JP2776634B2 - グリコプロテイン ▲II▼b/▲III▼aに対するヒト型モノクローナル抗体 - Google Patents
グリコプロテイン ▲II▼b/▲III▼aに対するヒト型モノクローナル抗体Info
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Description
I b/III a(GP II b/III a)に対するヒト型モノクロー
ナル抗体(以下MCAと略す)とそれを産生するハイブリ
ドーマに関する。
いることが明らかになり、抗血小板薬療法が抗血栓療法
の1つとして注目されてきた。血栓は、血管の内皮細胞
が何らかの原因で剥離すると、von Willebrand因子(vW
Fと略す)に対するレセプターをもっている血小板が内
皮下に粘着し、活性化され、放出反応と凝集を起こし、
血小板血栓が形成される。この血小板血栓の形成におい
て、粘着におけるvWFに対する血小板上のレセプターはG
lycoprotein I b(GP I b)であり、血小板凝集は、血
小板膜上のGlycoprotein II b/III a(GP II b/III
a)同士がフィブリノーゲン(Fibrinogen)(Fbg)また
はvWFを介して結合することにより起きることがわかっ
ており、そのそれぞれの結合部位についても研究されて
いる。
機能や実験的血栓形成を抑制する多数の抗血小板剤が開
発されてきた。しかし、これらの多くはその薬剤の作用
の一面として血小板凝集抑制能を有するものであり、特
異性が低く、副作用の点で問題がある。例えば、鎮痛解
熱剤としても有名なアスピリンは、消化管出血、血小板
のトロンボキサンA2と血管内皮でのプロスタサイクリン
合成阻害という副作用がある。また、チクロピジンの場
合は、胃腸症状、肝障害、白血球減少などの副作用が観
察されている。
い、抗血小板マウス型MCAを抗血小板剤として使用する
試みが行われている。その1例としては、H.K.Goldらの
行ったもので〔H.K.Gold,et.al.,J.Clin.Invest.,86 65
1−659(1990)〕、ヒトGP II b/III aに特異的でかつ
血小板凝集を抑制するマウス型MCAを作製し、臨床治療
を行っている。しかし、マウス型であるため、ヒトでの
治療では、血小板凝集の抑制効果はあるものの、半減期
・抗原性の点で問題があり、治療・予防としては、完全
なものとは思われない。
療に役立てるには、マウス由来でなく、ヒト由来のMCA
が不可欠となる。一般にヒト由来のMCAは、GP II b/III
a特異的でかつ血小板凝集阻害活性を有する抗体産生能
力を持つヒトBリンパ球と、ミエローマ細胞等のリンパ
系樹立細胞との融合によって得られるハイブリドーマか
ら産生されるか、または上記ヒトBリンパ球をEBウイル
スによって形質転換することによって得られるリンパ芽
球様細胞から産生される。
研究が行われてきたが、上記の両方法ともにそれぞれ固
有の問題をかかえており、マウス型MCAのように確立し
た技術となっていない。しかし、もし効率よくヒトBリ
ンパ球を免疫感作でき、かつヒトGP II b/III aに特異
的で血小板凝集阻害能を有するヒト型MCA産生能のある
ハイブリドーマが得られるならば、これから得られるMC
Aは生産性が高く、かつ、医薬品としての安全性上も望
ましいものとなる。
を抑制するマウス型モノクローナル抗体は1985年以来、
多くの論文に発表されている(例えば、B.S.Collerら、
Blood,Vol.86,No.3,1986,783−786頁)。
クローナル抗体が、D.J.Nugentら、Blood,Vol.70,No.1,
1987,16−22頁;及びPCT/US89/05418に記載されてい
る。
つヒト血小板凝集を抑制する能力を有するヒト型モノク
ローナル抗体は知られていない。
合し且つヒト血小板凝集を抑制する能力を有するヒト型
モノクローナル抗体を、提供するものである。
