JP2777193B2 - ペプチドの製造方法 - Google Patents

ペプチドの製造方法

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JP2777193B2
JP2777193B2 JP1132895A JP13289589A JP2777193B2 JP 2777193 B2 JP2777193 B2 JP 2777193B2 JP 1132895 A JP1132895 A JP 1132895A JP 13289589 A JP13289589 A JP 13289589A JP 2777193 B2 JP2777193 B2 JP 2777193B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ペプチドの製造方法に関するものであり、
詳しくは環状ペプチド、例えば合成カルシトニン誘導体
の合成中間体として有用な環状ペプチドの製造方法に関
する。
(従来の技術) 従来より、強力な血清カルシウム及びリン低下、骨形
成促進作用及び骨吸収抑制作用、尿中リン***促進作用
等の優れた薬理作用を有するポリペプチドとして、カル
シトニンが広く知られている。カルシトニンは、ヒトな
どの各種哺乳動物の甲状腺から、又は魚類、円口類、鳥
類の鰓後体から抽出採取され、そのアミノ酸配列が明ら
かにされており、この配列に基づき類似構造の合成カル
シトニンに関する報告も多く存在する。動物由来のカル
シトニンは、いずれも32個の構成アミノ酸からなるポリ
ペプチドであって、その1番目と7番目のアミノ酸がシ
ステインであり、両者のメルカプト基がジスルフィド結
合を形成し、そしてカルボキシル基末端がプロリンアミ
ドである点で全て共通している。
合成カルシトニン誘導体としては、1及び7番目のシ
ステインを次式: (式中、nは3〜7の整数を表す。) で示されるα−アミノ酸で置き換えたものが知られてお
り、そこでは次式: (式中、AはSer、Gly又はAlaを、BはAsn又はSerを、
Xは水酸基又はペプチド化学で常用のカルボキシル基の
保護基又はカルシトニンの相当するアミノ酸残基もしく
はペプチド残基を、Rは活性エステル残基を表し、nは
前記と同義であり、各アミノ酸残基はペプチド化学で常
用の保護基で保護されていてもよい) で示されるペプチドを液相中で環化反応に付し、カルシ
トニンの一部に相当するペプチドフラグメントを液相中
で更にカップリングさせること(以下「液相合成法」と
いう。)により、目的とするカルシトニン誘導体を合成
している(特公昭53−41677号公報、特開昭61−112099
号公報、特開昭63−203699号公報、ファルマシアレビュ
ーNo.3「新しい薬を求めて 生理活性ペプチド」(ファ
ルマシアレビュー編集委員会編)153−154頁等)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の液相合成法ではアミノ酸の数が
増すに従ってその溶解度が微妙に変化し、適当な溶媒を
見出すのが次第に困難になり、それにつれて未反応物や
副生成物との分離の困難さも増大してくる。特に、環化
反応においては副生成物の生成を極力抑えるため、溶媒
で希釈しながら合成し、溶媒を大過剰に使用するため、
反応後の処理が困難で不経済なことから工業的に充分満
足できるものではなかった。
本発明者は、蛋白分解酵素を用いた酵素化学的縮合に
より環化反応を行うことにより、その目的を達成しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、保護基、溶
媒、その他に関し略号で表示する場合、IUPACの規定、
あるいは当該分野における慣用記号に従い、次のとおり
表記する。ただし、アミノ酸等に関し光学異性体がある
場合は、特に明示しなければL体を示す。
Tyr チロシン残基 Ile イソロイシン残基 Gly グリシン残基 Ser セリン残基 Arg アルギニン残基 Asp アスパラギン酸残基 Lys リジン残基 Pro プロリン残基 Leu ロイシン残基 Thr スレオニン残基 Glu グルタミン酸残基 Gln グルタミン残基 Val バリン残基 Asn アスパラギン残基 His ヒスチジン残基 Ala アラニン残基 Met メチオニン残基 Phe フェニルアラニン残基 Boc t−ブトキシカルボニル Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Bz ベンジル Z ベンジルオキシカルボニル Tos トシル OMe メチルエステル OBz ベンジルエステル ONP p−ニトロベンジルエステル OSu N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル TFA トリフルオロ酢酸 THF テトラヒドロフラン DMF ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド HMPA ヘキサメチルホスホリルトリアミド DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド WSC N−エチル−N′−ジメチルアミノプロピルカ
ルボジイミド HOSu N−ヒドロキシコハク酸イミド HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HONB N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸イミド MeOH メタノール EtOH エタノール AcOH 酢酸 [発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、 次式(I): (式中、AはSer、Gly又はAlaを、BはAsn又はSerを、
