈折率をあらかじめ高分子の屈折率と合わせておく
と、入射光は散乱せずに透過する。
【0018】これに対して、PN液晶パネルは液晶分子
の配向の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、
つまり電圧を印加していない状態では入射した光は散乱
する。一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光
は透過する。なお、前述のPD液晶パネルおよびPN液
晶パネルの液晶の動きの説明はあくまでもモデル的な考
え方である。本発明においてはPD液晶パネルとPN液
晶パネルのうち一方に限定するものではないが、説明を
容易にするためPD液晶パネルを例にあげて説明する。
また、PD液晶パネルおよびPN液晶パネルを総称して
高分子分散液晶パネルと呼ぶ。さらに、高分子分散液晶
パネルに注入する液晶を含有する液体を総称して液晶溶
液または樹脂と呼び、前記液晶溶液中の樹脂成分が重合
硬化した状態をポリマーと呼ぶ。
【0019】このような分散タイプの液晶表示素子の液
晶層となる高分子分散液晶層におけるポリマーマトリク
スとしては、基本的には透明であれば、熱可塑性樹脂で
も熱硬化性樹脂であってもさしつかえないが、紫外線硬
化型の樹脂が最も簡便で、性能も良く一般に使用される
ことが多い。その理由として従来のTNモード液晶バネ
ルの製造方法がそのまま応用できるためである。従来の
液晶パネルの製造方法として、まず上下2枚の基板にあ
らかじめ所定の電極パターンを形成しておき、この電極
同士が対向するように2枚の基板を重ね合わせる。この
際に所定の大きさの粒径の揃ったスペーサを基板間には
さみこみ、2枚の基板の間隙を保持できるようにした状
態で2枚の基板をエポキシ樹脂のシール材で固定させ
る。次にこのようにして得られた空セルの中に液晶を注
入するといった製造方法が多く用いられている。
【0020】この製造方法を応用して分散タイプの液晶
パネルを製造するためには、ポリマーマトリクスの材料
を紫外線硬化型の樹脂、特にその一例としてアクリル系
の樹脂を用いれば、注入前においてはモノマーあるいは
/およびオリゴマーといった比較的低粘度な前駆体とし
て存在し、液晶とのブレンド物は常温で注入するのに十
分な流動性を有しているので、従来の液晶パネルの製造
方法を応用して、注入後に光照射して硬化反応を進めて
高分子分散液晶層を形成するという方法を用いれば容易
に分散タイプの液晶パネルを作成できる。
【0021】また、注入した後にパネルに紫外線を照射
することによって樹脂のみ重合反応を起こしてポリマー
となり、液晶のみ相分離して、樹脂分と比較して液晶の
量が少ない場合は独立した粒子状の液晶滴が形成され、
一方液晶の量が多い場合は高分子マトリクスが液晶材料
中に粒子状またはネットワーク状に存在し、液晶が連続
層を成すように形成される。この際に液晶滴の粒子径、
もしくはポリマーネットワークの孔径がある程度均一で
なおかつ大きさとしては 0.1μm〜数μmの範囲でなけ
れば光の散乱性は悪く、コントラストが上がらない。こ
のためには比較的短時間で硬化が終了しうる材料でなけ
ればならず、紫外線硬化型樹脂が望ましい。
【0022】高分子分散液晶パネルの動作について図14
(a)(b)を用いて簡単に述べる。図14(a)(b)
は高分子分散液晶パネルの動作の説明図である。図14
(a)(b)において、 141はアレイ基板、 142は画素
電極、 143は対向電極、 144は水滴状液晶、 145はポリ
マー、 146は対向基板である。画素電極 142にはTFT
などが接続され、TFTのオン・オフにより画素電極に
電圧が印加されて、画素電極上の液晶配向方向を可変さ
せて光を変調する。図14(a)に示すように電圧を印加
していない状態では、それぞれの水滴状液晶 144は不規
則な方向に配向している。この状態ではポリマー 145と
液晶とに屈折率差が生じ入射光は散乱する。ここで図14
(b)に示すように画素電極に電圧を印加すると液晶の
方向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈折率
をあらかじめポリマーの屈折率と合わせておくと、入射
光は散乱せずにアレイ基板 141より出射する。
【0023】以上のように、高分子分散液晶パネルは偏
光板を用いないため、光利用効率が高く、非常に高輝度
の表示画像が得られる。しかし、前記液晶を液晶パネル
に用いようとすると次の課題がある。
【0024】一つは高分子分散液晶層と対向電極あるい
は画素電極との剥離である。これはITOなどで構成さ
れる電極と高分子分散液晶層との密着度が低いために発
生する。液晶投写型テレビでは光源としてのランプ点灯
時には液晶パネルには50〜60度の温度が印加され、逆に
消灯時には室温の10〜30度となる。したがって、液晶投
写型テレビの電源をオン・オフすることにより液晶パネ
ルはヒートショック試験を行なわれているような過酷な
状態にさらされる。このヒートショック状態などにより
前述の剥離が発生する。
【0025】他の1つは散乱特性が悪いという点であ
る。この高分子分散型液晶パネルをデバイスとして実用