細胞とを融合することによって形成される、前記のモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマ又はその子孫
に関する。
特徴とする、前記モノクローナル抗体の製造方法に関す
る。
イブリドーマを選択することを特徴とする、ハイブリド
ーマの製造方法に関する。
I b/III aに対する本発明のヒト型MCAの結合を示すグラ
フである。(a)はICF2C8の結合を、(b)はIAD2−1
の結合を示す。
ヒト型MCAの影響を示すグラフである。
ヒト型MCAの影響を示すグラフである。
合能を示すflow cytometryのチャートである。(a)
は抗体を全く反応させなかった場合、(b)は抗GP II
b/III aヒト型MCAを反応させず、FITC標識化抗ヒトIgM
ヤギ抗体のみを血小板と反応させた場合、(c)はICF2
C8を反応後、FITC標識化抗ヒトIgMヤギ抗体を反応させ
た場合を示す。
る。
血小板減少症(以下ITPという)患者の脾臓、リンパ
節、末梢血、骨髄、扁桃、アデノイド等の中に含まれて
いる。本発明の目的のためには、いかなる材料のリンパ
球でも用いることができるが、望ましくはITP患者由来
のリンパ節、脾臓、扁桃である。
耐性株を用いるのが有利であり、公知のものとしては、
BALB/CマウスのP3×65Ag8株、P3−NS1/1−Ag4−1株、P
3×63AgU1株、SP2/OAg14株、P3×63Ag8.6.5.3株、MPC11
−45.6.TG1.7株、SP−1株等がある。
細胞融合に先立って、ヒトリンパ球を補体とヒトリンパ
球に対するマウスMCA〔例えば、オルト・ダイアグノス
ティク社(Ortho Diagnostic社)のOKT3〕とで処理し、
あるいはAETで処理した羊赤血球とFicollとで処理し、
Tリンパ球を除去しておくことが望ましい。
ト固型リンパ組織をITP患者から手術によって摘出し、
摘出組織をハサミとメスによっておだやかにほぐし、細
胞分散液を得る。細胞分散液からTリンパ球を除去する
ために次の2つの方法を用いる。
ることによってリンパ球を分離する。さらに、補体1/2
容と抗ヒトTリンパ球・マウスMCAで処理し、あらかじ
めTリンパ球を破壊し、残ったBリンパ球を遠心分離す
る。
icoll−Paque遠心法によりB細胞を分離する。これらの
方法を用いると、未処理のリンパ球を用いる場合よりも
ハイブリドーマの生成率が上昇する。
細胞とを融合する。例えばヒトリンパ球とミエローマ細
胞を10:1〜1:100、好ましくは1:1〜1:10の比率で混合
し、適当な細胞融合溶液、例えば約35%ポリエチレング
リコール(分子量1,000〜6,000程度)および約7.5%ジ
メチルスルホキシドを含むRPMI1640を加えて、室温〜37
℃で1〜数分間撹拌し、その後10%ウシ胎児血清(FC
S)添加RPMI1640で徐々に希釈し、洗浄の後、HAT(ヒポ
キサンチン−アミノプテリン−チミジン)選択培養液に
て細胞濃度が1〜5×105個/mlとなるように調整する。
%CO2を含む空気中で35〜38℃で2〜3週間培養する。9
6穴プレートにはフィーダー相としてマウス腹腔滲出細
胞を入れて置き、融合した細胞を入れる直前にその培養
液を除去する。HAT培養液中ではハイブリドーマのみが
生存し、8−アサグアニン耐性のミエローマ細胞及びミ
エローマ同士の融合細胞は生存し得ない(未融合の抗体
産生細胞は数日で死滅する)。
への結合活性とFbg・GP II b/III aの結合阻害活性をチ
ェックし、目的とする抗体を産生しているハイブリドー
マのみを選び出す。そして、そのハイブリドーマを取り
出し、限界希釈法によってクローニングし、MCAを安定
に産生するサブクローンを樹立する。
ヒトMCAを産生するマウス−ヒトハイブリドーマは、凍
結して保存することができる。かかるハイブリドーマの
セルライン(細胞株)及び/又はそれに由来する細胞株
を適当な方法で大量に培養すると、培養上清から本発明
の目的とするヒト型MCAを得ることができる。また、こ