Xは水酸基又はペプチド化学で常用のカルボキシル基の
保護基又はカルシトニンの相当するアミノ酸残基もしく
はペプチド残基を、nは3〜7の整数を表し;各アミノ
酸残基はペプチド化学で常用の保護基で保護されていて
もよい) で示されるペプチドを蛋白分解酵素で処理することを特
徴とする次式(II): (式中の記号は前記と同義である) で示されるペプチドの製造方法に関するものである。
前記(I)及び(II)において、Xで表されるカルボ
キシル基の保護基は、カルボキシル基の保護基としてペ
プチド化学で常用のものであれば特に制限はなく、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;ベンジルオ
キシ基、p−ニトロベンジルオキシ基、p−クロロベン
ジルオキシ基、ベンズヒドリルオキシ基等のアラルキル
オキシ基;カルボベンゾキシヒドラジノ基、tert−ブチ
ルオキシカルボニルヒドラジノ基、トリチルヒドラジノ
基等の置換ヒドラジノ基が挙げられる。
Xで表わされるカルシトニンの相当するアミノ酸残基
としては、例えばVal、Metが挙げられる。
Xで表わされるカルシトニンの相当するペプチド残基
としては、例えば、次式: -C-Leu-D-E-F-G-H-I-J-K-L-M-N-O-P-Q-R-S-T-U -Gly-V-W-Y-Pro-NH (式中、CはVal又はMetを、 DはSer又はGlyを、 EはLys、Thr又はAlaを、 FはLeu又はTyrを、 GはSer、Thr又はTyrを、 HはGln、Lys又はArgを、 IはGlu、Asp又はAsnを、 JはLeu又はPheを、 KはHis又はAsnを、 LはLys又はAsnを、 MはLeu、Phe又はTyrを、 NはGln又はHisを、 OはThr又はArgを、 PはTyr又はPheを、 QはPro又はSerを、 RはArg、Gly又はGlnを、 SはThr又はMetを、 TはAsp、Ala、Asn又はGlyを、 UはVal、Ile、Thr又はPheを、 VはAla、Gly、Pro又はSerを、 WはGly又はGluを、 YはThr、Ala又はValを表す) で示されるペプチド残基又はそのフラグメントが挙げら
れる。Xで表されるペプチド残基は、Leu、Val、Ile、P
he等の脂溶性アミノ酸を含まないほうが好ましい。蛋白
分解酵素は、これらのアミノ酸のN端側の合成、分解の
平衡反応に関与するので、目的以外の結合部分の分解を
伴う可能性があるからである。
前記(I)又は(II)で示されるペプチドにおいて、
各アミノ酸残基はペプチド化学で常用の保護基で保護さ
れていてもよい。
かかるペプチド化学で常用の保護基のうち、カルボキ
シル基の保護基としては、Xで表されるカルボキシル基
の保護基として前述したものと同様のものが挙げられ
る。
また、アミノ基の保護基としては、例えば、Z、Bo
c、Fmoc、tert−アミルオキシカルボニル基、イソボニ
ルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカ
ルボニル基、2−クロロベンジルオキシカルボニル基、
アダマンチルオキシカルボニル基、トリフルオロアセチ
ル基、フタリル基、ホルミル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、ジフェニルホスフィノチオイル基等が挙
げられる。
本発明に用いる前記式(I)で示されるペプチドは、
例えば、次のようにして製造することができる。
即ち、次式: (式中、Yはカルボキシル基の保護基、例えば低級アル
キル基を表し、nは前記と同義である) で示されるα−アミノ酸、例えばアミノスベリン酸−α
−低級アルキルエステルにN保護スレオニンを混合酸無
水物法等で縮合し、次いでアミノスベリン酸側鎖カルボ
キシル基を活性化させた後、セリルアスパラギンと縮合
し、得られたテトラペプチドにN保護セリン、N保護ロ
イシンを混合酸無水物法、活性エステル法等の通常のペ
プチド合成法に従い縮合することにより得られる。
本発明の特徴は、前記式(I)で示されるペプチドを
蛋白分解酵素で処理して液相法で環化させる点にある。
従来、蛋白分解酵素は主としてペプチド結合の開裂に
使用されてきたが、その逆反応であるペプチド結合の生
成反応にも使用し得ることが知られている。しかし、こ
れらのペプチド結合生成反応は直鎖オリゴペプチド等の
ペプチド結合生成反応に使用されており、またこれらの
ペプチド結合生成反応は蛋白分解酵素が有機溶媒中で不
溶であるため、水系での使用に限られていた。
本発明に用いる蛋白分解酵素としては、特に制限はな
く、例えば、サーモライシン、プロリシン、タシナーゼ
等の金属プロテアーゼを挙げることができる。
サーモライシンは、国際生化学連合(IUB)酵素委員
会に酵素番号EC.3.4.24.4として登録されており、Bacil
lus thermoproteoliticusが産生する酵素で、大和化成
社などから市販されている。また、プロリシンはBacill
us subtilis var.amyloliquefaciensが産生する酵素
で、上田化学者などから、タシナーゼNはStreptomyces
caespitosusが産生する酵素で、協和発酵工業社から、
それぞれ市販されている。