化しうる際には低電圧で駆動でき、十分なコントラスト
を有していることが要求される。表示性能に最も影響を
およぼす特性がこのコントラストであり、直視のもので
30:1以上、投写のもので 200:1以上が望まれ、これ
以上のものでは表示の認識が不十分となる。コントラス
トを大きくするためには黒レベルでの透過率をできるだ
け小さく抑える。すなわち、光散乱特性を高めることが
必要である。高分子分散液晶パネルに於いて光散乱性能
を向上させるには、高分子マトリクス内の液晶滴の粒径
の最適化、液晶材料のΔnの増大、液晶滴内の液晶分子
のランダム度の増加などの手法が考えうる。しかし、現
状では高分子分散液晶パネルの光散乱特性はまだまだ低
く、理想的な散乱状態である完全拡散状態には達してい
ない。
【0026】特に投写型ディスプレイとして用いる場
合、現状一般的に用いられているFナンバーが4〜5の
投写レンズを用いると、現状の高分子分散液晶パネルを
使用した場合の白表示と黒表示の明るさの比は約50:1
であり、コントラストの悪い表示となる。
【0027】ここで高分子分散液晶を用いた液晶パネル
について説明する。ポリマーの屈折率np と同一または
その近傍の屈折率の光透過性材料で突起物を形成し、光
透過性材料の屈折率nt とする。また、液晶の常光屈折
率no ,異常光屈折率をne とし、np =no とする。
図14(a)に示すようにオフ状態のとき、液晶層の全体
としての屈折率nx はマクロ的にポリマーの屈折率
p 、液晶の屈折率no とne があわさった屈折率を示
す。ただし液晶が配向している場合には液晶の見かけの
屈折率は(no +ne )/2となり、屈折率を大きく取
ることが可能となってくる。突起物の屈折率nt とnx
は異なるため、両者間に屈折率差が生じる。液晶パネル
に入射した光は突起物により回折され、直進する成分が
少なくなる。言い変えればこの突起物は回折格子として
作用する(以下突起物は回折格子と呼ぶ)。このことは
散乱状態がみかけ上高くなることを意味する。図14
(b)に示すようにオン状態のとき、液晶分子は一定の
方向にならび、np =no =nx となる。したがって、
p =nt =nx となる。このことは液晶層の屈折率n
x と回折格子の屈折率nt の屈折率差が無くなることを
意味する。したがって、回折格子が形成されてないのと
同一の状態となるから、入射光はそのまま直進する。液
晶層とポリマーおよび液晶層と回折格子の屈折率差が大
きければ、その散乱性能および回折効率は大きくなる。
【0028】また、回折格子の形成は対向電極あるいは
画素電極上に凹凸を形成していることになる。このこと
は液晶層と前記電極間の密着性を高める。回折格子の材
料に光透過性材料を選定すれば、画素の開口率は低下し
ない。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例の液晶パネルについて説明する。図1(a)は一実施
例の液晶パネルの一画素の平面図である。ただし、図面
を見易くするために従来例と同様に図1(a)からは対
向電極基板などを省略している。また、先にも述べたよ
うに、図面はモデル的に描いている。たとえば、回折格
子の本数、幅、形状などもこれに該当する。つまり、こ
の本数、幅などに限定するものではない。具体的には、
画素サイズは 200〜30μm、回折回子のピッチPは30〜
2μmである。したがって、通常図1に示すよりも回折
格子の本数は多い。図1(b)は図1(a)のA−A′
線での断面図である。なお、図2(a)は図1(a)の
アレイ基板16上に対向基板21を取り付け、高分子分散液
晶23を前記基板間に注入したときの断面図である。図2
(a)ではゲート信号線11、ソース信号線12ならびにT
FT遮蔽するブラックマトリックスを省いたが、対向基
板21に設けても良い。図1(a)(b)において、15は
アレイ基板16上に形成された突起物(回折格子)であ
る。回折格子の材料としてはSiOx,SiNx,Ta
Ox、ガラス系物質などの無機物質、ポリイミド、アク
リル系樹脂などの有機物質などが例示される。材料の選
定としては高分子分散液晶層23のポリマーの屈折率に対
応して決める。各材料の屈折率は液晶の常光屈折率no
は1.45〜1.55、液晶の異常光屈折率ne は1.65〜1.80、
ポリマーの屈折率np は1.45〜1.55のものがよく用いら
れる。またnp =no にしておく場合が多い。
【0030】回折格子の誘電率も、使用する液晶の配向
ベクトルに垂直な方向の誘電率より大きく、平行の誘電
率より小さいものがよい。好ましくは使用する液晶の配
向ベクトルに平行な方向の誘電率と一致させる。このよ
うにすることにより回折格子の上部の液晶層にも充分な
電界を与えることができるとともにその電界方向も基板
と垂直な方向となる。
【0031】前記液晶パネルに用いる液晶材料としては
ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液
晶が好ましく、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物
