JP2771550B2 - 複動式ピストン・シリンダ型流体ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シリンダが弾性的に膨張可能な、シリンダ
室から排除された、圧力流体の受け取りのために役立っ
ているブーツにより包囲されており、ブーツは、円筒の
外表面状の部分及びピストン棒から離れるように導かれ
ている、円筒の外表面状の部分に連結されている、拡大
されている部分を設けられており、この場合、ブーツの
室内は、シリンダ室と連通しており、また、ブーツは、
その円筒状の部分によってシリンダに、また、その拡大
されている部分によって、ピストン棒にシールされて連
結されている、特に、人間の人工的関節の運動の制御の
ための複動流体ピストン・シリンダ・ユニットに関する
ものである。

従来の技術 この種の公知の装置においては、ブーツの拡大された
部分が、円筒の外表面状の部分に直接的につながってお
り、この場合、このつながり領域が、シリンダの上端部
の領域内に配置されている。ピストン棒から出発してい
る、拡大されている領域は、相対的に鋭角の下に、ピス
トン棒から離れており、これにより、ブーツの円筒状の
部分と、拡大されている部分との間の移行領域が、単
に、弱く形成されるだけであるようにしている。その
上、拡大されている領域が、ピストン行程の全長の上を
延びており、これにより、拡大されている部分がピスト
ン棒から離れて導かれている角度が、非常に鋭角である
ようにしている。最後に、公知の装置においては、拡大
されている領域内に横たわっているブーツの内部の各室
をほぼ全容積が、ガスを満たされるようにしている。な
ぜならば、このガスの詰め物は、ばねとして装入されて
いるからである。このような形成は、シリンダの中への
ピストン棒の押し込みの際に、ブーツの拡大された部分
が、転動膜の形状に一緒に移動し、この場合、一緒の移
動の際に、ブーツ室内の減少された容積が、ブーツの放
射方向の延伸により補償されるという欠点を有してい
る。しかしながら、ブーツのこの放射方向の延伸は、ブ
ーツの両方の部分の間の際立たない移行及び転動膜とし
ての形成のため並びにブーツの内部のガス詰め物の存在
により、決定的とされることが無く、すなわち、ブーツ
は、その外部輪郭がシリンダの外表面から広く離れるよ
うに、変形することがある。しかしながら、このこと
は、特に、人間の人工的関節の場合には、不利である。
なぜならば、そこでは、場所が非常に制限されており、
この場合、その時には、膜の制御不能の吐き出し及び場
合によっては、その運動によるこすりが、減衰装置の故
障に導くことがあり得るからである。

発明が解決しようとする課題 本発明は、ブーツの外部寸法が、ほぼあらかじめ与え
られた形状を保持することができる頭書に述べられた種
類の複動式ピストン・シリンダ型流体ユニットを得るこ
とを、その課題とするものである。

課題を解決するための手段 本発明によると、この課題は、ブーツの円筒状の部分
と、ピストン棒から出発している、拡大されている部分
との間の遷移部が、好適には、円筒状の部分よりも、よ
り大きな直径を有している***状の領域により形成され
ることと、すべての流体的に有効である空間、に、ブー
ツの室及びピストンの両側のシリンダ室が、流体を満た
され、この場合、円筒状の部分よりも、より大きな直径
を有している領域の半径の、円筒状の部分よりもより大
きな直径を有している領域と、ブーツのピストン棒にお
ける固着点との間の軸方向距離に対する比が、3:1〜1:
2,好適には、2:1であることにより解決される。これに
より、ブーツの円筒状の部分と、拡大されている領域と
の間の遷移部内の拡大されている領域のため及び円筒状
の部分よりも、より大きな直径を有している領域と、ピ
ストン棒から出発している、拡大されている領域との間
の軸方向の距離に対する比のために、ピストン棒から出
発している、拡大されている領域が、まず、皿状膜とし
て作用すること、すなわち、ピストンの行程運動の始め
に、この皿状膜が、類似の転動膜よりも、より小さな排
除容積を有しており、この場合、円筒状の部分よりも、
より大きな直径を有している領域のために、ブーツの円
筒状の領域の安定化が行われることが達成される。その
場合、ブーツの放射方向の膨張の際に、まず、円筒状の
部分の自由端部のシリンダへの固着点と、円筒状の部分
よりもより大きな直径を有している領域との間に横たわ
っている円筒状の部分が拡大され、これにより、全体の
円筒状の領域が、その取り付けから、円筒状の部分より
も、より大きな直径を有している領域の端部に至るまで
の上に横たわっている部分を有するようになる。ピスト
ンが更に中へ押圧される時に始めて、拡大されている部
分が、転動膜に移行する。