本発明の蛋白分解酵素による環化反応は、pH4〜10、
好ましくはpH5〜8の緩衝液を含むもしくは含まない媒
質中で行われる。
用いる緩衝液はpH値が前記範囲内のものであれば、そ
の種類は特に限定されるものではなく、各種のものを使
用することができ、例えば、トリス塩酸緩衝液、マック
イルベイン緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸アンモニウム緩
衝液、アトキンス&パンチン氏緩衝液、ベロナール緩衝
液等を挙げることができる。
これらの緩衝液を反応媒質として使用する場合、該緩
衝液は通常、水混和性有機溶媒と混合して使用される。
反応媒質の一部として用いうる該水混和性有機溶媒とし
ては、例えば、DMF、DMSO、HMPA、MeOH、EtOH等を挙げ
ることができ、これらのうち、DMF、MeOH、EtOHが特に
好ましい。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で又は2種
もしくはそれ以上組合わせて使用してもよい。
溶媒中のペプチド濃度は厳密に制限されるものではな
いが、ペプチドは低濃度がよく、ペプチド1g当り溶媒は
1以上が望ましい。
前記緩衝液と該水混和性有機溶媒の混合割合は、緩衝
液対有機溶媒の容積比で一般に2:8乃至8:2、好ましくは
5:7乃至7:5の範囲内とするのが有利である。
本発明の反応媒体中での反応は、前記蛋白分解酵素が
作用する温度範囲、一般には、約20〜50℃、好ましくは
約25〜40℃の範囲内の温度において行うことができる。
前記蛋白分解酵素の使用量は臨界的ではなく、反応条
件に応じて変えることができる。また、酵素は一般的な
方法、例えば担体結合法、架橋法、包括法、その他の方
法により固定化した固定化酵素を利用して反応させるこ
ともできる。担体結合法で用いる担体としては、セルロ
ース、デキストラン、アガロースなどの多糖類の誘導
体、ポリアクリルアミドゲル、多孔性ガラス等が挙げら
れる。架橋法で使用する架橋試薬としてはグルタルアル
デヒド、ビスジアゾベンジジン、N,N−ポリメチレンビ
スヨードアセトアミド、N,N−エチレンビスマレインイ
ミド等が挙げられる。包括法で用いる素材としては、ポ
リアクリルアミドゲル、ポリアクリルアルコールゲル、
デンプン、コンニャク粉、ナイロン、ポリウレア、ポリ
スチレン、エチルセルロース、コロジオン、硝酸セルロ
ース等が挙げられる。しかし、その固定化法は何らこれ
らに限定されるものではない。
本発明において、一般には、セリンプロテアーゼやア
ミダーゼ活性を持たない酵素を用いるが、これらの活性
を有する酵素を使用する場合は、これら酵素の阻害剤、
例えばポテトインヒビター等を反応系に加えてもよい。
また、本発明は固相合成法によっても製造することが
できる。
即ち、次式(I a): (式中、AはSer、Gly又はAlaを、BはAsn又はSerを、
X′は直接結合又はカルシトニンの相当するアミノ酸残
基もしくはペプチド残基を、REGINは不溶性樹脂残基
を、nは3〜7の整数を表し、各アミノ酸残基はペプチ
ド化学で常用の保護基で保護されていてもよい) で示されるペプチド樹脂を蛋白分解酵素で処理して、次
式(III): (式中の記号は前記と同義である) で示されるペプチド樹脂を得、 次いで、不溶性樹脂を脱離させることにより、次式
(II a): (式中、X″は水酸基、アミノ基又はカルシトニンの相
当するアミノ酸残基もしくはペプチド残基を表し;他の
記号は前記と同義である) で示されるペプチドを製造することができる。
前記固相合成法においては、前記ペプチド樹脂(I
a)をカラムに充填し、蛋白分解酵素を含む前記媒質を
還流して環化反応に付し、次いでフッ化水素(HF)、ト
リフルオロ酢酸(TFA)処理等の方法で不溶性樹脂を脱
離させる。
TFAにより脱離させることができる不溶性樹脂として
は、例えば、クロルメチル樹脂、オキシメチル樹脂、ア
ミノメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、メチルベ
ンズヒドリル樹脂、4−アミノメチルフェノキシメチル
樹脂、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂、4
−オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂等が挙げ
られる。
特にα−アミノ基の保護基としてFmocを使用する場合
は、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂等のTF
Aで脱離できる樹脂がよく、Bocを使用する場合は、4−
オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂等のフッ化
水素で脱離できる樹脂が望ましい。
樹脂中に結合するペプチド量としては、樹脂1g当りペ
プチドは0.1mmol以下の範囲を挙げることができる。
また、本発明は、前記の方法において、式(I)又は
式(I a)で示されるペプチド又はペプチド樹脂をポリ
エチレングリコール誘導体で修飾された蛋白分解酵素で
処理して式(II)又は式(II a)で示されるペプチドを
製造することができる。
この方法では、蛋白分解酵素として、ポリエチレング
リコール誘導体で修飾されたものを用いることにより、
本来有機溶媒中では不溶である酵素が溶けるようにな
り、有機溶媒中で酵素反応を行わせることができるよう
になるため、水を含まない又は含水率の低い水混和性有