や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であってもよ
い。また、先に述べた液晶材料のうち異常光屈折率ne
と常光屈折率no の差の比較的大きいシアノビフェニル
系のネマチック液晶が最も好ましい。高分子マトリック
ス材料としては透明なポリマーが好ましく、ポリマーと
しては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂の
いずれであっても良いが、製造工程の容易さ、液晶相と
の分離などの点より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるの
が好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系
樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化する
アクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するもの
が好ましい。
【0032】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリレートなどである。
【0033】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレートなどが挙げられる。また
重合を速やかに行なうために重合開始剤を用いても良
く、この例として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア
1173」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1116」)、1−ビドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン(チバガイギー社製「イルガキュア184
」)、ベンジルメチルケタール(チバガイギー社製
「イルガキュア651 」)などが挙げられる。
【0034】その他に任意成分として連鎖移動剤、光増
感剤、染料、架橋剤などを適宜併用することができる。
この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均一に溶解させ
た液状ないしは粘稠物を2枚の基板間に注入させた後
に、紫外線照射を行って紫外線硬化性化合物のみを硬化
させ、その際に液晶材料のみ相分離して高分子分散液晶
層が形成される。
【0035】高分子分散液晶層中の液晶材料の割合はこ
こで規定してないが、一般には20重量%〜90重量%程度
が良く、好ましくは50重量%〜70重量%程度が良い。20
重量%未満であると液晶滴の量が少なく、散乱の効果が
乏しい。また90重量%超となると高分子と液晶が上下2
層に相分離する傾向が強まり、界面の割合は小さくなり
光散乱は低下する。高分子分散液晶層の構造は液晶分率
によって変わり、だいたい50重量%未満では液晶滴は独
立したドロップレット状として存在し、50重量%以上と
なると高分子と液晶が互いに入り組んだ連続相となる。
【0036】たとえば紫外線照射を行う際に、パネルの
基板面と平行な方向に磁界を印加し、2枚の基板間に注
入した液晶分子をその磁界方向に配向させたまま紫外線
を照射するとそのまま液晶分子は固定され、図2(b)
の斜視図に模式的に示すように液晶分子24は回折各子15
と平行にその分子長軸を並べて配向する。このとき液晶
層の見かけの屈折率は(no +ne )/2となる。
【0037】正の誘電異方性を有する液晶を用いた場合
を考える。オフ状態のときの液晶層23の屈折率nx
(no +ne )/2で示される。逆にオン状態のときは
o となる。したがって、液晶がオフ状態のとき回折格
子を出現させ、オン状態のとき回折格子を消滅させるた
めには、回折格子の屈折率nt =no もしくは、その近
傍の値となるようにすればよい。つまり、液晶がオフ状
態のときは液晶層の屈折率nx は(no +ne )/2で
あるからnt ≠nx であり、回折格子15と液晶層23に屈
折率差Δn=(no −ne )/2が生じる。逆に液晶が
オン状態のときは液晶層の屈折率はno となるからno
=np となり、nt =np となる。つまり、回折格子15
と液晶層23に屈折率差がなくなる。
【0038】もし液晶分子24が配向せずランダムな方向
を向いていると考えた場合のオフ状態のときの液晶層23
の屈折率nx は(2no +ne )/3となる。回折格子
15と液晶層23との屈折率差Δn=(ne −no )/3と
なる。これと比較すると液晶分子24を配向させた場合の
方が回折格子15と液晶層23との屈折率差Δnを大きく取
れる。すなわち回折効率を大きくすることができる。
【0039】また回折格子の屈折率nt とポリマーの屈
折率np の屈折率差は0.1 以内にすることが望ましく、
さらには0.1 以内の材料を選定すべきである。以上の検
討から、回折格子の形成材料としては、現状の無機材料
としてはプロセス上形成・加工が容易なSiO2 が適し
ていると考えられる。SiO2 の屈折率は通常1.45〜1.