有利には、ブーツのピストン棒から出発している、拡
大されている部分の中に、好適には、円筒状の部分より
も、より大きな直径を有している領域において、残りの
ブーツよりも、より大きな柔軟性を有している領域が、
しっくり適合されて設けられることができ、これによ
り、膜の皿状膜から転動膜への移行の間における運動
が、正確に制御されることができる。最後に、ブーツの
円筒状の部分は、シリンダにおける接続領域内におい
て、好適には、同様に、円筒状の部分よりも、より大き
な直径を有していいる***状の領域を設けられることが
できるが、このことは、同様に、ブーツが、ピストン棒
の完全に進入した状態において、ほぼ円筒状の外部輪郭
を有するために寄与する。

実 施 例 以下、本発明をその実施例を示す添付図面に基づい
て、詳細に説明する。

１により、流体シリンダが示されているが、このシリ
ンダ１の中には、ピストン棒２を設けられたピストン３
が、軸方向に移動可能に案内されている。流体シリンダ
１は、その場合、そのピストン棒２と反対側の端部にお
いて、シリンダ底４により、また、そのピストン棒２を
有している端部において、シリンダ・カバー５により、
それぞれ、閉鎖されており、このシリンダ・カバー５を
貫いて、ピストン棒２がシールされて貫通されている。
シリンダ１及びピストン棒２は、外部を、たわみ可能
な、弾性的な膨張可能なブーツ６により閉鎖されている
が、このブーツ６は、その１端部において、シリンダ１
に、また、その他端部において、ピストン棒３にシール
されて連結されている。

ブーツ６は、その場合、ほぼ円筒状の部分７と、ピス
トン棒２から外へ出ている、拡大されている部分８とを
有している。円筒状の部分７と、拡大されている部分８
との間の移行部の領域内には、円筒状の部分７よりもよ
り大きな直径を有している領域９があり、この領域９
は、本実施例においては、***として形成されている。
***９から反対端部において、ブーツ６の円筒状の部分
７は、***10を設けられているが、この***10は、ブー
ツ６のシリンダ１への固着のために役立っている。その
場合、拡大されている部分８は、あるテーパを有してお
り、このテーパにより、円筒状の部分７よりも、より大
きな直径を有している領域９の半径Ｒは、円筒状の部分
７よりも、より大きな直径を有している領域９の中心平
面Ｅの、ブーツ６のピストン棒２における取り付け点11
からの距離Ｌの約２倍に一致している。このより大きな
直径９の領域において、ブーツ６の拡大されている部分
８の中に、より大きな柔軟性の領域12が密着しており、
この領域12は、運動の始めに、拡大されている部分８の
皿状の膜としての機能に有用となっている。

ブーツ６の室内は、ピストン３の下部のシリンダ室13
に、連結導溝14を介して連結されているが、この導溝14
の中には、逆止弁15が設けられており、この逆止弁15
は、シリンダ室13からブーツ６の室内への流体の進入を
阻止する。更に、シリンダ室13は、ブーツ６の室内と、
絞り16を介して連結されている。ピストン３の上部のシ
リンダ室内17は、ブーツ６の室内と、連結導溝19を介し
て連結されているが、この導溝19の中には、逆止弁18が
組み込まれており、この弁18は、シリンダ室17から、ブ
ーツ６の室内への流体の進入を阻止する。更に、シリン
ダ室17は、ブーツ６の室内と、絞り20を介して連結され
ている。

21は、シリンダ１の底４の支持板への固着のための穴
であり、また、22は、ピストン棒２の操作機構への固着
のための穴である。

ピストン棒２が、第１図に示された位置から出発し
て、シリンダ１の中に進入すると、その時には、ピスト
ン３の下部のシリンダ室13内にある流体は、絞り16を経
て、ブーツ６の室内に圧入され、この場合、ピストン３
の上部のシリンダ室17の中に形成される負圧により、流
体はブーツ６の室内から、一方では、絞り20を経て、ま
た、他方では、連結導溝18を経て吸引される。シリンダ
室13から外へ供給される流体の容積は、シリンダ室17の
中に吸引される流体の容積よりもより大きく、また、他
方では、ピストン棒２の進入運動に基づく距離Ｌの短縮
のために、拡大されている部分８の領域内にあるブーツ
６の部分の容積が減少するので、ブーツ６の円筒状の部
分７は、放射方向に拡大され、しかも、それが、第２図
に示された状態が達成されるまでの範囲で拡大される。
この運動の間に、ブーツ６の拡大されている部分８は、
運動の第一の部分においては、円筒状の膜のような状態
であり、しかも、この部分８が、まず、平たくされ、従
って、ほぼ平らな状態に移行し、それから、内方に裏返
され、しかも、ブーツ６のピストン棒２への固着点12の
領域が、より大きな直径の領域９の内部に横たわるま
で、それにより、ブーツ６の部分８の裏返しとなるまで
の範囲においで裏返されるピストン３のこの位置におけ
る個々の部分の相互の位置が、第２図に現されている。