機溶媒中で酵素反応を行わせることができ、好収率で目
的ペプチドを得ることができる。
このポリエチレングリコール誘導体で修飾された蛋白
分解酵素は、親油性及び親水性を有するポリエチレング
リコールを活性基と結合させてこれを酵素と反応させ、
酵素蛋白のアミノ基に部分的に結合させて修飾したもの
であって、例えば次の反応式に示すように、o−メトキ
シポリエチレングリコール(分子量2000〜8000)を2,4,
6−トリクロロ−s−トリアジンと反応させて得られる
2,4−ビス(o−メトキシポリエチレングリコール)−
6−クロロ−s−トリアジン(PEG2)を蛋白分解酵素と
反応させることにより、PEG2−修飾酵素が得られる。こ
のような製法は特公昭61−42558号公報が参照される。
本発明によって得られる前記式(II)又は(II a)で
示されるペプチドは、更に、ペプチド合成に通常用いら
れる方法、具体的には「ザ・ペプチド(The Peptide
s)」第1巻(1966年)[Schreder and Luhke著、Acade
mic Press,New York,U.S.A.]あるいは「ペプチド合
成」(泉屋ら著、丸善株式会社(1975年)]に記載され
ている方法に従い、例えばアジド法、酸クロライド法、
酸無水物法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法
(p−ニトロフェニルエステル法、N−ヒドロキシコハ
ク酸イミドエステル法、シアノメチルエステル法等)、
ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボイミダゾール
法、酸化還元法、DCC−アディティブ(HONB、HOBt,HOS
u)法、固相法等を利用することにより、合成カルシト
ニン誘導体に変換することができる。その際、通常、一
般のポリペプチドの合成法に従い、例えば末端アミノ酸
に順次1個ずつアミノ酸を縮合させる、いわゆるステッ
プワイズ法によって、又は数個のフラグメントに分けて
カップリングさせていく方法を利用することができる。
また、合成カルシトニン誘導体の合成反応工程では、
反応に関与すべきではない官能基は、ペプチド化学で常
用の保護基で保護され、反応終了後、保護基は脱離す
る。更に、反応に関与する官能基は通常活性化される。
これら各反応方法は公知であり、それに用いられる試薬
等も公知のものから適宜選択し得る。
カルボキシル基及びアミノ基の保護基としては、前述
したものが挙げられる。また、カルボキシル基の活性化
されたものとしては、例えば、対応する酸クロライド、
酸無水物又は混合酸無水物、アジド、活性エステル(ペ
ンタクロロフェノール、p−ニトロフェノール、N−ヒ
ドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンズトリア
ゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド等とのエステル)等が挙げられる。な
お、ペプチド結合形成反応は、縮合剤、例えばジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、カルボジイミダゾール等のカ
ルボジイミド試薬やテトラエチルピロホスフェイト等の
存在下に実施し得る場合もある。
(発明の実施例) 以下、合成例、実施例及び参考例により本発明を更に
詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限す
るものではない。
合成例1 Boc−Thr(Bz)−OH30.9gをDMF200mlに溶解し、ドラ
イアイス−エタノールで−20℃に冷却し、N−メチルモ
ルホリン11.0ml、次いでイソブチルクロロホルメイト1
3.2mlを滴下した後、−20℃で1分間撹拌して該当する
混合酸無水物を作成した。この反応液をL−アミノスベ
リン酸−α−メチルエステル20.3gを含むTHF200ml溶液
と混合し、0℃で5分間、室温で20分間撹拌後、減圧濃
縮した。残渣に酢酸エチル400mlを加え、1N HCl200mlで
2回、飽和食塩水で2回、の順で洗浄した。無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、標記目的物の油状物
44.5gを得た。
上記(1)により得た油状物44.5gをTHF300mlに溶解
し、冷却下、HOSu10.4g及びDCC18.6gを加えて、−4℃
で一夜撹拌した。ジシクロヘキシルウレア(DCU)の白
色物質は除去し、THFを減圧留去して、標記目的物の油
状物53.2gを得た。
(3)Boc−Ser(Bz)−Asn−OHの製造 H−Asn−OH19.8、N−メチルモルホリン16.5ml及びB
oc−Ser(Bz)−OSu39.2gをDMF200mlに溶解し、室温で
一夜撹拌後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル600mlを
加え、1N HCl200mlで2回、飽和食塩水200mlで2回の順
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮
した。残渣をエーテルで処理して固化し、メタノール−
エーテルより再結晶化して、標記目的物23.0g(56.2
%)を得た。
mp 83〜84℃ [α]=−4.0(C=1,DMF) 元素分析(C19H27N3O7)として 計算値 C55.74% H6.65% N10.26% 測定値 C55.72% H6.70% N10.22% 上記(3)で得たBoc−Ser(Bz)−Asn−OH20.5gに氷