のハイブリドーマを動物に移植して腫瘍化し、その腹水
や血清からヒト型MCAを得ることもできる。
ヒト型MCAのうち、ICF2C8は次の様な特性を有してい
た。
したELISAで結合陽性を示した。
た。
た。
またはコラーゲンによる凝集を阻害した。
がIgMであり、その軽鎖がλであった。
抑制する本発明のヒト型モノクローナル抗体は、例えば
血栓症の予防又は治療のための血小板凝集抑制剤の活性
成分として期待される。しかしながら、この用途のため
には、生来の(native)モノクローナル抗体のみなら
ず、その特異的結合能を有する活性断片、例えばFab,F
(ab′)2等も使用することができる。従って、本発明
は、この様なモノクローナル抗体の活性断片も包含す
る。これらの断片は、例えば新生化学実験講座第12巻18
5〜195頁、東京化学同人発行に記載されている様な常法
に従って製造することができる。
メスによって細かくほぐし、培地A〔RPMI1640−10%ウ
シ胎児血清(FCS)−2mMグルタミン、1mMピルビン酸ナ
トリウム−20μg/ml L−セリン−0.05u/mlヒトインシュ
リン−80μg/mlゲンタマイシン硫酸塩)に細胞を懸濁し
た。このcell細胞懸濁液をFicoll−Paque液に重層し、
1,500rpmで20分間遠心した。Ficoll−Paqueの上に集積
した細胞を取り出し、リン酸緩衝液(PBS)で1回、PRM
I1640で2回遠心洗浄し、最終的にRPMI1640中に1×107
cells/mlに懸濁させてリンパ球を得た。
%Pokeweed Mitogenの入った10%FCS−RPMI1640培地で
3〜4日培養した。そのリンパ球3×107細胞とマウス
・ミエローマP3U1cells(3×107細胞)とをRPMI1640培
地で混合し、細胞を遠心沈澱(1,600rpm,5分間)させ
た。上清を除去し、その細胞ペレットをタッピングによ
ってほぐし、1mlのポリエチレングリコール溶液(35%V
/Vポリエチレングリコール#1000−7.5%V/Vジメチルス
ルホキシド−RPMI1640中)をゆっくり加え、室温で1分
間放置した。
し、さらに2mlのRPMI1640を加えて、2分間放置し、次
に4mlのHAT培地(培地A中95μMヒポキサンチン−0.4
μMアミノプテリン−16μMチミジン)を加えて2分間
放置し、次いで8mlのHAT培地を加えて2分間放置し、そ
して24mlのHAT培地を加えて、37℃で30分間放置した。
最終的にHAT培地で75ないし150mlとした。
に接種した。なお、この培養プレードには、前もってIC
Rマウス(雄性)の腹腔滲出細胞を2×104細胞/ウエル
ずつ接種し融合した細胞を接種する直前に培養液を除去
し、融合細胞を入れた。この培養プレートを37℃でCO2
−インキュベーター中で培養した。培地は1週間毎に、
半量ずつHT培地(HATからアミノプテリンを省いたも
の)で置換して、ハイブリドーマ・クローンが出現する
まで培養を続けた。
トGP II b/III aに対する結合活性とFbg・GP II b/III
a結合阻害活性を、ウエル毎に下記(a)(b)の方法
で測定し、陽性を示したコロニーのハイブリドーマをク
ローニングした。
Mg++/PBS(pH7.2)〕で2μg/mlに希釈し、96ウエルEL
ISAプレートに50μ/wellで入れ、4℃で一晩静置し
た。その後GP II b/III a溶液をすて、10%FCS/Aバッフ
ァーを200μ/wellで入れ、37℃,120分置いた。0.002
%ヒビデン(登録商標)(ICI社)で3回洗浄後、ハイ
ブリドーマの培養上清を50μ/wellで入れ、37℃,60分
反応させた。
結合したヒト型MCAを検出するため、10%FCS/Aバッファ
ーで104倍に希釈したアルカリホスファターゼ標識化抗
ヒトIgGを50μ/wellで入れ、37℃,60分反応させた。
0.002%ヒビデンで5回洗浄後、p−ニトロリン酸2ナ
トリウムを0.25mM MgCl2/1Mジエタノールアミン(pH9.