50程度である。また、形成方法としてはSiO2 を蒸着
後、パターンマスクを形成しエッチングすればよい。ま
た、有機材料としては、液晶層23に用いるものと同一の
透明なポリマーを用いるのが最適である。上記のような
材料を用いた回折格子の形成方法としては、ロールクォ
ーターあるいはスピンナーなどで基板上に塗布し、パタ
ーンマスクを用いて必要な部分のみ重合するなどすれば
よい。また、ポリマー+ドーパントからなる感光性樹脂
を基板にスピンコートし、パターンマスクを介して露光
したのち、減圧加熱によりドーパントを昇華させる方式
でドライ現像する方法もある。
【0040】回折格子15のピッチp,高さdは変調する
光の波長λ,液晶層23の屈折率および光学系の光の指向
性および必要とする回折効率などによりかなり異なる。
電圧無印加の状態で、出射光線は散乱および回折の影響
を受けている。たとえば図1の如く、回折格子15が矩形
断面形状の場合は回折角度θ、および0次回折光の効率
η0 は以下のように与えられる。
【0041】 sinθ=mλ/p(但しmは回折次数) η0 =0.5 *(1+cosδ) 但し、δ=2πΔnd/λ したがって、ピッチp・高さdは光学系の光の指向性,
回折角度θ,波長λにより決定すべきである。しかし、
回折格子形成上のプロセス条件などに左右されることも
多い。およそピッチtは2μm〜60μmであり、中でも
4μm〜20μmが最適である。なお、プロセス上、回折
格子の形状はサインカーブ状あるいは台形状となること
が多いが、所望の回折効率・回折角度にあわせて設計す
れば、その効果には問題がない。このことは以下の他の
実施例についても同様である。
【0042】また、液晶層の膜厚は5μm〜25μmの範
囲が好ましく、内でも8μm〜15μmの範囲が好まし
い。これは、膜厚が25μm超になると液晶パネルに入射
した光は完全拡散状態となり散乱特性が良好となるが、
駆動に高電圧が必要になる。一方、膜厚が5μm未満で
あれば低い電圧で駆動できるが散乱特性が悪くなり、コ
ントラストが低くなる。
【0043】液晶分子24を配向させる他の方法としては
従来TNモード液晶で用いられているようにラビング処
理などで直接回折格子15を布などでこすりつけても良
い。以下、本発明の第2の実施例について説明するが、
説明は第1の実施例との差異のみにとどめる。したがっ
て、説明のない事項は第1の実施例と同様である。以上
のことは以下の他の実施例についても同様である。図3
(a)は本発明の第2の実施例における液晶パネルの断
面図である。第2の実施例における液晶パネルでは、画
素電極14上に形成した突起物35の間の画素電極上にも、
突起物35を構成する材料が薄膜状に形成されている。こ
の部分の厚みはおよそ 200オングストロームから1ミク
ロン程度が好ましく、あまり厚くなると電圧降下が起こ
り、液晶に電界がかからなくなり駆動しなくなる。この
突起物35間をラビング処理することで図3(b)の斜視
図に模式的に示すように、液晶分子24を配向させる。
【0044】以下、本発明の第3の実施例について説明
する。図4(a)に本発明の液晶パネルの一画素の平面
図を示す。画素電極14上には、ブロック状、あるいは柱
状に突起物45が一定の間隔をおいて形成されている。第
1または第2の実施例では、突起物はストライプ状に形
成されていたために、入射した光は1次元にしか回折し
なかった。本実施例のように突起物を形成すれば、入射
した光は2次元に回折する。第1または第2の実施例の
ように液晶を配向させることにより、さらに散乱および
回折の効果を高める。図4(b)は図4(a)のB−
B′線での断面図である。
【0045】以下、図面を参照しながら本発明の液晶投
写型テレビについて説明する。図5は本発明の液晶投写
型テレビの一実施例の構成図である。ただし、説明に不
要な構成要素は省略している。図5において、51は集光
光学系であり、内部に凹面鏡および光発生手段として25
0 Wのメタルハライドランプを有している。また凹面鏡
は有視光のみを反射させるように構成されている。さら
に集光光学系51の出射端には紫外線カットフィルタが配
置されている。52は赤外線を透過させ有視光のみを反射
させる赤外線カットミラーである。ただし、赤外線カッ
トミラー52は集光光学系51の内部に配置してもよいこと