冷下TFA50mlを加えて溶解し、30分間撹拌した後、減圧
濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出した生成物を
取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥してH−Ser(B
z)−Asn−OH・TFAを得た。
得られた生成物をDMF200mlに溶かし、これに氷冷下、
TEAでpH4.0に調整した後、 30.0gを含んだDMF100ml溶液を添加した。0℃で1時
間、室温で一夜撹拌後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチ
ル600mlを加え、1N HCl200mlで2回、水200mlで2回の
順で洗浄後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理して
固化し、メタノール−エーテルより再結晶化して、標記
目的物28.5g(収率72.5%)を得た。
mp 93〜94℃ [α]=−9.1(C=1,DMF) 元素分析 (C39H55N5O12)として 計算値 C59.60% H7.05% N8.91% 測定値 C59.55% H7.11% N8.71% 23.6gに氷冷下TFA50mlを加えて溶解し、30分間撹拌した
後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出した
生成物を取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥した。
得られた生成物をDMF200mlに溶かし、これに氷冷下、
TFAでpH4.0に調整した後、Boc−Ser(Bz)−OSu15.7gを
含んだDMF50ml溶液を添加した。0℃で1時間、室温で
一夜撹拌し、氷冷下、N,N−ジメチルエチレンジアミン
1.32mlを加え、0℃で1時間撹拌した後、減圧濃縮し
た。残渣に酢酸エチル600mlを加え、1N HCl200mlで2
回、水200mlで2回の順で洗浄後、減圧濃縮した。残渣
をエーテルで処理して固化し、メタノール−エーテルよ
り再結晶化して、標記目的物24.0g(収率83.1%)を得
た。
mp 95〜96℃ [α]=−10.4(C=1,DMF) 元素分析 (C49H66N6O14)として 計算値 C61.11% H6.91% N8.73% 測定値 C61.07% H7.00% N8.50% 22.3gに氷冷下TFA50mlを加えて溶解し、30分間撹拌した
後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出した
生成物を取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥した。
得られた生成物をDMF200mlに溶かし、これに氷冷下、
TEAでpH4.0に調整した後、Boc−Leu−OSu9.9gを含んだD
MF50ml溶液を添加した。0℃で1時間、室温で一夜撹拌
し、氷冷下、N,N−ジメチルエチレンジアミン1.32mlを
加え、0℃で1時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣に
酢酸エチル600mlを加え、1N HCl200mlで2回、水200ml
で2回の順で洗浄後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで
処理して固化し、熱メタノール−酢酸エチルより再結晶
化して、標記目的物20.1g(収率80.7%)を得た。
mp 153〜155℃ [α]=−11.5(C=1,DMF) 元素分析 (C55H77N7O15)として 計算値 C61.38% H7.21% N9.11% 測定値 C61.02% H7.63% N9.01% 実施例1 10.0gに氷冷下TFA50mlを加えて溶解し、30分間撹拌した
後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出した
生成物を取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥した。
得られた生成物を、メタノール5.0に溶解し、20ミ
リモル濃度の酢酸カルシウム溶液5.0にサーモライシ
ン7000PU/mgを8.0g溶解した溶液を加えた。7%アンモ
ニア水でpH6.25に調整し、37℃で一夜撹拌した後、サー
モライシン7000PU/mgを2.0g加え、pH6.25に調整し、更
に37℃で一夜撹拌した。1.0%EDTA溶液450mlを加えた
後、メタノールを濃縮し、沈殿物を取した。得られた
粉末約10gにメタノール:水=9:1の溶液500mlを加え、3
0分間、40℃で撹拌後、混液を室温に冷却下、不溶物と
液に分けた。ろ液はDowex−1−X4(2.3×18cm)及び
Dowex50W−X8(2.3×18cm)の連続したカラムを通した
後、溶媒は濃縮し、エーテルで固化、メタノール−エー
テルより再結晶化して標記目的物5.1g(収率57.3%)を
得た。
また、メタノール−水混液での不溶物はメタノール14
0mlに溶解し、20ミリモル濃度の酢酸カルシウム溶液60m
lにサーモライシン7000PU/mgを0.2g溶解した溶液を加え
た。7%アンモニア水でpH7.5に調整し、37℃で一夜撹
拌し、1.0%EDTA溶液450mlを加えた後、メタノールを濃
縮し、沈殿物を取した。酵素分解して得られた粉末3.