8)に10mg/mlになるように溶解し、100μ/wellで入
れ、室温で適度に発色させた。その後、405nmの吸光度
を測定して、GP II b/III aに対する結合活性を調べ
た。
/mlに希釈し、96ウエルELISAプレートに100μ/wellで
入れ、37℃,60分静置した。その後、1%BSA/1%FCS/ハ
ンクス液でウエルを洗浄した。10%FCS/0.1%NaN3/Aバ
ッファーを200μ/wellで入れ、37℃,60分静置した
後、0.002%ヒビデンで3回洗浄した。10%FCS/Aバッフ
ァーで希釈した0.25μg/mlヒトGP II b/III aとハイブ
リドーマの培養上清を等量で混合し、37℃,60分反応さ
せたものを、50μ/wellで入れ、37℃,60分結合させ
た。
/III a量を測定するため、10%FCS/Aバッファーで500ng
/mlに希釈した抗GP II b/III aマウス型MCA(Serotec社
製、MCA468)を50μ/wellで入れ、37℃,60分反応させ
た。0.002%ヒビデンで3回洗浄した後、10%FCS/Aバッ
ファーで104倍希釈したペルオキシターゼ標識化抗マウ
スIgG抗体(TAGO社)を50μ/wellで入れ、37℃,60分
反応させた。
TMBZ−HCL(pH2.0)と0.017%H2O2/50mM NaHPO4/41mM
クエン酸(pH4.3)を等量で混合し、100μ/wellで入
れ、室温で適度に発色させた。1MH2SO4を100μ/well
で入れて発色を止め、450nmの吸光度を測定してFbgに結
合したGP II b/III a量を測り、Fbg・GP II b/III a結
合阻害活性を調べた。
マを次のようにクローニングした。まず、96ウエル平プ
レートに、マウス膜腔滲出細胞2×104細胞/ウエルだ
けを接種しておいた。そして、1時間〜1日後に培地を
除去し、ハイブリドーマを、10細胞/ウエルで96ウエル
に接種した。第一クローニングにはHT培地を用い、第二
クローニングには培地Aを用いた。培養2〜3週間後に
抗体活性を測定し、陽性クローンを拾った。
を使って80回に及ぶ細胞融合とスクリーニングを行っ
た。上記(2)のスクリーニング系(a)のGP II b/II
I aに対する結合活性陽性を示すハイブリドーマは全体
の約10%であったが、その中でスクリーニング系(b)
のFbg・GP II b/III aの結合阻害活性を有していたハイ
ブリドーマは1種しか存在しなかった。
マ1種をクローニングすることによって、上記の性質を
有するMCAを安定に産生するハイブリドーマICF2C8を樹
立することに成功した(表1)。また、Fbg・GP II b/I
II aの結合阻害活性は示さないが、GP II b/III aに対
して結合する7種のハイブリドーマについても、クロー
ニングによりMCAを安定に産生するハイブリドーマとし
て樹立した(表1)。
は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号工業技術院
微生物工業技術研究所に、ブダペスト条約に基き、1991
年10月8日に微工研条寄第3596号(FERM BP−3596)と
して寄託されている。
液(3L)を出発材料として用いた。この培養液をアミコ
ン(YM30メンブレン)で約500mlに濃縮した後、ポリエ
チレングリコールを終濃度10%になるように加え、4℃
で120分置いた。そして、沈澱物を遠心により集め、1M
NaCl/20mMリン酸バッファー(pH7.2)に溶解した後、同
バッファーで平衡化したCon A Sepharoseにかけた。こ
のCon A Sepharoseを1M NaCl/20mM NaPi(pH7.2)、1M
NaCl/50mM AcNa(pH4.0)で順に洗浄した後、MCAを0.5M
α−メチルマンノース/0.5M Nacl/20mN NaPi(pH7.2)
で溶出した。