は言うまでもない。また、53aはBDM、53bはGD
M、53cはRDMである。なお、BDM53aからRDM
53cの配置は前記の順序に限定するものではなく、ま
た、最後のRDM53cは全反射ミラーにおきかえてもよ
いことは言うまでもない。
【0046】54a、54bおよび54cは本発明の液晶パネ
ルである。なお、液晶パネルのうちR光を変調する液晶
パネル54c内に形成される回折格子の高さdを他の液晶
パネルの回折格子の高さdよりも 0.2μm〜1.0 μm高
く形成している。これは、回折度合は変調する光の波長
に依存するためである。また、必要に応じて青光変調用
の液晶パネル54aの回折格子の高さも緑用に比較して
0.2μm〜1.0 μm低く形成する。また、R光を変調す
る液晶パネル54cは他の液晶パネルに比較して水滴状液
晶粒子径を大きく、もしくは液晶膜厚も厚めに構成して
いる。これは光が長波長になるほど散乱特性が低下する
ためである。水滴状液晶の粒子径は、重合させるときの
紫外線光を制御することあるいは使用材料を変化させる
ことにより制御が可能である。液晶膜厚は液晶層中のビ
ーズ径を変化することにより調整できる。55a、55b、
55c、57a、57bおよび57cはレンズ、56a、56bおよ
び56cは絞りとしてのアパーチャである。なお、55、56
および57で投写レンズ系を構成している。また、アパー
チャ56は投写レンズ系のFNo.が大きいとき必要がな
いことは明らかである。
【0047】以下、本実施例の液晶投写型テレビの動作
について説明する。なお、赤(R)緑(G)、青(B)
光のそれぞれの変調系については、ほぼ同一動作である
のでB光の変調系について例にあげて説明する。まず集
光光学系51から白色光が照射され、前記白色光のB光成
分はBDM53aにより反射される。このB光は高分子分
散液晶パネル54aに入射する。散乱した光はアパーチャ
56aで遮光され、逆に平行光または所定角度内の光はア
パーチャ56aを通過する。変調された光は投写レンズ57
aによりスクリーン(図示せず)に拡大投影される。以
上のようにして、スクリーンには画像のB光成分が均一
に表示される。同様に高分子分散液晶パネル54bはG光
成分の光を変調し、また、高分子分散液晶パネル54cは
R光成分の光を変調して、スクリーン上にはカラー画像
が表示される。
【0048】投写レンズ系の配置などは、以下のとおり
である。まず、液晶表示装置の高分子分散液晶パネル54
とレンズ55との距離Lと、レンズ55とアパーチャ56まで
の距離はほぼ等しくなるように配置される。以上のよう
な投写レンズ系は各液晶パネルを透過した平行光線を透
過させ、各液晶パネルで散乱した光を遮光させる役割を
果たす。その結果、スクリーン上に高コントラストのフ
ルカラー表示が実現できる。アパーチャの開口径Dを小
さくすればコントラストは向上する。しかし、スクリー
ン上の画像輝度は低下する。
【0049】本発明の液晶パネルの液晶層の膜厚が、10
μm〜15μmのときレンズの集光角θは全角で8度以下
にする必要があった。中でも6度前後が最適であり、そ
のとき、コントラストは画面中心部で 100:1であり、
リア方式テレビで40インチスクリーンに投写した際、ス
クリーンゲイン5で 200ft−L以上であり、CRT投
写型テレビと比較して、同等以上の画面輝度を得ること
ができた。ランプは短アークのものを用いる。より具体
的には図5の構成図は一例として図6に示す斜視図など
で示される。図6において51は集光光学系、53はダイク
ロイックミラー、54は本発明の液晶パネル、61、62はレ
ンズ、63はミラー、64a、64bおよび64cは投写レンズ
またはアパーチャを具備した投写レンズ系である。
【0050】ところが回折格子を有する高分子分散液晶
パネルにおいては、出射する光の波面方向によって散乱
(回折)の度合いが異なる。図7に本発明の液晶パネル
がOFF時にパネルより出射される光の強度分布をモデ
ル的に示した。図7(a)に回折格子15と垂直な方向の
波面の光の強度分布を示した。このとき入射した光は散
乱するとともに、回折して出射する。ところが図7
(b)に示すように、回折格子15と平行な方向の波面の
光の強度分布は回折は全くせず散乱の影響のみしか受け
ていない。このようにそれぞれの光の振動方向で散乱