9g(回収率39.0%)は原料として再度便利することがで
きる。
mp 166℃(分解) [α]=−8.8(C=1,DMF) 元素分析 (C50H67N7O12)として 計算値 C62.68% H7.05% N10.23% 測定値 C62.17% H7.43% N10.01% 合成例2 (1)H−Asu−REGINの製造 (a)Z−Asu(OMe)−OBzの製造 MeOH500mlを−10℃に冷却し、撹拌しながら塩化チオ
ニル13mlを徐々に加えた。10分後、Z−Asu−OBz20.7g
を加え、室温で2日間撹拌した後、減圧蒸留して得られ
た油状残渣を酢酸エチルに溶かした。これを1N HClで洗
浄し、次いで4回水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
酢酸エチルを減圧留去し、標記目的物よりなる油状物1
9.7gを得た。
(b)H−Asu(OMe)−OHの製造 Z−Asu(OMe)−OBzよりなる油状物19.7gを、MeOH50
0ml及び1N HCl48mlに溶解し、パラジウム炭素を加え、2
0時間水素添加を行った。触媒は別後、MeOHを留去乾
燥後、酢酸エチル300ml及び1N HCl300mlに溶解し、この
水層を1N NaOHでpH7.0に調整し、4℃で一夜放置した。
生成した沈殿を取し、水洗乾燥して、標記目的物8.4g
を得た。
mp 175〜176℃(分解) [α]=+20.6(C=1,AcOH) 元素分析 (C9H17NO4)として 計算値 C53.19% H8.43% N6.89% 測定値 C52.99% H8.66% N6.66% (c)Fmoc−Asu(OMe)−OHの製造 H−Asu(OMe)−OH8.1gをTHF250mlに溶解し、Fmoc−
C112.9gを加えて4℃で一夜撹拌した。溶媒を留去し、
酢酸エチルに溶かし、これを1N HClで洗浄し、次いで4
回水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、酢酸エチルを減
圧留去して、標記目的物よりなる油状物15.3gを得た。
(d)Fmoc−Asu(OMe)−REGINの製造 Fmoc−Asu(OMe)−OH4.25gをDMFに溶解し、DCCで対
称酸無水物とした後、これを4−ヒドロキシメチルフェ
ノキシメチル樹脂10.0g(0.02mmol/g)の存在下に2時
間撹拌した。樹脂はMeOHで洗浄し、標記目的物を得た。
(e)H−Asu−REGINの製造 Fmoc−Asu(OMe)−REGINに、MeOH20mlに1N NaOH2.2
当量を加え、30分間放置後、MeOHで洗浄して乾燥し、標
記目的物を得た。
H−Asu−REGIN0.5mmol(0.02mmol/g)を出発原料と
し、Fmoc−Thr(Bz)−OHを固相合成法の活性エステル
法に従い縮合し、次いでDCC−HOSuのDMF溶液で側鎖を活
性エステルとした後、H−Ser(Bz)−Asn−OH(1mmo
l)を縮合、Fmoc−Ser(Bz)−OH,Fmoc−Leu−OH(各1m
mol)を固相合成法の活性エステル法に従い順次縮合し
て、標記ペプチド樹脂を得た。
実施例2 合成例2(2)で得たペプチド樹脂をピペリジンで処
理した後、カラムに充填し、37℃に保ったサーモライシ
ン(5g/)のリン酸緩衝溶液(0.02M酢酸カルシウムを
含む)をポンプで2時間還流した。溶液を水で洗浄した
後、再度37℃に保ったサーモライシン(5g/)のリン
酸緩衝溶液(0.02M酢酸カルシウムを含む)をポンプで
逆方向から2時間還流した。ペプチド樹脂をカラムより
取り出し、均一に撹拌し、再度カラムに充填し、上記サ
ーモライシン処理をくりかえした。溶液は水で洗浄し、
標記ペプチド樹脂を得た。
上記(1)で得たペプチド樹脂をTFAで処理した後、
得られた粉末約1.2gにメタノール:水=9:1の溶液100ml
を加えて溶かし、Dowex50W−X8(2.3×18cm)のカラム
を通した後、溶媒を濃縮し、エーテルで固化、メタノー
ル−エーテルより再結晶して、標記目的物0.7gを得た。
mp 180℃(分解) [α]=−13.0(C=1,DMF) 元素分析 (C49H65N7O12)として 計算値 C62.34% H6.94% N10.39% 測定値 C62.10% H7.32% N10.11% 合成例3 ポリエチレングリコール誘導体で修飾された
蛋白分解酵素の製造: サーモライシン10gを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH10)
2に、2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコ
ール−6−クロロ−s−トリアジン(分子量約11,000)
31.7gを加え、37℃で1時間反応させた。限外過法に
より精製し、白色粉末の修飾サーモライシン30gを得
た。このものの分子量は約20万であり、Casein−Folin
測定法による酵素活性は未修飾サーモライシンの10%を
保持していた。
Casein−Folin測定法:基質蛋白質溶液としてカゼイン
を用い、蛋白分解酵素を作用後、除蛋白剤を加え、非沈
殿性分解物についてFolin試薬を用いて蛋白分解量を測
定する方法。
実施例3 10.0gに氷冷下TFA50mlを加えて溶解し、30分間撹拌した
後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出した
