JP2775397B2 - 液体バラスト装置 - Google Patents

液体バラスト装置

Info

Publication number
JP2775397B2
JP2775397B2 JP6333696A JP33369694A JP2775397B2 JP 2775397 B2 JP2775397 B2 JP 2775397B2 JP 6333696 A JP6333696 A JP 6333696A JP 33369694 A JP33369694 A JP 33369694A JP 2775397 B2 JP2775397 B2 JP 2775397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ballast
water
liquid
chamber
ship
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6333696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08169395A (ja
Inventor
拓樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KEE BII SHOKUHIN KK
Original Assignee
KEE BII SHOKUHIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KEE BII SHOKUHIN KK filed Critical KEE BII SHOKUHIN KK
Priority to JP6333696A priority Critical patent/JP2775397B2/ja
Publication of JPH08169395A publication Critical patent/JPH08169395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2775397B2 publication Critical patent/JP2775397B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Toys (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船に備えられている液
体バラスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船のバラストは、船体の重心を下げて航
行の安定性を高めるものであるが、そのバラストが液体
バラストである場合には、液体が動揺することにより船
体の安定性に悪影響を与えるおそれがある。例えば、バ
ラスト水の慣性力等を利用して排水口より自動排水する
液体バラストタンクを船体底部等に取付けているボート
では、そのボートの発進加速時等にバラスト水が船尾部
に片寄り、船尾部側に重心が移動して、船体姿勢に深刻
な影響を及ばすおそれがあった。このような問題点を解
決するため、特開昭59−176186号では、仕切壁
を用いて液体バラストタンクを前後方向で2分し、前後
の各ウォーターバラスト室を連通させる連通部を仕切壁
に設けていた。そしてバラスト水の流動を連通部で規制
することにより、船尾部側への急激なバラスト水の片寄
りを防止していた。しかし、この従来例では仕切壁を用
いているため、船体構造が複雑になり、それだけ製造工
程が増え、製造コストも上昇するばかりでなく、仕切板
の取付位置、必要枚数、サイズ等を船の大きさや形状等
に応じて実験し、その結果に基づいて船体を製造しなけ
ればならなかった。また、この従来例では、船体の横方
向のバラスト水の片寄りに対しては、その制御が効かな
いため、バラスト水の動きと船体の動揺が同調し、船体
の横揺れが増幅される危険性があった。さらに、この従
来例では、液体バラストタンクにバラスト水が衝突して
音を立てることで乗員等に不快感を与える場合もあっ
た。
【0003】そこで、この発明は、低コストで簡単に製
造できて、かつ、あらゆる方向へのバラスト水の急激な
片寄りを防止することができるとともに、バラスト水の
衝突音の発生を防止することができる液体バラスト装置
の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の液体バラスト装置は流動する液体
に対する抵抗性が具った気相−固相系複合材料からなる
流動規制部材をバラスト室に収容する船の液体バラスト
装置であって、前記バラスト室は、船底とその船底に対
し着脱自在なバラスト底面とから、船体中心線に対する
横断面形状が略逆三角形状に、かつ、船首部から船尾部
にかけて形成されているとともに、船尾部に取水/排水
口を設け、前記バラスト室の上面に対し、間隙を設けて
バラスト底面を取付けることを特徴とする。
【0005】また、請求項2に記載の液体バラスト装置
は、流動する液体に対する抵抗性が具った気相−固相系
複合材料からなる流動規制部材をバラスト室に取容する
船の液体バラスト装置であって、前記バラスト室は、船
体中心線に沿う前後方向に細長いバラスト上面と、該バ