今や、ピストン３、従って、ピストン棒２が、シリン
ダ１から立ち去ったならば、その時には、反対の運動経
過及び流体の流れが現れ、すなわち、ブーツ６の室内か
ら流体が、連結導溝14を経て、逆止弁15を介して、ま
た、部分的には、絞り16を介して、ピストン３の下部の
シリンダ室13の中へ吸引されることが現れる。同時に、
ピストン３の上部のシリンダ室17の中にあるその流体
は、絞り20を介して、ブーツ６の室内に押し出される。
吸引された容積は、押し出された容積よりも、より多い
ので、また、他方では、ブーツ６の膨張に基づいて、ブ
ーツ６の室内の容積が拡大されるので、ブーツ６の円筒
状の部分７の直径は減少し、この場合、ブーツ６の円筒
状の部分７の***状の拡大部９、10による両側の境界の
ために、ブーツ６の一様な引き込みが達成される。ピス
トン棒２の外方運動の終わりには、装置の個々の部分
は、第１図に現された状態を、再び取る。

発明の効果 本発明は、上記のような構成及び作用を有しているの
で、ブーツが膨張した後、収縮した際に、ブーツの外部
寸法が、あらかじめ与えられた形状を、ほぼ保持するこ
とができる複導式ピストン・シリンダ型流体ユニットを
提供するという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ピストン棒がシリンダの外部に突出している
状態において本発明の１実施例を示す縦断面図、第２図
は、ピストン棒が進入した状態において示す同様な縦断
面図である。 １……シリンダ、２……ピストン棒、３……ピストン、
６……ブーツ、７……円筒状の部分、８……拡大されて
いる部分、９、10……***、11……固着点、12……大き
な柔軟性を有する領域、13、17……シリンダ室。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダを形成する手段、 前記シリンダ内で変位自在であると共に該シリンダ内に
   両端に隣接して作動流体収容室をそれぞれ画成するピス
   トン、 前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外に延
   出しているピストン棒、 前記シリンダ及びピストン棒を取り囲み協働して加圧作
   動流体可変容積室を形成する弾性変形自在のブーツであ
   って、前記シリンダに流体密に連結されている概して円
   筒形の円筒部分と、前記ピストン棒に連結され該ピスト
   ン棒から出発して外側に拡がっている拡大部分と、同拡
   大部分と前記円筒部分との間にある遷移部分とを有する
   前記ブーツ、及び 前記作動流体収容室のそれぞれと前記可変容積室との間
   を流体連通させる手段を有し、 前記遷移部分は、前記ピストン棒の外側延出領域におい
   て外側に向かって凸状の形状を有すると共に前記円筒部
   分より大きい半径を有し、 前記円筒部分より大きい半径の前記遷移部分の半径Ｒ
   と、最大半径部における前記遷移部分の横断面と前記ブ
   ーツが前記ピストン棒に流体密に接続されている箇所で
   前記シリンダに最も近い点との間の軸方向距離Ｌとの間
   の比R/Lが、 次の関係 3:1≧R/L≧1:2 で与えられる複動式ピストン・シリンダ型流体ユニッ
   ト。
2. 【請求項２】前記比R/Lが実質的に2:1である請求項１記
   載の複動式ピストン・シリンダ型流体ユニット。
3. 【請求項３】前記遷移部分が、前記ピストン棒の外側延
   出領域において前記ブーツの外側環状膨出部を形成して
   いる請求項１記載の複動式ピストン・シリンダ型流体ユ
   ニット。
4. 【請求項４】前記ブーツは、外側に拡がっている前記拡
   大部分と前記遷移部分との結合部で残りの部分より大き
   い可撓性を有して形成されている請求項１記載の複動式
   ピストン・シリンダ型流体ユニット。
5. 【請求項５】前記ブーツは、前記シリンダに流体密に接
   続されている部分の基部で、前記シリンダ棒の外側延出
   領域における概して円筒形の部分の半径より大きい半径
   を有する外側環状膨出部を形成している請求項１記載の
   複動式ピストン・シリンダ型流体ユニット。