生成物を取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥した。
上記生成物を、メタノール5.0に溶解し、20ミリモ
ル濃度酢酸カルシウムのメタノール溶液5.0に合成例
3で得た修飾サーモライシンを8.0gを溶解した溶液を加
えた。pH6.25に調整し、37℃で一夜撹拌後、修飾サーモ
ライシンを2.0g加え、pH6.25に調整し、さらに37℃で一
夜撹拌後、エタノールを濃縮し、沈殿物を取し、水洗
後乾燥した。得られた粉末約10gにメタノール:水=9:1
の溶液500mlを加え、30分間40℃で撹拌後、混液は室温
に冷却下、不溶物とろ液に分けた。ろ液はDowex−1−X
4(2.3×18cm)及びDowex50−X8(2.3×18cm)の連続し
たカラムを通した後、溶媒は濃縮、エーテルで固化、メ
タノール−エーテルより再結晶化して標記目的物5.1g
(収率57.3%)を得た。
又、メタノール−水混液での不溶物はメタノール140m
lに溶解し、20ミリモル濃度の酢酸カルシウム溶液60ml
にサーモライシン7000PU/mgを0.2gを溶解した溶液を加
えた。7%アンモニア水でpH7.5に調整し、37℃で一夜
撹拌し、1.0%EDTA溶液450mlを加えた後、メタノールを
濃縮し、沈殿物を取した。酵素分解して得られた粉末
3.9g(回収率39.0%)は原料として再度使用した。
mp 166℃(分解) [α]=−8.8(C=1,DMF) 元素分析 (C50H67N7O12)として 計算値 C62.68% H7.05% N10.23% 測定値 C62.17% H7.43% N10.01% 実施例4 合成例2(2)で得たペプチド樹脂をピペリジンで処
理した後、固相合成機から取り出してカラムに充填し、
合成例3で得た修飾サーモライシン5gを含む37℃に保っ
たDMF溶液をポンプで2時間還流した。溶液を水で洗浄
した後、再度修飾サーモライシン5gを含む37℃に保った
DMF溶液をポンプで逆方向から2時間還流した。ペプチ
ド樹脂をカラムより取り出し、均一に撹拌し、再度カラ
ムに充填し、上記修飾サーモライシン処理をくりかえし
た。溶液を水で洗浄し、標記ペプチド樹脂を得た。
上記(1)で得たペプチド樹脂をTFAで処理した後、
得られた粉末約1.2gにメタノール:水=9:1の溶液100ml
を加えて溶かし、Dowex−50W−X8(2.3×18cm)の連続
したカラムを通した後、溶媒を濃縮し、エーテルで固
化、メタノール−エーテルより再結晶化して標記目的物
0.8gを得た。
mp 180℃(分解) [α]=−13.0(C=1,DMF) 元素分析 (C49H65N7O12)として 計算値 C62.34% H6.94% N10.39% 測定値 C62.10% H7.32% N10.11% 参考例 4.8gをDMF250mlに溶解し、氷冷撹拌下、2N水酸化ナトリ
ウム水溶液10.0mlを30分間かけて滴下した。氷冷下で5
時間撹拌した後、1N HClでpH7にし、減圧濃縮してDMFを
留去した。残渣に水を加えて固化し、熱メタノール−エ
ーテルで2回再結晶化して、標記目的物4.5g(収率95.3
%)を得た。このものは、実施例4(2)で得られたも
のと同一の物性値を示した。
Z−Val−Leu−Gly−OMe1.9gをメタノール100mlに溶
解し、1N HCl4.3ml及び10%パラジウム/炭素0.2g存在
下水素添加した。6時間室温で撹拌後、触媒を除去し、
減圧濃縮した。残渣の油状物を水酸化ナトリウム上で一
夜真空乾燥してH−Val−Leu−Gly−OMe・HClを得た。
得られた生成物と、 4.0g及びHOBt0.57gをDMF100mlに溶解し、これに氷冷
下、TEAでpH4.0に調整した後、WSC0.77mlを添加した。
0℃で1時間、室温で一夜撹拌後、減圧濃縮した。残渣
に1N HClを加えて固化、DMF−酢酸エチルで2回再結晶
化して、標記目的物4.7g(収率90.4%)を得た。
mp 228℃(分解) [α]=−17.0(C=1,DMF) 元素分析 (C63H90N10O15)として 計算値 C61.65% H7.39% N11.41% 測定値 C61.35% H7.79% N11.02% 4.5gをDMF120mlに溶解し、氷冷撹拌下、2N水酸化ナトリ
ウム水溶液3.7mlを30分間かけて滴下した。氷冷下で5
時間撹拌した後、1N HClでpH7にし、減圧濃縮してDMFを
留去した。残渣に水を加えて固化し、DMF−酢酸エチル
で2回再結晶して、標記目的物4.2g(収率94.4%)を得
た。
mp 240℃(分解) [α]=−18.5(C=1,DMF) 元素分析 (C62H88N10O15)として 計算値 C61.37% H7.31% N11.54% 測定値 C61.12% H7.56% N11.27% Boc−Lys(Z)−Leu−Ser(Bz)−Gln−Glu(OBz)
−Leu−His−Lys(Z)−Leu−Gln−Thr(Bz)−Tyr(B
z)−Pro−Arg(Tos)−Thr(Bz)−Asp(OBz)−Val−
Gly−Ala−Gly−Thr(Bz)−Pro−NH27.2に氷冷下、ア
ニソール2ml及びTFA15mlを加えて溶解し、30分間撹拌し
た後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで処理し、析出し
た生成物を取し、水酸化ナトリウム上で真空乾燥して
H−Lys(Z)−Leu−Ser(Bz)−Gln−Glu(OBz)−Le