PBSで平衡化したSepharose CL−6Bにかけ、IgMを含む分
画をICF2C8として回収した(5mg)。この方法で得られ
たICF2C8はドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で90%以上純粋なIgMであ
ることが確認された。
するヒト型MCAの結合 (1)Ca++存在下でのGP II b/III aに対するヒト型MCA
の結合 精製GP II b/III aをAバッファー〔127mM Ca++/90mM
Mg++/PBS(pH7.2)〕で1μg/mlに希釈し、96ウエルEL
ISAプレートに100μ/wellで入れ、4℃で一晩静置し
た。GP II b/III a溶液をすて、2%BSA/Aバッファーを
175μ/wellで入れ、37℃で120分静置してAバッファ
ーで3回洗浄した後、0.2%BSA/Aバッファーで0〜5μ
g/mlに希釈した抗GP II b/III aヒト型MCA(ICF2C8また
はIAD2−1)を100μ/wellで入れ、37℃,60分反応さ
せた。
たヒト型MCA量を測定するため、アルカリフォスファタ
ーゼ標識化抗ヒトIgM(または抗ヒトIgG)抗体を0.2%B
SA/Aバッファーで104倍希釈して100μ/wellで入れ、3
7℃,60分反応させた。Aバッファーで4回洗浄後、P−
ニトロリン酸2ナトリウムを0.25mM MgCl2/1Mジエタノ
ールアミン(pH9.8))に10mg/mlで溶解し、100μ/we
llで入れ、室温で適度に発色させた。その後、405nmの
吸光度を測定し、吸光度よりGP II b/III aに対するヒ
ト型MCAの結合能を調べた。図1にその結果を示す。
CAの結合 精製GP II b/III aをAバッファーで1μg/mlに希釈
し、96ウエルELISAプレートに100μ/wellで入れ、4
℃で一晩静置した。GP II b/III a溶液をすて、2%BSA
/Bバッファー〔10mM EDTA/PBS(pH7.2)〕を175μ/we
llで入れ、37℃,120分静置して、Bバッファーで3回洗
浄した後、0.2%BSA/Bバッファーで0〜5μg/mlに希釈
した抗GP II b/III aヒト型MCA(ICF2C8またはIAD2−
1)を100μ/wellで入れ、37℃で60分反応させた。
たヒト型MCA量を測定するため、アルカリフォスファタ
ーゼ標識化抗ヒトIgM(または抗ヒトIgG)抗体を0.2%B
SA/Aバッファーで104倍希釈して100μ/wellで入れ、3
7℃で60分反応させた。Aバッファーで4回洗浄後、Ca
++存在下と同じ発色操作を行ってGP II b/III aに対す
るMCAの結合能を調べた。その結果を図1に示す。
存的に吸光度が増しており、Ca++非存在下では全く吸光
度が増していない。これより、ICF2C8は、Ca++存在下で
のみGP II b/III aと結合しCa++非存在下では結合しな
いことがわかった。
に関係なくGP II b/III aと結合することがわかった。
の影響 ヒトフィブリノーゲン(Fbg)をAバッファーで10μg
/mlに希釈し、96ウエルELISAプレートに100μ/wellで
入れ、37℃,60分静置した。その後、1%BSA/1%FCS/ハ
ンクス液でウエルを洗浄した。10%FCS/0.1%NaN3/Aバ
ッファーを200μ/wellで入れ、37℃,60分静置した
後、0.002%ヒビデンで3回洗浄した。10%FCS/Aバッフ
ァーで希釈した0.25μg/mlヒトGP II b/III aと各濃度
の抗ヒトGP II b/III aヒト型MCA(ICF2C8またはIAD2−
1)を等量で混合し、37℃,60分反応させたものを、50
μ/wellで入れ、37℃,60分結合させた。
/III a量を測定するため、10%FCS/Aバッファーで500ng
/mlに希釈した抗GP II b/III aマウス型MCA(Serotec社