ラスト上面の左右両縁からそれぞれ船底に向けて立下が
ったバラスト左右両側面と、それらのバラスト左右両側
面及び前記バラスト上面からなる下開き溝の開口部に対
し、着脱自在なバラスト底面とから構成されていて、船
尾部に取水/排水口を設けるとともに、前記バラスト底
面を前記開口部に対し間隙を設けてボルト等で取付ける
ことを特徴とする。
【0006】請求項3に記載のように、前記流動規制部
材を連続気泡構造を具えたプラスチックフォームで構成
したり、或いは、請求項4に記載のように、前記流動規
制部材を、不織布状のシート部材で構成している。
【0007】
【作用】請求項1に記載の液体バラスト装置によれば、
流動する液体に対する抵抗性を有する気相−固相系複合
材料からなる流動規制部材がバラスト室に収容されてい
るので、静止状態から速度を加速するに従い、取水/排
水口よりバラスト水を排水し、その際、流動するバラス
ト水に対する前記流動規制部材の抵抗により、バラスト
水の流動が規制されることになり、発進加速時等におけ
るバラスト水の急激な片寄りを防ぐことができる。また
バラスト底面を船体から外すことができるので、流動規
制部材の交換等が迅速にできることにより、液体バラス
ト装置の調整や保守が容易である。さらに前記バラスト
室の上面に対し、間隙を設けてバラスト底面を取付けて
いるので、取水時間を短縮することができる。
【0008】請求項2に記載の液体バラスト装置によれ
ば、バラスト室に水が満たされ、バラスト左側面と船底
と左舷の下部が水中に没することにより船として機能
し、一方、バラスト右側面と船底と右舷の下部が水中に
没することにより船として機能し、双胴船のように静止
時の安定性を向上させることができる。また、静止状態
から加速した場合には、前記バラスト室に前記流動規制
部材が充填されているので、あらゆる方向のバラスト水
の急激な片寄りを防止することができる。また前記流動
規制部材の調整、交換を迅速に行うことができるし、バ
ラスト底面は船底に対して水密性を持たせずに取り付け
ることができるため、船体の製造コストが安価なものに
なり、また、間隙から水を短時間に取水することができ
るので、迅速な安定性を図ることができる。
【0009】請求項3に記載の液体バラスト装置によれ
ば、前記流動規制部材は連続気泡構造を備えたプラスチ
ックフォームで構成されているので、流動する液体に作
用するプラスチックフォームの抵抗により、液体のあら
ゆる方向の流動が規制されることになる。従って、あら
ゆる方向への液体(例えば、バラスト水)の急激な片寄
りを防止することができるし、このような液体バラスト
装置を低コストで簡単に製造できるとともに、消音性を
備えた液体バラスト装置となる。
【0010】請求項4に記載の液体バラスト装置によれ
ば、前記流動規制部材を不織布状のシート部材で構成し
たので、流動する液体に対するシート部材の抵抗によ
り、液体のあらゆる方向の流動が規制されることにな
る。従って、あらゆる方向への液体(例えば、バラスト
水)の急激な片寄りを防止することができるし、このよ
うな液体バラスト装置を低コストで簡単に製造できると
ともに、消音性を備えた液体バラスト装置となる。
【0011】
【実施例】本発明に係る液体バラスト装置の実施例を図
1乃至図4に基づいて以下に説明する。図1は実施例に
係る液体バラスト装置としてのウォーターバラスト装置
を備えたボートの斜視図、図2は同ボートの船体中心線
に直交する方向の横断面図、図3は同ボートの分解斜視
図、図4は流動規制部材を構成するプラスチックフォー
ムの一片を切り取って模式的に示した断面図である。
【0012】図1に示すボート1は、例えば全長約5メ
ートル、最大幅約2メートルの8人乗り小型船舶であ
り、後述するように、このボート1の実施例に係るウォ
ーターバラスト装置2は、流動規制部材3としてのプラ
スチックフォーム(plasticfoam)をバラス
ト室としてのウォーターバラスト室4に取容して構成さ
れている。このようなウォーターバラスト装置2を備え
たボート1では、静止状態から速度を加速するに従い、
取水/排水口6よりバラスト水を排水し、その際、流動
するバラスト水に対する前記プラスチックフォームの抵
抗により、バラスト水の流動が規制されることになり、
発進加速時等におけるバラスト水の急激な片寄りを防ぐ
ことができる。
【0013】前記流動規制部材3は、液体の流動を規制
するもので、流動する液体に対する抵抗性を有する気相
−固相系複合材料からなり、この実施例では連続気泡
(opencell)構造を備えたプラスチックフォー
ムを用いている。より具体的には、ポリウレタンフォー
ム(例えば、モルトプレイン(商品名))を溶解処理加
工により連続気泡構造にしたもの(以下、スポンジとも
いう)を用いる。この連続気泡構造は、各気泡(cel
l)がセル壁によって完全には囲まれておらず、隣接す
る気泡が連絡している構造をいい、このような構造から
流体の透過性や抵抗性が関連し、あらゆる方向の流体の
移動を規制できるようになっている。この場合、図4に
示すような気泡30の数が8±2ヶ乃至80±10/イ
ンチのスポンジ3を用意し、これらのスポンジ3から船