u−His−Lys(Z)−Leu−Gln−Thr(Bz)−Tyr(Bz)
−Pro−Arg(Tos)−Thr(Bz)−Asp(OBz)−Val−Gly
−Ala−Gly−Thr(Bz)−Pro−NH2・TFAを得た。得られ
た生成物と、 2.9g及びHOBt0.33gをDMF200mlに溶解し、これを氷冷
下、TEAでpH4.0に調整した後、WSC0.45mlを添加した。
0℃で1時間、室温で一夜撹拌後、減圧濃縮した。残渣
に1N HClを加えて固化、DMF−酢酸エチルで1回、DMF−
メタノールで2回再結晶化して、標記目的物9.0g(収率
96.1%)を得た。
mp 174〜177℃ [α]=−17.5(C=1,DMF) 元素分析 (C241H322N42O53S・2H2O)として 計算値 C60.59% H6.87% N11.87% 測定値 C60.35% H6.79% N11.69% 4.7gをフッ化水素75mlとアニソール8ml中で0℃で30分
間反応させた。反応後、フッ化水素を留去し、残渣をエ
ーテルで処理し、析出した生成物を取し、水酸化ナト
リウム上で真空乾燥した。これを1M酢酸溶液150mlに溶
解し、Dowex 1−X4(酢酸型)に通し、流出液を凍結乾
燥して粉末3.0gを得た。
この粉末を0.05M酢酸アンモニウム水溶液に溶解し、C
M−セルロースを充填したカラム(4×30cm)上に注入
し、0.01M酢酸アンモニウム水溶液(pH4.4)500ml〜0.1
1M酢酸アンモニウム水溶液(pH4.4)500mlの直線型濃度
勾配溶出(60ml/時間)を行い、溶出液を10mlずつ分画
採取し、高速液体クロマトグラフィーにより分析し、目
的画分を集めて凍結乾燥して粉末601mgを得た。
この粉末を0.1M酢酸に溶解し、セファデックスG−10
(2.2×110cm)に注入し、0.1M酢酸で溶出して目的画分
を凍結乾燥して上記目的物572mgを得た。
mp 241℃(分解) [α]=−94.6(C=1,0.1MAcOH) 元素分析 (C148H244N42O47・2CH3COOH・5H2O)と
して 計算値 C51.08% H7.39% N16.46% 測定値 C51.00% H7.50% N16.42% [発明の効果] 本発明の方法によれば、既知の合成方法に比べて、以
下に述べるような利点があり、工業的に極めて有用であ
る。
イ)酵素反応による生成物は反応系外に沈殿するため、
溶媒を濃縮することなく処理することができ、沈殿によ
り目的とする生成物が得られる確率が高くなるため、収
率よく合成できる。
ロ)酵素反応の性質上、副反応を伴わず反応させること
ができ、しかもラセミ体を伴わず合成することができ
る。
ハ)未反応物と共に、副生成物は酵素分解することによ
り、回収再利用できるので工業的に有利である。
固相合成法では、さらに以下に述べるような利点があ
る。
イ)固相反応は、通常樹脂を高希釈条件下で実施するた
め、溶媒を多量に使用し、処理が困難になるが、本法に
よれば、これらの溶媒を濃縮することなく処理すること
ができる。
ロ)また固相合成法では、樹脂をカラムに充填して行う
ため、縮合した化合物はほとんどが単量体環化物で得ら
れるので、精製が容易である。
ハ)固相合成法は、液相法による鎖長延長に伴う不溶化
を考える必要がないなど、操作が単純であり、短期間で
の合成が可能である。
また、修飾蛋白分解酵素を用いる方法では、以下に述
べるような利点を有する。
イ)修飾酵素を用いる反応では、水を含まない又は含水
率の低い水混和性有機溶媒で行われるため、回収溶媒の
濃縮が容易である。
ロ)修飾酵素を用いる反応は、水を含まない又は含水率
の低い有機溶媒中で行われるため、平衡反応のペプチド
合成反応が優位で収率よく行われる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I): (式中、AはSer、Gly又はAlaを、BはAsn又はSerを、
    Xは水酸基又はカルボキシル基の保護基又はカルシトニ
    ンの相当するアミノ酸残基もしくはペプチド残基を、n
    は3〜7の整数を表し;各アミノ酸残基は保護基で保護
    されていてもよい) で示されるペプチドを蛋白分解酵素で処理することを特
    徴とする次式(II): (式中の記号は前記と同義である) で示されるペプチドの製造方法。
  2. 【請求項2】次式(I a): (式中、AはSer、Gly又はAlaを、BはAsn又はSerを、
    X′は直接結合又はカルシトニンの相当するアミノ酸残
    基もしくはペプチド残基を、REGINは不溶性樹脂残基
    を、nは3〜7の整数を表し、;各アミノ酸残基は保護
    基で保護されていてもよい) で示されるペプチド樹脂を蛋白分解酵素で処理して次式
    (III): (式中の記号は前記と同義である) で示されるペプチド樹脂を得、次いで、 不溶性樹脂を脱離させることを特徴とする次式(II
    a): (式中、X″は水酸基、アミノ基又はカルシトニンの相
    当するアミノ酸残基もしくはペプチド残基を表し、他の
    記号は前記と同義である) で示されるペプチドの製造方法。
  3. 【請求項3】蛋白分解酵素として、ポリエチレングリコ
    ール誘導体で修飾された蛋白分解酵素を用いる請求項1
    又は2記載のペプチドの製造方法。
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