製、MCA468)を50μ/wellで入れ、37℃で60分反応さ
せた。0.002%ヒビデンで3回洗浄した後、10%FCS/Aバ
ッファーで104倍希釈したペルオキシダーゼ標識化抗マ
ウスIgG抗体(TAGO社)を50μ/wellで入れ、37℃で60
分反応させた。その後、0.002%ヒビデンで5回洗浄し
た。
a2HPO4/41mMクエン酸(pH4.3)を等量で混合し、100μ
/wellで入れ、室温で適度に発色させた。1M H2SO4を1
00μ/wellで入れて発色を止め、450nmの吸光度を測定
してFbgに結合したGP II b/III a量を測った。結果を図
2に示す。
ことがわかる。つまり、FbgとGP II b/III aの結合は、
加えたICF2C8により濃度依存的に阻害され、ICF2C8の終
濃度2.5μg/mlのときにはその70%が阻害された。しか
し、同じ抗GP II b/III aヒト型MCAであるIAD2−1によ
っては、FbgとGP II b/III aの結合は阻害されなかっ
た。
響 96ウエルELISAプレートにAバッファーで21.6μg/ml
に希釈した抗vWFポリクローナル抗体を100μ/wellで
入れ、4℃に一晩静置した。抗体溶液をすて、2%BSA/
Aバッファーを175μ/wellで入れ、37℃に120分静置し
た。Aバッファーでウエルを3回洗浄した後、von Wil
lebrand病治療薬ヘマーテ(登録商標)P〔ヘキスト
ジャパン(株)〕を0.2%BSA/Aバッファーで0.625unit/
mlに希釈し、100μ/wellで入れ、37℃,120分反応さ
せ、vWFを結合させた。
ファーで希釈したGP II b/III a(2μg/ml)と抗GP II
b/III aヒト型MCA(0〜10μg/ml)を等量で混合し、3
7℃で90分反応させたものを、100μ/wellで入れ、37
℃で90分反応させ、vWFとGP II b/III aを結合させた。
Aバッファーでウエルを3回洗浄後、vWFに結合したGP
II b/III aを測定するため、0.2%BSA/Aバッファーで50
0ng/mlに希釈した抗GP II b/III aマウス型MCA(Serote
c社製、MCA468)を100μ/wellで入れ、37℃,60分反応
させた。
104倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識化抗マウ
スIgG抗体(TAGO Inc.,Cat Nr.6550)を100μ/well
で入れ、37℃,60分反応させた。Aバッファーで4回洗
浄後、p−ニトロリン酸2ナトリウムを0.25mM MgCl2/1
Mジエタノールアミン(pH9.8)に10mg/mlになるように
溶解し、100μ/wellで入れ、室温で60分発色させた。
その後、405nmの吸光度を測定した。この吸光度より、v
WFとGP II b/III aと結合量を調べた。加えた抗GP II b
/III aヒト型MCA濃度と上記の方法で得られた405nmの吸
光度の関係を図3に示す。
存的に吸光度を減少させ、10μg/mlで11%まで吸光度を
減少させた。つまり、ICF2C8は、10μg/mlの抗体濃度で
vWFとGP II b/III aの結合を89%阻害したことになる。
抗GP II b/III aヒト型MCAIAD2−1はvWFとGP II b/III
aの結合を阻害しなかった。
後、1000rpmで10分間遠心してplatelet rich plasma
を得た。このplatelet rich plasmaと終濃度5μg/ml
になるように抗GP II b/III aヒト型モノクローナル抗
体(ICF2C8)を混合し、室温で30分反応させた。この反
応物を遠心(2500rpm,10分間)した後、沈澱した血小板
をバッファーC〔15mM Tris・HCl/150mM NaCl(pH7.