(回折)効果に差が生じる。そこで図8に本発明の液晶
投写型テレビの第2の実施例を示すが、光がパネルに入
射する前にアナモフィックレンズ88a、88b、88cを配
し、あらかじめ光の広がり角度に差をもたせてからパネ
ルに光を入射させることにより散乱性能の異方向性を補
正する。この補正は、パーチャ86a、86b、86cの開口
率をパネルの散乱特性の違いに合わせてその方向によっ
て異なるような形状に開けることによっても可能であ
る。
【0051】また、本発明の液晶パネルの構成はTFT
に限定するものではなく、ダイオードなどの2端子素子
をスイッチング素子として用いる液晶表示装置でも有効
である。
【0052】また、図5または図8においては光は対向
基板側から入射させるとしたが、これに限定するもので
はなく、アレイ基板から入射させても同様の効果が得ら
れることは明らかである。以上のように、本発明の液晶
パネルおよび液晶投写型テレビは光の入射方向に左右さ
れるものではない。
【0053】また、本発明の液晶投写型テレビの実施例
においてはリア型液晶投写型テレビのように表現した
が、これに限定するものではなく反射型スクリーンに画
像を投影するフロント型液晶投写型テレビでもよいこと
は言うまでもない。さらに、本実施例の液晶投写型テレ
ビにおいては、ダイクロイックミラーにより色分離を行
なうとしたがこれに限定するものではなく、たとえば吸
収型色フィルタを用いて、色分離を行なってもよい。
【0054】また、本発明の液晶パネルは透過型液晶パ
ネルのように説明したが、これに限定するものではな
く、反射型液晶パネルでもよい。その場合は、画素電極
を金属物質で反射電極にすればよい。回折格子は対向電
極あるいは前記反射電極上に形成する。
【0055】また、本実施例の液晶投写型テレビにおい
ては、R,GおよびB光の変調系において投写レンズ系
をそれぞれ1つずつ設けているが、これに限定するもの
ではなく、たとえばミラーなどを用いて液晶パネルによ
り変調された表示画像を1つにまとめてから1つの投写
レンズ系に入射させて投影する構成であってもよいこと
は言うまでもない。さらに、R・G・B光それぞれを変
調する液晶パネルを設けるとしたが、これに限定するも
のではない。たとえば、一枚の液晶パネルにモザイク状
のカラーフィルタを取付け、前記パネルの画素を投影す
る単パネル投写型テレビでもよい。
【0056】
【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明の液晶パネルでは高分子分散液晶を用いてい
るため、TN液晶を用いた液晶パネルに比較して2倍以
上の高輝度画面を得ることができる。また、液晶パネル
内に回折格子を形成しており、液晶がオン状態のときは
液晶層23とのほぼ屈折率差がなくなり、回折格子が形成
されていない状態となる。したがって、液晶パネルに入
射した光は回折されることなくそのまま直進する。逆に
液晶がオフ状態時は、液晶層23と回折格子間に屈折率差
が生じ、回折格子が機能する。したがって、液晶パネル
に入射した光は回折される。このことは直進する光の量
が減少することを意味する。以上の回折の効果により液
晶パネルのコントラストは大幅に向上する。
【0057】また、回折格子は光透過性物質で形成して
いるので、画素の開口率を低下することがない。また本
発明によれば、高分子分散液晶層23内の液晶分子の配列
をあらかじめ揃えることで見かけの屈折率を高くし、液
晶とポリマーおよび液晶と回折格子の屈折率差を大きく
することができる。このことはそれぞれ散乱特性、回折
効率を向上させる。
【0058】以上の本発明の液晶パネルを本発明の液晶
投写型テレビに用いるとその効果は著しい。光の回折効
果により画像のコントラストを大幅に向上できる。ま
た、本発明では、アナモフィックレンズならびに異形絞
りを用いることによって、画面の明るさを均一に、かつ
コントラスト比を均一に得ることができる。また光の利
用効率も上がるために明るい表示が得られる。さらに本
発明では、特に主としてR用の液晶パネルの回折格子の
高さ、液晶層の膜厚または水滴状液晶径を他のパネルと
変化させることにより画像全体としてのコントラストを
大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルの第1の実施例の平面図お