体7の安定性に最適なものを選択してウォーターバラス
ト装置2を作ることができる。なお、前記スポンジ3
は、その発泡倍率(ここでは、発泡前の素材プラスチッ
クの密度を発泡後のフォームの見かけ密度で除した値と
定義する)でいえば、20倍乃至100倍程度のものが
望ましい。
【0014】前記スポンジ3が、シート状(例えば、厚
さが5mm乃至300mm)に製造されたものであれ
ば、ウォーターバラスト室4の輪郭に合わせて、加工し
ウォーターバラスト室4に充填する。なお、一般的にプ
ラスチックフォームは切削や切断が極めて容易であり、
このような性質を利用して、ウォーターバラスト室4の
輪郭形状に合わせて容易に加工することができ、従って
実施例に係るウォーターバラスト装置2を低コストで、
かつ、簡単に製造することができる。また、前記スポン
ジ3は耐油性や耐候性を備えているとともに、中性洗剤
により洗浄することができる点からもウォーターバラス
ト装置2の管理保守が容易となる。加えて、ウォーター
バラスト室4にスポンジ3が取容されていることによ
り、該スポンジ3が、バラスト水の水面のエネルギーを
吸収し、消音効果も得ることができる。
【0015】この実施例ではプラスチックフォームとし
て、ポリウレタンフォームを用いたが、これに限定され
るものではなく、連続気泡構造のラテラックスフォーム
ラバー、軟質ポリ塩化ビニルフォーム、ビスコーススポ
ンジ或いはビニロンスポンジ等でもよい。
【0016】前記ウォーターバラスト室4は、図1及び
図2に示すように、船体中心線8に対する横断面形状が
略逆三角形状に、かつ、船首部70から船尾部71にか
けて形成されている。そして、船尾部71の原動機取付
部72に設けられた取水/排水口6から、速度の減速に
従って自動的に取水し、逆に、速度の加速に従って、前
記取水/排水口6から自動的に排水するようになってい
る。
【0017】図2及び図3に示すように、前記ウォータ
ーバラスト室4の上面40は船底73によって構成され
ており、また、略V字状のバラスト底面としてのウォー
ターバラスト底面41は、前記上面40に対してボルト
等の止着手段(図示せず)により、着脱自在に取付られ
るようになっている。従って、前記スポンジ3が船体7
の安定性に適合しない場合には、異なる気泡数のスポン
ジ3に、迅速に交換することができて、ウォーターバラ
スト装置2の調整が極めて容易である。なお、前記スポ
ンジ3を前記ウォーターバラスト室4に収容する態様と
しては、この実施例のように、ウォーターバラスト室4
の輪郭に略等しく加工して収容してもよいし、ウォータ
ーバラスト室4の前後方向の後半部のみに収容してもよ
いし、ウォーターバラスト室4の両サイドにそれぞれ分
割して収容してもよいし、ウォーターバラスト室4の上
下方向の上半部のみに取り付けてもよい。また、前記ウ
ォーターバラスト室4の上面40に対し、間隙を設けて
ウォーターバラスト底面41を取付けるようにしていも
よく、この場合、取水時間を短縮することができる。な
お、図1に示すように前記ウォーターバラスト室4は、
連通部42を介して船首部70に設けられてるラム圧孔
43に連通されている。前記ラム圧孔43は、前進中の
船舶に対し前方から作用する空気の圧力(ラム圧)をウ
ォーターバラスト室4に導入するもので、バラスト水の
排出を助けるものである。
【0018】上記のように構成されたボート1の船体7
は、熱成形法によりプラスチック等の合成樹脂を成形す
ることにより製造される。なお、FRP(Fiber
Reinforced Plastics)により成形
したり、さらには強化用繊維としてガラス繊維を用いた
GFRPを用いたハイブリット構造により成形してもよ
い。また、この発明を実施するボートの大きさはこの実
施例のように8人乗り小型船舶に限定されるものではな
く、広く小型船舶に実施することができる。
【0019】次に、図5乃至図8に基づいて、本発明に
係る液体バラスト装置としてのウォーターバラスト装置
の第2実施例を説明する。図5は第2実施例に係るボー
トの斜視図、図6は同ボートの正面図、図7は図6に示
す船体中央部のA−A線横断面図、図8は図6に示すB
−B線縦断面図である。
【0020】第2実施例は、バラスト室としてのウォー
ターバラスト室の構造において、前記実施例(第1実施
例)と異なる。即ち、第2実施例に係るウォーターバラ
スト室5は、船体中心線8に沿う前後方向に細長いバラ
スト上面としてのウォーターバラスト上面50と、該ウ
ォーターバラスト上面50の左右両縁からそれぞれ船底
73に向けて立下がったバラスト左右両側面としてのウ
ォーターバラスト左右両側面51,52と、該ウォータ
ーバラスト左右両側面51,52及び前記ウォーターバ
ラスト上面50からなる下開き溝の開口部53に対し、
着脱自在なバラスト底面としてのウォーターバラスト底
面54とから構成されている。
【0021】このような構成のウォーターバラスト室5
では、図9に示すように、ウォーターバラスト室5に水
が満たされ、ウォーターバラスト左側面51と船底73
と左舷74の下部が水中に没することにより船として機
能し、一方、ウォーターバラスト右側面52と船底73
と右舷75の下部が水中に没することにより船として機