4)〕で1回洗浄した。
ヒトIgMヤギ抗体を室温で30分間反応させた。この反応
物を遠心(2500rpm,10分間)した後、沈澱した血小板を
バッファーAで1回洗浄した。この血小板を再度バッフ
ァーAにけん濁し、flow cytometryにかけた。結果を
図4に示す。
(b)は抗GP II b/III aヒト型モノクローナル抗体を
反応させず、FITC標識化抗ヒトIgMヤギ抗体のみを血小
板と反応させた場合、(c)はICF2C8を反応後、FITC標
識化抗ヒトIgMヤギ抗体を反応させた場合のflow cytom
etryのチャートである。
いのでFITC標識化抗ヒトIgMヤギ抗体は今回の条件下で
は血小板表面に結合しないことがわかる。ICF2C8を血小
板に反応させた場合の(c)のピーク位置は、(a),
(b)に比べて右に移動していた。このことより、ICF2
C8は、精製GP II b/III aだけでなく、ヒト血小板表面
上のGP II b/III aにも結合することがわかった。
後、1000rpmで10分間遠心してplatelet rich plasma
(RPR)を得た。このRPR450μと各濃度のICF2C8の45
μを37℃で1分間反応させた後、ADPを終濃度4.8μM
になるように加え、血小板凝集を起こし、アグリコメー
ターにて血小板凝集を37℃で5分間観察した。結果を図
5に示す。
し、終濃度100μg/mlで凝集を約70%抑制した。
栓症の予防又は治療のための血小板凝集抑制剤の活性成
分としての使用が期待される。
Claims (5)
- 【請求項1】ヒトGlycoprotein II b/III aに特異的に
結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブリノーゲ
ンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を阻害する
能力を有するヒト型モノクローナル抗体、又は該抗体の
断片であって、ヒトGlycoprotein II b/III aに特異的
に結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブリノー
ゲンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を阻害す
る能力を有する断片。 - 【請求項2】ヒトGlycoprotein II b/III aに特異的に
結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブリノーゲ
ンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を阻害する
能力を有するヒト型モノクローナル抗体を産生する、ヒ
ト・リンパ球とマウス・ミエローマ細胞との融合によっ
て得られるハイブリドーマ又はその子孫。 - 【請求項3】請求項2に記載のハイブリドーマを培養す
ることを特徴とする、ヒトGlycoprotein II b/III aに
特異的に結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブ
リノーゲンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を
阻害する能力を有するヒト型モノクローナル抗体の製造
方法。 - 【請求項4】ヒト・リンパ球とマウス・ミエローマ細胞
とを融合せしめ、そしてヒトGlycoprotein II b/III a
に特異的に結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィ
ブリノーゲンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合
を阻害する能力を有するヒト型モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマを選択することを特徴とする、該
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの製造方
法。 - 【請求項5】ヒトGlycoprotein II b/III aに特異的に
結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブリノーゲ
ンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を阻害する
能力を有するヒト型モノクローナル抗体、又は該抗体の
断片であって、ヒトGlycoprotein II b/III aに特異的
に結合し、ヒト血小板凝集を抑制し、且つフィブリノー
ゲンのヒトGlycoprotein II b/III aへの結合を阻害す
る能力を有する断片を含んで成る血小板凝集抑制剤。
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