よび断面図
【図2】本発明の液晶パネルの第1の実施例の断面図お
よび斜視図
【図3】本発明の液晶パネルの第2の実施例の断面図お
よび斜視図
【図4】本発明の液晶パネルの第3の実施例の平面図お
よび断面図
【図5】本発明の液晶投写型テレビの第1の実施例の構
成図
【図6】本発明の液晶投写型テレビの他の実施例の構成
【図7】本発明の液晶パネルより出射する光の強度分布
【図8】本発明の液晶投写型テレビの第2の実施例の構
成図
【図9】従来の液晶パネルの平面図
【図10】従来の液晶パネルの平面図および断面図
【図11】従来の液晶パネルの断面図
【図12】TN液晶パネルの動作の説明図
【図13】従来の液晶投写型テレビの構成図
【図14】高分子分散液晶パネルの動作の説明図
【符号の説明】
11 ゲート信号線 12 ソース信号線 13 TFT形成位置 14 画素電極 15 突起物 16 アレイ基板 21 対向基板 22 対向電極 23 高分子分散液晶層 24 液晶分子 51 集光光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−86731(JP,A) 特開 昭63−137211(JP,A) 特開 平4−232917(JP,A) 特開 平3−23422(JP,A) 特開 昭62−235924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334 H04N 5/66 102 H04N 5/74 G02F 1/13 505

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2枚の基板のうち少なくとも一
    方の基板が透明であり、前記2枚の基板の対向する面に
    光透過性を有する電極層が形成され、前記2枚の基板間
    に高分子分散液晶層を挟持し、かつ前記2枚の基板のう
    ち少なくとも一方の基板上で前記高分子分散液晶層に相
    対する面に、光透過性を有する等方性媒質で複数の突起
    物を形成し、前記突起物間の液晶が一定方向に配向して
    いるとともに、前記突起物は高分子分散液晶層を形成す
    る高分子材料を用いて形成されることを特徴とする液晶
    パネル。
  2. 【請求項2】 対向する2枚の基板のうち少なくとも一
    方の基板が透明であり、前記2枚の基板の対向する面に
    光透過性を有する電極層が形成され、前記2枚の基板間
    に高分子分散液晶層を挟持し、かつ前記2枚の基板のう
    ち少なくとも一方の基板上で前記高分子分散液晶層に相
    対する面に、光透過性を有する等方性媒質で複数の突起
    物を形成し、前記突起物間の電極層が前記高分子分散液
    晶層と接しているとともに、少なくとも前記突起物間の
    液晶が一定方向に配向していることを特徴とする液晶パ
    ネルと、光発生手段と、投写レンズとを具備し、前記光
    発生手段が発した光を前記液晶パネルに導く第1の光学
    要素部品として、液晶パネル内に形成されたストライプ
    状の突起物と平行な方向と垂直な方向で曲率が異なり、
    垂直な方向により大きな曲率を有するアナモフィックレ
    ンズを具備することを特徴とする液晶投写型テレビ。
  3. 【請求項3】 対向する2枚の基板のうち少なくとも一
    方の基板が透明であり、前記2枚の基板の対向する面に
    光透過性を有する電極層が形成され、前記2枚の基板間
    に高分子分散液晶層を挟持し、かつ前記2枚の基板のう
    ち少なくとも一方の基板上で前記高分子分散液晶層に相
    対する面に、光透過性を有する等方性媒質で複数の突起
    物を形成し、前記突起物間の電極層が前記高分子分散液
    晶層と接しているとともに、少なくとも前記突起物間の
    液晶が一定方向に配向していることを特徴とする液晶パ
    ネルと、光発生手段と、投写レンズとを具備し、前記液
    晶パネルで変調された光を投影する第2の光学要素部品
    として、開口径が方向によって異なる異形絞りを具備す
    ことを特徴とする液晶投写型テレビ。
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