能し、双胴船のように静止時の安定性を向上させること
ができる。また、静止状態から加速した場合には、前記
ウォーターバラスト室5に前記スポンジ3が充填されて
いるので、あらゆる方向のバラスト水の急激な片寄りを
防止することができる。なお、図9においては、前記ス
ポンジ3の図示を省略している。
【0022】この第2実施例においても、横断面形状が
略V字状に構成されたウォーターバラスト底面54は、
前記ウォーターバラスト左右両側面51,52と前記ウ
ォーターバラスト上面50とからなる下開き溝の開口部
53に対し、ボルト等の止着手段を介して着脱自在に取
付けることができるようになっている。このような構造
であれば、前記スポンジ3の調整、交換を迅速に行うこ
とができる。なお、前記スポンジ3を前記ウォーターバ
ラスト室5に収容する態様としては、第2実施例のよう
に、ウォーターバラスト室5の輪郭に略等しく加工して
収容してもよいし、ウォーターバラスト室5の前後方向
の後半部のみに収容してもよいし、ウォーターバラスト
室5の両サイドにそれぞれ分割して収容してもよいし、
ウォーターバラスト室5の上下方向の上半部のみに取り
付けてもよい。また、前記ウォーターバラスト底面54
を、前記ウォーターバラスト左右両側面51,52と前
記ウォーターバラスト上面50とからなる下開き溝の開
口部53に対し間隙を設けてボルト等で取付けるように
してもよい。このような構成であれば、ウォーターバラ
スト底面54は船底73に対して水密性を持たせずに取
り付けることができるため、船体7の製造コストが安価
なものになり、また、間隙から水を短時間に取水するこ
とができるので、迅速な安定性を図ることができる。ま
た、従来のキール部は浅瀬等で磨粍する事が多く、その
場合、手間のかかる修理を必要としたり、最悪の場合に
は船体そのものが使用不能となることもあるが、第1実
施例及び第2実施例のボート1では、前記ウォーターバ
ラスト底面41,54と船底73とは別体であるので、
ウォーターバラスト底面41,54のみを交換すること
ができ、迅速かつ、安価に修復することができるという
利点もある。
【0023】次に、図10に基づいて、本発明に係る液
体バラスト装置の第3実施例を説明する。この第3実施
例は、前記流動規制部材3を航空機である滑空機の液体
バラスト装置に応用したものである。滑空機には、機体
重量を増やして機速を増やすために主翼100内に液体
バラスト装置を設けており、この場合、バラスト水の慣
性力による不安定要素を除去するため、従来例ではバラ
ストタンク内に隔璧等を設けていた。これに対し、第3
実施例ではバラストタンク101に前記流動規制部材3
を収容することにより液体バラスト装置を構成し、バラ
スト水の急激な移動を緩和するようにしている。また、
第4実施例として、前記流動規制部材3を航空機である
原動機を備えた飛行機の燃料タンクに収容するようにし
てもよい。このような構成においても、燃料である液体
の慣性力による不安定要素を除去することができる。さ
らに、散布する液体を収容する装置等の液体収容装置を
備えた飛行機、ヘリコプター、水上飛行機等の液体収容
装置に前記流動規制部材3を収容すれば、液体の慣性力
による不安定要素を除去することができる。
【0024】上記第1乃至第4実施例において、流動規
制部材3としてはプラスチックフォームを用いていた
が、このプラスチックフォームの代わり、化学繊維から
なる不織布状のシート部材(商品名 サランロック)を
用いることもできる。該シート部材は、方向性のないラ
ンダムな化学繊維をシート状にして、(圧着しつつ)融
着或いは接着して、化学繊維を絡ませたもので、流動す
る液体に対する抵抗性を具えた気相−固相系複合材料を
構成する。このシート部材も加工が容易であり、バラス
ト室や燃料タンクの輪郭に合わせて、複数枚のシートを
重ねたり切断して加工し、収容する。
【0025】前記流動規制部材3としては、前記プラス
チックフォームや前記不織布状のシート部材の他、ゴム
のフォーム等がある。要するに、流動する液体に対する
抵抗性を有する気相−固相系複合材料、濾過性能を決定
する因子に言い換えれば、圧力損失の低い気相−固相系
複合材料であればよい。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の液体バラスト装置によ
れば、流動する液体に対する抵抗性を有する気相−固相
系複合材料からなる流動規制部材がバラスト室に収容さ
れているので、静止状態から速度を加速するに従い、取
水/排水口よりバラスト水を排水し、その際、流動する
バラスト水に対する前記流動規制部材の抵抗により、バ
ラスト水の流動が規制されることになり、発進加速時等
におけるバラスト水の急激な片寄りを防ぐことができ
る。またバラスト底面を船体から外すことができるの
で、流動規制部材の交換等が迅速にできることにより、
液体バラスト装置の調整や保守が容易である。さらに前
記バラスト室の上面に対し、間隙を設けてバラスト底面
を取付けているので、取水時間を短縮することができ
る。
【0027】請求項2に記載の液体バラスト装置によれ
ば、バラスト室に水が満たされ、バラスト左側面と船底
と左舷の下部が水中に没することにより船として機能
し、一方、バラスト右側面と船底と右舷の下部が水中に
没することにより船として機能し、双胴船のように静止
時の安定性を向上させることができる。また、静止状態
から加速した場合には、前記バラスト室に前記流動規制
部材が充填されているので、あらゆる方向のバラスト水
の急激な片寄りを防止することができる。またこのよう
な構造であれば、前記流動規制部材の調整、交換を迅速
に行うことができるし、バラスト底面は船底に対して水
密性を持たせずに取り付けることができるため、船体の
製造コストが安価なものになり、また、間隙から水を短
時間に取水することができるので、迅速な安定性を図る
ことができる。
【0028】請求項3に記載の液体バラスト装置によれ
ば、前記流動規制部材は連続気泡構造を備えたプラスチ
ックフォームで構成されているので、流動する液体に作
用するプラスチックフォームの抵抗により、液体のあら
ゆる方向の流動が規制されることになる。従って、あら
ゆる方向への液体(例えば、バラスト水)の急激な片寄
りを防止することができるし、このような液体バラスト
装置を低コストで簡単に製造できるとともに、消音性を
備えた液体バラスト装置となる。
【0029】請求項4に記載の液体バラスト装置によれ
ば、前記流動規制部材を不織布状のシート部材で構成し
たので、流動する液体に対するシート部材の抵抗によ
り、液体のあらゆる方向の流動が規制されることにな
る。従って、あらゆる方向への液体(例えば、バラスト
水)の急激な片寄りを防止することができるし、このよ
うな液体バラスト装置を低コストで簡単に製造できると
ともに、消音性を備えた液体バラスト装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るウォーターバラスト装置を備え
たボートの斜視図である。
【図2】 同ボートの船体中心線に直交する方向の横断
面図である。
【図3】 同ボートの分解斜視図である。
【図4】 流動規制部材を構成するプラスチックフォー
ムの一片を切り取って模式的に示した断面図である。
【図5】 第2実施例に係るボートの斜視図である。
【図6】 同ボートの正面図である。
【図7】 図6に示す船体中央部のA−A線横断面図で
ある。
【図8】 図6に示すB−B線縦断面図である。
【図9】 第2実施例に係るボートの作用を説明する説
明図である。
【図10】 第3実施例に係る滑空機のウォーターバラ
スト装置の斜視説明図である。
【符号の説明】
1 ボート 2 ウォーターバラスト装置 3 流動規制部材 45 ウォーターバラスト室 6 取水/排水口 7 船体 8 船体中心線 30 気泡 40 ウォーターバラスト上面 41 ウォーターバラスト底面 42 連通部 43 ラム圧孔 50 ウォーターバラスト上面 51 ウォーターバラスト左側面 52 ウォーターバラスト右側面 53 開口部 54 ウォーターバラスト底面 70 船首部 71 船尾部 72 原動機取付部 73 船底 74 左舷 75 右舷 100 主翼 101 バラストタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 43/06 B63B 39/03 B64C 17/00 B64D 37/06 B60K 15/077

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動する液体に対する抵抗性が具った気
    相−固相系複合材料からなる流動規制部材をバラスト室
    に取容する船の液体バラスト装置であって、前記バラス
    ト室は、船底とその船底に対し着脱自在なバラスト底面
    とから、船体中心線に対する横断面形状が略逆三角形状
    に、かつ、船首部から船尾部にかけて形成されていると
    ともに、船尾部に取水/排水口を設け、 前記バラスト室の上面に対し、間隙を設けてバラスト底
    面を取付けることを特徴とする液体バラスト装置。
  2. 【請求項2】 流動する液体に対する抵抗性が具った気
    相−固相系複合材料からなる流動規制部材をバラスト室
    に取容する船の液体バラスト装置であって、前記バラス
    ト室は、船体中心線に沿う前後方向に細長いバラスト上
    面と、該バラスト上面の左右両縁からそれぞれ船底に向
    けて立下がったバラスト左右両側面と、それらのバラス
    ト左右両側面及び前記バラスト上面からなる下開き溝の
    開口部に対し、着脱自在なバラスト底面とから構成され
    ていて、船尾部に取水/排水口を設けるとともに、 前記バラスト底面を前記開口部に対し間隙を設けてボル
    ト等で取付けることを特徴とする液体バラスト装置。
  3. 【請求項3】 前記流動規制部材は、連続気泡構造を具
    えたプラスチックフォームであることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の液体バラスト装置。
  4. 【請求項4】 前記流動規制部材は、不織布状のシート
    部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の液体バラスト装置。
JP6333696A 1994-12-16 1994-12-16 液体バラスト装置 Expired - Fee Related JP2775397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6333696A JP2775397B2 (ja) 1994-12-16 1994-12-16 液体バラスト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6333696A JP2775397B2 (ja) 1994-12-16 1994-12-16 液体バラスト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08169395A JPH08169395A (ja) 1996-07-02
JP2775397B2 true JP2775397B2 (ja) 1998-07-16

Family

ID=18268948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6333696A Expired - Fee Related JP2775397B2 (ja) 1994-12-16 1994-12-16 液体バラスト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2775397B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8123169B2 (en) * 2008-11-12 2012-02-28 Honeywell International Inc. Vertical non-bladdered fuel tank for a ducted fan vehicle

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62138729U (ja) * 1986-02-21 1987-09-01
JPH01212691A (ja) * 1988-02-19 1989-08-25 Eijiro Ido 船の構造
JP2719002B2 (ja) * 1989-08-17 1998-02-25 日産自動車株式会社 燃料タンクのバッフル構造
JPH03204397A (ja) * 1990-01-08 1991-09-05 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 有翼飛翔体の姿勢制御方法
JPH0442498U (ja) * 1990-08-10 1992-04-10

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08169395A (ja) 1996-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2372386C (en) Tri-sponson boat hull and method of making boat hulls
JP3242483B2 (ja) 小型船舶の船体構造
EP0466382A1 (en) Stabilized boat
US3531809A (en) Plastic boat construction
KR100415770B1 (ko) 수면 항행기
JP2775397B2 (ja) 液体バラスト装置
US3604384A (en) Boats
US4821829A (en) Air cushion vehicle
CN110509645B (zh) 高正浮力特性轻质高刚度可释放功能型复合材料可拆板
CN206087223U (zh) 冲锋舟
US3416171A (en) Surf-boat with air-floats
WO2017177293A1 (pt) Embarcação urbana
US4730572A (en) Rudderless circular boat
US5546886A (en) Craft with rigid tubulars, having watertight, non-communicating compartments
JP2002227732A (ja) 水上艇の吸気装置
EP0259308A1 (en) Watercraft stabilizing structure
JPH11105782A (ja) 水中翼付き双胴船
JP2000214860A (ja) レゾネ―ト式吸音体
RU2816429C2 (ru) Быстроходное маломерное судно на сжатом пневмопотоке
JPH0263958A (ja) 側壁型エアークッション船
CN216374425U (zh) 一种汽车内饰板结构及汽车
CN114056483B (zh) 一种纤维增强复合材料高速艇
JP2000025684A (ja) エアーボート
KR20240106472A (ko) 모터보트 및 모터보트용 튜브
JP4811918B2 (ja) エアボート

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees